平成17年12月7日(水)
D.平成17年12月
 和歌山市議会一般質問
 (2)再質問内容・要望
(2)中心市街地活性化について再質問

【再質問】
 続いて中心市街地活性化についてです。和歌山市でも土地価格が上昇している地域があります。JR和歌山駅周辺、吹上小学校周辺、ロイネットホテル周辺は地価が下げ止まり反転しています。これらの地域の土地価格が上昇しているのは、利便性が良く人が集まっていること、教育環境が良いこと、核施設が進出したことが要因です。 

 JR和歌山駅南側には既にホテルの建設も決定していますし、デベロッパーに依れば、JR和歌山駅周辺に未利用地があれば是非活用を図りたいと意欲的です。
 中心地の土地価格は、以前は京橋からぶらくり丁に向けての地域が高かったのですが、今では京橋から和歌山城に向けての地域の方が土地の価値は高まっています。このことは中心地がぶらくり丁から、和歌山城からJR和歌山駅に向いての地域に移っていることを示しています。

 このように土地の選別が始まっていて二極化が進んでいます。都会と地方都市の二極化、地方都市でも良い土地とそれ以外の土地に分けられています。

 現在の土地価格が示すとおり、商業の中心地であるぶらくり丁にはこれらの土地価格が上昇する要因は組み込まれていません。低迷している要因は明らかですから、対策を講じるのは比較的容易です。事例にあるように、人が集まるように仕向けること、教育環境を整えること、核になる施設を誘致することです。

 ぶらくり丁の土地価格を高める方策として、居住地としての活用を図ることが挙げられます。中心地の土地は限られていることから住宅地として居住者を増加させることは困難で、マンション建設により定住者を増加させることが考えられます。高齢化率が高い和歌山市においては中心地を居住地域として活用する利点はあります。
 
 岡山市に商店街再生の事例があります。商業地にマンションを建設することで周辺に店舗が進出し賑わいを取り戻していきました。
 和歌山市のように地位が低下しているまちが、進出する対象を選択するなど安全策を取っているようでは活性化は図れません。定住してもらえる環境を整えること、核となる施設の進出見込みがあり、地元の大半が受け入れを望んでいるのであれば受け入れることです。
 商業地はごちゃごちゃしているから面白く人が集まります。利便性を求めて中心地で住みたい人もいますし、自然の中で暮らしたい人もいます。前者の希望に応えられるまちづくりの視点も大切です。
 
 二つ目は商業地としての魅力を取り戻すことです。 
 ぶらくり丁は旧丸正ビルと旧ビブレ、映画館だった築映を含めた通りが賑わいの中心でしたが、人の流れを作っていた丸正、ビブレ、帝国座が全て破産または撤退してしまったため人の流れが作れなくなっています。
 特にビブレは2001年に撤退、丸正は2002年に倒産して以降、このふたつのビルに挟まれているぶらくり丁の通行客が減少しているのは、核となっていた百貨店が消え去ったことに原因があります。
 ですからふたつのビルの活用が図れたら商業地としての再生もあり得ます。と言うよりも、そうしないと再生は絶対にあり得ないのです。
 最近、ドンキホーテの進出により人の流れが出来ていますが、これに続く核となる施設が欲しいところです。
 ぶらくり丁の価値を高めるためには、何と言っても旧丸正ビルの活用と旧ビブレビル利用が必要不可欠で、ここに集客施設が出来ないと人の流れは出来ません。

 現実問題として、大学や集客出来る施設の進出を受け入れることが中心地活性化につながると思いますし、ビブレビルが再オーブンすれば中心地に人を呼び戻しこの地域に活力を生み出すことも可能となります。これらの施設は商業地に相応しくないと考え受け入れないのであれば、市として中心地活性化のための代替案を示す必要があります。

 それをしないと土地下落傾向に歯止めはかかりません。土地価格はその地域の魅力を計る市場における指標ですから、人の流れがない商業地の価値が下がるのは市場からすると当然です。

 ここで質問です。
1.和歌山大学観光学部が平成19年度にも開学の機運が高まっています。状況認識の違いはありますが、地元の後押しがあれば設置も可能であると思います。既に市民の皆さんから観光学部設置の署名を文部科学省に提出していますし、それを受けて和歌山大学からも国に対して強い要望を出しています。和歌山市活性化の一貫として観光学部設置についての和歌山市の支援の現状について、また旧丸正ビルを活用したいとする動きについての和歌山市としての支援についてお答え下さい。

2.大型集客施設になり得る施設のひとつである旧ビブレビルにはボートピア誘致についての要請があります。中心地活性化の選択肢としてこの動きについて市長のお考えをお示し下さい。

3.築映を大衆演劇場として活用し集客を図りたいとする動きや本町の高齢化に伴い福祉の拠点として活動したいとする動きもありますが、中心地での活性化の動きについて、市として国に働きかけるなど支援する考えはありますか。


【答弁】
企画部長
 観光学部設置に向けての支援につきましては,平成17年8月17日に県や商工会議所等関係機関と共に一体的に取り組んでいくために和歌山大学観光系学部設置促進協議会を設立いたしました。
 現在は,この協議会が中心となって観光学部設置に向けた国への要望活動等を実施しているほか,気運醸成のためリーフレットの配布やホームページの立ち上げ,そして一般向け公開講座の実施も予定をしております。
今後とも,平成19年度開学に向けてこの協議会の一員として積極的に支援してまいりたいと考えております。
 旧丸正ビル活用に対する支援につきましては,現在のところ,大学側の設置構想はそういった明確な内容ではありませんし,また,総合大学化を進めてきた経緯なども考え,今後の課題と思っております。

 旧ビブレビルへのボートピア計画については,いまのところ地元では設置を希望する声もあり,また反対の声もあります。
一方で,ボートピアの設置場所等について定めた国の基準に「文教上著しい支障をきたすおそれがないこと。」とあり,さらに許可官庁であります国土交通省の同基準の運用に関する通達では「設置場所が主たる通学路に面しているか否かの状況等を考慮して行うものとする。」と明記され,当該ビル前は通学路となっているため,計画が影響される可能性も無いとはいえません。
 いずれにいたしましても,計画の詳細な内容について設置希望事業者から更に説明を受け,そして,地元住民の皆様方や市議会,また国の動向を見極めたうえで検討しなければならないと考えております。

まちづくり推進室長
 議員ご指摘の映画館の再生も含め,様々な事柄を組み合わせ,地域再生や国の総合的な支援なども視野に入れた,中心市街地での民間の動きがあると聞いております。
 そういった民間主導の動きや地元の気運の高まりは歓迎すべきことであり,市としても国への働きかけも含め,可能な支援を行っていきたいと考えています。
 以上

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平成17年12月 和歌山市議会一般質問について


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