【協議】
まちの景観に関して協議。協議した視点とは違いますが参考になる話がありました。
家を新築する場合、プレハブ方式が多いのですが、お話したNさんは宮大工並みの名人に依頼しました。現場で木材をカンナで削りながら一寸違わない凹凸を刻んでいきます。組み合わせる時には最初は組み合わさりますが、それ以降は金槌で叩かないと完璧に凹凸が組み合わさりません。ですから一度組み立てると外すことは出来ないのです。正に名人芸で、現場で全てやり遂げる完ぺきな技による家は風格があります。
この名人は中学校卒業後、大工に弟子入りし、それから約40年間修業を重ねているそうです。この長い実務経験が家づくりに生きているのです。驚くことにNさんの自宅には釘が使用されていないのです。宮大工のような精度の求められる仕事を仕上げてくれているようです。
コンピューターを駆使して工場で原材料を加工する方法も素晴らしいのですが、現場での名人技もまた素晴らしいのです。ただ言えることは、経験を積み重ね現場を知った名人の仕事は圧倒的存在があるということです。
人も同じで、机上において仕事の確認だけで仕事を進める方法は効率的ですが現場での感動はありません。現場を知った人が仕事をやり遂げる中に仕事において感動が生まれます。経験と現場が人と仕事のやり方にとって重要なのです。
【レオクラブ】
和歌山レオクラブの活動は活発になっていることを心から嬉しく思っています。今年度の石橋会長は経験をキャッチフレーズにして、活動の活性化対策を講じてくれています。レオクラブ会員は20名を超えましたし、毎月の活動計画に基づいた活動も実践してくれています。
今日は
和歌山大学をお邪魔して、石橋会長と
観光学部学生との懇談の機会を持ちました。観光学部からは学生5名が参加してくれたので、レオクラブの活動内容を説明し、参加を呼びかけました。まだ経験が大事ですから、今週末のレオクラブ主催のクリスマス会に参加してくれるようお誘いしました。
今日参加してくれた観光学部学生は昨年入学の第一期生で現在2年生です。石橋会長も二年生ですから同じ年となります。意気投合し観光学部学生の得意技も聞いたので、レオクラブの活動範囲が広がりそうな気がしました。
一人は観光学部第一生を引っ張っているリーダー的役割を果たしています。
一人は英語が得意で、和歌山大学観光学部を志望したのは英語教育が充実しているからと言いますから、留学生との交流活動に力を発揮してくれそうです。
一人は茶道を17年間も習っていますから、レオクラブの活動で茶道体験や子ども達との茶道アクトなども実施できそうです。
一人はスポーツ万能。高校は甲子園を目指して大分県の野球の名門校である津久見高校に進学したほどで、卓球や他のスポーツも全て万能です。
一人は観光の仕事を目指している学力優秀な学生でした。
それぞれ特長があり、和歌山レオクラブ会員になってくれると更に活動が活性化すると思います。平成21年1月にはスノボーツアーを計画していますから、ここから参加してくれると交流が生まれるのですが。和歌山レオクラブとして皆さんの参加を待っています。
【同級生】
小学校、中学校の同級生大井君が経営している中華料理店の海星楼。和歌山大学の帰りに立ち寄りました。ここではいつも美味しい料理を提供してくれます。来年のお正月の三日には小中学校時代の同窓会が計画されていますから、その話にまで及びました。既に参加者は100名を超えていて、まだまだ増えそうな勢いです。
気がつくと私達の年代は、中学校卒業後35年が経過しています。あの頃同じ道を歩いていた私達も、卒業以降は違うそれぞれの道を歩いて来ました。また同じ空気を感じることができる同窓会を楽しみにしています。ごちそうさまでした。
【理学療法士養成学校】
和歌山市北野に理学療法士養成のための専門学校が出来ています。平成20年4月開校ですから、期待に満ちた新しい学校です。名称は和歌山国際厚生学院で、県内からは田辺市や新宮市からも学生が集まっています。ところが開校初年度にして早くも運営上の壁に当たっています。以下問題を考えてみます。
雇用が増加すると福祉分野へ人材は入って来ません。雇用が減少すると福祉分野への人材流入が起こります。現在は製造業などで雇用が減少していますから、再び福祉分野を希望する人材が増加傾向にあります。この現象は単純に喜べるものではありません。何故なら、福祉分野において専門性を確保できないからです。時代が変わろうとも一定の人材を集められない分野では専門性確保以前の問題になるのです。専門性を確保できないと安定した人材確保はできませんから、その分野で働く人材への信頼感や安心感は生まれません。
信頼感と安心感がない分野は発展することは出来ません。和歌山県で初めての理学療法士養成学校は、高齢化社会に突入している和歌山県が自前の人材を育成するために絶対必要な学校なのです。
そもそも
和歌山国際厚生学院が出来た背景には、当時、国からの支援体制が整えられていたことがあります。ところが開校する前年の11月、国から一枚のファックスが準備を進めていた和歌山国際厚生学院に届きます。そこには次のような主旨の文面が書かれていました。「三位一体改革でこの分野の補助事業は国の事業から離れました。後は市町村に委ねられることになります」。連絡があるでもなく、たった一枚のファックスで国から受けられる予定で会った設立に関する費用、約1億8,000万円が消失したのです。
開校直前で今更補助金を受けられないとする国の通告に困った理事長は、和歌山市長に相談しました。後継事業の窓口は和歌山市だからです。ところが市長は、意に介さない態度で、設立の補助に関しては知らないと言うものでした。驚くべきことです。
それでも使命感に燃えた理事長は和歌山国際厚生学院を設立しました。和歌山県で初めての理学療法士を育成する専門学校です。この理学療法士を養成する学校は全国に約260校ありますが、和歌山県にはありませんでした。高齢化社会を迎えている和歌山県であること。若い人の仕事の選択肢となるべき福祉分野の資格取得が可能な学校が和歌山県で必要であること。理学療法士のレベルによって治る患者と治らない患者がでてくることから、優秀な人材の輩出が必要なこと。これらの理由により会開学に踏み切ったのです。
その後、和歌山県知事はこれらの主張を理解してくれて、県から約2,000万円の補助金の支出がありました。しかし1億8,000万円の見込みが、これだけに変化してしまったのです。最後発の設立となった和歌山県内の理学療法士の養成学校を支援しないで、何を支援するのでしょうか。高齢化社会では理学療法士を輩出することは不可欠です。若い人材を福祉分野に参画してもらうためにもこの学校が必要です。現在病院においては理学療法士が活躍していますが、福祉施設では理学療法士が少ないのです。県の理学療法士の必要性に関する調査では、理学療法士を配置している病院などへのアンケートを実施し、その差である不足する人員を養成すべきだと結論を導いているようです。しかし理学療法士を必要としている分野は福祉施設や障害者施設など、現在人材不足で配置されていない施設の意向は、調査していないことから含まれていないのです。
国の調査では、理学療法士は現時点の4倍から5倍は必要としています。和歌山県の高齢化率は全国で八番目、近畿では一番高くなっています。和歌山県こそ理学療法士を必要としているのです。高齢者やリハビリを必要としている人の需要増加が見込まれていますから、人材の供給も増員させる必要があります。100年の計を打ち立てるのではなくて5年の計を打ち立てるだけで良いのです。5年の計も立てられない和歌山県の考え方は納得できないものがあります。
若い人を教育し育成するような施策を実施することで、若い人達は地域に恩義を感じ一所懸命働いてくれます。それが地域の活力にもつながりますし、福祉分野での雇用創出にもつながります。
もうひとつ必要な施策は奨学金の支給対象にして欲しいことです。和歌山県の平均所得は年間約230万円ですから全国でも下位に属しています。福祉分野で働きたいとする夢があっても、教育機会が与えられない状態の家庭もあると考えた方が良いのです。地方自治体に地元の専門学校で、教育を受ける機会を制度上の問題で提供できないことは大きな問題です。
県の見解として、専門学校の生徒は奨学金は支出対象になっていないようです。ところが県の規定では理学療法士の専門学校は奨励金の支出対象になっているのに、理学療法士が足りているから、これ以上の養成は必要ないので運用上、奨学金の支出対象にしていると伺いました。
地元で人材育成を行えない分野があることは看過し得ない問題です。和歌山国際厚生学院では10年間で400人の理学療法士を排出させたいとしています。
【報告会】
夜は議会報告会を行いました。会場の提供は市内の喫茶「スクラップ」さん。いつも良くしてもらっています。参加してくれたのは約10人、今議会で重点とすべき内容の説明を行いました。
和歌山県の平成20年12月議会は経済対策に尽きます。何をおいても経済対策を実施すべきです。議案が議会を通過すれば、補正予算として約30億円の公共投資を実施することになります。今日経済状況において、地方都市で即効性のある経済対策は公共投資以外にありません。しかも期限は年度内に限られますから、公共投資と言っても使途は限定されることになり、道路工事に向かうことになります。
一時期は小さな政府、小さな地方自治体が叫ばれ、公共投資は削減の方向で政策が進められてきました。ところが今日の経済情勢は100年に1度の大いなる危機です。ですから行政機関の財政削減よりも公共投資を優先すべきだと考えています。地方自治体が生き残っても、民間が沈んでしまったら地域経済は成り立ちません。平成20年12月議会における和歌山県の補正予算は約30億円です。この投資によって地方経済に資金を拡散させる必要があると考えています。まず景気刺激、まず消費の喚起が必要です。今の時点では行財財政改革で公共投資を閉めるよりも、資金を解放して公共投資に仕向ける施策が重要だと考えています。
公共投資で資金が地域内に放出されたら、まず直接仕事を請け負った会社の従業員の賃金は上昇します。一般的に賃金の70%消費に回され、残り30%は貯蓄に回されると思います。賃金が増えると、単純に消費する金額は増加するのです。消費が増えると経済は拡大します。
今回も新しい人の参加があり、意見交換もあり、楽しい報告会となりました。政治の話をする機会、聞く機会はそれほど多くありませんから、月一回の貴重な機会だと考えています。政治を考える輪を拡げることで、有権者としての行動が変わってくれたら幸いです。
【懇談会】
更に夜遅く、本日最終の懇談会を実施しました。意見を聞くのは直接、そして現場第一主義の視点が大切です。携帯電話、メール、ファックス、通信手段はありますが、直接顔を合わせての意見交換に勝るものは今のところありません。明日に向かう大切な懇談会となりました。