平成16年 6月17日(木)
A.平成16年 6月
 和歌山市議会一般質問内容
 (2)
内容・答弁
(2)自然と都市機能を活かしたまちづくりについて

2.次に「自然と都市機能を活かしたまちづくり」についてです。
 和歌山市の観光での売り物は自然と歴史だと思います。しかし自然と歴史だけでは観光客は増えません。世界中の観光情報と映像が入手できる時代ですから、余程特殊な自然でないと集客できないのです。今の時代で価値を持つ特殊な自然とは、人が手をつけていないありのままの自然を指すのでしょうか。
 さあ、自然を見に来てくださいと言っても観光客は増えません。
 和歌山の持つ自然環境は「癒し」の言葉で語られます。全ての人が癒される場であるならば、精神的やすらぎの場所としての価値がありそうです。
 和歌山市の自然は精神的やすらぎの場所として捉えることから自然と都市機能を活かしたまちづくりを提言したいと思います。
 和歌山の自然環境を活かして、社会問題を解決する場としてこの地を活用する試みは如何でしょうか。

 今、社会的に大きな問題となっているのは児童虐待と社会的ひきこもりです。
 社会的ひきこもりに対する関心は1990年代に入ってから高まりました。社会問題化したのは1995年頃ですからまだ10年程度です。
 社会的ひきこもりの実数は定かではありませんが、全国で100万人いるとも言われています。表面化しにくい問題であることから、その倍はいると言う人も、もっと少ないと言う人もいます。

 社会的ひきこもりの定義は不明確でしたが、昨年7月厚生労働省が「ひきこもりをめぐる地域精神保健活動のガイドラン最終版」を交付しました。このガイドラインは、厚生労働省が平成12年から調査を始めた国による初めての本格的な調査結果です。国がガイドラインを示すほど事態は深刻化しています。
 ここで、ひきこもりの定義は「さまざまな要因によって社会的な参画の場面がせばまり、就労や就学などの自宅以外での生活の場が長期にわたって失われている状態」としています。
 またガイドラインを配布したことは、各地域で精神保健的な援助が提供されるべきだと政府が宣言したことを意味しています。公的な援助体制を整備することを明確にしたことは評価できるものです。
 早速、和歌山県では保健所と精神保健福祉センターに相談窓口を設置し、NPO法人エルシティオなどを「ひきこもり者社会参加支援センター」に指定し、お互いが連携して支援方法を検討しています。
 
 先の平成12年11月に施行された「児童虐待の防止等に関する法律」により、和歌山市を初め民間団体でも体制と施策の充実を図られ、関係者の意識の高まりがみられます。
 昨年3月に発行された「子どもの声に耳をすませて」は、初期対応や連携のしくみが記されるとともに、ケーススタディにより研修が可能なように編集された素晴らしい内容のものです。
 そこで質問です。
 和歌山市における児童虐待と社会的ひきこもりは何人と推定していますか。これらの問題に対応する体制はどのようになっていますか。
 それらの現状をどう認識し、ガイドラインに沿ってどのような方法で解決に乗り出そうとしていますか、お答え下さい。



答弁者 : 保健福祉部長答弁
 本市において新規に把握している児童虐待件数につきましては、平成15年度では60人となっています。
 次に児童虐待に関する本市の体制と致しましては、子どもと関わりのある福祉保健部、市民部及び教育委員会の関係課で構成する「和歌山市行政組織児童虐待防止連絡会議」を平成13年6月に設置し、更に子どもの虐待に関わる関係機関との地域ネットワークの構築にむけ、同年11月には医療,保健,福祉,教育,司法等の関係者や関係機関の代表者及び行政関係者で組織する「和歌山市子どもの虐待防止協議会」を設置しています。また、関係各課においては、関係者が児童虐待について同じ視点で関わることができるよう、事例研究や研修会を通じて情報や意見交換を行っています。中でも児童虐待に特に関わりの深い保育所管理課、こども家庭課、保健対策課及び子ども支援センターの4課を市の相談窓口として位置づけ、必要に応じて各事例毎に関係する他の機関とも密接に連携を図るとともに、この4課で把握された新規事例などについて月に1回、緊急では随時、連絡調整会議を行い,情報の共有化と役割分担の明確化により、各家庭への支援を行い,迅速な初期対応を図るなどの体制を取っています。
 現状につきましては、児童虐待の早期発見・早期対応については、初期対応の重要性を十分に認識していますので、より一層児童虐待の早期発見に資することができるよう、子どもに関わる専門職向けに作成した「子どもの虐待初期対応マニュアル」及び庁内関係職員向けに配布した「児童虐待防止対応マニュアル」を活用し、関係課、関係機関の連携のもと迅速で適確な対応ができるよう努めてまいります。

 社会的ひきこもりについて、厚生労働省のガイドラインにより保健所が相
談窓口であるということが明確にされました。
 社会的ひきこもり者の数は全国で少なくとも60万人いるとも言われていますが、ひきこもりの問題は表面化しにくく、その数を推計することが難しいことから、本市においてもひきこもり者数の把握には至っておりません。
 保健所の体制としましては、精神保健福祉相談において精神科医師や、精神保健福祉相談員等が相談に応じています。
 平成15年度の精神疾患を除く社会的ひきこもりの相談件数としましては、来所相談が17件,訪問支援が6件でございます。
 相談内容に応じて、社会的ひきこもり者を主な対象とするNPO法人「エルシティオ」との連携を深め、社会的ひきこもり者の支援を図っております。
 また今年度よりNPO法人「エルシティオ」にて開始される「ひきこもり」者社会参加支援センターへの運営について県と同様に補助を行なう予定となっています。
 また、和歌山県が実施する支援者研修へ精神保健福祉相談員2名の派遣を予定しており、質の充実に努めたいと考えています。
 現状につきましては、近年、社会的ひきこもり者についての社会的関心の高まりとともに、全国的に相談件数が増加しております。
 保健所としましても、地域における身近な相談機関としての窓口の周知を図り、また関係機関と連携するなかで、社会的ひきこもり者並びにその家族の方への継続した支援体制の充実をさせていきたいと考えています。

 以上

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平成16年 6月 和歌山市議会一般質問について


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