【早朝懇談会】
お忙しい皆さんと話し合うのは朝が一番です。それぞれの分野でご活躍の方々と時間を調整して朝一番で懇談会を実施しました。一日の活動のスタートにひとつのメインイベントを持ってくることは張り合いになります。話し合いは地域からの文化発信について、違った考え方のベクトル合わせをする方法について。そしてテーマは人の生き方にまで及びました。
地域からの文化発信について。東京以外から文化を発信することはとても難しいことです。中央からの情報発信と比較して地方からの発信力は弱いので、同じ分野であれば中央と比較しても劣らないばかりか余程の実力差を付けていること、または自分流と言えるものを確立していて中央からでも注目を集める位になることが求められます。いずれの場合も地方にいると厳しいことには変わりがなく、個人の活動や当該事務所だけでの活動では、中央まで届かないことがあります。
違った分野の人の力も借りながら発信力を強化すること、そして関心を持ってくれる人を増やすことなど、時間を要しますが、あきらめないで粘り強い活動を行える力が必要となります。
違った考え方のベクトル合わせについて。人はそれぞれ違った考え方を持っていますから、狭い心の持ち主が同じ土俵に立つと意見の相違から、同じ方向に進めませんし、時には対立する場面が生じます。ところが大きな視点を持つと違って見えます。意見の違いがあるけれども、目的地は人生を持ってしても到達出来るかどうか分からない程に遠いので、
目指すべきものを見失わなければ多少間違いは笑って過ごせるのです。大は小を包括しますから、小さいところに合わす必要性は全くなく、悠然と進むべき道を目指せば良いのです。小さい論点で争うようでは目的地に立つことは敵いませんから、「それもあるしこれもある」、全てを包み込んでしまえば問題は生じません。
人の生き方について。人として生きる方法は自由ですが、他人に迷惑を掛けたり社会に反することは自由の範疇ではないのです。もっと言えば、天道に背くことは許されないことを肝に銘じておきたところです。他人に迷惑を掛けることは、自分のために他人の気持ちと時間を犠牲させることですから、歓迎して受け入れてくれる場合を除いて極力、お互いが良くなる方向で調整したいものです。
社会に反することも同様の考えで行うべきことではありません。社会とは人と人の約束と信頼で成り立っていますから、一人が社会規範を無視すると混乱が生じます。今日もありましたが、自動車で交差点に差し掛かると、前方左から赤信号で平然と横断している歩行者がいました。自動車側の信号が青でも歩行者を撥ねる訳にはいきませんから、ブレーキをかけて渡り終えるのを待つことになります。そうしたら、後続車も含めて本来一回の信号で通過できる筈の自動車が通過できなくなり、結果として渋滞を招くのです。
赤信号で渡っている歩行者は、赤信号で渡った位と思っているのでしょうが、一人のために多くの人が迷惑することになります。それ以上に社会のルールを守れない大人の存在がその周囲に及び、一定以上の数に到達すると「100匹目の猿」の例えのように、社会規範が崩壊することになります。秩序の乱れた地域社会は犯罪多発地帯となりますし、教育なども荒廃します。人の気持ちと社会規範を守ることは連動しているので、心のきれいな人が住む地域は安全で心の日当たりの良い地域形成ができますが、反対の場合、日陰となり、人が見ていないところでは何をしても良いとの思いが増殖し、益々地域は乱れていきます。
人の気持ちが形となって現れるのは必然です。
人として。人は自分の生まれ育った環境を土台として生きています。両親、学校の先生、会社の上司、習い事の師匠などに導かれて現在があるのです。ですから子どもとしての自分が、後輩としての自分が、生徒としての自分が、弟子としての自分が、仮に社会的立場や技能の面で先輩を追い越すことがあったとしても、敬う気持ちは決して無くしてはいけません。何故なら、自分を育ててくれた人がいたからこそ成長できたからです。両親が、先生が、上司がいかなったら、現在の自分は存在しないのです。一人で成長したかのような、一人である程度の地位を獲得したかのような思いは錯覚か奢りに過ぎません。
両親と先輩、そして師匠など自分を導いてくれた人は、いつまでも敬う気持ちを持って接するべきなのです。そのことが更に自分を成長させてくれますし、例え後輩に追い越された先輩であっても活動を陰で支えてくれるのです。裏切りからは発展はありません。信頼から発展は生まれるのです。
【地域開発】
和歌山市は道路開通などに合わせた都市計画の見直しが出来ていないようだ、との意見をいただきました。今日、和歌山市北部のスーパー
イズミヤが開店して国道が渋滞していましたが、今までこの地域には大型店はなかったのです。和歌山市北部から数分北に行くとお隣の岩出市に入りますが、岩出市に入ると国道沿いの光景は一変します。道路沿いには大型店舗やサービス施設などのロードサイド店が立ち並び、全国に共通する都市の光景になっています。和歌山市の北部は田園地帯ですが、岩出市に入った途端に都市型の光景になっていることは不思議です。まちとしての発展を願うのであれば、道路整備に伴い都市計画や用途変更などの見直しをすべきですが、現実はそうなっていないようです。道路ばかりに注目が集まっていますが、それに伴う都市計画がないと健全な発展にはなりません。
例えば、高速道路が延伸することに伴う通過都市の商業施設のなど衰退対策も、大きな検討課題です。
【県政報告会】
夕方からは某企業にお邪魔して県政報告会を実施しました。仕事を終えたばかりの時間帯でしたが約20名が参加してくれました。お疲れのところ最後まで聞いていただきありがとうございました。
今日の報告会は、皆さんと議会との関係について、議会では何をしているのかについて、そして地域を元気にする活動についての三点を主に説明しました。
今の国会のあり方を見ていると、議会は私達の意思とは関係のないものに思えますから、どうしても政治への関心は薄くなります。自分達の思いが反映されないと思ったり、私達の生活に関係のない議論には関心を持てないのは当然のことです。議員や官公庁は遠い存在で遠い星の議論をしているように思えますが、そうではありません。政治は私達の暮らしに深く関係しています。
国会や県議会、市議会で議論され可決されたことは法律や条例として効力を持ちますから私達の生活に直結します。そして予算案が通過すると、その予算配分の通りにまちづくりが進みますから、「関係ない」と思っていて地域の思いを伝えていないところは改善されません。当然のことです。必要なところに必要な施策を講じることは行政の基本であり、意見がない、必要とする声のないことに予算がつくことはないからです。「地域に聞いても何の意見もないけれども、気の毒だからここに○○を作ってあげよう」とは誰も思わないのです。特に財政状況の厳しい和歌山においては、無関心でいても勝手に予算配分がなされ地域が良くなることは考えにくいのです。
思いを伝える相手がいること、私達の意見を背負って議論の場に持ち込んでくれる人が近くにいるだけでも、議会や地方自治体はグッと身近な存在になります。身近になるということは、実現する、しないは別として、私達の意見が届けられる機会は少なくともあることを意味しています。自分の意見を届けられること自体が、大切なことであると認識しておいて下さい。政治に無関心でいると知らない間に、政治参画している人達の意見に左右された方向に進むこともあり得ますから、是非とも関心を持って議員の活動を監視して下さい。
議会とは議員個人の考え方を披露する場ではありませんし、思いつきで物事が進められる場でもありません。地域の皆さん、有権者の皆さんの意見を持って議会に臨んでいるのです。後ろだてのない議論は希薄なものになりますから、豊富な情報と地域の隅々までネットワークを張り巡らせた行政当局に議論で敵うことはありません。議会で自信を持って議論できるのは、地域の皆さんからの意見が複数あり、自分なりに調査した結果、それがその地域に必要であり他都市と比較しても遅れているか改善の必要性があるなどの結論を導いているからです。
ですから皆さんの意見を無視して、議員が反対の意見を述べることは基本的にありません。今は道路の問題が分かりやすいので様々な条件を捨象して記述します。
皆さんが、例えガソリンが高くなっても道路は必要だから、暫定税率を継続して欲しいと訴えているのであれば、議員は道路建設が必要であると主張することになります。
逆に、会社が持ちこたえられているのは燃料費が軽減できたことに起因しているので、今の時点でガソリンの値上げをされると経営が圧迫され持ちこたえられません。何とか今の生活を維持したいと思う意見が多ければ、基本的に議員はその方向で議論をすべきなのです。
勿論、国家存続や外交、防衛に関する最重要課題に関することであれば、世論とは違う方向になっても守るべきものは守る判断は必要ですが、そうでない場合は世論を重視すべきです。積み重なったみんなの意見は正しいことが多いのです。世論調査やアンケート、そしてインターネットでの調査結果は、本質をついているように思います。それらの積み重なった声に重きを置かないで、何が民主主義なのでしょうか。皆さんの意見を聞くことから始まるのが民主主義の基本です。政治が生活とかけ離れたものになっているとすれば、政治家が反省すべきだと思います。
今日のように直接話をさせていただく機会は大切なのです。無関心からは風は起こりません。関心を持つことから情報が集まり知識になるのです。集められた知識は皆さんの意見として発信され積み重なり、それが世論を形成します。議会において皆さんの代表である議員は、世論を無視することは出来ないのです。
今日を機会に政治に関心を持っていただき、何でも結構ですので意見を頂戴できたら、その結果、まちは動き出すかも知れません。まちが動き出すと思っただけでも楽しくなります。本日は、仕事を終えた直後で大変お疲れのところ、最後までお付き合いいただきまして、ありがとうございました。
【その他】
エネルギー施策について、県内企業立地の現状について、環境月間に関しての話し合いを行いました。