格差社会、希望の見えない社会と言われていますが、それは具体的などのような状態を指しているのか分かりにくいものがあります。勝ち組や負け組、年収の大小などの比較はありますが、その差を具体的に思い浮かべることは困難です。
そこである方は例え話で、言葉をビジュアル化させるとイメージが浮かび上がって来ることを教えてくれました。
ひとつ。平成17年夏、アメリカのニューオリンズを襲ったハイケーン「カトリーナ」。貧しい地域とされる地域の悲惨な状況が映像で配信されました。弱いところにお金をかけない社会構造であるこの状態が格差社会です。なるほど、ニュース映像を見ている人にとっては格差社会の状況が浮かび上がってきます。
ふたつ。アメリカのキャットフードには「人間が食べるものではありません」と注意書きが印字されているようです。日本に住む私達には信じられないのですが、アメリカの貧しい層の方はキャットフードを食する場合もあるそうです。ペット用の缶詰を人間が食べなければならない社会、これが格差社会です。
どちらも体験していなくても映像的なイメージが沸いてきます。これが分かり易い訴え方です。物事を具体化させるためには考え方や状況を言語で示すと共に、事例を用いてイメージしてもらえる工夫が必要となります。
人は体験したことならイメージが沸き、その状況を頭の中で具体化させることが可能ですが、未体験の状況を思い描くことは困難です。その場合、分かり易い事例を用いることで未体験のことでもイメージが描けます。
難しいことを簡単に表現するのは難しいものですが、自分が経験した中から適切な事例を引っ張ってくることで具体的に表現することが可能となります。
ただイメージは全く何もないところから作られるものではありません。元々何かのベースがあり、その延長戦上にイメージ展開があります。政治家の場合、日頃自転車に乗っていない人が選挙の時に、突然自転車に乗って自分の特長を訴えても、元々そのイメージがないため、訴える対象となる人に対して、全く掛け離れた違和感のある人物像の印象を与えてしまいます。これではイメージ戦略が失敗となります。
あくまで日常の延長にイメージがあることを認識しておくべきです。ですから他人が取り入れて成功した事柄を取れいれて同じことをしても、自分が成功するとは限らないのです。自分らしさを前面に出すこと、そしてそのイメージを高める手段は個別に異なることを知っておきたいものです。
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