国内で生活していると世界を意識することは少ないですし、国内で仕事をしていても同様です。思う以上に現在の世界の流れを知らないことが日本の課題です。
作家の落合信彦氏が、2005年に世界を揺るがしたと考えるニュースのベスト5をその著書で紹介しています。(*1)
第一位。イスラエルのガザ地区からの撤退。
第二位。レバノンの元首相ハリーリ氏の暗殺。
第三位。イラクの自由選挙。
第四位。国連の末期的症状の現れ。
第五位。北朝鮮を巡る六カ国協議。
如何でしょうか。国内の出来事に関心の重点があるとピンと来ない出来事が並んでいますが、現在の世界は中東情勢によって左右する状況に置かれていることが分かります。しかし国内メディアで中東情勢が取り上げられることはそれ程多くなく、国内にいると余りにも中東に無関心になります。
ここは報道のあり方に責任を押し付けるのではなく、インターネットなどによって世界の流れを自分なりに把握する姿勢を持つことも大切だと思うことです。世界情勢を知ったところで日常生活には何の役にも立たないことを知っている私達ですから、無関心でいても通常の場合、問題は表面化しません。
ところが日本も国際社会の一員ですし、市場主義化の進展や金融のグローバル化から逃れられる訳ではありませんから、大きな流れを知っておくことは廻り回って私達の生活に跳ね返ってくることを意味しています。
国政に携わっている政治家の考え方により国際的な日本の位置は変わりますから、世界情勢を分かった上で国政に携わる政治家を選びたいものです。国会で意見してもらうべき政治家に対して地元の問題解決だけを陳情したり、地方政治家と同じよう仕事を求めるのはある程度は控えたいものです。何しろ国会議員を選ぶことは国のリーダーを選んでいるのですから。
私達が世界の動向を知ったとしても何もすることは出来ませんが、私達の考えで政治家を変えることは出来ます。もっと言うなら私達の考え以外に政治家を変えることは出来ないのです。
大きな流れを意識した上で日常生活を過ごすのと、身近な話題だけを頼りに生活するのとでは、やはり相当の違いが発生すると思いたいのです。日本だけが今のままで良いとか、この先も今の先進的地位のまま生きていけるとは限りません。世界動向を意識することで域内のニュースにだけ浸ったり、域内の利権だけを求める行動だけは避けたいものです。
*1の出典 『まがいモンたちの終焉』落合信彦著、青春出版社、2006.4.29
|