5/31(日)「確率」

【確率】
 私達は100%を目指した取り組みをすることがあります。ここでおもしろい話を伺いました。ある会社で、「この施策を行うとすれば95%の確率です」と部下が上司に報告したところ、リスク管理の考え方を知らない上司は「あと5%頑張れば100%になるのだから、あと5%の改善を目指すべきだろう」と答えたそうです。
 リスク管理の考え方を知らない上司だけではなく、やるからには成功確率100%を目指そうと頑張る人は多いようです。しかし100%を目指そうとすると精神的に苦しくなることがあります。完璧は完璧な準備が必要だと思うからです。試験でも80%を目指せば合格するラインに届どくのに100点を取ろうとするから、細かな部分まで入り込み過ぎるのです。

 ところで「あと5%頑張れば100%になる」のどこが間違っているのでしょうか。リスクに100%対応するということは、何もしないことと一緒になるのです。そうリスクに100%対応しようとすれば、何も行動を起こさなければ良いのです。家で寝ていればリスクを回避できます。試験に落ちないようにするには受験しなければ良いのです。営業に失敗しようとしなければお客さんを訪問しなければ良いのです。そうするとリスクは100%避けられます。
 しかしリスクを避けるために行動しなければ目前のリスクは回避できますが、長期的には何も解決されないことや自分の意思を実現できないことに気付きます。つまり自分の先のことは自分も誰にも判りませんから、100%の確率で成功に向かう道はないのです。将来予測に100%はあり得ませんから、現実社会では100%はあり得ないリスクを取る覚悟で決断と行動をすべきものなのです。

 そう思えると気が楽になります。100%になるまで行動を起こさない人がいます。確かに失敗はない代わりに飛躍もありません。そのうち、そのうちと思っている間に年月は経過し、行動を起こさないまま年齢を重ねていきます。リスクを避けていると、結局、夢で描いたような自己実現はできないのです。

 勿論、リスクを起こさなくても社会生活ができているということは安定している証拠ですから、決して悪いことではないのです。
 ただ人は現状の中だけで生きてはいけないものなのです。どれだけ安定していても、それ以上を目指そうとする気持ちが芽生えている筈です。それがなければ個人の向上はありませんし社会の発展もありません。生きている一人ひとりが社会の発展を何らかの形で支えているからです。一人が怠けるとその分、社会の発展はその一人の分だけ天の意志から遅れるのです。それは大きな流れからすると微々たるものですから、誰も気づかないものですが。

 リスクを100%避けてから行動しようだとか、リスクを100%除外することができてから、やりたいことに挑戦しようと考えることは、結局は何もしないことを選択することになるのです。夢とはリスクがあっても立ち向かうことですから、100%安全な挑戦は決してないし訪れないものです。リスクがあるけれども挑戦する。このことだけが将来を切り拓く方法なのです。
 リスク管理に100%はないことを知っておきたいものです。
   

5/30(土)「ゴルフコンペ」

【ゴルフコンペ】
 和歌山県印南町にあるラ・グレースゴルフクラブで開催されたコンペに参加しました。朝6時45分に自宅を出発し8時前にクラブに到着しました。コンペは10組、40人の参加の下、開始されました。私にとって今回のコンペはデビュー戦でしたが、始まる前は以外と楽しみの方が勝っていましたからワクワク感がありました。コースの距離感を把握するのが難しいように感じましたが、何とか楽しみながらプレイすることができました。プレイ前に、同じく本日がデビュー戦の岡本さんと、楽しみながら周ってこようと話をしましながら、パットの練習をしてコンペに臨みました。パット初めてでしたが、芝生が滑るので相当軽く打たないとボールは走ってしまいます。ごく軽いタッチの感覚は難しいものでした。

 さて同じ組で周ってくれた合川さん、宮田さん、保江さんには感謝申し上げます。楽しい雰囲気を作ってくれたことも楽しめた要因だと思っています。午前二時間半、午後二時間半のプレイはあっと言う間でした。
 体験してみるとゴルフの難しさが良く分かります。プロは簡単にプレイしているように思いますが、超人的な技術の応酬だと思います。そして素人ながら、精神的要素によって打球が左右されることが分かりました。打とうとするコースの前に池があると、それを意識してしまい、ボールは逆に池に向かってしまいますから不思議なものです。狭いコースでOBをしないようにと思うだけで、ボールはOBの方向に飛んでしまうのです。

 また18ホールを同じ気持ちで周ることは難しいことでした。良いイメージを高めるためにある程度の欲は必要だと思いますが、気負い過ぎると逆効果です。今日は一度だけドライバーでボールが前に飛ばずに手前に落ちましたが、それは記念にと、カメラを向けてくれたことで、カメラに意識が向いてしまったからだと思います。それほど精神はデリケートなものだと気付きました。しかしドライバーを失敗すると、そのコースはとても長いのです。刻みながら打つことになりましたが、気持ちを切らさずに維持するのは大変なことでした。数を叩いてしまうと、自分の中にあきらめ感が漂い始めますからそれは要注意です。あきらめ感は良い緊張感を途絶えさせる役割を果たしてしまいますから、相当気をつけなければならないのです。日常生活では気付きにくいものですが、スコアで表れるゴルフではそのことを顕著に気付くことができます。

 さて、ゴルフは素振りと同じようにスイングできたら真っ直ぐに飛びそうなのですが、ボールがそこにあるだけで力んでしまうのは精神の問題だと思います。力まなくても真っ直ぐに飛ばすためには自信を持ってコースに立つこと。自信を持つためには練習以外にありません。
 プロゴルファーは毎日、日が暮れるまで練習を続けていると聞きます。今日の優勝者は、毎日のように練習を行っていたと聞きます。またシングルプレイヤーは相当の練習量を確保しているようです。練習が技術向上も不安感などを、全て克服するものなのです。練習の積み重ねが次の次元に向かわせてくれます。
 これからどの程度、練習時間を確保できるか分かりませんが、ゴルフは精神力を高めてくれるスポーツだと思いますから関わっていきたいと考えています。
   

5/29(金)「臨時議会二日目」

【臨時議会二日目】
 昨日から開会した臨時議会の議案が採決されました。今回提案されているのは期末手当の引き下げの議案でしたが全て可決されました。一部政党の四人は反対しましたが、賛成多数で可決されました。今回の人事院勧告は臨時的に期末手当の水準を調査し、その結果、公務員の期末手当も引き下げるべきだと勧告したものです。臨時的に民間期末手当の動向を調査し、引き下げの勧告をしたのは今回が初めてのことです。この時期の引き下げ勧告は不自然であることや、年収を下げることは消費活動を減速させることにつながりますから、全面的に歓迎というものではありません。

 しかし経済危機の渦の中でコストカットを続けている民間企業や賞与が支給されない会社のことを考えると、経済的な痛みを共有することも必要なことです。この状況からプラスとマイナスを差し引きすると、平成21年6月支給される期末手当の引き下げはやむを得ないことだと判断しました。

 今回提案された議案は全て可決されて臨時議会を終えました。
 また平成21年6月定例会における文教委員会で、湯浅町にある山田山の視察に関して文教委員長と打ち合わせを行いました。この場所はスポーツ施設としてクレー射撃競技場を誘致して欲しいと地元から要望がきているものです。この施設に関しては教育委員会が所管しているため、文教委員会として視察することを考えています。
 平成21年6月定例会は6月12日に開会し、同月30日に閉会する予定です。

【政府要望】
 平成22年度政府要望を来月上旬に行う予定になっています。和歌山県が要望する政策に必要な予算を政府に要望するものです。平成21年度が始まったばかりですが、早くも次年度の予算要望を行うのですから、時代の先を読み取る力が必要です。関係個所から政府要望の概要について説明を受けました。

【打ち合わせ】
 経済対策に関しての打ち合わせを行いました。和歌山県経済は出口が見えない状況ですが、何か対応策はないものか話し合いました。何もしないと和歌山県が浮上することはありませんから、考えられる取り組みを実行してみることも考えられます。勿論、実験ではありませんから失敗は許されないことがブレーキになっています。
 ただ、特に和歌山市の場合は何もしないことが地盤沈下ですから、何もしないよりも勇気を出して実行した方が良い結果をもたらしてくれると考えています。

【コスモパーク加太】
 和歌山市にあるコスモパーク加太。カゴメ加太工場の第三期分が撤退することに決定し、既に発表されています。地元の期待が大きかっただけに残念なことです。ただ国内のトマトの95%が輸入に頼っていると聞きますから、国内産トマトの生産体制を確立させることは大切なことです。カゴメ第三期工場が加太から撤退することは極めて残念なことですから、何とか手段を講じられないか考えてみたいところです。
 日照時間の長い加太はトマト栽培の適地ですが、夏場の夜の気温が高すぎるので夏トマトの栽培は出来ないようです。この点が加太用地のネックとなっています。コスモパーク加太用地の有効活用と地元雇用確保のためにも、これからも粘り強く企業誘致を進めたいものです。

【その他】
・一般論として、ミニ場外船券売り場や場外馬券売り場に関しての打ち合わせを行いました。経済活性化と青少年に及ぼす影響など検討課題はあるにしても、話し合いから逃げているよりも意味のあることです。

・企業立地に関しての打ち合わせ。企業誘致に関しては和歌山県と和歌山市、市の中でも水道局や都市計画も関係してきますし企業の意向も大切ですから、立地に至るまでに調整する時間をかなり要します。仕事が複数の部門にまたがっていますから、横の連携も大切なことだと感じています。

・地元バナナエフエムの番組に関して話し合いました。放送に関しても関係者の意思統一が不可欠ですから慎重に進めたいところです。   

5/28(木)「臨時議会」

【臨時議会】  
 今日と明日、臨時議会が開催されます。議案は「給与その他の給付条例の一部を改正する条例」案についてです。知事、副知事、議員、教育長、職員の期末手当の支給割合を暫定的に引き下げるための改定です。人事院勧告に基づく引き下げの提案がありました。

 文教委員会では、一部政党の一人は改定反対の意思を示しましたが、賛成多数で議案は可決されました。期末手当の引き下げは、職員さんの意欲を減退させることややる気を阻害すること、さらに所得の減少は消費を落ち込ませる役割を果たすことから、地域経済への影響が懸念されるなどの問題があります。

 しかし民間企業の厳しい状況を鑑みると人事院寛勧告に基づく期末手当の引き下げは、やむを得ない状況にあると判断しました。明日本会議で採択されることになりますが、公務員給与と民間給与の格差の問題、そして消費刺激に対応する経済効果の観点からすると、引き下げの是非を論じることは簡単なものではありません。明日も議論を続けます。

【紀州レンジャーズ】
 お昼には紀州レンジャーズの木村球団代表と話し合いました。関西独立リーグからステラが撤退し、球団運営だけではなくリーグ運営に支障が生じています。開幕からわずか二か月で関西独立リーグに危機が訪れるとは思いもしませんでした。それでも木村さんは前向きに考えて行動を開始しています。激励に来てくれたOさんも支援を約束してくれ、闇があれば光もあることを感じました。

【懇談】
 Sさんから連絡をいただき懇談の時間を持ちました。先の週末に鳴門に行って景観の素晴らしさに感動したと伺いました。瀬戸大橋からの風景や大塚美術館の素晴らしさは見ないと分からないそうです。週末のリラックス体験で活き活きとしていました。

【フラメンコライブ】
 小松原庸子先生と森久美子先生の舞踊団によるフラメンコライブ。昨日、ワークショップを終えた後も、森久美子先生の舞踊団の皆さんは県民文化会館で舞台確認と振り付けの練習を夜遅くまで行っていました。今日の舞台のために前日遅くまで練習を続けていていたことを知っていますから、和歌山でこの大きな舞台を成功させたことを嬉しく感じています。前日の練習に際して、どれだけ練習を重ねてきても「前日のリハーサルを怠ると恐ろしくて踊れない」との言葉を伺いましたが、レベルの高い舞台はそれだけ緊張感があるのです。
 同じフラメンコでも、昨日のようなスタジオでのフラメンコは舞踊家との距離が近いので親しみがあります。もしかしたら、生活の苦悩の場から誕生したフラメンコの初期の頃の雰囲気に近いのかも知れません。

 そして今日の舞台。これは演出された芸術的なフラメンコといえます。年月を経て芸術と認められたフラメンコが、それを極めていくのが舞台のようです。どちらも素敵で、どちらも違った趣があります。ホテルのコース料理と居酒屋での食事といったところでしょうか。社会生活の食事においてはどちらも必要なものですが、フラメンコも演じる場所によってはそんな感じがあります。
小松原先生は日本にフラメンコを導入してくれました。先生がフラメンコに出会ってからもう半世紀になるようです。森先生は和歌山県にフラメンコを導入してくれました。森先生が初めてスペインを訪れてから20年が経過しています。
  ひとつの道を歩き続けている二人の先生が、頂点を目指す活動はこれからも続いていくことになります。

 さて今日の舞台です。終了後の声を集めました。
「素晴らしかった。今日来て良かったぁ」。
「こんな素敵な舞台を観られたことに感動しています」。
「本当に凄い、凄い。凄い機会でした」。
「素人でもはっきりと分かる素晴らしさでした」などです。今日の舞台の凄さは、皆さんの「凄い」の一言に集約されています。
 今日の舞台を野球に例えると、和歌山市でメジャーリーグの試合が観戦できるようなことです。
 和歌山市にいながら、世界トップレベルの芸術の舞台を鑑賞できるとは思ってもいませんでした。今日の舞台を鑑賞した全ての方はフラメンコの世界に魅せられたことだと思います。情熱と苦悩、喜びなど、私達の生活で感じるものを表現してくれた舞台でした。

 それにしても、本物が持つ力を感じることができました。本物は観る人の明日を創りだしてくれます。今日の感動だけで終わるのではなく、「明日も頑張ろう」と希望の明日を示してくれるのが本物です。少なくとも日常生活に埋もれるまでの日数は、今日受け取った元気が継続してくれますから、活力のある毎日を過ごすことができます。これが今日の舞台からのプレゼントなのです。
 本日、登場した全ての出演者に拍手を送ります。世界のトップと同じ舞台で共演した経験が糧になって明日の自分を創り出してくれます。世界レベルを体感した和歌山の舞踊家は観客以上に震え感動し、負けないぞと思い、そして目標が定まった筈です。明日からの練習風景が浮かんできます。

 帰り際に森久美子モデルノフラメンコ舞踊団の谷口雅基さんと会いました。谷口さんも今日の舞台で踊り切った一人です。「エル・フンコは凄かったです。僕は少し失敗してしまいました」と話してくれましたが、自らの失敗を認め、エル・フンコさんの凄さを体感したことで、また一段と成長してくれそうです。世界を感じ悔しさを感じたことが財産です。
 そして舞踊団と研究生の皆さんの舞台も素晴らしく、若い皆さんから和歌山の希望を感じました。

【その他】
 エフエムでのライブ中継に関する打ち合わせ。新型インフルエンザによる影響についての打ち合わせ。岩出市内の河川拡幅計画に関する現状確認を行いました。
 

5/27(水)「ワークショップ」

【保安伐採】
 立木が伸び放題の場所があります。電線や電話線へも接触していることから安全確保のための伐採が必要だと思えます。これから梅雨の時期に入ると、更に木々は生い茂りますから何とか対応が必要です。ところが立木の所有者と中々会えないため、話し合いはできない状況です。本来は敷地内の立木ですから所有者が手入れをすべきところですが、放置されている点が問題なのです。

 第三者が伐採するには、原則として所有者からの申請または同意が必要ですが、所有者と会えないためそこから先に進めないのです。一般的に価値のある杉やヒノキの場合と雑木とは違いますが、後で問題が起きないように事前協議が必要なのです。
 所有者不在、安全性確保の問題からどう対応すべきか検討しています。

【献血活動】
 和歌山ゴールドライオンズクラブの社会貢献活動の取り組みのひとつとして、献血活動に参加しました。会員による献血の呼び掛けと献血を実施しました。血液が不足している状況は慢性的なもので、ライオンズクラブの活動の中で大きな成果をあげているのが、この献血活動なのです。和歌山市のイズミヤ和歌山店をお借りして実施したものですが、今日も多くの人が協力してくれました。人の善意に触れることは気持ちの良いものです。そして本年度の和歌山ゴールドライオンズクラブの事業も残り少なくなってきました。
 但し、社会貢献活動が途絶えることはありませんから、新年度も継続すべきものは続けることになります。

【エネルギー問題】
 エネルギー問題を考えることは、過去のどの時代よりも重要になっています。地球環境問題と経済成長と深く関わり合うジレンマの問題であり、解決が困難な課題だからです。
 一方を良くすると他方が悪化するような利益が相反する三者の関係にあり、現時点でベストの対策と選択は恐らくありません。そのためエネルギー事業関係者だけで、この問題を考えるのではなく、違った職種の皆さんと一緒に考えたいとする主旨の懇話会があります。今日は飲食業界の方に委員就任をお願いしました。早速、飲食店経営の経験から学んだ意見を聴かせていだきました。
 
【総会】
 某全国組織の中の和歌山支部の年次総会に参加しました。本年度事業の承認と新年度事業計画の承認が決定しました。これから新しい一年の活動が始まります。新年度の始まりは気持ちも新たになるものです。

【ワークショップ】
 和歌山フラメンコ協会のフラメンコワークショップが開催されました。場所は和歌山フラメンコ協会の森久美子先生のスタジオ「フラメンコアカデミア・ラ・ダンサアンダルシア」です。今日は日本のフラメンコの巨匠小松原庸子先生から「フラメンコ発祥と苦悩の歴史」について学びました。

 重いテーマだったのですが、実施内容は明るくて楽しいものでした。フラメンコの雰囲気を感じるために最初はダンスから入り、カンテ、ギターなどを交えながらワークショップは進みます。途中、名舞踊手のエル・フンコさんから、手拍子とフラメンコの簡単なステップを教えてもらえるまたとない機会に恵まれました。エル・フンコさんは、アンダルシア州立舞踊団で活躍し、現在はアンダルシア州政府の代表としても活動している方だからです。明日は舞台に立つことになっていますが、スタジオでのレッスンはユーモアたっぷりの会話と踊りでした。即興での簡単なレッスンだったため、参加者全員が立てステップを踏みました。ところが独特のリズム感が必要でステップは難しいものでした。

 私にとってフラメンコ初挑戦でしたが、これが実に気持ち良かったのです。リズムに合わせて身体を動かすことの楽しさを感じることになりました。と同時にプロの凄さを実感するものでした。簡単なステップだったのですが、格好やリズム感は明るくて流れるようなものでした。余分な力が入っていないことから、流れるような動きになっているのです。

 どんな種目でもプロ級になると身体に余分な力は入っていません。特に上手くやろうとすると肩に力が入りますが、そうなると動きは忽ち窮屈になります。エル・フンコさんの踊りは川の流れのようなものでした。
 小松原先生からは、「こんな時代だからこそ、美しいものを感じられるような舞台を皆さんに観てもらいたい」と話がありました。美しいものに接する機会が少なくなっています。人の心や立ち振る舞いなど、かつての日本にあつた精神的な美は、日常生活の中から姿を消しつつあります。芸術家の舞台は、そんな美しさを私達に提供してくれる機会なのです。この機会は自分から求めないと与えられるものではありません。

 幸い、和歌山フラメンコ協会とご縁をいただいてから、トップレベルのフラメンコに触れる機会をいただいています。本物に接する機会があることの幸せを感じているところです。森先生にも話したのですが、もし森先生と出会わなければ、生涯フラメンコと接する機会はなかったと思います。そうすると人生の大切な部分が欠けたような状態になっていたような気がします。本物に触れる、美しいものに接する。これが日常生活に欠けているビタミンのようなものなのです。ビタミン不足の毎日ですから、日常生活から得ることができないビタミンを自分から摂取することが必要で、そのビタミンがフラメンコを初めとする芸術なのです。しかもそれは、本物から摂取することに意味があるのです。
 今日のワークショップの二時間は、ビタミンを投入されたような心地良いものでした。 

 スタジオ内で魅せてくれた本物のフラメンコは、本物だけが持っている奥深さと陽気さ、清流のような清々しさを感じさせてくれました。
 ただしフラメンコ誕生の歴史は美しいものではありませんでした。インドからスペインアンダルシア地方に流れ着いた異民族が生活の中で感じた苦しみや悲しみ、受けた差別などを音楽で表現したものだったのです。勿論、喜びもあったと思いますが、苦しみを表現する音楽と踊りだったのです。そのためフラメンコが芸術として認められるまでには長い時間を必要としました。
 今ではスペインを代表する芸術としての地位を認められていますが、最初から芸術だった訳ではなかったのです。同時代を生きた人たちが築きあげてきたのがフラメンコなのです。 

 日本のフラメンコは小笠原先生や森久美子先生の力で、これからまだまだ昇って行くと思います。ここに天井はありませんから、どこまで高く昇って行くのか、これからも楽しみです。日本では小松原先生が切り開き、和歌山県では森先生が道なき道を切り開いています。「何でこんなに一所懸命になるのだろう」と森先生は話してくれましたが、それが素晴らしいことなのです。大人の私達が何かに夢中になれる時間は少なくなっています。夢中になる人がいるから、その分野のレベルが前に進むのです。

 これからも森先生はフラメンコをもっと高いところまで引っ張ってくれると思います。後に続く人達のためにも、フラメンコを高い場所に持って行って欲しいと思っています。
 
【ゴルフ】
 ゴルフ関係者と懇談しました。ゴルフとは不思議なスポーツです。長い期間プレイできるスポーツであり、上達が難しいスポーツです。直ぐに上達しないので、上達したいと思うことも要因の一つとして長く続くスポーツになっているようです。18ホールを回りますからまぐれはありません。その時の実力がスコアとなって結果に現われますし、自分と向き合えるスポーツであることが人を惹きつけているのかも知れません。

 動かないボールを捕らえられないのは自分が動いているからで、練習で真っ直ぐに飛んでも試合で思うように飛ばないのは、コースの情報に左右されている精神の問題があるからです。ゴルフは精神のスポーツであることを教えてもらいました。
 

5/26(火)「世界卓球」

【河川拡幅工事】
 和歌山県が河川拡幅工事に着手しようとしています。数年前から計画があるのですが、着工時期など地主への説明が不足しているため進展していないようです。河川拡幅工事に伴い移転すべき土地を所有しているある地主は、三年前と二年前に話があったきり、何の話もないので、もう計画は中断したと思っていると相談がありました。実際の計画は中断しているものではありませんから、すみやかに交渉のテーブルに着くようにアプローチをしました。地主の思いと県当局の考えが合致し、上手く進展することを願っています。

【企業立地】
 和歌山市直川用地の企業誘致が出揃いました。平成22年3月、和歌山北インターチェンジが完成する場所のためこの地に進出を希望する企業が集まりました。物流関係が10社、製造業が1社の合計11社です。6月13日の直川用地に関する審議委員会を経て、企業名は公表されることになっています。
 関係者の方と話し合いましたが、とにかく11社もの企業進出は明るい話題です。

【世界卓球】
 昨日に引き続いて、6月11日から、和歌山市にある和歌山ビッグホエールで開催予定の世界卓球大会の支援に関する打ち合わせを行いました。事務局を訪れたところ、問い合わせの電話が鳴りっぱなしでした。前売券入手に関する電話が多く、事務局は対応に追われていました。問い合わせは北海道と沖縄を除く全国から来ているようで、観光施策としても経済効果も期待できそうです。

 世界レベルの大会ですから、昨年一年間はこの企画と準備作業が大変だったようです。当日運営に携わる人への説明を終え、あとは当日を待つばかりの段階に入っています。
 進行表や役割分担表を拝見したところ、「世界レベルの卓球運営に関するノウハウが詰まっている」とのことでした。開幕まであとわずかです。必ず成功することだと確信しています。

【教育談話】
 和歌山県内の教育問題に関して打ち合わせを行いました。県立中学校が登場してから、県立中学校への入学希望者が多く、受験レベルは相当高くなっているようです。合格レベルに達する偏差値は57で、最低52程度なければ入学は困難な様子です。県立中学校は狭き門となっています。勿論、トップレベルの私立中学校のレベルも同じ程度ですから、高校受験から中学受験へと受験の春の舞台は移っています。

 これが良いのか良くないのか人によって判断は違いますが、市立中学校との関係を整理しておかないと問題が生じそうなのです。人は点数で評価できるものではありませんが、現実社会はそうなっています。全てではありませんが、教育格差が社会での格差に影響しているかも知れません。

【環境月間】
 来月6月は国の環境月間です。和歌山市内の園や児童と一緒に環境問題を考える契機にしたいと考え、6月に二か所の保育園に植樹活動を行うことに決定しました。二か所の保育園の園長先生と日程を調整し準備を進めることにしています。園児と一緒に植樹を行い、枯らすことなく育てることで環境問題について実践して欲しいと思っています。今年も素敵な機会を持つことができました。

【その他】
・紀州レンジャーズと関西独立リーグに関する打ち合わせを実施。関西独立リーグの運営主体であるステラがリーグから撤退しています。その後の活動に関して話しました。

・緊急雇用対策として、和歌山県ではふるさと雇用再生特別基金の取り組みを行っていますが、現在各市町村や民間から雇用確保につながる提案が提出されています。審査結果は6月中旬頃となりそうですが、雇用創出と県民の皆さんが待望しているようなものを採用し、県が事業主体に委託して欲しいところです。県の事業なので収益が生まれると問題になるようですが、三年後に自立した事業として雇用を継続させるためには、ある程度の収益性も考慮すべきだと思います。収益を生み出せない事業は継続させることはできませんから、横浜市のように「財源は自ら稼ぐ」姿勢の導入が必要だと感じています。

・セラヴィ神前でライブがありました。イベントホールが誕生したからイベントが盛んに行われています。今日は弾き語りだったのでず、ライブの時間に間に合わなかったのが残念です。

・来月実施予定の講演会に関する問い合わせを多数いただきました。参加希望者が多くなりそうですから、今から楽しみです。

・児童養護施設で働いている方の勤務実態や不安定な精神的問題に関して相談を受けました。体力的にも精神的にもきつくて、本人が参り始めているようです。本人が精神的に健康で明るいことが何よりも重要ですから、無理な我慢をして精神的に害しては元も子もありませんから、誰かに相談して欲しいところです。早い段階で話してくれたので対応は可能です。
 

5/25(月)「文化活動」

【世界卓球】
 来月11日から、和歌山市の和歌山ビッグホエールで開催予定の世界卓球大会の支援に関する打ち合わせを行いました。世界大会が和歌山市内で開催されることは稀なことで、次はいつ開催されるか分かりませんから、世界トップレベルの選手の試合を観戦できる貴重な機会です。これは和歌山県卓球協会が誘致したもので、関係者の皆さんの尽力には頭が下がる思いです。いよいよ開幕が近づいてきたので、関係者の皆さんは徐々に緊張感が増していることが、皆さんと話をすると伝わってきます。

 世界卓球和歌山大会を成功させるためにも、少しかもしれませんが支援を行いたいと話し合いました。開幕までの日にちが少ない中、何とか支援策かまとまり理事長に提案することができました。

【文化活動】
 和歌山県は文化への理解が少ないと感じているそうです。本日は、宝塚歌劇出身の方と懇談する機会がありました。宝塚歌劇で活躍した後、東京を拠点に活動を続けていたのですが、地元和歌山市に戻ってきてくれました。和歌山市の文化活動をもっと活発にしたいと抱負を語ってくれましたが、これから活動を実行するに当たっての壁も感じ始めているようです。自分が思ったとおりに物事は進まないことや文化活動への理解が少ないことです。他府県でも活動してきた経験から、和歌山県で同じことを行うには負荷がかかることを実感しているようです。
 以前、クラシックコンサートで観客を集めるのに最も苦労する府県は、沖縄県と和歌山県だと聞いたことがあります。同じようにダンスや音楽の分野でも理解を得ることは容易ではないようです。

 時代は移り変わっています。同じジャンルのダンスでも、10年前と今とでは格段に進歩しています。基礎を大切にしつつ新しい価値観を取り入れながら確実に進歩しているのです。伝統を守るためには本質を変えないで、社会の要請に応じ文化も変態していく必要があります。水の流れのように見た目は同じでも中身は違っているものです。何によりも見る人の価値観は違いますし、演じる人も昔と今とでは価値観や気質は違いますから、全てコピーでは以前と同じ表現はできないのです。伝統を受け継ぐ者が、新しい手法を取り入れたダンスで表現したいと思っていても、伝統を重んじるばかりではそれを表現させることはできないのです。他府県の先進的な活動においては、時代の価値観を取り入れたダンスの融合を図り、自由に表現させているかも知れません。

 元宝塚歌劇のこの方は、伝統という基本を大切にしながら、時代の要請に応えるような文化活動を実現させたいとしています。最初に平成21年7月から、「宝塚歌劇団を目指すコースをスタートさせる予定です。大人は「宝塚歌劇団なんて無理に決まっている」と言いますが、子どもはそうは思っていません。未だそれに挑戦していない段階ですから、どれだけ高い壁なのか分かりませんし、それを乗り越えられる資質を持っている可能性を秘めているのです。大人の価値で子どもを縛ると、大人が感じている壁の高さが子どもにとっても壁として立ちふさがります。

 そうではなくて、未知の世界への挑戦によって子供の可能性は拡がります。宝塚歌劇団への道は決して不可能ではありません。何故なら、宝塚歌劇団出身の方が先生として指導してくれるからです。それを達成した人が先生ですから、壁の乗り越え方は指導できるのです。それを信じて挑戦する子ども達に夢は与えられるのです。
 経験者が和歌山市に戻ってきてくれたことの意味は、とてつもなく大きいのです。そんな人材を埋もれさせるようなら文化活動は向上しないのです。

【講演会打ち合わせ】
 来月開催予定の講演会の実施内容について打ち合わせを行いました。今月末に地方新聞で告知することになっていますから、講演会とシンポジウムのタイトルなどに関して仮称を決定しました。和歌山県をもっと元気に、そして関西の中での和歌山県の位置づけに関して確かめたいと考えています。

【教育打ち合わせ】
 教育関係者と打ち合わせの機会を持ちました。大阪府で進められている大阪府橋下知事の教育改革の姿勢を評価し、和歌山県も同じような教育改革への姿勢とアピールが必要であると話してくれました。公立教育をしっかりと確立させなければなりません。教育委員会や議会の師弟が私立学校に進学していることがある状況は嘆きたくなります。公教育を論じる以前の状態に和歌山県はあることを、関係者は深いため息をもって話してくれました。

【その他】
 河川拡幅に関する移転計画についての調査。県と個人所有の山林の手入れがされていないため、民家に枝葉が伸びていることについての話し合い。某企業への運転資金貸付に関する打ち合わせ。環境月間行事の一環としての植樹について贈呈先の決定と日程調整を行いました。
 

5/24(日)「竣工式」」

【竣工式】
 和歌山市中心市街地にあるぶらくり丁。ぶらくり丁に介護付有料老人ホーム「BLISSぶらくり」が誕生しました。本日は竣工式が執り行われたので出席させていただきました。

 この場所の福祉施設は和歌山市中心市街地まちづくり事業として計画されていたものですが、途中、計画が中断していました。そこで既に市内で光苑を運営している中井先生に話が持ちかけられ、先生が協力して実現したものです。中心市街地で福祉事業を行うに当たっては整えるべき条件があったようです。
 ひとつ、介護事業の認定があること。
ふたつ、平成21年4月に介護保険法改正により介護職員の報酬を引き上げるなど働く条件が整うこと。
みっつ、建物が介護施設として改修が可能であることです。これらの諸条件が整えられたことから、この場所に「BLISSぶらくり」が竣工することになったのです。

 中心市街地と言われるこの場所の高齢化率は30%を超えた高齢化地域ですから、介護付有料老人ホームが完成したことは朗報です。ここで暮らすお年寄りの皆さんにとって住み慣れて安心できる施設となります。

 ところでこの建物は以前、ボーリング場があった場所です。当時の若者が集った場所が介護施設として生まれ変わったのです。若者の集まる場所が高齢者福祉施設に生まれ変わることは時代の流れを感じるものです。高齢化率30%と言うと10年前の古座川町と同じ状況です。和歌山県の南地域が高齢化社会に突入してからわずか数年後に、和歌山市内の中心市街地が高齢化地域になってしまいました。高齢化社会を実感させられる情勢です。

 高齢者の方が暮らしやすい地域としての役割が中心市街地に付加されたようです。テーマは「まちなかで元気に暮らす。笑顔と共に」ですから、入居者の皆さんと地域の皆さんが元気に暮らせるまちとして発展して欲しいものです。

 ところで既存施設の光苑では、地域と触れ合うために毎年夏祭りを開催しています。入居者の皆さんと地域が交流する機会を創造しています。中心市街地活性化を目指している和歌山市にとって、最高の運営者が名乗りをあげてくれました。この施設を核として活性化策も展開されそうです。中心市街地に初めて誕生した介護付有料老人ホーム「BLISSぶらくり」に期待しています。

【お悔やみ】
 一年間の闘病生活を経てお亡くなりになったKさん。自宅にお悔やみに伺いました。ご家族の皆さんは一年間、毎日、入院先に看護に行っていただけに残念な結果となりました。
 この一年間のご苦労を伺うと家族愛と失ったものの悲しみを感じ取れました。例え自宅にいなくても病院でいるのといないのとでは、家族の気持ちは全く違います。一人欠けた生活が始まっていますが、この先も変わらぬ付き合いをお願いしました。

【Tさん】
 今月お亡くなりになった田村誠さんの自宅にお邪魔しました。早いもので旅立ってから二週間が経過しています。笑顔の写真に手を合わせると、今も話し掛けてくれそうな気がしました。今さらですが残念でなりません。
 今まで書き記した田村誠さんに関する想いを綴った文章を奥さんにお渡ししました。「後で仏壇の前で読んで報告しておきます」と話してくれたことを嬉しく感じました。いつも田村誠さんと話をしているそうですから、今日はこの文章を報告してくれることだと思います。今後とも近況報告に伺いたいと思っています。

【立木】
 ある人の自宅敷地内から生い茂って両隣に激しくはみ出していますし、道路にも覆い塞がっています。車の通行にも支障がありますし、両隣の家にも大きくはみ出していますから明らかに迷惑です。本人が伐採する気がないようですし、白アリも発生していることから近所も不安感を持っています。対応が難しい問題ですが、関係者と協議したいと考えています。     

5/23(土)「おひるのミニコンサート」

【おひるのミニコンサート】
 和歌山市神前の高齢者向けのマンションのセラヴィ神前でイベント「おひるのミニコンサート」が行われました。今月、新たにイベントホールが完成し、様々のイベントが開催されています。入居者の皆さんや地域の皆さんに本物の音楽に触れてもらいたいと、レベルの高いイベントを提供してくれています。

 今日の演奏はFプロジェクト。ヴァオリンの小倉浩晃さんを加えて「おひるのミニコンサート」を鑑賞しました。これが実に素晴らしいものでした。土曜日のお昼、身近なところで、今日のようなコンサートを聴けるとは幸せなことです。
 主な演奏曲目は「少年時代」、「星に願いを」、「メモリー」、「情熱大陸」などでしたが、しっとりとした曲でも心を高ぶらせてくれました。「星に願いを」はピノキオにまつわるものですし、「メモリー」は言うまでもなくミュージカルキャッツの名曲です。これから人生に立ち向かおうとする元気をもらえる演奏でした。これらの曲は、誰にとっても積み重ねたものの価値を教えてくれるものですし、時には振り返ることも大切だと教えてくれるものでした。

 そして「情熱大陸」は日曜日夜の「情熱大陸」の主題歌です。迫力があり感動が巡るこの演奏を目前でしてくれるのですから涙が零れそうになりました。熱意が明日を切り拓くことを音は奏でてくれました。言葉と同じように、人が思いを伝えようとする音にも力があるようです。力は空気を伝わってこちら側にやってきますから、アンテナが立っていたらその力を受信することが可能です。

 それにしても芸術家の力は凄いものです。伝えたいもののイメージを音符で書き出し、演奏家はそれを素晴らしく表現します。小倉さんは「もし音楽の意図するところが皆さんに伝わらなければ、私の力のなさです」と話していましたが、それが見事に音になって伝わってくるのです。生の演奏は埋もれている何かを覚醒させてくれる力があります。

 いつもFプロジェクトの音楽は弾むような元気を与えてくれます。機会があれば聴きに行くようにしていますが、今日の演奏は岡本さんから「凄いよ」と聞いていましたが、その通りのものでした。会場にいた人は口々に「良かったぁ」と話していましたが、お昼の幸せな演奏空間でした。約1時間のゆったりと流れた時間は、力を充電しているような感じがありました。ゆっくりと積み重ねてきた時間と経験は、今の自分の力になっていることを知らせてくれました。今日の演奏会の音の力も、自分の力になっていくことだと思っています。

 終了後、本日の演奏プログラムを欲しいと探していた方もいたことが、「おひるのミニコンサート」の良さを語っています。
 Fプロジェクトの次の取り組みは「地球行進曲第六番」の上映会です。平成21年6月14日に、和歌山ビッグ愛大ホールで上映会が計画されています。午後2時からと、午後6時からの二回です。そしてこの上映会の収益金の一部はNPO法人ジャパン・プラットホームに寄付されることになっています。この取り組みを成功させるために、Fプロジェクトは全力で市内を駆け巡っています。
 
【バナナエフエム】
 バナナエフエムにお邪魔しました。山口理事長に今日のセラヴィ神前の「おひるのミニコンサート」のことを話すと、「そんな素晴らしい演奏会だったら取り上げたかったなぁ」との答えでした。「今回のようなFプロジェクトによる次回の演奏の機会は8月になりますが、6月28日に和歌山県立図書館でヴァオリンの小倉浩晃さんとピアノの演奏会がありますよ」と答えると、不思議なことが起きました。理事長の携帯に「アートメディアホールで、6月28日にヴァオリンとピアノの演奏会がありますから音源を収録します」というメールが入りました。「アートメディアホールってどこだろう」と聞くので、「それが今話していた和歌山県立図書館でヴァオリンの小倉浩晃さんのライブですよ」と答えると、早速7月にバナナエフエムでの放送が決定しました。

 こんな偶然は以外と重なりあうものです。Fプロジェクトのジャズの素晴らしさを伝えていたところ、それに関わるライブを収録する機会が直ぐに訪れたのです。この次はバナナエフエムとFプロジェクトの協同に発展しそうな感じです。またひとつ、和歌山県内の音楽文化の融合が見られそうです。

【その他】
 毎日ユニバーサルスタジオまで仕事で出勤しているIさん。朝7時にはスタジオに入る毎日が続いています。基本的に年中休みなしですから勤務も大変ですが、夢のある職場ですから頑張れているようです。
 新型インフルエンザの影響でお客さんの入りが減少しているのが気掛かりです。イベントや娯楽施設など人の集まるところに人が集まらない状況が続いているので、経済活動に支障も出て来ているようです。早く沈静化して欲しいと心から願っています。
    

5/22(金)「視察二日目」

【飯尾潤さん】
 政策研究大学院大学の飯尾潤先生の話です。
 戦後の日本政治は、行政の役割が大きく政治の力は小さかったのが本当のところです。アメリカに任せること以外の選択肢はありませんでしたから、官僚主導の官僚内閣制で推移してきたのです。自民党は単に官僚が立案してきた政策の不具合を指摘するだけで良かったのです。それに加えて貧しい社会では基礎部分の政策がありますが、それ以外の政策が少ないのです。

 福祉はイギリスやスウェーデンの真似を、経済はアメリカの真似をするだけで良かったのです。先進国の政策や法律の焼き直しをしていれば問題は発生しなかったのです。官僚が先進国に学び法律を作る、政治家は現場の意見を聞き現場と法律が合わないところがあれば微調整を行う。政治家はそんな役割を果たしていれば良いだけでした。社会に隙間が多かったので、どんな政策を打ち出しても歓迎されたのです。
 そのため日本の政治の特徴は、政策と選挙と政局が分かれてしまっていることです。民主主義の先進国では、このみっつがひとつになっていますから、政権交代が起きるのですが、わが国はそれぞれ独立しているため自民党支配になっていたのです。

 ところで現在日本はいくつかの点で先進国になっています。急激な少子高齢化、一極集中、教育の荒廃など、諸外国では見られない先進的な課題を抱えています。これらの課題にはモデルはありませんから真似ることはできないのです。ですから政策を打ち出そうにも前例がないので失敗の恐れがあり実行できないでいるのです。失敗すると政権から転落するからです。

 また自民党の役割はドラマの水戸黄門とよく似ています。水戸黄門では毎週、何故か悪代官が登場します。水戸黄門はそれを懲らしめる役割を果たしていますが、自民党もそれと同じです。官僚という悪代官を登場させて官僚を批判しているのです。悪事をしないように指導すれば良いのですが、普段は見逃していて悪事に発展してから退治しています。
 でもそれはおかしいことなのです。官僚の上が政権党なのですが、自民党は与党であり政権党とは名乗っていません。恰も、与党と政府は違うもののように見えています。政府と官僚が政策を策定し、失敗すれば与党は批判して難を逃れているのです。自民党は役員、官僚は部下だとすると、通常、部下の失敗を役員は世間に向かって批判しません。部下の失敗は役員などの権限者の失敗ですから世間に言うことはないのです。

 自民党という役員が官僚という部下を批判していると選挙という株主総会を乗り切れているのです。

 もうひとつはチャンバラです。水戸黄門のクライマックスにはチャンバラが登場します。最初から印籠を見せたら事件は解決するのですが、それはしないでまずチャンバラをします。視聴者はチャンバラを見ないとスカッとしないからです。政局が危なくなってくると、揉めて総理を変えてすっきりさせます。総理が変わると全てが一変したように思いますが、チャンバラをしていただけで実態は何も変わっていないのです。実は首が変わってほかはそのまま生き残っている。国民はそれで何となく満足していたのです。

 これが、自民党が長く権力を持ち続けている要因のひとつです。

 ところが、そのからくりが分かってきたので、それが通用しなくなっています。政権交代を望むようになりました。過去が駄目だったら、政権交代をしなければ過去を否定することはできません。政権交代によって新しい政治に迎えるのです。
 そして過去と違って政策だらけ法律だらけになっていますから、少し政策を打ち出しても誰も満足しなくなっています。新しいことを導入するためには過去の法律を変える必要があるのですが、それが大変な作業なのです。法律は作るよりも変える方が多くなっています。それだけ古い法律が社会に行き渡って縛っているのです。

 さて先進国型政治への転換期に入っています。マニフェストとはセカンドオピニオンです。かかり付けのお医者さんだけではなくて他のお医者さんに観てもらうことがセカンドオピニオンです。マニフェストはそれと似ています。自民党の政策だけを見ていても良いのか悪いのか分かりませんから、民主党の政策と比較するのです。ようやく他と比較できる環境が整ったのです。国民の了解を得て選挙を戦うこと、これがインフォームド・コンセントとしての役割を果たします。インフォームド・コンセントとは、患者の了解を取り付けて診療することですが、マニフェストによって国民の了解をとりつけて政権を担うことが、これからの政治なのです。

 ところが自民党の政治は、私達の望んでいることと違います。国民の信託を受けた政権だからこそ国民は納得しますし、官僚は選挙によって選ばれた内閣だから国民の支持があるため言うことを聞くのです。小泉総理が強かったのは、自分で選挙を戦ったからです。安部総理も福田総理も麻生総理も選挙をやっていません。国民の信頼がなく、官僚が言うことを聴かないのは当然です。国民の信託を受けていないからです。現在の民意は、直近の参議院の投票結果です。参議院では民主党が第一党になりましたが、それが民意なのです。議院内閣制とは衆議院内閣制のことですから、政権は自民党にありますが民意は自民党にはありません。安部総理は、自分が総理に選ばれた時に公約を掲げて解散総選挙を行い、国民から選ばれた総理大臣になるべきだったのです、続く二代の総理にも同じことが言えます。

 国民が望んでいる政権ができたら、ねじれ国会も解消します。次の総選挙で民主党が勝てば、衆参とも民主党が第一党ですからねじれは解消します。もし自民党が勝てば、それが世論ですから、参議院が反対しても世論は自民党にあるのですから反対し切れません。それでねじれ解消です。次の総選挙先進国型政治への転換点になるかどうかの分かれ目です。官僚支配型の自民党が勝てば、今のままが続くだけです。

【その他】
・環境月間に関わる苗木植樹に関して調整を行いました。一箇所決定したので、来週もう一箇所の寄贈先を当たりたいと考えています。
・6月に報告会開催の要請をいただきました。いつもホームページを拝見してくれていて、一度報告会を開いて欲しいと依頼を受けたものです。早速日時を決定するなど段取りができました。
・和歌山市で開催される世界卓球大会に関しての打ち合わせを行いました。もう開催時期が迫っています。和歌山市で開催される世界大会ですから、盛り上がって欲しいと願っています。
・某作業所がその地域に溶け込めるようにできないものか考えました。案があったので企画してみたのですが地域事情で実現できませんでした。次の案を考えてみます。

・関西独立リーグに関する心配の声が届いています。また来月の講演会についての問い合わせもありました。紀州レンジャーズの公式サイトに社長のコメントが掲載されていまので以下に紹介します。

 「この度は、紀州レンジャーズを応援してくださっているファンの皆様方に多大なるご心配をおかけし、誠に申し訳ありませんでした。
 マスコミ各社により報道されております通り、関西独立リーグの運営母体である株式会社ステラより3月末に各球団に支払われるはずだった分配金が1ヶ月半を経過した時点でも支払われず、ついにはその責任をとって、株式会社ステラがリーグ運営から撤退することが決定されました。

 今後は、現加盟4球団と来年からの参戦を表明していた三重の5球団の協力体制で、リーグ運営を引き継ぐ形で行ってまいります。
 分配金は非常に大きな金額でありましたし、各球団とも、開幕前後にかかるイニシャルコストとして位置づけた事業計画を立てて進んできておりましたので、紀州レンジャーズにおいても本当に厳しい状況に立たされている状態です。
 しかし、皆さんの応援に支えられ、始まった紀州レンジャーズは、やめるわけにはいかないですし、何としてでもやっていかなければならない事業だと考えております。
 和歌山を元気にしたい、青少年の健全な育成に寄与したいという理念は、私達は今も熱く心に持ち続けています。

 これまでも様々な形で、多くの方々にご支援いただいたことを忘れることなく、歯を食いしばって、前を向いて進んで行かなければいけないと考えております。
 是非、これからもこれまで以上のご支援をお願いしなければならないとは思いますが、正直、球団の現状はそんな生易しいレベルではありません。
 野球王国和歌山初のプロ野球球団、紀州レンジャーズを何とか皆さんのお力で助けてください!というレベルに追い込まれています。
一度にたくさんの支援を望みません。多くの皆様の少しづつの支援を是非お願い致します。

 現在、新型インフルエンザの感染拡大をさけるため、4球団での協議により、今週末の3試合は全て延期となっております。現時点での再開予定は、5月28日(金)18時試合開始の明石レッドソルジャーズ戦(紀三井寺公園野球場)となっております。この日に新しい関西独立リーグとして再スタートする気持ちでおります。

 今の私達にとって、皆様の声援が何よりの支えとなりますので、是非球場に足を運んで頂き、応援して頂きたいと願っておりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。」
    

5/21(木)「視察初日」


【丹羽宇一郎さん】
 地方分権改革推進委員長の丹羽宇一郎さんから地方分権に関する話を伺いました。地方分権の論議がされていますが、地方分権は是か否かで論議している内容は相当遅れています。地方分権は必然なもので、必要性がどうこう言うものではないのです。国の借金は積み重なり、一秒間で50万円も金利がついている状況は健全ではありません。地方分権はもう15年も前から議論している問題のため、もう終わった議論と思っている人がいますが、議論ばかりしていても国民生活が楽になるものではないのです。議論をして借金が減るものではないのです。実行しなければ国が破綻するだけですから、国民生活は成り立たなくなるのです。

 ところでニュートンの慣性の法則があります。それは、運動とは外部から力を加えないと動かないというものです。外部から力を加えない限りモノは動かないという物理の法則ですが政治も同じです。法律を変えなければ改革派進まないのです。法律を変えるとは政治家がこの国のしくみを変えることであり、官僚主導国家に対して外部から変えるための力を加えることなのです。

 官僚主導だと今が変わらない理由がみっつあります。 
 ひとつ。官僚は責任を取らないこと。責任をとらないのに予算を背景にした権限を持っています。例えば農業委員会に関しては昭和20年代の法律に基づいたものが現在でも継続されています。農家の数は最大の時で450万戸、現在は250万戸に減少しています。しかも84%の農家が農作物による年収50万円以下となっていますから、明らかに法律を見直していないことがおかしいのです。農家の実態が変わっているのですから、農業委員会の見直しが必要なことが分かります。

 ふたつ。中央省庁は地方の役人を信頼していないこと。予算と法律で地方を縛り続けているのは信頼していないからです。信頼していない相手に裁量を渡す筈はありません。
 それに対して地方は、自分達の力でそれを奪取するくらいの意気込みを示して欲しいところです。その気力が感じられないのです。地方は権力奪取する気持ちを持って中央省庁に向かっていって欲しいところです。

 みっつ。官僚に任していると全く改革が進まないこと。官僚主導から政治主導に変革するために、地方分権一括法を平成22年3月に提出する方向で進めています。現在ある一万件の法律を全て洗い出して見直し作業をしているところです。しかも一万件のうち四千件が地方を縛っている法律です。もし今回法律が出せないとしたら、二度とできないことですし、今後ともこの国は全く変わらなくなります。

 何故地方分権なのか、それは地方の住民のためなのです。主権者である住民に自活権を渡すべきなのです。近接性、互換性のふたつは、霞ヶ関が握っているよりは、住民に近い方が好ましいのです。国は外交や通貨発行などの補完性を持っていれば良いのです。
 それが分かっていてできないのは、人の意識は変わらないものだからです。30年前から政治家も官僚も変わっていない。これが現在の国家にとって最大の問題なのです。

【古川佐賀県知事】
 地方が国により支配されていることを示す佐賀県内の事例があります。
 昭和60年、農林婦人の家という建物が農林水産省の補助金を活用して建設しています。補助金は1千万円でした。平成10年に、学童保育施設として使用したいと考えて、国に伺いを立てました。そうすると国からは、補助金の目的外使用に当たるので、建物の残存価格分の補助金を返して欲しいと言われたのです。残族価格の10万円を国に返済して学童保育の施設として使用しています。

 昭和60年にみかんの選果場を建設しました。20年が経過して隣に新しい施設を建てたので、この施設は一定の目的を達成したいと考え農業用資材置き場に使用目的を変えたいと思いました。ところが国の指導は、目的外での使用は認めないと言うものでした。国は使うなと言います。使わないことが補助金の目的に沿ったものであると言われたのです。使わない方が目的に沿っているとは明らかにおかしいものです。

 このように国から補助金をもらって事業を行うと、その事業目的を達成した後であっても、その当初の目的から外れた使い方はできないのです。このことを県議会で質問されると以下のようになります。
 議員「この施設はみかんの選果場として使われていないので、農業用資材置き場として活用を図ると良いのではないか」
 当局「この施設は国の補助金を受けていまして、用途変更はできないのです」
 議員「それでは仕方ないですね」となります。
これでは絶対に変わらないのです。国に対して追求すべきものなのです。
 これが県単独予算であれば違います。県が県議会に使用目的を変更することを提案し、了承されたら直ぐに変更できるのです。

 つまり役員の組織が問題なのであって、個人と組織人の考え方が違ってきているのは、その組織が末期状態を迎えていることの証拠です。地方分権を進めること以外に次の時代はないのです。

【中田横浜市長】
 市長の役割とはスーパーの店長だと思っています。何がお客さんのニーズなのかを把握し、それに対応する商品を揃えます。不人気商品は入れ替える必要があります。できるだけ商品は売れ筋のものを取り入れ、でも調味料のようなものも揃える必要もあるのです。

 横浜市のお客さんに健康でいてもらいたいと思っています。それがお客さんにとっても、市役所にとってもプラスなのです。そのためには得体の知れないものは出さないようにしています。横浜市を初め政令指定都市は、自己完結度は高いのです。自分達で製作を決定し、自分達が仕事をします。そして自分達で市民の皆さんの応対をしています。決定権者と住民が近くにいることは一番望まれる姿です。受益と負担が一致することで政治が分かりやすくなりますが、現在は受益と負担が離れているために、自分の税金がどのように使われているのか分からなくなっているのです。複雑すぎる制度は民主主義にとっては悪なのです。政府と地方の住民との関係は、この悪のしくみの中にあります。

 政令指定都市の場合は、政策決定件者が市であることですから、市民から説明責任を直接求められますから大変です。責任の所在と政策が一致しているので、しくみが分かるからです。
 日本には、やらないことのマイナスが多すぎます。道州制はやってもやらなくても問題があります。現状でいることが長期的には沈没に向かいますから、道州制に向かうべきです。失敗してもやらないよりも「まし」なのです。

【浅野元宮城県知事】
 2004年4月に導入された介護保険制度によって恩恵が権利になっています。介護が権利になったことで社会化されたのです。当初、介護保険を支払う対象の人は、「私はもらえないのに、なぜ支払わないといけないの」と思っていました。数年経過するとお年寄りの人が日常的に介護保険を受けている姿に接しているので、文句を言わなくなりました。これが社会の連帯です。お金を支払うことによって社会の連帯がもたらされたのです。このように、福祉でまちづくりができるようになっています。福祉が雇用を生み出しますし、定住者も増やすことが可能となりました。福祉をまちづくりの手段にしても良いのです。

 年金が破綻すると国が言っていますが、これは間違いです。年金が破綻することは国が破綻することですからあり得ません。年金は国の信頼ですから、年金が破綻するようなら国の信頼がなくなり、民からの信頼がない国は成立しないものです。
 ところで諸外国の年金は健全なのに、まじめな国である日本の年金が問題になっているのは何故なのでしょうか。それは諸外国は役人を信用していないため、役人に任せるのではなくて、しくみを確立させてシステムで管理しているからなのです。日本は役人の信頼性が高かったためシステムで管理していなかったのです。このことから、お任せではいけないのです。文句を言うのではなく能動的な姿勢が必要です。私達が能動的に行動することは政治を変えることですから、これからは政治の出番です。

【増田元総務大臣】
 地方分権の課題としては、地方の職員の資質向上が不可欠です。議事録にでてこないところで議員と職員が何かを決定しているようでは、地方に権限を下ろしてくれません。地方分権になるためには、議事録に残るような場所での議論で物事を決めるべきです。水面下で調整するような時代は終わっています。そんなことをしている地方自治体があれば、行政権とともに立法権も地方へ移すことはできないのです。
 さて地域の活性化に関して首長の資質が求められています。首長の資質とは、構想力、決心力、実行力のみっつです。住民は首長を真剣に選ぶべきです。何となくだとか、頼りないけれど現職だからで首長を決めてしまうと、不幸になるのはその市の人達なのです。
 首長にはみっつの資質、つまりリーダーシップが必要なのです。

【片山元鳥取県知事】
 地方分権になると首長の権限は増大しますから首長の資質が重要です。地方分権とは市民の政治参画機会の拡大を意味していますから、誰が首長でも良いとはならないのです。首長選びと議員選びが重要です。
 そして議会とは、税金の活用方法を議論する場なのです。歳入と歳出のバランスを取るために議論を尽くすべきものです。行財政改革とはそれを達成すると税金を下げることをしないと市民は何の恩恵も受けられないので、行財政改革をやってもやらなくても同じことになります。行革が成功すれば税率の引き下げを行う。もし財政が悪化したら税率を上げて凌ぐなどを行うのが首長と議会の役割なのです。
 これができないと地方分権は困難なのです。

【いのちのメール】
 自殺者が増え続け、このまま推移すると平成21年の自殺者は四万人を超えると予想されています。何とか歯止めを掛けたいところですが妙案はありません。
 全国的な取り組みのいのちの電話ですが、これに加えていのちのメール「マイカウンセラー」が開発されています。本日、いのちの電話にかかわっている方と、いのちのメール「マイカウンセラー」の開発者の方に会っていただきました。このふたつが重なり合うと、自殺者の防止やうつ状態からの脱出などが図れると大いに期待しています。

 話は弾んで約三時間が経過していました。今日から、ここから何かが始まりそうな気がしています。
    

5/20(水)「ピュア作業所」

【打ち合わせ】
 県議会報告に関する打ち合わせを行いました。日頃からお世話になっている皆さんに、来月上旬、議会報告会を行うことにしました。幹事の皆さんと打ち合わせを行い、日時と場所を決定しました。
 今回の議会報告は前回の報告会から二年が経過したため、新しい活動について話を聞きたいたと要望を受けたためです。報告会のテーマは和歌山県の経済対策と雇用対策、六月議会のことに関するものとしました。堅苦しい報告会にするのではなくて、懇談形式のスタイルを考えています。

【ピュア作業所】
 和歌山市内の作業所である「ピュア作業所」を訪問し、懇談の時間をいただきました。ここはNPO法人の認証を受けるなど積極的に社会参加をしています。丁度、ある会社のノベルティ用の袋詰め作業をしているところでした。一ヶ月の委託金額は三万円。それでも仕事の委託費としては多い方だそうです。通常は仕事の依頼があっても一万円程度だそうなので、三万円の仕事を委託してくれるのは有難いと感謝していました。

 また作業の方の月収は約6,000円だと伺いました。日額ではなくて月額ですから、如何に境遇が良くないか分かるものです。それでも収入を得られる仕事をしていることに皆さんの目は輝いていました。
 ピュア作業所の方針として、ここで技能を身につけてより収入が得られる場所に移れるようになることを目指しています。ここで育ってくれた人が社会で仕事ができるまちが、障害者の方が安心で幸せに暮らせることにつながるのです。宮城県の元浅野知事が、福祉のまち創りを目指して作業所のない県を謳ったことがあります。ピュア作業所が目指している理想はそれと同じことだと思います。

 障害者の方が作業所で働ける環境があるだけでも有難いことですが、作業所の外で働ける環境があるまちはもっと素晴らしいことです。ピュア作業所は10年前に誕生し現在に至っていますが、当時から残っているのは施設長の大東さん一人だけです。それだけ入れ替わりが激しいことは作業所の置かれた環境の厳しさを示しています。

 それに対して和歌山市の福祉施策は、障害者の置かれた現場の意見を汲み上げていないと聞きました。福祉に優しくない市と評価されることは悲しいことです。国策で福祉施策を講じられないのであれば、せめて企業に対して障害者支援を呼び掛けるなど地方自治体として取り組める取り組みをして欲しいところです。
 本日、ピュア作業所を訪問したのは友人のNさんから、是非来て欲しいと強い依頼を受けたためです。ピュア作業所のことは以前から知っていましたが、今回ご縁をいただけたので訪問して本当に良かったと感謝しています。

 早速、コンサートや夏祭りの案内など行いました。自分達できるところから始めたいと考えています。国レベルの福祉施策を変えるには長い時間を要しますから、これからの長い取り組みとなります。

【景観】
 和歌山県の道路の広告物と景観の問題について関係者と協議しました。景観への配慮と医院福祉施設の案内のための広告物の必要性と価値を比較すると、どちらに重きを置くか見解が別れるところです。道路の広告物の全てが景観を害しているものではないと思います。道路沿いにない店舗や医院への道案内のための広告物は必要だと考えます。また観光案内の手段としても有効であり、景観の価値との兼ね合いの検討が必要だと思います。
 尤も、道路の電柱への広告物の掲出の規制は、昭和39年の国の通達に基づくものですから、時代背景を考えると見直しの必要性も感じるところです。

【議会報告書】
 新しい議会報告書の作成に着手し、概ね案は出来上がったので、印刷屋さんと打ち合わせを行いました。文章は作成済みで、使用する写真の選定とレイアウトに関するものとなりました。来月初めには完成させたいと考えています。

【懇談会】
 夜は四人で懇談会を実施しました。テーマは環境問題に関する研修会に関する協議です。当初は6月に実施しようと考えていたのですが、新型インフルエンザの警戒態勢に入っているため時期を延期させ、8月頃開催の方向で調整しています。
 今では企業活動や地域づくりにおいて環境問題は避けて通れないものになっています。しかも身近な取り組みと地球規模の環境保全を考えた思想を持ち合わせておく必要があります。そこで環境問題の研修会は、大学院で環境政策を教えている先生に依頼することにしました。先生を交えて懇談したところ話は発展していき、排出権取引は勿論のこと、経済価値以外の価値を評価する方法や、トップの理解と地域づくりなどに及び、楽しくて為になるものでした。

 今回、講師をお願いした先生は、平成21年秋に本を出版する予定になっています。自書の出版物があることの価値は計り知れません。誰が読んで関心を示してくれるか分かりませんから、どこに著者の思いが飛び火していくか誰にも分からないのです。自分の考えを多くの人に訴えられるツールとしての出版物の役割は大きなものがあります。

 研修時期は今年8月以降になりますが、地球温暖化対策を筆頭に環境政策の重要性を訴える機会をなくしてはいけないと考えています。スタッフと講師との打ち合わせが潤滑に進み、明日の元気をもらえた懇談会となりました。
    

5/19(火)「特別委員会」

【特別委員会】
 行政改革・長期計画等に関する特別委員会が開催されました。本日の開催場所は和歌山県公館でした。和歌山県公館は平成5年11月に、和歌山県が世界リゾート博を控えて外国からの要人を迎える施設として民間から購入したものです。購入金額は約11億円でした。

 バブル期の終わり頃に購入したものですから価格は相当高くなっています。現在の路線価は約2億7千万円ですから価格は大幅に下落しています。勿論、正式に鑑定しなければ評価額は確定できませんから、現在のところは何とも言えません。
 また路線価から予想した固定資産税額は約300万円。松の木などの維持管理費用は年間約700万円ですから、公館の維持費は年間約1,000万円必要になります。現在は和歌山県が維持費を支払い続けています。

 公館は事前に申し込めば利用できますが、利用料金は無料ですから県の収入はありません。ですから全て県費の持ち出しとなっていますから、行政改革の観点から歯止めをかける必要があるのです。
 県の行政改革の方針としては、行政目的を廃止し売却または賃貸の方向で検討することになっています。平成21年度中にその売却または賃貸の方針を打ち出し、後継者を決定したい意向です。

 問題は、売却する案と賃貸する案を県に提言してもらうことになっていますが、どちらを優先するかです。当然、購入する人の事業計画は、購入費用の約2億7千万円と年間維持費の約1,000万円の費用を回収するための費用を利用料として設定することになります。
 対して賃貸を前提にしている団体の事業案は、購入費用の回収を考えなくても良くなりますから、同じ様な事業計画であっても利用料金は安価に仕上がります。県が間接的にでも補助することになるかどうかは別にして、購入することを前提とした事業計画を提案する団体が不利になりそうです。でもこちらの方が県は売却後の維持費は不要となりますし、固定資産税が和歌山市に入りますから有利になります。
 天秤に計るとどちらが有利なのか、その尺度が難しいところです。

 また第三の選択肢として県が保有を続けて、利用料を有料にして年間維持費用約1,000万円を回収する方法です。公館の活用方針を検討しなければなりませんが、第三の方法も選択肢として提示されました。これから行政改革と和歌浦の景観保全を天秤にかけて検討を続けることになります。
 検討の都度、行政改革・長期計画等に関する特別委員会に進捗を報告されることになっています。

【英語研修会】
 来月、英語研修会を開催することで協議しました。基礎からの英語的な、英語で考えることと英会話に関する研修会になる予定です。講師は留学サポートセンターの牧野さんに依頼しました。自らの留学経験に基づいた話や初歩の英語など、まずスタートラインに立てるようになることを目標にした研修会を依頼したところです。

【飲食組合総会】
 和歌山市料理飲食業組合総会が開催されました。新年度の体制が整い、財政的にも自立した組合を目指した活動を開始しています。今回も総会にお招きいただき出席してきました。ありがとうございます。
 挨拶では、和歌山県の厳しい経済状況がありますが、公共投資によって仕事を創り出し、県内にお金が循環させるための取り組みをしていること、それが飲食業にも回ってくるようになることを目指していることを話させていただきました。また来月、6月に恒例の新しい厨房機器とシステムを学ぶための研修会を行うことも報告いたしました。飲食業組合の皆さんは毎年熱心に研修会へ参加してくれています。今年も研修会を通じて新しい情報を取り込みたいと考えています。

 参加者の皆さんと話したところ、飲食店を始めて40年の経営者や25年経過している経営者の方がいました。長い年月、飲食の提供を通じて地域に貢献してくれています。ところが事業の継続の危機に直面しているため打開策を模索していますが、対策以前に、通りにお客さん自体が少なくなっているのですから深刻です。
 組合として対策を検討していますから、これからに期待しています。

【その他】
・昨日、もうろう者友の会の皆さんと話し合っていた時に、もうひとりお客さんKさんがその場にいました。Kさんには約1時間待ってもらっていたので申し訳なく思っていたのですが、Kさんから「昨日は本当に素晴らしい話を聴かせてもらいました。私も、もうろう者を支援している皆さんのお役にたてたらと思っています。涙が出てきました」と連絡をいただきました。たまたま、その場に居合わせただけなのですが、良い出会いだったと感謝してくれました。Kさんの気持にも感謝しています。ありがとうございました。

・兵庫県からダンス教室の先生として和歌山県にやってきた方がいます。光栄なことに会って欲しいと、その先生を知っている友人から連絡をいただき、来週会うことにしました。
 何か活動で連携を図れたらと思っています。

・折れかかっていた道路標識を応急的に撤去してもらっていたのですが、復旧することができました。迅速な対応をしていただきました。

・お願いしていたことですが、本日、遠いところ夜遅くに、アンプとスピーカーを運んでくれました。今週末に使用するため田辺市内から持って来てくれました。疲れているのに来ていただき感謝しています。
    

5/18(月)「もうろう者友の会」

【道路問題】
 和歌山市内の某自治会長宅を訪問しました。道路境界の問題に関する話し合いのためです。古くから県道と個人の所有地の境界が曖昧で、現在に至っている個所があります。そのためこの道路は、県道の歩道部分の幅が狭くなっていて、危険個所とも思えます。歩行者が走行中の車に当られた事例も伺いました。放置しておいて何かの大きな事故が発生すると取り返しがつかないことになりますから、解決を図るための支援を行いたいと思っています。
 
【昼食】
 Tさんと一緒に昼食を採りました。Tさんは健康維持のために歩くことを趣味にしていています。今では歩かないと気分が悪い程になっているようです。歩くのと同じ位に食事にも気を付けています。産地の分かった食材を活用した飲食店を利用しているようです。今日も行き付けのお店を紹介してくれました。Tさんは「以前行っていたお店も閉店しているところが多くなり、新しいお店が増えてきました。この業界も交代が激しいですね」と話してくれました。世の中は常に一定のものは少なく移り変わるのが自然です。人もお店も変わりながらも、大きな流れの中においては変わっていないように映ります。それが世の中なのです。

【もうろう者友の会】
 NPO法人もうろう者友の会の活動があります。以前から少しですが支援をしているのですが、活動に際して本当に厳しい状態が続いています。もうろう者に対する社会の理解が不足していることと県の支援が冷たいこと。そして介添えの人は精神的なストレスと、殆どボランティアとも言えるような報酬が受け取れるだけなので長続きしないのです。それ以前に、もうろう者の通訳や介添えができる技能を持っている人が少ないのです。

 少ない人数でもうろう者の方の支援をしているのですが、経済的にも精神的にも限界が近づいているように感じます。今まで市や県に補助施策のお願いをしても、窓口で止まりそれ以上は進まないと伺いました。
 東京都では平成21年5月、つまり今月、もうろう者支援センターが竣工するようです。全国のもうろう者友の会が東京都知事と話し合って実現に漕ぎつけたようです。このセンターの機能は点字などの訓練、相談事業、社会参加促進事業、専門的人材育成が中心となっていて、全国で初めてのセンター事業です。
 このような機能を持ったセンターの設置は難しいと思いますが、せめて地方都市においても、もうろう者の方が安心して暮らせる環境を整えて欲しいところです。和歌山県においては公共交通機関の利便性が良くないので、視点を変えて時間もコースも検討して欲しいと依頼がありました。

 今日は、もうろう者友の会のお二人と、もうろう者の方お二人が来てくれました。ここで、ユニバーサルデザインの視点を取り入れたまちづくりの必要性を強く感じました。一緒に聴いてくれた方は「涙が出てきて話を聞くことができなかった」と話してくれましたが、本当にその通りでした。社会的弱者の立場にある方は、どうしても社会の隅に追いやられているように感じます。二重三重の苦しみを味わっている方が、社会からも苦しみをもたらされているのです。
 「小さい頃から苦労をしてきて、人生の終わりになっても苦しみを味わっている人生です」と通訳してくれました。苦しみが続く人生を思うと居たたまれない気持ちになります。そして何もできない自分を見つめてしまいます。
 人として当然の権利である表現の自由、移動の自由、選択の自由、そして生きるための自由が制限されているのです。今はただ、境遇に負けないで生き抜いて下さいと心で願うばかりです。

【防災の仕事】
 昨年から始まっている経済危機は収まる様子がありません。今日も訪ねてきてくれた方から開口一番に聞かされたのは「5月20日付けで解雇されることになりました」の一言でした。ただ驚きました。もう何十年も働いているのに、平成21年1月以降、仕事がなくなり、月に約10日だけ出勤する日が続いているようです。給与が激減していますし、支払いも遅れていること、そして今後も仕事が発注される見込みがないことから、仕事のない日がこれ以上続くことは耐えられないと思い、思い切って相談に見えられたものです。

 防災関係の仕事を希望していることから、無理を言ってUさんに来ていただき、防災の仕事の現状を話してもらいました。Uさんからは「とても大切な仕事ですが、必要性を理解して防災対策を講じる人は少なく、経済的に厳しいのであまり人にはお勧めできません」と本音を語ってくれました。防災先進県では、防災対策が社会に必要な仕事と認知されているため仕事として成り立っているのですが、防災対策が最も必要な県の一つである和歌山県では仕事として成り立たないのが現状です。

 防災対策が仕事として成り立たない地域の防災対策には不安を感じます。いつ到来するか分からない東南海・南海地震への備えの必要性を訴え続け、防災対策事業が仕事として成り立つ県になれるように取り組みたいと考えました。
 防災の仕事で雇用が確保出来ることが理想です。

【フラメンコ】
 今月28日に県民文化会館で開催予定のフラメンコ公演。関係者のところに公演の案内と挨拶に伺いました。小松原庸子先生の劇団が和歌山市にきてくれる機会はそれほどありませんから、本物のフラメンコを皆さんに見ていただきたいと思います。

【懇談会】
 夕方からは五人の方と懇談会を行いました。議題は健康対策事業と道路の問題などでした。メタボは個人の健康の問題でありますが、従業員の健康対策は企業の責務でもありますから対応策を講じたいところです。
 また道路の問題は個人の権利意識の高まりから、当事者間での解決が難しい問題の一つです。二人の権利者がいる道路問題ですが、当事者間の話し合いの支援により解決に向かわせたいと考えています。
 

5/17(日)「復興事業」

【バナナエフエム】
 日曜日も休むことなく放送を続けている和歌山市のコミュニティエフエムのバナナエフエム。放送を聴いて素敵な言葉と出会ったのでスタジオを訪れました。
 放送でDJが好きな言葉として「憧れるヒマがあったら見習え」を私達に伝えてくれました。これは凄いと思い、車で走りながら手帳にメモしました。

 これを解釈してみます。憧れの人物を憧れと思って見ているだけでは、その人に近づくことはできません。憧れの人に近づくためには真似るべきです。ファッションや話し方も真似る対象ですが、それよりもその人の行動を真似ることが大切です。例えば、憧れの歌手が慰問活動を行っていることを知ったのであれば、自らも慰問活動を始めてみる。憧れの先輩がNPO活動を通じて地域活性化に努めているのであれば、自らもこの活動に参加してみる。こんな第一歩が憧れの人に近づける第一歩になるのです。

 外観も真似るけれど、行動を真似ることが格好良いのです。行動を真似ると、行動を通じて思うことがある筈です。思うことがあると言葉になりますし、言葉が変わると憧れの人に考えが近づきます。
「憧れるヒマがあったら憧れの人を見習って行動すべき」なのです。憧れだけではその人に近づくことはできませんが、見習うことで、今度は自分が誰かの憧れの人になる時がやってきます。憧れる対象があることは素敵なことですが、憧れられる対象になれたらもっと素敵なことです。人から見られるだけで行動が変わるものです。

【復興事業】
 和歌の浦妹背山海禅院・徳川期伽藍復興事業に関する第二回発起人会が開催され、発起人の一人として出席しました。第一期工事は経王堂の復興事業で、今年9月を目途に着工したい意向があります。
 この復興事業計画を発表したのが平成20年12月17日のことで、平成21年1月に第一回発起人会が開催されています。その時の計画では着工は平成21年5月末でした。ところが遅延しているのが現状です。

 着工までの最大の課題は復興資金です。現時点で5,070,000円の復興のための資金が寄せられていますが、経王堂の復興事業は約900万円を必要としていることから、約400万円が不足していることになります。そのため着工を目指して、必要資金の400万円の資金調達を最優先させることを発起人会で確認しました。資金が集まらないと着工することができませんから、出席した発起人で期限を区切って協力を依頼することを確認し合いました。

 残りの期間は三か月となりますが、この期間を区切って集められなければ、半年経っても一年経っても集められないと思います。歴史的、精神的価値の理解を得て、資金調達をしたいと行いたいところです。
 言うまでもなく和歌浦でのこの事業は、和歌浦の歴史的にも精神的にも重要な事業です。もしこの地の歴史と精神を大切にしなければ、ここは単なる干潟に過ぎなくなるので、平成の時代に歴史的、精神的な価値は壊されてしまいます。住む人がそれを意識しないと単なる干潟になってしまってから、守ろうとしても意味は薄らぎます。今なら400年前に培われた和歌浦に於ける徳川時代の価値を守れることを意識したいと思います。

 その歴史的事業がこの和歌の浦妹背山海禅院・徳川期伽藍復興事業なのです。発起人として強く意識しながら、復興事業推進に尽力したいと思います。
 第一期工事で復元させる建物は小さいものですが、和歌浦における歴史的な意義は大きいものです。この復興事業の価値を理解している発起人は52名です。復興事業のスピーカーとして活動が開始されることになります。
 発起人の一人として、平成21年9月の着工は譲れないものだと意識して取り組みをしたいと考えています。

【絵画展】
 NHK和歌山放送局で絵画展「少しは上手に描けたかな」が開催されました。最終日の今日、会場を訪問して来ました。知人の作品が展示されていることから訪問したのですが、明るいタッチの水彩画は気持ちを落ち着かせてくれるものでした。キャッチフレーズは「誰でもピカソ」で、子ども心に戻って描くことを目標にしています。

 水彩画で見る和歌山県内の風景は、見られたものと違って見えるものでした。和歌山県を再発見させてくれる水彩画との出会いがありました。
 参考までに、この絵画展は今年で7回目の開催でした。これからもずっと続くことを期待して、来年もNHK和歌山放送局を訪れたいと思っています。

【上映会】
 ガイヤシンフォニー第六章の上映会に関する意見交換を行いました。平成21年6月14日に、和歌山市内のビッグ愛を会場として同映画の上映会が開催されます。主催団体はNPO法人Fプロジェクトで、収益金はジャパン・プラットホームに寄付することになっています。和歌山県から世界に視点を向けて欲しい。そんな思いが伝わってきました。
     

5/16(土)「大阪府」

【お見舞い】
 同じライオンズクラブに所属している会員Kさんが手術をしたので、お見舞いに駆けつけました。手術が成功したので顔色が良くて元気な姿に接することができました。会社経営しているので身体に無理をして働き続けていた様子があり、身体が悲鳴を上げだしたので会社は不在になりますが手術に踏み切ったようです。痛みで眠れない夜が続いたようですが、今はゆっくりと寝られるようになっています。ただ病室でいると退屈なのが欠点だと笑って話してくれました。仕事に復帰したくなる気持ちが芽生えてくると、もう大丈夫です。早く仕事に戻って、社会奉仕活動で再び会える日を楽しみにしています。

【ライオンズクラブ】
 ライオンズクラブの同僚とご一緒の機会がありました。皆さん休日でも活動していますから、社会参画をしている力には脱帽です。6月はライオンズクラブの年度変わりですから活動も追い込みに入っています。

 6月1日は、キャビネットの会合、同月4日はレオ委員会、7日はレオ複合地区委員会、8日はガバナー諮問委員会、13日は橋本商工会議所でのガバナー諮問委員会が予定されています。特にガバナー諮問委員会では新旧地区役員の引継ぎを兼ねた会合となりますので、いよいよ引き月式の色合いが強くなります。
 レオ委員長からは、レオ委員でお別れ会のお誘いも受けました。一年前に初顔合わせをしたのですが、この一年間は本当にあっという間に過ぎ去りました。活動の軌跡と会員同士の親睦が財産になっています。
 地区役員として最後の月もしっかりと活動をしたいと考えています。

【告別式】
 同じ自治会の方がお亡くなりになりました。お亡くなりになったのは飲食店を経営されている方のお母さんで、いつもお店に行くと顔を出してくれていたのですが、5月上旬に食事をいただいた時は姿が見えなかったので、どうしたのかなと思っていました。お伺いすると、その時は元気だったのですが、ここ数日で具合が悪くなったとのことしでした。息子さんのお店のお手伝いをしていたのに残念なことです。心からご冥福をお祈りしています。

【大阪府】
 友人の大阪府議会議員と話をしました。大阪府議会は従来と一変し、真剣勝負の舞台になっているようです。橋下知事が注目を集めているため、議場には30台以上のテレビカメラなどで常に撮影されていることから、緊張感が高まっているからです。居眠りや雑談する議員はなくなっているようです。新聞やテレビカメラの視点は強力ですから、議場が戦いの場になっているので大歓迎だと話してくれました。

 ところで大阪府庁移転の態度を伺うと、ワールドトレードセンターの移転に賛成票を投じたそうです。結果はご存知のとおり否決されたため移転話は暫く消えていますが、再び議案として提案される空気も感じるようです。大胆な改革を進めている橋下知事ですが、大阪府庁の移転は改革の象徴的な取り組みになります。
 変わることを恐れていない大阪府知事の活動と言動は素晴らしいものがありますし、議員もそれに呼応して変わらなければ生き残れない感覚が生じているようです。
 話している中で、その空気を感じ取るために6月上旬に大阪府庁を訪問することになりました。早速の調整ありがとうございました。
 

5/15(金)「ランチタイムミーティング」

【打ち合わせ】
 朝から打ち合わせを実施。和歌山県内で分化活動の普及を目指した活動をしている先生と打ち合わせを行いました。和歌山県で和の文化を普及したいと思って活動していますが、悪戦苦闘しているそうです。特に、何故か和歌山市内での文化活動は難しいようです。
 例えば名古屋では経済人が文化に親しむことは当然のことで、茶道や華道、お三味線などに造詣があるようです。経済だけでは余裕がありませんから、経済活動の合間に文化活動を行っているようです。和歌山県、和歌山市を和の文化に溢れた地域にしたいものです。

【ランチタイムミーティング】
 お昼を活用したランチタイムミーティングを行いました。時間がない時は昼食を兼ねて打ち合わせをする機会が多いのです。今日は都市計画に関する話し合いを行いました。都市計画がしっかりと出来ているまちは目指すべき将来の姿が明確ですから、今、何をすべきか分かります。国体開催の年を目指した道路計画を含めて和歌山県の都市計画が見えてきました。ところが地域の皆さんへの周知は成させていないようです。都市計画に協力する考えを持っている人なのに、当局からの説明が不足しているため協力意欲をなくしている人がいます。それは三年前に道路拡幅の協力依頼があり説明を求めたところ、次に連絡があったのは一年後のことでした。その時も一年前に質問した事項に答えることなく、「その後、如何ですか」と問い合わせがあっただけだったようです。「問い合わせをするのであれば、一年前にこちらがお願いしたことに対する答えを示して欲しい」と依頼したところ、回答を保留し、その後二年が経過していますが何の連絡もないようです。

 本気で都市計画道路を進める気があるのかどうか分からないので、実態を調べて欲しいと依頼を受けました。
 これが本当であれば問題です。三年前、二年前にそれぞれ一度だけ用地買収の依頼があったのに今も連絡がないからです。一年に一度だけ連絡があるだけというのも信じられない話です。
 信じられない話なので来週、調査したいと考えています。

【依頼事項】
 和歌山市内に事務所を持っている方がいます。和歌山市での仕事が激減していることから事務所を手放したいと相談がありました。個人的には事務所を維持して欲しいと思いますが、採算が合わないようでは維持してもらうのは難しいところです。ただ地価が下落していることから売却に当たっては条件があり、そのことに関しての依頼でした。
 結論はどうなるか分かりませんが、来週本格的に相談に応じたいと考えています。

【報告会】
 来月の議会報告会に関しての打ち合わせを行いました。県議会報告会は皆さんと直接話し合える大切な機会ですから大切に思っています。最近の県政のことを報告し地方自治に関する意見を聴取することを考えています。

【懇談会】
 夕方からは、最近の県の状況に関して懇談会を行いました。経済的には厳しい状況が続いている認識を持っています。経済的な数字とは違う本音を伺える機会は大切な機会だと思っています。職種に関わらず売り上げが激減しているのが現状です。経費を節減して対応していますが、この状態が続くと何時まで耐えられるか分からないようです。現場で話し合うと、統計と現場の実態は違うことが良く分かります。ここから得られた意見を県議会に持ち込むことが大切なことだと認識しています。

【懇談会2】
 夜は異業種の方との懇談会に出席しました。普段接していない業態の方との懇談は楽しいものでした。24時間全ての時間に気を張っている職種がありますが、そこで勤めている方は家族も含めて生活は大変なことが分かりました。退職後、初めて家族旅行をしたことが証拠です。そして定年退職後は携帯電話が鳴らなくなったので、慣れるまでは携帯電話が故障しているのではないかと思ったそうです。携帯電話が鳴ると気忙しく感じますが、携帯電話が鳴らなくなると、それも不安になるようです。

【その他の活動】
・フラメンコ公演に関する調整を行いました。5月27日、全国レベルの公演会が和歌山市内で開催されますから、何としても皆さんに観にきて欲しいと考えています。
・農業をしている方と話し合いました。農業をしていても採算が採れないので厳しいようです。今まで以上に効率的な農業の導入を検討しているようです。
・余りにも簡単に要望に応えることや依頼事項に即座に対処しているので、私の活動を心配してくれる意見をいただきました。直ぐに対応すると答えを受け取る方は、簡単なことだと思ってしまうそうです。実は簡単ではないことでもそれほど難題ではないと思い、依頼内容がエスカレートしてしまうことを懸念してくれています。健康状態と仕事への対応だけが心配だと話してくれました。
・知人が手術をして入院しました。心配はないと伺いましたが、顔を見ないことには収まりません。明日、お見舞いに伺う予定にしました。

【田村さんのこと】
 告別式を終えたばかりの田村誠さん。今日も思い出話がありました。どれだけ周囲の人に愛されていたのか伺い知ることができます。実は昨日も懇談会の席で「田村君が亡くなったのですか」と聞かれました。「何故、知っているのですか」と尋ねたところ、「片桐君のホームページを見たからです」と答えてくれました。田村誠さんのことを皆さんに知ってもらえることも目的と考えていましたから、本当に感謝したところです。

 今日も「田村誠さんに関して、私のホームページを読んで泣いてしまいました」と、素敵な話を伺いました。姿がなくなったとしても、私達の心の中に田村さんは今も生き続けています。
 このように、読んでくれている人がいて何かを感じてくれることがホームページの価値だと思っています。田村誠さんの闘病生活の足跡を感じてくれる人がいてくれることが、私のホームページの価値を高めてくれていると感謝しています。人が生きた様が、多くの人の記憶に残るようにお手伝いができていることは、私にとっての誇りです。
   

5/14(木)「訪問活動二日目」

【訪問活動二日目】
 昨日に引き続いて、来月開催予定の講演会の案内のため訪問活動を行いました。お忙しい中、お二人の方に同行をお願いいたしました。皆さんから次のような感想をいただきました。

 Sさん。人集めの難しさは分かっています。ですが今回の講演会は人集めの心配いらないものなので今から開催が楽しみです。この講演会は和歌山県を元気にしてくれるものですから是非とも参加したいと思います。好意的な話をしていただいたこと感謝しています。

 Kさん。訪ねてくれたことに感謝しています。又とない機会を提供してもらったので社長に出席してもらいます。和歌山県でも改革の必要性を感じていますから、これからの連携に期待しています。和歌山県は保守的なので何も変わっていません。何としても改革派のトップが出現して欲しいと願っています。

 Sさん。こんな素晴らしい企画をしてくれたこと、そしてお誘いしてくれたことに感謝しています。是非とも従業員揃って参加したいと思います。改革派の看板は色褪せた感がありますが、やはり改革の火は消してはいけないものです。和歌山県は他府県と比較して遅れている地域なので、改革派の登場が必要だと考えています。今回の講演会をきっかけとして和歌山県が変わることを期待しています。

 Tさん。和歌山県に本社を設けていますが全国展開していることから、講演会には関心があります。和歌山県内で終わるような事業展開であれば保守的でも問題はありませんが、ここから全国に出ていこうとすれば保守的では通用しません。和歌山県が殻を破る契機になって欲しいと思っています。

 Nさん。講演会には協力させてもらいます。若社長の勉強のために参加させてもらいたいと思っています。これからはパソコンではなく携帯電話で情報交換する時代に入っています。私達の組織も携帯電話で連携を図かり成果が出ています。

 SさんとNさん。約束の時間が遅れてしまい迷惑をお掛けしましたが、心快く対応してくれました。お二人とも講演会への協力を約束してくれました。

 Sさん。本日最終に訪問したのがS社長です。この分野では世界でナンバーワンの技術を保有している会社ですから、社長の話は示唆に富むものでした。ビジネスの世界では如何相手に印象付けるか、そのために名刺も他との差異化を図ることが必要で、そのための技術があることを知りました。和歌山県が誇る技術の素晴らしさを感じました。

 Wさん。職種柄多くの人と接していますが、偉い人ほど腰が低いのは共通しています。実は偉そうにする人はたいしたことはありません。他人らに偉そうにする人は人物ではないのです。人物はあくまでも謙虚ですから自分の手柄にすることはありません。それでも関係者は誰が本当に仕事をしているかを知っています。本物の評価を得る人物になりたいものです。

【和歌山大学】
 和歌山大学小田学長と懇談の機会をいただきました。教育への熱意は今も衰えていません。大阪府の教育改革に触れ、大阪府立大学と大阪市立大学の統合は実施すべきものであると話してくれました。改革は退路を断たないと遂できるものではありません。橋下知事は、大阪府知事の地位にしがみつく考えはないため改革を進められると評価しているようです。退路を立つ人がいることが時代を進めることができるのです。そんな人物が登場してくれる地域は次の時代に進めますが、改革できないトップが居座っている地域には明日はありません。

 他府県から見た和歌山県の姿を聞かせてもらいました。和歌山県内に暮らしていると問題はないように思いますが、実は保守的で遅れている地域だと外部からは評価されているようです。私達は気付かないのですが外からの視点は厳しいものがあります。今のままで良いと思っているようでは、和歌山県の将来は厳しいものがあります。是非とも気付いて欲しいものです。

 Tさん。土曜日に総会を開くようです。議会報告書を預かっていただき、皆さんに周知すると約束してくれました。感謝申し上げます。これからの政治は人物で選択する時代に入っていると話してくれました。古いだけ、政党の評価だけで選出する時代ではなくなっています。政党を選ぶのではなくて人物評価で政治家を選択する基準になっているように感じました。

【懇談会】
 お昼には懇談会を実施しました。懇談したお二人は元大手組織の幹部の方ですから、中身の濃い懇談会となりました。現在の市役所は組織体を成していないと厳しい評価を下しています。それが多くの方の意見を代表しているように思います。このことは市役所を批判しているものではありません。市役所の職員さんは優秀な人が多いのですが、トップや幹部が人材を活かしていないように思っているようです。

 通常は、トップの判断を仰ごうとしたら少なくても三案を提示し、トップの決裁を待ちます。一つの案を示しその通りになるのであればトップは必要ありません。判断できないトップは和歌山に必要ありません。決断できる人、リーダーであり続けられる人の登場を期待している人が多いと感じました。現状のままでは浮上することはできないと皆さんは思っています。
 
【食事会】
 夜は食事会を実施しました。日頃からお世話になっている皆さんと意見交換する機会となりました。今日お会いした和歌山市で活動をしている皆さんは、自分の得を考えていません。地域が発展すれば自分の利益などは不必要だと考えています。何故なら地域が発展することは巡り巡って自分のところに帰ってくることを知っているからです。それをしないのは自分の利益を追い求めているからです。自分のことだけを考えていても良くなることはありません。地域社会への貢献を考えることが自分の利益にもつながるのです。この法則を知っている皆さんとの懇談は楽しいものでした。
   

5/13(水)「訪問活動」

【訪問活動】
 本日は友人二人と、和歌山市内の企業を中心に訪問活動を行いました。訪問の目的は、来月開催する講演会の案内です。参加と協力要請を行って来ました。講演会開催に関しては全ての皆さんの賛同を得られたと感じていますから、今から開催が楽しみになってきました。

 Tさん。訪問を大歓迎してくれました。このような講演会を和歌山市内で開催してくれることは信じられないことですし、是非とも参加させていただくとのお返事をいただきました。数人にも声を掛けていただくなど協力してくれることになりました。

 Nさん。最近のマスコミは持ち上げたかと思ったら直ぐに落としにかかるなど論調が変わるので、しっかりとした価値観を持っておく必要があります。自分なりの価値観を持ち為には信念を持って改革に邁進している方の講演会は大歓迎だということでした。

 Yさん。改革派の取り組みを支援しています。古い体質には別れを告げる時期がきています。和歌山県での改革の機運は少ないのですが、関西での動きと一緒に、和歌山県も浮上して欲しいところです。これから始まる改革は誰がやろうとしているか人が勝負です。今までにない人の登場に期待しています。もう今の体制には飽き飽きしている人が多いと思います。

 Mさん。誇りの持てるまちになるためには、私達が他府県に誇れるようなトップが必要です。例えば大阪府の橋下知事であれば、府民の方は誇りを持って話をすることができます。それだけでも住民の元気度は違ってきます。和歌山市や和歌山県でも県外に誇れるような人がいて欲しいと思っています。

 Tさん。和歌山県内だけの仕事では食べていけないですね。他府県に出ていかないと仕事がない状況を変えて欲しいですね。仕事が少ないのは知事や和歌山市長の責任ではないと思いますが、何とかして欲しいとと思うのが自然です。それを和歌山市や県の責任ではないと言うのは簡単ですが、中小の民間は拠り所が欲しいのです。突き放すような姿勢があると、いざと言う時の行政機関への協力は内心したくないと思います。民間企業が厳しい時ですから、何かの支援体制を整えて欲しいと意見をいただきました。

 Mさん。和歌山県内の仕事だけでは会社が成り立ちません。他府県からも和歌山県の公共工事の入札にきているからです。ですから他府県の入札に参加することも検討しています。幸い電子入札が導入されている府県がありますから、他府県の公共工事を取りにいきたいと考えています。和歌山県からでも他府県の仕事ができるということを示したいと考えていますと意見をいただきました。

【その他】
・交通標識のポールの根元が錆びていました。このまま放置しておくと倒壊の恐れがあることから安全対策上、一旦、交通標識を撤去しました。新しく建て替えるに際して、電柱に取り付けるのか、新たにポールを設置するのか検討に入っています。
・知事選挙、和歌山市長選挙、参議院選挙の話題が出始めています。数人の方から意見をいだきました。総選挙が終わると一気に候補者が出揃いそうな感があります。新しい力への期待感が高まっています。
・和歌山民間救急サービスの活動について話し合いました。民間で救急車を運行することが可能となっていることから、和歌山市内でもサービスが開始されています。生命の安全確保の観点から皆さんに知って欲しいと思っています。
・平成21年6月、県議会報告をして欲しいと依頼がありました。今週末に実施日時を協議する予定です。

【告別式】
 非常に残念なことですが、午後1時から今週月曜日に旅立った田村誠さんの告別式が執り行われました。昨日に引き続いて告別式に参列させていただきました。いよいよお別れの日がやってきましたが、今日は流石に言葉になりませんでした。人と話をすると涙が溢れそうで、話をすることができませんでした。
 先輩のNさんは「とうとう今日の日がやって来ましたね」と声を掛けてくれました。信じられないことですが、来て欲しくない日がやってきたのです。田村誠さんの元気な時の姿が蘇ってきて自然に涙が零れます。何年ぶりかに先輩の皆さんと顔を合わせました。本当はもっと良いことで会いたかったのですが、このような不幸事で会うのは不本意でした。

 かつて一緒の職場だった先輩とも久しぶりに会いました。「まさかあの田村君が」と先輩達も絶句でした。同期で配属された当時の職場の先輩からは、「片桐、田村といえば有名だったからなぁ」と当時を思い出して話してくれたのですが、本当に若い頃を懐かしく思い出しました。よく飲み会に誘ってくれましたし、遅くなった時には寮の部屋に泊めてもらったことを思い出します。

 出棺の前のお別れの瞬間は寂しさが込み上げてきました。先輩達も涙を堪えているのが分かります。「片桐君は同期だから余計に寂しいよね」と先輩から声を掛けてもらった時は、もう頬に熱いものがつたいました。悲しみに濡れた告別式で、それぞれ言葉はありませんでした。
 一緒に仕事をした仲間も、職場が分かれると会う機会すら少なくなります。「一度、あの頃の職場の同僚が集まって話し合う機会を持ちたいね」と別れる際の言葉でした。田村誠さんのことを偲んだ会を持ちたいと思っています。

 さて告別式が終わる頃、目の前の大きな木に茂る葉が風で揺れていました。旅立ちの時を告げているようでした。残念なことですが時は止まりません。そんな決して止まらない時間を私達は生きています。人は未来へ続く線の上を歩いているのですが、ずっと続いているようでも確実に存在しているのは今のこの瞬間だけです。次の瞬間も生命があるかどうかは自分も、そして誰も分からないのです。私達が今存在していて、田村さんが今存在していないだけの違いです。やがて今日の生きている私達も、今の瞬間に存在しなくなる時が来るのです。その時は、今日のように爽やかな風が旅立ちの時を告げてくれるだけです。

 生命に限りあることを知らせてくれた旅立った田村誠さん。限りあるのに頑張れたのです。今のところ限りがないように思える時間が広がっている私達が、頑張れない理由はありません。時間があることは何事にも挑戦できる可能性があることです。可能性があることの素晴らしさを感じて毎日を充実させたいものです。
爽やかな風の向こうに笑顔が見えました。爽やかな風を感じて過ごす日々がある限り、いつまでも近くに感じていられます。今日までの日に感謝しています。
   

5/12(火)「ガリレオ」

【お参り】
 4月13日にお亡くなりになったYさん。早いもので一か月が経過しました。生前交友のあったTさんと二人でお参りに伺いました。残された奥さんは今も悲しみにくれています。「仕上げまでに元気にならないと安心して旅立てないよ」と励ましたのですが、ご主人との思い出が詰まった部屋で涙ぐむばかりでした。なるべく昼間は外に出て活動するようにお勧めしましたから、自力で立ち直ってくれると思います。

【劇団ZERO】
 和歌山市を拠点にして活動している劇団ZEROの団員のお姉さんがカフェを開いています。お店の名前はカフェ・ド・ベルで、緑色の建物が目立っています。おしゃれな店内とメニューが充実していて地元の皆さん集いの場所になっているようです。劇団と共に発展して欲しいと思います。

【ガリレオ】
 ガリレオ・ガリレイの生誕400年を迎えました。世界では生誕が今年なのでイベントなどで盛り上がりを見せ始めているようですが、日本での認知度は感じません。首都圏では実行委員会組織の立ち上げも検討されていて、何か形のあるものに仕上げたいと考えているようです。和歌山県には大塔村やみさとに天文台がありますし、和歌山大学では天文学の尾久土先生がいますし、手作りロケット発射の取り組みなども行っていますから、何か関連付けた取り組みをしたいところです。
 ガリレオ生誕400年の取り組みに関して話し合いましたが、星がきれいに見える和歌山県だからこそガリレオ生誕400年を考えたいと思っています。

【和歌山発】
 和歌山県の偉人に関して話し合いました。医学界には華岡青洲がいますし、数学者の岡潔がいます。細菌学の分野では南方熊楠が光を放っています。和歌山県が研究者から注目を集めるためにはこれらの偉人を称え、その精神を受け継ぐための賞を設けたら良いのではないかとのアイデアが出されました。
 華岡青洲医学賞、岡潔数学賞などを設け、現在既にある南方熊楠賞と合わせてその分野の研究者が目指すべき賞に発展させたら、和歌山県の誇りになるというものです。将来的に日本のノーベル賞まで発展させるなどの夢が広がります。楽しくて和歌山県の誇りになるような政策論議も交わしたいところです。

【企業誘致】
 和歌山市内への工場移の課題と今後の確認事項に関する協議を行いました。大きな問題ですから、当初の認識の少しのずれが時間の経過と共に大きくなって行きます。都度修正できたら良いのですが、食い違いを修正することは思っている以上に困難な作業です。
 計画は立ち上がりの時が大切なのです。意思統一を図り役割分担を行い、時間的に遅くなっても情報のすり合わせをしながら進めることが大切です。ある会社の工場移転に関して停滞している現状を見ると現段階で仕切り直しをしておきたいところです。そのための協議を行いました。

【講演会】
 地球環境問題に関する講演会の打ち合わせを行いました。一般的な環境問題ではないので、環境政策を専門としている大学の先生に講師を依頼しました。排出権のしくみや地域として環境問題に取り組むことの重要性、企業活動と地域活動や環境問題との関わりをテーマにする予定です。来週に日時や内容を詰めていくことにしています。

【フラメンコ】
 今月末に開催を予定しているフラメンコのワークショップとライブ。小笠原庸子先生が来てくれる機会は最初で最後ではないかと思います。日本の誇るフラメンコの巨匠の講演と舞台が和歌山市で見られることは空前絶後ですから、もっと盛り上げを図りたいと考えています。

 小松原先生が来てくれることは当然素晴らしいことです。そして小松原先生の和歌山市公演を実現させた森久美子先生も素晴らしいものです。お二人の意思が合致しなければ実現しなかった企画です。和歌山市の皆さんに、この又とない企画を楽しんで欲しいと心から願っています。再度、ここでイベントを紹介させていただきます。
 今月5月27日、水曜日。午後7時から「フラメンコアカデミア・ラ・ダンサアンダルシア」において、「ワークショップ フラメンコ発祥の苦悩の歴史」が開催されます。講師はフラメンコ界の第一人者である小松原庸子先生です。

 翌5月28日、木曜日。午後7時から県民文化会館小ホールにおいて「フラメンコその神秘と情熱」と題したイベントがあります。出演は小松原庸子先生のスペイン舞踊団、エルフンコ・アンダルシアグループ。森久美子先生のモデルノフラメンコ舞踊団、フラメンコアカデミア・ラ・ダンサアンダルシアグループの皆さんです。

【レオ委員会】
 ライオンズクラブの活の年度末を迎えています。6月には本年度最後となるレオ委員会が予定されています。最後ですから是非とも参加して下さいと、委員長から依頼を受けました。地区ガバナーなど地区三役も出席してくれることになり、年度報告会で締めくくりたいと考えています。
 本当に一年が過ぎるのを早いと感じていますし、充実した活動が行えた一年だったと思っています。地区委員の皆さんに感謝しています。

【時間調整】
 来月6月、和歌山市内で開催予定の講演会があります。事前準備を行うための打ち合わせを行いました。明日と明後日の二日間、講演会に協力してもらうために関係箇所へ挨拶に伺います。最終的な時間調整を行い明日に備えました。
 訪問予定のお忙しい皆さんばかりですから、時間を刻みながらの時間調整作業は、結構大変でした。

【通夜式】
 昨日この世から旅立った田村誠さんの通夜式が執り行われたので、参列させていただきました。47歳の旅立ちに際してお別れにたくさんの方が訪れていました。
 偶然ですが、自宅療養を続けていた田村さんのお世話をしていたのが親戚のNさんだったのです。田村さんについて話し合ったところ、「本当に頑張っていたよ」とのことでした。希望を失わないで、懸命に病気と闘っていたことを知りました。Nさんは続けてくれました。「いつも片桐さんのことを私に話してくれていました。同期で入った片桐さんのことを自分の誇りとして嬉しそうに話していました。そして片桐さんの活動を自分の闘いの励みにしていたようですよ」。勿論、田村さんはNさんが私と親戚だとは知りませんでした。今も知らないと思います。

 そんな田村さんの気持ちを知って涙ものでした。その気持ちにどれだけ応えられているのだろうか。癌と最後まで闘った田村さんと比べて、私は今日を生きているのだろうか、と自問自答することになりました。

 また兵庫県の病院に入院していた時にお見舞いに訪れたSさんと話したところ、「田村さんは、治療の初期対応を誤ったことを後悔してワンワン泣いていました」と初めて聞く話がありました。
 土地家屋調査士として独立した後、順調に売り上げを伸ばしていたのですが、それが途中で止まってしまいました。当初の目標を前倒しで達成する勢いでしたから、生前話していた「残念で仕方ない」気持ちは分かります。  
主を亡くした田村土地家屋調査士事務所
 そして「仕事ができることは素晴らしいこと」だとの思いを噛みしめています。月曜日の仕事に向かう時は「もう少し休みたいと」思うものですが、仕事ができることは、それだけで生きている価値のあるものなのです。 

 仕事が辛いだとか、休みたいだとの思いは、今直ぐに心の中から追い出さなければなりません。毎日仕事があることが幸せなことだったのです。
 桃源郷の例えから観光についての話があります。桃源郷に行きたいと思うのは、そこが幸せな場所だからです。人は幸せな場所を訪れたいと思うものです。ですから桃源郷は作られたものではなく、人が幸せに生活している場所なのです。
 観光政策が間違っているのは、人に来てもらうための施設や人工の建造物を作ろうとしていることです。人が来て幸せを感じてもらうことも意味があるものですが、幸せな人が暮らしている場所を訪れることが本来の観光だそうです。
 住んでいる人が幸せでいられることが、住んで幸せであり桃源郷のような観光地になり得るのです。

 同じように、仕事がある毎日を過ごしている人が幸せに思うことは誤りなのです。桃源郷は捜して見つかるものではなくて、日々の生活の中で見つけるものなのです。
 生命が限りあるものだと気付いた田村さんは、毎日の変わらない生活こそが桃源郷であることを知ったと思います。寝込んだ時の田村さんの言葉、「仕事がしたいなぁ」の言葉が脳裏に残ります。
 もう一度元気になって「飲みに行こう」の約束は果たせませんでした。飲みに行く位の日常では簡単なことが叶わなかったのが残念です。飲みに行くことも桃源郷のひとつなのかも知れません。

 明日、最後のお別れにここに来ます。最後にあなたと話し合えることを楽しみにしています。

5/11(月)「さをり織り」

【企業誘致】
 朝から企業誘致に関する打ち合わせを実施。和歌山市内には企業が必要とする、まとまった広さの敷地は以外と少ないのです。市内での工場立地を希望する企業がありますが問題があります。少ない工業用地ですから競争が激しいこと、工業用水が引き込まれていない用地があることです。企業が必要と思う用地は即座に活用が可能な用地です。進出を検討している最中に工業用水がないことが分かると、移転先の候補地から外れることになります。和歌山県に進出してくれる企業は残念ながらそれほど多くありませんから、来てもらえる条件を整えることが大切です。
 その地ならしをするために解決すべき諸条件がありますが、事前にクリアさせることは容易ではありません。

【さをり織り】
 和歌山市中心市街地にあるフォルテワジマ。ここで「さをり」の展示会が開催されています。沖縄県と北海道から東京を目指して、100mの「さをり」を各地で織って全国を一つにつなごうとする取り組みです。
 今日、私も「さをり」織りを体験しましたが、織ってみると本当に織り易いのです。初めてでも簡単に織物を織れるので誰でも参加し易いのです。色も自分の好きな色を選択できますし、アクセントも簡単に織り込めます。毛糸の色も途中で変えることが可能ですし、緩く織っても強く織っても作品として仕上がるのです。和歌山県内の「さをり」愛好者が出品した作品は色取り取りで、展示会としてバランスのとれたものでした。

 和歌山県内でも作業所や福祉施設などでも「さをり」の輪が広がっています。今日も「さをり」の愛好者の皆さんがフォルテワジマを訪れて賑わっていました。今回は全国を「さをり」でつないでいますが、今後は和歌山県内で、もっと広がってくれることを心から期待しています。


【企業立地】
 お昼に企業立地に関する打ち合わせとして、和歌山市内の企業用地の動向に関しての情報交換を行いました。侵入道路や工業用水など、ここでも解決すべき課題が多々あります。
 和歌山市に工場移転を検討してくれる会社がある場合、企業の要望に対して迅速な対応を行いたいものです。時間の経過と共に工場進出の可能性は後退していく感覚がありますから、何と言ってもスピードが命です。

【道路問題】
 和歌山市内の道路で、自動車の交通量が多く自転車の通行する場合に危険を感じる箇所があります。自転車道、歩道を拡幅すれば危険の回避はできるのですが、自動車道を狭めることは非現実的ですし、道路幅を広げることは用地買収と地主の同意が必要ですから、簡単に進むものではありません。それでも関係者で集まり道路の安全確保のための最善策を検討しました。
 但し地元との間で解決すべき難題があり、これから解決に向けた取り組みを進めたいと考えています。

【ジャズフェスティバル】
 先月、和歌山市片男波でスクール・ジャズフェスティバルが開催され、大成功を収めました。主宰者の瀧さんがフェスティバルの報告に来てくれました。参加校が増えお客さんも増え、四回目を迎え春の風物詩として定着してきました。
 平成22年は五回目を迎えますが、今から節目の五回目に向けた活動が始まっています。
 個々人の力を結集してイベントとして盛り上げを図ってきましたが、和歌山市の春を彩る学生達の祭典としてのジャズフェスティバルを応援する輪を拡げたいと考えています。
 瀧さんと夢のある今後に向けての話し合いとなりました。

【室内対策】
 防災対策としての室内対策に関する打ち合わせを行いました。生命を守るための室内対策に関しての重要性の認知度は高まっていますが、国の指針でさえ防災対策の専門家からすると甘さがあるようです。家具やピアノなどの固定方法や施工に関しては、指針に適合しているから良いと考えるのではなくて、専門家の意見を聞いて施工することが望ましいと考えています。 

 和歌山県には全国レベルの室内対策のプロ集団が存在していますから、災害にならない間に対策を講じたいものです。室内対策は施工にお金がかかりますが、保険と同じと考えると納得できます。何も施工していないことは、保険に入っていない家屋に住んでいるようなものです。万が一の時はすべて自己責任になりますし、行政機関も金銭的支援は期待できません。それ以上に生命を落とすようなことがあれば、取り返しのつかないことになります。お金で解決できない問題にならない内に、お金で解決しておきたいものです。

【コンピュータシステム】
 地方自治体でも度々問題になるのが導入したコンピュータシステムの価格が適正か否かです。設置費用と運営費用の両方がブラックボックス化されているので、それが高額であっても導入する側では査定が難しく、適正価格かどうか分からないのです。

 ところが今日、説明を聞いたコンピュータシステムは初期費用が常識外の安さで、運営費用は従来価格の半額程度に収まるという画期的なものです。しかもパッケージ化された既製品ではなくて、事情に合わせてシステムを組んでくれるオーダーメイドであり、その費用が圧倒的に安いのです。
 既に定額給付金の支給が始まっていますが、一部地方自治体では、その支払いに至るプログラムにこのシステムを導入したので、安価に仕上がっているようです。
 知っていることと知らないことの間には金銭的に大きな差が発生しています。知っていても導入を考え行動に移した地方自治体、面倒くさいから従来通りでシステム運用をしている地方自治体との間にも財政負担で差が生じているようです。
 東京発のシステムですが開発者が和歌山県の方にお世話になっていることから、話を伺えたものです。

【農業】
 和歌山県が産地と明示できる有機農業を始めようとしている方がいます。主体をNPO法人化させ、安全な食を和歌山県の皆さんに提供したいと夢を話してくれました。既に土作りを始めていて、「初心者です」と言いながら堂に入っていました。
 食の安全を求めた活動が始まっています。

【その他】
・道路問題解決に関して、市内某自治会長との打ち合わせの日程調整を行いました。
・起業に関する資金調達についての相談への対応や、雇用に関する相談への対応も行いました。どちらも和歌山市内では厳しい状況が続いていますが、最も重要な問題ですから何とか改善を図りたいと考えています。
・県議会報告会に関する日程調整を行いました。来週、今回の幹事お二人と打ち合わせをすることにしました。
・来月開催する講演会に関しての調整事項がありました。参加していただく皆さんへの報告も行いました。

【Tさんのこと】
 昨年から何度か書き込みしていたTさんこと田村誠さんが、今朝9時にお亡くなりになりました。享年47歳でした。心からお悔やみ申し上げます。
 突然の訃報に接した時、こんな日がやってくるとは思ってもいませんでしたから、正に絶句でした。月曜日であったことから午前から正午に掛けて仕事が入っていて、調整したのですが自宅までお悔やみに伺えたのが4時頃になりました。自宅では奥さんが出迎えてくれました。
 白い布をあげて田村さんと顔を合わせると、今までと変わらない優しい表情がそこにありました。着衣にはネクタイを着用し、その上には「田村土地家屋調査士」の仕事着を被おっていました。生前と全く変わらない姿で、今にも話してくれるような気がしました。

 田村さんとは同期入社で配属先も同じ職場でしたから、本当に長い付き合いでした。二人とも背は180cmを越えていますから、背の高さで注目されていたことを思い出します。
 会社を退職し、自分の目指した土地家屋調査士の資格を得て独立したのは、わずか数年前のことです。「定年のない仕事に就いたのだから、一番長く現役生活を送れますね」と話したのが昨日のことのようです。一番長く現役生活をする予定の田村さんが、同期で一番先に旅立ったのは無念の一言です。
 奥さんから聞きましたが、田村さんは生前「これからなのに本当に悔しい」と漏らしていたようです。目の奥に出来た癌細胞により身体は衰えて、呼吸停止に至ったようです。

 思い返すと本当に長い付き合いでした。旅行に行ったこと、度々行った飲み会のことなど、記憶が蘇ります。若かった田村さんの披露宴にも出席させてもらいました。奥さんとは高校の同級生でしたから、同期で一番結婚が早かったような気がします。
「平成20年12月6日に47回目の誕生日を迎えられたのは嬉しいことでした」と話してくれたように、病院を退院した時には医師から「厳しい」と奥さんは告げられていたようです。でも気力で生き抜いて誕生日を迎え、年末を越し、お正月を自宅で過ごし、春の季節も乗り越えました。そして大型連休で体調に変化があり、平成21年5月11日、旅立ったのです。

 奥さんからはご主人である田村さんと私の話をしていた時のことなど、最近の話を伺いました。奥さんが「片桐先生」と言った時には、「違う違う、片桐大先生だよ」と訂正していたそうです。勿論、笑い話ですが、それほど信頼して期待してくれていたことは分かります。「桐ちゃんには、もっと上に行ってもらいたいから応援している」といつも話してくれていました。

 今日、奥さんからは「絶対に田村の分も頑張って下さい」と言葉をいただきました。
志のある人間は重いものです。生きている私達は、この世で知り合った人の志を受け継いで生きていきます。まるでトーナメントの試合のように、自分が関係する人達の志を受け継いでいくのです。故人への悲しみは、その志を受け継ぐためのものです。生きることは人間の志を背負っていくようなものです。但し、その志は鉛のようなものではなくて、羽根のようなものだと思います。優れた志を受け継ぐことは、天に昇る羽根を受け取ったようなものですから、天高く羽ばたく責務があります。天使の羽を受取ったのに、それを使わないでいることはできません。使わない位だったらその重い志を受け継げないのです。

 友達から天使の翼を得て人は、その人の分も遠く高く飛ぶことができるのです。友人を失った悲しみは翼に変わり、目指すべき世界に羽ばたかせてくれると信じています。いつか、友人とその先にあるものを一緒に見たいと思います。今の私達の世界では見えないものが、そこにあると思います。
 これから長い、長い旅が始まります。長い、長い旅を一緒に歩きたいと思います。言葉を交わすことはできないけれども、交信はできるような気がしています。この先にあるものを見に必ず連れて行きますから、もう少し待っていて下さい。

 田村土地家屋調査士事務所に入りました。完成した時、お見舞いに行った時、一緒に事務所に入ったことを思い出します。事務所机には私達の若い頃の写真が飾られています。その時と同じ状態で飾られています。事務所がオープンした時に贈った「言葉」の色紙も机から見やすい位置に飾られていました。そして独立を決めた時に贈った中村天風氏の本も本棚に飾られていました。いつも身近なところに置いてくれていたことに感謝するばかりです。

 自宅と事務所の空気に触れたところ、若い頃に戻ったような気がしました。事務所から出た時、一緒にドアを閉めたような気がしました。苦労して資格を取り、勇気を持って独立した田村誠さんの志を、確かに受取れたような気がしています。
 誰もまだ定年は迎えていないのに、今日の旅立ちには早すぎます。今はただ、物語の後を綴らなければと思っています。

5/10(日)「自治会研修会二日目」

【自治会研修会二日目】
 宿泊したのは昼神温泉のグランドホテル天心でした。自然(天)の恵みに心をこめることをホテル名にしたようです。名前のとおりおもてなしが素晴らしいホテルでした。部屋には季節の花が飾られ、夜食用として、知らない間に焼きおにぎりがテーブルに置かれているサービスがありました。ホテルでは何事にでも笑顔で対応してくれる従業員さんがいました。「お時間までゆっくりとくつろいで下さいね」と、最後まで行き渡った言葉をかけてくれました。そして見送りの時にも笑顔で手を振って送り出してくれました。余程の変わり者以外、笑顔の人に怒る人はいません。笑顔とおもしなしの言葉が最大のサービスだと思います。

 見送りの人が並んでいると違いは明らかです。笑顔で手を振ってくれている方には笑顔で手を振り返します。その横で不機嫌そうな顔で手を振っている従業員さんもいました。理由は分かりませんが、朝早くから手を振るために勤務していることへの不満や、手を振ることは自分の仕事ではないと思っているのかも知れません。お客さんからするとどちらの人が印象に残るかは明確ですし、どちらの人に手を振り返すのかも明らかです。
 笑顔がサービスの差だと実感した出来事でした。それを差し引いても天心のおもてなしは印象的でした。

 研修会二日目は天竜川下りと、昭和の街並みを再現した「信州ふるさとの杜」の見学です。天竜川下りは思ったよりも流れが急で、舟から見る風景は緑と岩の懐に包まれるような感覚がありました。川を自然の観光資源として守るだけではお金を生み出すことはできません。環境維持にコストがかかるだけで、そのコストは行政機関が負担し続けなければならないのです。ところが天竜川では「天竜舟下り株式会社」が天竜川下りを運行しているように、川という資源を観光資源として利用しているのです。

 自治会から参加した方が和歌山城の活用のまずさを話していましたが、和歌山城と比較すると分かりやすいと思います。例えば和歌山城のお堀に舟を浮かべると、観光のお客さんに舟から街並みやお城を、視点を変えて見てもらえます。何よりもお城を観光資源として活用できます。舟会社が利益を得ることができるのです。過去にボランティア的に和歌山城のお堀に舟を浮かべて、一回500円でお客さんを乗せていたことがあります。その後、続いていないことから、運行の手続きが面倒なのか、利用客が少なかったから運行が困難だったのか分かりませんが、兎に角、続いていません。

 ところが天竜川は急流で景観が良いことは認めますが、特段、特徴的な河川ではないと思います。その川を観光資源として民間会社が活用し利益を生み出しているのです。
 天竜川と和歌山城はどちらも地域にとって大切な観光資源ですから、天竜川は民間会社が利益を生み出しているのに対して、和歌山城ではそのしくみがありません。地域力の差なのか、観光資源としての差なのか分かりませんが、観光資源から利益を生み出すしくみの検討が必要かも知れません。
 それから天竜川下りを体験したことで帰路はこの話題で盛り上がりました。川下りで川の水を大量被ってしまった人がいました。ジャケットもズボンもびしょ濡れになりましたが、それが楽しい話題になったのです。旅先での体験は、例えそれがずぶ濡れの体験であっても楽しい思い出になるのです。水に濡れたことで話が盛り上がる、他愛もないことですが、それが体験旅行として価値あるものなのです。
 
 さて和歌山県の芝居についての話が出されました。全国で芝居の劇場は約300か所あり、そのうち和歌山県には三か所あります。全国と比較するとダントツに芝居の劇場は少ないのです。ところが芝居は大変な人気で、和歌山市にある「紀の国ぶらくり劇場」はいつもお客さんが一杯だそうです。全国で公演している劇団が和歌山県にも来ているようで、熱心なファンはお目当ての役者が出演すると、全国各地から和歌山県に来て観て宿泊しているようなのです。
 市によっては、芝居で町おこしを考えているところもあるようです。和歌山市の中心市街地のぶらくり丁が「紀の国ぶらくり劇場」で賑わっている。もうまちの風景になっています。
 
 

5/9(土)「自治会研修会」

【自治会研修会】
 宮地区連合自治会による一泊二日の研修会が行われました。行先は岐阜県、有家自治会の副会長として参加しました。連合自治会としては年に一度の研修会ですから、時間を確保して参加するようにしています。参加者は各自治会の会長以下三役が対象で52人が参加しての研修会でした。

 初日は歴史の街並みを体感するために馬篭宿の散策を行いました。中山道の宿場町として栄えた馬篭は、当時を偲ばせてくれる建物が立ち並んでいます。勿論、改築をしているのですが、古を再現した建物が店舗に変身し観光客を引き付けていました。歩くとわずか30分以内の時間距離ですが、首都圏や関西圏からも観光客を呼び込んでいるのは、小さくても観光地として魅力があるからです。新しいものではなくて古いものに価値を見出している、これが歴史的背景のある観光地の売り出し方です。まちを挙げて支援する姿勢がありますし、当然、地元店主が率先して馬篭宿の印象を高める工夫をしているようです。

 研修会で皆さん話すと参考になることが数多くありました。

・市所有の施設に関して、地元要望と市役所の取り扱いの見解が異なるものがあります。地元は極力自分達が利用しやすいようにと思っていますが、市役所は法律に準拠した取扱いを徹底しています。度々、その差が問題になるのです。そこで解決策としては当事者間で協議すると利害が対立しますから、どうしても感情的になり解決に至る道筋をつけることはできません。第三者が仲介することで話し合いは理論的になり解決のための道筋をつけることができます。
 そして対立する問題の差については、がちがちで融度のないものではなくて、ある程度の話し合いの幅がある場合が多いのです。その法律の解釈の幅の中で対立している利害を調整していきます。双方に信頼がある仲介する人、所謂、アレンジャーの役割は意外と大切なのです。

・支所、連絡所のあり方について市役所と自治会との間で問題が起きているようです。平成22年10月を目途として、支所、連絡所の事務仕事の見直しを図り、行政事務の仕事を廃止しようとするものです。今のところ際立った動きはないようですが、立場によって賛否があるようです。今まであるものがなくなると直接的に不便を感じる人もいますし、そうでない人もいます。どちらの意見が多いのかは、十分な意見を聞いていないので分かりませんが、支所、連絡所の行政事務を廃止するのであれば、市役所は利用者の意見を聞いて判断材料にすべきです。ところが市長はこの件に関して、自治会などから陳情を受け付けないとしています。その姿勢は如何なものかと思います。これから話し合いは進展していくと思いますが、上手く解決することを願っています。

・自治会の現地研修ではメモ書きすることは滅多にありません。屋外であることや移動しながらの研修機会であることが原因です。でも屋外であっても移動中であっても、大切な話はメモ化しておかないと忘れてしまいます。話した場所が屋外だから忘れても仕方ないとはなりません。大切な事柄や伝達すべき事項は、どんなロケーションであってもメモを取ることを忘れないようにしたいものです
 

5/8(金)「海外進出」

【海外進出】
 和歌山県内の企業が東アジアへの進出を検討しています。和歌山県から全国展開とアジア進出を図り、和歌山県でもやればやれることを身を持って知らせたいと、この企業経営者は考えています。その心意気が素晴らしいことと行動力が抜群であることを知っていますから、今日はこの企業経営者と役員の方々と一緒に東京に赴きました。東アジア進出に関して経験豊かな国際弁護士と協議を行うためです。
 この経営者を仮にSさんと呼びます。Sさんと懇談する機会を何度か設けてもらっていますが、Sさんの経営方針と真面目さには感銘を覚えています。そして温めているアイデアを実行しようと思えば、即座に行動する姿勢を持っています。Sさん曰く「最終決定者は私ですから、進出すると決めたら必ずやり遂げます。ただ法的に進出が困難だとすれば計画を中止すれば良いだけです」と話してくれています。

 日本のアミューズメントは世界に誇るべき高水準と娯楽性があります。世界で通用する産業だと思いますが、日本発のアミューズメントはカジノなどの壁に遮られて主流とはなり得ていません。この壁に挑戦しようとする意気込みと可能性を追求する姿勢が素晴らしいのです。
 Sさんはお客さんに対して娯楽性を通じて、大人になると忘れてしまう「ワクワク感、ドキドキ感、トキメキ感」を大人に感じてもらえる仕掛けを行い提供しています。商品を売るのではなくて、人間だけが感じることのできるこれらの感覚を提供することを社是としています。
 当面は関西から店舗を全国展開させることを目標としていますが、並行して東アジアへの進出も考えています。それは東アジアの方や現地駐在の日本人に、この感覚を感じ取ってもらえることを目指しているからです。

 ところで特筆ものは、Sさんが起業してからわずか15年で売上を800億円にまで伸ばしていることです。若い頃は会社勤めだったのですが、そこで経験したアミューズメントを本職にしたいと思い起業したそうです。資金も名前も知られていない中からの起業は困難を極めたそうですが、失敗を繰り返しながらも、他店舗とは違うサービスと「ワクワク感、ドキドキ感」を感じてもらえるしくみを織り込み、事業を拡大させ現在に至っています。
 その間に約15億円の損失を出して閉鎖した店舗もありますが、それを勉強材料に変化させて、それ以上の規模に発展させています。そして本業だけに邁進し経験していない分野への事業展開は避けているため、より一層、本業のノウハウと情報が集まっているようです。

 さて企業が大きくなってくると直面する問題が税金の支払いと後継者です。Sさんの信条は、お客さんからいただいた収益金は適正な利益を差し引いた後は社会に還元することですから、納税額は和歌山県でもいつも上位に入っています。税金を支払えることは間接的に企業が社会に役立っていることだと話してくれました。
 そして後継者の問題については、身内を会社に置いていないことから同族経営はしない方針を採っています。従業員の中から経営方針を引き継いでくれる人材に後を任せるようです。勿論、Sさんはまだまだ元気ですから現時点では引退など考えられません。いつか訪れる日のために和歌山県から全国展開を達成し上場させたいと考えているようです。
 そして一度限りの人生の後半は実業界から引退して、苦労を共にしてきた奥さんと一緒の人生を歩きたいと話してくれました。事業計画と同じように素敵な人生設計を描いています。

 東アジア進出は前例が少ないので法的にクリアすべき問題が不明確なためどうなるか分かりませんが、上手く展開できてもできなくても、Sさんを経営者として人間として、尊敬
することに変わりありません。和歌山県から全国に飛び出そうとしているSさんの会社のこれからを見続け、何としても支援していきたいと考えています。
 一緒に夢のある協議ができたことに感謝しながと都内法律事務所を後にしました。夢を海外に展開できることを願っています。

【その他】
・もう一つの案件について都内で打ち合わせを行った後、羽田空港から関西空港に帰りました。

・本日から5月11日まで、和歌山市中心部のフォルテワジマで、「さをり」の展覧会が開催されています。織物の「さをり」で全国をつなごうとするイベントで、北海道から沖縄まで「さをり」の輪をつなげ東京でゴールしようとするものです。今日から5月11日までは和歌山市が会場となっています。来場する皆さんに少しずつ「さをり」の糸を通してもらい、次の府県に申し渡して行きます。和歌山県の会場は、中心市街地の絶好の位置で開催しています。関係者の方々に感謝申し上げます。

・道路の問題について協議。傷みの激しい市道の改修については本年度で保全を図る予定です。また県道の問題についても、地元関係者の協力が得られた場合に前向きに進められそうです。来週、問題点の抽出と解決方法を検討し協議に入ります。
   

5/7(木)「ライオンズクラブ」

【セラヴイ神前】
 和歌山市内の高齢者施設であるセラヴイ神前が、デイサービスとイベント施設を増築しました。来週から開所となりますが、今日と明日は内覧会となっています。お祝いの意味を込めて内覧会に行ってきましたが、地元の皆さんで賑わっていました。ピアノの生演奏もあり、優雅な雰囲気で昼食を採っている皆さんの幸せな顔がありました。

 お世話になっているNさんご夫婦やKさんとも一緒になり会話を楽しみました。Nさんからは、「この年になって応援する議員に出会えるとは思ってもいなかった。今までとは違う活動スタイルを継続して、是非、古い政治の世界を変えて下さい」と期待を寄せてくれました。
 またYさんからは「新しいタイプの政治家なので期待しています。水面下で調整するような古い人には期待していません。元気のない和歌山県を浮上させて下さい」と意見をいただきました。お会いした皆さん、ありがとうございました。

 セラヴィ神前は既存の施設に加えて、今回のデイサービスとイベント施設、そして高齢者施設をもう一棟増築することになっています。更に今年の8月にはセラヴィの夏祭りと題したイベントを計画しています。入居者の元気のために、地元の方との交流の場として、セラヴィ神前は益々存在感を増しそうです。
 夏祭りについては関係者と進め方の協議も行いました。

【ライオンズクラブ】
 お昼は、中央ライオンズクラブと和歌山ゴールドライオンズクラブの合同例会が開催されました。和歌山ゴールドライオンズクラブの名誉会員である大橋市長も出席しての例会となりました。
 中央ライオンズクラブとは年に二回、合同例会の機会を持ち、会員同士の交流を深めています。合同例会では他クラブの進行や運営方法を学べますから、生きた実践の場となっています。いよいよ本年度の活動も残すところあと二か月となっていますが、両クラブの会長とも、これからが本番のスタートだと思って使命を全うすると話していました。そんな気合の感じる例会でした。

 そして特別ゲストとして和歌山弁落語の桂志染丸師匠の落語を披露してもらいました。大型連休明けの、やや立ち上がりかけの気分を一新させるような笑いをもらいました。落語を鑑賞する時の秘訣は簡単です。ひとつ、面白いところは周囲を気にしないで笑うと。ふたつ、面白くなくても無理して笑うこと。
 つまり素直に雰囲気に抱かれることが落語を楽しむための秘訣ですし、全てに通用することだと思います。笑いがあるところに不機嫌と不満はありません。
 笑いと親睦を深められた合同例会となりましたこと感謝しています。

【道路事情】
 地方自治体の道路予算が削減の一途を辿っているため、痛んでいる公道を見掛けることがあります。地元からの要望があっても即座に対応できない事例が多く、悩ましいところです。ですが安全性に問題が生じるような道路は、何とかして修繕をして欲しいところです。市道と県道に関する道路事情に関する打ち合わせを行い、現場確認などを行うことにしました。関係者の皆さん、ありがとうございました。

【英語教育】
 2011年から公立小学校に英語教育が導入されることが決定しています。課題は小学校の先生に対する英語の授業の進め方についてです。まだ導入前で、未知の世界のことですから期待感と不安感があると思いますが、事前に出来る対策は講じて2011年に備えたいところです。

 教育関係者の皆さんに時間を頂戴し、小学校での英語教育導入に際しての事前準備事項についての打ち合わせを行いました。英語の発音や教材、指導方法など総合して何から着手したら良いのか話し合い、最初の一歩を踏み出したいと考えています。
 少し安心したのですが、県内の各市町村からは英語教育に前向きな意見や問い合わせがあるようです。

【その他】
・市内教育関係者と、講演会や高等教育に関する打ち合わせを実施しました。

・今年の和歌山巴里祭のチラシが完成しました。知事にパンフレットの挨拶原稿を依頼することにしています。

・Tさんと議会報告会実施に関する打ち合わせを行いました。6月中に実施したいと考えていますから、幹事の皆さんと協議を進めます。

・社会人のための英語によるコミュニケーション勉強会を企画しています。再来週に英語講師と日程調整と内容の刷り合わせを行う予定です。

・国の経済対策に関して話し合いを行いました。アメリカは大型の経済施策を実施しようとしていることから、当面はアメリカの経済回復に期待しています。その後の世界経済が回復基調に入って欲しいところです。

5/6(水)「県政」

【県政】
 意見をいだきました。
政治家は過渡期を迎えています。今までの口利きを仕事としている議員から政策議論を中心とする政治家へと変わっているのです。つまり議会での一般質問によって当局と議論を交わすことが県民の代表としての議員であり、県民全体の代表者であるとの考え方によるものです。口利きは一部の利害関係者に留まる場合が多く、全体の代表とは言えない側面があります。

 かつて一般質問をした議員が、職員さんから「この質問は、当局の誰が書いたものですか」と聞かれて、烈火のごとく怒ったと聞きました。この気持ちは理解できます。
 一般質問は議員活動の全てを賭けた舞台なのです。地域間の課題を公のものにすることで全体の課題であることに発展させる、そこから全体の利益につながる政策に展開できるように議場で議論を戦わせるのです。出来芝居だとか真剣ではないという人もいますが、議会が真剣でないとすれば、議会の中で何が真剣なのか分かりません。少なくとも議会制民主主義の世の中ですから、その中心が真剣でないとすると、真剣だと思えないことは不幸なことです。
 県政が良くなることを願って私達は活動しています。
 
【県政2】
 もうひとつの意見です。知事と対等に議論ができるのは県議会議員だけですから、議会を思い切った議論の場にして欲しいと言うものです。知事与党ばかりになると停滞を招きますし、本気で論戦を挑まなければ県政の発展はありません。知事に本気の県政を遂行してもらうために議員の責務は重大だと言うものです。
 例え部長であっても、組織の内部からトップに向かって議論を仕掛けることは困難なのです。議員は議場で真剣勝負の論戦を演じて欲しいとのことです。

 これは尤もな意見です。ありがとうございます。離れたところからですが応援しているから、立ち向かって下さいと背中を押してくれています。本当にありがたいことです。
 そして出来ることがあれば、何でも言って下さいと話してくれる方もいました。新しい議員が登場してこないことには県政は変わらないので、頑張って下さいと励ましてくれました。

【まちづくり】
 まちとして何を目指しているのか。和歌山市の今の姿と首長の発信からは分からないと意見をいただきました。和歌山市がどこに行こうとしているのか見えないしお金がないと言うばかりでは何も進展しないのです。住んで嬉しいまちを目指して欲しい。そして高齢者が街中に住めるような都市設計をして欲しいし、それが和歌山市の目指すべき姿ではないでしょうかとの意見です。スローライフをテーマにしたまちづくりを考えて見て下さいとのことです。熊野はスローステイの地域ですし、和歌山市はスローライフのまち。和歌山県で流れる時間は人生にゆとりをもたらしてくれると考えると、その方面での都市設計もあり得ます。

 早く行って何になるのか。急いで生きて何になるのか。そんな人生への疑問から、和歌山市がそれを緩和してくれるまちとして存在してくれたら良いとの思いからの意見です。
 スローライフ。時間に縛られない生き方ができる和歌山市。結構、響き合います。

5/5(火)「介護現場」

【介護現場】
 介護施設にお邪魔し経営者と懇談しました。とても熱心にお話をしてくれました。
介護現場の課題として、介護に勤務する職員さんの給与は若干改善されましたが、依然として低い水準にあることが挙げられます。職員募集をかけても、応募者が少ないようです。理由は明白で、例えば時給800円、重労働で休みが不規則で、基本的に施設は一年365日開店状態ですから人材が集まらないのも無理はありません。

 重労働なことから体力的にもきついのですが、それよりも精神的に辛いことが多いようです。一例として、認知症の方をお世話することは大変なことが分かりました。例えば、お風呂に入ってもらうことだけでも大変なことだそうです。認知症の方は、基本的に目の前の相手が誰か分かりません。ですから誰か分からない人を警戒するため、その人に自分の服を脱がせることはしないのです。例え身内やヘルパーであっても関係ありません。誰か分からないのですから、自分にとって味方であることも判断できないのです。

 私達に置き換えると分かります。見知らぬ相手が突然、自分の衣服を脱がせようとしたら拒否します。それと同じで認知症の方は、衣服を脱がせようとするヘルパーを拒否し、力いっぱい逃げようとします。そんな方を快適にお風呂に入ってもらうことが役割であり仕事なのです。体力は消耗しますし、自分の衣服は濡れてしまいます。それよりもお世話をする人に信頼されていないと思ってしまうことでストレスになります。誰でもそうですが、仕事の相手に信頼されないとなると仕事の遣り甲斐はありません。仕事をしている過程と結果を相手が信頼してくれているので頑張れるのです。

 ところがこちらが懸命に仕事をしても相手が信頼してくれないのですから、精神的負担は相当なものだと思います。仕事をしても信頼してくれない。例え相手が認知症だと分かっていても、毎回、お世話を拒否されたり、自分のことをヘルパーだと認識してくれなければストレスです。このストレスが相当辛いのです。

 介護施設のヘルパーさんの定着率が30%を超えると国から特典が加味されると聞きましたが、職員さんの定着率30%は通常であれば簡単にクリアできる数字ですが、介護施設にとっては高い数字なのです。この数字の難しさが介護施設の実態を如実に表しています。

 それから給料です。自給800円は他のアルバイトと比較しても高い水準とは言えません。
むしろ体力面と精神面の辛さを考えると低い水準であると言えます。ヘルパーの有資格者であっても、製造業やサービス業で仕事が見つかるとそちらを優先させてしまいます。定着率が悪くて人材の確保が難しくなっていることから、経営も厳しさを増しているのです。

 介護現場を訪れて課題が見えましたが解決方法が見えません。国政が福祉や介護のことに目覚めてくれることを待つことだけです。目覚めさせることができるのは、有権者である私達だけなのです。

【フラメンコ】
 森久美子先生によるフラメンコの企画はまだまだ続きます。
 今月5月27日、水曜日。午後7時から「フラメンコアカデミア・ラ・ダンサアンダルシア」において、「ワークショップ フラメンコ発祥の苦悩の歴史」が開催されます。講師はフラメンコ界の第一人者である小松原庸子先生です。小松原先生が東京から和歌山県に来てくれることになりました。大変名誉なことです。

 続いて翌5月28日、木曜日。午後7時から県民文化会館小ホールにおいて「フラメンコその神秘と情熱」と題したイベントがあります。出演は小松原庸子先生のスペイン舞踊団、エルフンコ・アンダルシアグループ。森久美子先生のモデルノフラメンコ舞踊団、フラメンコアカデミア・ラ・ダンサアンダルシアグループの皆さんです。
 和歌山県内では観ることができない企画で、今から楽しみです。

5/4(月)「フラメンコスタジオライブ」

【告別式】
 岩出市までH先輩のお母様の告別式に参列のため赴きました。お母様の友人からの答辞をお聞きしたところ、小さい頃に身体が弱かったHさんのために、毎日お祈りをしていたとのことでした。子どもを想う母親の気持ちに心が打たれました。世界中のどの母親も、子どものためを想って人生を生きていると思います。そんな当たり前のことが当たり前でなくなっている現代の日本は当たり前の社会ではなくなっていることを再認識できます。

 親が子を想い子が親を想うこと。この大切な想いはいつの時代も変わらない価値観です。
 大切なことを再認識させていただきました。安らかにお眠りください。

【打ち合わせ】
 東京からお客さんが来てくれました。大型連休を利用して和歌山市を訪れてくれたものです。市場経済では、良いものが売れるとは限らないのが特徴です。開発者はより良い製品を社会に送り出そうとしますが、お客さんから受け入れるのは、決して製品が良いだけではありません。イメージやブランディングなどによって製品の売れ行きは左右されます。

 新しいものを開発することも困難ですが、売れる製品に仕上げることも困難な仕事なのです。現在は後者の方を重点にしないと、競合が多いので、良いものでも他との違いは分からないので沈んでしまいます。売り出し方について学びました。
 
【フラメンコスタジオライブ】
 森久美子先生のスタジオで、フラメンコスタジオライブが開催されました。見慣れたフラメコスタジオ「フラメンコアカデミア・ラ・ダンサアンダルシア」ですがお客さんで超満員になりいつもと違う雰囲気でした。
 スタジオライブのフラメンコは初めて拝見させてもらいましたが、「迫力と熱気」の一言です。感動さえ覚えるライブでした。スペインから、東京から、大阪から、そして地元森先生の教室から、出演者が和歌山市に来てくれてのライブですが、このフラメンコを和歌山市で鑑賞できる幸せをどう伝えたら良いのか、言葉に詰まるほどです。

 舞台でのフラメンコも良いのですが、スタジオで観るフラメンコは明らかに熱気が違います。飛び散る汗、空気のうねり、魂の歌声。今日のフラメンコの表現方法が見つからないのですが、以下、何とか表現してみます。
 言うまでもなくフラメンコはスペインアンダルシア地方の文化です。カンテと呼ばれる歌い手の歌は当然、スペイン語です。スペイン語を母国語としているスペイン人がスペインの伝統的文化であるフラメンコを踊ることは、自国スペインそのものなのです。スペイン人が国、つまり領土としてのスペインを演じるのですから、森久美子先生が言っているところの「日本人はスペイン人にはなれない」ことが今日、感覚で理解できました。

 スペイン人であるということがフラメンコダンサーの最大の武器なのです。それはその国の文化とは国そのものだからです。
 日本文化である能やお三味線を見たり聴いたりしたことがありますが、これは日本人的な歴史観と季節感があるから芸術として理解できるものです。俳句や短歌も同じで、季節の中の小さな出来事を物語として表現しますが、それは日本人の感覚として理解できるものです。決して音や泣き声ではない、風の声や虫の声を聴ける感覚を持っている日本人だから、これらの文化を理解できます。理解できる理由は日本で育った日本人だからです。

 フラメンコも同じだと思います。スペイン語をそのまま聴いてその意味をフラメンコで表現できる、この感覚です。スペイン語を日本語に置き換えてフラメンコで表現するのではないのです。回路が直接なのか、間接的であるかの違いは大きいのです。
 スペイン人によるフラメンコの踊りはカンテと一体になっていました。スペイン文化を歌と踊りで直接表現している、これが自国の文化なのです。

 フラメンコの歴史的意義は知りませんが、国の中の苦難や対立、そして喜びの歴史を表現し伝えているような気がしましたが、その背負っている歴史がフラメンコを通して私達に訴えかけてくるようです。
 これは日本人のフラメンコを否定するものではありません。スペインの文化であるフラメンコを日本に持ち込んで、日本人らしいフラメンコに昇華させているところが今日の見所で凄いのです。情熱だけではなく冷静、そして内面から湧き出る「秘めたる知」のような感覚、それが日本人のフラメンコだと感じました。

 スペインと日本のフラメンコの違いを、「情熱」対「情熱プラス冷静」、「真夏」対「四季」、「セクシャル」対「プラトニック」であると感じた次第です。勿論、個人的な感覚ですから、専門家からすると何を言っているんだ、と言われそうですが、圧倒的に見応えがありました。

 それにしても森久美子先生には脱帽です。和歌山市で、これだけの企画とスタジオライブを成し遂げることができるのは森先生だけだと思います。このようなスタジオライブを提供してくれたこと、そしてフラメンコ文化を和歌山県に導入してくれた先生がいることを誇りに思いました。
 改めて思いました。森先生と知り合わなければ、フラメンコを鑑賞する機会はなかったと思います。今はフラメンコに出会えて本当に良かったと思っています。人生の幅を拡げてくれた森先生に感謝するばかりです。

 日本人は情熱を内に秘めて、冷静に表に出すことができる民族です。民族間の対立がない国ですから、国の存続の危機は諸外国に比べて格段に少ないのです。ですから情熱を噴火させるのではなく、地底のマグマのようにエネルギーを秘めているのです。

 政治も経済も文化も、そしてフラメンコも日本らしいエネルギーを発散しています。日本人に共通した心地好いエネルギーを受け取ることができました。優れた文化は、接した人の明日にエネルギーを与えてくれます。
 スタジオライブで、明日の活動のエネルギーを確かに受け取りました。
 PSスタジオ内は撮影禁止だったため、写真でそのエネルギーをお見せできないのが残念です。

5/3(日)「和歌祭」

【和歌祭】
 伝統の和歌祭が開催されました。昨年は和歌山市の「城よりはじめよ」イベントに参加したため和歌山城付近での行進でしたが、今年は舞台を本来の和歌浦に戻しての時代行列となりました。

 今年の和歌祭も、雑賀衆の武者姿の着衣で時代行列に参加してきました。気温はそれほど高くなかったため行進は例年と比べると比較的に楽でしたが、草鞋が足の指先に食い込み歩くのが辛かったのです。他の草鞋を着用した参加者も同様に、歩くことが大変だったようです。


 今年の武者姿は、JR西日本の辻子和歌山支社長と岸本周平さんとの三人でした。毎年、誰と組んで行進するのかを楽しみにしていますが、今年も凄い人達でしたから、楽しみながら行進することができました。
 沿道にはこの日を楽しみにしていた大勢のお客さんが来てくれていました。外国人の観光客からは、鎧兜は珍しいためか写真のリクエストが多くありました。尤も、日本人でも鎧兜珍しいのは言うまでもありませんが。

 ところで和歌祭で素晴らしいのはいくつかの種目の行列がありますが、それぞれ地域で活動しているクラブや組織が協力していることです。前を行進していた子ども達は、サッカークラブの子ども達でした。サッカー場とは違った子どもと保護者の皆さんも、祭りを盛り上げてくれました。

 このように地元和歌浦だけではなく、各地から参加してくれる人がこの祭りを支えてくれているようです。伝統の祭りを自分達で創り盛り上げを図ることが、地域への愛着と誇りを抱かせてくれます。

 伝統の祭りは良いものです。日本人としての心を抱く前の段階である和歌山県に誇りを持つことができるからです。自分のまちに誇りを持つことが日本人としての誇りを持つ第一歩になります。今日行進した子ども達は大きくなった時に、今日撮影した写真を見て、故郷を振り返る時があると思います。祭りに参加した記憶は身体に刻まれますから、何時までも和歌祭がこの地で開催されていて欲しいものです。今の子ども達が大きくなって、その子ども達が参加するようになった時、しっかりと新しい平成の伝統がこの祭りに宿ると思います。

 祭りは地域づくりと人づくり、そして伝統づくりの一環を担っています。鎧兜の重さが伝統の重さだったような気がしてきました。
 行進終了後の和歌浦小学校体育館。鎧兜を脱いだ時の開放感は、これを着衣した人だけが分かるものです。何とも言えない幸福感があります。体育館内では、「この開放感を味わうために参加している」との声も聴かれましたが、本音ともそうでないとも言えないような本音だと思います。

 伝統とは窮屈なものかも知れませんが、中に入り体験することでその良さを感じ取れるものなのです。伝統をわかった上でないと言えないことがあります。和歌山市の文化と紀州徳川家以来の歴史を語ろうとすれば、やはり和歌祭なのです。

【通夜式】
 悲しいことに訃報が二件入りました。お世話になっている方の身内がお亡くなりになりました。式場が離れているため、お一人の方の下にお悔やみに伺いました。丁寧なご供養で、お坊さんから法話も伺いました。もうお一人は、明日の告別式は岩出市に行く予定です。心からご冥福をお祈りしています。

5/2(土)「頭山会長」

【すわん江戸村】
 和歌山県海南市にある「すわん江戸村」が、今月で創立6周年を迎えています。大型連休中の今月は6周年記念イベントが開催されています。今日がスタートの初日で、舞台は大入り満員となりました。6年前に始めたし芝居小屋ですが、オーナーが大工仕事も行いながら規模を拡大してきました。

 今でこそ、和歌山県内で芝居が人気になっていますが、6年前はそうでもなかったように思います。時間とお金を掛けて育て上げた「すわん江戸村」は、今では海南市に欠かせない存在になっています。今日のお芝居は6周年に相応しい元気のもらえるイベントでした。約3時間30分も舞台が繰り広げられ、多くのお客さんは満足していた表情でした。私達のグループは13人でしたが、満足感がありありでした。

 初めて観る人は「予想以上に良かった」、何度か観ている人も「来る度に出しものが違うので楽しい」との感想がありました。地元の役者さんと全国を回っている役者さんが同じ舞台で共演することも魅力です。地元のスターと全国レベルの役者さんがお客さんを楽しませてくれます。

 6周年イベントは7年目へのスタートです。オーナーを初めとする皆さんが益々お元気で、私達を楽しませて欲しいと願っています。
 舞台の最後に大入り袋が会場に投げ込まれました。折り紙のかぶとに五円玉が貼り付けられていました。今春は良い縁起が飛び込んできました。

【頭山会長】
 頭山興助会長が和歌山市を訪れてくれました。和歌山市和歌浦へと来てくれたもので、幸運にも懇談する機会をいただきました。頭山会長は言うまでもなく、アジアの虎巨人と呼ばれた頭山満翁のお孫さんに当たる方です。尊敬する中村天風氏の師匠に当たる人ですから、いつかお会いしたいと願っていました。今日、その思いが叶えられたのですから素晴らしいことです。

 頭山会長と話し合いをさせていただいた中から、私達が学ぶべきことが浮かびました。
私達は日本の心を感じ守らなければなりません。日本の心とは、愛する人を守ること、愛する地域を守ること、そして愛する日本を守ることです。「自分だけが」の気持ちと行動の人が多いことが、わが国を堕落させているのです。日本人として、その考え方には右も左もないのです。あるのは国を思う中心の心があるだけです。
 日本の中心思想でいると、不用意なマスコミ報道な惑わされることはありません。自分に考えがないので、マスコミで報道された結果を自分の価値観として置き換えてしまうのです。しっかりとした日本人としての価値観を持ち物事に対応したいものです。

 さてアラブ諸国で空手の先生をしていた頭山先生の友人方から伺いましたが、二度も原子爆弾を落とされたのにそこから立ち直った国、日本は世界から尊敬を集めています。日本人がそのことに気付いていないことから国力を低下させているのです。教育や社会構造の悪さではなく、日本人としての気概が失われていることが原因です。

 その意味で、明日和歌浦地域で開催される「和歌祭」は、地域の誇りを取り戻してくれるものであり、日本人が伝統を大切にする心を蘇らせてくれるものです。地域で日本人であることを感じさせてくれる取り組みこそが、日本人に必要な心なのです。

 日本の良き伝統を継承し、次の時代に譲り渡すことが私達の役割です。箱根駅伝のように、現在タスキをかけているランナーは、次の走者にタスキを渡すまでは全力を出し切るべきです。手を抜いて次の走者にタスキを渡そうと思っているランナーはいないと思います。形あるものから走者の気持ちが分かるのです。ところが大切な日本人の心ですが、内心のものであることから、どこまでそのことを感じているのか分かりません。内心が分からないので、現在のランナーが全力で次のランナーに日本の心を伝えようとしているのか分からないのです。心のタスキを次の世代に渡せるのか分からない状態にあります。

 見えないタスキを見える形で次の世代に渡すことが私達の役割です。見える形にするとは、行動を通じて実現できるものです。日本の心を感じてなければ次の時代に残すものは何もありませんし、思っていても行動しなければ、思いは一代限りで終わり次に伝わりません。

 せめて今日、頭山会長と懇談する時間をいただいた私達が日本の心を学び行動し、次の時代にその心を伝えたいものです。

 ところで空手の先生から伺うと、「先生」という言葉は世界語だそうです。TeacherやMasterではなくSenseiだそうです。これは日本が世界に誇るべきことです。イメージとしてSenseiは、技術だけではなく心や形を伝える人のことです。礼儀作法を含めた道を伝える求道者のような存在です。それだからこそ各国で日本人のSenseiは尊敬されているのです。
 私達日本人は、日本人であることだけで日本の心を伝えられるSenseiなのです。世界のSenseiであることに誇りを持ちたいものです。

5/1(金)「自治会総会」

【英語教育】
 2011年から小学校への英語教育が導入されます。今からそれに対応していかないと、土壇場になって慌てても間に合いません。丁度、ふるさと雇用創出事業が行われようとしており、この分野の取り組みは正規雇用を図る本格的なものに仕上げる必要がありますから、適合可能な事業であり仕事であると考えています。

 ただ問題は、小学校の英語教育に対応できる人材や機関は決して多くはないことです。
 しかし子どもの教育ですから対応するべき問題であり、何もしないのでは不作為責任を問われるべきものです。

 本日は語学教育の関係者と話し合う機会かありました。英語と国語教育は一体となるもので、国語力が乏しいのに英語力が強化できるものではありません。ですから英語教育の前提として国語教育があります。その上に立った小学校での英語教育があると思うことから始まります。
 当然、英語圏と日本では文化が異なりますから、語学の学び方も違います。外国人のによる英語教育も否定しませんが、文化の違う外国人による英語教育の導入、即ちALTでは日本人のための英語教育に限界があります。

 例えば英語圏では、ピカソの絵を見て生徒に思ったことを次々に発表してもらいます。「面白い」、「楽しい」、「変だ」、「悲しい」などの感想が出されます。先生からは「そう思った理由を家で考えて来て下さい。次の授業では、そう思った理由の根拠となる説明をしてもらいます」と言うことになります。次の授業で生徒達は、「おもしろい」と思った理由の根拠を発表します。それは資料で調査した結果に自分の意見を添えての発表となるのです。

 ところで日本で同じ授業があったとします。ピカソの絵を見て生徒が思ったことを発表します。「面白い」、「楽しい」、「変だ」、「悲しい」などの意見が出されます。その後、先生は正解を発表するのです。「作者は、この絵は恋人への思いを託していますから、愛情の込められた作品です」などの一般的な正解を解説するのです。それ以外の解答は正解ではなくなるのです。
 英語圏では、全ての生徒の答えは正しい見方として評価されますが、日本では正解か不正解か選別されることになります。
 この教育による感じ方の違いが大人になった時でも、考え方の根本となり行動特性にもなっているのです。正解はひとつだけと思うことで、自分の意見が社会に受け入れられるのか、受け入れられないか考えてしまうため、意見が述べられなくなるのです。

 英語圏の人は、自分の意見が受け入れられる社会であることを知っていますから、根拠のある自分の意見を公の場でも述べることができるのです。
 この文化の違いは大きく、日本人の考え方は英語に馴染まないものであることが習得を困難にさせているのです。どちらが正しいかの問題ではありません。文化の違いが語学の違いになっているのです。

 もう一つ。日本の国語の授業では長文解釈の問題で「筆者の意図するところは何か」を問われることがあります。ですから日本人は、相手の考えや思っていることを推察する能力に長けているのです。自分の思いではなくて、相手の思いを推察することで相手の立場を理解しようとする、つまり相手を思いやることから行動が始まるのです。
 これは日本人が世界に誇るべきものです。自分よりも相手のことを思いやる行動をすることを美徳と考えることは日本人の強みです。ただ英語圏には向いていないだけです。
 考え方の基が違いますから、語学の発想や文法が違っているのです。

 このことは、外国で暮らした経験や留学した経験のある日本人だけが理解している分野です。それらの人に英語教育に携わってもらうことで、日本人向けの英語教育が可能となるのです。
 そんな夢を描きながら、2011年に向けての話し合いは進みました。

【農業】
 食の時代、食べ物の安全性や産地がどこかによって付加価値は違っています。日本産の作物は多少高くても家庭の食として選択されています。日本産でも安全性や生産性によって事業化できるかどうか検討されています。
 和歌山県では有機農法で優れた手法があります。これから農業を行おうとする人達がいますから、やるからには有機農法による安全な作物を市場に送り出して欲しいところです。

 聞くところによると手法は確立されていますから、後は市場、流通経路を確保するだけです。尤も、その流通経路の部分が難しいのですが・・。
 今日も農業による地域活性化と食の安全を提供したいとする皆さんと話し合いました。和歌山県の農業は安全で安心できるイメージがあります。地域イメージは大切なブランドですから、既にブランド力のある和歌山県での農業の可能性を感じています。

【自治会総会】
 平成21年度有家自治会総会が開催され、副会長として出席しました。議題は平成20年度の会計報告、平成21年度の活動計画などでした。自治会活動に関しては何の問題もなかったのですが、市政に関して問題提起がありました。

 今日も使用した自治会館ですが、平成21年度から土曜日曜と祝日、年末年始の使用が禁止されています。このことは今日の総会で初めて知りました。使用できない理由は、土日や祝日は市役所職員の勤務時間ではないので、自治会館を利用中に問題が発生した場合に、市役所として対応できないことです。自治会館は土地建物とも市役所のものですが、管理は自治会に任されています。今までは自治会の実情に応じた運営をしてきたのですが、本年度からはそうはいかなくなりました。

 何となく疑問が残る市の取り決めです。恐らく、今までも土日の自治会館の利用に関して、市役所職員が問題解決のために土日に現場に赴くことは極めて少なかった筈です。ただ本年度から規則が変わったということは、前年度に土日の自治会館の利用に関してどこから地域で問題が発生したと推測できます。単発的なトラブルのため市内一律に土日の利用を取り止めると決定することは疑問です。

 自主的な自治会活動に支障を及ぼすようなら、この規則を改めて欲しいと思います。自治会はここに暮らす私達のものです。箱モノは市役所のものであっても、運営は自治会が行っています。その意見を聞かないで、一方的に規則を変えて押しつけることは姿勢の問題が残ります。
 この問題に関して、市役所に対して意見提起を行うことも検討事項となりました。

【懇談会】
 自治会総会終了後、懇談会に出席のため、一旦、会場を離れました。楽しい懇談会でしたし、実のある意見交換も図れました。現代社会も依然として男性と比較して仕事における女性の役割を低く見られていている傾向にあることなど、前時代的な遺物がここにあることを感じました。性別で相手を軽視するような遺跡のような人物は少なくなっていると思いますが、今でも湿地帯のような場所に生息しているようです。時代を変えるには、社会の深層部分の問題を解決の方向に向けなければなりません。
 そんなことを感じる懇談会でした。

 その後、自治会役員による反省会に参加しました。総会で意見が活発に交わされたことは、自治会に期待していることですから好ましいことです。自治会のあり方や活動に関する意見を交換しながら反省会を終えました。


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