答弁。
1. 国の名勝指定和歌の浦の活用について
(1)名勝指定を受けようとする和歌の浦の価値について
答弁者:仁坂知事
和歌の浦についてでございますが、このたび開催されました文化審議会において、和歌の浦を名勝に指定するよう答申され、大変喜んでいるところでございまして、これを機に、ぜひとも和歌の浦を積極的に売り出してまいりたいと考えております。
和歌の浦は、議員お話のとおり、古くは聖武天皇行幸の際、同行した宮廷歌人山部赤人が『若の浦に 潮満ち来れば』と詠んだ、当時の都人憧れの地であり、時を経た今も日本を代表する景勝地であると思います。また、紀州東照宮や三断橋、それから海禅院多宝塔など紀州徳川家ゆかりの建造物が残る歴史文化の地でもあります。
議員から彩りをつけると言う話がありましたが、私が思いますに万葉と徳川かなと思います。いずれも歴史的景観を守り、これをアピールしていくと言うことが観光にもつながると考えております。私も以前、地元の方々に和歌の浦をご案内いただいたとき、改めてこの身近にあるすばらしい景観、文化遺産的な価値を改めて認識いたしまして、これを守っていく必要性を痛切に感じました。そうした思いを持って、本年3月の文化審議会の審議委員の方々が視察にお見えになったのですが、私も現場に赴きまして、委員の皆さんに一生懸命説明をさせていただきました。
また、和歌の浦を愛する地元の方々が、日頃から、清掃やトイレの手入れとか美観整備、さらには「妹背山徳川期伽藍復興事業」に取り組まれておりまして、その活動、ご努力に感謝申し上げますとともに、そうした地元の皆さんをはじめ和歌山市や関係団体とも十分連携しながら、多くの観光客に訪れていただけるよう、長い歴史に裏付けられた和歌の浦の魅力を積極的に発信していきたいと考えております。
(2)第一区地域内の保全について
答弁者:教育長
国の名勝指定和歌の浦の活用のうち、第一区地域内の保全につきまして、お答えします。
和歌山県教育委員会では、今年度から、幅広い人々の意見を聞きながら保存管理計画を策定することとしてございます。この保存管理計画に沿って、景観や歴史的建造物の保全を行ってまいりたいと考えてます。
また、説明板の設置についても庁内関係機関と協議してまいります。
続きまして、策定委員の選定についてでございますが、委員会は、学識経験者や地元連合自治会、関係行政機関で構成することになってございまして、また、和歌の浦で活発に活動されている民間団体の方々から幅広く御意見を求めるために部会組織の設置についても検討しているところでございます。
(3)観光施策について
答弁者:商工観光労働部長
名勝に指定されることとなった和歌の浦の観光振興についてでございますが、県ではこれまでも、和歌の浦をはじめ県内万葉ゆかりの地を訪ねる「紀伊万葉」の旅を提案し、ガイドブックやウォークイベント等を通じて誘客に努めてきたところでございます。
今回の名勝指定は、まさに和歌の浦を売り出す絶好のチャンスと捉えてございまして、地元和歌山市や地域住民の皆さんとも十分連携しながら、紀伊万葉をはじめ、周辺の東照宮や天満宮、紀三井寺、養翠園等を含めた和歌の浦を風光明媚な歴史文化エリアとして、また、海水浴やヨット、ウインドサーフィンといったマリンレジャーが楽しめるエリアとして、さらには獲れたての新鮮な海の幸を味わうことのできるグルメなエリアとして、マスコミや旅行会社に対しさらに積極的にPRし、和歌の浦の観光振興につなげて参りたいと考えております。
(4)道路案内板について(資料配付)
答弁者:県土整備部長
道路案内板についてでございますが、本県では、法令等に則り、できるだけわかりやすい案内標識や補助標識を設置しております。
議員ご指摘の県外から来られる皆様の視点から、和歌浦への道路案内表示に関しましては、道路標識による方法や他の方法も含めまして、できるだけわかりやすい案内方法はないかなどについて、関係機関とも協議をしながら検討して参りたいと思います。
2.中国への観光施策について
(1)中国を対象とした観光施策および東北三省への観光施策について
答弁者:商工観光労働部長
中国への観光施策についてでございますが、県では、中国を本年の観光振興の重点国として捉えており、個人ビザ取得要件の緩和、上海万博への出展、山東省や遼寧省との友好関係を生かして、プロモーション活動を強化することにより、中国からの観光客数の増加を目指して参ります。
議員からお話のありました、東北三省でのプロモーション活動につきましては、今後、関西国際空港との定期直行便を有する遼寧省、黒龍江省、吉林省を主なターゲットとしまして、観光関係事業者とともに、議員ご指摘にございました温泉やパンダをはじめ、温暖な気候、豊かな自然など和歌山の魅力を盛り込んだ旅行商品の造成及び販路開拓に努めて参る所存でございます。
3.国内クレジットについて
(1)国内クレジット制度の活用と推進施策について
答弁者:環境生活部長
国内クレジット制度につきましては、議員ご指摘のとおり中小企業等における温室効果ガス排出削減の取組を推進するとともに、これまで海外からの京都メカニズムクレジット購入に充てられていた大企業等の資金を地域への投資に振り向ける制度として、とりわけ中小企業比率の高い、また、環境先進県を目指す本県にとりましても非常に意義があるものと考えてございます。
県内における国内クレジット制度の活用促進につきましては、事業者の皆さんに制度そのものはもちろん、国が実施している計画作成等に係る支援制度、また審査等に係る経費助成制度などについても広く知っていただくことが重要であります。
このため、近畿経済産業局や商工会議所等と十分に連携を図りながら制度説明会を開催するほか、産業別担当者制度を活用するなどして、適応事例の掘り起こしなど国内クレジット制度の普及に努めてまいります。