【文教委員会】
常任委員会である文教委員会が開催されました。文教委員会の所管は県教育委員会で、高校入試に関して議論が交わされました。
山口教育長からは、全国学力テストの結果、活用力を見る問題で、国語、算数、数学とも全国平均を下回ったことの報告があり、中でも国語の活用力に課題があることを認識したうえで、学力向上に向けた取り組みが必要であることの考えを示しました。
私見ですが日本人として国語力は何よも大切な科目です。国語力を持って社会を知り、歴史を知り、他人とのコミュニケーションを図ることができます。また外国人との会話も根底には国語力が必要ですから、この活用力が欠けていることは全ての科目への影響があり、社会人としてのあり方にも問題を及ぼすものです。
早い段階での取り組みを期待しています。
また県立高校入試に関して、和歌山県では二年前から前後期制を取り入れています。これは大まかに言うと、入学定員の約40%を前期試験で合否を決定し、残りの定員募集は後期試験で行うというものです。
既に平成22年度の高校入試からは一般入試、つまり一度の入学試験で合否を判定する方式に変更する(元に戻す)方向で検討されていますが、委員からは平成21年度の入学試験から一般入試に戻すべきだとの意見で一致しました。県議会とは前後期制を廃止すべきだとの主張は、この制度の弊害が大きいからと考えるからです。
一つ。前期試験では60%の生徒が不合格となり、高校入試で不合格体験を味わうという15歳の生徒の精神的負担が過大であること。
二つ。結果として二度受験する生徒が多くなり受験の負担感があること。
三つ。希望する高校を受験し前期試験に不合格となった場合、後期試験は安全策をとることがあり、希望する高校に進学できなくなること。仮に自分の学力以下の学校に行かざるを得ないことになると生徒の人生も左右することになります。
このように不合格体験を味わう生徒が多く存在していることから、受験生の保護者や生徒からは前後期制の廃止を求める意見が全県下から寄せられています。
しかし教育委員会としては見直しを図るとした上で、制度改革を行うと十分な準備期間と周知期間が必要となることから、平成22年度からの廃止の見解を示すに留まっています。
デメリットとして本来であれば合格する生徒が不合格になる恐れがあることや、二回受験することの負担感があると認めた上で、メリットとして全ての受験生が二度の受験機会を得られることを挙げて、来年からの前後期制の廃止には難色を示しています。加えて、前後期制を導入してから高校入試は二回実施しただけであり、デメリットの効果測定ができていないことを挙げ、平成21年の入試を経ると三回の実績になることから検証し易いとしています。
教育委員会が平成21年から前後期制を廃止できない理由をおさらいすると、次のようになります。
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今からだと周知期間が十分に取れないので、前後期制を廃止すると教育現場と受験生とその保護者が混乱すること。 |
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制度をコロコロ変えることは避けたいとしていること。 |
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二度の受験機会があることを前提にして受験準備を進めている生徒がいること。 |
この三点になります。
ただ現実的に、平成21年に受験する生徒がいる訳です。この生徒のことを考えないで、事務手続きや教育委員会のメンツに拘ることは避けるべきです。本来であれば合格枠に入れる生徒が不合格となり、心が傷つく生徒が来年も出てくるのです。
良くないとされる制度を存続させることは避けるのが本来です。来年からの前後期制の廃止を求める意見を、委員の総意として教育長に検討を預けました。
県議会は県民の代表として県当局と対等に議論し、結論を求める最高意思決定機関であることから、県民の声を届けたことに対して結論を先延ばしにする教育委員会の姿勢は如何なものか、委員は厳しい姿勢で対峙しています。
他の議論として、郷土の偉人を県民の皆さんに知ってもらい、郷土の誇りと思うための取り組み強化することの意見提議がありました。郷土で偉人館として設置されているのは南方熊楠、佐藤晴夫、浜口梧陵の三人くらいではないかとの指摘で、陸奥宗光は当然、郷土の偉人として展示紹介すべき人物であることの提言がありました。教育委員化の取り組みに期待しています。
【ライオンズクラブ】
お昼の時間に、中央ライオンズクラブとゴールドライオンズクラブ合同例会が開催されました。レオクラブ顧問として、和歌山レオクラブの石橋会長と共に活動報告をさせていただきました。
和歌山レオクラブの活動は活発で、自信を持ってクラブに話すことが出来ます。毎月のアクティビティ以外に、海岸やまちの清掃活動、NPO組織と協働した地域貢献活動、ラジオ番組への出演による意識向上と広く活動を周知するなど、メンバーは貴重な経験を重ねています。この活動に関与できる機会をいただいていることに感謝しながら、一年間の活動が成果のあるものに仕上がるよう見守りたいと考えています。
また
ピンクリボン活動in和歌山の取り組みへの支援らについて報告させていただきました。今年も10月11日から13日までの三日間、和歌山市にある紀三井寺の仏殿をピンク色にライトアップします。ゴールドライオンズクラブの社会貢献活動の一環として支援することに決定していただきました。
ところでライオンズメンバーから、事故米に関する報告がありました。興味深いものでしたから紹介します。
事故米は最近5年間で8,000トン存在しています。事故米とは、残留農薬の量が多く食用として使用できないお米や、雨などの影響でカビが生えて食用にならないものを指します。値段ですが、食用のお米はkg当たり約150円ですが、事故米と認定されるとkg当たり10円となりますから、事故米を食用として販売すると不当な利益を得ることになります。
一番驚いたことは、事故米は工業用の糊として加工される原料になっているとされていますが、ここ20年間で事故米が工業用糊として製造された実績は全くないそうです。一体何のために事故米が存在しているのか疑問に感じました。
国内で消費されている食用のお米は一年間で8,500万トンですから、事故米の量はそれほど多くありませんが、390事業者に流通されていることでどこに流れているのか分からない程の食への不安となっていることが問題です。
お米に詳しいメンバーからの報告により、事故米に関して知識を得ることが出来ました。
【懇談】
市内で中国との取引をしている経営者と懇談しました。中国の人件費が上がっていることから中国製品の国際的優位性は少なくなっているようです。それでも日本と比較して事業化のための投資額は安価に仕上がることと、市場の巨大さからまだまだ魅力的な国だそうです。
和歌山県の事業者として、是非とも頑張って欲しいと思っています。
【NPO総会】
所属しているNPO法人和歌山青少年国際福祉教育協会総会に出席しました。理事の皆さんによる年度総会で、昨年度の活動報告案と決算案、新年度の活動方針案と予算案が全て承認されました。
新年度の事業としては、紀州子ども語り部育成事業の継続とブルネイとの短期交換留学制度についての研究を組み込んでいます。昨年度の活動として本NPO法人の役員がブルネイを訪問し大使館を訪れるなど友好関係を築いています。短期的であれば留学生の受け入れも可能だと思われるので、ブルネイとの交流も視野に入れています。
ところでブルネイは英語教育が盛んで、高校を卒業した段階で100%英語が活用できるようになっているそうです。国際舞台で活躍できる人材は英語によるコミュニケーションが図れることが必須です。ブルネイとの交流を計画に組み入れたのは、和歌山県の学生にも英語力を持って欲しいからです。そのため新年度の重点活動として短期交換留学に関する研究を行う予定にしています。