1月31日(水) 「カジノ・エンターテイメント」
【和歌山市の市場】
 ある金融関係者と和歌山市中心市街地などに関して懇談。論点は、中心市街地を核としたまちづくりを推進していますが和島興産に続く投資が捗っていないことです。市が活性化推進を打ち上げ地元資本が投資してまちづくりが進んでいますから、本来であればここに注目した県外資本の参入もあるのですが、そうなっていないことが問題です。フォルテワジマに続く計画は、同じく和島興産のフォルテ十番丁ビルがあります。その次に言われているのがボートピア、そして和歌山大学観光学部が進出してくれるかどうかです。それ以降の新しい計画が出てこないのです。何としても活性化への期待感が感じられるようになって欲しいところですが、殻を突き破れないような感覚です。

 この金融関係者が大阪市内の事業者と話し合った時のことです。その事業者は「和歌山市で商売をするのは簡単ですよ。但し進出することが難しいのが問題です」と言ったようです。この意味は、何度か和歌山市の市場調査に来ているのですが、扱っている商品は大阪市で扱っている商品と違っているので、進出したとすれば打ち勝てると言うことなので、和歌山市での商売で売上を図るのは簡単だと言うのです。

 しかし進出することを阻まれるので進出が困難だと言うものです。和歌山市の市場に行きたい気持ちがあっても、障壁があって進出が図れない点が和歌山市として問題だと言うのです。まるで海外進出をするみたいに障壁が高い地域が和歌山市だそうです。
 勿論、地元資本が投資してくれて活性化が図れることが一番良いのですが、地元資本の投資が進まないようなら県外資本を呼び込むことも活性化のためには必要です。地元資本の投資がなく、県外資本を排除するような事態があるとすれば問題なのです。金融機関としては、市に将来の発展を担保出来るような基本計画や企業の投資計画があれば、相談に乗って融資や一緒にまちづくりを行いたい意向があるのですが、現状はそうなっていないようです。金融機関を巻き込んだ中心市街地活性化基本計画になっているのかどうか、再検証が必要なのかも知れません。

【カジノ・エンターテイメント】
 田辺市で「カジノ・エンターテイメント開設の効果について考える」講演会がありました。講師は大阪商業大学の佐和良作先生です。和歌山県の新長期基本計画原案でもカジノの可能性について記載されていますから、和歌山県でカジノ誘致に関する講演会を開催することは、県がその意気込みを示すものだと思います。開催場所は田辺市ですから、その辺りも注目したいところです。

 カジノに関しての法案は早ければ今国会で提案されるかも知れない問題で、私達に問題提議されるのはそう遠くない時期ではないでしょうか。問題が問題になる前に学んでおくことはとても有意義なことです。既に方向性が定められた後で賛成や反対の意思表示をしても時期が遅いものですし、大勢に追従して賛成しても個人の存在感としては、余り意味は感じられないからです。カジノが認められるのは当初は三か所、最終的に十ヵ所程度の見込みだそうです。十ヵ所の根拠は道州制に移行した場合、それぞれの州に一ヵ所カジノが設置されていることを目指しているからです。

 経済的効果の面でも優れています。今まで日本になかった新しい産業が地域に生まれることや、24時間営業の労働集約的な産業であることから多くの雇用が見込まれることなどの効果があります。誘致した地方自治体にはゲーミング税と法人税、地方税、所得税が見込まれます。そしてカジノ産業で雇用が一人あるとカジノ産業以外で雇用が一人増加するそうです。それほど周辺産業への波及効果があるのです。

 また日本人のカジノへの期待は、一度に様々な娯楽が楽しめることとリゾート隣接型カジノなのです。(2003年9月実施の、博報堂によるカジノに関する生活者意識調査から)
 つまりギャンブルとしてのカジノではなく家族で行って楽しめるカジノ・エンターテイメントを求めているのです。カジノと演劇、温泉、スポーツ施設などの組み合わせにより、家族の誰でもが楽しめる空間創出が日本型カジノの成功の鍵とも言えます。ただカジノを作った場合のマイナス効果を社会的コストと言いますが、その点に関しての地元理解は絶対に必要です。社会的コストは犯罪と風紀の乱れやギャンブル依存症患者が増えること。青少年に悪影響を与えることや勤労精神を減退させること。そして闇組織の資金源になることへの懸念などがあります。恐らく反対する理由は、社会的コストの問題があるからです。具体化させるにつれて反対意見が出てくると予想されますが、計画の推進者はしっかりと説明責任を果たすべきです。

 地域にとって、和歌山県にとって利益と不利益を天秤にかけ、どちらの価値が大きいかを判断したいところです。
 ところで和歌山県にカジノを立地するために整えなければならない条件は、道路の整備、空路の活用、インフラ整備が挙げられます。道路の整備とは、例えば国内ではターゲットとなる京阪神や名古屋圏から2時間から3時間以内で到達出来るようにすること。国外では東アジアとのチャーター便などの運航が必要なのです。そして投資家の存在です。投資家が和歌山県でのカジノ立地に魅力を感じてくれることが最も大切な要素です。

 そして和歌山県ではラスベガスやマカオのような大規模カジノの立地は、投資面、敷地面などから困難なので、ヨーロッパ型のコンパクトカジノを目指すべきです。カジノと温泉施設を組み合わせた施設などは、他都市と違いのある和歌山県らしい魅力溢れた設備として有力なものです。

 いずれにしてもカジノを立地しようとすれば、和歌山県の長期計画でのカジノの位置づけを明確にして、皆さんから観光施設の切り札として歓迎されるものに仕上げる必要があります。和歌山県とカジノの位置関係の根本がしっかりしていることが条件です。
 最後に。和歌山県の潜在成長率は、全国の府県の中において唯一マイナス成長で全国最下位と評価されていますし、少子高齢化がいち早く進んでいる地域でもあり、そして著しい人口減少と紀南地域の産業衰退などの状況にあります。日本にとって新しい産業であるカジノが、地域再生の切り札になるのかどうか試すには絶好の地域だと考えるとも可能です。ですから、国から和歌山県がカジノ立地候補地として選定される可能性はあるのです。
 カジノの最新の講義を聞くことが出来ましたし、講義を現地で聞くことに意味はあったと感じています。現場で第一人者の意見を、そして空気に触れることで新しいテーマを体感出来るのです。
1月30日(水) 「打ち合わせ」
【打ち合わせ】
 早朝から東京に向かい数件の打ち合わせを行いました。一つ目は道路特定財源の件です。
 政府案は道路特定財源の10年間の暫定延長を主張していますし、野党は道路にだけ特定の財源を設けるのはおかしいことと、10年間の暫定延長は暫定とは言えないことから廃止を訴えています。ただ現時点ではどちらも世論から支持されていないようです。それは10年もの暫定期間は長すぎること、ガソリン代を値下げして欲しいこと、しかし道路は欲しいことなどから世論はどちらを欲しているのか分かりません。

 そこで税率を下げて特定財源を存続させ、地方の道路は維持しながらガソリン代を少し値下げする折衷案が望ましいのではないかと意見の提案がありました。それなら世論の支持を得られるのではないかと言うものです。与党が延長を強行することに対して反発もありますが、単に野党の訴えるガソリン議会になることも納得していないからです。国の方向を決めるにあたっては今国会でもより重要な問題もある筈ですが、東京においては、道路問題だけが重要視されていることに飽きている様子があるそうです。

 確かに衆参両議院で与野党が逆転したことによって議論が明確になったことは歓迎すべきことですが、政党が自分の政党の意見を主張し張り合うだけではなく、お互いの意見の良いところを受け入れる形で話し合ってほしいと思っているようです。
 ガソリン税を下げると環境が悪化するなど問題のすり替え議論も出てくるなど稚拙な訴えが出たことに関して日本の国会は一体何をしているのか、参加した外国の方からも意見を聞きました。

 続いての打ち合わせはサブプライムローンへの対応に関してのものです。世界経済を圧倒している感のあるサブプライムローンですが、関係者の話からは、実は日本への影響はそれ程ないと伺いました。影響を受けていると言われているアメリカとヨーロッパの金融機関ですが、損失総額は約300兆円の見込みで、この数字はアメリカとヨーロッパ諸国のGDPの0.0数パーセント程度なので実際は慌てることもないと言うものです。もうひとつの比較として日本のパブル経済崩壊の時の損失は約1,000兆円でしたから、それを一国の力で解決したことを考えると、アメリカやヨーロッパの大国がうろたえる必要はないと話してくれました。

 万一損失の処理が出来なかったとしても民間金融機関が破綻する話で、そこから来る経済不安は広がるものの一国の経済を左右するものにはならないのが事実だそうです。金融機関が破綻すれば買い支える企業が出てくるであろうし、真に、国の経済に影響を与えるのであれば既に対策は講じているだろうと言います。

 報道で驚かされていますが、実態を知るためには報道資料を読むだけではなく関係者と直接話し合うことで、より良質の情報を得て、本質のことを知ることが出来るのです。
 そして私達は情報の洪水の中にいますから、何でも知っているように思っていますが、実際はそうではありません。全国版報道されている案件の中で、地方で暮らしている私達が自分で体験しているもの、又は出来ることは100%近くありません。体験していないものが本質のものかどうかを判断することは難しいのです。

 ですから正確な情報を仕入れるルートを持っておいて必要以上、情報に踊らされないように、また情報から不安にならないようにしなければなりません。知らないところで動いている問題は巨大に感じますが、自分が関わるとそれは解決出来る方法があることを感じ取れます。
 本日の教訓は「生みの苦しみは誰も味わいたくないから着手しません。しかし誰かがスタートを切ると、それに気づいた人は一斉にスタートを切ります」。世の中はそんなものです。しかし形の見えないもの対して最初に行動を起こす人が強い人なのです。

 夜、羽田空港から関西空港に戻りました。実は最近、緊張を強いられる場面が多いのですが、人の心は不安定なものであることが分かります。少しの状況変化で不安にもなりますし喜ぶこともあります。人の言葉に感謝したり、また逆に傷つけられたりします。不安感があると突然、周囲に壁が出来て見渡せなくなりますし、安心感があると櫓が現れて周囲を見渡せるようになります。心の持ち方で自分の置かれる立場は大きく変化するものです。心は鍛えても鍛えても、鍛えられないものです。
1月29日(火) 「議会報告会」
【地域開発】
 北海道から山口県まで全国の大型商業施設開発に取り組んできた経験者と、地域発展の取り組みについて話し合いました。地域開発は都市によって違いがあるようです。計画を説明して納得してくれると同意してくれる地権者が多い都市もあれば、条件面での同意が困難な地域もあります。同意した後に条件を引き上げてくる都市もあるようで、経験話をお伺いするとその地域性が分かります。

 つまり各府県の都心部での大型商業施設開発はどこの都市でも難しさが伴うものですから、和歌山県だけが特別なところではありません。ただ和歌山県は比較的、地域開発が難しい地域であることは間違いないようです。情報が関係者以外に漏れた時点で計画は終わってしまう事例もあり、水面下で進めることの難しさを感じました。

 ここで地域開発に関しての心掛けていることを教えてくれました。理論かどうか分かりませんが、「ゴキブリとマンモスの理論」と言うものです。環境変化の厳しい地球の長い歴史を生き抜いてきたゴキブリは、進化と退化を繰り返して来ました。残された化石には大型のゴキブリもいれば小型のゴキブリもあります。気象条件や食糧、天敵の強大さなどによって体の大きさなどを変化させて生き延びて来ました。マンモスはその時代の王者ですから体を巨大化させる方向に進化し、他の生物などを食糧にしていました。巨大化することは生きるための食糧が大量に必要となりますし、気候変化などにも影響を受けやすくなります。安定している時代は良いのですが、不安定な時代になると忽ち弱体化します。時代の王者であっても変化に弱いマンモスは滅びて、変化に対応してきたゴキブリは現現代も生き残っています。

 市場主義社会も同じで、周囲のものを飲み込んで巨大化して企業は自らの生命を維持するため人材も資源も大量に必要となりますから、顧客志向の変化と市場の変化に対応出来なくなり兼ねません。一方企業は大きくなっても組織を小型化させリスクを分散させている企業は変化に対応しやすくなります。
 スーパーの例を示してくれたのですが、一番早くに登場したスーパーダイエーは市場を先取りし圧倒的にお客さんの支持を得ました。食料品だけではなく衣料品や電気製品も直営で扱いましたし、その後、ホテルやレジャー施設、ミシンなどにも事業を拡大しました。そしてダイエーの店舗はグループ会社で占めるようになり、巨大化させていったのです。

 ダイエーの店舗開発を経験したAさんは当時の中内社長に「グループ会社でダイエーの店舗を全て埋めるよりもテナントに入ってもらう方が良いと思います」と意見したところ、社長は「これからは大が小を飲み込む時代だよ」と答えたそうです。ダイエーは自社商品の開発も行い一時的にはお客さんの支持を得ましたが、つなぎ止めることは出来ませんでした。
 Aさんは、テナントを入れることは家賃収入を得られるので売上に左右されないで収益を安定させることになるので、巨大化させる一方で本業の収益を上げる方法を考える時期に来ていると感じていたのです。結局、全ての商品とサービスはダイエーを含むグループ会社で賄おうとしたことが破綻への道を辿ることになったのです。

 一方ライバルだったイオンは店舗の中で食品部門を自前で運営し、他の商品は専門業者に任せることにしてテナント貸しを行い、テナントから収入を得ることにしたのです。全てを自前で行おうとして巨大化して行ったダイエーと、巨大化しながらも機能を分散させたイオン。進化させることに専念したダイエーと進化と進化に備えての退化を繰り返したイオンの差が生じたのです。

 ある規模までは拡大路線は欠かせませんが、ある規模に到達すると収益確保と人材確保の観点からも機能分散が必要となるのです。明暗を分けたのはその進化するために辿った方向の差だったのかも知れません。
 Aさんは「まさかダイエーが破綻するとは思わなかったし、今でもダイエーが存続し中内社長がそこにいるような気がする。」と話してくれましたが、スーパーで全区制覇を夢見て時代を創った大企業でも、進化の過程を誤ると姿を消さざるを得ないのです。

 巨大化に行き着くともう次の段階はありませんから縮小して行きます。一方向ではなく環境に適合するように進化と退化を繰り返すことが、環境に適合する進化の道を歩むのです。ある分野の市場を寡占することや巨大な権力を握ることは、その時点から既に後退の道を辿っていることに気付くべきです。巨大化を志向するのではなくて環境への適合を目指すことで、人生の階段を確実に昇りたいものです。

【議会報告会】
 夕方からは和歌山県海南市に向かい、同海南市内で議会報告会を開催しました。仕事でお忙しい中でしたが15人も集まってくれました。議会報告は、今までの議会と地域の中で取り組んで来た活動経過を説明し、昨年末から現在までの最新の和歌山県の状況報告を行いました。和歌山県市の中心市街地活性化に向けての取り組み、海南市と和歌山マリーナシティの問題、今春、和歌山市で開局するエフエム和歌山について、そして県民球団紀州レンジャーズによる地域活性化の取り組みを中心に説明いたしました。

 また参加者の中には国の動きに関して関心を持つ人がありました。関心を持っている理由は、年金問題とガソリンの問題が大きいのです。どちらも衆参両議院の議員数が与野党で逆転していることから、今までなら問題にならなかったことが与野党で激しく議論され問題点が浮き彫りになっていることが原因でした。結果はどうあれ、問題を問題と扱わないで、または問題と気付かないで衆参両院を素通りさせてしまうよりも、対立する意見を交わす方が私達の問題意識が深まるのは間違いのないところです。国政の議論に関心を持つことが参政意識を高めることになり、やがて投票行動につながります。自分の一票に力を感じた有権者は、それ以降その力を放棄することはありません。やはり社会を良くする方向で対立した議論を行うことが、無関心を関心に変え、停滞を変化に変えてくれるのです。

 国政の停滞は良くないとの意見もありますがそうではありません。停滞を避けるために議論を行わないことや問題を問題として扱わないことの方が、長い視点からすると停滞を招くことになります。
 ある外国の有力者の方が言いました。「私達の国から見ると、自民党は老人の党で民主党は子どもの党です」。この意味するところは、どちらもわが国の相手にならないと言うものです。日本の政治はこの程度に思われていることを認識しておくべきです。
 そこで「ではどちらを重視するのですか」との問いに対しては「老人よりも子どもの方が次の時代に向かうためには大切なのです」と答えてくれました。余談ですが、この外国の方が比喩した老人と子どもとは、若さや年齢構成を指すのではなくて、その考え方を指しています。何でも吸収しようとする柔軟性があり、成長度合いが高い方を将来のライバルと見ているのです。
 本質を見抜くものの見方は、現在の利権を守ろうとしているのか、利権を取っ払おうとしているのかを視点とすると良いのです。どちらが正義なのかは自分で判断しなければ教えてくれません。
 最後に、参加者からの質問は、和歌山下津港湾の活用について、二順目国体に向けて種目競技の施設整備の必要性についての二点がありました。本日の議会報告会では、時間の制約もあり、活動全般を紹介したのですが、次回は項目を数点に絞って活性化対策について掘り下げて説明したいと考えています。
 
【感謝】
 議会報告会の後に立ち寄った飲食店。人柄に惹かれて良く行くのですが、お店の壁に新しい色紙を見つけました。色紙には「○○○さんへ。感謝。2008年吉日」と書かれ、署名は3名の方でした。店主に伺うと「昔、ある大学の校内で営業していた時に良く来てくれた学生さん達ですよ」との返答。更に聞くと、3人とも平成20年、つまり今年で60歳になるそうです。

 今年の正月明けに3人が集まって、何十年ぶりに懐かしい味を味わいにこのお店を訪れたのです。大学を卒業した後、一人は公務員、二人は学校の先生になって定年を迎えるこの年まで勤めあげたのです。社会からの卒業の時期を迎えて、学生時代に味わったお店に感謝の気持ちを持ってやって来たのです。22歳で学校を卒業した3人が、社会を卒業する60歳になって訪ねてくれた。そして38年ぶりに味わった学生時代の味。何と素晴らしい出来事なのでしょうか。

 3人は、この味に対する感謝の気持ちを持って社会人として過ごして来たのです。その昔に感謝の気持ちを感じた3人は、その後も感謝の気持ちを持ち続けた社会人として過ごしてきたのです。素晴らしい社会人生活を、今年終えようとしているに違いありません。
 理由は簡単です。もしかしたら人生の中の小さな出来事のひとつに数えられるかも知れない食事。その小さなことに感謝の気持ちを持っていることは、他のことに関しても感謝の気持ちを持っていた筈です。大きな恩に対しては感謝の気持ちを持ちますが、小さな恩に対しては感謝の気持ちは湧かないことがあります。

 でも他人から受けたご恩には大小に関係なく感謝の気持ちを持つべきなのです。それは感謝したくなる出来事に感謝することで、次の感謝すべき出来事に出合うからです。感謝の気持ちを持たない人の下にはその出来事は巡って来ません。感謝に満ちた人生は素晴らしい出来事に溢れた人生なのです。

 同じような出来事でも、心の持ち方によっては不満に思うことと感謝する気持ちになることがあります。例えば「明日、朝8時に会いましょう」とお誘いを受けた場合。不満に思う気持ちからは、「何で朝一番から行かなくてはならないのだろう。もっと遅くても良いのではないか」との思いが内心芽生えます。
 ところが感謝の気持ちを持っていれば、「お忙しいのに、朝から時間を取ってくれるとは有り難いことです。きっと私のために無理をして朝8時の時間を開けてくれたのでしょうね」と感謝する気持ちになります。

 そして翌日の朝8時の会合に際しては、前者の場合は朝が早いことから不満の表情が現われダラダラした会合になります。後者の場合は相手に後工程があることを察していますからテキパキとした会合になります。不満と感謝の気持ちでは現実の会合はこれ程違うのです。その結果も違ってくるのは当然のことです。
 会ったこともない色紙の3人ですが、色紙と嬉しそうに話してくれる店主の笑顔から、その気持ちが伝わって来ました。山も谷もあったでしょうが、きっと笑顔と感謝の気持ちに溢れた人生だったと思います。それだけでも幸せであったことに間違いありません。
 感謝の言葉には笑顔が本当に似合います。感謝に満ち溢れたお店にはお客さんがやって来ます。同じように感謝に満ちた人の周囲には人が集まり、感謝の気持ちが一杯の地域には人が集まります。
 感謝の気持ちがあふれた地域。そこには自然と人が集まり、明るい未来だけが見えています。
1月28日(月) 「行政改革・長期計画等特別委員会」
 本日は和歌山県新長期総合計画原案に対する特別委員会が開催されました。私も委員に任命されていることから出席しました。会派として私の質問の担当項目は、交通機能、被災者支援、水辺の生活空間の整備などについてです。長期計画は担当課の職員さんが相当議論を交わし知事とのヒアリングを経て策定されたもので、県の方向性の大枠は示されています。今回の計画では各項目について具体化されていないのですが、本長期総合計画が認定された後にアクションプランとして具体化される予定ですから、今回は具体策や詳細にまで及ぶことはしませんでした。

 特別委員会で提議された質問と意見は88件に及び、午前に開始して終了は午後5時30分となりました。
 新長期総合計画の策定の趣旨は、県の将来のあり方について県と県民が共有する長期目標が必要であり、そのために外部委託ではなく県当局が策定したものを発表すること目指してものです。但し規範性を県が決めることに関して躊躇していません。

 また格差社会と言われていますが、目標を下に合わせるのではなくて、上に合わせて全体を引き上げ拡大したパイを全体で共有することも目標としています。なお、施策の実施に当たっては財政面の裏付けが必要ですが、身の丈に合わせると言うのはマイナスの考え方ではなくて、財政の制約から施策が実行出来ないとは考えていません。現在の財政の身の丈に合わせるとなると、マイナスの均衡になってしまうので好ましくないからです。
 
 中身に入ります。
この長期計画の策定に関して県民の皆さんからパブリックコメントを募集していました。ところが寄せられた意見は2件で、関係者が思っている程、皆さんは関心がないのが現実なのです。作成までに時間を掛けて全力を尽くしているのに、このままでは完成しても読んでくれない恐れがあります。完成版が仕上がっても皆さんが知らないばかりか、この計画を知ったとしても関心を示してくれないと思います。県が県民の皆さんと目標と目指すところを共有しようとしているのに空振りの危険性もあります。県単独で計画を遂行しても意味合いが少なく、本計画の目標達成に向けての協働作業に意味があり、協働が必要なのです。
出来上がった基本計画を配布するだけでは不十分です。知事が説明する、県民出前講座で説明をするなど、読んでもらうのではなくて説明する姿勢が必要であることを指摘しておきました。

外国語の授業の必要性に関しては、現在でも小学校5年生と6年生の英語授業は17.5時間と、全国平均を上回っていますが、新教育指導要領に基づき更に倍増させる計画としています。

外国語教育に秀でた私学の誘致に関しては、進出してくれる学校があれば積極的に対応してくれることになりました。

総合型地域スポーツクラブに関しては、現在13市町村に存在していて25クラブがありますが、地域間に温度差があることを認めた上で、全市町村に設立することを約してくれました。

スポーツ指導者の養成については、国体での総合優勝を目指すのであれば、今から指導者養成を行っても間に合わないので、他の地域から引き抜いてくる位の事が必要。養成と合わせて移籍も検討することになっています。

「わがまちスポーツ」に関しては、黒潮国体の時に地域でひとつ市民が親しめるスポーツを定めています。例えばかつらぎ町笠田ではソフトボール、有田市箕島ではホッケーなど、特色あるスポーツを自分たちの町のスポーツに指定しています。今回の二順目国体でも一過性にするのではなくて、新しい「わがまちスポーツ」を指定したいと考えているようです。

中国での和歌山県現地事務所について。以前香港に現地事務所がありましたが、現在は現地の人に駐在してもらっている程度で縮小しています。復活させることに関しては、コストパフォーマンスが前提で、一人事務所だと全ての仕事が一人で行う必要があり効果的ではないので、小さい事務所よりも組織全体を活用して和歌山県を世界に売り出すことが必要です。雇用リスクを負わない形で、自分たちが海外に対して和歌山県が何をしたいのかを明確にして取り組むことにしたいとの回答がありました。

アグリビジネスに関しては、民間主体ですが初期投資については中小ファンドの活用も視野に入れているようです。

自然エネルギーの活用に関して。和歌山県下の太陽光発電システムの設置台数は平成16年度と平成17年度は700台ありましたが、平成18年度は500台に減少しています。これは平成18年度に補助制度が打ち切られたことが要因です。和歌山県は日照時間が長いため太陽光発電は有力なエネルギーです。太陽光発電設置目標は二倍にしていますから、県独自の支援策を視野に入れていますと回答がありました。

「わかやま新エネルギー構想」について。和歌山県は日照時間が長いので太陽光発電の設置拡大や風力発電、バイオマス発電の普及を図ると共に、御坊市の新エネルギーパークの活用とメタンハイドレード活用への取り組みも検討しています。つまり新エネルギーの活用から展開して、新たな産業を創っていこうと考えていることと、和歌山県ではその可能性を秘めている地域であることを認識しています。

カジノ誘致に関しては本計画に記載していることが前向きなことです。地元自治体と協議しながら検討することになっています。

全国大会誘致について。県が重点としているのは、国際大会と全国大会の誘致に関してとしています。県負担金も必要なので誘致対象は二つの大きな大会に絞っています。近年では国際卓球や合気道世界大会、小学生のセーリングチャンピオン大会などの誘致があります。

私からの主な質疑は次の通りです。
(企画部長)
関西空港の機能拡充について。和歌山県にとって関西空港の位置づけを明確化することは重要です。本計画には関西の自治体や経済界と一体となってと記載していますが、関西には伊丹空港、神戸空港と合わせて三つあり、現状は関西空港の活用よりもお互いに利便性の良い時間帯を取り合っているような状況ですが、関西財界や大阪府と兵庫県と十分な連携を図った上で展望しているのですか。また関西空港の位置づけはどうなっていますか。

ハブ空港の役割を果たすために第二期島の整備は進む、または進めるのですか。また和歌山県の果たすべき役割は何ですか。

(県土整備部長)
港湾の利便性向上について。和歌山下津港は特定重要港湾ですが、そのアピールについて、前回の長期計画では太平洋岸の玄関港として「ベイフロンティア構想の中核として関西圏における国内外との人と物の交流のゲートウェイ機能を担う国際港湾として整備を進める」と記載がありましたが、今回の長期計画との整合性についてお示し下さい。

(危機管理監)
防災対策に関しての印象は、東海地震の先進県と比較して対策項目が弱いように感じますが、これは東海地震と東南海・南海地震では予算規模が違うことから来ているのでしょうか。そうであるならその理由と、防災対策を施すための予算確保はどう考えているのですか。

被災者支援について。被災した皆さんの一番の要望は生活情報だと思います。生活関連情報を適切に提供できる体制についての記述が薄いように思いますが、情報提供に関してはどの程度考えていますか。

防災および被災時の市町村との連携についてお示し下さい。

帰宅困難者や観光客への支援対策まで踏み込んでいますが、実際の支援策は相当難しいと思います。これらに関してどう考えていますか。

(県土整備部長)
水辺環境の再生と創出について。和歌山市内の河川の浄化に関する取り組みについて、下水道の整備と関連付けて、ある程度、具体的な説明をお願いします。
1月27日(日) 「親切心」
【親切心】
 昨日、東京都内の南北線地下鉄の登り口の狭い階段が混雑していました。その原因は、集団の先頭におばあさんが重い荷物を持ってゆっくりと階段を昇っていたからでした。階段を昇る人達は少し苛立っていましたが、ここで感動的な場面に遭遇しました。
 おばあさんの後ろを歩いていた男性が、おばあさんに「大丈夫ですか」と声を掛けて、早く歩きたくても歩けなくて困っているおばあさんの手を握り引いてあげ、そして重い荷物をもう一方の手を提げて階段を昇りはじめたのです。階段を昇り終わった時、おばあさんがお礼の言葉を掛けたところ、「何もしていませんから」と声を掛けて去ろうとしました。私はその男性に、「素晴らしい行動ですね」と声を掛けたのですが、その程度の行動しか取れなかったことに恥ずかしい思いがしました。その瞬間、男性は少し照れて微笑んでいたように見えましたが、その行動は都会の中のオアシスのようでした。
 
 以前、東京から転勤して来た人に、和歌山県の人は困っている人に不親切だと指摘されたことがありました。当時、思い当たるところはなかったのですが、この光景を見ると、東京では困っている人への親切な行為が日常的に行われていて、周囲に好影響を与えている様に感じました。
 公衆の中で困っている人に親切にする行動は何故か取りにくいものです。恐らく多くの人は内心、助けてあげたいと思っているでしょうが、行動に移せるのはその一部の人だけです。このように、往々にして私達は人の目を気にして困っている人に親切な行動を取りたくても取れません。思っていても行動に起こせないことで自分にも苛立たしい思いをすることがありますが、この出来事を間近で見て、人の目よりも自分の気持ちを優先させられる人でありたいと思いました。

 同じ様なことですが、お店に行って購入代金の支払いをすると、店員さんは「ありがとうございました」と声を掛けてくれます。飛行機に乗って降りる時にはキャビン・アテンダントが「ありがとうございました」と声を掛けてくれます。言葉にお礼と感謝の気持ちを乗せて伝えてくれているのです。それに対してお客さん側は、無言でいることが多いようです。お店やサービスを供給する側にとってお客さんは何よりも大切な人ですから、「ありがとうこざいます」の言葉を掛けるのは当然のことだとしても、需要者側が何も言わないのは不自然です。供給してくれる人がいるからサービスや利益の提供を受けられる訳ですから、お客さんもお店などに対して感謝の気持ちを持ちたいところです。
 サービス提供者からの「ありがとうございました」の言葉に対して、需要者側も「ありがとうございました」の言葉を返したいものです。

 時折、店員のこれらの挨拶に対して、マニュアル通りだから心がこもっていないとの指摘を聞くこともありますが、決してそうではありません。言葉を発する側の気持ちとしては、最低限、その言葉を発することはその気持ちがあるのです。相手に向かって「ありがとうございます」という瞬間は、少なくともその気持ちが言葉によって伝えられているのです。店員がお客さんに対して横を向いていたり、反り返っていない限り、心がこもっていないと感じる人は、その言葉を自分の気持で受け取っていないからです。
 感謝の気持ちに対しては感謝の気持ちで応えることを心掛けたいものですし、困っている人に対しては、親切心で行動に起こしたいものです。

【その他】
 調整事項が幾つかありました。中々時間を取れない中での対応ばかりでしたが、本日発生の案件は夕方には全て完了しました。少し安心して自宅に戻りました。
1月26日(土) 「浜松にて」
【浜松にて】
 静岡県浜松市を訪ねました。浜松市を訪れるのは初めてでしたが、新大阪から約1時間30分の移動時間で国土軸の利便性を感じました。浜松市は言うまでもなく政令指定都市の大都市で人口では県庁所在地の静岡市を凌いでいますし、ヤマハや河合楽器などの大企業が立地しています。かつては浜松県として独立していましたが静岡市と合併してひとつになった経緯があると伺いました。

 本日は浜松市の某企業の社長と懇談することが目的でした。地域のために尽力していることや新しい技術を社会に送り出そうと取り組んでいることから、和歌山県とも交流の機会を得たいと考えてのものでした。
 社長から紹介された技術はまだ社会に出していないものも含めて素晴らしいものばかりでした。もっと言えば、社会を変える可能性を秘めた技術の数々に驚きました。
 例えば環境保全を図るための技術があります。自動車や二輪車からの二酸化炭素排出量を激減させた上に燃費を向上させる技術。地元の自動車会社との提携を図っているようですが、京都議定書発効に伴うわが国の国際公約達成のためにも普及すべきものです。自動車や船舶などに適用することで地球環境保全にもなりますし、貴重な化石燃料を守ることにもなります。

 機密事項なので記載することは出来ませんが、高齢者の方や小学生が快適な生活を過ごすために役立つ技術や寒冷地の生活を一変させる技術などがありました。そして驚くことは難病を治してくれる「もの」があることです。これはある国のアカデミーでその理論を共同で発表しているものですが、理論は分かっていても実用化されるまでに時間が掛ったものです。今では製造に成功していますが、共同した学者が死去している現在においてただ一人、技術を伝えられる立場にあるのです。分かったことは、人間の身体の病気を治すのは自然の力だと言うことです。人工のものではなく、地球上にあるものが私達の身体に良い影響を与えてくれるのです。人は自然と共に、そして地球と共に生きていることを痛感させられました。
 さて、全て技術内容は伏せておくべきものですから、読んでいても何の技術か分からないと思いますが、兎に角、早く世の中に送り出したいものばかりでした。今後とも協同出来ることを楽しみにしています。

【東京にて】
 浜松から東京に移動して午後7時から9時まで打ち合わせを行い、羽田発最終便で関西空港に戻りました。議題はわが国経済の回復に向けた取り組みに関してのものでした。円高、株安、原油高などで日本経済に停滞感があるようですが、わが国はアメリカに次ぐ経済大国なのですから自信を持つべきなのです。サブプライムローンの問題でも日本の影響は欧米と比較して格段に小さいのですから悲観するのは止めて、むしろ積極姿勢に転じるべきかも知れません。私達はわが国の将来に関しての展望が開けないことを刷り込みされている感もありますが、日本の国力は決して小さくないのです。ですから、現在の情勢を打破することは可能だと信じた行動を取りたいものです。

 ある方との話し合いにおいては、和歌山県に関しては、東アジアとの貿易港を確立させたいものですし、エネルギー基地も適しているとの見解をいただきました。企業立地の可能性もある地域なので一緒に方策を考えていくことにしています。その前提として投資を呼び込むしくみも考えています。
 
【ロードレース】
 和歌山県内で自転車のロードレース競技に挑戦している人がいます。和歌山県で全国のロードレースに出場しているのは二人だけですから認知度は低いのですが、この競技はオリンピック競技でもあり国体の正式種目でもあるのです。ヨーロッパではツール・ド・フランスに代表されるように自転車競技は伝統と人気があるものですし、和歌山県内においてはツール・ド・熊野の大会が開催されています。
 東京から帰った夜11時30分から日付が変わる頃まで、和歌山県の選手と懇談しました。
 日本ではマイナーな競技のため自費で全国の各種大会にも出場していますし、仕事の合間を縫って毎日80kmを走行するなどの練習を行っています。和歌山県の選手ですから地域として応援してあげたいものです。隠れた努力をしている人を自然に支援することが地域の力なのです。和歌山県の民力を信じています。
1月25日(金) 「関西議員団会議」
【特別委員会通告】
 平成20年1月28日に開催予定の「行政改革・長期計画等特別委員会」に関する質問の通告を行っていますが、その準備を行いました。通告内容は次の通りです。

○交通機能の充実について
 ・関西空港の機能充実と活用について
 ・港湾の利便性向上と利用促進について
○被災者支援対策の推進について
 ・被災者支援について
 ・帰宅困難者への支援対策について
○災害予防・減災のための着実な基盤づくりの推進について
 ・地震対策について
○快適な生活空間の整備について
 ・水辺の環境の再生と創出について
 以上の項目です。後は必要に応じて関連することにしています。

 今回の和歌山県新長期総合計画原案は職員さんが全力を掲げて作成したものです。かつてコンサルタント会社にたたき台を作成してもらった時代もあるようですが、今回は全て自前の企画と作業ですから県行政の課題をすべて分かった上での長期展望が描かれているので値打ちがあります。

 深夜まで策定作業をしていたことも伝わって来ています。それだけの思いが文字に込められていることが読み取れます。従来の長期計画よりも薄型になっていますが記載内容と思いは濃くなっています。なお新長期総合計画が策定されると、各項目についてアクションプランの策定に移り、各対策項目が具体化されることになります。ひとつの文言が具体的活動につながりますから、今から次の10年に向かって動き出しそうです。

【関西議員団会議】
 関西議員団会議幹事会に参加しました。関西各府県から各1名府県代表の幹事として選出されているもので和歌山県から幹事として参画しています。本日は、昨年から作成して来た参議院選挙の総括と今後の取り組みについて最終稿を確認しました。次の選挙に向けての活動方針に関わるものですから、語句もしっかりと書き込みました。
 また関西議員団研修会の内容と日程も決定しました。研修会は平成20年4月17日と18日、内容は議員団会議代表の地元、姫路市の防災センターの役割説明と視察、そして観光行政について学ぶことに決めました。来週、議員団会議の会員に伝達することにしています。

【新春のつどい】
 和歌山県地域協議会の新春のつどいに出席しました。新しい議長も誕生、新体制で活動運営されることになりました。新議長の挨拶では、原油高、物価上昇、株価下降、景気失速に伴う賃金の先行き不透明感など、生活者にとって大きな問題に挑戦することを宣言してくれました。労働問題では、団塊の世代の第二次とも言える世代が平成20年春に退職を迎えることから各界で経験者が不足すること。そして失われた10年の時代に社会に出た人が30歳代に突入していますが、その内正雇用ではない人が比較的多く、将来の展望が開けていないことなどが問題視されています。経験の喪失と社会を支える人材の不足の二重の労働問題となりそうです。これらの問題も解消すべきことです。
1月24日(木) 「河川浄化」
【クラブ会合】
 来週月曜日に開催予定の「行政改革・長期計画等特別委員会」の質問項目について会派として役割分担を行いました。会派の特別委員会委員は3名ですから、質問項目がダブらないように、そして担当を決めた方が効率的であるため、3名で集まって調整を行いました。私の担当は防災対策、そして県土のインフラに関する項目としました。
 新長期総合計画は向こう10年間の県が目指すべき到達地点を描くものですから、理想と具体的項目を交えた計画に仕上げる必要があるものです。しっかりとした原案が出来上がっていますから、委員としてしっかりと質問する義務があります。3名で議論しながら質問項目の精査を行い、最小限質すべき項目を特別委員会委員長あてに通告しました。

【河川浄化】
 和歌山市内を流れる河川を内川と呼びますが、全国的にも和歌山市内を流れる内川の水質が問題視されているため、河川の浄化を進める必要があります。本日は和歌川で河川を浄化するための施策について打ち合わせを行いました。みぞれが降るなど寒さが厳しい中、約2時間に亘って河川浄化の施工方法などについて、愛知県瀬戸市からも専門家に来てもらっての打ち合わせとなりました。
 全国的には、池や田畑に関して先進地と言われる地域では既に数年前から浄化対策を講じています。水を浄化することでお米の質が向上したり、取れる量が増加したり、或いは鯉の成長が早くなったりと効果が出ています。先日もお米の産地の方から「水質向上のための対策に関して和歌山県は遅れていますよ」と言われました。お米が美味しいと言われている地域では、水質対策は20年も前から講じているようです。今頃と言われても、先進地が行っている対策を実施しなければ追い付くことは出来ません。課題があるとしても環境先進県を目指している和歌山県としては看過出来ない問題として取り組みたいと考えています。

【シャンソン】
 平成20年、和歌山シャンソン協会が主催する和歌山巴里祭、シャンソンフェスティバルが10周年を迎えることになりました。10年間も継続出来たのは皆さんからの支援があったお陰だと感謝しています。本日はシャンソン協会副代表と一緒に、当日のゲストの対応と運営方法に関して打ち合わせを行いました。
 会員の皆さんからの期待感が高いことを感じていますから、充実した巴里祭にするために全力を挙げています。なお、開催月日は平成20年7月13日の予定です。そして今回で終わるのではなく、次の10年に向けたスタートの年だと位置づけています。

【懇談会】
 夜は大阪からお客さんをお招きして懇談会を実施しました。常に県内外の皆さんとの懇談の機会を設けて意見交換することが大切だと認識しています。和歌山県では常識と思えることが、実は常識ではないことがあるからです。そしてもっと大切なことは、直接会って話をすることがお互いを理解することになり、電話やメールでは決して伝わらない感覚を伝えることが可能となり、物事のニュアンスを共有できることなのです。思いは全て伝導しますから、伝導するためには媒体を通じるよりも直接会って話をすることが一番なのです。人と直接会うと必ず何か得るものがあります。もし得られないとすれば、自分のセンサーの感度が良くないと思うべきです。それほど直接会うことの効果は大きいのです。

 さて本日の最大の教訓は、仕事を遂行した結果に関しては「他人は関係ない」と言うことです。自己との結果に関しては全て事項責任であり、仕事の過程で登場した他人に転嫁してはならないのです。結果が芳しくなければ自分の責任を認めたくないため、または自己防衛に入るため、どうしても他人が関与したことから仕事がおかしくなったと思いたくなるものです。

 しかし責任転嫁をしているようでは次の仕事も上手く遂行出来ないばかりか、次の仕事の機会が訪れないかも知れません。結果が伴わないとしても、責任ある仕事をした人の下にだけ仕事が訪れます。その中に社会的にはかなり価値のある仕事が含まれているものです。最初から重要な仕事が任されるものではなく、いくつかの仕事を責任をもって完成させることから信頼が寄せられ、より重要な仕事が任されるようになるのです。重要な仕事が巡って来ないとすれば、責任感が欠如していることに気付くべきなのです。

 仕事だけではなく毎日のように訪れる全ての出来事の結果においては、他人は関係ないのです。自己責任、自己完結を目指したいものです。
 また継続することの価値についても話し合いました。シアトルマリナーズのイチロー選手がアメリカに渡って7年間もカレーを食べ続けて来たことも素晴らしいことですが、継続する力が実力ですし他人から信頼を得ることにもなります。
 「継続は自己の力となり信頼を得ることになります」。ひとつのことを継続することは決して容易ではありません。ですから、容易ではないことを簡単なように見せて継続することが力と信頼になるのです。

 趣味でも日記でも何事でも続けている人は信頼できる人なのです。これは大切なことです。何故なら、仕事は信頼できる人と組むことが成果を上げる秘訣だからです。
 今日の最後にも得られるものがありました。得るものが増えていくことが、日々充実したものになります。
1月23日(水) 「道路特定財源」
【上京】
 午前7時5分関西空港発の飛行機で羽田空港に向かいました。目的は道路特定財源の堅持に関するものでしたが、午前中、都内で懸案事項の打ち合わせを行いました。東京は今年初めての雪だったそうで、最初に訪れた事務所に入る時には黒系統の服が真っ白になっていた程です。ところが雪が幸いして、以下の内容について事務所で打ち合わせをすることが出来ました。東京と関西、東京と和歌山県に関してのものでした。

 東京への欧米系外資による投資は減少しているものの、東アジアやオイルマネーに関しては流入しているようです。ところが関西や和歌山県への投資には向いていないのです。投資対象は都会の一等地の収益物件に限定されているからです。従って、東京はある程度の買い支えがありますが地方都市では、資金の流入が起こらないばかりか、油価格と物価の上昇、そして株価の低下による資産減少と将来への不安などの心理的影響から個人消費が減少する傾向が続きそうです。

 地方の経済への不安感から個人消費と個人の活動が低迷しそうですから、上向きの話が湧き出てこないのです。そこで地方都市での経済活動喚起に関して打ち合わせを行ったのです。直ぐに効果が出る対策はありませんが、直接、状況を訴えて識者に認識してもらうことが必要なのです。現状を訴えておかないと、地方都市では何も起こらないからです。
 話を分かってもらったので、引き続いて協議事項として継続させることにしました。

【道路特定財源】
 今国会で審議されているのが道路特定財源の暫定期間の延長に関してですが、本日は東京の憲政記念館において「道路特定財源堅持を求める都道府県議会議員総決起集会」が開催されたので参加してきました。この問題に関してはすでに報道等されていますからここで提議する問題ではありませんが、和歌山県にとって高速道路が紀伊半島の半分程度行き渡っているだけですから、今後とも道路行政は重要な課題であることは確かです。地方への道路財源の削減は地方行政の血管とも言える道路延伸の進展を減速させるものですから、和歌山県議会から地方からの声を東京であげてきたところです。

【経済問題】
 サブプライムローン問題に関して懇談の機会を得ました。昨年末にもこの問題に関して話し合ったのですが、その時の情勢では速やかに沈静化に向かうとの共通認識を持ちました。ところが外資系銀行を中心に損失額が拡大していることから、世界経済を失速させつつあります。また日本にも影響が波及し株安により資産が減少しています。

 ところがサブプライムローンによる損失額は、世界経済規模からすると誤差に近いようなパーセント比率なので本当は大きな問題に発展しない筈なのですが、影響は拡大し続けています。報道内容から個人に至るまで不安感が増していますが、不安感は一番経済活動に悪影響を与えるものです。国レベルでは、最大限の対策を講じてこの問題を収束させようとしていますから、そのことを信用してこれ以上動揺しないことが大切です。

 話が関西経済に触れると、尼崎市と姫路市へのパナソニック進出、堺市へのシャープ進出があり明るい状況になっています。大阪湾岸に電器メーカーの工場が集積しつつあり、後不足しているのは和歌山市への立地です。姫路市、尼崎市、堺市そして和歌山市に電器メーカーの工場が立地すれば、関西から世界に製品を送り出しリードしていく大勢が整います。残された和歌山市ヘの立地を是非とも実現させたいと話し合い協力を求めました。

 和歌山県を元気に、関西を元気に、そして日本を元気にさせる活動について懇談出来ましたので強い意欲が再び湧き上がりました。刺激があることは活動する上において必要なことです。刺激は人から受けるものですが、やはり東京に来ると刺激の強さを感じますから、それを和歌山県に持ち込みたいと考えています。
1月22日(火) 「エフエム和歌山」
【エフエム和歌山】
 今春開局を控えている「エフエム和歌山」。今が根を下に張り出し、成長のために根を深く広げる時期です。冬の間に下へ下へと根を張った人が花の咲く春を迎えるのです。皆さんのところを訪問して説明を行いました。他府県から来ている人は、「和歌山市にFM局がないので楽しみにしています。他の府県からの電波状態は良くないので和歌山市のFMなら大歓迎です。和歌山市に勤務している間に新しい局が出来ることはツキがあります。」また別の方は、「最近の若い人はラジオに戻ってきているらしいよ。子どもが東京に住んでいるけれど、仲間内ではFMを聞いていますし友人にDJもいるくらいです。放送は以前よりも身近になっている感があります。」などの意見を聞かせてくれました。
 外出する時も音楽や放送は身近になっていることから、持ち出せる放送局として活動する舞台があるようです。東京との連携も図りながら和歌山市の特長を持ったFM放送を創りたいものです。

【地域活性化】
 和歌山市活性化のための方策について数人が集まって打ち合わせを実施。中心市街地が活性化する兆しがあり、これを強力に支援することは当然のこととして、和歌山市全体をどう発展させるのかデザインを描く力が必要だと共通の認識を持ちました。人を中心地に戻すことで賑わいを取り戻し、行政コストを削減する方向が進む方向ですが、和歌山市の場合、道路が整備された郊外も従来通り市街化調整区域のまま放置されていることから、工場や事業所の立地などが進展していません。企業用地が和歌山市に少ないのは、それも要因のひとつだと考えています。

 過去は仕方ないとしても、これからの都市形成においては外せない視点です。中心市街地と郊外発展の共存を図ることが全体をデザインすることで。共存とは、食べていけるだけのモノ、つまり生活するための装着させることに他なりません。今では中心市街地が寂れて人の流れが郊外に向いていたから、今度は中心市街地に人を集約させて郊外は知らない方向ですが、一部だけ栄えて後は知らない態度では従来の手法と同じです。
 今が市全体のグラントデザインを描くことが大事なのです。和歌山市の場合、中心市街地の活性化に関しては一社が孤軍奮闘している状態で、地元行政としてはこれに続く投資を呼び込む仕掛けを講じて欲しいところですし、投資する魅力のある中心市街地に仕上げるデザインが必要なのです。

【都市計画】
 都市計画に関して当局の意見を伺いました。まちづくりは都市計画にあると言っても過言ではありません。まちのあるべき将来の姿を描き、計画達成に向けたまちづくりを行うことが基本です。道路、企業用地の配置、商業地の活性化計画など適切配置し、または創り上げていくことが行政機関の役割なのです。都市計画は時間を要するものですが、これがないと無秩序なまちを形成することになってしまいます。しっかりとした都市計画がまちづくりに欠かせません。

【フラメンコ】
 和歌山県のフラメンコの第一人者が森久美子さんです。県内外で主宰されている教室では年齢に関係なく多くの生徒が学んでいます。本格的に習うコースや趣味として体を動かすコースなどがありますし、ゆるやかなフラメンココースも用意されています。残念ながら私はフラメンコを観たことがありませんが、プロのダンサーの舞台では激しい動きと音が体感出来るようです。ライブではダンサーの踊りから発する音を体感することが出来るそうです。観客をハッとさせることや驚かせてくれるのです。

 ところが森さん曰く「本場スペインのダンスは肉食主体の西洋文化が基本となっているので表現が激しく、日本人には真似できないし感性も違うので、同じ表現は無理」だと言います。民族や文化が違うと同じダンスを学んでも同じものにはならないのです。もっと言えば、日本人がどれだけ練習を重ねても本場のフラメンコに追い付けないのです。でも踊りは百人居れば百通りの踊りがありますから、ひとつの本物を追い掛けなくても良いのです。

 森さんは、「私のフラメンコはこれですと言えますから、世界中どこででも私のフラメンコを踊れます。」と言い切ります。森さんは長い時間をかけてオリジナルのフラメンコを創り上げて来ました。日本文化とスペインの文化を融合させた新しい森さんだけのフラメンコ。オリエンタルフラメンコとも言えますし、和洋折衷のフラメンコとも表現出来そうです。
 激しい感情を表現するのではなく、内に秘めた感情や静かな動きを表現するのが森さんのフラメンコであるような気がします。そして和歌山県発の日本的フラメンコを世界に逆発信させることを目標にしているのです。今の森さんは、この目標を追いかけ続けているのです。

 かつて東京を拠点として全国の舞台でフラメンコの舞台に立っていた時、当時のスタッフからは「和歌山から来ましたと言わないように」と忠告されたそうです。理由は、文化では東京が地方よりも一段上だと思われていたからです。当時は「そうなのかなぁ」と思って従っていたのですが、今の思いは全く違います。東京ブランドを背景にするのではなくて、和歌山から全国に発信出来ることが本物だと思っているからです。地方から文化を発信することでその地方も認められるのです。地方とは人であり文化なのです。決して地形や置かれた環境ではないのです。人が地方を輝かせますし、逆に沈ませることになるのです。人こそが地方なのです。人材が活躍出来る地域、人材が輝く地域、人材が潰されずに応援してくれる地域、そんな地方に人が集まるのです。地方は生き残りをかけて様々な施策を講じようとしていますが、もっと単純に、人が日常生活において生き生きと輝ける地域を創ることが地域活性化の取り組みなのです。

 本日は森さんが活動出来る舞台を用意するために、まちづくりに尽力している方々と打ち合わせを行いました。舞台で踊る人と舞台を用意してくれる人、どちらが欠けても地域は上手く機能しませんから、ひとつの文化を地方から発信するためには、表に出る人と裏で支える人が必要なのです。
 中心市街地を活性化させようと取り組んでいる人、そして和歌山県から世界に文化を発信しようとする人がいます。人の出会いが化学反応を起こし、その人が地方を輝かせてくれる予感がします。
1月21日(月) 「クラブ総会」
【クラブ総会】
 行政改革・長期計画等に関する特別委員会の開催が平成20年1月28日に決定しました。この特別委員会は和歌山県新長期総合計画の内容を審議するもので、当局からの原案が出来上がったため会派で確認を行ったものです。この新長期総合計画は平成20年度から10年間の和歌山県の目指すべき方向を示すものです。現在、策定すると原則10年間はこの方針に従うことになりますから重要です。そのため会派で役割分担を行い特別委員会で意見提議を行います。

 尚この新長期総合基本計画は全て職員が企画したもので、一切コンサルタントは入っていません。そのため現在の県の課題が抽出され、具体的なところまで踏み込んだ施策も掲載されている部分もあり、分かりやすい内容になっています。
 最終的な意見と質問項目は今月24日に決定することになりますが、本日のクラブ総会で個人的ですが意見を述べた項目は次の通りです。

○新長期総合計画原案について
○教育について
公立学校としての学力向上についての明記。保護者と生徒の私学への進学意欲が高まっているのは、授業内容が公立学校よりも大学進学に有利だからです。具体的には、学習塾に行かなくても入試対応が可能な授業内容になっていると思います。「生きる力」の意味と公立学校で学ぶだけで進学可能なカリキュラムになっているのかについて質問です。
外国語によるコミュニケーション能力育成について。導入時間目標、教師の資質の問題に触れて欲しいと思います。
インターナショナルスクールの誘致なども視野にありますか。
総合型地域スポーツクラブについて。既に市町村で温度差がありますが、地域間の熱意の格差は解消できるのですか。
スポーツ指導者の養成では間に合わないと思います。生徒はすぐれたスポーツ指導者の下に集まります。引き抜くくらいの意欲が必要だと思いますが。
「わがまちのスポーツ」とは何ですか。

○農業振興について
アグリビジネスの構築とは。初期投資がかなり必要ですが、県が支援するのですか。支援のための選別方法は。
地産地消のための食糧自給率をどう高めるのですか。
農産品の物流について。福井県では京阪神、名古屋、首都圏を市場として生産工場の立地を行っています。鮮度が命ですから物流との関係が大切です。和歌山県としてのその対応はありますか。

○観光施策について
観光振興について、8つの魅力は現在あるものばかりですが、どうコーディネートするのですか。今あるものを並べても今と同じ結果があるだけです。
温泉観光地のプラスアルファとは何ですか。
ヘルスツーリズムの新しい観光形態とはどのようなものを考えているのですか。
県立医科大学の実施している観光医学および健康ツアーは記載されていませんが、どのような扱いですか。その観光産業としての将来性をどう評価しているのですか。
観光医療指導士などの資格者の取り扱いは。
和歌山大学との連携とはどのようなものですか。観光学部設置から始まりですから、大学院や国や県の観光研究所成立などの構想もあり得ると思います。
南紀白浜空港は中国等とのチャーター便運航の発想はありますか。

○地域振興について
今の段階で、カジノ誘致の検討では遅いのではないですか。東京、沖縄、長崎などが先行しているようです。白浜が最初の地域として国から選定されないと厳しいのではないでしょうか。
旧南紀白浜空港跡地では高さ制限があり活用が難しいのですが、どのような活用が考えられるのですか。

○新エネルギーについて
太陽光導入ですが、補助金が打ち切られてから導入は低下傾向にあります。支援策がないと促進は図れないと考えたいところですが支援策はありますか。
風力発電と景観についての考え方は。
「わかやま新エネルギーランド構想」とは何ですか。

○災害対策について
災害対策として来県観光客への支援対策を謳っていますが、どのようなものですか。

○生活環境について
水辺空間の創出ですが、きれいな河川や池を作るための手段はどのようなものですか。また飲み水対策は講じられますか。

【可視化について】
 国で議論されている警察による取り調べの段階での可視化について、県警察本部から説明を受けました。可視化とは現在は密室で行われている取り調べの様子を、音声の録音と映像の録画を行おうとする考え方です。これによって取り調べ中の刑事事件被疑者の人権を守ろうとするものです。しかし被疑者の人権擁護のための可視化は余りにも問題が大きいのです。

 ひとつ。被疑者と刑事との信頼関係構築が図れないこと。信頼関係がないと自白も得られないため、証拠や目撃者を探すのが困難となるのです。刑事事件で凶器などの証拠が得られることや目撃者が簡単に見つかることは余りないのです。自白から証拠や目撃者を捜し当てることが多いようです。

 ふたつ。組織犯罪の場合、背後にある組織に記録が開示される恐れがあり、自白が得られなくなる可能性があること。

 みつつ。全ての事件には被害者を初めとする周辺の人の情報が関与しています。そのため関係する人達のプライバシーが公開されることがあります。
 これらの問題があることから早急な可視化には問題があります。取り調べの記録が残されると、裁判においては弁護士からの要請に応じて音声や映像の公開も可能となります。被疑者の人権を重視する余り、被害者の人権が置き去りにされたり、自白が得られないことから犯罪の真相が分からない場合も予見出来ます。当該事件に関係する人の安全とプライバシー確保、そして国民の安全確保を保障するためにも、可視化が妥当かどうか考えたい問題です。

【癌対策について】
 大変お忙しい中でしたが、東京から友人が和歌山県を訪れてくれました。癌対策について意見交換を図りました。周囲での癌疾病の多さに戸惑いを感じていますが、それよりも何とか予防対策を講じたいところですし、仮に発見されたとしても治療により助かる道が欲しいのです。東京や静岡での取り組みなども参考にすることが出来ました。これらの対策に関して早い段階で視察を行いたいと考えています。
1月20日(日) 「幸運」
【企業誘致】
 企業誘致に関して打ち合わせ。和歌山市内に進出計画がある企業の立地場所は、どこが適切なのか協議しました。下見に来ていた希望する場所は市街化調整区域であることが判明し断念、輸送の利便性の良い代替地を探しています。適切な場所で適切な広敷地面積が必要で、希望する物件がなければ進出計画はなくなりますから、市の活性化と雇用確保も図るため、実現に向けて取り組みたいと考えています。

 問題は、市内で利便性が良くまとまった広さの用地が少ないことです。市内の周辺部まで対象を広げるとあるのですが、高速道路までの移動距離があり適切でないことや市街化調整区域になっていることから、企業の進出は困難です。しかし幹線道路沿いには、工場立地が可能なある程度の広さを確保出来る用地が少ないのです。その上、まちづくり三法が施行されてから大型商業施設の郊外立地は難しくなっていますから、サービス業を含めて企業立地するための制約が拡がっているのです。簡単なようで、企業の要望と地域事情、そして用地の確保など、全ての条件を合わせるのは難しいのです。

 和歌山県だけに立地していない某企業が、和歌山市への進出を検討してくれると聞きました。最後に残された県なのですが、ここは排他的にならないで話し合いには応じたいものです。
 そして考えなければならないこと。他の地域にあって和歌山県にないものが如何に多いことか、気付かされることが数多くあります。地域らしさは分かりますが、何もない地域を誇るのではなく、一通りのものがあって自然や文化、歴史などの独自性を誇ること。それが自立した地域なのです。

【幸運】
 共通の知人の自宅の庭に、今年に入ってからフクロウが舞い込むようになっています。通常、あまりフクロウを見かけることはありませんから、幸運の使いが来ていると感じています。
 幸運は心で感じるもので決して見えませんが、時折、姿を変えて告示してくれることがあります。思いを明確にして素直な気持ちでいると、その気配を感じることが出来るのです。寒さが厳しい今は、春の到来に備えて根を張る時期です。春は活動の時期ですから、直ぐに活動出来る体制を整えるためには今から準備が必要です。自分の見つけた種を蒔くとそこから根が伸び、やがてその芽を地上で見ることが出来ます。芽が出るまでは新春への期待感と育つかどうかの不安感もありますが、地上に芽が出ると思いは確信に変わります。幸運の使いはそうした時期にやって来ます。

 新春にフクロウが、私達のところに幸運を運んでくれているようです。今年実現させたい企画がたくさんありますから、勢いの昇り龍、幸運のフクロウを守り神として、招き入れたいと考えています。幸せを感じられる人がそれを受け入れることで周囲に幸せが広がりますから、進んで受け取るべきだと思います。幸せな人が大勢いる地域が幸せな地域であることは明快だからです。

【慰問活動】
 毎年続けている福祉施設への慰問活動。平成20年の最初の慰問活動の日程が決まりました。舞踊を中心として音楽を組み入れながら入居者の皆さんと交流を深めます。受け入れ先と出演者が決まったので、この後、詰めに入ります。

【新年会】
 宮地区連合自治会の新年会に参加しました。各単位自治会の三役が揃ってのもので、今年の活動の確認と抱負を語り合いました。自治会活動が生活と地域の安全を守る基本ですから守り続けたい活動です。その中で地域防犯に関して話し合いました。地域から犯罪を抑制するために必要な四つの条件があります。それは人の目、音、光、そして時間です。 

 人の目とは、地域内での挨拶運動です。近隣で、通学の学生に会ったら「おはようございます」、「こんにちは」の挨拶をすると犯罪の抑制になります。空き巣は下見を行いますから、その時に挨拶運動が行われている地域では行為がやり難くなります。また挨拶は相手の顔を見て行いますから、顔を見られたことから犯行の実行が難しくなるからです。

 音は防犯ブザーに代表されるように、その場に留まり難くなります。光は街路灯が整備されていることや、人が近づいて来た時に反応するセンサータイプの光です。明るいところでは犯罪は起こり難くなります。同様に公園や空き地も見通しを良くしておくことが大切です。柳の枝垂れや生え放題の木の枝などで陰になっていると隠れやすく、潜みやすくなりますから犯行の温床になります。

 最後の時間です。空き巣が家屋に侵入のために窓や扉を壊して開くための時間は約5分です。それ以上時間がかかると侵入を諦める傾向にあります。そのため二重ロックや強化ガラスなどを施しておくことが大切です。
 以上、地域で出来る防犯対策について認識を高めました。

【通夜式】
 夜は通夜式に参列しました。昨日お亡くなりになったYさんの娘さん、そしてイベントなどでお世話になっているKさんのお父さんの通夜式です。本日は雪になりそうな冷たい雨の夜で、別れを惜しむかのような惜別の感がある夜となりました。心からご冥福をお祈りいたします。
1月19日(土) 「入試」
【入試】
 本日は和歌山市内のある中学校の入試がありました。受験生には、次のような課題が与えられたそうです。
 あるまちの書店。中学生が本を万引きして逃げました。店員が警察に通報すると同時に中学生を追い掛けました。ところが踏切に進入したところ電車が来て中学生ははねられて死亡してしまいました。その結果、書店の店員は、人殺しと言われるようになりました。あなたはどう思いますか。

 如何でしょうか。大半の受験生は、店員は悪くないとの回答でした。どちらが悪いことをしたのか理解しているようです。結果は中学生が死亡したことになっていますが、死亡に至る原因を作ったのは中学生本人で店員ではありません。店員は反社会的行為を見逃さないための行動を取ったに過ぎないのです。

 これと比較して最近の社会風習として、加害者の人権擁護が強調され被害者が責にあうことがあります。加害者の人権を擁護するあまり、何の落ち度もない被害者が非難されることもあります。今回の課題では店員が中学生を死亡に追いやったことを指して、そこまで追い掛けるべきではなかったと言われるようなものです。確かに店員が追いかけなければ中学生は死亡することはなかったかも知れません。
 しかし店員が追いかけなかった場合、店員は経営者から必要のない批判をされることになりますし、経営者としては損失を計上することになります。中学生の行為によりふたりの利益が損なわれるのです。

 そして万引きした中学生は利益と成功の機会を得たことから、再び次の万引きなどの行為の可能性を秘めることになります。成功体験は次の成功体験に向かわせるからです。万引きの成功体験は次の行動に移させることになりますし、更に大きな犯罪行為に向かうことも考えられます。これを未然防止させる店員の行為を批判することは出来ないと考えるのが妥当です。

 社会的正義感に基づいた行為を批判する社会であり続けると、正義感に基づいた行動をとる人は少なくなってしまいます。悪いことを追いかけずに見逃す行為は、次第に見て見ないふりをすることになり人の精神を荒廃させます。荒れた精神はやがて社会の荒廃を招きますから、秩序の保たれない社会に転落します。小さな正義を称えることこそ私達がすべきことなのです。
 導かれた結果は残念ですが、結果よりも小さな正義を失うことの方が影響は大きいのです。ですから中学生には、たとえ小さなことでも反社会的行為が許されないことを教えるべきです。生命が最も大事なものであることに争いはありませんが、正義や覚悟、そして志は生きていく上で最も大切なことです。時代が変わろうとも、人には決して無くしてはならない心があるのです。

 課題は単純化されたものですが、実社会ではどちらが正義か悪か分からない場合があります。その時の判断は自分の心以外にありません。自分の心が正義であれば、正しい判断に基づいた行動を起こせますし、心が悪だったらその行動も悪になります。自分の周囲の事象の全ては自分の心から発生するものです。

【品格】
 ライオンズクラブ会長と懇談。社会貢献活動をするに当たっては、人としての品格が重要だと話し合いました。そこには地位や社会的評価、経済力は全く入り込む余地はありません。品格のある人は人から言われなくても行動しますし、他人に対して自分を誇ることはありません。
 市場主義が万能だとされる時代、お金の価値が品格を上回るようになって来ました。どちらも大切なものですが、両者のバランスを持つことが大事なのです。私達のクラブでは、社会への貢献活動と他者への思いやりが原則です。自らの思いも大切にしながら社会と他者を大切に思い行動することが品格を形成してくれます。
 品格のあるクラブ。自然にそう言われるようなクラブを目指したいと話し合いました。

【若くして】
 夕方、突然の訃報が飛び込んで来ました。市内の病院で入院治療中のYさんの長女が闘病生活の末、本日お亡くなりになりました。享年19歳の若さで、来年に成人式を迎えるはずでした。生を得て成人する前にこの世を去る無念さ、その心の中は図りようがありません。

 不治の病との闘い。両親の必死の支えと看病。最後まで見守ってくれた医師。生命のドラマが幕を閉じました。Yさんに掛ける言葉は見つかりませんでした。
 長い入院生活でしたが、最後は退院して両親と一緒に、温かい家庭で最後の時を過ごしました。主事医とYさんとの話し合い結果。残り少ない時間を病院で治療を継続するのか、治療を止めて両親の元に帰って家庭を味わうのか、医師に二者から一つの選択を委ねられました。助かる可能性が少しでもあれば治療を続け治癒することに賭けたいのですが、医師からは、延命出来る程度で助からないと宣告されています。それなら家庭に戻り一緒の時間を過ごす選択があります。しかし確実に10代で終わる限られた生命となります。

 両親は悩み考えた結果、長女と最後の時間を過ごすことを選択しました。長女は病院から家庭に戻り、両親と楽しい時間を過ごしました。会社勤めの父親は長期休暇を取って、年末と年始を家族と一緒に過ごしました。長女とは近所の散歩や語らいなど幸せな時間を過ごしました。ささやかなことが幸せであり、幸せは近くにあることを感じられる毎日だったと思います。長女は闘病中ですから長い会話は出来ません。健康な時は話をすることは簡単なことですが、病気と戦っている身体にとって話をすることは気力と体力を使うことなので簡単なことではありません。

 しかも両親は長女にこの病気が治らないことを伝えていません。19歳の子どもに不治の病であることを告げることは出来ないのは親として当然のことです。年末くらい一緒に過ごそうと話していたことでしょう。子どもにとっても、長い入院生活とは違った両親との濃密な時間を楽しめたことだと思います。そして両親にとっては長女との最後の思い出作りだったのです。
 時に時間は残酷で、刻々と過ぎてゆきます。最愛の子どもが弱って行く姿をどのような思いで見守ったことでしょうか。そして最後の瞬間、突然の暗闇が訪れます。両親と一緒の明日の朝は訪れなかったのです。

 10歳代の女性が成人式を迎える前にこの世を去る。これから華やかな人生が待っていたのに、無念の一言です。Yさんとお嬢さん、そして医師の皆さん、関係した全ての人に「お疲れさま」と言葉を掛けたい思いですが、今日の言葉はありません。
 それにしても昨年秋の現役でこの世を去った山本博司さん。先日、32歳で旅立ったMくんの奥さん。そして今日の19歳のYさんのお嬢さん。立て続けてのご不孝事に悲しみに堪えません。
 全ての人が病から開放される取り組みを開始しなければなりません。日常を喜びに接していたい。そんな日常生活の思いがずっと継続するためのお手伝いをしたいと切に感じます。
 地域を活性化させること。健康な暮らしと病気の脅威から生命を守ること。これらが与えられた、そして解決すべき課題です。新年に当たり誓いと志を更に明確にすることが出来ました。
1月18日(金) 「観光学部」
【観光学部】
 明日からの共通試験を控えて大変得忙しい中でしたが、和歌山大学の小田学長に懇談の時間を取っていただきました。懇談のテーマは観光学部の地域での役割と今後の可能性についてです。これは和歌山大学観光学部の開学が間近になって来たことから懇談の機会を設けたものです。通常の推薦入学の倍率は3倍程度なのですが、観光学部の倍率は7倍を超えるなど人気学部になっています。しかも全国から希望者があるなど観光学の底力と可能性を感じます。観光立県和歌山県の学問の集積地としての和歌山大学の役割は増大しているのです。

 さて旧国立大学で観光学部の開学は和歌山大学が全国で最初となります。構想からわずか4年で実現出来たのは小田学長のリーダーシップによるところが大きいのですが、学長の言葉を借りると「奇跡に近い出来事」なのです。何故なら、旧国立大学で新学部の設置は認められにくい状況ですし、まして入学定員増と教員の増員が図れることは皆無に近いことですから、これらの問題をクリアした和歌山大学観光学部の開設は奇跡的だと言えます。小田学長は自らをツキがあると表現してくれましたが、ツキは人生において大切な要素です。ツキのある人は思いを実現させて行きますが、それはツキがあるからではなくて行動するから道が切り拓かれて、結果ツキがあるように思うのです。ツキとは行動力と同義語だと思います。

 観光学部開設構想から4年で実現しました。新学部の開設は困難な状況でしたが、可能性があると感じたので行動を起こしたのです。大学の力、地域からの支援、そして県民の皆さんの署名活動などが重なり合って文部科学省を動かし、実現に向かわせる力となったのです。地域の総力で観光学部を実現させたのです。ところが開設が決定してから、後の進行は大学任せの部分があり、新学部の実現に向かっていた頃の地域の熱意と支援体制が少し弱まっているようです。しかし和歌山県と大学のある和歌山市にとって千載一遇の機会で、観光学部を核とした施策考案と周囲の支援に本気で取り組む時期なのです。

 観光学部の価値を最も感じなければならないのが和歌山市なのですが、その価値に気付いていない感があります。東京では、和歌山大学に観光学部が開設なることに対しての評価は相当なものです。地方大学で新学部が開設なること、そして観光学を学べる場所として最適な場所であることに、観光学の先進的役割を担うことの期待感があるのです。今日もテレビ収録が入っていたように全国レベルで注目が集まっているのです。

 今春、昨年入学の観光学科の学生は二回生になりますし、これから専門科目の演習に入ります。そして彼ら、彼女たちが卒業する二年後や四年後の進路によって観光学部の評価がされますから、学問の充実度と地域としての本気度と熱意が試されるのです。
 小田学長が道をつけた観光学部がこれから進展を迎える時期に入ります。大学も実力を試されますが、観光立県和歌山県としての地域力が試されるのです。

 大学の役割は次世代の育成と研究による知識の集積にありますが、地域にある大学にとって地域活性化の一役を担うことも重視されつつあります。京都大学では地域の方も利用できるレストランが設けられています。学生だけではなく校外からのお客さんで満員になるようです。京都大学のブランド力もありますが、大学の持つ知的と品格の好イメージが人を集められるブランドになっているのです。つまり大学のあるまち自体がブランドとなり、他とは違う学研都市となっています。調査結果は分かりませんが、大学の周辺の住宅地の相対的価値は高いのではないでしょうか。知的で若々しいイメージは飛躍する地域のブランド力を形成しています。

 そこに全国でも先を行く観光学部の開設ですから、地域の総力を挙げて学生に選択される学部にしたいものですし、そのことが和歌山県での四年間の生活の機会を提供することになるのです。この四年間の生活が新たに、生涯に亘る和歌山県のファンを作ることになるのです。
 そして何としても中心市街地に観光学部進出を果たして欲しいと要望し、可能性について協議しました。進出するなら短期決戦となります。今年意思決定を行うことが中心市街地進出の絶対条件です。今年意思決定出来なかったとすれば、もう中心市街地への進出はあり得ません。ですから私も、今、観光学部の中心市街地への進出の可能性を信じて実現に賭けています。今、行動を起こさないで実現させることはあり得ないことを知っているからです。
 
【中国との関係】
 夜は中国からの要人と懇談の機会を得ました。オフと仕事を兼ねて来県してくれたことに感謝しています。中国では和歌山県の存在は余り知られていません。関西空港に降り立った中国の観光客は大阪や京都に行くことが多いのです。大阪は商都ですし、京都は日本の歴史を感じる場所として人気があるからです。ところが関西空港から車で40分の和歌山市に来る人は少ないのです。少ない理由は簡単で、和歌山市の存在を知らないからです。知らないから魅力も良さも分かることはないのです。ガイドブックに掲載されていない和歌山市のことを知らないのは当然です。

 「何故、和歌山市が紹介されていないのか」との問いがありました。それに対しての答えは難しいのですが、「地域としての情報発信力が弱いことが原因」だと回答しました。
 実際に来た印象は、暖かくて食べ物がおいしい、そしてリゾート感覚が味わえるし、海がきれいなことを挙げてくれました。和歌山市の良さ訴えたことや、地理的条件として中国から関西空港まで時間的距離近いこと、空港から和歌山市までの移動時間が短いことから、オーストラリアと並ぶ観光地としての可能性があると評価してくれました。

 リゾート仕様のホテル、食べ物、温泉があるので観光地としての条件はありますが、不足しているのはお客さんが楽しめリピート性のあるプラスアルファです。それは健康サービスや癌予防のための健康診断などを組み合わせた仕掛けがひとつです。癒しイコール健康確保ですから、和歌山市に来たら健康になれることを他の地域と差異化させた売り物にすべきなのです。まさに地域としてのソフト力が必要なのです。
 それらがあれば和歌山市は素通りではなくて、宿泊可能な観光地としての地位が確立されそうです。観光交流から初め経済交流、そして姉妹提携など可能性は拡がります。中国との日本における窓口は和歌山県だと言える位の取り組みを行いたいものです。

 中国から見ると日本人は、白黒をはっきりさせない灰色の性格と行動特性を持っているようです。中国では白黒をはっきりさせて行動します。そして行動するとは、その道で一番を目指すことを表しています。何事も自分がやりたいことに関しては一番を目指すことが基本で、やりたいことに関しては、その結果、一番になるか死ぬかの覚悟を持っています。灰色の決意では物事を達成出来ませんから、その覚悟を決めることです。参考までに中国の政治家は全員、やり遂げる覚悟と死ぬ覚悟を持っています。日本の政治家のようにタレント議員は考えられないし、政治を舐めているように感じるそうです。 タレントの資質と政治家の資質は明らかに異なりますから、政治を人気投票の場面にするのは間違いなのです。

 中国の人口は約13億人います。そして世界中で中国語を話せる人は約35億人ですから大変な国力です。現在は英語が話せるのは当たり前で、中国語が出来ることが世界人の条件です。経済力からすると、むしろ中国語が第一外国語で英語が第二外国語になる時代も到来しそうな勢いです。それは約13億人の市場はそれだけで潜在力があるからです。つまり日用品でも、一人が必要とするものは約13億個必要であり、その商品は最低約13億個売れる市場があるのです。数をさばける市場であり、それだけの個人消費が見込めるのが中国の底力なのです。
 白黒はっきりさせる会話から和歌山県の課題も見えてきます。

「和歌山県の産業は」
→「鉄鋼、化学、農林水産業です」

「売り物としての食べ物は」
→「マグロ、クエ、みかん、梅などです」

「何故知られていないのか」
→「全国と比較して経済力は100分の1であり、それが県の価値として評価されています。情報発信力も100分の1程度であり、認知度は低くなっています」

「売り出す方法は」
→「泳げる海とマリンリゾートやイルカセラピーが楽しめる地域。癒し、即ち、健康体験と予防医療を受けられる地域であることが挙げられます」

「中国向けの産業として有望なものは」
→「高級みかん、花と木の栽培」

「観光については」
→「和歌山大学に観光学部が開設されます。全国初の独立大学法人で開設されました。観光学の集積地としてわが国で重要な地位を占めますし、数年も経過したら観光学は和歌山県が先進地となります」

「チャーター便は着陸可能ですか」
→「白浜空港では可能です」

 不思議なもので和歌山県の特徴か浮かび上がってきます。この方は、和歌山市は福知山市と同じイメージがあったけれど、来てみると違ってリゾート地であると感じてくれました。日本のリゾート地としての地位を確立させると共に、中国との観光交流と経済交流を図り活性化につなげたら、地域力の上昇となりそうです。
1月17日(木) 「企業誘致」
【企業誘致】
 企業誘致と和歌山市活性化に関しての協議を実施。思うことですが、同級生の大半や私の弟は現在、県外で仕事をして生活をしています。それは会社や職場が大阪や東京にあるからです。家庭を持つと会社や職場に隣接した地域に家を建てることになりますから、和歌山県に戻りたい気持ちがあったとしても、生活地を仕事場付近に求めることになります。そうしている内に子どもが生まれ、小学校に入学して行くと、その場所から離れられなくなります。仮に和歌山支店に転勤したとしてもそこへは単身で赴任し、家族は家で過ごすことになります。

 つまり和歌山県出身の人であっても、職場が県外だと帰ってくる可能性は低いのです。家庭、そして一旦、生活の拠点を構えるとそこで暮らすことになり、生まれた地であり親が暮らしている地域であっても戻ることはありません。私達の年代の大半は和歌山県内で仕事をしていませんから、現役世代や子育て世代は和歌山県を離れています。そしてその子どもの出身地は大阪であり東京となるため次の世代は和歌山県に愛着がありませんし、戻ってくることはありません。つまり和歌山県においては現役世代から以下の世代の人口は極端に少なくなり、今後も増加する可能性は低いのが現実です。そして現状が続く限り、将来の人口増加は見込めないことが確かな近未来なのです。

 これを打破する方法はひとつです。企業に来てもらうこと、そして働く場所を創ることです。減少し続ける人口を劇的に増やす方法はこれ以外にありません。そのため和歌山県の最大の課題は企業誘致活動と言うことになるのです。わが国は少子化ですし正規雇用も減少していることから和歌山県に来てもらうには、相当魅力的な地域づくりを描く必要があります。他地域と同等、または同じようなレベルのものでは人を惹きつけることは出来ないのです。

 規制を取り払い、そして企業に来てもらえる方策と歓迎が必要なのです。大阪湾沿いの地域は元気になって来ました。尼崎市のパナソニック工場の稼働、堺市のシャープ新工場建設、そして姫路市のパナソニック新工場誘致など、気がつくと大阪湾沿いはハイテク工場が立ち並ぶ地域に変貌を遂げています。滋賀県は勿論、関西に近い福井県でも企業立地は盛んです。関西経済が上向いていることと将来の期待感は、このことが要因となっています。

 和歌山県でも企業誘致は進んでいるのですが、余り話題になっていないのが和歌山県です。何としても企業を誘致したいと考えて活動しています。
 市内の経営者との話し合いは企業誘致活動の他、音楽文化発信について、サービス産業の振興などに及びました。

【打ち合わせ】
 サブプライム問題の解決のためにわが国が出来ることについて。和歌山市内北インターチェンジ付近での企業誘致について。県内進出を考えている企業の動向についての確認。そしてJR和歌山駅周辺活性化に向けた期待について。それぞれに関して、それぞれ関わっている皆さんと懇談することが出来ました。
 
【懇談】
 夕方からは通学道路の安全確保のための電柱移設について、地主さんと協議を行いました。自転車用道路の幅が狭い上に自転車道内に電柱が建てられているため、自転車通学の学生や徒歩の小学生の安全確保が問題視されている場所があります。そのため道路沿いにある電柱を地主さんの土地に移設していただけないかを協議したのです。地域のために協力してくれると思いますが、それ以外にもこの地主である経営者の方に学ぶことが多くありました。

 初対面でしたが会った途端に、「良い運勢をしている。順調に成長して行けるよ。素直なところが良い。発展途上にあるので良い人と付き合いをして、もっともっと伸びて欲しいと期待しています。」と話してくれました。その後話は、地域を元気にする方策について、新しい道路が完成しているのに調整地域であり続けることの弊害の問題などに関して及びました。地域にとって人は財産です。人が事業活動を通じて間接的であっても地域に貢献してくれているのです。和歌山市内に素晴らしい経営者がいることに感謝したくなります。

【電力総連新春のつどい】
 恒例の和歌山県電力総連新春のつどいが開催されたので出席いたしました。約160人の参加があり意見を交換し合いました。冒頭、和歌山市出身のシンガーソングライター佐野安佳里さんのミニライブを楽しみました。佐野さんは現在、東京で活動を行っていますが、和歌山市を中心に活動していた時よりも実力が向上していることは素人でも分かる程でした。スーツ姿の参加者ばかりだったので、佐野さんも普段のライブと違った感じがあったのではないでしょうか。明るい歌声は私達を元気付けてくれます。
1月16日(水) 「芸能生活50周年」
【中心市街地】
 フォルテワジマが1月2日から営業を開始しています。正月一日を休むだけで後は年内無休となりますから、この後も中心市街地に明かりが灯ることになります。更に今年3月中旬には全館オープンの予定ですから賑わいが増すことになります。現在も店舗計画が進められていると聞いていますから、私達がワクワクするような、そして市外からも集客が図れるような施設に仕上げて欲しいと願っています。関係者の皆さんのご苦労には深く感謝したくなります。

【紀州レンジャーズ】
 和歌山県に誕生したクラブ野球チーム「紀州レンジャーズ」。独立リーグ参画を目指して計画が進んでいます。セレクションで選考された選手がもう直ぐ和歌山市にやってきます。そのための寮の選定を急いでいます。選手の生活環境と練習環境を整えるための懸命の取組が進められています。

【芸能生活50周年】
 和歌山市在住のジャズ奏者の瀧さん。昭和34年からジャズ奏者として活動していますから、平成20年の今年、区切りの芸能生活50周年を迎えました。地方都市にあって50年間も芸能生活を続けて来たことは快挙です。音楽で生活するのは大変なことですし、まして地方都市で音楽を飯のタネにすることは容易でなかったことは想像出来ます。現在も音楽活動と若い人達へのジャズの指導と普及活動に努めています。自らの音楽活動を行いながら、中学生や高校生のジャズクラブへの指導や演奏会の機会を作り続けているのです。和歌山市片男波でのジャズフェスティバル開催やJR和歌山駅地下広場でのジャズコンサートなど、今までなかった仕掛けを行っています。練習も大切ですが、学生にはお客さんに観てもらえる舞台がそれ以上に大切なのです。

 和歌山県内の高校のジャズクラブの指導を初め、ジャズクラブのない学校でジャズを好きな生徒を集めて学校や地域を超えての指導、そして映画「スゥイング・ガールズ」のモデルになった兵庫県の高砂高校と県内高校との姉妹提携など、今までになかった活動の領域を拡大させています。
 このような取り組みを50年間も継続していることは「素晴らしい」の言葉では足りない位ですし、地域活性化への貢献やジャズ文化を定着させた功績は大きいのです。
 今年芸能生活50周年を迎えた瀧さんへのお礼と、これからの更なる活躍を期待して、芸能生活50周年記念コンサート「50th TAKI」開催を計画しています。日時は平成20年5月11日、時間は午後6時30分から開演、会場は和歌山市のアバローム紀の国を予定しています。発起人の一人として、本日はアバローム紀の国に瀧さんと出掛けて打ち合わせを行いました。素晴らしい演奏会になりますし、瀧さんのこれまで以上の活躍も期待しています。

【ゴールドライオンズ】
 ゴールドライオンズクラブ結成5周年を記念した「結成5周年記念チャーターナイト」の打ち合わせを行いました。同クラブ会員参加の記念式典にするのではなく、支えてくれた行政機関や他のライオンズクラブの皆さんもお招きして、感謝の気持ちを込めた式典に仕上げる計画です。ライオンズの格式を守りながらエンターテイメント性も持たせた企画にするため幅広い会合となりました。
 引き続いて理事会に出席。次回例会の議題の確認を中心に活動に議論を交わしました。
1月15日(火) 「ニューアグリ」
【ニューアグリ】
 日帰りで京都市にある安全な野菜を生産している株式会社フェアリーエンジェルへ行ってきました。フェアリーエンジェルでは地下一階に世界初のクリーンルーム仕様の植物工場を建設し、水耕、無農薬栽培の野菜を生産、販売しています。一階は天使のカフェの営業をしていて、地下の野菜工場から採れたばかりの野菜をお客さんに提供しています。本日は大変お忙しい中、江本社長と高野取締役本部長が応対してくれました。

 一言で表すと、野菜栽培の概念を完璧に打ち破ってくれました。思っていた水耕栽培のイメージは太陽の光を受けていない野菜のため不健康なものでしたが、実際は自然栽培よりも安全で栄養のある野菜を収穫出来るものでした。むしろ土には様々な菌が潜んでいますが、ここでの水耕栽培では完全無菌室で育成していますから、埃や細菌や虫の卵などを完全に遮断しているのです。安全な食が求められていますが、ここでは一歩先の野菜栽培をしているのです。現時点では水耕栽培は少数派ですが、近い将来この栽培方法が主流になるものだと思います。

 完全クリーンルームによる野菜栽培の利点は次の四点です。
 ひとつ。温度調整と二酸化炭素の供給量を調整出来るので育成速度が速いことが挙げられます。青物の野菜は生育するまでに通常三か月要しますが、ここでは一ヶ月で生育させています。
 工程は播種に一週間、育苗に一週間、生育に二週間で商品化までの期間は一ヶ月となります。そしてこのサイクルで生産していますから、年間で31期作が可能なのです。自然栽培だと二期作程度ですから生産効率はケタ違いなのです。しかも工場は立体にしていますから、効率性はさらに高められるのです。
 また二酸化炭素の供給量も成長に適切なものにしています。約120%の満員電車の二酸化炭素は1,200PPMですが、ここでは光合成に必要な約4,000PPMの二酸化炭素の供給も可能にしています。

 ふたつめ。液体肥料により栄養に富んだ野菜を生産していることです。ここで生産しているレタスに含まれているビタミンAとカロチンは通常の10倍以上になっています。野菜は人間以上に水分に敏感で、不純物を根から吸い上げると元気に育たなくなります。この水耕栽培では不確定要素を取り除いていますから、元気にそして栄養価が高い野菜を作り出しているのです。

 みっつめ。光源の調整をしていることです。野菜は晴天の状況だけで健全に生育するものではなくて、曇りの日も人工的に再現させることが必要なのです。人工的に最適な光源を作り出しているのです。

 よっつめ。ユニット栽培にしていることから安定した供給を可能にしています。ユニットの数は自在に増やせられますから、需要に完璧に対応が可能なのです。
 栄養価が高いこと、無農薬による安全性を確保していること、そして生産工程の短縮によるビジネス化を可能にしていることなどから、水耕栽培が自然栽培を超えている感があります。
 フェアリーエンジェルでは京都市と千葉県野田にクリーンルームによる工場を持っていますが、現在福井県に新工場を建設中で、平成20年7月に竣工予定となっています。新工場が完成すると一日当たり8,000個から10,000個の野菜を収穫することができ、国内最大の野菜工場となります。

 新工場を福井県に立地する理由は物流です。京阪神と名古屋に配送する時間は約1時間30分、首都圏まで約6時間、そして新たな市場として東北も視野に入れていますが、ここへ新鮮な時間内での配送も可能だからです。生鮮品工場の立地に必要なものは物流の利便性が条件なのです。

 また江本社長も工場案内をしてもらったのですが、目指すところが明確で、熱意と行動力を持っている方でした。世界を目指す目標を持っていること、その目標は人類の食糧事情を改善し、飢えで苦しむ人を世界から無くすことに掲げています。世界レベルの目標を定めて行動していること、そしてその目標が世界平和に貢献していることが素晴らしいのです。正しい目標設定を完璧に描けているので、社長の夢は実現すると確信しています。

 国内最大の新工場を建設し国内の食糧需給率を改善させること、そして同時に地域での食糧需給率を高め地産池消を図りたいとしているのです。わが国の食糧需給率は先進国中最低の39%で、更に低下することは確実です。食糧を確保することが生きるために絶対に必要なことで、トウモロコシなどの価格が上昇していることから、経済の安定のためにも食糧需給率を改善させることが必要なのです。

 工場を案内してもらってから天使のカフェで食事をしました。その感想です。野菜の素材としての味がありドレッシングは不要です。甘みと苦み、そして柔らかさとみずみずしさ。今まで味わったことのない野菜サラダでした。極端に言えば、野菜だけを食して満足するレベルです。事実、野菜だけでお腹がいっぱいになりました。安全でおいしい野菜があるお店はそれだけでお客さんを惹きつけます。口コミで噂が広がり、天使のカフェはお客さんで満員でした。

 理想を実現するために起業し、わずか三年で日本一の野菜工場を完成させようとしているフェアリーエンジェル。世界の食糧需給を改善させる可能性があるビジネスモデルで、しかも野菜栽培による収益モデルを完成させていますから、その向かうところは世界です。
 京都市で志と新しい技術、そして食の安全と食糧問題について学ぶことが出来ました。人間が生きるための基本は、生きるために安全なものを食べる。食のあり方は極めてシンプルです。農業の盛んな和歌山県でも是非とも取り入れたいものです。

【懇親会】
 夜は懇親会を行いました。市内の経営者達と元気な和歌山県作りについて意見交換を実施しました。元気なメンバーが集まると更に元気になります。和歌山県の潜在的可能性はあるのです。企業誘致、県内への投資の呼び込み、飲食、音楽活動など、顕在化させる時期はもう直ぐそこまで来ています。
1月14日(月) 「市民防災大学講座」
【地域動向】
 早朝から、和歌山市の状況をどう感じているのか情報交換を行いました。以前、自治会長を務められた方が熱心な意見を聞かせてくれました。要約すると、以前は和歌山市にも動きがあったけれど、最近は財政難の話ばかりで面白みに欠けたまちになっている。地域の役員も積極的に関与しようと思わなくなっているのが現状だと言うものです。地域が良くなるようにと改善意見を市役所に話しても聞き入れられないことばかりで、以前のように行政への協力は思わなくなったとのことでした。

 例えば、道路の拡張のため用地を提供したところ、後になって分筆登記のための費用は地主持ちだと言われて支払いしたことがあるのです。道路拡張のために協力して用地を寄贈したのに、分筆費用まで追い金として支払うことになるなど思ってもいなかったのです。勿論、当初、市から費用分担の説明はなく後になって請求されたのです。市のために用地を寄贈した上に費用負担を求められたこと。しかも事前説明がなかったこと。不信感を感じていますから、今後、協力出来るかどうか決め兼ねているようです。これに関しての規定があると思いますが、事前に地主さんへの説明し同意をいただくことが必要です。説明責任が欠けているように思います。

【市民防災大学講座】
 和歌山市主催の「平成19年度市民防災大学公開講座」に参加してきました。市の総合防災課からの大災害対策への備えについて、そしてNPO法人レスキューストックヤードの栗田さんから「地域の防災力を高めよう」をテーマに講演を受けました。

 阪神・淡路大震災の時のコンビニの防犯ビデオを上映してくれましたが、凄まじい揺れで人はカウンターにしがみ付いているのがやっとでしたし、陳列棚は揺れに耐えられない程でした。この映像は本物ですから衝撃でした。大人でも立っていられませんから、子どもや要支援者の皆さんにとっては生命に直結することになります。

 また阪神・淡路大震災の1時間後のラジオ関西の現場レポートも聴かせてもらいました。家屋転倒のため子どもが挟まれ逃げられない状態の中、火災が燃え移ってきたのです。子どもは傍で助けようとする父親に「親父、もう助からないので親父だけでも逃げてくれ。」と叫び、父親だけが何とか逃げ延びたのです。その直後のインタビューでした。生命の重さと軽さを感じさせるインタビューでした。最愛の子どもを見捨てて逃げなければならない状況。その時、何を基準に判断し行動するのか。そんな状況に立たされることは日常生活の中ではあり得ませんが、大災害の時には現実になるかも知れないのです。それを避けるために今なら、災害が発生する前にそうならない状況を作り出すことは可能です。室内対策を講じることで、最低限、挟まって逃げられない事態は避けられるのです。阪神・淡路大震災は不意打ちのため備えは出来ていませんでしたが、和歌山県の場合、大災害発生の危険性が指摘され続けていますから、備える時間は充分あるのです。それなのに対策を実施していないことが課題なのです。

 行政力なのか地域力なのか、意識の欠如なのか、真の防災リーダーが不在なのか、複合的理由だと考えますが、現状の地域の防災への備えは薄いのです。自助が前提だとしても、要支援者や高齢者の場合、自助すら難しいのです。大災害への備えのためには共助、つまり地域の支援、地域の力が必要不可欠です。
 防災に備えた地域とは、日常からつながりのある地域のことを指します。生命に関わることで個人情報があるから踏み込めない、そんな出来ない理由はあり得ないのです。

 災害への備えに関する先進地である愛知県から来てくれたNPO法人レスキューストックヤードの栗田さんの話は、防災に関する近未来からの話のようでした。近未来からの情報は和歌山県、和歌山市として受け取り地域防災対策に反映させたいところです。講演だけではなく、その話が良いと思ったら実践すること。それが講演会を主催する意味であり、参加した成果なのです。

【通夜式】
 昨日お亡くなりになったMくんの奥さんの通夜式に参列しました。冷たい風が吹く夜でした。悲しい出来事は、人生の厚くて高い壁のようなものです。一人の思いで超えることは容易ではありません。残された個人の生きる力と、周囲の支えが必要だと強く感じています。今日の気持ちを言葉にすることは容易ではありませんが、心からご冥福をお祈りしています。
1月13日(日) 「弾き初め」
【出初式】
 和歌山市消防出初式に出席しました。恒例の新春行事で、会場となる和歌山城の砂の丸広場に櫓を組んでいて、その上で式典を見守ります。新春の冷たい風と消防団員の凛々しい立ち姿に、心身とも引き締まるような思いがします。
 
【弾き初め】
 新春のお三味線の弾き初めに出席してきました。和歌山市でお三味線を楽しむ会「栄七珠の会」の会員の皆さんと一緒に演奏を楽しみました。新しいお弟子さんも増えていますし、男性のお弟子さんも二名参加して演奏を行ってくれました。男性の一人は入門して一年、もうひとりは入門わずか三カ月でしたが、物おじすることなく堂々と演奏していました。習い始めて短期間で人前に出て演奏出来るのは、技術も去ることながら度胸に感心します。経験が少ないと人前で話すことや演奏することは照れたりあがったりするものですが、練習を重ねた自信の裏付けがあるのでしょう。名取の一人に伺うと笑いながら、「練習の時も音程を外しても気にしないで演奏していますよ」と話してくれました。結果を恐れていては上手く演奏出来ませんから、何でも度胸が大切なことですね。

 そして古いお弟子さん4人が今年の夏に家元に出向いて名取の試験を受ける人になっています。古いお弟子さんと言っても年齢は若いのですが、若い人が日本の伝統芸能に関心を持ち、次の伝統を築こうとしていることを頼もしく感じました。先生がお三味線を和歌山市に広げようと活動して来た成果が伺えます。ただ習い事を続けることは大変なことが分かりました。和歌山市でお三味線を習っているのですが、お弟子さんの内、ひとりは吹田市に転勤になり、もうひとりは九州に転勤になっています。吹田市のお弟子さんは自習を続けながら、電話で師匠からアドバイスを受けています。また九州のお弟子さんは、月に何度か和歌山市に戻って来てお稽古を続けています。お三味線はどこでも習える訳ではりませから、そうしないと名取への道は険しいのです。仕事と本格的な趣味を両立させることは強い意思が欠かせません。名取までの道のりは素質もあるでしょうが、意思の力が必要なのです。

 さて、夏の試験で合格して名取になれば、今秋には名取の披露を兼ねて演奏会をすることになっています。若いお弟子さん達には、仕事とお稽古の両立が必要ですが、自らのためと伝統芸能継承に向けて是非とも頑張って下さい。
 それにしても和歌山市では随分、文化活動が盛んになっています。本日のお三味線、シャンソン、ジャズ、フラメンコ、舞踊、そしてエフエムの誕生など、明るい活動がたくさんあります。しかしここまで来るまでには相当の年月を重ねています。文化活動は直ぐに地域に定着するものではありませんから、核となる人を中心として理解者と賛同者が周囲にいてくれることが必要です。会員を増やしながら長年に亘って地道の活動を継続してきたことで現在があります。
 文化活動が盛んな地域からは活力が生まれますから、この勢いを大切にしたいと考えています。

【Mくんのこと】
 今朝、予想もしない突然のご不孝の連絡が飛び込んで来ました。午前2時、Mくんの奥さんがお亡くなりになったのです。享年34歳の若さでした。1年前に進行性の胃癌であることが判明し治療を続けてきましたが、無念にも力尽き果てたのです。若いため癌の進行が早かったのでしょうが言葉がありません。奥さんを失った同じ年のMくんの気持ちは察するに余りあります。夕方にお悔やみに出向いたのですが、先ほど病院から帰った奥さんは眠っているような顔でした。今にも起き上がってくれそうでしたが、閉じた眼を開けることはありませんでした。先輩や同年代の人がこの世を去る時も辛いものですが、年下の人が順番を飛び越えて先にこの世を去ることはあってはならないことです。

 Mくんは奥さんと家族との思い出を作るために北海道旅行に出掛けたりして、残された時間を大切に扱って来ました。三人の子どもの内、二人は小学生、ひとりは幼稚園なのです。子どもにとってもお母さんは欠かせない年代ですし、30歳代のMくんにとっても社会で活躍するために欠かせない存在なのです。何よりも奥さんの輝く人生はこれからだったのですが、その明日が今日を境に来なくなってしまいました。

 昨年のMくんの年賀状は、笑顔が溢れた家族の写真でした。その表情から回復している期待もあり、良かったなぁと思っていたのですが、残念です。昨夏の和歌山ロイヤルパインズホテルでのイベントでお会いした時も家族で元気そうだったのですが、その間も病魔は密かに進行していたのです。

 それにしても最近、周りで癌と戦っている人が多いことに気付かされます。原因は環境なのか食生活なのか分かりませんが・・。そして癌を宣告された全ての人は、それ以降の人生に希望を持って生きています。永遠に続くと思っていた人生に限りがあることに気付くからです。その気持ちは分かりませんが、一日がダイヤのように輝いているのではないでしょうか。平気な顔をして今日を生き、そして明日がやって来ると思っている私達も、その日がダイヤのような日々であることを認識すべきなのです。きれいな日の中にいると、恨むことや嫉妬することはあり得ません。きれいな日の中では、誰もが輝いている明日に向かっていますから、希望と幸せだけが存在しているのです。

 身近な人は自らの生と死を通して、後に残っている私達に今日という日の素晴らしさを教えてくれているようです。人の死を無駄にしないとは、悲しみの後に希望を持ちづけることにあります。いつまでも他人と幸せの奪い合いの社会を生きるのではなく、全体が幸せになる社会を目指すべきなのです。奪い合うと幸せの総量は減少しますが、全体の幸福を目指せば幸せの総量は増えるのです。何故なら、幸せは幸せを呼んでくれるから総量は増えるのは必然です。それは笑顔は周囲の人を笑顔にしてくれますが、笑顔の中に不機嫌な顔をした人が一人でもいると、その場から笑顔が消えてしまうことからも分かることです。笑顔のある組織や地域に活力が宿り、輝くのは当然のことなのです。

 それにしても、光り輝く人生の途中で、行く道が消える悲しみの姿をもう見たくありません。心身の健康と心のやさしさが、幸せの総量を増やすために求めるべき価値観なのです。癌を周囲から無くすことを平成20年の新年の目標に掲げましたが、これは必ず実現させなければならないと強く感じています。
 Mくんに笑顔の日が戻りますように。そして奥さん、今まで本当にありがとうございました。あなたの意思を実現させるために、そして幸せな社会になるように志を持って前に進みます。余りにも早い旅立ちですが、あなたを知っている残った私達が未来を支えることを誓います。安らかに、そして清らかにお眠り下さい。
1月12日(土) 「子どもの英語」
【子どもの英語】
 英語の教室を見てきました。ここは小学生対象の英語教室です。外国人講師もいて、土曜日の朝なのに子ども達が熱心に学習していました。学習と言うよりは、遊びとしての英語を楽しんでいる感じがありました。子ども達は強要されて来ているのではなくて自分の意思でここに来ています。

 そして英語を学ぶ理由は明快でした。「キャビン・アテンダントになりたいから」「医者になって困っている患者さんを助けたいから」「科学者になりたいのでアメリカに行く必要があると思うから」。如何でしょうか、これらが小学生の思いです。大人は今の子どもには夢がないだとか、学力が低下しているのが問題だとか評価していますが、現実は少し違っている部分もあります。平均値や良くない代表的な事例、一部の事件を取り上げて小学生像を作り上げていますが、一人ひとりの子どもは、私達の世代が小学生だった頃よりも夢に溢れています。当時の子どもの夢の代表的なものは「プロ野球選手」「パイロット」「花屋さん」などでしたから、目指す対象と言うよりは漠然としたあこがれで、決してそれを目指して勉強する対象ではなかったように思います。

 少なくとも私が小学生の頃は、明確に目指すべき将来の夢はありませんでした。漠然とした目指したいものを見つけたのは高校生になってからだったのです。
 夢は何歳になっても持ち続けなければなりませんが、小学生の時代に目指すべきものがあることは幸せなことです。夢とは、ゴールに近づくための目印であり支えになるからです。
 それと比較して今日(こんにち)の小学生で学習するのは、目指すべき具体的、現実的な目標を持っているのですから素晴らしいものです。キャビン・アテンダントに医者、科学者などの職業は、努力すれば届く範囲のもので全てイメージ出来るものです。今からそれに向かって勉強を続けたら必ず達成出来ます。そして学習塾や専門教育、専門誌など、目指すもののために学習出来る環境がありますし、それらの職業がイメージ出来る媒体も豊富ですから、夢に近づく確率は、今までのどの時代よりも現在の子どもの方が高いもではないかと思っています。そんな夢の実現を目指せる社会を創っていることは、大人にとっての誇りでもあるのです。

 社会の良くない出来事ばかりが新年の挨拶にありますし、良いことが報道されることは少ないように思っていますが、現実の生活の中では悪い出来事が頻繁に起きている訳でもなく、日々前進している毎日があるだけです。一人の環境が少しでも良くなれば、その分だけ社会は前進しています。昭和の時代には夢があって、今の時代には夢が失われていると言われ秘かな昭和ブームだそうですが、今ほど夢を実現出来る可能性のある時代はないのです。昭和の時代は高度成長の時代でしたが、個人の夢、家庭の夢はそこにあったのかどうか分かりません。現在の方が職業は多様化していますし、才能で食べていけるだけの環境はあるような気がしています。

 その環境を活かして、学校が休みの日も夢に向かっている子ども達。一人ひとりが夢を見られる社会、そして一人ひとりの夢が実現出来る可能性の高い社会。これが素晴らしい社会だと言わなければ、何を以って良い社会と言えるのでしょうか。過去が良くて現在を悲観するようではこの先はありません。現在社会は、先人達が作り上げてきた今までで最高の社会だと認識して、私達がこの先を築き上げたいものです。

 それにしても子ども達の夢と学習意欲には感心します。しかし学べる子ども達は良いのですが、学べる環境を与えられていない子ども達はどうなのでしょうか。和歌山市の公教育に英語を導入して欲しいと要望してきましたが進んでいません。アメリカに渡って科学者になりたいと思い小学校時代に英語の学習を続けている子どもと、公立小学校で英語の時間が十分に取れていない子ども。大人は機会の平等を提供すべきなのですが、子どもを違う入口から大人の社会に向かわせている状況を作っていることは好ましくありません。

 日本の強さとは経済力を背景にした円の力です。それがあるから日本が世界で今の地位築いているのです。今後、アメリカとEC諸国、そしてBRICsとの覇権争いが待っています。英語は世界を制するための最低限必要な武器なのです。平和を愛する国が経済力の鍵を握ることが、世界の平和を安定させるために必要なのです。
 大きなことも最初の一歩から始まります。子どもと英語教育。今、着手しないで何時するのでしょうか。下り坂に差し掛かった時ではなく、常にトップレベルにいる内に次の一手を打つべきなのです。
1月11日(金) 「平和を考える」
【平和を考える】
 大正生まれのAさんは、元気に近所の散歩をしたり、友人とカラオケを楽しんだりしています。週に三回は友人と集まって楽しんでいる様子で、それが健康で元気になる秘訣です。それでも高校時代の友人で生を受けているのはわずか三人。会社の同期生は一人も残っていないようで寂しさを隠しきれません。友人がこの世を去って行くのを見送るのは、何とも言えない気持ちになります。寂しいような、取り残されたような、そしてその人の分まで生きなれければとの思いが交錯する不思議な感覚になるのです。

 「いつの間に年をとってしまったのだろう」とAさんは呟きましたが、年月は知らない内に経過しているのです。現在と過去のことは元気に話してくれますが、将来のことになると「何時どうなるのか分からないからねぇ」と話は弾みません。生きた時間と比較して、これからの時間が少ないことから来ているのでしょうか。そう思うと、人は今を全力で生きることが大切だと知ることになります。全力で生きている今の積み重ねが思い出となり、人生に残っていきます。全力で生きていない怠惰な時間があるとすれば、それらは流れて行きますから積み重なりません。積み重なることなく何も残らない時を、無駄な時間と呼びます。ですから無駄な時間と休息は違うのです。全力で生きる間に息を抜いて次に備える時間を休息と呼び、何もしていないのにも関わらず休息している怠惰な時間が無駄な時間となります。何か動いている実感と疲れをとる休息の繰り返しこそが生きていることなのです。そこに無駄な時間が入り込む余地を少なくすることで、充実した人生となるのです。

 Aさんは陸軍でしたが、佐世保で造船中の戦艦大和に乗船したことがあります。戦艦大和の甲板での写真を見せてもらいました。そこには今を生きている若い頃のAさんが写っていました。しかしその後、多くの若い人達が戦艦大和と共に散っていくのです。そして今もなお、わが国のために散ったその肉体は戦艦大和と共に海中に眠ったままです。

 平和な時代を生きる一人として、戦艦大和と乗組員を慰霊したいと考えるのは自然なことです。平和な時代を迎えていることに感謝しながら、地球上に永久の平和が訪れることを誓いたいところです。後に続いている私達が平和を謳歌するのは良いとしても、怠惰な生活の日々を平和と勘違いしてはいけません。
 平和は築き守るべきものであって、与えられているものではありません。生きることで平和が実現するものであって、無駄な時間が多くなるとロクなことを考えなくなるものです。自分の今を生きている人は他人のことに構っている暇はありませんから自己成長につながり、その結果、個人の成長と合わせて今よりも良い社会が築かれて行きます。
 怠惰な時間を過ごす人は自分のことよりも他人の動向を気にします。他人への関心を向けているだけでは自分の成長にはつながりません。成長するためには自分で考え自分で行動することが大原則だからです。自分を自分で成長させることが出来ない人の周囲は停滞したままとなります。

 人の成長は様々ですから、伸びる人の周囲は明るく、社会は活性化し発展します。生きることと怠惰な時間を過ごすことは、自分も社会も違いがあるのです。元気な地域では生きている人が多いのです。過ごしているだけで生きていない人の多い地域は勢いがありません。地域を創っているのは人なのです。各種施策やまちの将来計画は、人の活動を補完するものに過ぎないのです。他人やそれらに不満を言う前に、自分を生きることから始めなければ社会は良くなりません。希望は元気を呼び込みますし、不満は停滞を招き入れます。どちらが良いのかは明らかですが、何故か希望が少ないのが気になります。これから時間がある人や地域には希望がありますが、残された時間が少ないと希望は少なくなります。残された時間の大小は、物理的な時間ではなく心の持ち方による精神的なものによります。結論として、最後まで諦めないで希望を持つことが生きることなのです。

 生きている人と生きている地域には希望があり、そこから元気に向かうのです。まちの主人公は人であり、自分であることを認識したいものです。まちはそこに住む人の気持ちを表しています。品格のある地域、品格のある国を創るのは品格のある人なのです。
 そんな時代は平和そのものであり、自らを犠牲としてまで平和への礎を築いてくれた戦艦大和の慰霊も行えるのです。そんな日を夢見ています。

【病を考える】
 周囲に癌で苦しむ人や癌と戦う人が増えているような気がしています。大切な時間が失われて行く、貴重な時間を自分の時間として活用出来ないことは悲しいことです。一人でも多く助けることが出来ないものか、そのことを話し合いました。この点に関しても可能性を見つけるための行動を起こしています。周囲の人が皆んな健康で幸せに暮らせること、そんな地域を心の中では目指しています。早く心を形に変えたいと考えています。

【AED】
 観光地は楽しめる地域であり安全な地域でありたいものです。公共施設やスポーツ施設、学校などにはAEDの設置が進んでいますが、観光地への設置の状況は把握していません。和歌山県が観光立県だと言うのであれば、観光客の安心、安全のためにもAEDの設置を進めて欲しいとの話をいただきました。今後、調査することにしています。

【その他】
 企業誘致について、和歌山市での音楽活動について、わが国の経済の動向について、などを協議しました。また夜にはある団体の新年会に出席させていただきました。
1月10日(木) 「まちづくり」
【まちづくり】
 過去、北海道から沖縄まで、全国で大型商業施設の立地に携わってきたAさんと懇談しました。最後の奉公の気持ちで和歌山県を活性化させたいと考えてくれています。今までの経験を次の世代に託したいと、日本の歴史、和歌山市の今まで、そして自らの経験談などを話してくれました。「今まで社会を担ってきたと自負心がありますが、後に続く人に思いを託したいと思っています。最後は生まれた土地である和歌山県に元気を取り戻して欲しいのです。経験と人脈を引き継ぎこれからの社会を担って欲しいと思います」と時間を割いてくれました。

 それでも、現在も毎月二回、東京の勉強会に参加して知識を仕入れています。常に社会の動向を把握しておくことが地域で生活するにしても大切なことだと認識しているからです。歴史を知り、今の日本と世界を知り、地域を知り、そして将来を見通すことが重要なのです。
 さてAさんが子供の頃、和歌山市は全国でも産業や経済規模などで上位に位置していた都市だったそうです。当時の主力産業であった製材、染工、繊維、皮革などの工場が立ち並び、働く場所を求めて全国から人が集まっていたのです。カネボウ(現:クラシエ)ニチボウフジボウなどの花形産業が立地していましたし、市内を流れる和歌川沿いには製材所や皮革工場が並び、全国に向けて製品を送り出していたそうです。現在で言うなら、経済を支える企業群が立地する地域だったのです。

 それが戦災と産業構造の変化などから次第にこれらの産業は衰退し、工場の撤退などに歯止めがかからずに和歌山市の地位は低下して行きました。その時に現状に甘んじることなく時代の先読みをしていたら、また手段を講じていたら産業構造の転換を図れていたかも知れません。その後、住友金属和歌山製鉄所の進出があり持ち直しましたが、現在に至るまでその位置は回復していません。
 Aさんは、住友金属和歌山製鉄所頼りにするのではなく、和歌山市の辿った歴史を知ると停滞している課題が発見出来るのではないでしょうかと話してくれました。出来ることは、先進地からの資本や意見を受け入れることなのです。外国企業が日本市場に進出場合、その企業の日本人従業員は口を揃えて「日本市場は特殊ですから海外の市場とは異なるので、今までの戦略は通用しませんから。」と言うそうです。

 確かに、製品のデザインやパッケージ、仕様の多様さなど商品の本来機能以外のところまで注意を行き届かせる必要があるなど特殊性を感じますが、外国企業の責任者は「どこの国に行っても同じことを言いますから。」と全く気にしないのです。日本人を初めとする迎え入れる国の意識は、自分の国は世界でも特別なので日本の国のやり方は通用しないと暗に述べているのですが、世界を相手にしている企業にとって特殊性などは誤差の範囲なのです。

 和歌山県も他の府県と違って特殊な地域なので、他の地域から進出して事業を成功させるのは簡単ではないと思っている部分もあるように感じますが、実はそれほど大差はないのです。排他性を売り物にしないで良いものは同化させることも必要なのです。和歌山県の課題はその辺りに潜んでいるかも知れません。
 また世界では決してアメリカに追従していないことなど、わが国の課題についても話してくれました。特にヨーロッパ諸国はアメリカとは違うので、アメリカが風邪をひいても風邪にかからないのです。参考までに、現在の日本はアメリカが風邪をひいたら肺炎になると表現してくれました。本当に日本は国家なのか、そのことも考えて欲しいと課題をいただきました。

【人づくり】
 全国を舞台に活躍しているMさん。たっぷりと時間を割いて、今までの人生を話してくれました。和歌山県を、そして国家を思う気持ちに感銘しました。国を創るのは人づくりから、地域を創るのも人づくりに尽きるのです。国も地域も、そして現在も、将来の繁栄も全ては人づくりなのです。特に子どもは将来を支えてくれる存在ですから、その基礎は子どもに良い影響を与えることです。

 子どもの教育は予防注射のようなものです。大人になって体験することは、子ども時代に体験した方が良いのです。大人になって初めて体験すると対処出来ないことでも、子ども時代に少しでも体験していれば、大人の常識と合わせて応用が可能です。つまり子ども時代の体験は予防注射なのです。免疫力を持っておくことで、大人になっても対処可能となるのです。大人が子どもを可愛がる余り何も体験させないと、危険を察知出来なくなりますし、加減も分からなくなります。現在の子どもの事件や大人になり切れていない人が起こす事件は、予防注射がなされていないことも要因なのです。

 またMさんは子どもに武術の指導を行っています。ここでは道場の清掃は子どもの役割です。拭き掃除の時に使用するバケツは、わざと少し穴のあいたものを使ってもらっているのです。バケツに穴があいていると水が吹き出しますから、子どもが可哀そうだと保護者が新品のバケツを持って来たのです。そこで不思議な光景が展開されました。
 穴のあいたバケツで清掃する子どもは、水がこぼれないように、いつもの通りテキパキと拭き掃除を行います。ところが新品のバケツを使う子どもは、忽ちのんびりと清掃を行うようになったのです。大丈夫だと言う安心感が、子どもの清掃意欲に影響を与えたのです。

 私達は常に子どもには安全と安心を与えたいと思っています。それは間違いではありません。しかし大人が、子どもが考える前に全ての環境を整えてしまうと生活力を奪っているかも知れないのです。バケツの話から飛躍するかも知れませんが、不完全のものを与えて自分で物事を考えることをさせることが生きていく上で必要なことです。満たされた状況から抜け出すことは難しく、まして飛躍することは困難になります。大人は経験がありますから、経験のあるものに関しては、ある程度の道筋や結果を予想することが出来ます。

 子どもが安全に良い結果を導くため、順番を間違わないための補助をしたくなりますが、与え過ぎると子どもは考えることを止めてしまいます。これでは生きる力を奪ってしまうのです。年齢や成長に応じて不完全なパズルを与えることで、子どもは自分の力で完成させるのです。完成したパズルを最初から与えると、考えることと組み立てる行為を子どもから奪うことになります。

 子どもにとって考える力と行動する力は大人になるための、そして大人になってからも絶対必要な生きる力なのです。子どもに生きる力を与えるための教育と環境を与えることが大人の使命だと言えます。子どものことに関して、学校や社会に責任を押し付けてはいけません。家庭が、大人が、責任を持って子どもを育てることから始めたいものです。今の社会は子どもが創っているのではありません。現在の大人が創っているのですから、現在と未来への責任は大人が背負うべきものです。
 責任を回避する社会からは未来は見えませんが、責任を背負う社会からは確かな未来を見ることが出来ます。
1月9日(水) 「紀州レンジャーズ」
【紀州レンジャーズ】
 午前中、独立リーグを目指した「紀州レンジャーズ」の今後に関する打ち合わせを行いました。選手も決定したので具体的な運営について協議を重ねています。県内の皆さんの協力を得ることが県民球団として存在する意義でもあります。幸い「紀州レンジャーズ」に関しては好意的な意見ばかりですから、皆さんの期待度の大きさが分かります。
 さて本日も新聞報道がなされているように、「紀州レンジャーズ」に関する問い合わせが数多くあります。セレクションに関して報道された記事を、以下紹介します。

○朝日新聞(2008/1/6)
 独立リーグへの参入を目指すプロ野球チーム「紀州レンジャーズ」の結成に向け、和歌山市毛見の県営紀三井寺球場で5日、選手選考会が行われた。県内外から会社員や女子高生、元力士ら男女計46人(15〜43歳)が参加し実技審査や個人面接、健康診断を受けた。
 選考会は、県内三つのNPO法人でつくる「紀州レンジャーズ設立準備委員会」が実施。監督に就く木村竹志さん(46)や、星林高校出身でプロ野球・楽天イーグルス2軍監督の松井優典さん(57)ら6人が審査員として、50メートル走や打撃、守備力などを見て回った。
 この日は実技で29人を選手候補に決めた。選手としての採用は今後、面接などの結果を踏まえて判断するという。
 女性で唯一の選手候補、大阪府八尾市の高校生、村島由里恵さん(16)はクラブチームで硬式野球をしているといい、「選手になれたら、捕手の正選手を目指したい」と話した。

○産経新聞(2008/1/6)
 つかめプロ野球選手の夢 「紀州レンジャーズ」 セレクションに46人挑む
 和歌山県内初のプロ野球チームとして今年春の設立を掲げている「紀州レンジャーズ」の入団選手を選ぶ「第1回セレクション」が5日、和歌山市の県営紀三井寺球場で行われた。県内を中心に集まった10〜40代の男女46人が挑み、日ごろの練習の成果を審査員の前で披露した。
 野球を通じて地域を活性化しようと、NPO法人「和歌山野球振興協会・夢クラブ」など3団体が紀州レンジャーズ設立準備委員会を発足。監督には、箕島高校で春夏連覇を達成した元西武ライオンズ投手、木村竹志(旧名・石井毅)委員長が就任する。来年にも設立が予定されている関西独立リーグへの参入を目指す。
 この日の実技審査では、50メートル走のタイムやバッティング、守備の技術などが厳しくチェックされた。参加者らは持てる力を出し切ろうと精いっぱいチャレンジ。女子2人を含む29人が合格し、個人面談に進んだ。
 実技審査を突破した大阪府立夕陽丘高校1年の村島由里恵さん(16)は「今日はボールも打てたし、男子の球もキャッチできた。正捕手目指して頑張りたいです」と話していた。個人面談の合否は、7日に紀州レンジャーズのホームページに掲載される。来月3日には、2回目のセレクションが行われる予定。

【雇用問題】
 和歌山県内における雇用情勢に関する話し合いを行いました。パート職員や派遣社員などに関しては雇用がありますが、正職員雇用は依然として改善されていないようです。正職員の雇用イコール雇用改善であり、地域経済改善につながるものでから、県内では本格的な景気回復はまだ先のことだと判断すべきだと思います。そのため和歌山県内で生活する若い人は特に大変です。正職員にならないと生活の安定が図れないばかりか、将来の生活が見込めません。簡単に言うと、男性の場合、ある程度の年齢になると結婚が出来る程度の生活保障が必要なのです。仮に現在、月収が低いとしても、毎年のように昇給すれば将来の生活設計は可能なのですが、昇給が見込めないと家庭を持つことが厳しくなります。雇用の安定とは、将来の生活を安定させてくれる正職員の雇用を増やすことに他なりません。簡単なことのようですが、そのことが難しい社会なのです。それは正常な社会とは言えないのは明らかです。

【新技術】
 社会を変える新技術に関して打ち合わせを行いました。本日は大阪からお客さんをお招きして、これからの社会で世に出てくるであろう新技術について話し合いました。社会を変えるのは現在の常識を打ち破る圧倒的な新技術です。ところが、あまりにも時代の先を行き過ぎると社会から受け入れられないのです。問題はそこにあって、時代を先取りしても認知されませんし、だからと言って待ちすぎて陳腐化してしまいます。絶妙のタイミングで世に飛び出させたい新技術がたくさんあるのです。
 新エネルギー、環境保全、そして医療分野で待機させているものがあります。早く出したいのですが、常識を打ち破る新技術ですから、今しばらく様子見をすることにしています。

【企業誘致】
 和歌山県内への企業誘致活動は最大の課題であり、地域を元気にする即効性のある施策です。昨年の県議会での一般質問以降、全力を傾注しているところです。規模が大きいため直ぐの実現は敵いませんが、前向きに進んでいると思っています。全く何もないことと動きがあることは、天と地ほど地域の可能性は違います。大阪湾ベイエリアでの企業立地が進んでいる中、今後企業進出可能な、まとまった企業用地があるのは和歌山県だけです。
 関西の景気回復が図られている中、残念ながら最後発となっている和歌山県ですが、最終目標は明治維新直後の和歌山県に戻ることです。当時、上から数えて8番目の大都市だったようですから、時間がかかるかも知れませんが、再びその地位に戻りたいものです。
 経済規模だけでは難しいことは承知していますが、経済と自然環境を併せた県の豊かさで上位に行くことは十分可能だと考えています。

【景観条例】
 平成20年2月県議会に提案される景観条例。パブリックコメントが寄せられ、条例案が固まってきています。今後は条例化した後、景観保全を図るための計画策定や条例を支える実務レベルの取り決めを決めていくことになります。和歌山県の場合、環境保全と経済活動の両立を図る立場にありますから、規制の程度のさじ加減が重要です。条例では大枠を決めることになりますが、実務レベルでの取り決め如何によって、和歌山県の進む方向が占えそうです。

【新春の集い】
 三菱電機さんの新春のつどいに参加させていただきました。お招きいただいたこと、感謝申し上げます。三菱電機の手平工場は、三菱電機の空調機器の主力工場となっています。和歌山市にある企業として、地域経済と雇用確保に多大な貢献を果たしてくれているのです。他都市からの視点も交えた和歌山県の在り方に関する要望も受け、今後の活動に活かしたいと考えています。
1月8日(火) 「中心地と観光学部」
【中心地と観光学部】
 和歌山市の中心市街地から和歌山大学観光学部の設置が撤退することになっていますが、フォルテワジマなどに続く賑わい創出の核施設として中心市街地へ観光学部の進出を期待しています。可能性はゼロではないので、継続して出来る方策を模索しているところです。商業施設に加えて大学観光学部を待望する声は今もあります。家族連れも高齢者も、そして学生もまちなかにいるそんな中心地であって欲しいものです。
 そんな中、中心市街地に活気を取り戻したいと考えている経営者の方と懇談ました。今まで個人としても会社としても、お世話になり成長させてもらった和歌山市に奉公したいと考えてくれています。

 この経営者は和歌山市に欠けているものは先進性だと認識しています。兎角、目新しい動きをすると横やりが入ることや、違った動きがあると止めに入られることもあったようで、横並びを良しとする空気があるのです。しかし地域にない文化を取り入れることや、他府県は無論のこと、諸国からも学ぶことが進歩性とつながっていることに気付き実践するべきです。気付くだけでも気付かないようはマシですが、実践が伴わない気付きには大した値打ちがありません。まち全体にとって良いと思うことは実践することがまちを動かす力になります。観光学部は私達の動きを加速させてくれる装置とも言えます。何故なら、観光学部開設の時期が再び巡ってくる、そんな機会は二度とないからです。今、まちとして最善の受け入れ方策を考えないで、一体何時考えると言うのでしょうか。思いのある人は焦燥感に駆られています。観光学部をこの機会に、何にとしても中心市街地に呼び込みたい。そんな話し合いを続けています。

 まちの発展に続いて中国上海の事情について話は及びました。この方の子どもは上海に居住し、現地で会社経営をしています。そして当然のことですが、お孫さんも上海の小学校で学んでいます。お孫さんは、日本語、英語、そして中国語の三か国語を話せるそうです。「凄いですね」と反応すると、「上海の小学生では当たり前のことですよ。」との返答でした。日本語は兎も角として、母国語の中国語と英語は全ての小学生が読み書き出来るのです。これは凄いことです。いのま小学生のレベルがその国の将来を占います。国際社会では、今や世界語とも言える英語を道具として使えることがビジネスで、外交で戦うための必須条件なのです。小学校時代から道具として操れる国と、そうではない国の国力に差が出るのは当然の帰結です。英語は文化を壊すのではなく、自国の文化を正確に伝える道具にもなるのです。

 国際都市上海での教育水準、文化度、余暇の楽しみ方など、和歌山県に取り入れたいものがありそうです。これらは現地での生活体験のある人から吸収すべきものです。参考までに、この経営者も上海にマンションを所有していますから、現地での生活体験は豊富です。ですから中国人の友人を和歌山県にお招きした時に、恥ずかしい思いをしたそうです。

 和歌山県内のホテル、旅館に滞在した時の施設やサービスレベルが、上海のそれと比較して格段に低かったことが原因です。本当は心に満足感を与えてリピーターになってもらいたかったところですが、今のところ再び和歌山県に来てくれていないそうです。階層にもよりますが、東アジアの生活水準は私達の想像以上に高くなっているのです。観光立県和歌山県を目指している限り、世界水準の観光施設とサービスレベルを皆さんに提供して欲しいところです。

 和歌山県が自然と歴史を前面に出して独自の路線を行くことに異論はありませんが、おもてなしの気持ちやサービスレベルなど、誰からも求められるものは世界水準を目指したいものです。それが観光立県としての絶対条件です。
 観光立県和歌山県の玄関口とも言える和歌山市と中心市街地には、世界で通用するレベルのものを目指して欲しいものです。ここに存在している自然と歴史は独自のものでも、都市のレベルは世界水準でいて欲しいものです。住んでいる地域が低迷していることを歓迎している人は一人もいない筈です。

【ライオンズ例会】
 ゴールドライオンズクラブ新年清祓例会に出席しました。新年の安全と健康、そして今年の発展を祈願してきました。例会では新春恒例となった感のある俳句を詠みました。今年のお題目は「真」です。
 私の作成した俳句は次のとおりです。
 「春の陽に 願うまことの 昇り運」
 新春の光を浴びて清らかな気持ちになっている今、今年の運気が昇り龍となって、真の繁栄をもたらしてくれるように感じている気持ちを詠んだものです。思いは天高く昇って、結果を伴って再び地上に降りてくれるのです。青空に思いが突き抜ける感じがありました。

【紀州レンジャーズ】
 独立リーグ参画を目指したクラブ野球チーム「紀州レンジャーズ」。期待の声が聞こえています。支援を要請する中で、今までの経緯と今後の活動計画と将来計画について説明しました。和歌山県にとって歓迎すべき取り組みであると評価をいただいています。県民球団を目指した活動が開始されています。

【連合和歌山新春のつどい】
 夜は連合和歌山主催の新春のつどいに出席しました。和歌山知事や和歌山市長が来賓として来て下さり、和歌山県の課題や道路特定財源のあり方についてなどを挨拶の中で披露してくれました。
1月7日(月) 「社会が始動」
【社会が始動】
 一斉に社会が始動し始めたようです。新年ムードが一変し、いつものような日々が戻って来ました。朝のミーティングでは、これからの和歌山県地域の動きに関して情報交換を行いました。事業所や商業施設の進出など動きがあると地域は元気づきますから、今年は活発な動きを期待したいところです。
 中心市街地に関して話し合いを行いました。フォルテワジマが開店してから、まちの話題の中に中心市街地が戻っています。フォルテワジマの前に位置している地元の紀陽銀行本店では、銀行の駐車場を土日、祝日に中心市街地を訪れたお客さんに無料で開放しています。警備員配置の費用などは紀陽銀行が持っていますから、このように協力体制が整い始めています。

 今年三月の全館オープンに備え、関係者は最終の詰めに入っています。お客さんに満足感を提供するための、そして家族連れで来てもらえるための企画案を検討しています。そのため各階の店舗作りも修正、修正の連続だそうです。今春の全館オープンを次の契機として、中心市街地が更にまちの話題になるように期待しています。
 引き続いて始動を始めた皆さん方と意見交換を行いました。皆さんの晴れやかな顔が今年の上昇を象徴しているようです。年末まで明るい笑顔でいる限り、飛躍の一年は約束されています。

【紀州レンジャーズ】
 クラブ野球チーム「紀州レンジャーズ」のことが話題になっています。改めて野球王国和歌山県を感じることが出来ます。本日、セレクションで選考された選手氏名が発表され、選手契約を締結した後、いよいよ始動となります。

 チームが和歌山県の元気の素になり、そして地域の皆さんに育ててもらえるチームになりたいところです。平成19年、独立リーグの北信越リーグ誕生で北信越地域は野球で大いに盛り上がったと聞きました。地域が自分たちの県民球団を応援する姿がある風景。羨ましい限りです。他にもプロサッカーチームやプロバスケットボールチームなどがある地域ですから、地域にプロスポーツチームが誕生することによる「まちの元気」の効果を良く知っています。チームが地域に元気を与え、地域が選手に元気を与える関係。地域に誕生した財産です。これは望んでも与えてくれるものではありませんから、せっかく大変な苦労をして誕生させたまちのチームを地域の皆さんで支えて欲しいものです。

 これは中心市街地の活性化策と良く似ています。事業主体がきっかけを作りますが、それを支援して行くのは地域の皆さんです。地域に熱意があることが事業を成功させるための絶対条件です。冷めた地域からは何物も誕生させることは出来ませんから、何かのきっかけで地域を熱くさせる。着火したものを燃え続けさせるには、より多くの人のエネルギーが必要です。仕掛けた人が着火の瞬間の爆発的なエネルギーを供給するとすれば、燃え続けるための空気を送り続けるのが地域の方々です。
 中心市街地の再生やクラブチーム支援、NPO活動など、関心のあるどれかひとつでも良いので参画して欲しい、支援して欲しいと願っています。それが地域を熱く燃え立たせる元気の源なのです。

 そして中心市街地再生計画やスポーツチームなどが一度撤退してしまうと、再び、この地域に降り立つことはありません。いま地域に現れている事業は、全て表面化するまでに関係者は人に言えない程の時間と労力を費やしています。それに要した時間と熱意の総和が事業の大きさとして現れているのです。姿を現したこれらの事業を地域で育てて欲しいと願っています。

 紀州レンジャーズのセレクションに関して取材を受けました。主な項目だけを紹介します。
Q. セレクションは如何でしたか。
A. 新春の紀三井寺球場はきれいだと感じました。きれいに見えたのは、球場もそうですが選手が躍動していたからです。そして新春には夢が良く似合っていました。

Q. 選手に接して如何でしたか。
A. 選手全員がプロを目指すという夢を持っていました。仕事を投げ捨ててでも野球に賭けたいとの思いが伝わってきました。一時期であっても夢を持つことの大切さ、そして夢を追いかけることの素晴らしさを感じることが出来ました。勿論、夢を実現出来る選手は数少ないことは分かっていますが、挑戦する前に諦めないことの大切さを学べたように思っています。

Q. 仕事を辞めてまでも和歌山県に来てくれるのですか。
A. 定職を投げ捨ててでもやって来てくれます。野球だけではなくアルバイトで生計を営む必要があるのですが、全員がその両立を図ってでもやり抜く覚悟を持っています。夢の力は素晴らしいと思います。

Q. 若い人に伝えたいことは。
A. 夢や情熱と言った言葉は失われつつあるように思いますが、いつの時代でも生きていく上で大切なことです。紀州レンジャーズの選手は全員、絶対的な夢を持ち追いかけています。若い人にも選手を応援し接することで、夢を持つことの素晴らしさを分かって欲しいと思います。
1月6日(日) 「フラメンコ」
【フラメンコ】
 和歌山県を拠点としてフラメンコ教室と普及活動を、そしてスペインと日本の文化を融合させて新しい文化とも言える創造的フラメンコ(私が勝手に思いついた名称です)を創り出している森久美子さんとご縁をいただき、懇談する機会を得ました。

 「和歌山県から文化を発信する」この思いは全く共通するものです。残念ながら文化に乏しいと言われることのある和歌山県ですが、この地域から文化を創造し、或いは和歌山県の持つ文化と自然を組み合わせた新しい価値観を発信しようとしている方々はどの分野でもいますが、森さんも間違いなくその活発的な活動家のひとりです。

 JR和歌山駅の東側に新しいスタジオ「ラ・ダンサアンダルシア」を数か月前に建設し、ここを拠点として新しい活動を開始しています。スタジオにお邪魔して約2時間、お話させていただける幸運に恵まれたのです。新春ならではの贅沢な時間となりました。

 昨日のクラブ野球チーム「紀州レンジャーズ」のセレクションでもあったのですが、プロ野球を目指す選手は指導者を選んでやって来るものです。選手を集めるためには地域は関係なく、誰がコーチングスタッフに就任するのか、誰が指導してくれるのかが鍵となります。良い指導者がいれば北でも南でも、勿論、和歌山県でも選手が集まってきます。文化活動でも全く同じで、学ぶ地域も大切ですが、それ以上に優れた指導者がいる地域に生徒は集まってくるのです。フラメンコの世界でも同様で、森さんがいることから、他の地域から和歌山県に習いに来る生徒がいるのです。地域を超えて人を集めることが出来る指導者は文化人とも呼べますが、和歌山市を拠点として文化人としての活動を行い、ここから新しいフラメンコ文化を発信してくれていることに感謝したくなります。和歌山県だから人が来ないのではなく、人に来てもらえる人材がいる地域であることも大切にしたいものです。人材を流失させるのではなくこの地で留まって活動してもらうこと、そのために自由に活動出来る環境を整えることが地域として必要なことです。現実的になりますが、文化やスポーツは育成するまでにお金がかかるものです。このお金をケチって、人材を流失させてしまったり文化を衰退させてしまうようでは、その地域は存在し得なくなります。

 既に文化人としての活動をしている人材を大切にすることは、地域として大切にしたいもののひとつです。幸い森さんは和歌山市を初め県内にもスタジオや教室を保有してくれているので、県内でフラメンコを学ぶ環境があります。これは誇るべき和歌山県の文化活動なのです。
 さて本日、森さんとは初対面だったのですが、話していると1999年に和歌山県を舞台に開催したジャパンエキスポ南紀熊野体験博の田辺新庄会場の舞台に出演した経験があることが分かりました。私も実行委員会の一員として参画していた博覧会でしたからニアミスだったかも知れません。舞台ではスペインと熊野の文化を融合させた「祈り」の演武だったようです。博覧会のテーマである癒しの持つ意味のひとつは、東西の癒しの道、スペインのサンチャゴ・デ・コンポステーラと和歌山県が誇る熊野鼓動の姉妹道提携による東西の祈りの道の融合にあったのですが、森さんはいち早くその価値を見出してオリエンタルフラメンコとして披露してくれていたのです。これは驚きの発見でした。

 これからも価値あるこの活動を、和歌山県を拠点として活動してくれることに感謝しながら、和歌山県には他の地域と同等、それ以上の様々な文化が存在していると言われる地域に作り上げたいものです。

【精神】
 精神を鍛えることは難しいもので、相当練れたと思っていても実はそうではないようです。鍛えられた精神とは波の立たない水面のようなものですが、平時はその状態が保てるかも知れません。しかし文句を言われたり、批判を浴びたりすると、忽ち、水面に波を打ってしまいます。自分の精神であっても自分で制御することは難しいものなのです。何事があっても動じない精神、理想とされる木鶏に到達するためには、生涯を通じて精神修養を追及し続ける必要があるようです。
 常にある程度の精神状態を安定させられるなら、状況が変化したとしても常に実力を発揮することが可能となります。精神が乱れると、状況によっては実力を発揮出来ないまま、退場を余儀なくされることもあります。静かな水面のような精神力を保つこと、意識しておきたいものです。

【その他】
 中心市街地に関する意見交換、年末の和歌山市の風景に関する意見交換などを行いました。年末に、和歌山市内で共同募金の呼びかけをしていると、応じてくれる人の割合は比較的多いようです。温かい人柄を感じ取ることが出来ます。人が温かい地域であることは大切にしたい郷土の伝統です。
 そう言えば、昨日の「紀州レンジャーズ」のセレクションに他府県から来てくれた選手に「和歌山県の印象は」と聞くと、「初めて訪れたのですが人柄が温かい地域だと感じました」、「紀三井寺球場の場所が分からなかったのでJR和歌山駅で聞いたのですが親切に教えてくれました。温かいところだと思いました」などの感想を聞くことが出来ました。「気候も人柄も温かい和歌山県」。キャッチフレーズになりそうです。

【父と子】
 今日は、昭和6年1月6日生まれの父親の77回目の誕生日でした。健康でこの日を迎えられたこと、おめでとうございます。どうかいつまでも健康に、そして達者で暮らせますように、そのことを信じています。

 今ではすっかり温厚になっていますが、若い頃は厳しい父で、私が小学生の頃は怖い程でした。親父がまだ怖い代名詞であった時代でした。気に入らないことがあると食卓をひっくり返してお茶碗と食事が飛び散ったここともありました。自転車の補助輪を外して二輪で乗る練習では、最初、中々上手く走ることが出来ません。後ろの荷台を持って押してもらって練習していたのですが、加速している途中に持っていた手を離されると、手がふらついて倒れることが何度もありました。「いつまでも支えてくれていることに頼っていると何時まで経っても走れないぞ」と励ましてくれました。次の日、今日も荷台を持ってくれていると思って安心して走り出して暫く経ってから後ろを振り向くと、遠く向こうに父の姿がありました。今日は荷台を支えてくれていなかったのです。父が支えてくれていると思って走り出したのですが、実は最初から一人で走っていたのです。それが自分の力で、自転車で走った最初の日の出来事でした。

 近くの空き地でのキャッチボールではキャッチャー役をしてくれました。構えたところに投げられると、何故か無償に嬉しくて誇らしくもありました。小学校の草野球では、自分の新しいグローブと父の使っていた古いファーストミットも持って試合に参加したものです。
 洋画も良く連れて行ってくれました。当時は車がなかったものですから、単車の後部に乗せてもらって行ったものです。007シリーズの「死ぬのは奴らだ」や「タワーリング・インフェルノ」などを観たことを覚えています。それが洋画好きになった要因かも知れません。今では当時の映画館は全て無くなっているのが残念です。中学の時は何故か話をしなかったなあ。反抗期か照れがあったのか、そのどちらかだったと思います。

 高校受験の時の励ましの意味で連れ行ってもらった「がんばれベアーズ」の映画に関する出来事は以前も書きましたから省略しますが、これは一番の思い出のひとつです。高校時代には父の会社が倒産、子ども心に大変なことになったと感じたものでした。倒産ですから退職金はありません、進学は困難になったと感じました。

 今日「何故、東京の学校に行かなかったのか。行くためのお金なら貯めてあったのに。」と話してくれましたが、当時はそんなお金はなかった筈ですから負担を掛けてはいけないと思って断念したのです。でも現在は大切な今があるから大丈夫です。もしもの話が続きました。「もし東京に進学していたらどうなっていたのでしょうか。」今の生活はなかったことは確かです。人生はどうなって行くのか誰にも分かりません。そして不本意な選択だったとしても、その後を思い切り、明るく、そして明日に向かって生きていたら、他の道を選択しなくて良かったと思える日がやって来ます。存在したかもしれない未来を無くしてまでも、舵を切った方角で全力を尽くすこと。それがあったかも知れない未来と違った現実の素晴らしい未来を築いてくれます。ふたつの人生は存在しない、当たり前のことですが振り返ると確かな道筋が見えるものです。ひとつの人生を生きることだけが私達の選択です。

 そして40歳代のいま。かつて父がいた位置に私は立っています。かつて父はこのような風景を見ながら過ごしていたのかと思うと感慨があります。社会、仕事、家庭、子ども、希望、責任、上り坂、下り坂。まだまだ伸びる年代であり、次への備えをすべき年代でもあります。空は青空だけではなく曇りの日もあると感じられる年代です。どこまでも伸びていると信じている大きな青い空と、もしかしたら先があるかも知れないと思う気持ちの狭間にいます。限界はあると思っていないけれども、この先どこまで到達出来るのか、見定めようとする自分がいます。そんな年代をどのような思いで過ごしていたのか。どのような思いで時代を見送ったのか。まだまだ聞いてみたいことがあります。もたれられる人がいることに感謝しながら、77歳おめでとうと言いたいものですし、次の並びの年の88歳になっても、99歳になっても、いつまでも元気でいて欲しいと願っています。私の活動の最後まで、見守ってくれることと信じています。その時にゆっくりと父子で会話をしたいものです。
1月5日(土) 「セレクション」
 和歌山県民球団「紀州レンジャーズ」の選手セレクションが開催されました。場所は和歌山市内の県営紀三井寺球場。エントリー選手は55名でしたが、棄権などがあり約50名の参加となりました。スタッフの集合は午前10時、セレクション進行の打ち合わせとグラウンドの準備を行いました。セレクションは正午から午後3時30分まで、その後面接があり終了は午後6時頃になりました。スタンドには応援のために来てくれた人も多く、野球は和歌山県の関心事であることをうかがい知ることが出来ました。

 今日の和歌山市は春のような暖かい気温で過ごしやすいものでした。選手たちは思い思いのウォーミングアップを行った後に集合、50m走とキャッチボール、守備練習と打撃練習などを行いました。選考は箕島高校出身、元西武ライオンズの木村竹志投手。元西武ライオンズの小田投手。元広島カープの井上選手。特別選考委員として現東北楽天イーグルズの松井二軍監督が参加してくれました。全員が元プロ野球選手で真剣に動きや技量を確認してくれました。

 平成21年春からの独立リーグ参画を目指して発足した「紀州レンジャーズ」は、プロ野球選手を目指すこと、野球振興を通じて和歌山県の活性化を目指すことを目的としています。最終的には約20名の選手を採用する予定ですから、今日のセレクションは第一回目の選考会の位置づけです。新春の日差しの中、紀三井寺球場で夢を追いかけて、溌剌と動く選手たちの姿を見ていると、「紀州レンジャーズ」は和歌山県できっと成功すると確信しました。そして好きな野球を思いっきり楽しんでいる選手の姿から、考えさせられることがありました。

 自分の可能性を信じて現実になるかもしれない目の前の夢を追いかけることが生きていることだと言うこと。もしかしたらこれが最後のチャンスだと思って、全てを賭けた挑戦をしていること。プロへの道は敵わないと知りながらも、自分で自分の野球人生を認める意味からも挑戦すること。これらの思いは生き方の全てに共通するものですから、その姿勢に学ぶ必要があります。

 挑戦している選手は人生の傍観者ではなく、この時、確かに主役を演じていました。私達も、社会においては主役になれないかも知れませんが、自分の人生においては主役になる時を創りたいものです。常に傍観者でいる人生は生きていることになりません。
 ところで傍観者とは、自分で感動を作り出さない人を私は思っています。感動は体験から派生するもので、他人が与えてくれるものではありません。映画やドラマからも感動させられますが、これは与えられた感動であり、自ら作り出したものではないので分ける必要があるのです。競書会で金賞を取る。ピアノの演奏会の舞台に立つ。イベントの実行委員として活動するなどの体験は、例え小さくても自ら作り出した感動体験ですから、自信となりいつまでも忘れることはありません。自らが人生の主役となる上質の感動体験を数多く持っている人が幸せな生き方をしていると思います。

 今日参加した選手は、今日の挑戦を忘れることがないと思います。それが自ら主役の感動体験そのものなのです。私もスタッフとして選手と同じような上質の時間を共有することが出来ました。
 それにしても和歌山県には野球が似合います。新春の球場は、主役達が帰ってきたことで輝いて見えました。今から一年後、この球場をフランチャイズとして和歌山県民球団が本当の活動を開始する日が一気に待ち遠しくなりました。

 さてセレクションの選考に立ち会いました。プロの視点は素人と違うものでした。重視する点はスピード、走力、守備力、肩などで、例え打撃力があったとしても実践では使えないものがあるようです。投手はスピードとコントロールです。コントロールがないと実践では使えないからです。他に大切な点は、怪我をしない、していない体であることです。

 そして実技試験を通過した選手の面接に入りました。面接官を担当させてもらいましたが、素晴らしい体験でした。全ての選手がプロ野球選手への夢を持ち、自分を信じていることが分かったからです。なれると信じて発せられる言葉は感動モノでした。
 「小さい頃からプロを目指してきたのでそれを追求したい」「一度野球を離れたけれども、もう一度夢を追いかけたくなった」「やっぱり野球が好きなので、若い内は挑戦したい」など、決して夢を諦めない姿には元気付けられました。仮に本日のセレクションに合格したとしても、仕事と野球の両立させることが求められる厳しい世界が待っています。それも将来の保証はない世界です。それでも定職を辞めてでも挑戦したいと、大部分の選手は答えてくれました。沖縄から関東からの選手も、合格したら今の仕事を辞めて和歌山県に移って来たいと夢を話してくれました。人の夢を聞くことがどれだけ自分にも影響を与えてくれるのか、身をもって体験しました。夢からは元気を貰えます。後ろ向きの意見からだと元気を奪われます。その差は天と地ほど違いますから、夢を追いかけている人と付き合うことの大切さを痛感しました。

 さて、小さい頃から野球をやっていても、高校や大学を卒業した時点で、続けるか辞めるかの選択に迫られます。社会人で続けられたとしても一般的には20歳代までです。25歳の選手は「同年代の人の大部分は野球を辞めてしまいました。25歳からでもやれば出来ることを証明したい」と話してくれましたが、わずか25歳で夢をつかめるか諦めるかの岐路に立たされているのです。好きな世界であっても厳しい世界なのです。短い期間に成果を挙げなければ生きていけない、そんな姿に接すると、人生の相当長い期間を使える仕事に就いていることの有難さも感じます。まだまだ加速のギアを上げられるのです。

 そしてもうひとつ大切なことに気付きました。独立リーグの北信越リーグ出身の選手が二名いたのですが、尊敬する野球選手はとの問いに対して意外な答えが返ってきたのです一人は「元福岡ソフトバンクホークスの宮地選手」。もうひとりは「元阪神タイガースの榊原選手」と答えたのです。宮地選手と榊原選手は、共に北信越リーグの指導者をしていたのですが、若い選手にとって、憧れのプロ野球選手が身近にいることで全てのお手本になっているのです。それは技術面だけではなく生活面や他人を思いやる気持ちなど、厳しい世界を戦い抜いてきた選手だからこそ得たものを、実践を通じて伝えているからです。

 身近なところにお手本となる人がいることや、見習いたい人がいることの大切さが分かります。生きる上での大切なものに気付くことで、後々充実した生き方をすることが出来るのです。独立リーグで地域振興につながることは勿論、周囲の方々の人間形成にも資することになりそうです。北信越リーグでは地域からの応援が凄かったそうです。富山県のチームの観客動員数はリーグで一番になる程に盛り上がったようです。地域への波及効果は予想以上かも知れません。
 面接を終え、選考のための打ち合わせの終了は午後8時過ぎとなりました。選考結果は来週1月7日の発表となります。バランスの良いチーム編成になったと思います。
 選手の皆さん、参加された皆さん、一日お疲れ様でした。共に夢を追い続け、地域から愛される活動を行える日を楽しみにしています。
1月4日(金) 「仕事始め」
 官公庁などでは本日が仕事始めです。ただ和歌山市内の道路は比較的空いていましたし、事務所も閉まっているところが大多数で、本格的な稼働は来週からのところが多いような気がします。その中で何人かの方とお会いすることが出来ました。

 ある卓球関係者は、平成21年6月11日から14日にかけて国際卓球大会を和歌山県に誘致することに成功したと話してくれました。時期的にはまだ先のことですが、一年後を目指して今日も事務所で準備作業を行っていました。何しろ、和歌山県でスポーツ競技の国際大会が開催されるのは、平成10年の国際卓球選手権大会以来10年ぶりのことですから、力の入れ具合が違います。和歌山市では全国大会の誘致を進め成果を挙げていますが、国際大会の誘致はより困難が伴います。しかしスポーツ競技の世界大会には世界のトップ選手が参加しますから、注目度や観客増員数、マスコミへの露出度は相当なものとなります。

 世界大会を和歌山県に誘致することが難しいのは、平成10年の国際卓球選手権大会以外、どの競技の世界大会が一度も開催されていないことがそれを証明しています。つまり戦後、和歌山県では卓球競技以外国際大会が開催されていないのです。それほど誘致は困難なのですが、再び卓球の国際大会が和歌山市のビッグホエール会場で開催されることが決定しているのです。
 平成10年の大会では世界28カ国から187名の監督、選手が参加し、会場は8,000人を超える観客で埋まったそうです。今回の誘致によって、和歌山県の活性化を図ると共に、世界トップレベルの選手に触れ、和歌山県の二順目国体に向けてスポーツを盛り上げたいとするものです。

 そこで卓球だけを言うのではなく、県スポーツ振興にも力を入れて欲しいと要望を受けました。具体的にはジュニアの育成、競技人口の拡大、そして競技施設の整備を挙げてくれました。今回の二順目国体では競技施設の整備は図られると思いますが、県内の競技施設は黒潮国体の頃に建設されたものが大半だそうです。老朽化していたり現在の競技基準では大会開催が厳しいものもあるようです。ある体育館で子どもに卓球を指導していると、イレギュラーバウンドすることもあると聞きました。それは卓球台が古くなっているため凹凸があるためです。技術向上のために、施設は無理としても備品の入れ替えはして欲しいと切に願っていました。

 このようにスポーツ環境について伺うと、スポーツをする環境は決して恵まれていないとのことでした。県内地方自治体の財政難があり、行政関係者が分かっていても改善出来ないジレンマもあります。しかし、県内の卓球関係者の皆さんが国際大会を誘致した熱意に応えて欲しいと思います。
 また本日、仕事始めの挨拶である企業のトップは、「一時期、成果主義と言われ個人の成果が重視された時代がありましたが、現在ではチームワークが重視されるようになっています。一人がチーム(部や課)全体のことを考え、チームはそのひとりを支える、それが会社の業績につながるのです」と訓示していました。

 その通りだと考えます。日本型経営が時代遅れのような烙印を押された時期があり、企業はアングロサクソン型の個人主義に走りましたが、決してそれが企業にとっても従業員にとっても全体の幸福につながらないことが分かり、今は揺り戻しが来ています。
 個人の能力が最大限に発揮でき、組織の中においてやりがいを感じるためには、個人をチームのメンバーが支えることが不可欠です。余程のことがない限り、チームであげる成果は個人の成果を上回るのです。

 このように時代によって価値観は変化します。しかも現代は比較的短期間で価値観は変化しています。ですから現役世代にとっては、やりがいがある楽しい時代なのです。
 少し前までは、社会は動かしがたい存在であると思っていましたが、実はそうではないと思っています。今は、社会を高いところから見る視点を持つことが出来るなら、社会は個人の行動によって動かすことが可能だと信じています。それどころか、社会を動かしているのは絶対的に個人なのです。自分が社会を動かしていないのであれば、どこかの誰かが今の社会を動かしているのです。そしてこれからの社会を動かすのも、今現在、地球上に存在しているどこかの誰かです。社会を動かせると信じて行動している誰かが、社会を動かすのだと思います。

 今の社会が固定されているものだと思っていると、何も変化させることは敵いません。実行すべきことは必ず出来ると信じることが、全てを可能にしてくれます。信じることで、それに必要な人やモノが集まってくるから不思議です。そんなことはないと思っているのであれば、自分がそれを出来ると信じていないからです。私達が知っている今が全てではなく、視点と行動を高い所に飛んで行かせたら、自分の下から社会は変化して行きます。
1月3日(木) 「新年の想い」
 お正月休みも本日で終了です。時間の経過は本当に早いもので、暫く動きを止めていた社会は明日から動き始めます。12月はこれから去る時期であり一年間を総括することが多いことから、偽りなどに代表されるように後ろ向きの話題が多かったように感じますが、1月は自分に向かってくる時期であり、「これから」を感じさせてくれる明るい抱負が増えています。新年にあたって、全てを再起動させることで人は過去には囚われないで今を生きようとするのです。

 良く出来たもので、一年の最初は1月から始まっています。これが0月から始まっていないところが素晴らしいのです。何事も0から1に移行させる過程が大変なのです。天は私達に、既に活動出来る体制の整った1月の状態を与えてくれているようです。
 皆さんからいただいた新年の抱負は希望に溢れるばかりです。年末では「来年こそ良い年になりますように」「平成19年は不祥事が多かったので、来年はそうならないように・・」など、後ろを振り返るような挨拶が多かったのと比較して、挨拶を聞くだけでも新年の素晴らしさを感じます。
 ただ気をつけておきたいことは、年が変わると全て1からスタートするものではなくて、今年、結果を出したいものは、昨年やそれ以前から継続させている必要があるのです。継続させている力を持っていることで新年のお願いを達成させてくれる、それ程継続の力は強いものです。平成20年に達成することは突然世の中に出てくるものではなくて、以前からの構想が具体化されたものや、準備と調整を行ってきたものばかりだと思います。勿論、新春に思って年内に実現出来るものもあるでしょうが、人々に幸せを運んでくれる施策の実現には、相当の準備と実行力が必要なものなのです。

 私は昨日、地元の神社である日前宮に参拝に行ってきました。健康で生命を大切に、そして向上心を持ち続け昇り続け、豊かで健康的な生活を過ごせましたと、平成20年に達成したことへの感謝の気持ちを伝えて来ました。新年に願いをかけたそれぞれの思いが実現しますように。
 今年実現させるべきこと、及び着手すべきことは次の通りです。
観光医療産業の拠点づくりを行います。
地球環境保全とエネルギー問題解決を同時達成できるしくみづくりに着手します。
癌に苦しむ人を助けるためのお手伝いをして成果を出します。
日本が世界経済の中心であることを認識し、その役割の一助を担います。そしてその結果を和歌山県に反映させます。
エフエム和歌山を発信させ和歌山市に欠かせない局にします。
クラブチームの紀州レンジャーズの独立リーグ参画を実現します。
 平成20年はこれらのことを実現させる活動を中心に行います。既に具体的な考えはありますから形にして行く作業に取り掛かります。全てにおいて良い方に向かっていることを実感しながら、一つひとつを確実にモノにして行きます。
 和歌山県のことだけれども、全国で通用するものを世の中に発信したいと考えています。
1月2日(水) 「大丈夫」
 新年二日目は実家に戻りました。自分では走り切った一年間だったと思っていますから、今日は癒されるひと時でした。自分ではストレスの溜まらない体質、性質だと思っているのですが、一年間の活動の棚卸をすると溜まっていたものが体から抜け去るような気がします。また一年が始まる最初に、心身をリラックスさせて再び立ち向かう気持ちにさせてくれます。毎年、このような気持ちになれる環境にあるのは本当に恵まれています。父親はいつか越えなければならないそびえ立つ山脈のような存在ですし、母親は優しく包みこんでくれる静かな月の光が溢れる夜空のような存在です。誰でも人は誕生した瞬間からふたつの愛情に包まれて生きているのです。それがいつまでも続いていることに感謝するばかりです。長くてもわずか100年ばかりの人生において、恵まれた環境の中でいられることは日常の中の素敵な出来事です。
 大人になった人間が子どもに戻れる時間は、無理をしなくても自然に心身機能の再起動をさせてくれるのです。1000年の歴史と文化に彩られた世界文化遺産の熊野の癒しも、この癒しには敵いません。

 ずっと以前、福井県に出張した時に地元の人から美味しいと評判の洋食店に行ったことがありました。確かに美味しかったのですが、お店には「北陸で二番目に美味しい店」という看板が掲げられていました。不思議に思って店主に「北陸で一番美味しい店ではないのですか」と聞いたところ、「勿論、美味しいと自信がありますが、どうしても敵わない味があります。それは家庭の味なのです。どの人にとっても家庭の味が一番ですから、せめてその次にくる味でありたいと思って料理しているのです。」との返答でした。家庭の愛情のこもった味が一番で、お金をいただいて料理を提供する店ではこの店が一番だと自信を持っていたのです。

 お金を出しても買うことが出来ないものが身近なところに存在しているのです。本当に欲しいものは遠い世界にあるのではなくて身近なところにあり、しかもお金では買えないものなのです。私達は世界のどこかを目指し、そしてそれをお金で手に入れる旅をしているようです。向上心は最も大切なことのひとつですが、その半面、翼を休めるための場所と時間が必要です。長い間飛び続けていると航路に迷うこともありますし、疲れた心には誘惑が忍び込んできます。その危険性を回避するためにも心から安らぐ場所と時間が必要なのです。そこから人はまた羽ばたくことが出来るのです。

 私達は無言の期待に応えるためにも、毎年必ず大きく成長した姿で戻ってくる必要があるのです。どれだけ大きくなっても、その場所はそれに合わせて大きく包みこんでくれるものです。しかし例え小さくなって戻ったとしても、傷を癒して再び旅立たせてくれるために背中を押して支えてくれます。

 深い森を歩き静かに深呼吸をしているように落ち着いた。青空の広がった高い山の頂の上に立って拳を突き出しているような気分で。運動会の徒競争を一番で走ってゴールを切ったような誇らしい気持ちに。その上、過去から未来への扉を開くような高揚した気分にしてくれるような感覚にしてくれます。これは明日に向かうための素晴らしい体感です。
 ほら、一年を駆け抜けるだけの強くて優しい力がみなぎってきました。今年も絶対に大丈夫です。
1月1日(火) 「元旦」
【抱負】
 新年明けましておめでとうございます。昨年同様、本年もどうかよろしくお願いいたします。2008年、平成20年を迎えました。平成の時代がもう20年になっていることに驚きます。元号が昭和から平成に変わった時は新時代の到来を予感させましたが、これからの新時代が、今までのどの時代よりも素晴らしいものになりますよう、心からお祈りしています。

 さて新年の抱負を思い巡らせました。いくつかの事例に出会う度に思うことは、何でも自分ひとりで全てを取り込もうとする人は、やがて失速すると言うことです。個人が栄華を誇ろうとしても叶うことはありません。成功は共有することで、更に状況を良くしてくれます。まず自分が自立することが絶対条件ですが、その後は他人の幸せを招くために尽くすことが大切です。大切というよりも、自然にそんな気持ちになると思います。

・高齢者の方々が健康で楽しく暮らせるお手伝いをすること。
・病気に苦しむ方々が元気になれるお手伝いをすること。
・全ての方々が健康で幸福な生活を過ごせること。 
・環境問題とエネルギー問題の解決を両立させるための取り組みをすること。
・わが国の経済活動が活発になるための取り組みを行うこと。

 などがあると思います。大きな課題ですが、最初のきっかけぐらいは作る気持ちを持って活動をしたいと考えています。生活は低く、しかし志は高く持ちたいと思います。
 そこで平成20年の目標は「昇る」としました。昇龍になって今よりも高く昇ること、龍が昇ると周囲も一緒になって昇って行くことが出来ます。私の運勢は雷龍だそうですから、雷のようなエネルギーを持って天高く「昇る」ことを目標に決めました。
「昇る」とは加速させることだと捉えています。活動を加速させる原動力は精神の力です。そして雷は触れることが出来ないことから、それは精神の力なのです。精神の力を充実させ、一点に向けてエネルギーを発揮し明日を切り拓きたいところです。昇ることは人間の本能ですから、昇って行くことに限界点はありません。理想の状態と考えて決めた到達地点がありますが、その到達点にしたところであくまでも通過点ですから、いつも「その先」を目指したいと思っています。やがて目指すべき「その先」が今の地点になり、そこからまた「その先」が見えてくるのです。

 振り返ると、2004年(平成16年)からの目標は「行動する」、「継続する」、「一段高く」、そして「挑戦」と続けてきました。自己評価ですが、定めた目標通りの行動と生き方が出来ていると思いますから、目標設定の力を感じます。
 並べて見ると自分なりに辿ってきた経緯が明確になります。順に並べると、「行動する」、「継続する」、「一段高く」、「挑戦」、「昇る」です。一段ずつ階段を昇っているようで歩みは遅く感じますが、自分では周囲の状況を確認出来ますからゆっくりで良いのです。
 2008年から次の時代に向かって昇り続けます。思いと行動がある限りそこに限界はありません。

【鐘を撞く】
 さて、和歌山市吹上に報恩寺という紀州徳川家以来の歴史に彩られたお寺があります。大晦日の昨日、「新年の三が日は境内にある鐘を撞くことが出来ますよ」とお誘いを受けたので、新年初日の今日、撞かさせていただきました。勿論、この鐘は文化財ですから普段は撞くことは出来ませんが、新年のお年玉のようなものです。

 清々しい新年の空気の中、気持ちを込めて撞くと、鐘の音は低く響き渡り、気持ちを天高く伝えてくれたような気持ちがしました。思いは伝播するものですから、必ず同じ気持ちの方々に伝わっていると確信しています。やがて、同じ思いが天を通じて同じ空気を伝わって私のところに戻ってくる、そんな気持ちになりました。和歌山市の報恩寺から地球に向けて思いを発信すること、今までの人生で初めての素晴らしい体験でした。
両親を初め関わりのある皆さんが健康で長生きすること。
勤勉を続けていれば成果は必ず表れるから、心配しないで今に集中すること。今できることをする以外に成果を上げる手段はないのです。
精神も身体もそして活動内容より豊かになること。豊かになることで周囲に波及させることが可能です。現実的には、自身が喘いでいて他人のことを考える余裕はないのです。
人の本質は偽りではなく、真善美であることは絶対の真実です。新年の清々しさを忘れなければ、人の本来の本質が前面に出て素晴らしい世の中に向かいます。家族のことを思うことが真善美であるなら、当然、社会や国家のことを思うのも真善美であるべきなのです。誰に対しても、どこに対しても真善美の気持ちで接するなら、私達は繁栄の方向に舵を切ります。それは難しいことではありません。人が本来も持っている本質が真善美だからです。
 そしての素晴らしい報恩寺を守ってくれているのが松本恵昌上人なのです。松本上人は、本来のお務め以外にも地域社会の課題解決にも尽くされていますし、困っている全ての方々の相談に乗っているのです。只でさえお忙しくて時間が取れない中、自分の生活時間とこま切れの時間を活用して応じています。そして上人の説法や助言で助かった人が数多くいます。
 和歌山市の苦しいところを支えてくれている。希望をつないでくれていることに感謝するばかりです。

 今日、報恩寺を訪れた際、声を掛けようか迷ったのですが、昨日までも大変お忙しかったことでしょうし、本日も新年のお務めがあり個人の時間も取れていないことを思うと、突然の訪問で、氏の貴重な時間を費やさせることは出来ないので、外から気持ちだけ伝えました。
 報恩寺の境内には紀州徳川家歴代藩主の奥方様の御墓があります。その徳川家回廊にも上り、現在の和歌山県の繁栄を見守り続けていることに感謝の意を述べてきました。先人が築いてくれたものの上に私たちがいます。今なお、和歌山県が繁栄した時代を指して、徳川御三家の紀州と言われることがあります。紀州の延長線に和歌山県がありますから、後を継いでいる私達が、今と明日を創って行くのです。

【お墓参り】
 先祖を敬う気持ちを大切に、本日はお墓参りに行きました。お墓では、「平成20年も、素晴らしい一年であったことを感謝します」と報告いたしました。心の中では、今年の目標と達成すべきことが明確になっているからです。これらが明らかな場合、結果が現れるのを待つだけですから心の中では実現したのと同じです。思いは時間の経過と共に実現した姿となって現われてくれます。
 私達はややもすると「出来そうだからやる、出来そうにないからやらない」と考えますが、それでは今以上になれません。行動の基準を「やろうと思っているからやる」と設定すべきなのです。「やろうと思うこと」には出来るかどうかの基準は入っていませんから困難が伴うかも知れません。でもやり遂げる意思があれば出来るのです。
 後継者が社会的正義に基づいて意思を持ってやろうとしていることに対しては、先祖が後押ししてくれます。

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