本屋に行くとノウハウ本やビジネス本が溢れています。数週間で英会話を習得出来る方法とか、絶対確実な営業方法、100%儲けることが可能な経営について、絶対読まれるブログの作り方など、挙げたらきりがありません。
かつて個人のノウハウ(経験から得た知恵)を公開している本は少なかったため、これらのビジネス本を読むと参考になる箇所がかなりありますから良い時代になったものです。情報を集めたり参考にしたい手法に関してはビジネス本で学ぶことが可能です。
作者が苦労して身につけたノウハウや、長年にわたって経験した中から有益なものを集めた中身ですから、未経験の人にとって拠り所になるのは間違いありません。
ところが読んだだけでは作者と同じような成功体験をしたり、英語力を習得するまでに至らないのが現実です。これは何故なのでしょうか。作者が適当なことを書いている訳ではありませんから不思議です。
実はビジネス本に書かれていることを実践しても作者と同じような効果が出ないのは、根気が原因なのです。読んだあとは「その通り」と思って最初の数日は実践するのですが、その後は忙しさとビジネス本に書かれていたノウハウを数日試してみたけれど成果が出ないことから、やがて実践から遠ざかることになります。
英単語を1日10個覚えるだけで1年後には3,650の単語を覚えられることを知り、1日たった10の単語を覚えるだけで良いのなら簡単と思うのですが、最初の数ページめくっただけで後が続かないことがあります。
情けは人のためになるのではなく最終的には巡り巡って自分のためになり人生が変わると書かれているから、毎日のひとつだけでも他人に親切にすること心掛け、数日実践しても何も人生が変わらないばかりか、損ばかりするから止めてしまうこともあります。
スーパー営業員の営業ノウハウ。読んでみても既に分かっている簡単なことばかりで今さら実践しても効果がないと思って営業スタイルを変えないことがありますし、仮に素晴らしいノウハウだと思って実践しても直ぐには成果に結びつかないことから、人はそれぞれ性格が違うのだから作者と同じスタイルで営業しても私には向いていないと思い、途中で中断してしまうこともあります。
他人のノウハウを自分のものにすることが如何に難しいか、経験した人は理解出来るものです。生き方でも営業でも自分のスタイルで取り組む方が苦痛はないため、やがて他人のノウハウを取り入れようとしなくなります。
それでも問題はありませんが、自分と異なる価値観を沢山の人から学び、受け入れる容量がないと自分の枠を決めてしまう恐れがあり、ある程度で成長の伸びが止まってしまいます。
他人が私達のために苦労して身につけたノウハウを公開してくれているのですから、そこから学びたいものです。それを遮る最大の壁は根気なのです。面倒くさくても慣れなくても継続する粘りがあると、学習の成果を自分のものにすることが出来ます。
他からのノウハウを受け入れ、それを成功させる鍵は根気です。