2月29日(金) 「予算特別委員会準備」
【予算特別委員会準備】
 予算特別委員会での質問項目の準備を進めています。質疑予定は3月12日ですからまだ準備期間はありますが、当初予算案の中で皆さんから伺った意見について質疑を行うことを考えています。質疑を行うかどうかは未確定ですが、以下の項目に関して調査を行う予定です。

芝生化促進事業、1,372万3千円について。・小学校の運動場を芝生化する施策についてのことです。

温室効果ガス排出抑制対策、2,280万円について。・家庭での太陽光発電の普及促進について。・和歌山新エネルギー構想に関する予算措置について。

中心市街地活性化支援、740万円について。・和歌山市中心市街地の現状と支援費し支出について。

中心市街地住宅供給促進事業、6,885万円について。

きのくに市民性教育推進、1,000万円について。・地域共有コミュニティの形成について。

外国語指導助手配置、9,137万円について。

小学校英語活動等国際理解活動推進プラン、2,702万円について。

観光資源の売り出し促進について・人材の育成について・快適観光空間の創造について・和歌山大学観光学部との連携について。

 本日現在は以上の項目ですが、最終的に取り上げるかどうかは未定ですし、追加する可能性もあると思っています。皆さんからもご意見を寄せていただけると有難いです。

【お礼】
 昨日の県政報告会のために参加者を集めてくれた代表にお礼を述べました。無事報告会を終えたこと。県政論議だけではなく和歌山市での生活について、働きがいなどに関しても話し合うことが出来ました。9時30分になる最後までお付き合いしていただいた皆さんに感謝している旨を伝えました。
 参加してくれたのは丁度30歳代半ばの方たちが多く、持家対策や教育問題など資金や費用がかさむことが関心事でした。持ち家は一生で一番高い買い物のひとつですし、買い替えをすることは容易ではありませんから慎重に、そして最大の効果を求めます。建てる場所に関しては、通勤場所との位置関係、通勤時間、小学校区などが検討項目です。現役世代ですから、病院や福祉施設、スーパーの位置は遠い将来の関心事ですから、持家にはあまり関係がないようです。
 ただ自己資金だけでは賄えるものではないので金融機関からの借入も含めて資金計画を行い、それに見合った適切な場所を探しているようです。参考までに和歌山市が分譲しているスカイタウンつつじが丘も推薦しましたが、少しくらい土地価格が高くても、JR和歌山駅の東側や職場や事務所がある中心市街地付近を求める傾向があります。家庭と職場が近接していることで家族と過ごす時間が増えますから、傾向として仕事と家庭の両方を大切に思っている男性が増えているように感じました。

【懇談】
 大学生のいる家庭での関心事は子どもの就職です。早くも来春に向けた就職活動が始まっています。毎年巡ってくるものですが、現在の大学生三年生にとっては初めての体験ですから手順が分からないことがあります。社会で働くことの大変さは社会経験を積んでいる保護者の方が良く認識しています。そのため子どもが安全な人生を過ごせるように、橋渡しをしたいと考えるのは当然のことです。和歌山県内での新卒の就職事情は厳しく、改善されていないように感じます。県外の大学に進学した和歌山県出身の大学生が再び、故郷に帰って来たいと思ってくれていますが、雇用と選択肢が少ないことで迷うばかりです。何か良いアドバイスをしたいと思っているので、今週の日曜日に里帰りをする、本日相談を受けた方の子どもに会うことにしました。
 人材は和歌山県で定着して育って欲しいと願っています。

【懇親会】
 夜は懇親会に参加しました。老朽化した物件のリニューアルを含めて和歌山市の中心市街地の活性化について話し合いました。幾つかのアイデアはありますが、実行するのはほんとうに難しいのです。立ち上げの困難を克服すれば、良い計画であればある程度進むと思いますから継続したいと考えています。

 また和歌山県の観光施策に関して意見交換を行いました。民間レベルでは平成20年度に、和歌山県と三重県が協力して紀伊半島の観光振興策を検討しています。紀伊半島の観光を目的にするのなら、東海地方の三重県との連携を図ることは歓迎すべきことですし、和歌山県の観光施策にも東海地方での観光対策が記載されていますから、より成果を上げるためにも地方自治体の施策とも関連させたいところです。

 またJR西日本の3月のダイヤ改正に伴い、紀勢本線の藤波駅に特急くろしおが停車することになりました。通勤や観光に活かせるダイヤ改正です。この機会に中紀地方の観光施策につなげるように県も考えて欲しいと思います。

 また同ダイヤ改正に伴い、JR和歌山駅発の通勤用快速電車は天王寺止まりではなくて、大阪駅を経由して京橋までの本数が増発となります。和歌山県と大阪府の時間的距離が短くなりますから、居住対策や観光対策を講じたいところです。
 主に和歌山県が観光立県となるための民間事業者が集まっての意見交換でしたから、夢があり、かつ実現可能な施策を話し合えました。具体化させるためには実行主体の熱意が欠かせません。
2月28日(木) 「県政報告会」
【朝】
 午前8時。本日の夕方6時から開催する県政報告会の案内と案内ビラの配布を行いました。今日の報告会のために、一緒に朝立ちしてくれた皆さんに心から感謝しています。少し寒い中でしたが、気持の良い朝を迎えました。

 早朝ビラの後、懇談する時間を持ちました。会社の利益配分に関する情勢はサブプライムローン問題が起きてから一変しています。昨年の秋頃までは、経営者団体は労働者への配分も考慮すべきとの発言がありましたが、現在は株主配当の確保と将来への備えのために、現段階では労働者への配分は妥当ではないと厳しい姿勢に変化しています。折しも大企業を中心に春季生活闘争の時期ですが、回答日がまだ先と言いながらも現時点では接点を見出せない様子があります。労働者、つまり消費者にお金が回らないと消費が回復しませんから経済活動は活発にならないのですが・・。果たしてどこで落ち着くのか、状況を見守りたいと考えています。

【懇談会】
 早朝ビラに引き続いて懇談会を実施。一昨日初めてお会いしたTさんと奥さん、そしてUさんと懇談会を行いました。今日の懇談会が実現したのは、次のような理由からです。その日、Tさんが家に帰った時、テーブルに私の名刺を置いていたそうです。名刺を見つけたTさんの奥さんは驚いて、「片桐さんを知っているの」と尋ねたようです。Tさんは「今日会って来たよ」と返事をすると奥さんは、共通の知人である「Uさんと一緒に片桐さんが家に来てくれたことがあるのよ」と答えたのです。
 それならと早速、今朝の懇談会が実現したのです。私達は余りの偶然に驚きながらも、人のご縁を大切にすることの必要性を強く感じました。過去に良いつながりがあったからこそ今朝の機会があった訳で、人間関係が良くなかったとしたら今日の機会はなかったのです。日頃の友人との良いつきあいが次の機会を運んでくれますから、大切なものです。
 偶然に満ちた友人との会話を楽しみました。

【NPOセンター】
 和歌山市にある和歌山ビッグ愛には和歌山県NPOサポートセンターがあります。このセンターは指定管理者制度を採用しているため、現在はNPOの中間支援団体が管理と運営を行っています。営業時間は午前9時から午後9時までの12時間です。今日もNPOメンバーが集まって会合を開いているなど、活気に満ちた空間となっていました。
 日本文化の普及を図っている任意団体が活動の領域を広めようと考えて、団体をNPO法人化するために相談があり今日の機会を持ちました。平成21年で結成10周年を迎える団体ですから活動実績は十分ありますが、会員とその周辺の皆さんで日本文化に触れる機会を持つ以外に、小学校や中学校へも出向いて日本文化の普及に努めようと考えています。小さい頃に日本文化に触れる機会を持つことは、日本人として良い影響を与えるかも知れません。法人化することで事務局の管理と経理処理は大変になりますが、利点と仕事の煩雑さの程度を比較検討して法人化を考えることにしました。

【懇談会】
 洋菓子製造の関係者と懇談の機会を持ちました。洋菓子製造の分野でも、和歌山市内の売り上げは伸びていないようです。更に経営は厳しさを増しているようです。原料と燃料費の経費負担の増加があるものの価格に転換をしてないため、利益が薄くなっているからです。丁度、住宅会社経営者と自動車販売会社経営者も一緒になったため、四者で話を続けました。
 営業部門を持っている会社からすると、ガソリン価格が経営を圧迫しているようです。ガソリン価格が高いため利益が薄くなっているのは洋菓子店の状況と同様です。中古自動車では軽四輪の販売が増えているものの、普通自動車の販売は伸び悩んでいます。
ガソリン価格がユーザーの懐を直撃していることが伺えます。軽四輪の販売も普通自動車と同じ営業コストが必要なのに対して、普通自動車と比較して利益が少ないので経営が厳しくなっています。

 住宅事情も同じで、和歌山市内の場合、新築のための予算は2,000万円台が多いようです。一時期は3,000万円台が多い時期もありましたが、単価が低くなっていることに関連して利益も薄くなっています。従来と同じ経営をしていたのでは会社経営は厳しく、人件費と税金を支払うために経営しているようだと話してくれました。
 ですから要望は、地域の経済活性化施策と燃料価格の低減でした。

【和歌山発】
 和歌山発の製品を全国に向けて発信したいとして、和歌山市内の経営者が訪ねてくれました。それは紀州備長炭を刷り込んだサポーターとソックスで、既に世界特許も取得しています。遠赤外線の効果で血行を良くして、足の匂いも除去してくれます。足の筋肉を守り、足の疲れを取ってくれるため熊野古道ウォークには最適なのです。実用化を図るために熊野古道を歩く方に協力してもらって、筋肉の疲れ具合のデータも取ってレポートでまとめています。備長炭の繊維を織り込む技術の開発に時間を要していますが、健康保持が可能で耐久性にも優れた製品として商品化されています。新しい県産品として期待しています。

【県政報告会】
 夕方6時から9時30分まで県政報告会を行いました。仕事直後でお疲れだったと思いますが、約30人の皆さんに集まってもらいました。ありがとうございました。
 報告した内容は、議会活動と私達の生活について。議員の仕事と私達の生活との関係。平成20年度予算案について。和歌山県の重点施策について。道路行政について。そして私の活動している事柄を話しました。

 報告会と意見交換会を行ったのですが、話が盛り上がって気がつけば9時30分になっていました。特に若い人達が議会活動に関心を持ってくれたことは嬉しい出来事でした。直接話し合うことで、県議会との距離はなくなったと感じています。話していると、今まで県議会報告を聞いた経験がなく県議会では何を論議しているのか分からなかったことや、議員の仕事は地域で生活している人とはかけ離れていると思っていた様子があります。

 実は議会活動と、現在の生活も将来の生活も密接に関わっていることを伝えました。自分達の意見を伝える手段があるのとないのとでは、地方自治との関わり方が全く違うのです。自分たちの意見を議会に伝える手段があると、実現の可否は別として変わる可能性は発生するのです。自分の中に持ち込んでいるだけでは、変わる可能性は果てしなくゼロです。可能性があることと可能性がゼロとでは、将来性は天と地ほど違うのです。

 それにしても今日の県政報告会が終わった後の清々しさは何なのでしょうか。お互いに相手の意見を否定しないで議論し合ったことや、時間の経過を忘れるほど濃い時間であったことが要因です。一方的に話をして終わるのではなく、自由懇談の時間を取って議会活動のことだけではなく、仕事のことや生活の関心事などもテーマに取り上げることで、地方政治と生活との関わりが身近なものとして捉えてくれたと感じています。

 本日の意見交換で出された主なテーマを列記します。
和歌山市にあるスカイタウンつつじが丘の状況について。
グリーンピア南紀の現状について。
紀伊半島の道路計画について。
大型商業施設の郊外立地の規制の是非について。
独立リーグを目指した野球チーム紀州レンジャーズの活動について。
和歌山市の将来は城下町としてのまちづくりを志向するのか、賑わいと利便性を備えた・まちづくりを行うのかなどの方向性について。
消防自動車も入れない狭隘道路の問題について。
京奈和自動車道路と四国徳島県と和歌山市をつなぐ南海フェリーとの連携について。
企業誘致と県民所得について。
和歌山県二順目国体優勝に向けた選手育成の考え方について。
2月27日(水) 「地域のエネルギー事情」
【地域のエネルギー事情】
 和歌山県では平成20年度に太陽光発電システムへの補助施策を施行する予定です。これは地球環境問題保全の観点での新施策で、国の制度が廃止されて太陽光発電システムの普及が停滞しいている中、再び普及台数を向上させるための期待があります。

 エネルギーを利用する立場にとって、つまり基本的には家屋を保持している全員が対象となるのですが、現代社会ではエネルギーコストと環境問題への参画の両方を考える必要があります。家計と身近な環境への取り組みが、イコール経済活動と地球環境保全の両立に直結するものです。身近な取り組みの集合体が日本、そして世界の環境問題へとつながっていくのです。そのためエネルギー事業者はユーザーの要望に応えられる体制を整えておく必要性が生じています。電気とガス、そして新エネルギーなどを組み合わせたトータルエネルギーの提案が出来る実力が欲しいのです。和歌山県の場合、エネルギー事業者は中小規模のところが多く、ガスか電気のいずれかの販売店の場合が大半でした。ところが最近、お客さんの要望に応えるためにガスと電気、両方の提案が出来る体制の事業者が登場しています。

 環境への関心が高まっている中、オール電化や太陽発電システムを採用する新築家庭が増加しているのです。新築中のご家庭を訪ねましたが、「家計も大切ですが私達でも出来る身近な環境問題への取り組みも欠かせない」視点を持っていました。二酸化炭素の排出量を減少させたいと思っている家庭には温かい空気が充満していました。

【ライオンズクラブ】
 ゴールドライオンズクラブの理事会と例会、そして5周年記念行事の実行委員会が開催されました。理事会では新年度の理事体制の確認を行い、例会ではアースデーイベントの実施や新入会員の承認を含む話し合いを、そして実行委員会では平成20年5月に実施予定の、クラブ発足5周年記念行事の内容の確認を行いました。春間近、活動の季節が近づいてきました。

【教育】
 教育問題に関する懇談を実施。中学校と高校の入試発表が終わり、受験生はホッとしている時期です。しかし教育関係者は、今年の入試傾向の分析や偏差値による学力調査などを行い、早くも来年に備え始めています。

 入試とは運を試すものではなくて、格差を決定づけるものでもなくて、自分の可能性を引き出してくれるものなのです。やった分だけ成績が伸びるのですから、勉強の過程と結果が直結していることから、実社会では経験出来ないような素晴らしい機会に直面していると考えたいところです。実社会では結果に至るまでの過程と結果は合致しないことが多く、ある意味で途方を感じることがあります。自分がやった分だけ成果が出ないことは社会では多いのですが、学生時代の勉強は違います。やった分だけ結果が伴うのです。

 この違いは、社会では自分一人で完結出来る仕事は殆どなく、実行の過程に他人が介在したり、他人との協働を図ったり、思惑が違う取引相手がいるからなのです。自分だけで結果を出せる仕事があればどれだけ有難いことでしょうか。やった分に応じて結果が出て、収入が増加するような仕事があれば、誰でもやって見たいと思う筈です。でも出会えないものです。

 勉強は実力に応じて受験校は違って行きますし、三年間の勉強度合に応じて実力を伸ばせます。そして勉強は誰からも邪魔されることはないのです。近くに受験生のライバルがいても、それは決して競合にはならないのです。何故なら、合格枠は一人ではなく数十人から百人以上の定員があるからです。ですから近隣や同級生全員が同じ中学校や高校に合格することは可能で、蹴落とし合う関係にはならないのです。

 また敵対関係のライバルではなく友好関係のライバルが近くにいると、一人で勉強するよりも実力が伸びますから歓迎すべき存在です。受験は当事者にとっては嫌なものですが、後から振り返ると、純粋に自分の実力だけで立ち向かえる試験に挑戦する機会があるだけでも有難いものなのです。結果が出たらそれは実力があったからですし、仮に不合格であったとしても扉が閉ざされるのではなく、一年後の春に再び受験の機会は訪れるのです。
 改めて教育とは、社会へ出るための準備であることが分かりますし、人格は教育によって築かれることを認識しています。やはり人格を形成する教育関係者の仕事は重大なのです。

【県議会】
 県議会でのその他の調査事項は、道路問題について。和歌山県の特徴のある物産について。新エネルギー問題について。紀北筋での企業立地の現状と可能性についてなどでした。

【激励】
 今、大企業を中心に春闘が行われています。昨年までは景気拡大の機運があり、経営陣からは賃上げ容認の空気もあったのですが、サブプライムローン問題が起きてから状況は一変しました。円高、原油高、先行き不安などから、将来への経営の安定を図るために労働者への配分は厳しい状況です。

 しかし将来への不安はいつの時代もあるもので、ない方が不思議なくらいです。誰も経験したことがない「一歩先」への不安があるのは当然なのです。そのための蓄えは絶対に必要ですが、お金は貯め込んでも増えません。将来への備えとは溜めるのではなく、消費を刺激するために最大の消費者である労働者に配分するか投資をするかです。会社に従業員に配分する余裕がないとすれば、余剰金もない筈ですから投資も出来ません。配分も投資も出来ない企業に将来性は感じられませんから、売り上げが上がっているにも関わらず必要以上に貯め込む企業の将来性には疑問符が付けられそうです。

 今生き残っている企業は、ある程度の設備やシステムの効率化は図られています。後は従業員の士気を高めることで効率を図ることです。士気を高めるためには従業員への利益配分が必要なのです。
 経営者にとって従業員や労働者は敵対関係にあるのではなく、共に企業の発展を担う仲間なのです。ですから入口から対立するのではなくて、同じ入口に入って同じ方向の出口を見つけたいものです。

 景気回復には消費拡大による新規の設備投資が必要ですから、最初の一歩である必要な賃金確保は重要です。 それぞれの春に向けての条件闘争を繰り広げている皆さん。社会と会社を支えている仲間のために頑張って下さい。エールを贈ります。
2月26日(火) 「県議会」
【県議会】
 県議会では平成19年度補正予算案の審議を行いました。今議会は平成20年度当初予算案と平成19年度補正予算案が提案されていますが、その最初の審議です。経済警察委員会に付託された補正予算の議案は、それぞれの施策が年度末で完結することから予算の調整を行うものです。同委員会に付託された議案は全て全員賛成で可決されました。

 また予算特別委員会では、予算審議の方法について打ち合わせを行いました。私の予算委員会での質問は、来月3月12日の木曜日の一番目となりました。質問開始時間は10時からを予定しています。予算委員会は一問一答形式を採用しています。一問一答形式とは、質問者が質問したことに対して当局側が答弁する。それに対して納得しなければ質問者が答弁に対して再び質問を行い当局側が再び答弁する形式のことです。質問者が納得するまでこれを繰り返して行きます。

 質問者が和歌山県議会の一般質問では質問者が質問をまとめて述べた後に、当局側から答弁をする形式を取っていますが予算委員会は違う形式のため、私にとって初めての体験となります。予算委員会の質問時間は30分、当局側からの答弁を含めて質問者一人当たり50分の持ち時間となります。

【懇談】
 Yさんとは経済問題に関して。Nさんとは和歌山市中心市街地活性化と和歌山大学観光学部に関して。Sさんとは変革の少ない電報制度の在り方について。Tさん達とは都市圏の経済動向について。Hさんとは和歌山市内の都市計画に関して。Yさん達とは城フェスタ和歌祭について。Kさんとは地域における癒しの家づくりについて。それぞれ懇談を行いました。

 経済問題に関しては、オイルマネーとチャイナマネーがアメリカを経由して世界を循環していますが、最も有利な投資先に着地していると伺いました。一国の経済施策では制御し切れない、そして一国の経済を外部から左右する巨額のマネーが循環しているのです。資金が着地したところではバブルが起こりますし、引き上げられたところでは経済不安が起こります。実体経済とは違った経済構造がそこにありますが、それが現実なのです。
 大きな資金循環の中に地方経済も巻き込まれていますから、経済構造を知ることは大事なことです。

 城フェスタと和歌祭に関しては、お城を中心としたイベントで和歌山市の中心市街地を盛り上げるために、和歌祭保存会が協力してくれています。現時点では、従来の和歌浦での時代行列から舞台を和歌山城に変えて時代行列を行ってくれる計画となっています。時代に彩られた和歌祭は、和歌浦地域の若い人たちが復興させた和歌山市の無形の財産です。
 書物や記録、そして昔の和歌祭を知っている経験者から学び、平成の時代に紀州徳川家の時代行列を復活させたのです。
 そして今年の舞台は紀州徳川家のお城であった和歌山城です。そこに中心市街地の核施設であるフォルテワジマを組み合わせて、お城とぶらくり丁周辺を盛り上げようと考えてくれています。
 和歌山祭保存会は「和歌山市活性化のために」の気持ちを持っています。和歌山市役所は、その心意気を感じて欲しいものです。

【人権研修会】
 夜は人権研修会に参加しました。講師は和歌山県人権施策推進審議会委員の村田穂積氏でしたが、「素晴らしい」の一言で表現したい内容でした。そこには講演に欠かせないユーモアと熱意があったからです。約2時間の講演でしたが、参加して良かった気持ちにさせてくれました。
 人生は誰からも邪魔されないで自由に生きる権利かあるものですから、謂れのないことで他人を批判し、その行動を止めたり気持ちを沈ませることは、誰であってもしてはならないことです。他人と違うことは良いことですから、違うところは長所として評価し、褒めることが大切なのです。人はその人が持つ「良さ」で図れるもので、肩書や地位、枠組みなどで評価するものではありません。個人の心を何かの制約で縛ることなく、自由に飛躍させることが大切なのです。

 そして人権の大切さを感じさせてくれる昭和41年の実話を披露してくれました。
 昭和41年、白血病に侵されて余命50日と宣告された女子高生がいました。抗がん治療を続けていたため髪の毛は全て抜け落ちていました。この生徒の同級生達は、友達との最後の思い出を作ろうと九州への旅行を計画しました。女子高生は髪の毛がない姿を同級生に見せたくないと思っていますから、参加を拒否し続けます。しかし担任の先生の熱意によって参加することになりました。

 体調面から同級生よりも少し早く先生と一緒に九州入りして宿舎に入ったのです。後は同級生の到着を待つばかりになった夜、女子高生は「やっぱりみんなと会いたくない」と言い出しました。髪の毛のない姿を見せたくないと思い始めたからです。この決意は固く、どれだけ先生が誠心誠意話しても全く受け入れてくれませんでした。夜に同級生とは会わないばかりか、翌朝一人で帰ると決心したのです。

 策の尽きた先生は、女子高生の同級生達を集めて言いました。「もうどうしようもない。残念だけどあきらめよう」と話したのです。先生は部屋に戻りました。
 翌朝、先生が生徒達の部屋に入った時、その部屋の異様な光景に驚きました。男子生徒だけではなく女子生徒も全員、頭の毛を剃って坊主にしていたのです。実は昨夜、先生が生徒達の部屋を出て行った後に、自分たちで何が出来るかの話し合いを続けていたのです。

 その結果、友達だったら白血病の女子生徒と同じ立場になろうと決定し、朝までに頭を丸めたのです。先生は、白血病の女子生徒の部屋に行って、嫌がる女子生徒を無理に同級生の部屋に連れて行ったのです。髪の毛のない同級生達を見た女子生徒は、泣き崩れてしまいました。同級生の真の気持ちが伝わり、本当の友達であることを理解したのです。姿ではなく気持ちがつながっていることの素晴らしさを心で感じ取ったのです。

 その日は全員で九州の楽しい思い出を作ることが出来ました。
 そして40日後、白血病の女子生徒はこの世を去りました。同級生達との思い出を抱えながら。わずか17歳の人生でしたが、最後の同級生達の真の友情に触れ、短いけれども友を信じられる充実した人生だったと言い残したそうです。
 それから40年余が経過しています。60歳を迎えようとしている同級生達の心には、17歳の女子生徒が存在しています。体は遠い過去に消え去っていますが、心ではいまでもつながっているのです。長い短いの期間ではなく、瞬間であっても充実した時間は心に残るものなのです。
 これが白血病の女子生徒の心を救った同級生の物語です。
 あれこれ考えているだけでは、相手に何も通じませんし何も起こりません。一歩を踏み出すこと、一言声を掛けることが自分の気持ちが相手に通じるのです。朝の「おはよう」の挨拶が、接する相手を元気にするのです。朝の掃除が、道行く人の気持ちを晴れやかにするのです。
 思っているだけで相手を幸せにすることは出来ません。幸せを創るのは考えや思うことではなく言葉と行動なのです。どれだけ素晴らしい企画を考えても実行しなければ何の変化も起こりません。それよりも簡単な朝の一言の挨拶の方が、相手と周囲、そして自分に変化を起こさせてくれます。大それたことではなくて自分で出来ることを行動に移すことが大切なことなのです。

 もうひとつのお話。村田穂積さんは関西大学で約4時間、硬式野球部に所属した経験があります。高校野球球児だった村田さんはプロを目指す程の自信を持って、関西大学の野球部テストを受けました。その時の合格枠は2人でした。

 テストは「あいうえお順」のため村田さんのゼッケンは27番。テストを受けるのは28人でしたから最後から二人目でした。投手だった村田さんは自信を持ってピッチングを披露しました。村田さんは投げ終わって、次の28番の投手のピッチングを見て驚きました。高校生とは思えないような速いボールを投げ込んでいるのです。28番の投手のボールをキャッチャーが受けられなかったのです。キャッチャーも交代して、同じくテストを受けていた新人が構えました。
 村田さんはこのバッテリーを見て、関西大学での野球を残念したのです。その時の28番の投手は、村山実投手、キャッチャーは上田利治捕手だったのです。村山投手は後の阪神タイガースのエースになり、上田捕手は現役引退後、阪急ブレーブスの監督になりチームを日本一に導いた名将となったのです。

 村田さんは野球に見切りをつけ、大学から大学院博士課程に進み、法学の勉強に12年間専念しました。そして商学博士として社会で活躍した経験を持ち、現役引退後に故郷和歌山県に戻って来ました。身につけた知識と社会経験を故郷の後輩に伝えるために戻って来てくれたのです。身につけたものは後輩に伝えることで継承出来ますが、大切に自分だけで持っていても誰かに伝えないと、その知識と技術はこの世から消え去ることになります。

 さて問題です。プロ野球会に名前を残した村山実さん、日本一の監督経験のある上田利治さん、そして商学博士として今なお活躍中の村田穂積さんの同級生の三人。一体誰が一番偉いのでしょうか。

 答え。人権の観点からすると、みんなそれぞれ違っているので優劣はつけられないが正解です。みんな活躍した分野が違いますから、誰の能力が優れているのか順番をつけることは出来ないのです。

 繰り返しになりますが、今もファンの記憶に生き続けている元阪神タイガースのエース村山実さん。阪急ブレーブスを日本一に導いた名将上田利治監督。そして商学博士であり「商業信用状」に関しての日本で唯一の研究者である村田穂積さん。誰の能力が優れているのか、比較することすらおかしいことなのです。

 人はそれぞれ能力が違うのですから、得意な分野で一番になれば良いのです。自分の得意分野を高めていくための長い人生は、誰とも比較出来るものではありません。最初は同じようなものであっても、長い人生の過程において人の能力を発揮するそれぞれの分野に枝分かれしていき、それぞれの人生の一番になるのです。そこには比較や優劣はありません。
 受験での競い合いや競技での優勝争いなど、人生において短期的には勝負は大切ですが、
 最後には、人は支え合って生きていることに気付きます。それぞれ違う能力を組み合わせて協力し合う方がより大きな成果が得られるからです。自分の能力を高める努力の継続と、自分で出来ることを行うことに価値があるのです。
2月25日(月) 「きのくに屋」
【きのくに屋】
 きのくに屋本舗の役員会を行いました。熊野古道、そして熊野本宮大社に来られた皆さんのための休息所、観光案内所として「癒し処からす屋」を開設しています。和歌山県が誇る世界文化遺産熊野古道のお役に立ちたいと思ってのものです。ところが最近は、世界文化遺産に登録されて以降、増えていた熊野古道への観光客が減少していると報告を受けました。現地からの情報を受け気掛かりです。和歌山県の観光の中心と言っても良い場所で、極端ですが熊野古道への誘客を中心に海や食、体験などを取り入れて、和歌山県の観光施策を組み立てているとも言えます。

 そこへの観光客が減少していることは懸念材料です。勿論、県では観光動態調査を行っていますから現状を把握している筈ですが、現状を基にした対策を打ち出して欲しいところです。観光のお客さんを対象としている民間事業者は対応を考えているようですが、観光を産業と捉えるなら全国からの誘客対策は地方自治体が担って欲しいものです。十分に地元の意見を聴いて、一緒になって世界文化遺産熊野古道を県の財産として守り、活用したいところです。
 
【打ち合わせ】
 二件の打ち合わせを実施。地域経済に関することと農業振興に関してです。地域経済では企業誘致に成功している大阪府は、財政問題はあるものの元気ですし、京都府の企業も一段と元気です。滋賀県や福井県は企業立地が進んでいます。それらと比較して和歌山県の現状には寂しさがあります。県では数千件の企業を訪問するなど全力を挙げて企業誘致に取り組んでいますが、成果が表れるのは1,000件に1件と言われるほど困難なのです。
 そして他府県でも企業立地活動は重点的に行っていますから、和歌山県だけが飛び抜けているものではありません。全国をライバルにした活動が企業立地活動ですから、府県の魅力と実力が試されるのです。

 農業振興はニューアグリに関するものです。食の安全と地産地消、食料自給率を上げるためにもニューアグリと言われる農業施策を進めたいところですが、先進地を知らせてもらいましたが、その中に和歌山県は仲間入りしていないのです。ニューアグリの分野でもファンドや銀行からの融資により大規模な展開が繰り広げられています。それは初期投資が莫大だから立ち上げの労力が大変なのです。
 食は人間にとって絶対必要なものですから農業をビジネスにする動きもあるのです。ビジネスですから、安全で安心な食料を提供することが前提で、効率の良い生産方法で食糧自給率を高めたいとする考えに基づいた取り組みを行っています。
 
【企業立地】
 和歌山県における企業立地に関して打ち合わせを行いました。単に戦略を話し合うのではなくて、企業関係者を交えて具体的な動きを確認し合うものです。企業の拡大、拡充は経営判断ですから、地方自治体の意向も考慮しますが最終的には経営判断によります。利潤の追求が企業の目的ですから、それに反する新規進出はあり得ません。株主は利潤増加を図る以外の新規立地を望む筈はないからです。首長がお願いしたから、企業の新規立地が決定することや新規投資による工場増設が実現するなどは論外なのです。
 企業は極秘裏の内に立地のタイミングや場所の選定などの検討を進めています。決して外部に漏れることはありません。そして計画を具体化させるには、企業と地方自治体の合意と発表の絶妙のタイミングが必要なのです。具体的事例に基づく生きた学習の機会となりました。机上の計画とは違って実践の機会は実力を高めてくれるものです。
 
【地元】
 地元の会社や事業者との協力関係は地域社会にとって大切です。価格だけでパートナーとなる事業者を選択することも有りですが、場面によってはお金よりも大切なものもあるのです。地域と仕事の相性、地域の熟知度合、地域における人脈、そして長年に亘って築いてきた地元での信頼関係など、数値化出来ない要素が仕事内容に入っています。単に価格で入札やコンペをして事業者を決定すると、後々進まなくなることもあるのです。
 価格万能ではなく、一緒に仕事を気持ち良く出来る関係があることで品質の良い仕事が完成しますから、無形の品質も大切にしたいものです。地元は仕事におけるひとつの鍵となります。

【里帰り】
 東京で仕事をしていた若者が和歌山市に戻って来ました。仕事を辞して戻ってきた訳ですから、若者を受け入れられるかどうか地域の実力が試されます。受け入れとは仕事があるかどうかです。若い人が仕事のある東京から、仕事が少ない和歌山市に戻るのは勇気がいることです。能力のある若い人が戻って来た時の受け皿が、いつでも地域にあるような状態にしておくのも政治家の役割です。能力のある若い人には和歌山市に戻ってきて欲しいと考えていますが、受け入れ先が問題なのです。若い人個人の問題ではなく地域の問題として捉えての対応策が必要です。
 夜、東京から戻ってきた若い人に会ってそう感じました。
2月24日(日) 「文化祭」
【文化祭】
 慶風高校の文化祭が行われ参加させていただきましたが、卒業生にとっては卒業式前に記念に残る文化祭となりました。恒例のワープロコンテストやコーラス、そして演劇などが実施されました。コーラスは合唱団「虹」で、この代表者が慶風高校の校歌を作詞しているのです。コーラスの指揮をとっている間の代表者の話は楽しいものでした。「卒業して何年経っても同窓生が集まると校歌を歌っています。皆さんもこれから20年も30年も経ったとしても、この校歌と工高校時代を思い出して欲しいと思います」など、卒業生に語りかけてくれました。

 慶風高校は硬式テニス部や公式野球部、ゴルフ部などの部活動が盛んです。既に硬式テニスにおいては、和歌山県内で硬式テニス部と言えば慶風高校とも言われています。また公式野球部は未だ和歌山県予選では未勝利ですが、近い将来の初勝利と甲子園出場への期待を込めて合唱団「虹」が校歌と「栄冠は君に輝く」を歌ってくれました。

 またコーラスの簡単な解説もしてくれました。ソプラノとアルテが重なってコーラスとなっていますが、それぞれのパートで分けて歌うと少し違った感じがします。音色が重なることできれいなコーラスとなるのです。合唱団「虹」とは七色の個性が重なり合って、一つの作品を作り上げたいとの思いから命名されたようです。一人ではコーラスは完成しませんし、また聴いてくれる人が存在しないとコーラスは上手く歌えません。主役はコーラス員かも知れませんが、見方を変えたらお客さんが主役なのです。お客さんがいない場面では、どれだけ優れた合唱団でも実力を発揮する気持ちが乗り移らないのです。ですから演奏者もお客さんもどちらも舞台の主役なのです。合唱団「虹」はその気持ちを持って歌っていますし、お客さんは、この日のために練習を重ねてきた気持ちを受取って欲しいところです。

 今になって気付きましたが、文化祭を開催するに当たっては学校の活動を支援している多くの方の支えがあるのです。私立学校では学生生活を応援している人や企業の存在もあるのです。地域に学校があることはそれだけで文教の香りがするものですから、学生を支えることは地域の役割なのです。
 今日の文化祭は、舞台と会場が一体となった高校生らしい文化祭となりました。そして大人も高校生もどちらも楽しめた一日でした。

【告別式】
 昨夜の通夜式に引き続いて、自治会として告別式のお手伝いを行いました。今日も雪景色が広がりました。和歌山市で雪を見るのは珍しいのですが、今年の冬は雪が良く降る寒い日が続いています。元教師の方の告別式だったため教育関係者の姿もあり、教育に携わった人だけ残せる社会で活躍する人と言う財産の力を感じることが出来ました。

【制服】
 最終学年の生徒にとっては卒業式を控えた時期になりました。入学試験もほぼ終わり進路が決定していることでしょうし、期末試験もないこの時期は、束の間のホッとした学生時代の最後の楽しい時間となります。そして新しい生活に備えた準備も同時に行っています。終わりが近づいた時期と始まりが近づき交差していますが、これは人生においても珍しい季節です。終わりを告げようとしているものへの寂しさと、これから始まろうとしている全く新しい生活への期待感が揺らいでいます。次の学校への進学のために制服を合せる姿も見掛けます。初めての学生服の試着。初めて見る制服への憧れ。そして今はダブついて似合っているようには見えない制服も、三年後の卒業を迎える時期にはすっかり馴染んで小さく見えることでしょう。

 子どもにとっては心身とも成長を続ける大切な時期です。見守る人ももう一度一緒に成長をしたいものです。温暖な地の寒い季節に珍しい雪が舞い散りましたが、成長の予感がある春を感じさせてくれました。卒業と入学準備と同じように、雪と春の予感が重なる季節は新しい時代の到来を予感させてくれます。
2月23日(土) 「意見聴取」
【意見聴取】
 平成20年度予算が提案されている県議会が昨日から始まりました。そのため本日は40人の方と意見交換するために訪問計画を立てました。しかし途中で約2時間、福祉施設への慰問活動を行ったため、結果として30人の方を訪問することが出来ました。今日も雨から雪に変わって降る中、気持ち良く応対していただきありがとうございました。

 訪問すると皆さんからの反応が良く分かります。主な意見は、道路特定財源、和歌山県の活性化に関するものでした。前者は報道の影響による要素が強く、後者は生活している中で実感していることだと感じています。特に高齢者の皆さんはこの国の行く末に関心が高く、国会中継や報道番組を良く視聴しているのです。この問題については非常に良く知っています。

 道路特定財源の与野党の主張は、どちらが真実に近いのか分かり難い様子が伺えます。道路特定財源の暫定延長を肯定する立場の人は、和歌山県の道路整備にようやく予算が回ってくる時期に廃止されると、和歌山県の道路行政が進まなくなることを懸念しています。
 一方、暫定延長を否定する立場の人は、道路予算が一般財源から切り離されているため使途が不明確で利権の温床になっていること、10年間も暫定的に延長することはさらに利権に関係する立場の人を守ることになるので廃止すべきだと言うものです。

 そして和歌山市内で生活している人は経済的に厳しい状況にあるため、ガソリンの値下げを期待している人が多いことに驚きました。首長が道路特定財源の延長を主張しているにも関わらず、です。道路の必要性、特に和歌山県にとっての必要性はこの地域で生活している人は誰でも分かっているのです。それでも首長の言い分になびいていないのは、道路予算が巨額なうえ一般財源から切り離されていることから、国民として実態を知りたいとの思いがあることと、かつて小泉総理が道路特定財源の廃止を訴えたのに今度は与党が 延長する立場に変化した理由が不明確だと思っているからです。

 つまり道路の必要性は聞くまでもないので、道路特定財源の使途の公開を求めているのです。もっと言うなら、この道路特定財源の透明性と情報開示を求めているのです。自分達が支払っている税金を不明瞭な予算にして欲しくないと思っているようです。
 皆さんの意見を伺うと、それぞれに考え方を持っていて、それは国民の義務に対して政府の誠意を求めているように感じます。いずれにしても、議論されないで議決されるよりも、国会で政策論争を行っていることで国民の関心事になっていることは良いことです。十分に議論されて得られた結果に対しては、使途に関しての監視が強まり、今よりも透明性が高まるからです。
 皆さんが期待している姿に国会が近づいていることも感じられました。県議会も頑張って下さいよ、何人もの方から声を掛けてもらいました。

【紀秀会】
 紀秀会田畑会長から連絡をもらったので事務所を訪ねてきました。先日、ご一緒した時の写真を人数分プリントしてくれたからです。実はこの会は、日本プロ野球コミッショナー代行の根来泰周氏が顧問に就任してくれている会なのです。田畑会長と根来コミッショナー代行が学生時代の同級生だったことから顧問に就任してくれているのですが、和歌山市の活性化ためにも意味のある活動だと思います。
 冬の間は活動は見合わせていますが、春になると始動しますから、今から今年の活動が楽しみです。

【慰問活動】
 意見聴取の間、午後1時から3時頃まで、福祉施設への慰問活動を行いました。今日は紀州玉三郎一家と一緒に活動しました。本日訪問したのは比較的新しい施設で、玉三郎さんは一度慰問にお伺いしたいと願っていたのです。ようやく日程調整が取れたので、本日伺うことになりました。福祉施設に行くと玉三郎さんの人気は凄いものがあります。どこに行っても観客が集まり、皆さんは舞台に見惚れています。人を引き付ける舞台を演出する力は素晴らしいものです。

 既に玉三郎さんの慰問活動は累計で890回を迎えています。目標は1,000回ですから、もう数年で達成できる範疇になってきました。
 玉三郎一家の舞踊の合間に、二曲歌わせていただきました。皆さんからの拍手や口ずさんでくれる反応は嬉しいものです。慰問活動をして良かったと思える瞬間です。
 一緒に慰問活動の機会を与えてくれる玉三郎さんに感謝しています。
2月22日(金) 「県議会開会」
【県議会開会】
 県議会が開会しました。本日から平成20年3月18日まで26日間の会期です。この後は、2月26日が本会議と常任委員会が行われ、ここでは平成19年度補正予算案の審議が行われます。3月4日から10日までは一般質問。3月11日と12日は予算特別委員会、同月13日と14日は常任委員会、17日と18日は本会議、閉会となります。

 提案された議案は、平成20年度当初予算案16件、平成19年度補正予算案14件、条例が30件、その他15件となっています。これ以外に議員提案条例が二件あります。議員亭主議案第1号が「和歌山県未成年喫煙防止条例」、議員提出議案第2号が「和歌山県防災対策推進条例」です。

 「和歌山県未成年喫煙防止条例」は、未成年者の喫煙の防止に関し、県、保護者、販売者、事業者、県民の責務を明らかにするとともに、県の実施する施策について必要な事項を定めることで、未成年者の喫煙を防止するための社会環境整備を図り、未成年者の健康保護と健全育成に寄与することを目的にしているものです。

 「和歌山県防災対策推進条例」は、防災対策に関して基本理念を定め、県民、自主防災組織、事業者、県の責務を明らかにするとともに、災害予防対策と災害応急対策の基本となる役割を定めることにより、防災対策を総合的、計画的に推進し、災害に強い地域社会づくりに寄与することを目的としたものです。

 以上の2案件が議員提案条例です。
 知事からは議案の説明と所信表明がありました。
 この中でも触れていましたが、道路に関して積極的なものがありました。「事業推進宣言の実施」なのですが、道路整備の改築に係る全箇所について完了目標を設定し、公表するものです。道路改修に関しては、何時までに終わるのか分からないものが数多くありましたが、完成時期を公表してくれることで完成時期が明確になります。生活している私達にとってはありがたいことです。

 今後の進め方ですが、平成20年4月に完了目標を設定します。小規模な事業を除いて約400事業の全てについて目標を設定しホームページで公表します。目標が明確になると、時間コスト意識を持ちますし、計画的、効率的な事業執行につながるものです。一般的に役所と呼ばれるところは、期限を設定することを嫌う傾向にあります。これは良い意味で解釈すると、地元の同意がいる仕事の場合、計画通りに進捗することは困難で、責任持って皆さんに確実な時期をお知らせすることが出来ないからです。

 今回の施策は、困難が予想されるけれども、道路行政における県民サービスのために目標を設定し公表する英断だと思います。余り報道されていませんが、公共事業改革の大きな取り組みのひとつなのです。
 また道路に関しては、平成27年度の和歌山県で開催予定の国体を目標に、近畿自動車道紀勢線のすさみインターチェンジまでの開通と京奈和自動車道の県内全線開通に向けた整備を行う取り組みも行われます。和歌山県の道路事情は全国でも遅れている方ですから、目標を明らかにすることで、事業としての見え方が出てきました。

【県政報告】
 夕方から県政報告を行いました。今日から県議会開会だったため、報告は平成20年度の当初予算の主なものと、民意と議会に関して行いました。報告内容の要約は次の通りです。
 皆さんご苦労様です。お仕事を終えてお疲れの中、お集まりいただき感謝申し上げます。丁度、今日から平成20年2月県議会が始まりました。今まで同様、皆さんのご意見を伺い、県議会に臨みますのでよろしくお願いいたします。

 さて当初一般会計予算案は5,112億円となっていますが、時間の関係で全てお伝えすることが出来ませんが、私のホームページにも掲載いたしますから、ご確認いただけたら幸いです。その中で今日は道路の話をいたします。開催中の国会でも道路特定財源の議論が繰り広げられていますが、県議会での道路問題は期限に関して特筆すべきことを紹介します。個人的には、将来に亘る道路行政を推進させる素晴らしいことだと思っていますので、皆さんも知っておいて下さい。

 それは「事業推進宣言の実施」なのですが、道路整備の改築に係る全箇所について完了目標を設定し、それを公表するものです。年度末道路改修に代表されるように、道路改修に関しては何時までに終わるのか分からないものが数多くありましたが、完成時期を公表することで完成時期が明確になります。生活している私達にとっても、働いている私達にとっても歓迎すべきことです。

 道路行政に関わらず、基本的に役所の仕事は期限を区切ることをしていません。期限を明確にすることで仕事はそれに向かいますが、期限を設定しないと納期がずれ込むことも予想されます。人は期限を設定しないと意識が働かないからです。
 今まで道路行政で期限を明確に示さなかったのは理由があります。自分の箇所だけで仕事が完結するものではなく、道路の計画、予算の設定、地権者との交渉と想定外の出来事の発生などがあるからです。そのため当初目指していた期限よりも遅れることがあるのです。期限を公表していないのは、そうした理由が複合的に絡んでいるからです。そこで今回の期限の設定と公表は、地方自治体の道路行政を今までと全く違ったものに変えてしまいます。どの道路がどの時期に完成するのか私達にも分かりますから、県関係者の仕事には、県民との約束という強い責任が発生します。公務員の仕事の基本の一つは県民との約束を守ることにありますから、道路行政を画期的に変えてくれるものです。

 今後の進め方ですが、平成20年4月に完了目標を設定します。小規模な事業を除いて約400事業の全てについて目標を設定しホームページで公表することになっています。
 さて民意と県議会に関して少しお話します。県議会は私達と、離れた議論をしているように思いますが決してそうではありません。議会臨む基本は、今日の報告会のように皆さんと直接対話をすることや意見交換をすることなのです。皆さんからの意見や教えてもらった地域の課題を調査したり、他府県の状況を調べたりして、改善すべきだと判断出来れば、議会で提案していくことになります。

 こうして個人的な意見が公的なものに変化するのです。単に個人的な意見や課題であれば、議会で取り上げることは出来ませんが、ある人に聞いた地域の課題が、別のある人に聞いても同じような課題であることが確認出来た場合、そして複数の人が同じように不具合を感じているとしたら、これは議会で取り上げるべき課題なのです。

 つまり民意が議会を形成しているのです。民意の裏付けのない提案は実現することは出来ません。県の施策とは県民の皆さんが望んでいることを実現に向かわせることにありますから、議員からの提案は民意の裏付けが必要なのです。つまり皆さんの代表として議会に送り出してもらっている議員に課題解決を託して欲しい訳です。

 行政機関の仕事はスピード感に欠けますが、間違いの少ないしものなのです。これは良い意味でも悪い意味でもあります。スピード感に欠けるのは、地域の課題を解決するための議案や提案は議会で当局と議員が議論し合って採否を決定しますから、年4回の議会ではどうしても意思決定が遅くなるのです。施策が決定したとしても、実行するためには多くの場合予算が必要ですから、予算議会となる翌年の2月議会までの時間が最低限必要となります。そのため今、提案したことが実現するためには、1年以上の期間が必要となるのです。スピード感が欠けるのは、こうした流れがあるからです。

 しかし決して悪いことではありません。議会制民主主義とは民意を、皆さんの代表者である議員が議会で意思決定することでスピード感はありませんが、間違いの少ない意思決定が可能となるのです。多くの人の意見を取り入れて議論をする、そして当局でも調査して皆さんが望んでいる施策であることを判断する、そうして施策が出来上がるのです。民意の反映を施策に取り込むために時間かを掛けて議論するため、間違いの少ない施策の実行が可能なのです。以上のように地方政治では民意と議会の関係を重視しているため、スピード感に欠けますが間違いのない施策を実現する方法が採られているのです。

 今議会は今日始まったばかりです。平成20年度の予算案に関しては皆さんからのご意見をいただき、提言して行きたいと考えています。どうかよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

【通夜式】
 夕方になって突然のご不幸事が飛び込んで来ました。泉佐野市在住のFさんが昨日お亡くなりになったのです。連絡をくれた奥さんに伺うと、1年前の1月に初めて入院した後、今週の水曜日に入院して翌日、木曜日に亡くなられたとのことです。肺に腫瘍があったと聞きましたが、今回は入院して1日でした。Fさんは奥さんに対して「退院したら散髪に行くから」と話していたそうです。余りの突然の連絡に信じられない思いがしました。
 奥さんが私にFさんの携帯電話から連絡をくれたのは、ある人から「片桐さんには連絡をしてあげて下さい」と意見があったからです。奥さんはFさんの携帯電話の電話登録から確認して通夜式当日の今日、連絡をくれたのです。県政報告会を終えた後、和歌山市から泉佐野市に向かいました。

 通夜式では奥さんにお会いすることができ、お話いたしました。「私も本人もこうなるとは思っていなかったのです」と話してくれました。そう言えば、Fさんが私に時々電話をくれていたことを思い出しました。「元気にしている。用事はないけれども声を聞きたかっただけ」といつも話してくれましたが、Fさん本人には、何かの知らせがあったのかも知れません。限られた期間の中で話しておきたかったことがあったとすれば、私にとって残念なことです。一度でも会っておいたらとの思いが湧き出てきました。親切で大きな体、私のことを気に行ってくれていた様で、度々喫茶に誘ってくれました。Fさんは仕事を辞めてからは自宅のある泉佐野市を生活の拠点にしていたため、最近はお会いすることはなかったのです。再び会えないことになると分かっていたら、何があっても走って行ったのにと思いますが、叶う筈はありません。
 会える時に会っておく、出来る時にやっておくことが活動の基本であることを改めて思い知らされます。
 心よりご冥福をお祈りいたします。
2月21日(木) 「県予算」
【企業立地】
 企業立地に関しての話し合いを実施。大阪でこの辺りの事情に詳しいお二人が来てくれました。体感としては、和歌山県は遠いこと、企業関係者は工業用地に水がないことを知っているので、他地域と比較した結果進出をしていないことも指摘してくれました。県民性の違いなども含めて指摘していただき、今後の活動に向けて参考になりました。

【県予算】
 平成20年度の和歌山県予算案の説明を伺いました。一般会計予算案は5,112億円で対前年度比67億円、率にして1.3%の減額となっています。歳入の20.7%を占める県税は1,058億円。前年度より41億円増加しています。製造業が好調で法人二税が325億円で対前年度比と27億円増加となっています。県債は国が新年度から地方に分配する地方再生対策費の約30億円分を見込み16億円増加の781億円の発行。平成19年度末の県債残高は8,159億円となる見通しになっています。

 歳出に関しては人件費が1,617億円。給与カットと職員定数の削減で対前年度比49億円の減少です。政策的経費は2,726億円で対前年度比33億円の減少。また事業の廃止と縮減、外部委託などで295件を見直し21億円の節約しています。

 各部局の主な事業を記します。
和歌山県インターネット放送局開局事業、2,720万円。県の情報テレビ番組「きのくに21」「知事定例記者会見」「地域からの情報」の3つを核とした映像を動画で配信する事業です。

市町村振興資金事業、約15億円。市町村の財政健全化と公立病院の経営健全化のための低利資金貸付を行うもので、利率は0.5%の見込みです。現在、和歌山市から依頼が来ていますが、現時点では正式に貸付を決定している訳ではありません。過去、湯浅町に貸付を行った実績があり、和歌山市に適用するとなると、それ以来のことになります。

カジノ・エンターテイメント誘致可能性検討、200万円。今国会で提案されるかもしれないカジノ・ゲーミング法の法制化の動きに対して、誘致の可能性を検討するための講演会や県民意識調査を行うための予算です。

温室効果ガス排出抑制対策、2,280万円。ESCO事業の促進、太陽光発電の家庭用導入推進、アイドリング・ストップの推進などに活用します。

動物の愛護・適正管理の推進、約79万円。和歌山県動物愛護センターでは、年間捨て犬1,500頭、捨て猫3,500頭の処分が行われています。これを防止する取り組みとして、動物愛護推進員を委嘱して、動物の愛護と適正管理に務めるものです。

NPO法制定10周年NPOフェスタ、400万円。NPO法人が主体となるフェスタを実施する計画です。

がん対策推進、5,791万円。がん死亡率の減少を目指したがん検診率向上のための施策です。

中心市街地活性化支援、740万円。中心市街地活性化法に基づき実施するハードとソフト事業に対する補助予算です。

優良産品振興、約200万円。優良県産品の推奨とPr活動のための予算です。審査会を通った優良産品を県ホームページやパンフレットで紹介し販売促進につなげるものです。

企業活動継続支援、249万円。災害発生時に備えた中小企業の事業継続計画(BCP)の県版ガイドラインを策定します。

きのくに市民性教育推進事業、1,000万円。「地域共有コミュニティ」を各市町村に設置して、学校、家庭、地域、各種団体で教育課題解決に向けて取り組みを行うものです。

和歌山を元気にする職場体験事業、約1,060万円。子ども達へ望ましい勤労観や職業観を身につけてもらうために、公立中学校で5日間程度の職場体験を実施するものです。

ふるさと「わかやま」まるごと体感支援事業、約952万円。ふるさと学習副読本の改訂とふるさと学習推進を行います。

【県事務所】
 和歌山県の外国での事務所設置の可否に関して懇談を行いました。中国勤務の経験があり、現在和歌山市内で生活している方から、中国現地事務所の必要性に関しての提案があったものです。早速、県の所管部の職員さんと一緒に訪問して意見交換と今後の対応について約1時間30分話し合いました。
 この話し合いは、地方自治体と民間が協同した国際交流に関してのもので充実した内容でしたから、改めて記載したいと考えています。

【懇談会】
 明日からの議会に備えて県議会会派メンバーで懇談会を行いました。明日予算議会となる県議会開会ですから、勉強会などを行っているところです。
2月20日(水) 「雅楽」
【紀州徳川家】
 和歌山市内に紀州徳川家の文化財を初めとする文化財を保有している方がいます。県博物館の学芸員の方と一緒に見学に伺いました。甲冑や刀、屏風や掛け軸などが博物館のように揃えられていました。文化財の保管にはお金と設備、そしてそれに関わる時間が必要ですから個人で所有し続けるのは簡単ではありません。ですから、個人が所有している貴重な文化財を、ご厚意で拝見させていただける貴重な機会となりました。
 ところで最近、日本の文化財が国外に流出している場合があると伺いました。比較的高価な文化財は外国の日本文化への関心から、オークションなどで国外に流れる事例もあり、関係者は貴重な文化の流失を懸念しています。当たり前のことですが、日本の文化を守るに際しても予算が必要なのです。

【雅楽】
 平成20年3月9日、和歌山市内で雅楽のコンサートがあります。毎年開催していますが、今年のテーマは「源氏物語」です。主催者の方と話しましたが、雅楽と古典との融合は初めての取り組みだそうです。毎回、古典の読み込みに時間を費やしていますが、意味を理解するのは難しいそうです。古典を読むには時代背景を知る必要があり理解するのは容易ではありませんが、音楽を新しい分野に昇華させるための取り組みをしています。練習風景を伺うと大変なことが分かります。

 それでも今年は序章で、大作「源氏物語」の第二弾、第三弾へとつなげて行きたいと抱負を話してくれました。地方都市にいると古典の解釈や読み方を学ぶ機会が少ないので、理解して表現するのは思った以上に困難を伴うのです。
 地方都市から発信する雅楽と古典を組み合わせた演奏会。今年が初めての機会ですが、継続することで地域の音楽文化が発展することを期待しています。

【ブルネイ】
 昨年末にブルネイを訪問した和歌山県内のNPO法人青少年国際福祉教育協会の皆さん。和歌山県のNPO法人がブルネイ大使館を訪ねたのは初めてのことだと思います。
 知事への報告のためにNPO法人の代表と副代表が仁坂知事を訪ねたのです。仁坂知事の前職はブルネイ大使でしたから和歌山県との関係は深いのです。そのことがあって、和歌山県のNPO法人がブルネイの訪問を歓迎してくれたのです。国を超えても大切な要件に人脈は大切なのです。
 聞くところによると、日本人は世界の国の人から好かれているのですが、押しが弱いので外交面では苦戦を強いられているようです。ブルネイと和歌山県では国と県で立場の違いがありますが、これを契機にお互いに観光交流や学生の交流機会を持つことも考えられますから、NPO法人のブルネイ訪問を契機として、さらなる交友関係の構築を図りたいと考えています。

【その他の活動】
 電波障害対策について。企業進出情報の確認について。本日の確認においては和歌山市内への企業進出に期待しています。

【ライオンズクラブ理事会】
 夜にはゴールドライオンズクラブ理事会に出席し、次回例会の議事の確認などを行いました。本日は嬉しいことに新会員の承認も認められました。そして早いもので、次年度の理事体制についても決定する時期が近づいてきました。社会奉仕活動とお互いの懇親を深められる活動を強化することにしています。
2月19日(火) 「約束の履行」
【懇談】
 昨日懇談した企業の方と朝からミーティングを行いました。和歌山市への企業立地に関しての打ち合わせです。今朝は、日頃から何度も顔を合しているのに初めて懇談の機会を持ち、ご一緒した方がいます。不思議なもので、一度でも顔を合わせて話し合う機会があるとお互いの親近感がさらに増すものです。喫茶での懇談や一対一での話し合いは、信頼感を醸成するために、思っている以上にとても大切なものなのです。

【約束の履行】
 和歌山県の河川の水質を良くするための打ち合わせを行いました。全国では早くから河川の浄化活動が行われていますから、その取り組みのノウハウを和歌山県に導入したいと考えています。和歌山県の民間から東京の関係者に協力を求めたところ、河川の環境保全の取り組みを民間で真剣に行うのであれば協力すると、快諾してくれました。

 日頃は電話やメールで連絡体制を取っているのですが、肝心な場面では顔を合せることが大切だと考えています。顔を合せることで意思疎通が図れますし、信頼感と安心感をお互いに確認することが出来ます。つまり直接お互いの顔を見ることだけでも信頼感が醸成出来るのです。仕事を進める上で最も大切なことは信頼感です。信頼感のあるメンバーで仕事を進めることで大きな成果を得ることが可能ですが、そのためにも顔を合せることが肝心なのです。同じ内容の確認作業でも、メールや電話と直接顔を合せることでは、お互いの理解の程度は全く違います。ですから、やはり重要な局面においては顔を突き合わせることが大切なのです。

 さて、河川の浄化の対策だけではなく、新しいことを学ぶ側の立場にある人は教える側の立場にある人に、日時や時間、場所などを合わせる必要があるのです。学ぶ方が教える側に合わすのが普通です。ところが最近は、教えてもらう側の人の都合で会合の日時などを合わす傾向があります。お客さんや利用者の立場が強くなっていることは理解出来ますが、学ぶ立場にある人が教える人に師事すべきなのです。

 そしてもうひとつ大切なことは約束の履行です。約束を履行することで信頼が積み重なります。信頼は見ることが出来ませんから、それを確認するためには小さな約束を守ることから始めるべきなのです。例えば約束の時間を守ること。もし約束の時間に遅れる状況になったとしたら、携帯電話などから相手に遅れる旨の連絡をしておくことです。そういった意味からも、約束の履行は信頼感を醸成するために大切なのです。

 英国では約束が重視されているそうです。アポを守ることがお互いの信頼を確認する方法なのです。英国の歴史において、社会が乱れて約束を違える人が増えてくると決闘に発展して行きました。そのことから英国では決闘罪が条文化されたと聞きました。紳士と淑女の国においては、それほどアポ、つまり約束を守ることが大切だとされているのです。
 信頼関係は何を基準にするのか。それは約束を守ることなのです。

【シャンソン協会総会】
 和歌山シャンソン協会の総会が開催されました。今年7月に予定している和歌山巴里祭で10周年を迎えます。協会関係者のご努力とシャンソンを愛する皆さんのご支援のお陰で長く継続して来られたのです。これまでの全てのことに感謝しながら、次年度のシャンソン協会の活動方針樹立と、これからの取り組みについての総会が開かれました。

【情報交換会】
 夕方からは和歌山県内の企業立地や事務所増設などの動向に関して情報交換会を行いました。和歌山県を活性化させるためには、やはり経済活動がカギを握っています。地元の企業が元気になることが地域を元気にしてくれるのです。
2月18日(月) 「環境対策」
【県外交】
 国で言うところの、和歌山県の外交に関して打ち合わせを行いました。和歌山県の存在意義を増すためには東アジア戦略が不可欠です。東アジアからすると和歌山県の存在を知りませんから、こちらから働きかけないことには交流の機会を作ることは叶いません。観光交流から始まって物流での交流、そしてお互いが利益を享受できる経済交流まで発展させたいと考えています。

 東アジアで言うところの和歌山県の姉妹都市は中国山東省ですが、交流してメリットのあるところとは交流機会を持ちたいところです。中国政府は中国東北部に対して経済発展の期待を込めていますから、東北三省との交流を深めたいと思うばかりです。
 対外国諸国との関係、そして外国と和歌山県の外交に関して、可能な限り友好提携を行って欲しいところです。和歌山県と中国は距離でも移動時間でも至近距離にありますから、他府県よりも比較的優位の立場にあります。今の機会を生かさない方策はありません。
 条件さえ整えることが出来たなら、県としての外交を進展させたいと考えています。

【環境対策】
 平成20年度の予算案が出揃いました。注目を集めているのは全国で初めてとなる家庭用太陽光発電への助成です。予算は2,000万円ですが、全国で初めての太陽光発電システム普及のための財政出動を行います。

 家庭での太陽光発電の普及促進のための予算は2,000万円、内訳は20万円の補助を100件の家庭に対して行うことにしています。和歌山モデルですが、今回の予算措置太陽光発電システムの普及を図ることが出来たなら、全国に水平展開も可能となります。何故なら、和歌山県の施策ですが予算の半分は国からのものだからです。

 国が行ってきた太陽光発電システムに対する補助施策は平成17年度をもって打ち切っています。その影響もあると思いますいが成18年度以降、家庭用太陽光発電システムの普及は鈍化しているのです。和歌山県の実績では最高で年間700件の太陽光発電システムの設置がありましたが、平成19年度推計では300件から350件の設置に限定されています。つまり最盛期の半数に減少しているのです。

 和歌山県の新しい施策が全国で初めてと評価されるのは理由があります。今まで太陽光発電システムを導入した場合、佐賀県や滋賀県でも補助金を支出する施策がありましたが、普及増につながっていないのです。その理由は実績ベースで評価して、後払いになっていることが要因だと考えられます。太陽光発電システムを採用しても、県からの補助金支出は実績が出た後の1年後になっているのです。ところが太陽光発電システムを導入した家庭にとっては初期コストを低減したいため、直ぐに補助金が欲しいのです。

 その不具合を解消するために、和歌山県では実績ベースではなくて机上ベースで支払をすることにしているのです。家庭において年間の太陽光発電による自家消費分の電気代を約4万円と見込み、太陽光発電システムを5年間活用するとして、4万円×5年間で20万円を和歌山県の施策として家庭に支払うのです。実績ベースではなくて見込みで支払うことにしている点で全国初のケースですから、環境先進県を目指す和歌山県にとって大いなるPRとなります。参考までに太陽光発電システムの減価償却の期間は10年ですから、和歌山県が5年分机上で見込んでも全くおかしくはありません。

 日照時間において高知県と宮崎県と並んでいる和歌山県ですから、太陽光発電システム普及のための施策を講じることは的を射ているものです。
 そしてもうひとつの特筆すべきことは発電単価が高いことです。現時点において家庭における太陽光発電システムによる発電量の余剰分は、関西電力が23円で買い取っています。ところが和歌山県では40円から50円で評価することにしているのです。
 これは環境価値を評価してのものです。つまり県としては補助施策ではなくて、太陽光発電システムを採用したことに対する環境価値を評価して県費を支出しようと考えているのです。要約すれば、太陽光発電システム採用の環境価値を高く評価していることになります。

 具体的な施策は要綱を策定した以降になりますから、平成20年4月1日以降に太陽光発電システムを設置した家庭に対しての施策となります。要綱が出来てからの募集開始となりますから実質的には5月以降となります。
 募集開始は5月以降となりますが、対象家庭は平成20年4月1日以降に太陽光発電システムを設置した家庭となります。予算は2,000万円ですから、一件当たりの補助金を20万円とすれば100件の家庭が対象となります。予算枠が決まっているため、募集開始した後、100件の枠を超えたなら抽選となります。対象となるのは新築以外にも中古住宅を購入して太陽光発電システムを採用した場合も含まれます。
 参考までに和歌山県内で太陽光発電システムを採用している家庭は、平成17年度末で約3,500戸。平成16年度の日照時間は2,280時間で全国平均よりも230時間も長くなっています。全国に誇れる制度設計をして欲しいものです。

【その他】
 京奈和自動車道に関して。平成27年の和歌山県での国体開催までに間に合わせたい意向があります。和歌山県の新施策、家庭用太陽光発電システム設置に対する環境価値に対する補助施策に関しての打ち合わせ。県営住宅の管理に関して。和歌山市における外国人登録に関しての要望などについて話し合いを行いました。
2月17日(日) 「意見交換活動その2」
 最近の和歌山市の冬は雪が降らないのですが、今年は良く雪が降ります。今日も雪が舞い降りました。温暖な和歌山市の雪の風景は、以外と絵になるものです。雪の中、約50人の皆さんのところを訪問させていただきました。気持良く応対していただき、ありがとうございました。

Mさんからの意見です。厚生年金に関しての意見がありました。年金から引かれる金額が増えているため、受取額は年々減少しているような気がしています。長年働いて支払ってきたのに現役を引退した後の扱いに対して厚生労働省への不信感が高まっています。今なお、年金問題が国会で議論され続けていることも不信感を招く原因となっています。年度末までに全て照合すると政府は述べていたように思いますが、現状では難しい様に感じます。
 私の場合、企業年金があるから生活出来るものの、厚生年金だけでは生活は厳しいことを政治家は知ってくれているのか疑問です。このことからも国会議員への不信感を感じています。もう入れ替える時期に来ていると思うので、政権に関しては国民の判断に委ねて欲しいと思いっています。

Kさんからの意見です。国会で道路特定財源の問題が議論されていますが、生活している立場からすると燃料の値下げを望んでいます。政治家の皆さんは、自営業者の生活は本当に厳しいことを知らないのではないでしょうか。普段通りの日常生活を過ごす分には何とか耐えられるとしても、怪我や病気をすると生活に窮することになります。これでは安心出来る国家とは言えないと思います。年金不信に道路特定財源の延長問題など、主権者不在の政治はしないで欲しいものです。公共工事の談合をなくせば道路建設費用は今よりも安価に仕上がる筈ですから、予算の見直しから初めて欲しいところです。

 今回行っている意見交換では、以外にも道路特定財源の10年間延長を歓迎していない声が多いのです。

Tさんからの意見です。一人暮らしになると一人で家事も行うため、社会との接点が少なくなります。昔のような付き合いが減りました。最近は飲食街も賑わっていないと聞きます。働く場所が少なくなっていますし所得も減少傾向にあることから、可処分所得が減っていることも原因だと思います。生活に余裕があると付き合いも出来ますが、生活が厳しいと飲食費などを削ることになります。消費が減少すると地域から元気がなくなるのは当然のことです。こんな簡単な社会のしくみを理解して欲しいものです。生活者が消費しないと地域活性化も図れないのです。

Nさんからの意見です。県議会が始まるとテレビの県議会放送を楽しみに見ています。市議会時代から引き続いて元気に活動してくれている様ですね。県議会になると活動する地域も範囲も広がっているようですね。私達の代表として私達の意見を議会に反映させて下さい。
 要望は企業誘致を図ってほしいことです。シャープが来る堺市は活気付いていると聞きます。尼崎市や姫路市も工場立地で同じように活気付くと思いますが、和歌山市でも同じような状況になって欲しいところです。若い人たちの働く場所をつくってあげて下さい。和歌山市の財政問題の解決や地域の税収確保のためにも、企業誘致と地元での雇用確保が不可欠です。
2月16日(土) 「意見交換活動」
 本日も朝9時から夜まで約40人の皆さん宅を訪問して意見交換を行いました。寒い中でしたが、訪問した先の皆さんが歓迎してくれたことに感謝しています。本日いただいた意見には次のようなものがありました。

中心市街地の活性化に関して。フォルテワジマが開店して明かりが灯っていることを嬉しく思っています。関係者の努力は大変なものがあるでしょうが、和歌山市再生のための数少ない具体的な取り組みなので応援したいと思います。でも民間が主導すると構想が具体化するものですね。地域に企業やまちづくりに協力的な事業家がいると元気になりますから大阪や名古屋が元気なのも頷けます。和歌山県もフォルテワジマに続く事業家が登場して欲しいものです。

温泉施設について。寒い冬なので和歌山市内でも温泉施設があるのは嬉しいですね。どことも賑わっていると思います。更に温泉施設が増えると聞いていますが、冬だけではなく年中、そして家族で行っても楽しめる総合的な温泉施設が来て欲しいものです。
 総合的な温泉施設が和歌山市にあるとすれば、他の地域からもお客さんを呼び込めると思うのですが。温泉も地域活性化のキーワードになると思います。

会社を定年となってから暫く経ちますが、会社にはいかなくなりました。会社への愛着は変わっていないのですが、人が人事異動によって随分と変わっているので、知っている人は少なくなったことから職場に入り難くなりました。個人情報保護の観点も理解していますが、OBも入れないような会社では寂しいですね。OBも会社を離れた後はその会社にとってはお客さんなのですから、大切な存在だと思うのです。人を大切にする気持ちをもった会社であり、従業員であって欲しいと思います。

和歌山市を流れる紀ノ川は誇れるものです橋本市から加太まで、その流れを一望できる場所が和歌山市内にありますが、そこからの眺めは素晴らしくて和歌山市の美しさを感じられます。作家、有吉佐和子さんの小説「紀ノ川」を思い出させてくれます。今も変わらない紀ノ川の流れはこれからも絶えることなく、将来においても和歌山市の象徴であって欲しいものです。そのためにも水質の保全をして欲しいと思います。昔よりも川の水は濁っているようですが、和歌山市に暮らす私達にとっては命の水ですし、いつまでも和歌山市にとっての母なる川であって欲しいと願っています。

今日の夕方はかつての新入社員と懇談会です。彼らも今では中堅社員として職場の中心的存在に成長してくれているようです。そして、いつまでも懇談会の機会を設定してくれて私を呼んでくれるのです。私のように年を重ねると伸びしろは少なくなりますが、若い人や中堅の人が成長することで企業も成長していきます。後を託すことの出来る人材がいてくれることは安心です。いまでは企業は人と言われる理由が良く分かります。

 例えば企業価値を増強させるためのM&Aは今も変わらず流行していますが、買収する側からすると企業を支える人材を評価しているのです。建物や保有する土地などの資産の価値もあるのでしょうが、優れた製品を生み出す技術者や営業の人脈をより評価しているのです。人材が将来の価値を生み出してくれることを知っているからです。

 企業から必要な人材が去られたとすれば、企業の価値は低下します。製品を作るのに欠かせない個人の技術や、この人だから信頼して製品を購入すると言ってくれるお客さんを抱えた営業担当などがM&Aによってその企業を離れるとすれば、企業として製品を生み出す価値は確実に下がるのです。
 人を大切にすること。そのことが企業価値を守ることになるのです。

 皆さんからお聞かせいただいた意見を大切に考えています。地方議員の活動の原点であることは間違いありません。
2月15日(金) 「コスモパーク加太」
【中心市街地】
 久しぶりに和歌山市中心市街地の現状に関して意見交換を行いました。昨年末からフォルテワジマを初めとする中心市街地が活性化していることが市内の話題になっていることは嬉しいことです。そして今年3月のフォルテワジマ第二弾のオープンが期待されています。2階以上のフロアが開店することによって新たな購買層が増えることになります。どのような店舗作りになるのかは市内の関心事ですから、来る3月の第二弾のオープンが楽しみです。フォルテワジマとフォルテワジマ十番丁ビルのオープンに関しての話し合いをしましたが、フォルテワジマの開店以降、中心市街地のことが何かと話題にあがっていますが、このことは歓迎すべきことです。
 フォルテワジマ第二弾のオープンに備えての企画と準備が、関係者の皆さんが着々と進めていますから今春の和歌山市中心市街地に期待しています。

【懇談】
 スカイタウンつつじが丘に関して。元気な中部地域と関西地域の比較について。和歌山県の特産品の売り出し方に関しての打ち合わせなどを行いました。
 県産品を育成し全国に拡げるためのセールスプロモーションが県行政のひとつの役割でもあります。和歌山県が誇る他府県よりも優れている産品の中で、全国的には知名度もないことや流通していないものがあるとすれば、それは資金調達、人材、そして売り出し方法が整っていないことが原因です。

 設備投資や運転資金の調達に関しては県と金融機関の役割です。しかし現状では、圧倒的に資金量が不足しています。そして人材に関しては、地場産業が望む人材が地域に少ないことも挙げられます。理由は簡単で、若い人には大都市志向があり、大企業志向があり、そして地域に留まっていては自身が将来の可能性を感じられないことなどです。裏を返せば、和歌山県に安定した大企業があり、都市計画がしっかりしていて、そして地域の将来性を確信しているなら、和歌山県は今よりも数段栄える筈なのです。県産品を全国に向けて売り出すことは商品を売りだすのではなくて、和歌山県の人材と企画力を売り出すことに他ならないのです。
 平成20年4月から、和歌山県の地場産品の新しい売り出し方法が確立されることになります。但し、和歌山県産品の募集は6月から、審査を経て県の認定を受ける時期は早くても平成20年9月になりそうです。和歌山県産品を県外消費地に強力に売り出すための改革が始まっています。

【コスモパーク加太】
 他府県に勝るとも劣らない和歌山県和歌山市の工業用地のひとつに、コスモパーク加太があります。大型工場立地により大阪湾岸の工業用地が埋まってしまった現在、関西地域でまとまった工業用地があるのは和歌山県だけです。本日は進出を希望される大阪市内の経営者が訪ねてくれました。コスモパーク加太と和歌山市の直川用地に関して説明を行った後、コスモパーク加太に向かいました。冬のこの場所は風が冷たいのですが、視察に訪れた経営者は熱心に質問と現状確認をしていました。
 進出するかどうかは現時点では分かりませんが、何かと企業立地に結び付けたいものです。コスモパーク加太に関して和歌山県知事は、住宅用地としての活用以外でも、用地活用に関しては多様化しても良い考え方を示していまいす。

【懇談会】
 夜は県内各地の友人達との懇談会を行いました。経済的には県内の動きが少ない、特に紀南地域の経済活動は停滞しているようだとの感想を話してくれました。
2月14日(木) 「意見交換」
【観光、環境など】
 国際交流、観光施策、文化振興、環境問題などに関しての意見交換を行いました。本日のお相手はTさんで、通訳を中心に各分野で熱心な活動を行っています。外国との観光交流を図るためには民間の通訳ボランティアは欠かせない存在です。伺うと和歌山県には外国語が出来る人材が豊富で、平成20年夏に大阪で開催された世界陸上のフランスチームのキャンプ場となった和歌山市ではフランス語が話せるボランティアが60人も集まったそうです。他にも各国語が堪能な人がいますから状況に応じて支援する体制も作ろうとしているようです。和歌山県には中国やアメリカ、フランスなどを中心に観光客が訪れてくれていますが、お迎えする私達としても、外国人の要望に応えられる充実した旅行プログラムの提供と共に、各国語で案内出来る体制も必要です。観光立県和歌山県に向けて観光と通訳者が協働できるしくみも考えたいと話し合いました。

 Tさんは、環境問題に関しては家庭で取り組むべき問題と行政機関が取り組む問題に仕分けして、家庭でも環境を守るための取り組みに責任を担ってもらうことから啓発したいとしています。地域の環境を守るためには行政力が必要ですし、家庭から環境を守るための具体的行動が欠かせません。地域の環境を守るのは行政機関の仕事だと思っている限り、地域の河川などの環境は保護出来ませんし、環境コストが増大するばかりです。結果として環境に対する予算が増え、教育や福祉、今話題の道路に回せる予算が減少することになるのです。毎年の予算が増加している状況であれば予措置は大丈夫ですが、今の和歌山県の地域経済からするとゼロサムの状況以下ですから、何かの予算が膨らむと何かの予算が削られることになるのです。家庭が環境に気をつけた行動をすることで行政機関の環境コストは削減出来ますから、巡り巡って私達の生活が安心と安全につながるのです。
 
【防災力】
 大災害に備えて地域の防災力を高める必要があることは皆さんの共通認識です。先月、岸和田市で開催された防災講演会に参加した和歌山市在住の方は、もっと和歌山県の人にも聞いてもらいたい内容でしたと話してくれました。講師は京都大学防災研究所の河田恵昭巨大災害研究センター長でした。河田教授からは、巨大地震では倒壊を防ぐことは難しいことの指摘があった上で、「一瞬にして家具が倒れるのを防ぐことで、倒れるまでの数秒を稼ぐことが生命を守れるかどうかを左右する」と話してくれたそうです。巨大災害では、揺れた後の数秒が生死を分けることがあります。

 逃げるための数秒を確保するために防災対策、特に室内対策が必要なのです。ただ室内対策が進まないのは、いつ襲ってくるか分からない数秒の危機のために投資する必要性を感じないからです。私達が投資する判断をするのは、生活で直ぐに必要なものから優先順位を付けます。今すぐ必要でないもので先送り出来るものには投資をしません。使うか使わないか分からないものに投資する判断はしないのです。将来必要になると分かっていても、今必要としないものにも投資しません。必要な時期になった購入しても何の問題もないからです。

 室内対策も良く似た性質を持っています。今すぐの必要性を感じませんから投資する順位は低くなります。一般的に日常生活では、食糧、光熱費、税金、衣服などが上位に位置し、新しい電気製品を揃えることや什器類は下位になります。室内対策費用や防災対策用の器具はそのさらに後です。ですから室内対策や防災器具に今すぐ投資を行おうと考える人は極めて少ないのです。室内対策などの費用と、そこから享受する利益を比較すると、コストパフォーマンスが良くないと判断します。

 ここで考えるべきことがあります。危機から生命を守るための備えは、コストパフォーマンスでは決して図れないことです。室内対策に費用をかけないと、大災害時に生命の危機に陥る確率は高くなります。お金と生命を比較すると生命の方が大切だと判断する人が圧倒的に多い筈です。全てと言い切れないのは、先日、お金と生命のどちらが大切ですかとの問いに対して、「生命よりもお金です」と答えた人がいたからです。この意味は、お金を奪われたら今の生活を維持出来ないため、今の生活が生命よりも守りたいものだとの思考からです。豊かな生活は人の考えも変えてしまう危機を感じる事例ですが、大抵の人は生命の価値を第一と考える筈なのです。元来、災害から生命を守ることは費用では計れないものなのです。防災対策は意識を変えることから始めなければならないので、先が長い活動になるのです。

 せめて地域としての防災力を高める啓蒙活動を行うと共に、行政機関には地域で暮らす私達の生命を守っている自覚を持って、自らの生命を安全な環境に置くための投資をして欲しいものです。誰も、公務員だけが職場の防災対策をして怪しからんと思わない筈です。何故なら、大災害時に私達の生命を守ってくれるのも、避難所生活を支えてくれるのも、直接的には地方自治体の職員さんだからです。その身を守るための職場環境を整えることは当然のことだと考えます。

【その他の活動】
 県の新しい長期総合計画の修正について。平成20年度予算案について。地域特産品の取り扱いについて。まちの活性化対策について。まちづくり三法の精神について。サブプライムローンの問題について。などです。
2月13日(水) 「意見交換会」
 朝5時起きで東京に向かいました。いくつかの懇談を予定していたので夜11時に帰るまで意見交換を図りました。

企業誘致について。東京から見ると和歌山県の存在感は残念ながら余りありません。「和歌山.Where」の感じがあります。言うまでもなく多くの県が企業誘致活動を行っています。ある県では県内に工場立地をした場合に期間限定ですが電気代の半額を補助するところがあったと思えば、別の県では電気代の約80%を補助するところも登場しています。製造業にとって電気代の低減は重要な課題のひとつだそうです。

 ある企業進出のお手伝いをしている方は、企業進出を図るための最低限の条件を話してくれました。ひとつは土地の価格です。坪当たり5万円が上限で、それ以下であることが好ましいのは言うまでもありません。地方都市でこれ以上の単価が設定されていると、進出の検討は難しいようです。

 ふたつ目は人材確保です。業態によって戻る人材は違いますが、進出先で雇用を行いますから地元雇用で人材確保が可能かどうかも市場調査対象となります。年齢構成や求める人材が居住している地域であるかを調べます。

 みっつ目は工業用水を引けるかどうかです。和歌山市の場合は工業用水がないと評価されていますから、この点では厳しい評価です。
 以上は企業誘致を行っている地域としてはクリアしたい条件です。

 地方に元気がないのは当たり前のことです。企業がないと働く場所はありませんから、どうしても若い人を中心に他の地域に移転されてしまいます。また企業がないと人材が流失してしまいます。若い人と人材が地域からいなくなると、当然ながら地域は停滞します。
 そんな条件の地域が都会に勝ることは至難の業です。企業の立地いる地域を目指すことから地域づくりが始まると言っても良いと思います。

企業の存在について。地域に企業がいてくれることは地域活性化と将来の発展に関して意味を持っています。企業の少ない地域に元気がないことからも明らかです。国にとっても同じで、大企業が生産活動を行った結果、税金を支払ってくれているので国の経済活動が成り立っているのです。上場している大企業は税金を支払っていると思いますが、今日の懇談の中では、それ以外の企業の約70%は赤字決算のためで税金を支払っていないとお聞きしました。

 つまり大企業への風当たりは大きいのですが、大企業が経済活動の中心であることは事実ですから、そのことを認めた共存を図る必要があります。大企業や富を生み出している層を批判した国の発展は歴史上ないそうです。批判とは、それらの層に対する課税強化も指しますから考えるべきです。
 例えば、大企業の本社が国外移転さてしまうとダメージを受けることを考えるだけでも明らかです。特に多国籍企業の場合、一国の経済を上回る利益を上げている企業もあり、絶対に無視できる存在ではないのです。生産活動を通じて富を生み出してくれていることや、従業員の雇用を図ってくれている大企業は歓迎すべき存在ですし、地方にあっては地域に存在してくれていることを歓迎すべきなのです。

 私達は、地域において賃金やその他の条件が地域の平均値を上回っている企業が、地域のレベルを突出しているからと言って平均値に下げるような圧力をかけてはいけません。大企業の諸条件が平均値に近づくと言うことは、地域の平均値を下げることに他ならないのです。大企業の諸条件が下がっても地域の平均値は上がる筈はなく、更に下げることになりますから、地域の消費活動はより停滞することになります。
 地域に大企業が存在しているだけで地域貢献をしていることを認めるべきなのです。

アメリカ大統領選について。アメリカ民主党の大統領候補、ヒラリー・クリントン氏とバラック・オバマ氏の予備選は激しさを増しています。どちらが勝ってもおかしくない状況ですが、少しオバマ氏に流れが出始めました。きっかけはヒラリー氏が、予備選で財政難に陥ったことを発表し、私財5億ドルも投入したことが発言にあったからです。5億ドルを日本円に換算すると約500億円ですから、私財500億円もある候補に国民が反発するのは当然のことです。広く薄く全米から資金を集めているオバマ氏が支持を集め出したのは分かるような気がします。

 ところが大統領選となると様相は違ってきます。民主党候補選びが注目されているように思いますが、これは報道によってそう感じるだけです。実際は既に共和党候補として決定しているマケイン候補と、民主党のヒラリー・クリントン候補かバラック・オバマ候補との戦いとなります。

 その場合、白人男性対白人女性の戦いになるか、または白人対黒人の戦いとして注目されるようになります。日本人の感覚では分かりにくいのですが、米国の感覚としては、相当違いがあるようです。両者を比較した場合、変革を阻止する動きが始まり、一方に票が流れることは十分予想されると聞きました。米国初の瞬間を目撃したいのですが、時代を変えるのは簡単ではなさそうです。
2月12日(火) 「植物工場」
 京都市北山に植物工場フェアリーエンジェルがあります。ここはニューアグリの先頭を走っている会社です。何を生産しているのかは、同社の社是と経営理念を見ると理解出来ます。
 社是は「お客様に心と体の健康を」
 経営理念は「農業の工業化によって安心・安全な高付加価値野菜と果物を安定供給し、その普及によって社会貢献する(体の健康)。花とレストラン事業を通じて癒しと安らぎの空間と時間を提供し、高付加価値野菜の啓蒙と普及を進める(心の健康)」となっています。

 これまでは植物工場によるビジネスの成功事例はありませんでした。しかしフェアリーエンジェルの江本社長は食糧危機への懸念から自分でこの分野に進出を図ることを決意しました。2002年のことで、三年間の準備期間を経て2005年に起業したのです。企業してから三年間でこの分野のトップ企業になろうとしています。確かなことは、この分野でトップ企業になる時期は平成20年夏頃だと思いますが、その理由を説明します。

 現在の京都市北山にあるエンジェルファーム北山は年産約7万株で一日200株の出荷が可能です。千葉県野田にあるエンジェルファーム野田は年産約150万株で一日4,000株の出荷が可能です。現在、福井県美浜町で建設中のエンジェルファーム福井は敷地面積4,200坪、平成20年7月に竣工を予定していますが、この植物工場の規模は年産約300万株で、一日当り8,000株から10,000株の出荷を予定しています。福井工場竣工後、わずか36日から40日で最初の出荷が出来るのです。この福井工場の規模は野菜工場としては日本最大で、三工場合わせた出荷量では日本一になることが確実となっています。
 さらに平成21年にはエンジェルファーム福井二期工事に着手する計画があり、この工場が完成すると植物工場の規模は拡大します。

 さて植物工場ビジネス成功のカギは二つです。
 ひとつは生産の壁を突破することです。水耕栽培と生産管理が完全工場化出来たとしても、農業マインドがないと成功することは叶いません。農業経験者が工場に入ることで良品生産が可能となるのです。お客さんに評価される野菜(味と栄養価とサイズなど)を継続的に栽培できる技術を確立すればこの壁を突破することになります。しかし生産の壁を突破して品質の良い野菜を生産する体制が整っても、採算の取れる価格でお客さんに買ってもらう必要がありますが、先発した企業はこの段階で失敗してきたのです。

 ですからふたつ目は、販売の壁を破ることです。農産物の販路を創り出し採算の取れる収益モデルを確立することです。植物ビジネスの進化は、良品を継続的に作ることから始まり、農作物の採算が取れる販路を確立、つまり高付加価値野菜マーケットを創造する段階に進みます。次のステップは潜在需要を掘り起こすための、プラントビジネスの国内展開に進みます。最終目標はプラントビジネスの海外展開です。世界の食糧問題と環境問題の解決に向けた取り組みに仕上げることです。

 現在の食糧事情が将来とも継続する保証はどこにもありません。現在の農業手法は先人が築いてくれたものを私達が享受しているに過ぎないのです。遺産を食い潰すのではなく、それを基にして現役世代が未来に伝えたい農業手法を構築すべきなのです。
 若い人たちが農業に魅力を感じて参画してくれるような農業をプロデュースしているのがフェアリーエンジェルの江本社長なのです。野菜の単価を安くすることは容易いことですが、それでは若い人たちが未来を感じることが出来ないので一緒に働いてくれません。あくまでも世界一の商品を作ることを目指しているのです。そのため野菜としては比較的高い単価に設定しています。露地野菜と同じレベルのものを生産して安売り合戦を繰り広げるようでは収益があがりませんから、そこに将来性はないのです。露地野菜とは違う高付加価値野菜の分野を創造することが植物工場の役割なのです。
 京都市で始まっている新しい農業のビジネス。既に未来は開けているのです。
2月11日(月) 「訪問活動三日目」
【訪問活動】
 三連休の最終日は午前9時から午後1時まで意見交換のための訪問活動を行いました。今日お会いしたのは約30人の皆さんでした。気持良く応対していただいた皆さん、ありがとうございました。

今の社会は決まったパイの取り合いをやっているようです。そして国民が取り合っているパイは増えていないのです。一定量のパイを取り合うのはゼロサムの状態ですから、勝ち組があれば負け組もあるのは当然のことです。ですからパイを増やすための施策が必要ですし、縮小の考え方ではこの状態から脱することは出来ないのです。そんなパイの奪い合いに参加したくないですが、参加しないと淘汰されるのを待つばかり。そんな選択も出来ないし、悩みは深まるばかりだとの意見を伺いました。
 ゼロサム社会とはずっと以前あった状態なのですが、今なお継続しているのです。プラスサム社会を目指すべきなのです。

【炎の道成寺】
 県民文化会館で開催された森久美子さん主宰のドラマティコ・フラメンコ「炎の道成寺」にご招待していただきました。フラメンコを鑑賞するのは初めてのことでしたが、本当に素晴らしい舞台でした。森久美子さんを初めモデルノフラメンコ舞踊団の皆さんの舞台は全ての人を魅了したと思います。

 和歌山県内でミュージカルや絵画鑑賞の機会は決して多くないため他府県に行くことがあります。その度に和歌山県に文化を楽しめる環境が欲しいと思いますが、今日は違います。和歌山県発の日本とスペインの文化を融合させた新しいフラメンコの舞台を鑑賞することが出来たからです。今日のフラメンコの素晴らしさは、会場で観た人だけが分かるものです。安珍清姫の物語もフラメンコのことも周知のことですから述べることはしませんが、日本の古典的な物語をスペイン文化と融合させる技や演出は正に芸術です。

 安珍清姫の物語は愛と憎悪の物語として有名ですが、フラメンコによる表現は違っていました。前半は二人を中心とした愛情あふれた舞台でした。そして中盤は見どころで個人的な感想ですが、最も感銘を受けた舞台が展開されました。以下は個人的解釈ですから、本来の物語や森さんや演じた人が表現しようとしたことと、恐らくは違っていることをご承知下さい。

 清姫と過ごす時間が過ぎ、再び修行に向かう安珍が登場します。ダンサーは愛情を赤の衣装で表現し、自分の信じるところ、つまり信念のようなものを黒の衣装で表現。赤の衣装に囲まれた安珍ですが、修行の身である自分が清姫からの愛情に溺れている姿に迷いが生じ始めます。このままの時間を過ごしていると自分の目指しているものを見失うと感じたのです。赤い衣装のダンサーの集団から抜け出して、黒い衣装のダンサーの集団に加わった安珍。
 この瞬間の葛藤が、私の鑑賞した中で最大の見所でした。色が凄いのです。真っ赤な赤からダークな黒へ。黒は一見、悪のように映りますが決して悪ではありません。深い信念の中に沈み込む決意の黒なのです。愛情と信念のどちらを取るべきなのか葛藤する安珍。言葉はありませんが手の表情とステップでその心が伝わってきます。

 赤の集団から抜け出したら最後、再び戻ることは出来なくなります。これは実社会でも同じです。大きな決断であればあるほど決意が必要ですから、安易に引き返すことは出来ないのです。それはプライドとも言えるもので、他人からはそれほどの事には映らなくても本人にとっては生きる理由の一つとも言えるものなのです。
 心が移り行く様子がダンサーの男性から伝わってきました。私は、「彼はもう引き返せないところに行った」と心で呟きました。今の瞬間の大切なモノと引き換えても、人生において実現したいものがある。その信念があることは素晴らしいことですし、それを選ぶことは正解です。尤も、もし安珍が信念を捨てで愛情を選んだとしても、それも正解なのですが・・。 

 ですから本当は両方を獲得するために赤と黒を融合させるべきだったのです。しかしそれは愛情に溢れた人だけが赤と黒の融合を実現出来るもので、若い頃はそれが出来ないのです。ドラマなどで良く見る、「私と仕事のどちらが大切なの」と詰め寄られるシーンがあります。実際はどちらも大切なもので比較することは出来ないものですが、この場面の安珍の葛藤は、そんな現代ドラマを彷彿させるものでした。

 女性からすると、赤は燃えたぎる情熱で黒は自分から遠のいて行く悪の黒なのかも知れません。何故潤しい赤を選ばないで、苦しい暗黒の世界に向かうのか理解出来ないのです。女性と男性では同じ場面に遭遇しても、感じ方は違うものだと認識しておく必要があります。
 さて信念の道を選択した安珍。後半は清姫の表情が一変します。表情と心情が変わったのは、手の動きと体のしなりで分かります。安珍を追い詰めた清姫の心は赤に黒が染まり始めます。スカーフで表現しているのですが、今度の黒は憎悪の黒ではないでしょうか。そして憎悪を包み込んだ愛の炎で、道成寺のお寺の鐘を燃やし尽くします。そしてその炎の色は再び赤に変わっているのです。赤と黒のスカーフで清姫の気持ちを演出させているように感じました。

 そして目的を達成した清姫が鐘に倒れこんだところで場面は終わります。赤く染まった舞台は愛情の深さを表現しているようでした。観て良かった。この一言です。
 森久美子さんの言葉で印象に残っているものがあります。「私のフラメンコ」という言葉です。「フラメンコ」とは違う「私のフラメンコ」という固有名詞。ここに森さんの誇りがあります。今日の舞台は「私のフラメンコ」そのものでした。和歌山県から東京に、そしてスペインに発信すべき「私のフラメンコ」でした。

 私がフラメンコを観たのは今日の舞台が最初でした。スペインのフラメンコを観たことがない私にとってのフラメンコのスタンダードは森さんの「私のフラメンコ」なのです。例え、これからどれだけフラメンコを観たとしても、スペインでフラメンコを鑑賞する機会が訪れたとしても、「炎の道成寺」で表現された「私のフラメンコ」が私の価値観のスタンダードになっているのです。つまりフラメンコの価値を図るものさしは、今日の「炎の道成寺」が基準となったのです。

 人の内心の価値のスタンダードを創るとは凄いことです。今日の舞台は、少なくともフラメンコを初めとする文化に関する私の内心の価値を創ってくれました。繰り返しますが、これは凄いことなのです。今日の舞台と出演者に心から感謝します。
 その後、森久美子さんから信じられない言葉を聞きました。「実は1月から足の調子が悪くて練習ではステップが踏めなかったのです。ステップが踏めるようになったのはリハーサルの時と本番の時だったのです。」これは精神力の為せる技ですね。今日の舞台に掛けた森さんの本気力が伝わりました。

 そして森さんと一緒に主演を張った安珍役の谷口さん。驚いたことにフラメンコを習い始めてからわずか4年。1,000人の観客を前に素晴らしい舞台でしたから、プロかこの道のベテランだと思っていました。唯一の男性ですから場面が変わっても踊りっぱなしですから、相当な体力と技術なのです。4年の経験者が主役を張る。このことから学ぶべきことがあります。初心者であっても若くても、舞台に立つ限りは主役を演じる覚悟を持つべきなのです。人生の舞台ではいつでも自分が主役ですから、経験が少ないだとか、もっと練習してからだとか言って逃げては駄目なのです。観客に自分の存在を問う姿勢が人生に必要ものなのです。観客とは社会であり、姿勢とは生き方なのです。28歳、経験4年の谷口さんから学ばせてもらいました。
2月10日(日) 「訪問活動二日目」
 昨日に引き続いて訪問活動を行いました。本日、いただいたご意見を列挙します。
和歌山市は財政赤字で自立出来ない状態になっているようですね。県から支援を受けるとか報道されていますが、自立出来ない市になってしまったのは残念です。益々、若い人がいなくなりますね。

道路特定財源の話ばかりしているようですが、生活者にとってはそれよりも解決して欲しい問題があります。宙に浮いた厚生年金の問題はどうなっているのでしょうか。政府は高齢者には死ねと言っていると思うと話し合っています。もう政府は何をしているのか分からないので不審だらけですね。それを放置しておいて道路の利権を主張しているとは、今まで最低の内閣ではないでしょうか。元々道路特定財源を一般財源化しようと言い出したのは、小泉元首相だったような気がします。改革派が去ると保守が台頭して来て昔に戻る、どうなっているのでしょうか。

年金世帯でも引かれる税金などが増えていますから、高齢所帯の生活が厳しくなる一方です。高齢者に優しくない社会の行く末を心配します。若い人たちもやがて高齢者になるのですから、同じことを次の世代に仕返しされますよ。

 行政に対する意見は以上のようなものがありました。またその他の意見交換は次のようなものがありました。

会社勤めから独立して4年目の社長。従業員9人を抱えるまでに成長しています。独立した当初は経営コンサルタントから、「独立して成功するのは5%くらいですよ」と言われましたが、その中に入ろうと24時間仕事中心の生活を過ごして来ました。4年間が経過しましたが、会社経営は会社勤めと違って大変です。じっとしていても収入はありませんからね。
 会社経営で考えるべきは、会社の営業と技術力のバランスです。営業を強化して仕事を獲得してきても、その仕事を請け負えるだけの技術力が伴わないとその次の仕事は回って来ません。また技術力を向上させても営業力がないと従業員を雇用しているだけ経営が厳しくなります。両方の部門をバランス良く伸ばすことが大切なのです。
 営業の人には技術者がいるから仕事が出来ることを。技術者には営業で仕事を獲ってくれているから収入を得られることを伝えています。今はお互いの立場を理解し合ってくれているので良い職場環境になっています。営業の人はお客さんを月一回の頻度で訪問して、要望や製品を使用して不具合がないかなどを聞いています。お客さんとの信頼関を構築することで、お客さんから次のお客さんを紹介してくれることが多いのです。
 ですから従業員には会社業績に見合った給与を支払っています。個人が頑張るよりも全体の売り上げを上げる方が所得増加になることを知ってくれているのです。参考までに、私(経営者)の給与は会社勤めをしていた時代の三分の一に抑えています。実は従業員の収入が多いのですよ。24時間仕事をしていますので遊びなどでお金を使うことはありませんから大丈夫ですし、もし収益があがったら個人の収入にしないで会社の積立金としています。独立してから世間の厳しさが分かりましたね。でもそれを克服することが楽しみになりました。

Kさんはある会社の知り合いの役職に電話をしたのですが、交換の人が取り次いでくれませんでした。Kさんはその役職の結婚式の仲人をした人でした。
 「ただ今外出しています」「いつ戻りますか?」「何時に戻るか分かりません」「明日は出社しますか?」「明日は立ち寄りがあるかも知れませんので分かりません」と言う応答がありました。
 そこで電話では話にならないので会社に行ったところ警備の人に入室を止められました。「電話で約束していない人は立ち入り出来ません」と言われたそうです。
 電話でも取り次いでくれない、事務所にも入れない対応に怒りが充満しました。Kさんはその会社の元幹部社員だったからです。その役職者の自宅に電話をして対応の酷さを確認したところ「セールスや変な電話が多いので、怪しい人や知らない人からの電話は取り次がないようにしているのです」との回答でした。
 「会社も変わってしまった」と、寂しさと叱りの混じった口調で話してくれました。
 ここに教訓があります。変な電話が多いとしても、大切なお客さんや会社のOBからの電話があるかも知れません。今回のような応対ではそうした味方も排除することになっているのです。電話の相手が誰なのか、用件は何かを確認することが大切です。また責任ある役職であれば、会社にかかった電話の取捨選択を交換の人に任して全て断らすことをしないで、一旦は電話を聞く勇気も必要です。会社にとって不要な電話かどうかは役職者が判断すれば良いのです。
 100人の中に1人、大切なお客さんが含まれていた場合のことを考えると、失礼のないようにしたいところです。

 やはり現場感覚は大切です。今日も皆さんから学ぶことが出来ました。
2月9日(土) 「訪問活動」
 県政に関わる意見を伺うため、約30人の皆さんの自宅を訪問いたしました。今朝から雪が降り続く、この冬で一番寒い日となりました。ただ、寒い日でしたがどの家庭でも温かく迎え入れてくれた日でもありました。直接会ってお話しすると色々な意見を聞かせてくれますし、地域や年代によって異なる生活者のとしての感覚を肌で感じることが出来ました。

10年前に奥さんを亡くしてお嬢さんと二人で暮らしているOさん。寒いのでお入りなさいと自宅に迎えてくれました。この場所は和歌山市内で最も風が強い地域ですから、窓からは黒い海に白の雪景色が映えていました。一人でも生活に支障はないのは、しっかりと働いたことで安定した所得を得られているからです。高齢者の所得は重要な関心事です。改めて、厚生年金の記録漏れの問題は、高齢者の生活に影響を与え続けるものだと強く感じました。国は個人記録を全て照合すると作業を続けていますが、それで全て正しい情報にたどり着くとは限りません。厚生年金の掛け金を納めているのに、今から何十年も前の記録を自分では証明出来ない人が多いからです。元の職場が倒産していたりすると、今では証明する手段はありません。国が高齢者の生活のことを考えて正しく調べようとしてくれているのかは分かりません。記録が不備だった全ての高齢者のご家庭を訪問して話し合うことをしないと、真の姿は分からないのです。今の段階では、国の職員が記録漏れのあった高齢者宅を訪ねたと聞いたことはありません。年金記録の台帳やデータだけでは、その人格も訴えも分からないのです。
 直接話し合うことが課題解決の一番の方法ですが、それに気付いていないのか行く気がないのか不明です。相談窓口を設けていますが、出張サービスをしている姿を見掛けることは出来ません。民間企業であれば会社の応対の不備から迷惑をおかけしたお客さんのところに出向きますから、その違いは歴然です。高齢者のこれからの生活のためにも国の真摯な対応をお願いしたいものです。

会社生活を終え、念願の喫茶店を営業しているTさん。小さなお店ですがやりたいことをやっている実感があることを感じました。地域のお客さんに来てもらうことが喜びだそうです。会社生活では土曜と日曜は休みでしたが、今は土曜と日曜には一番お客さんが来てくれますから休みは取れません。大きな会社だと製品がお客さんに届くところは分かりませんし、お客さんと直接接する部門ではなかったので、お客さんの顔が見えませんでした。今はお客さんと直接接するサービス業ですから、お客さんが第一であることを実感していますし、お客さんの満足が自分の喜びだと実感している様子です。自分の施すサービスがお客さんに届き、それに満足してくれていることが嬉しいのです。
 お客さんを大切にしている姿が印象的でした。

和歌山市が所有している和歌山市内の住宅地「スカイタウンつつじが丘」にあるお宅を訪問。販売不振によって平成19年に価格を従来の半額に値下げしてから、55区画販売出来ているとお聞きしました。他府県から移って来る人もいるようで嬉しく思いました。また従来の価格で宅地を購入した方に対しては、希望があれば優先的に希望する用地を分譲する権利と、半額にした価格から更に30%引きの特典があることから販売増加につながっているようです。既に入居している人に対しても優遇措置があることで公平性を保とうとしているようです。兎に角、このまちに賑わいが訪れて欲しいものです。
 夕方には訪問活動を終えましたが、本当に寒い一日でした。明日の訪問先をリストを整理して家路につきました。
2月8日(金) 「年金問題」
【年金問題】
 和歌山市在住の方から、長年に亘って厚生年金を支払っていたのに記録が残っていない問題に関して調査依頼がありました。国会において議論が交わされていることもあり再び関心が高まっています。今日聞いたところによると、和歌山市地域で本人が厚生年金を納めているとの問いに対して社会保険庁に記録が残されていない件数は約400件を超えているとのことでした。(懇談相手からの情報です。今日現在、私は公的機関での確認はしていません)

 社会保険庁に問い合わせても納得出来るような対応ではなく、「該当する記録がありません」と書かれた無機質な文書が送られてくるだけだそうです。問い合わせに対してまともに応対してくれないことから国への不信感が募っているのです。25年以上も厚生年金の掛け金を納めてきたのに、社会保険庁で記録が整備されてないことから支給されないことに関して政府への信頼が失墜しているのです。しかも本人が勤務していたことを述べても記録が残ってないことから、記録を信用して本人の言葉を信用してくれないのです。申し出ている本人が当時の名刺や従業員証などを持参しても、支払いの記録がないことから信用してくれないのです。つまり国民の言葉を信用するよりも、役人が行った仕事(社会保険庁職員による記録業務)を信用しているのです。

 証拠となる書類だと思って提示しているのにそれを信用してない社会保険庁は、国民の幸せを願って仕事をしているのでしょうか。それとも機関や上司への貢献を第一として考えているのでしょうか。理解に苦しむところです。政府は国民の安全と利益を守るために存在している側面もあります。主権者は国民ですから当然のことです。国民の声を聞こうともしない、そして言葉を信用しない政府とは一体何なのでしょうか。
 この方は、「政府への信頼など全くありません。私が死ねば全て解決すると思ってまともな回答をしないのではないでしょうか」と思いを話してくれました。
 お互いの言い分が対立し合っているので、この案件は第三者委員会に送られています。第三者委員会の回答を信じたいと思います。

【権限】
 地方自治体は地方自治に関する権限を持っていますから、地域において特別な存在だと勘違いしている地方自治体の方がいます。県民の方からご厚意で、自分が所有する文化財を見てもらいたいとの申し出がありましたが、担当の地方自治体職員の回答は「私が文化財を見ても価値は分からないので行く必要があるのですか。もし見てもらいたいと思うのであれば、和歌山市の文化財担当箇所を通じて県に申し込んで下さい。」と言うものでした。信じられない言葉だったので、再度聞き直した位です。

 「個人の好き嫌いを聞いているのではなくて、地方自治体として県民の方が個人として所有している県内の文化財に関心を持って欲しいのですが」と、地方自治体職員さんが正しい解釈をしてくれていないと思い言い直しましたが、回答と態度は同じでした。「地方自治体の職員さんと会うのは難しいのですね。敷居が高いようですね」と言って一旦、話を終えましたが、納得出来るものではありませんでした。

 時系列に整理すると次のようなものになります。
1. 文化財保護に関する講演会に出席するために地方自治体職員と文化財所有者Aさんは、会場のある大阪市に一緒に出掛けました。

2. その時、Aさんは地方自治体職員Xさんの仕事振りに好感が持てたので、自分が所有する紀州徳川家を初めとする文化財を見てもらいたいと思い、仲介して欲しいとの依頼がありました。

3. Aさんは地方自治体職員のXさんと一緒したことを覚えていますから、Xさんに文化財を見にきて貰いたいと依頼があったのです。

4. ところがXさんはAさんのことを全く覚えていませんでした。それどころかAさんのことは知らないし、大阪市まで一緒に行ったことがないとの回答でした。

5. Aさんからすると地方自治体職員さんと一緒に大阪市まで行ける機会は滅多にありませんから、一緒に行ったXさんのことは明確に覚えています。

6. Xさんにすれば、Aさんはその他大勢に過ぎませんから記憶にないかも知れません。しかし県民Aさん県地方自治体職員Xさんのこと指名しているのですから、面識があると考えるのが普通です。

7. 結局、XさんがAさんのことを知らないので、Aさんからの申し出に対しては受け入れることが出来なかったのです。

 このように、県民の方が地方自治体に対して好意を感じて申し出てくれているのに関わらず、その文化財を見ようともしない、関心も示さない言葉は地方自治体の仕事に携わっているとは思えないものです。
 この言葉を聞いた県民の方は気分を害します。和歌山県の将来はこれからなのに、協調出来ないことに危惧します。経済活動や地域振興の主人公は民間なのですが、今なお、そのことを分かってない人かいることに驚くばかりです。
 都会であれば上場企業もあり自立した経済活動を民間が行っているため地方自治体に気を使う必要はありませんが、地方では地方自治体の施策に頼る部分が多くそうは行きません。民間よりも地方自治体の権限が強いことが、地方の発展を阻害しているような気がしました。

 民間を下げすさむ地方自治体の態度は納得し難いものがあります。Aさんからすると、職員さんの対応によって地方自治体への信頼を裏切られたことに対して、この地域へのあきらめ感が漂いました。

【懇談会】
 夜は懇談会に参加しました。お相手は某企業のM部長。会社組織確立のために懸命に頑張っています。中小規模の会社では従業員個人の能力に頼るところが多く、組織として機能させることは以外と難しい問題だそうです。部長さんは上場企業から請われて転戦しましたが、「その経験を活かすことは、まだ出来ていないのですよ。でも自分の経験を地元企業に伝えることで少しでも発展してくれることを望んでいますし、自分の仕事だと思っています」と笑ってくれました。

 長年かかって積み重ねた優れた経験を伝えてくれることは、迎え入れた会社にとって、ある意味、時間を買うことを意味しています。その会社がお金を支払っても得られない経験を、外部の人を幹部として迎え入れることでその経験を得ることが出来るからです。優れた経験は、それ程に価値があるものです。会社の環境は違いますから、経験が通じないこともありますが、違う文化が混ざり合うことに意味があります。文化が融合すると従来と違った文化になることは明らかだからです。違う舞台に挑戦している頼もしい姿に触れました。
 さて、自分の子どもが社会人になったM部長。初めての社会人生活では、子どもが壁にぶち当たることがあります。対人関係や組織のしきたり、上司との関わり方や仕事の進め方、そして今なら法令順守も大切なことです。若い人にとって未経験のことへの対処は決して簡単なことではありません。そんな時、社会人経験、会社勤め経験の豊富な父親からの助言は役立つものなのです。

 大企業で幹部職員の経験を持つM部長は、自分が社会人生活で学んだことや注意すべきことをレポートにして子どもに伝えました。数十ページに及ぶものだそうですが、子どもにとっては貴重な財産を譲られたことになります。お金で買えないものは身近なところに確かに存在しているのです。当たり前のことを当たり前にすることが、社会人として大切なことです。人として社会生活を過ごすための基本が出来ていて、その次に仕事があるからです。
 社会人として子どもに伝えたいことは、挨拶をすること。逃げないこと。中間報告をすること。メモを取ること、などです。
 冬の風が冷たい中、懇談の機会を持った甲斐がありました。
2月7日(木) 「国際交流」
【国際交流】
 和歌山県と中国との国際交流に関して話し合いました。現在、和歌山県は中国の山東省と姉妹都市提携を結んでいて交流を深めています。それに拘ることなく、各省との交流機会も持っているところです。和歌山県内では御坊市が大連市と観光に関する友好提携を行ったと聞いていますし、平成19年夏頃に和歌山県と瀋陽市は観光交流に関する友好提携を結んでいるようです。このように姉妹提携都市などの形式に拘らない交流が続けられている和歌山県は、真の交流を継続させることで今後東アジアでの知名度は高まって行く予感もあります。民間ベースでの観光交流も県と省、そして国の間でも大いに役立つものです。

 和歌山県が東アジアに開かれた都市として認識され観光客交流が図れるように、友好関係が図れるように働き掛けたいと考えています。
 また中国での和歌山県現地事務所の必要性に関しても意見交換を行いました。以前、上海に現地事務所がありましたが、現在はなくなっています。中国が次第に国際社会で占める地位の重要性が高まっていますから、今後共、より友好関係を図ることも検討したいところです。中国勤務経験のある方から中国現地事務所の必要性の提案をもらっています。日本への企業進出、逆の場合などの経済交流や観光交流に関しては、中国に県の事務所がある方が情報の入手は容易で、そして人的交流も図れます。中国では、「古い友人を大切に」と言う意味の諺があります。先日の訪中においても中国政府の要人に会えたのは、古い友人が紹介してくれたからです。

 その時に中国の要人は通常は公務が詰まっていますから、懇親を図るために十分な時間をとってくれないのですが、「古い友人の頼みは何があっても聞き届けます。そして古い友人の友人は、また大切な友人ですから、一緒に懇親するのは当然のことです。」と話してくれたのです。中国において大切なものは人脈と便益ですが、その中でも古くからの友人は最も大切で、古い友人が連れて来る人はまた大切な人なのです。人が人を呼んでくるのは、信頼の確認をすることと将来の発展を約束されているようなものです。信頼の出来る友人から紹介される友人は、将来、何かをもたらしてくれるものです。

 和歌山県が中国に現地事務所を開設することは費用対効果の観点から今すぐの実現は困難ですが、代替案を模索するだけの価値と期待度は十分あります。和歌山県が観光立県を目指している限り、東アジア、特に中国、中国の中でも最も発展が期待出来る地域との交流は避けられないからです。
 全国的な組織を活用して和歌山県の存在価値を中国に知ってもらうための活動は、最低限、実現したいものです。

【会社更生法】
 平成19年12月、知人が以前勤めていた会社が会社更生法を適用されています。円満退社して数十年経過しているのですが、若い頃の自分を育ててくれた会社ですから、無くなることは残念ですと話してくれました。改めて会社とは人と共に生きているものだと感じました。日本の会社には人格のように社格があると思いますから、簡単にM&Aをして拡大路線を歩むことが適切ではない場合があります。

 昨年末会社更生法を適用されたこの会社は、M&Aで拡大路線を歩んでいましたが、本来業務に関係のない会社を買収したり、社長が管理監督できる範囲を超えてしまったことから本体自体の業績が悪化し、資金繰りの見通しが立たなくなったため会社更生法を申請したのです。身の丈に合った規模を維持することが会社の人格に沿ったものであり継続性が生じますが、身の丈を超えると経営者の能力に収まりきらなくなります。

 会社更生法を適用されると従業員は路頭に迷いますし、元従業員にも悲しみを与えることになります。この会社の元従業員さんと話しましたが、和歌山県との関係もある会社でしたから個人的にも残念です。

【その他の活動】
 ニューアグリ施設視察に関すること。紀州レンジャーズに関すること。道路拡幅に関すること。夜は通夜式に参列いたしました。
2月6日(水) 「サービスレベル」
【語り部】
 紀州子ども語り部育成事業に関して、開催月日を決定したので講師を依頼して進め方について打ち合わせを行いました。第一回目の講義は座学とし、第二回目と三回目は和歌山城を歩いて実際の案内方法について学びます。最終の第四回目は紀州子ども語り部コンテストを行います。
 開催月は5月と6月ですから、和歌山市主催の「城フェスタ」の事業として扱ってもらえるように依頼しました。「城フェスタ」は平成20年度の和歌山市の観光施策の売り出しイベントですから、参画して盛り上げの一助を担いたいと考えています。

【その他の活動】
 紀南地域の台風や災害対策に関しての打ち合わせ。来年度の就職活動の情勢についての打ち合わせ。そして和歌山市を盛り上げるための施策について。JR和歌山駅周辺の再開発について。厚生年金のずさん管理の問題などの話し合いなどを行いました。

【観光施策】
 和歌山県そして和歌山市は全国大会や世界大会などを誘致するための活動を行っています。ところが全国大会や世界大会の誘致に成功している都市にはシティコンベンションがありますが、残念なことに和歌山市には存在していません。更に誘致活動を盛り上げるためにもシティコンベンションが欲しいと観光関係者と話し合いました。

 数年前の和歌山市議会でシティコンベンション組織について一般質問がありましたが、市長は当時「財政問題から組織化は難しい」との答弁があったと記憶しています。財政とシティコンベンションの関連は余りないように思いますが、意気込みが不足しているように思います。
 観光連盟にシティコンベンションの機能を付加すること、或いは民間の観光関係者を受け入れて発展的に組織改正を行うなどの取り組みも効果があると思います。民間での期待感は高いのですが、実現に向けてはトップの判断次第です。昼にも食い込むほどに熱心に話してくれた民間事業者の思いが届いて欲しいものです。

【サービスレベル】
 和歌山市内のサービス業のレベルに関して観光事業者と話し合いました。サービス事業がお客さんからお金をいただけるのは、日常生活では味わえない快適な空間を提供してくれるからです。例えばホテルのコーヒーが街中の喫茶店よりも高い単価を設定しているのは、ホテルが持つ空間が非日常的なものであり、そこに居ることが快適でステータスだからです。ですからホテルは街中の喫茶店よりも高いサービスを提供する必要があるのです。

 経済的に考えると、一流のホテルは立地場所の利便性が高く、土地価格が高いのでコーヒーの原価に乗せていることから一杯当たりのコーヒー単価が割高になるのですが、満足度の視点から考えると、サービスレベルが高いことからコーヒー価格を高くしてもお客さんが来てくれると考えられます。
 サービス業に従事する人材には、お金をいただけるのはお客さんがいるからとの高い意識が求められます。何故ならホテルでの滞在は生活に不可欠なものではなく、生活にプラスアルファをもたらしてくれるものだからです。ですからお客さんとしては、高い意識で接客をしてくれることを望んでいるのです。
 お客さんの満足度の全てはサービス業に携わっている人材が左右します。和歌山市サービス業のレベルの全国的な評価は分かりませんが、出来得るなら上位に位置して欲しいと期待しています。
 以上のようなサービス業の原点に関してホテル関係者と話し合いました。

【送別会】
 大阪市内の事業所に異動することになったMさんの送別会に参加しました。寂しさを感じますが、本人は頑張って違った考え方を身につけて、再び和歌山県内に戻って来たいと抱負を話してくれましたから安心しました。環境を変えることは成長するためにも必要なことです。環境を変えるためには職場を変える、職種を変える、付き合う人を変えるなど色々考えられますが、自分から変えるのは意外と難しいので、会社や周囲から変えてくれるのはむしろ絶好の機会かも知れません。本質を変えずに枝葉を伸ばして欲しいと思っています。
2月5日(火) 「厚生年金」
【異動】
 来週から和歌山市の職場から難波の職場に異動となるMさんが挨拶に来てくれ、しばらく懇談しました。明るい性格で、仲間内では盛り上げ役を担ってくれていただけに残念です。また休日には少年サッカーのコーチも務め、サッカー指導者の資格も習得中の努力家で、仕事とスポーツの複線型人生を歩いています。異動に伴い平日夜間の少年サッカー指導は困難になりますが、その分休日に頑張ると話してくれました。

 環境が変わること、職場が変わること、仕事内容も変わることから不安感を感じているようですか、彼の性格からすると三か月も経過したら職場にも仕事にも馴染んでいることと思います。ただ今の段階では新しい仕事はお客さん向けの営業ですから、技術職の彼からすると不安を感じるのは当然のことです。

 昨今の営業は商品を売るための仕事ではなく、技術にも強くなければならない時代に入っています。技術屋であり明るい性格のMさんなら、技術営業とも言える分野でのパイオニアになれる筈です。会社もその方向で伸びてくれることを期待しての異動だと思っています。来週からはしばらく顔を見られなくなりますが、和歌山県から大阪府への新しい挑戦に期待しています。和歌山県から来た人材は、なかなかやると思わせてくれると信じています。

【厚生年金】
 昨年、厚生年金の記録が漏れていることが話題になり、平成20年3月末までに照合を完了すると政府は話していましたが、現実的には困難な状況に追い込まれています。尤も、その後厚生労働大臣はそんなことは言っていないと前言を翻していますから、政府からすると大したことがないとなりますが、年金の掛け金を納めた人からすると記録が漏れていることは重大事です。今日の怒りの相談は、厚生年金の記録が漏れているにも関わらず、記録がないとの一点張りの社会保険庁の対応に関して、「到底納得出来るものではない。第三者機関への調査も依頼したし、訴訟も検討したい気持ちだ」と憤慨してのものでした。

 もう政府与党への信頼は完全に失墜したことから、早く体制を変えるべきだと怒りが充満していました。直接、社会保険庁からの回答書面を見せてもらうと、当事者の気持ちを痛切に感じることが出来ます。成人してから厚生年金の掛け金を納めてきたのに、社会保険庁からの回答は「ある期間は納めた実績が残っていない」と言うものでした。
 その書面は心が通っているものではありませんでした。しかも驚いたことに当事者のHさんが、厚生年金記録がおかしいと思って社会保険庁に問い合わせをしていたのは10年も前からでした。10年前から現在に至るまで社会保険庁からの回答は、「該当する記録はありません」と言うものです。

 しかしHさんの所有している証明書類を見ると、若いころに勤務していた先が明らかなのです。従業員証明書や肩書の印刷された名刺など勤務していたことを表す証拠がありますが、社会保険庁はそれらを確認しても尚、該当する記録はありませんと回答を続けています。そして当時の同僚や後輩の厚生年金記録は残っていて、その人達には厚生年金が支払われているのです。同時期に同じ会社に勤めていたHさんだけが厚生年金の掛け金を納めていなかったとは考えにくいのです。このように厚生年金を納めたと言う人の言い分を聞かないで、「記録がありません」の一点張りで真剣に調査しようとしない体質が今も存在しています。厚生年金の掛け金を納めていたことの立証責任を国民に負わせている社会保険庁の体質に唖然としています。圧倒的に情報や資料が豊富な政府機関が調査する方がその事実は判明するのですが、その気持ちもないようです。行政機関は国民よりも情報は豊富です。その理由は、私達は国が私達の生活を守るために情報を集積することを認めているからです。集積された情報や資料は国民の要望に応じて調査してくれることで、国民は信頼するのです。データを集めるだけ集めて 後は知らないでは、納得出来るものではありません。国の機関としての仕事をして欲しいものです。尤も、記録を正確に記していないこと自体が長年仕事をしていなかったことを証明しているのですが。

 そして40年以上も厚生年金の掛け金を納めてきたHさんが現在受け取っている厚生年金の額は毎月3万円だけです。無責任な仕事をしていた社会保険庁のお陰で受取額は毎月3万円、国は国民に対してどうして生活しろと言っているのか怒りが充満するのは当然のことです。この件に関しては可能な限り調査を行いたいと考えています。

【懇談】
 まちづくり関して。都市開発に関して。それぞれ懇談を行いました。その後、新しい風力発電について意見交換を行いました。環境先進県を目指しているわが県にとって新エネルギーを推進するのは当然のことです。和歌山市内にある用地を活用して、太陽光発電や新しい風力発電を導入することは可能かどうかについて協議を行いました。実施主体があれば可能と回答しましたが、早速、新エネルギーによるまちづくりに関しての高い実施企業に提案することになりました。

 引き続いて観光業界の現状について意見交換を実施。県内の観光業界の大きな課題は人材の確保です。観光立県和歌山を志向していますから、観光事業に従事している皆さんの所得水準を引き上げることが肝要です。観光事業者間の価格競争が激しさを増しているため、旅行商品の価格が低下している中、所得を上げることは困難が伴いますが、人材確保の観点からすると十分な生活が過ごせることと、結婚して家庭を維持出来る位の所得配分が望まれます。給与水準が低い業種には人材は集まりません。人には夢が大切ですが、生活するためにある程度の資金も必要です。
 
【NPO会合】
 今年5月から開始予定の紀州子ども語り部育成事業の日程と研修内容について、主催するNPOの理事が集まり協議しました。日程と場所、講師、役割分担などを決定しました。開催時期が義務教育の学校の新学期以降となるので、後は学校への案内と説明を行う時期について確認することにしました。従来は冬から春にかけて開催していましたが、卒業式が控えているため日程確保が容易ではないことから、今年から5月〜6月にかけて開催することに理事会で決定していました。今年は何時開催するのですかとの問い合わせもあるため、3月には記者発表を行う予定です。

【懇親会】
 夜はお世話になっている経営者のご自宅にお招きをいただき、夕食を兼ねた懇親会を行いました。和歌山市県の課題について、中心市街地の活性化について、リーダーの資質について、中国との関係について、子どもの時代から外国語を学ぶことの重要性などに関して意見交換を行いました。
 これらに共通しているのは、関係する人の腹が据わっていること。信頼できるメンバーで事業を進めること。そして資金があること、または信用があり借り入れが可能なこと。そして明るいことです。課題は多岐に跨っていますが、人が考え行うことですから共通項はあります。それらの項目を表しました。
 一代で事業の成功を収めた経営者ですから話の内容に説得力があります。リーダーの条件は、腹が据わっていて信用力があること、そして信頼できるメンバーが周囲にいて、資金調達力があること。事業家でも政治家でもリーダーの資質においては同じことが言えます。
2月4日(月) 「サービス業の市場」
【サービス業の市場】
 平成20年2月に入って最初の週に入りましたが、月日の過ぎるのは本当に早いものだと感じています。週明けの今日、午前、午後と会合を重ねました。サブプライムローンの影響に関しての報道と実態は違うものだと認識していますが、和歌山県の場合は違う意味で関係がないようです。金融機関と企業との間に強い資金関係がないのか分かりませんが、日本経済の流れと和歌山県の取り巻く環境は相当違う感覚があります。元々、経済活動の改善の兆候はありませんでしたが、今回のサブプライムローンによる影響を受けているとは全く聞きません。域内経済だけでは経済規模は小さいため、感覚ですが日本経済と隔離されているようで、従来通りの資金循環があるようです。ですからさらに資金繰りや経営環境が厳しくなったとは聞かないのは救いです。

 ただそれ程に、県外資本の流入が小さい地域であることが問題なのです。本日はサービス関係の大型県外資本を和歌山県内に呼び込めないか協議しました。ある関東系サービス企業は全国に店舗展開を行っているため、先日も担当者が和歌山県内の市場調査と進出可能性のための視察に訪れています。

 結論として、和歌山県内に二か所の店舗進出を検討することになっていますが、和歌山市を中心とする地域に限定されました。紀南地域の適地を紹介しましたが進出は難しいとの結論に達しています。例えば田辺市などは和歌山県第二の人口を擁していますが、居住範囲が広いため店舗戦略は難しいとのことです。広い面積を有する和歌山県ですが、進出の可能性のある地域は海南市から北の地域だと回答がありました。勿論、一企業の判断ですから全てではありませんが、北海道から九州まで全国展開している店舗展開の責任者の言葉ですから、地域の現状を示す考え方について参考になります。

 県外資本が店舗展開する中において、黙っていても和歌山県に進出してくれると思うのは幻想に過ぎません。適切な市場と経済規模、購買意欲などの条件が整っている地域とそうでない地域とでは、益々利便性と経済格差が広がりそうです。市場経済の時代ですから、サービス業にとっては店舗展開の全国制覇を目指すよりも、収益性の高い地域に限定して進出を考える時代になっています。そして国内での店舗展開と同時に、体力のある企業は従来の枠を超えて市場を国外に求めるようになっています。

 全国一律のユニバーサルサービスを提供してくれるのは、極めて公益性の高い企業の便益だけとなっています。和歌山県は自らが市場を形成して行く姿勢を持たないと、この地域に県外資本の導入を図るのは簡単ではありません。
 
【領域】
 話し合いの中の話題をもうひとつ。和歌山市内の市場は全国の県庁所在地の都市と比較して小さいことは小売業の経営者は認識しています。そのため自らの店舗の近隣に同業種の店舗の計画が浮上すると不快感を表すことがあります。小さい市場と同時に残念ながら拡大の可能性も小さい地域ですから、自らの商売の領域を守りたい気持は分かります。しかし仮に10のパイがあるとしたら、当該地域に一店舗だけの場合は10を独占出来ると思っているため、同業種の店舗が二つに増えるとパイは半分の5になると考えるのです。

 確かに縮小思考ではそうなります。しかし実際のパイは10ではなく、潜在的にはその何倍もあるのです。消費者は当該地域の店舗だけに向かうのではなく、欲しいものを入手するための行動を取ります。そのため自宅から距離が離れていても購買意欲を刺激する外へ向かう傾向にあり、現実的にパイは拡散しているのです。

 ですから表向きのパイを取り合うのではなく、同業種の店舗が競合することで潜在的なパイを顕在化させることで、現在ある10のパイを20や30に増やすことが出来るのです。
 つまり拡大思考に立つと、競合することで市場を増やすことが出来ると考えるのです。そうすると進出を考えている店舗を締め出すことはしないのです。
 小さい領域を守っている姿勢では当面の競争は避けられますが、経済の安全装置を外してしまった時代ですから、やがて飲み込まれることになるかも知れません。自分の身を守るためには守るだけでは不足ですから拡大思考に立った行動を取るべきです。
 
【写真展】
 葵会による写真展に行ってきました。会員の皆さんが1年間の撮影会の中で気に入った写真2作品をパネルにして展示しているものです。当番の方から作品の説明を受け撮影の苦労話などを聞かせてもらいました。撮影活動と写真展を毎年継続していることに値打ちがあります。
2月3日(日) 「試験」
【帰国】
 朝6時に起床してホテルを出発、瀋陽空港に向かい午前8時25分の飛行機で関西空港を出発、正午に到着しました。到着後、空港内でミーティングを行い、今回の訪中チームを解散しました。

【お悔やみ】
 先日、54歳の若さで突然、この世を去ったMさんの奥さん。Mさん宅をお悔やみで訪ねました。Mさんの奥さんは何の予兆もなく心臓発作でお亡くなりになり、突然のご不孝にMさんは泣き崩れました。顔色が良くないので健康に注意して欲しいのですが、本人にとってはそれどころではありません。「定年になったら北海道に行こうと話していたのに」と奥さんの横で顔を伏せたMさん。果たせない約束をしたことへの涙だと思います。

 働きながら家事を両立させた長い年月でしたが、最近、職場を辞めて家事に専念したことから自由な時間が増えたと喜んでいたのも束の間でした。全く言葉では言い表せない慰める言葉もみつからないお悔やみでした。
 それにしても知人、友人の大切な人がこの世を去ることに接するのは辛いことです。訃報に接する度に、出来るなら体験したくないことだと強く思います。
 そんな時、両親を初め大切な人のことを思い出します。「時間を見つけて顔を見せないといけないなぁ」「元気でいることを報告しなければならないなぁ」「風邪は大丈夫かな」など思います。今日も元気で活動出来ているのは、全て先祖と両親、そして皆さんのお陰ですから、決してそのご恩を忘れてはなりません。日々の慌ただしさを理由に少しの時間を惜しんでいますが、それは間違いなのです。出来る時にやっておかないと、会える時に会っておかないと後悔することになります。走り続けることも大切ですが、時には止まって周囲を眺める余裕を持ちたいものです。
 Mさんの奥さん、安らかにお眠り下さい。

【試験】
 冬は入試の季節です。厳しい冬を耐えて勝利した生徒が嬉しい春を迎えることになります。入試で合格点を取るためには、模擬試験で合格ラインに届く点数を一度でも取っておくことが絶対条件です。模擬試験で一度も合格ラインを超えたことがないまま入試に挑むと、果てしなく厳しい結果となりそうです。入試と模擬試験は違いますが、不思議なことに大体は良く似た順位になるのです。模擬試験でトップクラスの生徒は入試でもトップクラスですし、模擬試験で中位の生徒は入試でも中位となります。模擬試験で下位に低迷しているようなら、入試でも同じ結果となるのです。

 入試で逆転する場合もありますから、何も順位が不動のものだから努力をしなくても良いと言いたいのではありません。ただ日頃から入試に対応出来るだけの力をつけておかないと本番ではキツイのです。一度手でも壁を越えておく経験は何よりも大切で自信になります。入試と言う高い壁を超すことは簡単ではありませんから、模擬試験で壁を越えられる自信と手応えを得ておきたいところです。
 「やれば出来るのに」は、やらないことと同じです。「やっておけば良かった」は、やらなかったことを意味しています。そして「あと少しだったのに」は、そのあと少しを縮める挑戦をしなかったことなのです。

 結果を見てから後から理由付けをするのは簡単なことです。結果が出る前に、望む結果を出すための努力が大切なのです。後から言い訳をするのか、先に努力をしておくのか。精神的な厳しさはそう変わりませんから、先の努力を怠らないようにしたいものです。
 そろそろ和歌山県立中学校の入試結果が発表されそうです。努力と言う桜が咲く今年の春もそこまでやって来ました。
2月2日(土) 「瀋陽市二日目」
 二日目は開発区の視察を行いました。瀋陽市渾南新区は「新しい富の港湾」の謳い文句の下、ハイテク産業区、科学技術新区、水際都市区への企業誘致を進めています。
 企業誘致のための地盤整備は2001年に開始、10万kuの企業用地は80万kuに増加させています。そして既に半分は建設済みで計画通りに進展しています。ここに企業集積を図ることは国家プロジェクトですから、計画が進展するのは当然のことです。誘致対象企業は、IT系、自動車産業、バイオ医療、エネルギー産業などとなっています。

 新区の計画の説明や現地説明を受けましたが驚くことと羨ましいことがありました。
 まず開発規模が巨大、いや巨大という言葉以上なのです。地域全体を開発している様子は、まちづくりに携わっている人にとっては極めて遣り甲斐のあることだと思います。描いたとおりにまちが建設されて行く、そして数年後に実現することは、若いプランナーや若い技術者にとって自信と誇りになります。大規模な開発に関係することで一気に実力が向上することは間違いありません。

 開発は企業誘致だけではなく大型商業施設にも向けられています。既にオリンピックスタジアムの横にはウォールマートの建設計画があり、香港系企業が用地取得して開発を進めています。オリンピックスタジアムが建設される地域ですから、周辺は住宅地と商業施設で埋まり始めています。既に土地価格が上昇しているため、今から進出することは困難な状態になっているのです。

 中国側曰く「賑やかになってから開発や進出に参加しようとしても遅い」とのことです。
 日本資本や企業の進出が極めて遅いので、香港、韓国、ヨーロッパ系企業などの後塵を拝しているのです。現在の瀋陽市は都市開発の真っただ中で発展途上にあり、今を見るのではなくて近い将来を見通す必要があるのですが、日本は現在のロケーションだけで評価しているため乗り遅れているのが確かな現実なのです。参考までに、この地区への進出状況は香港が第一位、米国が第二位、日本は三番目の状況です。畑の状態の時に投資を決断したり進出を図ったりすること、畑の土地を見て将来の姿を想像出来る能力が中国で成功するために必要なことです。つまり成功の条件はイメージ、スピード、スピードなのです。

 巨大な未来都市を建設している地域の底力は図り知れません。今日訪れた瀋陽市がその姿ではありません。廃止され廃墟化している工場地域の跡地に、三年後の瀋陽市は確かに想像出来ました。想像が現実のものになってから行動を起こしても遅いのです。観光交流や企業や商業施設の進出などは、今が最大の機会であることを確認することが出来ました。
 中国の諺を教えてくれました。「友人の友人は自分の友人である」こと。「古い友人は大切する」ことなどです。今回の訪中二日間でしたが、絶対に会えないような要人に会うことができ、意見交換の機会を得られたのは、「友人の友人」の信頼を得ていることからでした。

 通常であれば、何段階もの階段を踏まなければ辿り着けない要人と連続して会うことが出来ました。そして会うだけではなくて、お互いにとって有効な意見交換と今後の計画の確認を行えたことが単なる訪問とは違っていたことです。
 中国側からは「日本の各都市と姉妹都市などの提携を図っていることがありますが実効性は少ない」との指摘がありました。理由は簡単です。表面的な付き合いであることと、提携をして毎年行き来しているだけで、具体的に進めるべきプロジェクトを持っていないからです。表面的な付き合いとプロジェクトを共有していないと、真の観光交流や経済交流にはつながりません。
 真の交流を図るためには友人を大切にすること、そして具体的なプロジェクトを提案することです。簡略化すると人脈と便益なのです。今回はふたつが揃った訪中でしたから、短時間で意思疎通が図れたと実感しています。そして凄まじいほどに駆け抜けたスピードがありました。
 スピード、イメージ、人脈、便益。これらの要因全てが中国との関係構築では必要なのです。夜は総括ミーティングを行い、明日の帰国前の復習を行いました。
2月1日(金) 「瀋陽市」
 関西空港から午後1時15分発の中国南方航空で中国遼寧省瀋陽市を訪れました。訪問初日の目的は遼寧省と和歌山県の観光交流の検討を図ることです。瀋陽空港には有力民間会社の副社長が出迎えに来てくれました。訪問したのは遼寧省旅游局を中心とした観光部局と民間事業会社です。

 既に中国遼寧省瀋陽市から日本へ年間4万人から5万人の方が観光に訪れていますが、和歌山県を訪れてくれる観光客は殆どいません。そして人口増加と経済発展に伴って、数年後には60万人の観光客が日本を訪れることになる説明をしてくれました。局長に「和歌山県から観光誘客のために今まで直接営業に来た人はいますか」とお尋ねすると、「過去、誰もいません」との回答でした。
 遼寧省は約2,300万人の人口を有し、その中心地の瀋陽市はこれから東北部の代表的都市として大いに発展する地域なのです。三年も経過すれば中国を代表する都市として名前が出てくる筈ですから、今から提携しておくことは対中国との観光交流の観点から非常に重要です。

 私達からは、和歌山県の観光地としての特徴と売り物を説明しました。和歌山県が誇る食べ物、ショッピング、レジャー、温泉、医療、歴史、自然、四季を通じての魅力などを提案しました。和歌山県の食べ物には日本を代表する食として梅、みかん、めはり寿司、幻の魚クエなどを紹介しました。観光医療の発信地としての和歌山県の魅力については、「日本におけるメディカル・ツーリズム=Wakayamaという新しい考え方」を提案しました。

 余談ですが、食べ物については中国では何でも食することが出来ますし、食材も豊富ですから興味がないことと、同省には世界遺産は6か所もあり熊野古道は知らないとの回答がありました。また日本の観光地でのサービスレベルは世界一で、何の問題もありませんとのことでした。
 局長からは、「中でも健康と医療について最も関心があります。今まで観光と医療、健康を組み込んだ提案をしてきたのは今回の皆様が初めてのことです。ぜひ、この分野で観光ツアーを組んで下さい。それに応えて観光に訪れるキャンペーンを行います。」と応えてくれました。

 そして2008年夏の北京オリンピックのサッカー会場は瀋陽市と決定しているためオリンピックスタジアムを建設中です。是非とも白浜空港からチャーター便を飛ばして訪れたいことも提案しました。これが単なる観光交流ではなくて、観光から友好につながって行く交流のための施策なのです。
 中国側からは、「日本の行政は意思決定のスピードが遅いので中々決められない。お互いの交流が先に進まないので民間ベースで先行しなければ進展しないので気をつけて下さい」との助言もありました。
 観光施策についての協議と今後の進め方について、極めて有効な提案と確認が図れました。本日の話し合いを進展させるための活動を行います。

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