2007年春、映画「ロッキー・ザ・ファイナル」が上映されています。
ロッキーの第一作が公開されたのは1976年ですから、丁度30年前になります。私が15歳、高校1年生の時でした。和歌山市内の映画館で観たことを今でもはっきりと覚えています。当時、高校に入っては見たものの目標を見出せなくて、全てに迷っている最中でした。そんな時、偶然手にした週刊誌にロッキーの映画紹介が掲載されていたのです。
当時、無名の俳優シルベスター・スタローンが三日で書き上げたシナリオを自ら映画監督と主演を務め、わずか100万ドルの予算で仕上げた映画だと紹介がありました。そんな無名の俳優と低予算で完成させた映画がアカデミー賞を獲得したと報じられていたのが、鑑賞のきっかけです。
しかも映画の内容は、人生に希望を失っていたもう若くはないボクサーが自らの全てを掛けてヘビー級チャンピオンに挑戦するもので、チャンピオンの座、人生、恋人の全てを挑戦することで掴もうとするロッキーの姿に感動したものです。試合結果は惜しくも敗戦、頑張ったとしても簡単に成功を得られる程、人生は甘くないことを知らされます。そして敗北では人生を変えることは出来ませんでした。しかし挑戦して得るものもありました。愛する人との信頼、負け犬からの脱却など、挑戦した人だけが得られるものを獲得したのです。挑戦するだけでは希望する全てを手にすることは出来ませんが、挑戦しないでは得られないものもあるのです。若くても年を取っても、挑戦しないで何も得られることはありません。挑戦することに年齢は関係ないのです。
10歳代の青年には人生の教訓として相応しいものでした。勇気をもらえる音楽と共に、高校生活は始まったのです。
あの頃、30年も時間が過ぎ去るとは思いもしませんでしたし、30年が経過してロッキー・ザ・ファイナルを観て再び勇気付けられるとは思いませんでした。60歳のスタローンとロッキーが人生は挑戦するものであることを再び教えてくれたのです。もう決して若くない45歳にとって「他人を指して自分の弱さをそいつのせいにするな」や「人生ほど思いパンチはない」「自分あきらめない」などのセリフは、これから人生の後半戦を歩かせてくれるのに十分過ぎる程、大切な教訓となります。
さて映画では、若い無敗のチャンピオンに挑戦した60歳のロッキーは最終ラウンドまで戦い抜きますが判定で敗れます。しかし判定が出る前ロッキーは、満足した表情でリングを降り家族と共に控え室に戻ろうとしています。全てを賭けた戦いに、自分と自分の周囲が満足すれば結果は関係ないのです。若い時は結果も大切ですが、経験を重ねた後は自分との戦いに勝つことがより重要で、結果が目的ではなくなります。勝ち負けだけが人生ではないのです。何歳になっても、挑戦する姿勢を持ち続けることが人生を完全燃焼させてくれることを教えてくれます。同じ場所に長く居続けると挑戦する心を失くしますから、自分で立ち位置を変えることで挑戦する気持ちを保ちたいものです。
すっかり忘れていたロッキーのテーマが心に蘇りました。心に火をつけてくれる音楽を持って今日からスタートです。15歳と45歳の二人の自分が、ロッキー・バルボアによって励まされました。このように言葉の威力は凄いものです。
しかし自分中心の立場での発言は他人を傷つけやる気を削いでしまうことに気付いていない人も多いのです。だから、自分が発するメッセージは人を勇気付けるものにしたいと改めて考えています。
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