【県議会開会】
県議会の平成20年6月定例会が開会しました。本日から6月27日までの会期となっています。本日は知事から議案提案とその説明がありました。主な議案を以下に説明いたします。
「議案第82号、ふるさと和歌山応援基金条例」。これは「ふるさと納税」制度に関するもので、元気な和歌山県を創造するための事業を実施するために基金を設置し積み立てるものです。基金の具体的な使途については次の通りです。
1.世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」の保全や活用。
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和歌山の世界遺産をかけがえのないふるさとの宝として、人類共通の宝として保全・活用し、継承していきます。 |
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熊野古道・富田坂(大辺路)の保全整備をすすめます。 |
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高野・熊野古道のトイレの整備をすすめます。 |
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熊野古道中辺路全ルートにスタンプ押印所を整備します。 |
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熊野古道中辺路ルート(滝尻〜湯の峰温泉区間)の誘導板や解説板の整備します。 |
2.わかやま国体の開催に向けての準備。
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平成27年に第70回国民体育大会が和歌山で開催されます。県内外からの幅広い協力を得て、和歌山らしい魅力あふれる国体の開催を目指して準備を進めます。 |
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国体開催のための施設整備をすすめます。 |
3.わかやまの美しい海づくり。
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景勝地「片男波」。和歌山市近郊の磯ノ浦、片男波、浜の宮などを整備し、和歌山の海をより美しくして海のレクリエーションを盛んにします。 |
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磯ノ浦、片男波、浜の宮の海水浴場の整地やトイレの整備をすすめます。 |
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プレジャーボートの係留地の整備をすすめます。 |
4.わかやまの文化財の保護。
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和歌山県には重要な歴史資産は、全国で国宝は6番目、重要文化財は7番目に多いところです。また、全国で2番目に古い県議会議事堂の一乗閣もあります。これらのふるさとの大切な文化財を保全して未来に伝え、郷土の活性化に寄与します。 |
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和歌山市の特別史跡岩橋千塚や紀の川市の名勝粉河寺の保存・活用をすすめます。 |
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高野町の重要文化財金剛三昧院や絹本着色愛染明王の保存修理をすすめます。 |
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岩出市の一乗閣(旧和歌山県議会議事堂)の移転・復元・活用をすすめます。 |
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湯浅町の重要伝統的建造物群保存地区内の民家の保存修理をすすめます。 |
5.学校図書館や県立図書館の蔵書の充実。
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学校図書館や県立図書館の蔵書を整備し、和歌山の未来をになう子どもを育成するとともに、県民の読書文化の向上に努めます。 |
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県立学校の図書館の蔵書の充実をすすめます。 |
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県立図書館の蔵書を充実して県民や市町村への貸し出しをすすめます。 |
6.大切なふるさとの森を守り育てる。(トラスト運動)
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和歌山は古くから「木の国」と呼ばれ、県土の77%が森林です。森林は洪水や渇水の緩和、水質浄化、生物多様性の保全、地球温暖化防止と限りない恵みを与えてくれる県民のかけがえのない財産です。大切なふるさとの森林を守り育て、次の世代に引き継いでいきます。 |
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貴重な自然生態系を持つ森林や世界遺産周辺の森林の公有林化をすすめます。 |
「議案第81号、和歌山県同意集積区域における県税の特別措置に関する条例の一部を改正する条例」。これは和歌山県内に企業立地を押し進めるため、県が企業立地を促進する地域に施設や建物、用地の取得に対する不動産取得税は課さないことにするものです。
またこれらの用地に企業立地を図った場合、県固定資産税については三年間に限り課さないことにしています。
この前提になっているのが、「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律」(通称:企業立地促進法)で、平成19年4月に企業立地促進法が国会で成立しています。
企業立地促進法は、国が策定する基本方針に基づき、都道府県と市町村が地域産業活性化協議会での協議を経て基本計画を作成し、主務大臣に協議し同意を得ることができます。同意を得た基本計画に基づいて実施する事業については一定の支援措置が受けられることになりました。
事業者は、企業立地又は事業高度化を行う場合、それぞれ企業立地計画、事業高度化計画を作成し、都道府県知事に対して承認申請することができ、当該計画に基づいて各種支援措置が受けられます。.
なお、和歌山県では、「企業立地促進法」に基づき作成した「紀ノ川流域地域基本計画」が、平成20年2月1日、国の同意(第5号同意)を受けています。この計画は、和歌山市から橋本市までを「紀ノ川企業集積ベルト地帯」と定め、和歌山市の
コスモパーク加太、橋本市の
紀北橋本エコヒルズを中心に、情報家電関連産業や新エネルギー関連産業の集積を目指しています。
そのため県税の優遇措置を受けられるのはこの「紀ノ川流域地域基本計画」にある地域となりますが、平成20年度には紀伊半島の南の地域の計画も策定する予定があり、これによって和歌山県内の企業立地が加速することを期待しています。
【ご心配に感謝】
有り難いことに、先週末から姿を晦まして(??)いたため、心配する連絡をたくさんいただいています。特に土曜日と日曜日の行事への参加をキャンセルしたため、心配した皆さんから連絡を受けています。 和歌山大学60周年記念式典では会場で姿を捜してくれた方からは、「どこに行ったのだろう」と心配してくれていましたし、多くの皆さんから「体調を崩していないのか心配していたよ」と電話をくれました。
ご心配いただき感謝申し上げると共に、改めて一人ではないことを実感しています。心から感謝申し上げます。
理由は活動報告に掲載しているとおり、先週金曜日に親友の関君が突然お亡くなりになったため他の同級生と一緒にお悔やみとお手伝い、そして通夜式と告別式の段取りなどをしていたためです。事情が事情であったことから、お許しいただきたいと思います。今週から再び走り回っていますからご安心下さい。ありがとうございます。
【報告会】
夕方からは、今日開会した県議会定例会の報告会を行いました。参加してくれたのは30名でした。報告は、企業誘致のための新しい施策に関してお話いたしました。これは和歌山市から橋本市までの「紀ノ川企業集積ベルト地帯」に企業が進出してくれると、不動産取得税の免除と三年間固定資産税を課さないという条例改正案です。これによって県外からの企業立地の進展を図り、また紀南地域へも企業進出を図るために同様の施策の必要性を示しました。
企業が来ることによる雇用機会の拡大と雇用の確保は和歌山県にとって最重要課題のひとつですから、今議会ではこの点に注目して欲しいと考えています。
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(県議会報告会) |
【講演会】
そして講演会では、
古川カウンセリングルームの古川淑子先生にお越しいただきました。参加してくれたのは30名。結論からすると参加してくれた30名の方は、今日、とても幸せな夜を過ごしていると思います。幸せな気持ちにさせてくれた講演会だったことから、参加した私達が幸せになりました。
古川先生は4年前に病んだ和歌山県内の社会の歪に迷い込んだ方々を救うために、安定した地位を投げ打って独立、開業しました。和歌山県内でカウンセリングを受けに来る人は果たしているだろうかとの内心もあったようですが、開業してみると予想以上に病んだ社会であることを実感しているようです。当初は不登校や社会的ひきこもりの子ども達のために、と思っていたのですが、4年間経過がして、社会人、それも責任 |
(古川先生の講演会「自分らしく生きる」。) |
ある立場の人が悩んでいる現実に直面しています。つまり世代や立場を超えて、どの層にもストレスと精神的悩みが浸透しているのです。「ここは和歌山市ですよ」と思った位だそうです。
それらの方々の精神的支えになっているのが古川先生です。そのカウンセリングの仕事は自分の心が安定していることが絶対条件ですから、誰でもが出来る仕事ではありません。その大変な重責を担ってくれていることに感謝しています。
「人生は妄想である」
講義は、人生は妄想であることから入りました。私達の不安は全て自分の心が作り出しているものです。周囲の状態は同じであっても心の持ち方で自分の置かれた状況は変わってきます。
例えば、会社において上司から「もっと頑張れ」と言われた言葉を冷たくて突き放されていると感じたとします。その後、「自分が何か悪いことをしたのかなぁ」と思いを巡らせることがあります。これは自分の心が作り出した妄想です。その時の上司の内心は他人には分からないのですから。
同じ「もっと頑張れ」の言葉でも、元気にしてくれる場合があります。それは「自分のことを思って励ましてくれている」と思ったからです。これも自分の内心の出来事ですし、上司の本心は分かりませんから、妄想とも言えます。
同じ妄想であっても自分の心の持ち方によって、これほど違いがあるのです。前者の場合は、会社に行くのが苦痛になりますし、後者の場合は、会社に行くのが楽しみになります。妄想から現実が作り出されていくのです。
同じ妄想であるならば、良い方向の考えを持ちたいものです。
「長所に変える」
ところで自分の性格について次のように尋ねられました。「あなたの長所はどこですか」、もうひとつが「あなたの短所はどこですか」の二問です。講演で二人の方が質問を受けましたが、実際に答える時間は二人とも同じでした。長所を答えるまでの時間は数秒要しましたが、短所を答えるのに要した時間は短く、所謂、即答でした。
多くの人は同じ傾向にあると思います。自分の長所は答えにくく短所は答えやすい。理由があります。それは他人に自分の長所を認めてもらっていないことから自分の思っている自分の長所に自信がないからです。自信のないことを人前で答えることはできないのです。
他人に認めてもらうことで初めて自信を持てます。自分が優しいと思っていても、他人が思っていなかったら、自信を持って人の前で優しい人とは答えられないのです。ですから他人から常日頃から「あなたは優しい人ね」と言われていたら、自信を持って「私の長所は優しいところです」と言えるのです。
でも言い方次第で短所は長所に変化します。短所として「性格が固い」と答えた人がいました。「固い」ことを自分で短所と思っているのは、恐らく他人から「あなたの考えには幅がない」だとか「融通がきかない」などと言われてきたからです。つまり他人から短所として指摘され続けてきたために「固い」ことを自分で短所と思いこんでいるのです。
ところが他人から「あなたのような固い性格が、この仕事に絶対必要なのです」だとか「固いところがあるので信頼できる」と言われたとしたらどうでしょうか。
褒められたことで「固い」性格は長所に変わりますから、次に「あなたの長所は何ですか」と聞かれたら自信を持って「固いところです」と答えられるようになります。
このように長所とは他人から言われて自分で自信を持っていることですし、自分で短所と思っていても実は捉え方によっては長所に変化するものです。自分の性格で悩むことはありません。
「嘘をつく」
人は嘘をつくものです。嘘をついたことのない人はいないと言いますから、やはり人は嘘をつくものです。何故、」人は嘘をつくのか。それは事実から逃れるためです。まずい事実が発生した時に人は、自分で自分を守ろうとする気持ちが強くなりますから、事実から逃れるために嘘をつくのです。
例えば、約束の時間に遅れてしまった時。待っている相手に対して、「ごめん。道路が混んでいて遅れました」。などの理由を述べます。その理由は本当かもしれませんし、嘘かも知れません。もしかしたら「約束を忘れていた」ことや「軽い約束だと思っていた」かも知れません。ですが、そんな理由を相手に言うことはできません。
遅れた時に待っている相手に向かって「忘れていたよ」とか「たいしたことがないので遅れたよ」と言ったらどうでしょうか。相手は立腹して帰ってしまうこともあります。事実を隠して正当化するために人は嘘をつくのです。
それは悪いことばかりではありません。事例のように、相手を傷つけたくないことから、嘘で事実を隠すこともあるのです。この嘘は優しさでもあります。
事実から逃れることや自分を正当化すること、そして相手を傷つけないように、などの思いが嘘に発展します。但し、騙すための嘘は避けたいものです。
「認めてもらう」
私達は自分の生き方が家族の生き方を決めているのです。比喩的表現ですが、言葉遣いが子どもの毛孔から入り込み子どもの性格を形成させます。両親が優しい言葉を子どもにかけていると優しい子どもに成長します。両親が励まし続けると、子どもは期待に応えようとする強い性格になります。両親から愛情のシャワーを受け続けると愛情いっぱいの子どもに育ちます。
逆に暴力的な言葉を与え続けると、子どもは暴力的な性格になりますし、凶暴になります。このように特に両親の言葉は子どもに強く入り込んでいき性格を形成していくのです。
ですから子どもを始め家族や周囲の皆さんに対しては、言葉で存在を認めることが必要なのです。人が生きていけるのは「認めてもらえること」「受け止めてくれること」「支えてくれること」の三つの「こと」が絶対に必要です。この「こと」があるので、人は社会で生きていけるのです。
(講演会終了後。古川先生と関係者と一緒に) |
自分の周囲の人に対しては相手を「認めること」をしたいところですし、周囲から認めてもらうことで自分の存在意義を感じ、自分の性格や他人への接し方が安定するのです。の結果、自分らしく生きられるのです。短い人生ですから自分で納得できる生き方をしたいものです。
他人を認め、他人に認められると自信を持てますから、自分の思ったとおりの人生を過ごすことができます。 |
【懇親会】
夜は懇親会にお招きいただき出席させていただきました。また挨拶の機会も頂戴し、先に宮内庁歌会始委員会参与の中島宝城さんからお聞きした知識の話をいたしました。
日本人は自然の音を感じ取る能力があり、虫の声、木々の音、風の音、雲の流れる音などを内心に取り込み自分の中で消化し、それを言葉で表現します。短歌や和歌が代表的なもので、日本人独特の季節感の感覚は素晴らしい文化を生み出してきました。
参考までに西洋人は、これらの自然の音は雑音としか感じられないそうです。民族の違いと文化の違いを認識した上で、わが国の文化を守り継承していきたいと考えています。
しかし人が聴くことができる音は20kHz以下の低い音で、それ以上の高い音は聞き取ることができません。しかし聞き取れない高い音も意味を持っているのです。
さてもうひとつ。人が聞き取れるのは20kHz以下の低い音だけです。人工の音や街の音、デジタル音声はこの範囲で成り立っています。それに対して20kHz以上の高い音は超音波で、遠くまで聞こえる音は強い力を持っています。これを古代の声と言います。
人の声は聞こえる領域の音だけでは快適に伝わらないのです。大勢の人に訴える時の言葉は、遠くまで響き渡る古代の声が効果的なのです。天皇陛下が式典などで発する声は古代の声で、強く相手に響く声となって届いているそうです。
思うに、古代の声は周波数だけで相手に届くのではなく、気持ちのこもった声だからこそ相手に届くのです。表面だけで思っていることは言葉になっても軽いものですから、相手に伝わったとしても心に伝わりません。反面、強く思っている気持ちを言葉に乗せて発すると相手の心に伝わります。この思いが古代の声だと思うのです。
相手に気持ちを伝えるためにも、ここだと思う時は古代の声で言葉を届けたいと思います。今日の挨拶の声が古代の声になっているかどうか分かりませんが、皆さんに大切な話をご紹介し、挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。