【朝会】
朝からお客さんが訪ねてくれました。昨日、和歌山市に宿泊して会いに来てくれたものです。帰る前に話したいことがあるとして懇談の時間をいただきました。遠いところから来てくれるのは信頼があるからです。仕事を遂行していく上での基本は信頼関係にあります。どれだけ良い仕事でも信頼関係のない人とは出来ません。
これからの仕事のこと、地域振興に関して話し合うことができました。どこの地域でも、現状を変える動きは鈍いものがあります。結局、今の延長線上に明日があると思っているからです。確かに今日の次に明日はありますが、より良い明日にするためには今日を良い形で終えたいものです。
【エネルギー教育】
小学校へのエネルギー教育に関して教育委員会と打ち合わせを行いました。平成22年度からの学習指導要領には発電のしくみが織り込まれています。エネルギーと環境問題は小学校時代から学ぶべき事項になっています。県内の小学校に対するエネルギー出前講座に関して提案を行っています。ここから成果が出ることを期待しています。
【懇談】
素晴らしい経営者と話し合いました。小さな会社から今の会社に発展させた秘訣を教えてくれました。人は誰でも一所懸命に働いています。一緒懸命働いているのに会社が大きくならないことや豊かにならないことに不満を述べている経営者や従業員がいます。そんな人たちに話していることがあるそうです。
それは、一所懸命働くのは当たり前のことだということ。9時から6時まで働いて、それで発展がないと不満を言うのは間違いです。人よりも先を行こうと思ったら、他の会社よりも発展させようと思ったら、人が働いていない時間帯、例えば人が来る前の朝の5時から仕事を初め、人が仕事を終えた後、10時や11時位まで働くことです。人よりも長い時間仕事をしなければ、人よりも先に行くことはできません。同じであれば先を行っている人を追い抜くことはできません。
「働いているのに」と不満を言う前に、「人よりも働いているのか」を自問したら良いのです。他の人との能力の差は分かりませんが、働く時間の長さは自分で分かります。せめて働く時間だけは他の人よりも多く確保したいものです。
人が寝てから余計に1時間仕事をすることは、ここから先に行く秘訣です。それを毎日継続していくことで大きな差となって現実の評価となってきます。
またトップが気を付けるべきことは、部門の長の意見だけを信用しないことです。部門を横断する共通した項目を見る立場の人の意見を聞き入れることが大切です。コストや品質は、営業や総務、技術部門に共通した課題です。どの部門においても品質を確保していることや、コストを意識していることは、組織が発展するために欠かせないものです。企業が成長するためには、縦の組織に加えて横を串刺しするような横の部門が必要なのです。
もうこれ以上できないと思ってから歩くかどうかが、人の差です。理由を付けて行動しないことよりも、理由はなくても行動することの方が100倍も大事なことです。言う前に行動することだけが現実を理想に近づけるために必要なことです。
そして仕事で大切なことは、モノに価値を付けて相手に渡すことです。例えば100円の品物を仕入れたとします。自分で何の付加価値もつけないでお客さんに150円で売る行為には価値はありません。150円で売ろうと思ったら、50円分の付加価値をつけてお客さんに提供しなければなりません。その50円分の付加価値とは人によって違います。一所懸命にお客さんに商品説明をすることも付加価値ですし、お客さんにとって便利な使用方法を説明することも付加価値です。品質保証を付けることも付加価値ですし、お客さんを和ませる楽しい会話も付加価値です。そんな付加価値をつけられることが仕事の基本です。
それに対して何の付加価値もつけないで右から左に流すことは仕事とは言いません。バブル時代の出来事です。立地条件の良い不動産は今日買って、明日売る時には値段が上がっていました。そんなバブル時代に、ある銀行がこの会社に来て言ったそうです。「東京にある、この物件を買うのに100億円の融資をしましょう。後は融資を受けてその土地を買ってもらい、その次の日に売ると150億円になっていますから、50億円の利益を得ることができます」という話があったのです。そんな時代ですから、この経営者は、当時は担当でしたが、社長にこの話を持っていきました。
当時のその社長は、こう言いました。「○○君、100億円で仕入れた土地を次の日に150億円で売ったとして、君はそこに何の付加価値をつけられるのか。50億円儲けようと思ったら、50億円分の付加価値を付けてお客さんに売るべきものです。何もしないで50億円を儲けようとするのは商売ではありません。仕事で利益を得ようと思ったら付加価値を付けることです」。バブルを乗り切った会社には、その理由があります。
それ以上に、今も共通する原理原則です。相手に渡すものには自分なりの付加価値をつけてからお譲りすることが原則です。何もしないで相手に渡すだけでは自分の存在価値はありません。
【都市計画道路】
和歌山市内の一部では、都市計画道路の進展が見られています。平成27年度の和歌山国体が関係しているかどうか分かりませんが、平成27年度がひとつの道路完成の目安になっている感があります。
新年度予算との兼ね合いがありますが、ここに来て計画が進展しているようです。これは歓迎すべきことですが、地権者や都市計画道路の線上で営業を行っているサービス業にとって、道路完成によって土地が削られることから営業権の保障問題が関連してきます。
特に数年先の集客に向けて投資を行っている会社にとって、事前の説明がないままの突然の都市計画道路の浮上は、営業の侵害にもなり兼ねません。勿論、公の利益と事業者の営業の権利を考量すると、公の権利が優先されることは間違いありませんが、事業所の立場、特に店舗に投資をしたばかりの場合は問題があります。事前に都市計画道路の進路や時期を告げられていたら、将来にわたる投資は見合わせていた筈です。わずか2年後に店舗に道路がかかる場所に対して、償却に10年以上も要する設備投資をする経営判断をすることはありません。知らされていなかったことによって被る不利益について考えたいところです。
都市計画道路の説明は数年前に、地権者に対して説明をしていたようですが、地権者や営業権者は固定された人ではありません。まちは常に移り変わります。その場所で利益を得ている人に対しては、きめ細かい説明を行って欲しいものです。場所の利益は大きなものですから、公の人もその認識を持って欲しいと思います。
【慰問活動】
福祉施設を訪問しての慰問活動を行いました。今回は玉三郎一座と一緒に舞台に上がりました。この福祉施設への慰問活動は2回目ですから、知っている顔もありました。歌と踊りで入居されている皆さんに楽しんでもらえたと思っています。舞台から皆さんの表情を見ると、そのことが分かりました。手拍子や歌を口ずさんでくれている姿を拝見すると、「来て良かったなぁ」と思います。
慰問活動は心が豊かになっていることを再認識させてくれます。これからも継続していきたいと考えています。迎えてくれた福祉施設の皆さん、一緒に舞台に登った皆さんに感謝しています。
【緊急雇用対策】
和歌山県では緊急雇用対策事業を募集していました。先の2月に事業応募を締め切っていますが、数は提出されているようです。3年間は補助金を受けながら雇用が発生する事業を行い、3年目以降も事業の継続を図り、雇用を維持することを目指している事業者に対して、県から補助金を支出するものです。
今は兎に角、雇用です。失業率を低くするための雇用対策が最も重要な施策になっています。完全雇用はあり得ませんが、経済成長を図るためには失業率を2%から2.5%の間に抑え込みたいものです。そのためには正規雇用を拡大することが最大の経済対策です。
平成22年度に予算化されている緊急雇用対策に対して出された提案を何よりも優先させて欲しいと考えています。
そんな雇用対策に強い思いを持っている経営者の方と協議しました。経営者は厳しい中でもこの地域の雇用を図ることによって、再生へのきっかけを作りたいと思ってくれています。熱い思いが行政機関に届けられているのでしょうか。そんな意見を届けたいと考えています。
【懇話会】
夢のある和歌山市を創造するための懇話会が開催されたので出席しました。若くて将来に向かって意欲のあるメンバーが集まりました。それぞれが、これからの和歌山について語りました。投資をしない地域にはリターンがないことや、夢を語れないまちには魅力がないことなど、発展するまちに必要なことを出し合いました。トップには理論と直感が必要です。理論は過去の経験知から身についているものであり、直感は先を見通す力のことです。過去を知り将来を展望する力を兼ね備えた人がリーダーとして相応しいのです。
私達は頑張っているように思っていても、全実力の50%から60%程度の力を発揮しているに過ぎません。100%全力を出し切っている人はいませんし、そんなことをしたら身体が持ちません。普段は60%程度の仕事をしていても良いのですが、ここぞという時は100%の力を発揮できる力を保っておくことが大切なのです。大事な時に持っている100%の力を発揮できる力を持っておくことがリーダーや経営者の役割なのです。
また私の意見の要旨は次のようなものです。
和歌山市の置かれた状況は思っている以上に悪化していると感じています。今、多くの時間を割いている仕事があります。それは就職のお手伝いをすること、もうひとつは運転資金の資金繰りをすることです。これらの仕事は、地域経済が良かったらしなくても良い仕事です。その仕事がたくさんあるということは、和歌山市の状況はゼロではなくてマイナスの地点にいることを示しています。決して展望が開けている状態だとは思えないものです。マイナスから脱出するためには、今の延長ではいけないということです。マイナスから抜け出してプラスに転じさせる力は、現状の体制では達成できないと思います。体制を変えて再構築することが必要です。
今の状態であれば、例えば実現したいことのひとつである、大阪湾パネルベイ構想に和歌山市も参画して集積型産業を引っ張って来たいことや、道州制を睨んだ大阪府南部から関西空港を拠点とした関西の中の和歌山市あり方について考えることに割く時間が少なくなっているのです。本来の仕事に向かうためにも和歌山市の経済を早期に再生させ、まずゼロの位置に戻すべきなのです。マイナスに整数を足して行っても直ぐにプラスになりませんが、とりあえずゼロに戻しさえすれば、正しい政策である整数を足すと直ぐにプラスが増加していきます。プラスからスタートを切れるまちに体制を再編成すべきだと考えています。
一方、和歌山市の人口は37万人を切っています。私は昨日、このことを知りました。一昨日までは、和歌山市の人口は38万人を切っている状態、大体37万8千人くらいいると思っていたのですが、37万人都市とは言えない状況なのです。それなのに、同じ規模を想定した行政運営を続けています。縮小している都市ですから将来を予測すれば、予算配分も変わると思いますし、人口規模に応じて予算も縮小していくことは当然のことですから、規模に見合ったまちづくりを策定しなければならないのですが、それもしていないようです。人口減少に見合った政策が見受けられません。規模の縮小に応じた将来の成長戦略と予算を策定することが大切ですが、今の状態を安全運転と評価することは将来にとって好ましいことではありません。このギャップを解消させることが第一です。
そして財政が悪いので何も出来ないというのは間違いです。また誰がトップになっても同じだとすることも間違いです。大阪府の懐具合が急激に良くなっていると思いますか。財政は大幅に改善されていない筈です。それなのに大阪府は元気があります。理由はトップに信頼感、安心感があるからです。橋下知事にだったら投資しても良いと思う人がいるからです。橋下知事のいる大阪府にだったら企業進出をしても良いと思っている人がいるからで、投資することや進出することを決断させるだけの信頼感と安心感がある知事だから、そこに投資と人の交流が生まれているのです。
和歌山市にそれがあるのでしょうか。結果がその答えを示しています。この人にだったら投資をしよう、この人だったら任せてみようと思える人の登場を期待しています。