ある社長の考え方はとてもシンプルで勉強になります。人に訴えるのは簡単で分かり易いものにしなければならないのです。自分だけが分かっているような小難しいことを語ったとしても、理解してくれる人は数パーセント程度と少ないのです。人に理解してもらうためには簡単に、ストレートが基本です。
従業員の皆さんへの集会に関して社長が私を紹介してくれました。
社長からは「何故県議会に新人候補が必要なのか。それは血液の入れ替えが必要な患者がいるのに血液を入れ替えないのでは、病気を治すことが出来ません。和歌山県の状態はそれと同じです。問題が起きても入れ替えをしないのでは県の病は治癒しません。是非ともしがらみのない若い候補者を送り込んで欲しいと思います。やるからには勝たないと意味はありません。皆さんも応援して欲しいと思います」と紹介していただきました。
分かり易い例えで話してくれたので、私の挨拶がなくても良い位でした。
さて社長は和歌山市出身ではなく一代で起業しています。誰も知らないまちで会社を起こせたのは、信頼出来る友人を作ったことが要因です。飛び込みで新規開拓を図るのは大変困難です。それよりも知り合いを通じて取引先を探すほうが関係を構築するのは容易です。金銭よりも信頼を大切にしたことから今があります。
また現在の行政機関が取り組もうとしている観光施策についても効果がないことを示してくれました。自動車が急いでいるので100kmのスピードで1分間走ったとしても、赤信号で1分間停止すれば時速50kmで走っているのと同じになるように、週末の観光施策を講じたとしても観光客が訪れるのは土曜日と日曜日だけですから、30日の内の8日だけ賑わうだけです。一ヶ月の内わずか8日間だけ観光客が来たとしても、経済効果は期待できません。それよりも月曜日から金曜日の経済的な底上げを図ってから休日の賑わいを創出する施策を講じるべきです。
つまり週末毎に開催する単発のイベントを繰り返したとしても経済効果は少ないので、それよりも産業振興や企業誘致などに力点を置く方が、まちを活性化させるための基本です。本末転倒な施策にならないように気をつけて欲しいと依頼がありました。まちを活性化させるには人の流れを創り土地の流動化を図ることが基本です。どんな施策を講じようとも、人と土地を動かせないとすれば全く意味はありません。
あくまでもシンプルに、分かり易く訴えることが、他人に自分の考えを理解してもらうための基本です。
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