答弁。
1. 自殺対策について
(1)学校教育における「いのちの教育」について
(2)「地域自殺対策緊急強化基金」の教育への活用について
答弁者:教育長
児童生徒の自殺予防対策につきましてお答えいたします。これにつきましては、各学校で命を大切にする教育を進めていくことが大切であると考えます。
これまでも各学校では、道徳の時間を中心として、生命尊重の心情を高めるために教材や授業の進め方などの工夫を行うとともに、動物や花を育てたり世代を超えた交流などの体験活動をとおして、命の尊さや生きる喜びを味わう取組を実践しております。また、一人ひとりの違いを認め合い理解し合える人間関係づくり、互いに協力し励まし合える授業づくり・学級づくりなど、子どもを孤立させず、共に生き生きと学校生活を送れるための取組を推進してございます。
県教育委員会では、各市町村教育委員会の指導主事、各学校の管理職や生徒指導担当者等の会議や研修会におきまして、命を大切にする取組をさらに充実するよう指導するとともに、県警察本部や相談機関等と連携しながら講師を派遣し、児童生徒に命の大切さについて啓発してございます。また、県内すべての学校に文部科学省が平成21年3月にまとめました「子どもの自殺予防」マニュアルを配布し、校内研修等での活用を図っております。
現在、各学校におきましては、さまざまなテーマで外部の方を講師に招いた授業が活発に展開されておりますので、議員ご提案の命を大切に教育を進めるために、「地域自殺対策緊急強化基金」につきましても、いのちの電話相談員の招聘や絵本の読み聞かせ等に活用できるよう、関係部局と連携して進めてまいります。
(3)「和歌山県自殺対策情報センター」の活用について
答弁者:福祉保健部長
まず、最初に、自殺対策の2点のうち「和歌山県自殺対策情報センター」の取組についてでございますが、本県においては、年間250人から300人の方が自ら命を絶たれておりますが、自殺は家族や周りの人々に大きな悲しみと生活上の困難をもたらし、社会全体にとっても大きな損失であり、自殺を考えている人を一人でも多く救うことが求められております。
そのため、当センターにおきましては、市町村、医療機関などの関係機関と連携し、相談体制の充実を図るとともに、自殺についての正しい認識を深めるための情報提供、相談業務に携わる者の相談技術向上研修の実施など自殺対策の総合的な支援体制の整備を推進して参ります。
次に、「和歌山県における自殺対策の推進基本方針」を踏まえた「地域自殺対策緊急強化基金」の活用につきましては、本年度から、基本方針に基づき、自殺に関する実態把握、分析等を行うとともに自殺対策に先駆的に取組む団体への助成、自死遺族の支援、さらには、重点対策地域である和歌山市及び白浜町のモデル的な取組を支援することなどにより基金を活用して参りたいと考えております。
2.地上波デジタル放送への対応について
(1)地上波デジタル化に関しての個人負担を求める国の考え方への対応について
答弁者:仁坂知事
先ず地デジでございますけれども、片桐議員がおっしゃるように基本的には国の政策転換によって電波を余らせよう、それから有効活用しよう、これ自体としては良い話でございます。それによって地上デジタルに変えよう、そうするとアナログとデジタルと両方をテレビ局が配信しているとなかなか採算が大変なので、ある時点でもうアナログは止めてよろしいと、こういうふうになった訳でございます。和歌山県の特に山間部、それから和歌山市の中においても電波が届きにくい所がありまして、テレビを見るために、長い間和歌山県の住民の方、市町村の方、県も若干ではございますが、大変な苦労をして共聴施設を作ったりして、それでようやくテレビを見えるようにして参りました。そうしたら国の政策転換によって見えなくなってしまうということでございまして、これは本質論を言えば、明らかに国の責任によって見えるようにしてあげるというのが正しいと言う点については、片桐議員がおっしゃるとおりのところでございます。
私は一昨年、本県の問題について、かなり強烈に問題提起をいたしまして、それで時の総務省、あるいは議員さんも含めてですが、かなりきつめの問題提起をいたしました。そういたしましたところ、時の増田大臣は「その通りである、これは国の責任に全く相違ありません、したがって最後は国がきちんと責任を取るようにがんばります。」というお話を頂きまして、それから総務省の本県に対する予算とか助成の優遇とかは格段に変わりました。ただその中で、和歌山県の知事は100%国の責任だと言っていたから、100%以外の施策は無効だという議論があったとも聴いておりますが、私は国も0に近いところから出発してどんどん増やしてくれているのだから、そこは評価をするので、和歌山県も出来るところは協力をして、地元も協力をしてもらって、それで問題をどんどん少なくして、最後の最後はやっぱり国の責任でやって下さいよ、とこういう風に申し上げたところでございます。その次の鳩山大臣の時も、同じような方向でこの施策はどんどん拡大されております。
今後新政権になっても、この基本的な哲学は同じだと思いますので、是非それが実現されるよう、特に和歌山県の山間部の方々などが、あるいは市内の一部の人達だけが割を食って、自分でその整備をしなければならないなんていうものすごい事にならないように、私としては最大限力を用いて参りたいと考えております。
(2)県有施設への地上波デジタル放送への対応状況と今後の見通しについて
(3)地形的理由による共同受信施設のデジタル改修費用負担の考え方について
答弁者:企画部長
テレビの地上波デジタル放送への移行に関しまして、県有施設の対応についてでございますけれども、これにつきましては今年の3月に『和歌山県県有施設デジタル化改修計画』を策定致しまして、来年の年末までには100%完了させるという計画で進めております。議員ご質問の中にございました県営住宅につきましてもこの計画の中でデジタル改修を進めている訳でございますけれども、この年度末、21年度末での進捗は75.3%となる見通しでございます。
次に、地形的理由によって共同受信を行っている地域における共同受信施設の改修費用負担についてでございますけれども、県としても、都市部との地域間格差が発生しないように、事ある毎に国に対して要望し続けてきた訳であります。
その結果でございますけれども、この平成21年度からは共聴施設の新設に対する補助率が1/2から2/3にアップしました。また、それに加えましてNHKによる支援策も新設されましたので、これによって住民負担がかなり大幅に軽減されたところでございます。
県としましては市町村と連携いたしまして、これらの施策を有効的に活用し、関係住民の負担軽減を図りながら、難視解消に努めて参りたいと考えております。
3.不妊治療への支援について
(1)特定不妊治療の医療保険適用について
答弁者:仁坂知事
次に、不妊治療についてでございます。これについても、まったく、ご質問の趣旨には賛成でございまして、私自身も、友人に不妊治療を受けておられる方がいます。大変な費用がかかり、大変な肉体的苦痛を伴うということでございます。肉体的苦痛は、物理的に今の技術水準では仕方がないのですが、その方は、たまたま少し財力があって、できるからいいのだけれど、できない人は、やはり大変な、精神的なことも含めて、苦痛を感じておられると思っております。
従って、医療保険の適用については、是非するべきだと私は思っておりまして、これまでも、国に対して、高額な治療費を要するこれらの特定不妊治療について、医療保険を適用するよう要望を行ってまいりましたが、残念ながら、今のところ実現はしておりません。
これらの特定不妊治療につきましては、保険適用が難しいという意見がある一方、前向きに検討すべきだという意見も増えてまいりました。私といたしましては、子どもを切望するご夫婦が、経済的理由によって治療を断念して、あきらめるということがないように、安心して治療を受けていただくためにも、効果が明らかな治療に対しては、国において医療保険適用の検討を積極的に進めていただきたいと考えている次第であります。
不妊治療は、少子化対策を推進するという意味からもきわめて重要でありますし、子どもを生み育てることを切望するご夫婦の要望に沿うことでもありますので、和歌山県としても、引き続き、特定不妊治療に対する医療保険の適用について、国に働きかけてまいりたいと考えております。
(2)不妊治療への助成制度設計について
答弁者:福祉保健部長
次に、不妊治療に対する助成制度についてでございますが、体外受精と顕微授精を対象とした特定不妊治療費助成につきましては、議員ご指摘のとおり、本年度から、治療1回当たりの助成額を10万円から15万円へ拡充しております。
さらなる助成金の増額や所得制限の撤廃につきましては、他の都道府県とも連携して、引き続き、国に働きかけてまいりたいと考えております。
また、本県では、不妊検査や人工授精などを対象とする一般不妊治療費の助成制度を県単独で実施しているほか、不妊に悩むご夫婦を精神面でサポートするための不妊相談専門窓口の運営なども行っており、今後とも引き続き、不妊で悩むご夫婦を経済面、精神面の両面から総合的に支援してまいりたいと考えております。
4.温室効果ガス排出量25%削減に対応する県の取り組みについて
(1)国策としての温室効果ガス排出量25%削減に対する県の考え方と経済との両立について
答弁者:仁坂知事
次に温室効果ガスの問題であります。これにつきましては、片桐議員ご指摘のとおり、地球温暖化は、人類の生存基盤に関わる重要課題であり、すべての人がその責任と能力に応じて取り組む必要がありますが、このたび、民主党から提案されました中期目標は、従来の政府目標に比べて非常に大きなものであります。そういう意味で、覚悟を鮮明にしたということについては評価できるところもあるんですけれども、議員ご指摘のように、国民生活や経済活動に大きな影響を与えないかなという懸念もあります。
さらに付け加えて申し上げますと、実は、日本の温室効果ガス、CO2排出割合は、世界の中で5%を既に切っております。4%台であります。その中で、どんどんと比重は落ちておりますけれども、産業界、特に工場等から出てくるCO2、これについては、約半分ぐらいまだあります。議員ご指摘のように、いろんなところで機器を全部リプレースするとしても、ひょっとしたら25%が間に合わない可能性もあります。
そのときに、日本だけが責任だということで、例えば生産量を落とすことになるとどうなるかということなんですが、国民生活への影響とかそういうことは一切捨象いたしまして、実は日本のこういう産業界の原単位というのは、もうかなり雑巾を絞って、水滴があとちょっとぐらいになっておりますので、圧倒的に世界中で原単位、すなわちCO2の排出される割合が少ないわけです。そうすると、日本が生産を止めると、他の所で何ら約束がなければ、原単位の悪い、すなわちCO2をどんどん出す国の生産がそれを代替しまして、たぶん、世界のCO2排出量が増えてしまうというもの凄いことになると思います。そういうことを念頭に置いて、観念的な話ではなく、正しい知識に基づいた政策を打っていかなければいけないと思います。
一方で、CO2排出抑制は、我々万人に課された義務だと思います。戦略的にもそういう産業がどんどんと発達し、集積するということはいいことだと思います。
したがって、おっしゃられたように、成長が見込まれる、例えば充電式電池、太陽光などの新エネルギー関連産業、そういうところをターゲットとした企業誘致とか、あるいは本県の特色を活かした環境分野に係る研究開発を積極的に支援して新たな産業を創出して参るとか、そういう努力を大いにやっていかないといけないと思います。
県といたしましては、今後、新たに策定される国の中期目標や温暖化対策の枠組みを踏まえ、本県の自然的社会的条件に応じた地球温暖化対策を積極的に推進するとともに、大きく変わることが予想される経済環境の変化に即応した経済発展を目指し、環境と経済が両立した持続可能な社会の構築を進めていきたいと思っております。
(2)地球温暖化対策推進法に基づく地方公共団体実行計画について
答弁者:環境生活部長
京都議定書を前提とした現行計画は、平成18年度から平成22年度までであり、来年度、策定予定の新実行計画につきましては、国の新たな削減目標や温暖化対策の枠組みを前提とするため、より高い水準での目標づくりや行動計画が必要と考えられ、策定に当たっては、本県の自然的社会的条件を十分に踏まえ、県内各層の声を十分に反映させる必要があると考えてございます。
県といたしましても、議員ご指摘のとおり、今以上に再生可能エネルギー導入や事業者・住民による省エネ活動の促進など、様々な施策を総動員し、県民や事業者の皆さんが、共に行動していただけるものにしなければならないと考えてございます。
また、現在、実行計画を策定していない市町村に対しましても、今後とも策定を働きかけ、県全体での地球温暖化対策を推進して参りたいと考えてございます。
(3)電気自動車普及計画とインフラ整備について
答弁者:仁坂知事
電気自動車につきましては、議員がご質問の中でお触れになりましたので省かせていただきますが、現時点では少し高いということで普及が爆発的ではありませんが、将来性十分、環境問題からも期待の星の一つだと考えております。私としましても、是非、これについても和歌山県ができるだけ早い状態で積極的に対応して参りたいと思っておりますので、近畿府県との広域連携方策とか、民間事業者の動向とかそういうものを勘案あるいは刺激して、それで車の普及とそれのためのインフラ整備、すなわち主として充電設備ですが、そういうものについてがんばっていきたいと思います。
特に、充電設備については、地域グリーンニューディール基金事業を活用した充電設備の整備を含め、充電環境の整備に努めて参りますし、また、次の予算でも県としても電気自動車を買いたいなと思っておりますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。
(4)日本版グリーンニューディール基金の活用について
答弁者:環境生活部長
この基金につきましては、地球温暖化問題等の喫緊の環境問題を解決するため、国の補正予算により創設された基金でございます。
事業内容につきましては、地球温暖化対策の推進や微量PCB廃棄物の処理の推進等で、本県配分額は8億3千5百万円でございます。
この事業計画作成に当たりましては、温室効果ガス削減効果の高い事業を優先的に採択しており、県有施設や市町村施設の省エネ改修、太陽光パネルの設置、電気自動車用充電設備の整備などを実施することとしております。今後、事業の執行につきましては、市町村とも連携を図りながら適切に執行してまいりたいと考えてございます。以上でございます。