今ではNPO法人はまちづくりに欠かせないものになっています。施策を具体化するためにも、まちを活性化させるためにも民間、特にNPO法人に関わってもらうことが不可欠です。NPO法人は各分野で専門的知識を持った人が活動しています。
NPO法人化の利点はいくつかあります。課題に応じて対応可能な体制が容易に取れること。思ったことや好きなことアイデアがあれば、直ぐに取り組むことが出来ますから、企業や行政組織と異なり迅速性があるため課題解決には適しています。しかも何重もの決裁行為がいらないためメンバーによる迅速な意思査定も図れます。
また法人化することで契約の主体と成り得ます。企業や行政機関との契約行為も可能で、個人の活動よりも格段に活動領域が拡がります。行政機関と協調することで更に公的な部分も担えることがあり、専門性やメンバーの特徴を活かした活動を行えますし、社会的責任を担えることで遣り甲斐も発生します。
このように優れたNPO法人による活動はまちを活性化するものです。但し、NPO法人は企業と同様の経営感覚が必要です。問題になるのは資金ですからどうして活動資金を工面するのか、収益性を高めることも考える必要があるため運営が難しい一面もあります。
行政への市民参加は必要ですが、例えば市民参加条例を設定したら市民参加になるかと言うとそれは違うと思っています。首都圏では市民活動の進んだ地方自治体がこの条例を
定めているところがありますが、今時点では例外だと考えています。
つまり行政が市民活動の枠組みを作ってあげて、さぁこの土俵で活動して下さい、支援しますよ、のしくみでは活動が活性化しないのです。NPO法人に求められているのは企画力、提案力、実行力の能力です。能力を持って活動しないと行政機関は相手にしてくれません。優れたアイデアがあれば、プレゼンテーションするだけの資料作成と説明を行えるだけの実力が必要です。行政担当箇所を説得できる位の企画力と熱意を持つことが市民参加の意味です。
口をあけて待っているだけでは行政との連携、つまり市民参加は叶うことはありません。まずNPO法人の能力を高めることが大切で、それを和歌山市でも和歌山県にでも企画をぶつけたら、それに応えてくれるだけの体制を取ってくれています。説得するだけの熱意と企画を持つNPO法人が増えてくれば、自然に行政機関はNPO法人との協働を図ろうとしてくれますし、それが市民参加だと言えます。
実力を持ったNPO法人が増加してきて課題が出てくる様であれば、市民参加条例を設けて一般的な取り扱いを統一すれば良いのです。
そして、恵まれた立場にいる人ほどNPO活動に取り組んで欲しいと思います。行政機関や企業、組織などの強い立場と市民の立場の両方を同時に経験することで視点が拡がります。お互いの立場が理解できるのでそこから本業としての仕事の幅も拡がります。現役の内にNPO活動に取り組んでみて下さい。
そしてNPO法人の立場で活動資金集めをするとお金の大切さが身に沁みて分かります。多くの人がその気持ちが理解出来たら、市民参加のまちづくりが完成していきます。
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