平成20年 3月13日(木)
平成20年 2月
経済警察委員会  
質問内容・答弁
Q:は片桐の質問。
A:は当局からの答弁。


○警察に関する質疑

Q:
 今年6月19日から施行される改正道路交通法の問題を何点か説明いただいたが、そのなかで自転車の歩道通行要件の見直しがあると思うが、この改正内容はどのようになっているか説明いただきたい。

A:
 大きく分けて3点ございます。
 1点目は、従来は普通自転車が歩道を通行できる場合は道路標識等によって指定された場所でなければ通行できなかったが、今回の改正によって運転者が13歳未満の子供、70歳以上の高齢者、身体障害者の場合は指定された場所でなくても歩道を通行できるようになった。
 2点目は、車道とか交通の状況から見て、危険でやむを得ないと認められる場合、例えば、大型車両の通行によって幅員が狭くなる、工事や駐車車両の影響により車道の通行が危険と認められる場合は、誰でも歩道を通行できるようになりました。この場合、歩道を通行する自転車は、歩道の車道側を徐行して走行する。また、自転車通行帯が区分されているところでは、歩行者も自転車通行帯に入らないようにすることとなった。
 3点目は、13歳未満の子供の保護者は、子供が自転車に乗る場合は乗車用のヘルメットの着用させるよう努めなければならないこととなった。


Q:
 今回の改正と自転車の通行環境の整備となど自転車の安全対策に関してどのように対応していこうと思っているのか。

A:
 法施行に伴う必要な対策として、大きく2つの対策を考えている。
 1点目は新たな交通ルールの周知やルールを無視した自転車利用者の指導、2点目は道路管理者と連携した自転車の通行環境の整備である。
 具体的には、1点目については4月から春の交通安全週間が始まるがこの際に周知徹底をはかるほか、昨年の9月から教育委員会、教職員、PTA、生徒会、交通指導員、交通安全活動推進員などボランティアと連携して、毎月1日を重点指導日として街頭で安全利用キャンペーンを展開していく。これを今年も引き続いて「じてんしゃまなーあっぷ2008」として展開し指導していくこととしている。2点目の道路管理者と連携した通行環境の整備については、自転車の通学路等における危険箇所について、道路管理者に協力をお願いして、環境整備を図っていきたいと考えている。


Q:
 通学路を利用している中高校生に対する自転車の安全対策はどうか。

A:
 自転車を利用することが多い中高校生については、ルールを守るということを徹底されていない。対策として、自転車通学者を対象とした交通安全教育をはじめ教育委員会、PTA、毎月1日の街頭指導を通じて安全対策を講ずるほか、今後学校当局に対してもきめ細やかな安全教育をやっていただくよう要望していきたいと考えている。


Q:
 こういう法改正があるということは自転車事故もそれなりに多いと思われるが、県下の自転車事故の発生件数について教えていただきたい。

A:
 自転車の交通事故の発生状況は、昨年は1,104件で前年比+69件で、死者は8人、前年比−1人、傷者は1,097人、前年比+67人である。全事故にしめる割合は、約14.2%である。全事故が6年連続で減少しているが、自転車関係の事故はほぼ横ばい状態で推移している。


Q:
 県内でモデルケース地区として自転車専用道路を設置すると報道で聞いたが、どの地域に設置されたのか。また、増やしていく予定はあるのか。

A:
 和歌山では、道路管理者の国土交通省と連携し、和歌山市駅前地区と吹上・砂山地区の2か所をモデル地区に指定して、住民の意見を聞きながら通行環境の整備を図っていく。その後効果を検証して、増やしていくかどうか検討していく。


Q:
 イギリスで環境改善のために実施した青色防犯灯が結果として犯罪の発生件数が減少させたことから、奈良県を皮切りに広島、静岡でも導入され全国に設置の動きが広がっている。犯罪の抑止効果は科学的には解明されていないが、国内でも犯罪の減少が報告されている。
 最近は和歌山市内の自治会でも自主的に取り付けているところもあるが、県内での青色防犯灯の取り組みや現状と効果についてどのように考えているか。また、同様の取り組みとして地域における青色回転灯車両のパトロールなどの犯罪抑止の活動があるがその現状と効果についてあわせてお聞きしたい。

A:
 青色防犯灯については、県内では平成18年5月JR岩出駅駐輪場に初めて設置され、現在は橋本市の一部、JR海南駅高架下、JR田辺駅駐輪場等24の地域と場所で設置されている。
 1年以上設置した4か所を検証したところ、3か所で自転車盗等の犯罪が減少する効果が出ていますが、地域住民の自主パトロールや鍵かけの広報等の相乗的効果と考えられる。
 青色回転灯装着車両については、平成16年以降本年3月6日現在で33団体、81台、725人が実施しており、近く日高町でも実施予定である。
 犯罪総量6年連続減少の要因のひとつと考えられ、自主防犯意識の高揚等につながっていると考えられる。



○商工観光労働部に関する質疑

Q:
 成長企業育成支援事業について、専門チームを継続的に派遣とあるが、250万円の予算で果たして企業に派遣できるものか。

A:
 専門家として中小企業診断士や大企業OBの方などを中心に非常勤でお願いし、例えば月に1回程度、チームで企業にお伺いし、相談・指導を行うものである。


Q:
 県内でよく人材が不足していると言われているが、その中で中小企業中核人材導入として900万円で企業の中核を担う人材を導入するとあるが、どのように中核人材を導入し、企業の成長を促していくのか。

A:
 中核人材の採用を希望する企業が、経営コンサルタントなどと共同で応募いただき、外部の専門家を入れた審査会で企業を選び、人材を獲得するために要した経費に補助するもので、人件費そのものは企業が支払う。人材は社長の右腕となるような参謀の方、経営部長さんクラスを念頭においている。


Q:
 企業の活動費というより、経営コンサルタントなどがお見合いさせるための費用を援助するということか。

A:
 そうです。


Q:
 まず、債権放棄の中でプラスパフーズ協業組合の金額的な問題一点に絞らせて頂きたいと思うが、本会議一般質問の中では組合員全員が連帯保証人になったと、午前中の説明でも確かに連帯保証人になってる訳ですが、20億円を貸付けるだけの連帯保証人の資産の審査も当然していると思うが、連帯保証人の審査はしていたのか。

A:
 貸付け時において、土地建物等の担保を設定し、組合員の責任の所在を明確化するため、全員が連帯保証人となるなど、債権保全策を図っている。


Q:
 平成14年度に包括外部監査が出ている。その中身を確認すると、非常に的を射た当時の見解が示されており、読み上げると、「当組合の土地建物の購入先は、当時の組合代表理事の子の経営する建築会社であり、このような利害関係者との取引との際には、上記の問題が生じないように、鑑定評価の実施、相見積を入手する等の指導が必要である。限られた財源を投入する以上、より慎重な審査、指導が不可欠である」。そしてさらに「返済能力の分析など審査が十分だったか疑問」と報告されている。
 前段で審査していたとお答え頂いたが、これらの包括外部監査での不透明な貸付であるとの指摘に対して、どう考えているのか。また、プラスパフーズ協業組合に関しては最初1億5,600万円だけ返済してその後は返済していない状況である。身内による土地売買があったことへの疑問点などを当然感じていると思うが、その辺は調査しているのかという疑問がある。例えば、土地は阪和住建、建設工事をしたのが阪和建設で、どちらもプラスパフーズ協業組合の代表理事の子どもだった。どう見ても不自然だと思いますが、いかがか。

A:
 高度化資金の貸付実行にあたっては、中小企業庁の通達に従い、企業診断を行い、予備申請の段階から当時の中小企業総合事業団と協議を重ねながら、貸付けている。
 土地の評価については、土地売買契約の前に国土利用計画法第23条に基づく土地売買等届出を行い、平成8年3月1日付けの不勧告通知によりu単価については許容範囲であるとの手続きを踏んでいる。
 しかし、委員ご指摘の関係者の取引については、より慎重に審査することが必要であったと考えている。


Q:
 評価額のu単価は、本会議では66,000円と言われていたけれども、結局担保物件を競売したところ、1億円にしかなっていない。元々これらの物件に関して貸し付け相当額の担保価値はなかったのではないかと思うが、どうか。

A:
 競売時における価格の算定ですが、まず裁判所が評価基礎価格を出し、そこに市場性修正率、競売市場修正率、最低売却価格を掛けて積算するため取得価格との乖離が大きくなっている。


Q:
 貸付の時の基準と競売時とでは、すんなり比較できないと認識したらよろしいのですね。
 あと、経緯を調べてみると、阪和住建が当該用地を取得したのが平成6年4月22日、その後平成6年5月に土地を購入してから1ヶ月もしないうちに予備申請を出し、協業組合の設立が平成7年12月12日となっていたが、淡々と進んでおり結果ありきというような動きがあるが、不審な点は感じなかったのか。

A:
 融資の事務手続については、事務スタートは、平成6年5月に組合代表から旧桃山町を経由して借入予備申請書の提出があり、その後現地調査や組合員ヒヤリング等を実施している。
 当初の借入予備申請に建設用地の所有者が轄纔a住建となっており、当時の事務手続き上、その前の所有者の調査までは求められていませんでした。


Q:
 本会議で示された土地売買等届出書ですが、譲渡人が阪和住建で、譲受人がプラスパフーズ協業組合藤本さんになっている。阪和住建の登記簿を調べてみると、阪和住建の取締役の中に藤本さんが役員で名前を連ねている。社長が長男、取締役がこの藤本さんというような会社であったわけである。包括外部監査の指摘では同族会社間の商取引であったとあるが、実態は同一人物が譲受人と譲渡人を兼ねていたという状況、つまり譲り渡した会社と買い受けた協業組合には同じ人物がいたということである。この点、審査で気づかなかったのか、登記簿を調べていなかったのか、今の当局から見て、この事実は不自然だと思わないのか。

A:
 事実関係について説明すると、株式会社阪和住建の登記簿謄本によれば、藤本さんは、平成7年10月31日に当社の取締役を退任しており、平成7年12月12日のプラスパフーズ協業組合の設立時、また、平成8年3月27日の土地貸付決定時は、役員とはなっておりません。


Q:
 取引関係時には当事者になっていなかったということですね。
 その後も不自然な点がある。平成7年12月12日、藤本さんがプラスパフーズの代表理事に就任している。4ヶ月後の平成8年4月26日、土地取得費用10億円を県から融資を受けている。さらに平成9年1月14日、建物設備費用約14億円の融資を県から受けている。この時点で24億円がプラスパフーズにわたっている。
 ところが、平成9年10月23日、藤本さんが代表理事を突如辞任し、平成9年10月24日付けで別の方が代表理事に就任している。つまりプラスパフーズの経営責任者であった方が、県から約24億円の融資を受けてから10か月後に姿を消している。融資を受けた関係者が抜け、関係のない第三者が協業組合の代表理事になるなど明らかに変化している。
 なお、偶然かも知れませんが、平成9年10月23日の藤本さんが代表理事辞任と時を同じくして平成9年10月14日に阪和建設が破産宣告を受けており、明らかに変化が出ている。
 資金の面から流れを追ってみると、土地取得費用は阪和住建に、建物設備費用は阪和建設に渡っているし、代表理事が融資を受けてから数ヶ月後に経営から退いている。つまり県が融資した先の関係者全てが協業組合の経営からいなくなった。融資を行ってからわずか10ヶ月で残されたものは約1億円程度の担保価値しかない不動産と返済能力のない連帯保証人だけが残ってしまった。
 県の融資を出しておきながら、直ぐに経営陣がいなくなるという事実は釈然としません。人とお金がなくなっている。このようなことがこの時期に立て続けに行われた。しかも融資の直後に。
 この時点で対策を講じられたと思うが見解があれば教えて頂きたい。

A:
 組合の登記簿謄本によると、平成9年10月24日に代表理事が代わっている。なお、この代表理事は当初から組合員の一員となっている。


Q:
 組合員の一員である人が元の経営者と代わっているが、果たしてこの人が経営能力があったのかどうか、売上が5割4割と減っている直後のことであって元のファンダーが消えてしまったこの時点でおかしいということに気づくべきであったのではと思うが。
 というのは、この債権放棄議案については当局から示されたわけだが、私が事の重大さに気づいたのが先週金曜日の一般質問の時で、それから2,3日調査した。個人のわずか2,3日の調査で、指摘させてもらっている当時の昔の古い事実が浮かび上がってきている。議会開会中で活動範囲が限られている中で。それと比較して、県という巨大な機関は情報量や調査能力が何倍も何千倍もあるわけだが、こういう問題事を表に出さずに、不納欠損しようという形になっている気がする。
  県の情報と組織力を持ってすれば、もっと審査は厳格にできたし、当時の状況も把握できたはずである。そして、融資した直後に代表理事が変更し別の経営者に代わったことに気づかないはずはなかったと思うし、その時点で何か手段を講じていれば、事態が分かり直ぐに手が打てていたと思う。知事が本会議で歯止め対策を言いましたが、そのときに手を打っていたら何らかの違う結果が出てきたのではないかと思う。
 平成14年度の包括外部監査で、かなりの指摘がある。「貸付資金の財源が県民からの税金を中心としている以上、今後債権回収の見込みのない回収困難な債権について県民の理解を求めることが必要であり、この説明責任を果たすことなく貸付事業を継続して実施していくことは出来ない。したがって徴収停止処理のみでは十分といえず、今後議会承認を経て不納欠損処理を行っていくことが必要」とある。
 この貸付事業自体は平成12年度から事実上止まっているが、今回不納欠損処理をする事に関して、どうも分からない部分がある。十分な説明責任は果たすべきであり、議会に議案が出されて、我々が承認するということになれば、当然議会にも責任が生じる。この辺の説明責任が不十分だと思うがいかがか。

A:
 まず、外部監査の指摘の中で、財務諸表の分析を行う事が必要という話があり、現在中小企業基盤整備機構の制度の中にある企業診断士等専門家による調査も進めている。平成19年度も実施している。それを受け適切な償還指導をしていきたいと考えている。
 説明責任と言うことですが、こういう債権放棄が起これば十分な説明をしていきたいと考えている。


Q:
 十分な説明と言うことですが、どんな説明なのか責任者として部長に答えて頂きたい。

A:
 今、担当の方から説明させて頂いたが、我々現執行部としては、情報を全て公開ということで進めており、今後とも議会に懇切丁寧に誠実に説明させて頂き、理解を得ながら進めていきたいと考えており、その辺のご理解をいただきたい。ただ包括外部監査以降、出来る限りの調査をして整理してきたので、どうしようもないものについてはご理解をいただきながら処理を進めていきたいと言うことでお願いしたい。また職員も頑張って徹底的な徴求を行っていますのでその辺も少しはご理解頂きたいと思う。


Q:
 部長は徹底的にするということですが、個別放棄案件については代表者が既に亡くなっているし、連帯保証人が自己破産しているとか、相続放棄しているとかで、現実的に取りようがない事態にあろうかと思う。今後その辺の説明責任を確実にしていくというお答えをいただいたが、これ以外にも未償還額が108億円、今回は一部が出てきているわけだが、債権放棄に関してどうしていくという方針はあるのか。
 例えばこれを契機に、今回仮に議会で債権放棄を認めてもらったとして、なし崩し的にこれもこれもという形で債権放棄するようなことは、県民に申し訳が立たず、やってはいけないことだと思う。
 今回の議案に出されているのは一部ですが、県が持っている別の債権については今後とも回収努力を続けていくととらえさせてもらってよろしいのですか。

A:
 先ほども申しましたが、税金ですので、とにかく取れるものは1円でも取っていくことがまず先決である。その後、時間はかかるが、国の方でも平成22年度末までには半減という目標が出されており、県の方でもそれより前倒しに処理をしていきたいと思うが、とにかく徴求できるものは全て行い、保証人調査等で1円も取れないということになれば、議会にお諮りして詳細を説明さていただき、少なくしていきたいと考えている。


 以上

平成20年 2月 経済警察委員会


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