【常任委員会】
文教委員会が開かれました。簡略版ですが主な質疑は次の通りです。
Q.
平成20年度から始まっている「地域共育コミュニティ」の取り組みですが、平成20年度の成果と平成21年度の取り組みについて説明をお願いします。和歌山市の場合について説明して下さい。
A.
平成20年度の成果は20の市町で22本部を設置しました。これ以外にも8つの町で町の独自財源によってこの取り組みを実施しています。学習指導や登校下校時の見守り、安全指導、環境整備などに関わってもらっています。またクラブ活動との連携も図ってもらっています。
和歌山市では、西浜と西脇の2つの本部を立ち上げています。
Q.
地域の教育課題を学校と地域、家庭が一体となって取り組む「地域共育コミュニティ」ですが、和歌山市では二か所で取り組みされているだけでは、当初の目的が達成されていないように思います。他の地域の考え方や今後の拡大方針に関しては如何でしょうか。
A.
中学校区では2か所のコミュニティ本部を立ち上げているだけですが、全中学校区に設置する考えを持っています。成功事例を紹介しながら展開を図りたいと考えています。
県全体では、平成20年度は18市町、平成21年度は20市町となっています。全体で30市町ですから過半数は達成しています。
Q.
不登校やいじめ、学力などの諸課題の解決を図ろうとするのが「地域共育コミュニティ」だと思います。より多くの学校、地域で取り組みがなされるように期待しています。そのためには予算が必要ですが、次年度以降拡大するに当たって財源の確保はできるのですか。
また県の方針では全ての市町にコミュニティ本部を設置することを目指していますが、財源と比較してそれは実現可能なものですか。
A.
この取り組みは国が力を入れていて、全国の中学校区での設置を目指しています。ただし発足当時から国が言っていることですが、この政策は3年間で打ち切りの予定です。従って、市町村への財源は3年で補助金は切れるため、財源がなくなってもこの取り組みが終わらないようにしくみを作りたいと考えています。既に8つの地域で独自財源に基づいた取り組みを行っていますから、それをモデルにしながらお金が無くても続けられるしくみを考えていきたいと思っています。このように県の支援は、地域の声を聞きながら考えていきたい。
Q.
桐蔭中学校では定数が少ないことから団体競技のスポーツクラブがないものがあります。小学校時代にスポーツに親しんでいて文武両道を目指して桐蔭中学校に入ったものの、クラブ活動ができなくて目標を失っている生徒もいます。クラブの設立は難しいと思いますが、高校のクラブと合同練習を行うなど生徒の希望を叶えられる対応はとれませんか。
A.
桐蔭中学校では現在、陸上、卓球など5つのクラブが設置されています。桐蔭高校は三つの学校が同居していることから校内が狭く、特に体育館でのクラブ活動には制約があります。しかしやる気のある生徒のために、平成21年6月から中学三年生に限って高校生のクラブ活動に練習生として受け入れすることにしています。
Q.
それだけでも進歩だと思います。できれば技能に優れた中学生のために二年生であっても高校の練習に参加できるしくみも検討して欲しいと要望いたします。文武両道を目指して入学している生徒もいますから、拡大に関してもよろしくお願いいたします。
Q.
ゴールデンキッズ発掘プロジェクトについてです。選ばれた生徒同士の練習はお互いを高めあえると好評です。ある学校の生徒は、その学校では運動神経が飛びぬけていたのですが、他の選ばれた生徒と一緒になることによって、自分のレベルの低さを感じ今までよりも練習を強化しています。保護者も子どもを送っていった時の待ち時間に、保護者指導をしてくれているようですが、これも好評です。
国体に向けてのゴールデンキッズ発掘プロジェクトの取り組みについて。また現在選ばれている生徒の将来像はどのように描いているのか、お答下さい。
A.
このプロジェクトも四年目に入っています。対象である小学校四年生から六年生までの三学年がようやく揃いました。6年後は、現在の小学校六年生は高校三年生になっていますからジュニアの主力選手に育っていると思います。問題はこのプロジェクトメンバーは小学生9,800人のうち約40人ですから、国体を目指すためにはどうしても底辺拡大が必要です。また国体以降もレベルアップを図る取り組みが必要だと考えています。
中学生になった後も、その子どもに適したスポーツを選択してもらい、専門家の指導やその中学校に専門のコーチがいない場合には派遣することも考えています。勿論、今年から始めたスポーツに優れた生徒の中学校区を超えた入学も対策の一つです。
指導者との出会いを偶然から必然になるように仕向けたいと考えています。
Q.
優れた指導者は競技選手にとって必要なことです。先生の指導者だけではなくて、例えばフェンシングでオリンピックを呂座している和歌山県出身の大学生がいますが、そんな世界レベルの生徒が和歌山県に帰ってきた時に生徒の指導に入ってもらうなど、メンタル面も含めた指導も必要かと思います。これは要望です。
Q.
国体に備えての準備が進んでいます。柔道の「電動式収納柔道畳」を選定した理由と他の製品との違いについて説明して下さい。他の製品では新県立体育館に対応できないのでしょうか。
A.
「電動式収納柔道畳」は移動が容易であり、当該施設のメインアリーナや武道場、隣接するビッグホエールでも強化練習や大会にも使用できるなどの利点があり、限られたスペースのアリーナ面積を多目的に利用できることから、公共のスポーツ施設として導入する適切であると判断しました。
他の製品との違いにつきましては、アリーナ床下から畳がせり出す「床転換システム」や「壁面収納畳」がありますが、工事費の増大や利活用や費用対効果の観点から、本備品の方式を選定したところです。
Q.
「電動式収納柔道畳」を作っているメーカーは事実上一社であり、随意契約になるのではないですか。また単価からすると世界から入札に参加できると思いますが、その点は如何ですか。
A.
「電動式収納柔道畳」の発注の担当課は総務事務集中課になります。担当課によりますと、本備品を発注する場合、「政府調達協定及び我が国の自主的措置を求める基準額並びに邦貨換算額」に照らすと、1案件で3,500万円以上になることから、国内メーカーに限らず世界中のメーカーが入札に参加できる一般競争入札になるとのことです。
本備品の仕様は、県が導入を計画している製品と同等以上であれば対応できると考えており、教育長が本会議で答弁したとおり、仕様書には同等品と記載することとしています。
なお仮にメーカーは1社であったとしても代理店は数社ありますので、代理店が入札に参加することは可能になると聞いております。
Q.
随契ではなくて入札をするということですね。一般質問で取り上げられたことから、県民の皆さんから見ると価格が高いことで注目されている事例となっています。県民の皆さんからの問い合わせもあり、この議案に賛成することによって、私達も当局同様説明責任を果たす必要が生じます。疑惑の残らないような入札手続きになるようにして下さい。
【打ち合わせ】
今さらですが、ミニボートピア誘致に関しての市長の政治姿勢のあり方に関して意見をいただきました。本来、市長がまちづくりに関しての方向性の決断があって議会に提案し、賛否を求めるのが通常です。今回の対応は決断をしないで機会に丸投げしていることから、その姿勢は褒められたものではないし、和歌山市のまちづくりの後退であると指摘を受けました。
「和歌山市を含めて和歌山県のこれからはどうなっていくのか」。変わらない和歌山県に対して厳しい意見がありました。誰が答えてくれるのか、変化への期待が高まっていることを感じています。
【デジサポ】
総務省の取り組みであるデジサポの活動。今月から和歌山市への説明会に入っています。既に20回を数え、地上波デジタル化に向けての理解を得る活動を続けています。一度、説明会を聞きたいと思っていたことから、土曜日に計画しているセラヴィ神前でのデジサポ説明会の打ち合わせに立ち会いをさせてもらいました。
【訪問活動】
和歌山市内の建設会社を訪問しました。依然として和歌山県での公共工事は減少していることから、建設業界を取り巻く状況は益々厳しくなっているようです。緊急経済対策の効果は全く感じないと厳しい指摘がありました。導入されている新しい入札制度は和歌山県の事情に馴染まないと意見をいただきました。ここでは会社の垣根を取り払って、若い経営者の皆さんが勉強会を行っています。入札制度の不具合や疑問点について勉強する機会を得たいので、勉強会に参加させてもらえるよう依頼を行いました。現場の若い経営者の意見を聞いて対応したいと考えています。
【地元密着】
ある地域で、地元の皆さんのことを大切に考えている経営者がいます。会社の発展も大切ですが、それよりも地域の発展を第一に考えています。地域と共に発展するために必要なことは信頼です。長年に亘って築いてきた信頼関係を何よりも大切にしています。積み重ねてきた信頼とは約束を守ることが基本です。小さな約束でも、約束した限りは守ること。その小さな積み重ねが大きな信頼になっています。
ところがある日、地域の方が事務所歩を新築して竣工式を行うことになったそうです。勿論、出席で返答していたのですが、経営者本人が仕事の都合で竣工式に行けなくなったのです。そこでナンバー2の方に代理をお願いしたのです。竣工式当日、ナンバー2の人も都合が悪くなったため欠席しました。ナンバー2の人は経営者と同じような親密なつきあいをしていなかったことから、欠席しても差し支えがないと判断したためです。
後でそのことを知った経営者は、ナンバー2の人の行為に憤りました。長年の信頼関係を築いてきたのに、無断で欠席したことは一番大切な信頼関係を壊すきっかけになってしまったからです。竣工式に招いてくれることは名誉なことであり、その意味を知っておくべきなのです。
信頼構築は時間がかかります。それに対して信頼をなくすことは一瞬です。信頼を築いてきた人とそれ以外の人では温度差はありますが、極力経営者と同じ思いを持って対外的なつきあいをしたいものです。
【懇談会】
夜は懇談会に出席しました。参加したのはKさん、Fさん、Mさんです。これまでの和歌山県のこと、これからの和歌山県のことに関する意見を聞かせてもらいました。主な意見は次のようなものです。
官僚や公務員は政策を立案することに長けています。元々企画力はあるのですから、情報が集まる官僚組織や県組織と政策論議を交わしても、一方的に勝てるとは言えません。仮に議論で勝ったと思っていても、それは譲ってくれているだけのことです。目的は議論で打ち勝つことではなくて、わが国や和歌山県が発展し、私達の幸せな暮らしを実現させることですから、議論の勝敗自体に拘らなくて良いのです。
むしろ政策立案の骨子作成を官僚組織に任せ、議員は現場の意見を聞きとることに重点を置くべきなのです。政策の中に現場の生の意見を取り入れるようにすることがより大切なことです。揃いも揃って現場に行かないで政策論議をしても意味はないのです。それだけなら政治家の存在価値はありません。それよりも官僚組織に勝っているのは現場の意見を背負っているといえる自信です。現場の皆さんが味方についてくれていることで、官僚組織と互角に渡り合えるのです。
政治家が官僚と机上の論議を交わすだけでは、私達の代表とは言い難いものがあります。現場に飛び込んでくる、皆さんと一緒に汗を流すことから代表した意見を提言することができるのです。
基本的で大切なことを忘れないように仕事をさせていただきたいものです。