10月31日(水) 「コミュニティFM」
【コミュニティFM】
 コミュニティFMは全国各地で活動しているようです。和歌山市では全国で後発となりますが、現在開局に向けて準備が進められています。来年春の開局を目指しているのは「コミュニティFMわかやま」。地域密着型で、非常時には防災FMとしての役割を担いたいとしています。

 ところでコミュニティFMとは、従来のFM局とは違ったメディアなのです。音楽番組や情報は勿論ありますが、それよも大切なことは地域に密着した、地域限定の情報発信を行う役割を持っています。「一の市町村の一部の地域における需要にこたえるための放送」がコミュニティFMの定義とされています。宇部市にあるコミュニティFMきららによると、このメディアの役割は、まちを元気にすることと防災・災害時メディアの二つがあるそうです。

 番組作りはそれらの視点を盛り込むことは当然のこと、地域の人に応援してもらえるしくみやスポンサーとして協力してくれるしくみが必要です。ですからコミュニティFMのCMイメージとしては、フリーペーパーの広告のように身近な情報が満載のものが好ましいと言えます。近所の店舗の情報が放送で流れている、近くのスーパーの買い物情報が流れているような、地元色の強い局がコミュニティFMなのかも知れません。

 私達は、かなり速い速度で関心のある情報を世界中から入手出来る時代を生きています。
 そのため何でも知っているように思っていますが、大半の情報は提供されるままに任せているもので、自分が直接見たり、話したり、接したりして把握したものではないのです。やや曲がった言い方をするなら、情報提供者が選別した情報を受け取っているのです。情報が操作されていたとしても私達には真実は分からないですし、世界中の出来事を知っていても、自分の地域の出来事は知らない場合が多いのです。

 それは全国ネットや大手マスコミから配信されている情報は、全国の誰でも関心のあるニュースだけですから、地域にとって大切な情報であっても、それを取り上げてくれることは少ないのです。ですから地域に暮らす私達は、意外と身近なことを知らないのです。
 その情報の過疎化が地域の元気を奪っている要因だとしたら、それを埋めてくれる情報提供者が必要です。それが地域限定の情報を発信できるコミュニティFMなのです。従来、全国レベルの大きな情報は良質なもので、地域限定の小さな情報は価値がないと思われていたこともあります。しかし地域が主役となり、震災などの到来が言われている地域にとっては防災のための情報や災害発生時の情報は大切なものです。それらは小さなレベルの情報である程、価値があるのです。

 お互い地域のことを知らないことが、地域を愛する気持ちを喪失させています。地域の情報が少ないから、流行の発信地である都会に倣おうとしています。自分達の地域は東京や大阪と比較して駄目な地域だと思ってしまうのです。ですから地域の情報を発信することや、この地域で活躍している人に番組に登場してもらうことで、地域に元気を与えてくれそうです。
 地域が限定された小さなコミュニティFMが、地域づくりの一役を担うかも知れないのです。和歌山市に誕生が間近に迫っているコミュニティFMに注目です。

【まちづくり】
 中心市街地に関する話し合いを続けました。民間活力によって中心地を盛り上げようとする動きがある反面、冷静な対応のところもあります。中心市街地再生のシンボル的存在の商業施設のフォルテ・ワジマは平成19年11月29日に開店しますし、同ビルから南側にある十番丁ビルのオープンも平成20年2月23日に控えています。次々と動きがあることは歓迎すべきことであり、この機会が再生に向けた最後のチャンスです。民間だけではなく行政機関も含めて全体で盛り上げを図りたいところですが、どうか一体感が感じられません。そこが残念で寂しいところです。
 協力出来るところきは今協力すべきで、後になって申し出ても値打ちはありません。事業主体者と話し合いを深めましたが、11月から来年2月に掛けて中心市街地にとって大切な時期ですから全力を尽くしたいと考えています。
 幾つかの協議事項について現状把握と今後の進め方について検討して行くことで一致しました。
 
【懇談会】
 夜は私の所属するゴールドライオンズクラブ会長、御坊ライオンズクラブ会長、友人との四人での懇親会を持ちました。同じライオンズクラブでも活動する地域が異なると、中々会う機会がありません。同じ年に会長になったことも何かの縁だと考えて、今後の懇親を深めるためにも会合を行いました。
 同じクラブ会員だけにクラブ運営などの面で話は発展しました。また御坊ライオンズクラブ会長は、平成19年1月の御坊市議会選挙で初当選した平井御坊市議会議員と同級生であったとこも判明し、非常にご縁があることを改めて思いました。
 会員間の交流は自由で、自分のクラブ以外の例会に出席することも可能ですから、車では30分程度で行き来ができるクラブ間で交友を深めたいと考えています。

【その他】
 環境とエネルギー問題に関して、和歌山県内の地域活性化についての、雇用確保についてなどの打ち合わせを行いました。
10月30日(火) 「ピンクリボン活動」
【安全対策】
 和歌山市内で交通量が多い道路にある一本の電柱。現地を見ると、自転車道を遮るように建柱されています。自転車道を示す白線内に電柱が建てられているため自転車や歩行者が通れないのです。朝夕、通勤の自動車で混雑している時には、徒歩や自転車で通学している生徒の安全確保の観点からすると危険箇所だと思います。

 事故発生を危惧する地元自治会長からの依頼もあって、現場を視察し関係箇所と協議してきました。関係箇所とは道路管理責任者と電柱の所有者を指します。交差店内に建てられていること、光ケーブルが設置されていることなどから、簡単に動かすことが困難な電柱なのですが、通学路の安全確保のために全員が真剣に協議する姿勢がありました。少しでも反対意見があったり移設が困難だと言う人がいると問題は白紙になりますが、ここは前向きに進めていける見解も示されました。

 自動車で通っていると危険だと気付かない道路でも、歩くと危険だと感じることがあります。視点を変えたら見方は変わるものです。危険箇所を見つける場合は、歩行者の視点を持つことが必要です。子どもの通学路を歩いてみる、子どもの身長に合わせるように同じ視点に立つと、道路の状況や見え方は違います。道路の小さな窪みでも、子どもにとっては大きな窪みなのです。自転車道内に建っている電柱は、子どもにとっては大きな障害として立ちはだかっているのです。
 通学路の安全対策、今回のような危険かも知れない場所の安全対策は地域の要望に応じて前進させたいと考えています。

【ピンクリボン】
 乳がん患者の皆さんが中心となって活動しているピンクリボンin和歌山の取り組み。10月27日と28日の両日、和歌山市にある紀三井寺のお堂をピンク色にライトアップして活動を訴えました。

 本日はこの会の中本典子実行委員会会長を初め三名の方と懇談する機会を持ちました。三人とも平成18年10月に乳がん手術を行っていて、その時に知りあいになり、乳がんの怖さを訴えること、乳がん検診の必要性を訴える活動を開始しました。検診に関する悩みや手術後の不安、体験した人にしか分からない心配事など、体験者が組織を構成するとこで助け合うことが出来ますし、不安を抱えて悩んでいる人の駆け込み寺にもなります。

 皆さんからお話を伺うと、手術した後も不安は消えないそうです。そして自分の身体を守るために大切なことは、検診を受けることで早期発見が可能なので勇気を出すこと。自分の症状に合った病院を選択することがあります。そのための情報を把握することが大切なのです。
 先にも触れましたが、ピンクリボン運動は1980年代にアメリカで盛んになり、1990年代には日本で広がりました。和歌山では県立和歌山医科大学付属病院の乳がんの患者会「ひまわりの会」を中心に、平成18年から活動が開始されました。実行委員長の中本さんは、平成18年8月に乳がんが発見され、同年10月に手術し、現在も三ヶ月1回は通院しているなど、生命と身体を張ってこの活動を行っています。

 私達も少しでも協力したいと考えて気持ちばかりの支援を行いました。そして来年に向けて今年よりももっと、支援活動を拡大して行きたいと考えています。
 そして和歌山県立医科大学とNPO法人和歌山観光医療産業創造ネットワークが実施している観光医療ツアーの「乳がん患者さん向けツアー」の話題にも触れました。乳がんの患者さんは現実問題として温泉などで入浴することが難しく、このツアー開催は嬉しく思っていますと話してくれました。この特定疾病の向けのツアー、今回の乳がんの患者さん向けツアーでは、全行程専門医が同行しますし、地元病院の強力なバックアップがあります。そして星を見ながら川湯温泉に入りますし、タイ式ヨガ体験もあります。食の面では紀州和歌山の名物料理(茶粥など)の食事を用意するなど、心と身体の健康バランスに配慮した観光体験型ツアーなのです。
 和歌山県が全国で最初に取り組みを始めていますから、皆さんのお役に立てることを嬉しく思いました。
10月29日(月) 「写真展」
【働くこと】
 和歌山市市内で若い人が働く場所が不足しています。新卒ではなく30歳代で和歌山市に戻って来たい人や転職を図ろうとする30歳代の人にとって、和歌山市内での就職活動は非常に厳しいものがあります。30歳代の男性に対して企業は、特に即戦力を求めるので、直ぐに決まることは滅多にありません。企業は明日から戦力として働ける能力、明日から営業出来る能力を求めているのです。そのため高い営業力、財務などの専門的な知識が求められますから、一般事務を希望する男性を募集する企業はありません。一般事務職を希望する男性の就職はないと言っても過言ではない状態です。

 ですから本人が希望する職種を持っていることは条件で、面接に当たっては専門分野、技術レベルが試されます。「何でも良いから・・」では絶対に話はまとまりません。
 人は働くことで能力は向上しますし、その中から生き甲斐も見つけられます。最初から企業に注文をつけるような人が和歌山市内で働く場所を得ることは難しいのです。専門的な技術か知識を持っていない限り、和歌山県内で働く場所を見つけることは難しいことを感じています。そんなことを感じた、働く場所の提供者と働く場所を希望する人と一緒の話し合いでした。

【地域振興】
 和歌山県内の地域振興についての打ち合わせを連続して市内の二箇所で行いました。活性化を図って欲しいと願う人は本当に多くて、企業立地、働く場所の確保、人が行き交う街並みを期待しているのです。そのために実施すべき事項を話し合っていますが、その中から少しでも実現に向かうように活動を続けています。

【写真展】
 平成19年11月、県立和歌山医科大学キャンパス内で、藤原紀香さんの写真展を開催します。アフガニスタンとカンボジアの写真に加え、東ティモールで撮影した新しく制作する写真パネルも展示する予定で、本日は東京から和歌山県に来てくれたマネージャーと共に県立医科大学構内の下見を行いました。

 開催日程は、11月3日から4日の二日間が県立和歌山医科大学図書館棟3階。11月6日から18日までの間が県立和歌山医科大学付属病院内で主進展を開催します。ここにはアフガニスタンとカンボジアで撮影した写真パネルを展示します。
 11月17日と18日、和歌山ビッグ愛1階展示ホールにおいて、藤原紀香さんが国際連合の一員として撮影した東ティモールの写真パネルを展示します。また同17和歌山ビッグホエールにおいて、藤原紀香さんチャリティトークショーとして「世界の子どもたちへのメッセージ〜Smile Please!」を開催する予定です。藤原紀香さんには、本当にお忙しい合間を縫って私達の和歌山県に来てくれることになりました。

 県立医科大学や付属病院内、そして和歌山ビッグ愛などの会場に写真パネルを設置することになります。約30点の作品が廊下に並ぶことになりますから、この機会に和歌山県との交流が更に深まることを期待しています。

 今回で二度目となる写真展の開催主旨は次の通りです。
 女優藤原紀香さんは、自身が経験した阪神大震災のとき、日本中、世界中の人々が助けてくれたことにより、人の真の優しさや無償の気持ちで助け合うことの大切さを知ったと言います。さらに生きていることがかけがえのないことだとも…。

 9.11のテロが起こり、年明けてNYのあの場所へも行きました。もうこんなことは繰り返されてはならない。風化されてはならないんだ、と目に焼き付けたそうです。それと同時に、爆撃を受けているアフガニスタンは一体どうなっているのだろう、と考えはじめたそうです。この思いをきっかけに、干ばつや貧困、そして20年以上も続く戦争と軍事行動に苦しむアフガニスタンに自ら赴き、感じた平和の尊さと祈りを私達に伝えるため、作品による写真展を全国各地で開催しています。写真展では来場者に支援を呼びかけ、アフガニスタンの子供達の未来に、そして生きるうえで必要な教育、国の未来を支えるための教育を受けられる仕組みづくりを援助しています。

 アフガニスタンから始まったこの活動は、カンボジアへとつながり、そして今回の東ティモールへとつながりました。今回で2度目となる和歌山県での藤原紀香さんの写真展「Smile Please!」は、社会派の女優である藤原紀香さんが幅広い活動の中から見つけた、かけがえのない世界観、そして阪神・淡路大震災を体験した中から生じた平和への願いを、藤原さんのご両親の出身地で、紀香(紀ノ川の香り)さんの名前の由来でもある和歌山県から、再び発信しようというものです。

【政治活動委員会】
 支援していただいている組織において政治活動委員会が開催されました。今後の活動について話し合いを行いました。私達の活動を知ってもらうため、そして皆さんの意見を議会の場に取り入れるために、議会報告会など交流の機会を増やすことで意見が一致しました。活動範囲は和歌山県全体に広がりますが、各地域の皆さんとの交流を楽しみにしています。皆さんからの意見は一方的な報告会ではなく、近い距離で自由に話し合える機会が欲しいと言うものでした。田辺市や新宮市などの遠い地域での開催する場合は、宿泊してじっくりと懇談して欲しいとの依頼もありましたが、これは嬉しいことです。従いまして、毎月一度は、県内の支援組織を周って懇談の機会を設けることになりました。平成19年11月から会合を開始しますから、この後、日程調整に入ります。
10月28日(日) 「音楽CD検定」
【日赤の行事】
 和歌山城内の砂の丸広場において日赤の行事があり行ってきました。式典の他にも地元の協力団体などがバザー出展をして協力していきました。今日は和歌山市では和歌浦ベイマラソン・ウィズ・ジャズもあり行事が多いのですが、この会場も人で溢れていました。バザー出展には女性会の方が多かったのですが、女性が地域活動をしている地域は明るくて活気があります。

【音楽CD検定】
 音楽CD検定と言うものがあります。何でも和歌山市内の音楽関係者が日本全体の理事長だとかで、訪問して話を伺いました。

 音楽CD検定とは、音楽CDの総合分野を対象とする検定試験のことです。総合2級ではクラシック、ジャズ、ロック&ポップス、J-POPそして流行歌があり、各音楽ジャンルを体系的に網羅した公式テキストブックの中からから出題されます。この総合2級の合格者は、専門性の高い1級をジャンル別に受験することが出来るのです。そしてジャンル別1級の合格者は、ジャンル別マスターディプロマ認定講座を履修することで、ジャンル別マスターディプロマの認定を受けることができます。和歌山県内では紀ノ川市の女性がジャズの分野でディプロマの認定を受けています。既に二回、ジャズを聴きながらの講演を行っている他、和歌山リビング新聞社が主催するリビングカルチャー倶楽部でも平成19年12月から講師として活動することが決まっています。

 音楽を聴く道標となるような人材を見つけることが出来なかったので、この音楽CD検定によって発掘し、音楽を楽しむ機会を拡げよう、そしてジャズやクラシックの良さを伝えることを目的にしています。CDは一人で楽しむことが多いのですが、音楽専門店で大音量のスピーカーで聴くと、いつもと違った感じがします。店頭にあるスピーカーを使ってジャズを聴かせてもらったのですが、その迫力が違いました。またCDとレコードを聴き比べも体験させてもらいました。同じ曲をCDとレコードで聴いたのですが、感じ方が違うのです。レコードで聴く方が音域は広く、心地良いのです。理由を聞くと、CDはレコードよりも録音する際に音域を狭めているからだそうです。

 さて和歌山市でこのディプロマとして活躍する女性が登場したことで、音楽の楽しみが増えることを期待しています。既に地元ラジオ局では、音楽CD検定を楽しむための講座的要素を持った番組がスタートする予定ですし、コミュニティFMへの展開も期待されます。人材がいるだけでその分野における活動の可能性が拡がるのです。人材が地域に新しい可能性を吹き込んでくれるのです。逆に言うと、人材がいないと何も始まらないことを表します。
 兎に角、和歌山市内で音楽CD検定によるジャズ分野のディプロマが誕生し、これから活動の場が増えてきます。最新で最高の状態で録音されたCDを最高のスピーカーで聴くと、周囲の状況によってはライブを超えた音源を楽しむことも可能です。普段は余り馴染みのない分野の音楽を聴くことも楽しいことです。

【観光学部】
 あちらこちらから、中心市街地に和歌山大学観光学部のキャンパス設置を断念したことは残念だと言う意見を聞きます。街中に学生が来てくれると思っていたのに、どうして撤退することになったのか、中心市街地活性化基本計画を策定して市民に期待感を抱かせた和歌山市から説明をして欲しいとの声もあります。国の認定を受けてからわずか数ヶ月での計画変更、期待が大きかっただけに、「やっぱり」の声も聞こえています。
10月27日(土) 「観光学部」
 昨日、連絡を受けていたのですが、和歌山大学観光学部が中心地に開設することは事実上厳しくなりました。観光学部を設置する計画地点とされていたのは、中心市街地活性化基本計画にも掲載されているように、旧丸正ビルのフォルテワジマ、旧三井アーバンホテルビル、和歌山東急インホテルでしたが、旧三井アーバンホテルビルに入居した際の共益費が年間約3,000万円かかることからこの場所での開設を断念したようです。

 そのため、フォルテワジマの6階には観光学部サテライトキャンパスを設置し、和歌山東急インホテルにはインターンシップなどの体験のための教室を設置する計画に変更した模様です。結論として、中心市街地での観光学部の講義は断念したことになり、中心地に観光学部の学生が集まる光景、ぶらくり丁界隈に観光学部の学生が授業に行く途中に歩く姿や店舗に立ち寄る姿を見ることは出来なくなりました。和歌山市民の期待が大きかっただけに残念なことです。従って、観光学部は和歌山大学がある栄谷キャンパス内に開設することになり、また講義も栄谷で実施することに決定しました。

 ただ文部科学省に対して和歌山大学が、今年10月26日、和歌山市の中心市街地に観光学部の設置を残念することを伝えましたが、観光学部開設には影響はなかったのが救いで、平成19年11月中には許可が出る見通しです。
 和歌山大学小田学長は「中心市街地に進出したい気持ちは今もある。今後も場所の交渉は進め、徐々に出ていきたい」と話してくれ、適切な場所があれば継続して調査して行く気持ちを伝えてくれました。既に何人かの方が、観光学部の教室に提供すると支援を申し出てくれていますから、和歌山市の支援に期待したいところです。

 残念なことは、和歌山市の中心市街地活性化基本計画の象徴的な計画であったにも関わらず、支援体制が明確でなかったことなどから中心市街地への進出を断念する結果になったことです。計画承認からわずか数ヶ月で計画の一部、それも大きな一部が無くなったことについて責任を感じてもらいたいところです。どのような詰めを行ってこの基本計画を策定したのか、関係者との協議はきちんと行われていたのか、など疑問点があります。

 ぶらくり丁のある店舗を訪ねたこところ、観光学部が進出することについては盛り上がっていないと回答してくれました。地元への説明は誰の役割なのか分かりませんが、基本計画に盛り込んだ責任箇所が、地元への説明責任を果たすべきだったのです。店主はこの計画に関して何も知らされていないようでは、観光学部を中心市街地に来てもらえるように支援する側の熱意がなかったと言わざるを得ません。

 この基本計画策定には1年以上をかけていますし、関係者の同意の下で進められていた筈ですが、国の認定を受けた後も観光学部設置場所については、関係者間で意見の食い違いがありました。結局、両者が細部に至るまで納得して進められたものではなく、また思いに温度差があったようです。思いがひとつにならないことが、今回の中心市街地から観光学部のキャンパス開設を撤退した大きな要因だと考えています。和歌山市にとって期待の施策がひとつ消え去りました。

 参考までに本日の読売新聞の記事を以下に引用します。

 読売新聞(2777/10/27)「中心街設置を断念 和大観光学部金銭面折り合いつかず 活性化基本計画にも影響」
 和歌山大の小田章学長は26日、来年4月開設予定の観光学部を和歌山市中心街に設置する計画について、「(入居するビル側と)金銭面で折り合いが付かず、来春の進出を断念した」と発表した。近く文部科学省に計画の変更を伝える。同学部の進出は、8月に国から認定された市の中心市街地活性化基本計画にも盛り込まれており、波紋が広がりそうだ。
 記者会見で、小田学長は「財政面の問題を克服できなかった。年間3000万円以上もの新たな支出は難しい。しかし、私たちの地域活性化への理念は変わらず、将来的には全面的な進出を目指したい」と述べた。今後、市などと協議しながら、別の施設を使っての進出の可能性を探る方針。
 これに対して、市まちおこし部では「中心市街地での開設が遅れることは、にぎわい創出の数値目標にも影響する。来年度途中からでも出来るだけ早く来てもらえるよう、市の施設の提供も含め、協議していきたい」と話す。市中心市街地活性化協議会の事務局を置く和歌山商工会議所の街づくり支援室でも、「せっかく認定を受けた基本計画の大きな柱の一つが遅れ、今後どうなるのか、まちづくりにどう影響するのか、大変心配」と困惑している。
10月26日(金) 「カジノ・エンターテイメント」
【主な活動】
 防犯対策のための防犯灯設置についての協議。犯罪抑制のために取り付け地点を増加させることや、青色の球に変えることなどによって抑止効果を狙っています。費用軽減のため通常は電柱に取り付けするのですが、その間の道路でも暗い箇所があると、夜間歩くのに不安感があり危険が潜んでいると言えます。地域の意見を聞き取り改善しようとしている自治会があり、地域活動の参考になりました。

 和歌山市を活性化するための施策に関して、アイデアを持っている三人が集まり意見交換を行いました。今後どのように具体化させるのか、来週以降も引き続いて検討会を持ちたいと考えています。
 教育関係の話し合い。来春、高校に進学する予定の子どもへの奨学金制度についてです。和歌山県には次のような制度があります。
 高等学校等(高等学校・中等教育学校の後期課程・高等専門学校・盲・ろう・養護学校の高等部・専修学校の高等課程)に入学した人を対象に、奨学金を貸与する制度を実施しています。世帯全員の年間収入額などの条件がありますが、家庭の事情で進学を断念することのないように支援を行いたいと考えています。

 ぶらくり丁のTさんを訪問。昨日まで個展を開いていた場所です。昨日の約束どおり、遺品となった絵画を一点だけ預かってきました。絵画展が行われていた自宅の3階は、今後はギャラリーとして皆さんに活用してもらえるように開放する計画になっています。趣味の会や同好会に呼び掛けたいと抱負を話してくれました。

【カジノ・エンターテイメント】
 昨日、和歌山県カジノ・エンターテイメント研究会の会合が開かれました。この件に関して意見交換を行いました。地域振興のためにカジノを誘致することを検討する研究会で、第一回の勉強会に引き続いて協議を重ねていく予定だそうです。

 前提としてカジノ法案が国会に提案される時期は不確定ですが、観光や財政に寄与するなど地域振興に効果があり、治安や青少年への影響などの問題をクリア出来るのであれば、誘致を検討することを考えることになります。全国においては、カジノの検討や誘致のために民間が主導しているなど先行している地域もあり、和歌山県が誘致したいと名乗り出たとしても競争が激しいため誘致が成功するかどうか分かりませんが、議論も検討もしないのではなく、可能性があれば挑戦する姿勢は評価できるものです。仮にカジノ法案が立法化されたとしても国内で設置されるのは4箇所か5箇所程度とされていますから、和歌山県が何の動きもしないなら可能性は全くありません。待っていて「どうですか」と声が掛かることは絶対にないのです。
 カジノには地域振興、雇用の創出、新しい財源創出、観光客の誘致につながるなどの利点があります。
 和歌山県での経済効果については平成19年3月、社会経済研究所が試算しています。観光客は年間160万人、常時雇用は1,800人、収益面の効果として収益と税収で16億円となっています。解決すべき課題も多いのですが、検討することへの期待はあります。
 現時点で積極的な地方自治体は次のとおりです。

 東京都では「東京都観光産業振興プラン」を策定しカジノを観光資源にする計画があります。宮崎県では東国原知事が平成19年6月、カジノ誘致に関して「立法化を見据え手を挙げたい」と発言しています。長崎県ではハウステンボスがカジノ誘致を進めていて佐世保市長も協力する意向があるようです。

 関西圏では大阪府が「りんくうエンターテイメントゾーン構想」の中にカジノ構想がありますし、堺市では「国際楽市楽座特区」でカジノ合法化提案をしています。また滋賀県には「琵琶湖にカジノを浮かべる会」が、鳥羽市では平成14年6月に鳥羽市長がカジノ導入を表明しています。
 全国で誘致に前向きと思われるのは、秋田県、東京都、神奈川県、静岡県、長野県、石川県、愛知県、三重県、滋賀県、大阪府、和歌山県、徳島県、香川県、大分県、長崎県、宮崎県、沖縄県です。

【定期大会】
 夜は和歌山共同火力の定期大会にお招きいただきました。今年で5回目の出席となりましたが、毎年お招きいただいていることに感謝しています。
 挨拶の主旨は次の通りです。

 第36回の定期大会ご盛会、誠におめでとうございます。今年もお招きいただきましたこと、また日頃からの皆様方を初めご家族の皆さんに至るまで、活動へのご支援を頂戴していること重ねて御礼申し上げます。ありがとうございます。
 お蔭様で初めての県議会に送り出してもらってから、二度の議会を経験したところです。この間、皆さんも強く感じておられる事柄でもあります企業の誘致や地域活性化のテーマに取り組みをさせてもらっています。

 最近の動きを紹介しますと、県内、特に紀北筋への企業誘致を図るために来週には、和歌山県、和歌山市、岩出市、紀ノ川市、橋本市などの長や民間事業者が参加する検討会が発足します。和歌山県に企業が進出した場合、税制優遇や緑地帯の設置緩和などが認められる優遇施策を適用するための計画を策定し、国に申請することを協議する予定です。早ければ年内にも計画を国に申請することになっています。
 また昨日、カジノ・エンターテイメント研究会が発足しました。ここには各市町からの参加もあり、和歌山県にカジノ誘致が可能かどうか、適切かどうかの検討を重ねていくことになっています。
 都道府県が主導するカジノ誘致の勉強会は全国でも初めてのことですから、カジノが地域活性化に役立つかどうか、今後に注目をしていただけたらと思います。これらの情報に関しては11月の研修会でもお話させていただきますので、よろしくお願いいたします。
 本日のご盛会、おめでとうございます。
10月25日(木) 「電力総連大会」
【主な活動】
 終日、慌しい日程となり時間が窮屈な一日でした。市内の交通事情に関するもの。公立教育施策に関すること。11月に行事に関しては、文化の日に開催されるある施設の文化祭、音楽会、そしてシャンソンイベント、写真展、日赤のイベント、福祉施設への植樹に関して、和歌山市内の池をきれいにする活動への理解、ピンクリボン運動への支援について、など、来月の行事日程でスケジュールがかなり埋まりました。季節感溢れる行事の数々から行楽の秋を感じます。時間が駆け足で過ぎて行く感じでした。

【観光学部】
 和歌山市内の経営者と、和歌山大学観光学部に関する協議を行いました。和歌山大学に開設が予定されている観光学部の中心市街地への進出が難しくなってきました。当初は和島興産のビル、旧三井アーバンホテルビル、和歌山東急インホテルの2階が教室や事務局として予定されていましたが、所有者と大学側で共益費の金額が折り合わなかったことから、旧三井アーバンホテルビルへの進出話は消えました。中心市街地活性化基本計画に記載されている観光学部の候補地である残りの二箇所に関してはどうなるのか不明ですが、教室を予定していたこのビルへの進出を断念したことから、中心市街地への進出計画は根底から見直しされるのではないかと思います。

 この状況はまちの活性化の視点からすると残念ですが、今後の展開に期待したいと思っています。計画通りになるか否かは、行政機関と関係する事業者がどれだけ協力体制を取れるかにかかっているようです。観光学部開設が平成20年4月の予定ですから、場所を決定する最終段階に差し掛かっています。

【絵画展】
 今年春にお亡くなりになったTさん。ぶらくり丁に居住していましたが、約20年前から、ぶらくり丁の衰退を感じたことなどから、何とか活性化の一助を担いたいと絵画に挑戦し、ぶらくり丁内にあるTさんの事務所で個展などを開いていました。絵画に取り組み始めたのが50歳の時、70歳を過ぎるまで制作活動を続けたので、多くの作品が残されました。Tさんの子ども達は母親の作品をお世話になった方々に鑑賞してもらおうと、Tさんの個展を開き、関係する皆さんを招待したのです。私も招待を受け個展会場を訪問いたしました。

 驚いたことは作品数が膨大であることです。趣味で描いていたのかな、と思っていたのですが、作品の質と数は趣味の領域を通り過ぎているものでした。50歳を過ぎて創作活動を行ったとは思えないような作品の数々で、Tさんの子どもさんは「ご迷惑でなければ、是非、一点貰ってください」と勧めてくれたのです。作品の中には家に入らないような相当大きなものもあり、選ぶのに迷いましたが、事務所に合うように明るい花の作品を選ばせていただきました。個展は今日の午後6時まででしたから、後から訪れるお客さんのために展示しておく必要があったので、明日再度訪問させていただくことにしました。

 ご遺族にとっては貴重なものですが、「家族にとって思い出のある数点を残して、後は生前お世話になった方に貰ってもらえることを母も望んでいると思います」として、会場を訪れた方々に貰ってもらうよう話してくれました。
 素敵な思い出の多い個展に招待していただいたことに感謝しています。

【電力総連大会】
 和歌山県電力総連の定時大会が開催されたので出席いたしました。電力総連とは、電気事業に関係する組織で構成されているもので、本日の大会では、平成18年度の活動の確認と平成19年度の活動方針が樹立されました。私も挨拶をさせていただきその主旨については次の通りです。

 第16回和歌山県電力総連定時大会のご盛会、誠におめでとうございます。また統一地方選においては多大なご支援をいただきましたこと、重ねて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 さて国策とも言える大切なエネルギー問題ですが、昨今の石油価格の上昇、中国やインドなどの国々の経済成長などから、エネルギーの確保はわが国にとっては最重要課題となっています。経済も私達の生活も全ての基礎はエネルギーにありますから、エネルギーの安定供給と将来に亘って確保することは何より大切なことです。しかし地方議会においては、エネルギー問題は議論の対象にならないので話し合う機会がなく残念に思っています。

 しかしエネルギー産業は言うまでもなく基幹産業であり、ここで働く私達は国の経済の一端を支えている誇りをもっても良いと思います。
 さて昨日、和歌山県に風力発電の設置に反対する意見が、県民の皆さんの中から上げられました。世界文化遺産のある地域などに風力発電設備が建てられると、景観が台無しになるなどの理由からです。このように、景観とエネルギーの問題を天秤に掛けることは難しい問題ですが、新エネルギーへの理解も難しい状況から、原子力を初めとする発電所に対しての理解はもっと得られにくい状況であると、まず認識したいと考えています。大切なエネルギー問題ですから、これらの動きからすると、国だけの議論にするのではなく、地方においても理解してもらえるような取り組みの必要性を感じています。エネルギー問題は安全や外交と並ぶ重要なものですから、国に任せで済む問題ではないからです。
 文化的な生活を過ごせるのも、現代の日本にはエネルギーが豊富にあることを認識したいと思います。

 そして産業用にも供給しているような社会を支えている発電方法と新エネルギーを同じ扱いで論じることは出来ないのです。基幹となるエネルギーと補完エネルギーでは、その性質は全く別物だからです。既存の発電方式は駄目だから、新エネルギーで代替とはならないのです。ですから地方においても、エネルギー産業で働くものの意見を発信することは大切なことなのです。皆さんからの意見をいただき活動に反映させたいと考えています。今後ともしっかりと活動を続けますので、引き続いてのご指導をよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

【通夜式】
 夜は通夜式に参列いたしました。いつものように故人の姿に接すると、耐え難いものがあります。先ほどまで生きていた人が、この世からいなくなることの悲しみ。逃れられないものだとしても、やはり辛いものです。
10月24日(水) 「政治活動委員会」
【池の浄化】
 和歌山市内で濁っている公園内の池があります。子ども達や高齢者の方達が訪れる公園ですが、難点はこの池の汚濁でした。そこで数名のグループで行この池をきれいにしようと計画を立て、今から10日前に実行しました。そして今日、池の確認に行くと水に透明感があり、池の底の石や底を歩いている亀などが見えるようになっていました。池で泳いでいる鯉の集団も確認出来る程なのです。10日前の池の状態も写真にとっているのですが、底どころか何も見えない状態でしたが、わずか10日で水質が改善されています。当初の計画では、池の水量が多いのできれいになる迄に約一ヶ月要すると思っていたのですが、予定よりも早く水質が改善されています。私達もこの効果に驚いていますが、もう少し効果を見てから発表したいと考えています。

【その他】
 毎週市内で行っている仏像彫刻の活動について、地震発生した時のガスコンロの消火対策について、ボーイスカウトの活動について、地域貢献活動としての植樹活動などに関しての打ち合わせと意見交換を行いました。

【ピンクリボン】
 ピンクリボン運動の活動が平成18年から和歌山市でも始まりました。既にご存知の方も多いと思いますが、ピンクリボン運動とは乳がん撲滅啓発キャンペーンのことで、この活動のシンボルマークがピンクのリボンとなっています。世界各国、そして日本でピンクリボン運動が展開されていますが、今まで和歌山市にはありませんでした。
 しかし平成18年に、和歌山市に「ピンクリボン運動 in 和歌山」の活動団体が誕生し、会は、乳がん体験者の皆さん達が中心となって結成されています。今年の中心的な活動として和歌山市にある紀三井寺をピンク色にライトアップすることになっています。
 代表の方からの依頼があり、イベントまでに時間的余裕はありませんが可能な限り支援することを周囲の方に呼び掛けることにしました。本日、ある会合の場で賛同してくれる方を募ったところ支援してくれる方も多くありました。来年に向けた支援活動については、これから協議していくことにしています。

【政治活動委員会】
 関西の各府県から集まった地方議会議員や支援者の皆さんが集まって政治活動委員会が開催されました。統一地方選のあった平成18年度の活動を総括すると共に、平成19年度の活動方針を議論いたしました。支援組織と議員の連携を深めるために議会報告や懇談会の場を今まで以上に設けて、議会活動を身近なものに感じてもらえるような活動を展開していくことを確認しました。

 また研修会として、わが国の経済問題の一環として「電気事業制度改革の動向について」を学びました。電力の自由化の議論はなされていますが、現時点の課題について認識することが出来ました。

 1バーレル80ドルを超える原油価格の高騰、中国とインドのエネルギー需要が増大していることから、資源の少ないわが国にとって化石燃料価格の変動に強いエネルギー供給体質に変えていく必要があります。つまり石油火力発電の比率を1割程度に低下させることも視野に、水力、石炭、原子力、そして新エネルギーを組み合わせたベストミックスを柱にするエネルギー施策を講じる必要があると考えています。

 エネルギー問題は国策とも言えるもので、エネルギー不足は経済力や日常生活の質の低下、そして国家の混乱にまで波及するものですからエネルギーの確保は最重要課題のひとつです。事実、ロシアが強気なのはエネルギーを保有しているからで、現代はエネルギーを支配する国が経済の主導権を握る状態にあります。脱石油を目指してアメリカそして中国では原子力を30基、新規に着手する計画があります。

 わが国では、そこに新エネルギーを組み込んだ施策となるようです。新エネルギーの導入は不可欠ですが、今の段階では補完エネルギーの位置付けですから、安定供給の基盤には為り得ないのです。既存の太陽光や風力ではなくて、産業用にも対応出来る新エネルギーが登場することで勢力図が変わる可能性もありますが、小出力のエネルギーでは、現在の日本のエネルギー需要を支えることは不可能です。

 そこに京都議定書の発効が控えています。環境保全とエネルギー問題、相反する課題を両立させる難題が待ち構えています。今まで以上に、電気事業者とユーザーが共に二酸化炭素の排出削減を目指した取り組みが求められます。
 解決のための鍵は、脱石油、原子力と新エネルギー、そして排出権取引と環境税です。大きな視点での問題意識を持って取り組みたいところです。
10月23日(火) 「都市再生」
【都市再生】
 都市再生に関する打ち合わせを実施。中心市街地再生のための計画が進められようとしています。この中で和歌山大学観光学部の取り扱いが注目されています。中心市街地活性化基本計画では、観光学部の設置場所を旧三井アーバンホテルと和歌山東急インとして組み込んでいますが、実際の契約交渉は難航しているようです。旧三井アーバンホテルを学部として活用するに当たっては大学側の共益費の負担金額で折り合わないので進出を見合わせることも取り沙汰されています。本日は和歌山大学から文部科学省に状況の説明に行きましたが、今後の話し合い如何によっては和歌山大学がある和歌山市栄谷内に教室を設けることも考えられます。

 中心市街地再生の大きな役割を担う観光学部の開設ですが、設置場所によってまちづくりは大きく変わってしまいます。中心市街地に観光学部が設置されるのであれば、大学生が街中を行き交う街並みになり、ぶらくり丁なども賑わうことになります。ところが栄谷キャンバスに設置されると、中心市街地に向かう学生は現在と変わらなくなります。
 昨年から中心市街地活性化基本計画を策定し始めていますから、観光学部の開学と開設場所を想定しておいたなら、補助施策も含めて街中に観光学部を開設することは容易だった筈です。それは、和歌山大学が観光学部を通じて中心市街地再生の役割を担いたいとする意思表示があったからです。

 この機会を逃せば恐らく中心市街地に和歌山大学の学部が開設されることはありませんから、ここは関係者の思いを一致させ、後々において悔いのない判断をして欲しいと願うばかりです。勿論、観光学科の学生の意見や学生生活を考えるなら、他学部と一緒の栄谷に学部を開設した方が良いとも考えられますが、全体を鳥瞰して最終決定をして欲しいものです。

【障害者施策】
 障害4級の方と一緒に市役所に行ってきました。障害者手帳の交付を受けたので、市の障害者のための施策の適用を受けられることになりましたが、障害4級では医師から動くことが可能と判断されているため、生活費を含めた支援費の適用は難しいところです。ただクローン病と言う厚生労働省が難病に認定している病気ですから、実質働くことは出来ないので、支援費を受けられないと生活に困窮することになります。ただ今のところ、両親と生活をしているため衣食は足りていますが、将来のことを考えると会社勤めは勿論のこと、仕事をすること自体が困難なため経済的自立は厳しいのです。

 本人と話をすると、働きたくても働けない辛さを感じ取ることが出来ます。それに対しての支援制度は脆弱です。残念ながら、障害者にとって将来を見通せない社会になっていますから、少しでも改善させたいと思っています。また障害者年金についての適用の相談を行いましたが、初診日の日付によって取り扱いが変わってくるため即判断は出来ませんでした。ただ発病から17年が経過しているため、病院の記録は残っていても過去の記憶は消え去りつつあります。今まで障害手帳を受けられる身体であったのに、制度のことを知らなかったため放置されていたことは誠に残念です。
 今後、障害を抱えている方が不利益を被らないためにもフォローしていきたいと考えています。外出するだけでも大変ですが頑張りましょう。

【防災対策】
 和歌山市に居住していると地震対策は関心事です。ただ一般的にはどのような備えをしたら良いのか分からないのが現状です。行政に伺うと、水や食料の確保、避難経路と避難場所の確認などの助言をもらえますが、全て災害発生後に役立つ知識なのです。防災、つまり事前に備える対策についての助言は乏しいのです。

 最近、ある行政関係者から、防災対策でお金を儲けようとするのは良くないとの発言がありましたが、民間が行っている防災対策を否定するのであれば行政機関が責任を持って防災に関する助言を行って欲しいところです。
 大きな意味での国家の役割が防衛と安全確保、そして国民と国益を守るための外交であるならば、地方自治体の役割は住民の生命と安全を守ることにあります。住民の生命を守ることが地方自治体に課せられたものです。そのため地震の発生が言われている和歌山県ですから、行政機関が住民に対して実効性のある防災対策を実行してくれるなら、民間からの助言は必要ないのです。ところがそうなっていないため、民間団体が先進地の取り組みを紹介してくれる場合があるのです。
 民間が防災対策を行う必要がないとは誰も思っていません。むしろ各地での防災対策や避難対策をお手伝いしてきた民間の経験と活動に期待しているところです。

【協議事項】
 ある程度の規模の仕事を進めるに当たっては、チームを編成することが必要で、チーム間にはお互いの信頼関係が前提です。ところが少し進める度に何かと注文をつける人がいる場合があるのです。そして思うように行かないと、直ぐに「弁護士と相談して裁判する」などと言う人がいます。これはクレーマーの代表的な言葉と態度です。チーム内でこのような発言があると、信頼関係は一気に崩れ、その後、一緒に活動することは難しくなります。大人の集まりで進めている仕事の過程において、少し気に入らないことがあればこのような発言をすることは疑問です。クレーマーから学ぶことがありますが、クレーマーと仕事をすることは出来ないのです。

【打ち合わせ】
 夜には経済問題や和歌山県経済について、そして和歌山市の財政問題に関する打ち合わせを実施。家庭ごみの有料化や福祉分野の予算までカットする方針があることで、市の財政の将来の姿は思っている以上に逼迫していることが伺えます。対応策について話し合いましたが、出された意見は、しがらみを断ち切るための体制一新、時代に対応するための若返り、そして行政を経営する感覚を持っているであろう民間出身者の起用などが挙げられました。
10月22日(月) 「慰問活動」
【慰問活動】
 ゴールドライオンズクラブの慰問活動が実施されました。訪問先は、海南市下津町の高齢者福祉施設の「橘寮」と和歌山市にある「憩いの家加納」の二つの施設です。どちらも吉本興業の協力を得てお笑いのステージと和歌山市内の団体の協力により美扇流の舞踊を疲労していただきました。ゴールドライオンズクラブ会員全員参加による慰問活動で、入居者とのふれあいを楽しみました。

 ライオンズクラブは言うまでもなく社会奉仕団体ですから、私達のクラブでも年間行事として清掃活動や献血活動、慰問活動などを行っているところです。来年度には結成5周年を迎えますから、和歌山市内に広くアピールするための式典も計画しています。

【青色防犯灯】
 奈良県警では犯罪を防止するための対策として、防犯灯の電球の色を青色に変更しています。青色防犯灯を採用している理由は奈良県警のホームページによると次のような理由からです。

 「青色には、人の副交感神経に作用して落ち着かせるという鎮静効果と、心理的に人を冷静にさせる効果があります。また、青色防犯灯は見通しが良く、遠目が効くとともに、犯罪者が犯罪をあきらめる等の防犯効果が期待されます。
 現在検証中ですが、青色防犯灯設置場所の中で、意識、行動、環境改善も併せて複合的な防犯対策がとられている場所では犯罪が減少傾向にありますが、一方、そのような対策がとられていない場所については従前と同様の発生状況も見られます。
 地元の方々から、「落ち着く」「美しい」との声が上がっています。」と評価しています。

 また犯罪減少についてですが、「設置箇所における刑法犯の発生について設置前後の1年間の対比で検証したところ、終日で32パーセント、夜間で21パーセント減少し、抑止効果が現れているようです。そのため、設置箇所における犯罪発生状況、自主防犯活動との関わり、防犯環境の整備、効果の検証を引き続いて実施しるようです。」

 和歌山市内のある自治会では、奈良県警の例に倣って、自治会内に設置している防犯灯の電球を平成19年10月21日、つまり昨日、自治会長を初めとする役員さんで青色に取り替えました。電球は白色と比較して約200円高くなるのですが、安全を考えそして防犯対策につながるのであれば、安いものだと自治会では評価しています。皆さんから預かっている自治会費ですから、防犯対策、治安維持のために使用することは大切なことです。数ヶ月系かした後に、この取り組みについての評価を同自治会聞きたいと考えています。本日は当該自治会長と意見交換を図ることが出来たので、効果があるものなら防犯対策として地域を拡大することも考える必要性を感じました。

 この自治会長は奈良県の結果の検証結果は分からないとしても、犯罪が起きてからでは遅いので、未然防止を行うのが自治会の役割だと考えて取り組みを行っています。自治会費を頂戴している限りは自治会の治安維持を図ることが責任だとも話してくれましたし、毎月一回班長と三役が集まって地域の問題の話し合いと解決方針の策定のための会合を行っています。それも昨日今日取り組みを開始したものではなく、10年間、欠かすことなく実施しているのです。新しい班長の中には過去の経緯を知らないため、「議題がない月まで会合を開催しなくても良いのではないですか」との意見も時にはあるようです。

 そんな時、自治会長は「自治会活動が熱心な地域であることを知ってもらえるだけでも犯罪の抑止効果がありますし、自治会としての意識は高まりますから効果があるのです。自治会として10年間積み上げて来た取り組みは間違っていないと思います。もし自治会員が犯罪に巻き込まれて生命に危険が生じた場合には取り返しが付かなくなります。会を預かっている役員の責任は重いのです」と回答しています。凄い責任感と心意気です。これが地域の安全を守っている秘訣なのです。責任感と熱意のあるところはハード面もソフト面でも明るいので犯罪は起こりません。犯罪は何となく暗いところに発生するものです。心は外に現れるものです。

【懇親会】
 夜は懇親会を行いました。ここでは和歌山県内だけの活動ではなく、地域を活性化させるためには、全国レベルの活動を行うことの必要性を共有しました。市場の奪い合いからは何も生まれませんから、パイを拡げることに傾注することがやるべきことです。部門は違っても情報の共有を図り、地域全体の利益を享受出来るような行動を確認しあいました。
10月21日(日) 「音楽会」
【音楽会】
 午前中は貴志川町で小学生の音楽会があり参加してきました。エレクトーンのアンサンブルで、小学校の子ども達がチームを組んで練習した成果を発表してくれました。可愛くそして上手に演奏を行い、聴き入った程です。今年の一番人気の曲は映画「パイレーツ・オブ・カリビアン」の「彼こそが海賊」で三組のチームが演奏してくれました。練習は夏前から行っていますから三〜四ヶ月の期間で新曲を仕上げたことになります。大人でも弾けないような曲を短期間で習得してしまう子ども達に拍手です。

 他にも懐かしい「ルパン三世のテーマ」や「ロッキーのテーマ」「ハリーとポッターのテーマ」など、素晴らしい演奏を奏でてくれました。子ども達の音楽から今日からまた頑張るための元気を与えてもらえました。
 演奏会に参加した子ども達、ありがとうございました。

【告別式】
 今日の活動報告で最後となりますが、もう一日山本博司さんの話にお付き合いをお願いします。永久のお別れとなる告別式では最後まで大勢の方がお見送りするなど、その人柄が偲ばれる告別式になりました。私にとっても懐かしい元同僚とも会えましたし、改めて人との付き合いの大切さを学ばせてもらいました。

 何人かの方と山本さんの思い出話がありました。熊野古道を宿泊しながら歩いたことや、新宮市の火祭りとして有名なお灯祭りに一緒に参加したこと。紀州踊りで一緒になって踊ったこと。イベントで一緒したことなど、人の数だけ思い出もありました。

 昨日、お参りしたある方は通夜式中泣き通しだったため、本日出席するとまた泣き出して皆さんに迷惑をおかけするからと言っていました。「何故、博司さんのために喪服を着なくちゃいけないの。信じられない。」と涙で話してくれました。大勢の人に愛されたキャラクターの持ち主だったのです。病気と闘い終えた遺体の表情と微笑む生前の写真を比較すると、本当に本人なのか信じられない気持ちになりました。
 いつまでも縁あって関係した私達を見守って下さい。後のことは任せていただき安心してお休み下さい。心に素晴らしい思い出を残してこれでお別れです。ありがとうございました。

【仏像彫刻】
 和歌山近鉄カルチャーセンターで開催中の仏像彫刻展にお招きを受け行ってきました。毎年、仏像彫刻の同好会が一年間の作品を披露する機会として開催しているもので、多数の展示があります。今年は色彩豊かな作品もあり、毎年趣向を凝らしているようです。写真や絵画のクラブは和歌山市内にも幾つかありますが、仏像彫刻のクラブはひとつだけです。経験を積まないと仏像は彫れませんから、会員の皆さんは年季が入っています。

 「この日、この時、この場所が人生だ」との彫刻もありました。正にその通りです。この日、この時、この場所以外に自分の人生はあり得ないのです。そうすると、文句を言っている時間はありません。自分の置かれた環境の中で人は生きているのですから、「もし○○だったら」はあり得ないのです。
 今を生きる以外に選択肢はありませんから、今に全力を尽くしたいものです。

【産品打ち合わせ】
 和歌山県の名産品を県外に向けて発信するための取り組みも行ったところ、何箇所から引き合いが来ています。継続したものにするためには品質の確保が絶対です。県外のお客さんに認めてもらうためには、最初の品質を保ち続ける必要がありますから、長期的な取引が可能となるようにそのための準備のお手伝いもしています。
 自信を持って和歌山県発と言いたいものです。
10月20日(土) 「防災研修会」
【防災研修会】
 防災活動に熱心な片男波自治会主催の防災研修会があり参加してきました。研修会のテーマは「間違っているぞ、地震対策―防災対策の目的は命を守ること―」で、講師に遠く静岡県から、全日本地震防災推進協議会本部の岩瀧幸則さんをお迎えしました。岩瀧さんは地震対策の先進地である静岡県を拠点に防災活動を行っています。今回、和歌山市に来てくれたのは、片男波自治会の玉置会長が大阪市内で開催された防災の展覧会で岩瀧さんと会ったことがきっかけです。自治会の熱心な呼び掛けに応じて来てくれたのです。

 防災とは、災害を未然に防ぎ人命を守ることを言います。現在、地方自治体で実施されている防災対策は、全て災害が発生してからの非難方法や非難に備えることばかりで、これは防災対策と言わず災害対策と言うべきものですから、本当に防災対策に取り組んでいる地方自治体は少ないのです。重要なことなので繰り返しますが、防災とは災害を未然に防ぐことですから、災害対策とは全く違うものであることを認識する必要があります。

 中でも重要なことは生命を守ることですが、これは事前対策でしか成しえないものです。災害が発生した後で生命を守ることは出来ません。震度6以上の地震に襲われた場合、慌てるばかりで逃げることも動くことも、何もすることが出来ませんから生命を守ることは偶然が支配するものになります。人はその身を自然界に置かれると、自然に対策を講じておかないと生命を自分で守ることは困難な状況になります。準備もしないでジャングルに入る、準備もしないでアマゾン川に浸る、準備もしないでアルプスに登る、全て自然界を相手にする場合、生命を守りたい人は準備をしないで挑戦することはしない筈です。

 ところが地震対策としての防災対策を施している人は少ないのです。それは生活環境が自然界のものではなく、人が生活出来るため自然界とは隔離された社会環境の中にあるため、自然の脅威を感じられないからです。ところが地震は自然界のものですから、人間が形成している社会においても容赦なく襲ってきます。その震度6以上の地震が襲ってきた瞬間、一瞬にして人間社会は自然界へと姿を変えてしまいます。自然界に投げ出された人は、準備をしていないと全く無力ですから、忽ち生命の危機となります。

 地震対策ではそれらの前提条件を認識していないため誤っていることがあります。防災訓練ではなく災害発生時の逃げ方の訓練ですから、それは災害訓練であること。備蓄用品を確保しておくことは防災対策ではなく、避難所生活に備えるものであること。水や備蓄食料品は決して身体を守ってくれるものではないこと。そして地震発生後の取り組みは災害対策に過ぎないのです。

 実は私達は、真の防災対策を殆んど行っていないのです。防災対策とは家庭や職場、学校や病院などの公共施設の室内対策を講じることにあります。建物が無事でも室内にあるテレビやピアノが転落したり動いたりすると、それだけで住人の生命の危機になります。建物が残って住む人がいなくなる場合も想像出来ます。大地震の場合、室内にある用品が凶器になるのです。ピアノが飛び上がって壁を突き破った。テレビが飛んできた。窓ガラスが割れて身体に突き刺さった。冷蔵庫や食器棚が倒れて下敷きになった。蛍光灯が破裂して破片が突き刺さった、など被災地の事例があるように、屋内の配置物が人に襲い掛かってくるのです。

 つまり地震は防ぐことは出来ませんが、地震から生命を守るための手段を講じることは出来るのです。たんすやテレビは固定出来ますし、食器棚や本棚は固定して飛び出しを防止することが出来ます。窓ガラスには飛散防止シートを貼ればガラスの割れや散乱を防ぐことが可能です。物が壊れたら買い換えることが出来まずか、身体の変わりはありません。しかしそれは事前対策を防ぐことが可能なのです。

 企業であれば、従業員やお客さんのために、学校であれば生徒のために、福祉施設では入居者のために、医療施設では患者とその家族のために、公共施設では、全ての住民と利用者のために、安全確保のための対策を事前に講じておくことが責務です。それを検証するには、人の生命が守られているかがものさしになります。

 関係する人の生命を守ること、それは家族や会社、そして地方自治体の責任です。
 総括すると災害対策と防災対策は全く別物であり、同一で論じることが出来ない問題であることを認識しました。そして災害対策への備えは徐々に進展しつつありますが、防災対策、特に室内対策は殆んど講じられていないことが判明しました。そして生命を守るために必要な対策は室内対策なのです。必要なところの対策を講じていない現状を鑑みて、東南海・南海地震や和歌山市の直下型地震の危険性が言われている和歌山県において、早期に防災対策を講じる必要性、緊急性があることが分かりました。そのうちに、は間違いです。地震は待ってくれません。

【FMわかやま】
 FMわかやまについて話し合い。来春の開局を目指しているFMわかやま。これからが開局に向けて大切な時期に入ります。コミュニティFMとはAMラジオやFMラジオとは全く違うメディアであることを意識することが大切だそうです。コミュニティですから地元地域に密接な関係にあることが期待されています。そのため番組作りや放送内容、リスナーとの関わり方は、より身近な位置なあるべきです。言うならば、放送局のイメージよりもコミュニティ紙に近いものがあります。商店や自治会、NPO活動などの協力をいただけることで地域に密着したメディアになります。
 この地域には媒体もあるし電波もある。それが音楽や文化の香りのする地域です。それを目指したFM局に向けた取り組みが始まっています。

【お三味線】
 和歌山東急インホテルでお三味線の会がありお招きいただきました。演奏会では先生とお弟子さんとの競演、お弟子さんだけの演奏、最後は先生のソロ演奏と聴き応えたっぷりの時間でした。特にソロの五条橋は迫力ある演奏で、音に引き込む力が宿っていました。この日のためにどれだけの時間が費やされたのか考えると、聴き漏らすことは出来ません。先生とお弟子さんの多大な時間の成果を私達は聴くことが出来ているのですから感謝すべきことです。演奏会ではなく練習に掛けた時間とその成果を聴きに来ているような感じがありました。
 今日の演奏会では、研ぎ澄まして聴く。そんな感覚がありました。いつものように今年も日本の伝統文化に親しめる機会をいただきましたこと感謝しています。

【通夜式】
 度々書き込んでいますが、山本博司さんの通夜式に参列してきました。生前の付き合いの広さが分かる程、大勢の人の参列がありました。改めてその生き方を感じさせてくれました。通夜式の後に残ったのは同期の方達です。今晩は博司さんと一緒に過ごすために泊まる予定だそうです。私も仲間に入れていただき、故人の思い出話に花を咲かせました。

 会社に入社した同期にとっては、仲間を失うことはやり切れない思いがあるそうです。山本博司さんがお亡くなりになったのは10月17日でしたが、その前日だった16日の夜、同期のSさんが宿直で会社のソファーで仮眠していたところ、そこに三人の気配を感じ、そのうちの一人が博司さんだったような気がしたそうです。今思うと、お別れの挨拶に来てくれたようだと話してくれました。

 また同じく同期のYさんは虫の知らせがあり10月17日の午前、博司さんの携帯電話を鳴らしたそうです。勿論、博司さんは携帯電話には出てくれませんでしたが、その夜、亡くなった知らせを受けたのです。親しくしていた同期にとって、何か感じるものがあったのかも知れません。
 祭壇には元気な頃の写真が飾られていました。確かに存在していたあの笑顔がそこにありました。いつまでも耐えることのない笑顔がこちらを向いています。それは、いつまでも見守ってくれているようです。私は、博司さんが1年間の闘病生活を闘い抜いたことを忘れることはありません。本当にありがとうございました。
10月19日(金) 「お悔やみ」
【お悔やみ】
 昨日お亡くなりになった山本博司さん。誕生日を迎えていなかったので享年満57歳でした。癌と闘っていましたが、余りにも突然の死に驚きました。遺体が自宅に帰ったためお悔やみに伺い奥さんと話をしました。二日前、診断のために病院に行ったところ、疲れているようなので少し入院することになり、今年11月からの癌治療に備えることになったのです。

 入院して二日目、奥さんに対して山本さんは「一旦、帰りたいね」と話しながら、病院の朝食を採り、食べ終わった後、「少し横になるわ」と言って寝入ったのです。付き添いの奥さんも少し転寝をしていました。昼時になった看護師さんが病室を訪れ、昼食のため山本さんを起こそうとしたところ意識がなかったので、直ぐに対応してくれたのですが、夕方4時頃、息を引き取ったのです。まさか最後になるとは思わなかったので、最後に交わした言葉が「少し横になるわ」だったのです。余りにもあっけない終わり方でした。

 自宅に帰った遺体に向き合うと自然と潤んできます。奥さんは未だに現実を受け入れられない様子がありましたが私も同じでした。家族にとって博司さんと一緒にいた自宅が、思い出の場所に一瞬で変化してしまいました。
 私にとっても思い出がある場所です。毎年夏にはこの庭に職場の同僚が集まってバーベキューパーティを行っていました。庭の周囲には提灯を飾って山本さんらしく場を盛り上げる演出をしてくれました。大いに食べて飲んだ一面芝生の広い庭も、今では木々が生い茂っています。

 山本さんが広報主任だった頃は、二人一緒に和歌山県庁に度々出掛けたものです。県に知り合いの多かった山本主任(当時)は、自分が広報の職場を離れた後も人の交流が続くようにと、多くの人を紹介してくれました。
 一緒に発電所立地の先進地視察や発電所の見学会にも出張しました。オピニオンリーダーの方との懇談のために十津川に行ったことも思い出です。会議室やホテルで会合の機会を持つことが一般的ですが、ここでは川に向かって滝の近くの岩の上で、将来のエネルギーに関する意見を交わしました。

 貫禄のある身体はすっかり痩せ細っていました。一時期は48kgになったようで、それにはショックを受けていたと奥さんは話してくれましたが、その時期と比較すると元に戻っているように感じただけに残念です。
 人は例外なく誰でも最後の時を迎えますが、余りにも早いお別れとなりました。今日一日、奥さんは寝ないで付き添うようです。昨日まで一緒だった山本さんと自宅で過ごす最後の日となりました。どんな思いが交錯するのでしょうか。

 通夜式、告別式が過ぎると一人なったことを実感することになり一段と寂しい思いがあります。ご主人が亡くなった寂しさ、これまでの付き合いがどうなるのか分からない寂しさもあります。今はただ、この時が止まってくれることを願うばかりです。
 そしてこの日、和歌山市は大雨となりました。思い出も振り続けます。

 電話をくれたKさん。一日中、頭がボーっとして仕事にならないと言葉に詰まっていました。Mさんは、「最後まで自分のことではなく、人のことを心配して考えてくれる方でした。もっと自分のことに生きてくれたら良かったのに」と話してくれました。
 奥さんは「人の生命は何時どうなるのか分からないものです。やりたいことは我慢しないで、やれる時にやるべきです。」と語りかけるように話してくれました。やれる時代にあっては恐れないで思い描いていることをする。これが生き方の基本です。将来に備えても大事ですが、将来は現在の積み重ねですから、現在を犠牲にしての将来はあり得ません。忽ち過去になっていく現在を大切にすることで、輝く将来が待っています。つまり輝く将来は待ってくれているものではなくて、現在を積み重ねた結果が輝くのです。

 明日を迎えられることがどれだけ素晴らしいものなのか。今生きていることに感謝しないとね。博司さんが語りかけてくれたようです。

【水の浄化】
 河川の汚れや和歌山城のお堀の水の汚れが話題になっています。過去、様々な浄化対策が講じられたようですが成果が上がっていない模様です。大阪市から専門家に来てもらって研修会を開いたところ、その理由は、完全に透明しようと考えるから生態系のバランスが崩れ、きれいにしたところで他の細菌や不純物などがその場所を支配するため結局完全に浄化されないと話してくれました。つまり底まで透明にしようとすることは困難で、どの程度まで水質を改善するのかを決めてから、その対策を講じることが出来ることなのです。お城のお堀を完全に透明な水にしようとすれば、一旦水を抜いてからヘドロ対策を講じて新たに水を入れる他は考えにくいとのことでした。

 何かの方策を講じて自然の状態を変えようとすると、その場所の生態系に変化が生じるため、他のものが侵入するので結局、人が思うような浄化作用は図れないのです。例えばレジオネラ菌などは土の中に潜んでいるため、それを拒んでいるものが除去されると、簡単にその場所に侵入してくるので怖いのです。
 それを分かった上で水の浄化に取り組むことが必要なのです。物事にはデータが必要だと言いますが、データでは図れないのが自然界だと言います。各地域によって土や周囲の環境などの特性が違うため、地域に応じた改善策を講じる必要があるのです。データに江応じての同じ取り組みでは効果がないのです。

 約10人が集まっての水質改善に関する研修会を行いました。実践に移すための準備の機会となりました。

【感想】
 先日来行ってきた、県議会報告について感想を聞かせてもらいました。
「具体的な内容を交えてくれた話だったので県政への関心も高まりましたし、仕事をする上でも参考になるものです。物事を知って仕事をするのと知らないでするのとでは、過程や成果は全く違うものになりますから、大切なことに気付かせてもらえました。是非ともまた報告会に来て下さい」。
「政治家は抽象的な話が多いのですが、具体的な取り組みについて報告してくれたので分かりやすかったです。曖昧な話や誰にでも言える程度の話には興味はありません。別の議員の話を聞いたところ、内容がなく何を伝えたいのか全く分からないため意味がありませんでした」。嬉しい感想をいただき本当にありがとうございます。これからも活動を継続する所存です。
10月18日(木) 「経済問題」
【経済問題】
 日帰りで東京に行ってきました。どうしても調査しなければならない事項があり、調査のためのアポが取れたため赴きました。本日アポが取れた二人の方は大変お忙しく、連続して会えるのは奇跡的なことでしたが、成果があった調査となりました。本当にありがとうございました。
 和歌山県を再生させるためには経済問題を避けては通れません。まず経済を反転させることで福祉にも波及するのです。和歌山市の財政が厳しいことから福祉にも予算カットの動きがありますが、これも全て経済が関与しているのです。市長とすれば本当は福祉分野の予算のカットはしたくなかった筈です。ここにまでメスを入れることは、相当財政が厳しいことを表していますし、その要因として和歌山市の経済が冷え込んでいることが挙げられます。

 そのため経済を再生させることが優先事項であり、方策を講じられないかの話し合いを行いました。そして和歌山県レベルでは考えられないアドバイスをいただきました。単純化すれば民間活力を活かした地域再生ですが、現在の和歌山県に投資をしてくれる民間は中々見当たりません。それどころか県外資本は、和歌山県の市場調査の段階で進出を見合わせることもあります。

 そこで民間活力を導入する方策についての協議を行い、こちらが頑張れる分だけ頑張ることで活路を見出せ明かりを灯すことが出来ました。アメリカのサブプライムローン破綻を受けてアメリカ経済も失速の感があります。アメリカのファンドなどが日本に投資している資金も引き上げられる兆しも見受けられます。放置しておけば、国内資金は益々都市に流れることになりますから、地方への循環はまた遠のくことになります。地方を再生するためには県外から県内への経済循環の仕組みが必要です。併せて可能な限りの協力要請を行いました。

 和歌山市の中心市街地の活性化や、和歌山県企業の持つ技術力の活用についても意見を述べてきました。優れた技術を保有している企業がありますから、中央の企業との連携を図ることで域内の経済力を回復させたいと考えています。
 また福祉に関しても意見交換を行いました。現状は一度福祉施設に入所すると旅行や観光の機会が低下します。観光は心身のリフレッシュやストレス軽減、そして生き甲斐確保にもつながる有効な手段ですから、地域間の福祉施設で入居者の交流をすることが有効ではないかと考えました。都心からは和歌山県内の温泉に来てもらうこと、また和歌山県からの高齢者の皆さんを観光で受け入れてもらうことによって刺激的な体験も可能です。五感で感じることを大切にした福祉対策も講じたいと話し合いました。

 また韓国との観光交流や福祉分野での交流に関しても協議しました。現在、韓国から別府へ来る高齢者の方が多いと伺いました。これは観光施策の効果ですし、別府は韓国から近くて優れた保養地ですから当然の帰結です。でも和歌山県内には白浜温泉を初めとする温泉や癒しの地がありますから、韓国から白浜空港ルートを確立することで観光客の開拓にもつながります。また各国の福祉関係者との話し合いにおいても、韓国から和歌山県の温泉に、数ヶ月滞在して訪れることも考えてみたいとのお考えも頂戴しました。可能性のある取り組みについては話を詰めて行きます。今日の協議を活かして東京と和歌山県、他地域と和歌山県の連携を深め、地域振興を図りたいと考えています。
 午前に東京に着き、午後7時まで長時間に及ぶ協議でしたが、お付き合いしていただきました皆さんに心から感謝申し上げます。明日への可能性を秘めて帰ることが出来ました。

【訃報】
 午後9時過ぎ、関西空港から和歌山市に向かう車の途中で訃報連絡を受けました。聞いた瞬間、信じられない思いで背中に寒気が走りました。今までもYさんの匿名で活動報告にも書き込んでいたのですが、そのYさんが一年間の闘病生活を終え、本日お亡くなりになったのです。容態が良くないため自宅から病院に運ばれ、そこで生涯の幕を閉じました。享年58歳。余りに若すぎるお別れです。

 死因はリンパ腺癌。一年前の6月、定期健康診断の結果、肺付近に影が映っていたので平成18年8月に精密検査を受けたところ、リンパ腺に癌細胞が見つかり即入院となりました。自覚症状が全くなく信じられない入院となりました。私も直ぐに退院できると思っていたのですが、治療は長期に亘ると聞かされ驚いたことを覚えています。お見舞いにも伺ったのですが放射線治療のため髪の毛と眉毛が全てなくなり、また貫禄のあった顔がほっそりとなっていることを懸念していました。

 そして先週末のことです。声を聞くために電話をしたところ、以前よりも元気な声で話し合えたため安心していたのです。平成19年10月15日には、電話での話し合いの結果などについて丁寧に自宅に手紙をいただきました。お礼状も書かない内に、また会いに行く時間も確保できない内に、本日お亡くなりになってしまいました。信じられない思いで一杯です。先週話した後、直ぐにもう一度お見舞いに行っておいたら良かったと後悔しています。

 その時の電話の内容は二点ありました。ひとつはYさんから最後のお願いと託されたことの結果報告についての御礼の電話でした。二週間前、癌と闘っているYさんから電話を受けました。「最後のお願いなので無理を聞いてくれないかな」と言うものでした。その無理とは自分のことではなく、知人のことに関してのものでした。自分が癌と闘っている時期なのに、他人のことを心配して何とか配慮して欲しいことがあると電話をかけてきたのです。私は「最後のお願いなんて言わないで下さいよ。まだまだ沢山無理を言ってきてくれないと困ります。早く回復してくれると信じていますから、最後のお願いではない依頼として聞いておきます」と答え、上手く行くように手配をしたところでした。

 もうひとつの電話の用件は、Sさんご夫婦に子どもが誕生するかも知れないので生まれたら知らせて欲しいとの依頼でした。
 そして先週、その結果報告をさせていただいたところでした。最後のお願いの件に関しては「上手く行くと思いますよ。心配しないで下さい」と回答しました。Sさんの件に関しては「男の子が無事生まれましたよ。本人は丁度いま、静岡から新幹線で帰っている途中ですから安心して下さい」と回答しました。

 お分かりの通り、Yさんからの依頼はいずれも自分のことではありませんでした。最後まで他人のことを思いやることの出来る素晴らしい方でした。癌と最後の闘いをしている時なのに元気な時と全然変わらない姿に心から感動しました。
 その最後のお願いが、本当に最後のお願いになるとは思いもしませんでした。もう涙、涙です。元上司の早すぎる死去に言葉はありません。受けたご恩を返すことが出来なくなってしまいました。今はただご冥福をお祈りするばかりです。

 最後に尊敬の気持ちを込めてYさんこと、山本博司さん。本当にありがとうございました。先週の電話で別れることになったことが心残りです。あなたのことは生涯忘れることはありません。今は安らかにお休み下さい。

 今夜Sさんと話しました。「博司さんの分もお互い一生懸命生きて頑張ろうな」と。
 そして今日、山本博司さんがお亡くなりになった頃、神様の木と言われているナギの木をいただきました。ナギは熊野権現の御神木で、その葉は、笠などにかざすことで魔除けとなり、帰りの道中を守護してくれるものと信じられています。博司さんの生命を宿して我が家に来てくれたような気がします。このナギの木と共に成長することを誓いました。また本日、知人が店を開店させました。ひとつが消えましたが、それに続く生命も希望も誕生しています。
 秋が深まりました。0時を過ぎた今も、外では鈴虫が命の限り鳴いています。
10月17日(水) 「FMわかやま」
【視察について】
 委員会視察に関しての話し合いの中で、委員会視察の活動報告の感想を話してくれました。概要は以下の通りです。

「島根県での委員会視察の内容が活動報告を読むと良く分かりました。視察と言うと良い印象はありませんでしたが、企業誘致や観光施策など和歌山県にも導入出来ることがあるように感じられました。委員会視察は悪いものではないので隠さないで県民に分かるように情報開示をしてくれたらそれで活動していることが理解出来るのです。

 過去、議会から委員会視察に行った記録や議事録、または活動報告したものを見たことはありませんでした。そのため委員会視察では何をしているのかさっぱり分からないのです。そのため疑惑が持たれていたと思います。ホームページで報告してくれることで行くことの意義が伝わってきました。私達は単に視察の記録を知りたい訳ではありません。

 仮に事務局で研修の記録を記したとしても、資料や参考になるものを転記するだけのものであれば役立たないし、私達が知りたいのは当該地の取り組みの概要ではなくて、それらを学んだ議員が何を感じたのか、議員個人の主観を知りたい訳です。感じ方によって、それをどう活かしてくれるのか文書から熱意も伝わりますし、見て聞いて理解したことを県民に伝えて欲しいのです。私は初めて委員会視察の報告を見ることが出来たことを嬉しく思っています。活動を報告してくれることは有り難いことです。」

と言うものでした。
 委員会視察に関する意見をいただきましたが、委員会視察では駅前のビジネスホテルへの宿泊ですし、視察先では研修が続いています。話し合いでは、私なりに島根県の姿を伝えることが出来たと思っていますし、その相手に島根県のファンになってもらえることがお忙しい中、私達の視察を受け入れてくれたことへの恩返しにもなります。視察を契機として交流しあえたことを、後々お互いの関係に活かしたいと考えています。

【FMわかやま】
 開局目標を平成20年春において活動中の「FMわかやま」。コミュニティFM局ですが、県庁所在地で民間のFM局がないのが和歌山市だけですから期待感があります。
 地元に根ざした番組を作ることになる予定ですから、和歌山らしいパーソナリティや番組構成が必要になります。本日の打ち合わせにおいても、和歌山県は音楽文化が弱いことから、音楽で人を惹きつけるのは困難に仕事であることを再認識させられました。

 例えばライブでも人気歌手や特定のジャンルの音楽でないと入場者数は相当低くなります。昨年も和歌山市内である人気歌手のライブがあったのですか、チケットが売れ残ったのです。チケット価格が6,000円とやや高めだったことも要因ですが、それでも東京や大阪だったらこの低価格でのライブはあり得ないことでした。和歌山の方に一流の音楽を楽しんでもらいたいとの思いで6,000円と、この歌手にしては低い価格に設定したのですが、入りの状況は、もうひとつだったのです。音楽関係者の話を伺うと、日頃から音楽を楽しむ環境に置かれていないことから関心が高くないようです。

 しかしCDや映像ではなくライブは生きた音楽を楽しむことが出来るのです。お聞きすると、「歌手も人間ですから精神状態によってライブの出来、不出来があります。嫌なことがあると、やはり歌を上手く表現できませんし、気分が乗っていると自分でも気持ちよく歌を通じて思いをお客さんに伝えられていることが分かります。ラジオでは生番組も取り入れて欲しいと思っています。ライブの感覚が必ず聞き手に伝わります。失敗しても良いではないですか。それも番組ですから聞き手にとっての楽しみなのです。少しくらい上手く行かなくても大丈夫ですよ。地元にFM局があるだけで地域力が高まり、音楽文化も向上するのですから。」と意見をいただきました。

 また「音楽は人がやるから聴けるのです。CDと同じだったら誰もラジオを聴きませんし、会話やアドリブがあることで暖かみがあって良いのです。他地域と違うものがあるからこそ地元局が必要なのです。」とも話してくれました。
 あるのとないのとでは地域力が全く違うことを今更ながら気付きました。音楽が身近にある生活、そして音楽を楽しめる環境があることの幸せを感じることが出来ました。それを実現するためのひとつの方法がFM局なのです。

【地域力】
 地域から地域産品や地元の魅力を発信する力を地域力だとすれば、それを発信するには地元の私達が和歌山県のことを知り、自信を持って県外に伝えることが必要です。今日は神戸市内からある企業の方を迎えました。和歌山県の地元素材の魅力を、自信を持って発信しました。その結果、ある企業の製品に組み込むことの採用がほぼ決まる運びになりました。後は個々の素材のばらつきがないことなどの品質確保をするだけです。素材は良いのですから発信力を高めることで機会を捉えることが出来ます。
 逆に県外に無数にある特許の数々、素晴らしい技術を和歌山県で活用することも出来ます。交流の機会を増やして和歌山県の良いものを発信すること、そして良いものを取り入れることも大切です。
 神戸市から和歌山県の魅力を感じ来てくれることも、和歌山県に在住者にとって歓迎すべきことです。更に次回につなげることにしました。

【ライオンズ理事会】
 ゴールドライオンズクラブ理事会に出席しました。本日の議題は多くて理事会での議論は長時間に及びました。特に来週、設立5周年記念の第一弾行事がありますから、役割分担や進行の確認などを行いました。また私からはFMわかやま理事長の例会での講話やピンクリボン運動の和歌山市での活動への支援について提案し、協議をしてもらいました。
 これらの点については来週の例会で提案することにしています。
10月16日(火) 「癒し処からす屋」
【癒し処からす屋】
 田辺市本宮の癒し処からす屋。開店から1年半が経過しました。世界文化遺産のエリアにある観光と食事を提供する施設として定着し始めています。場所が熊野本宮大社の前にあることからも、休憩場所としても活用されています。本日はからす屋に大阪府下からお客さんが訪ねられたので現地で話し合いを行いました。健康と美容に関心を持っておられる一行で、健康的な食事を提供していることと足湯サービスを行っていることに関心を示してくれました。それは足湯や腰湯は身体に良いので実践しているからです。

 そして食事では炭ラーメンを食べていただきました。炭ラーメンは紀州便長炭の微粉末ヘルシーチャコールを練り込んだ健康ヘルシーな麺で、身体の浄化作用があること、健康的にやせられることなどから注目を集めている食事ですから早速食べていただき、味と効果を感じてもらいました。本日訪れてくれたお客さん一行は、大阪府下で会社経営をしていますが、新たに健康を提供する飲食店舗を開店させ、順次拡大していく予定ですが、それらの健康を売り物にする飲食店において炭ラーメンを採用してくれる動きとなりました。

 更にこのお客さんの会社では、5日間で健康的にやせる研修会を計画していますが、無理なくダイエットをするために絶食はしない方針で、その食事にも炭ラーメンを取り入れてくれることになりました。やせるためには一日の食事から採るカロリーは500キロカロリー程度に抑える必があるそうです。炭ラーメンはダイエットにも適しているため、まず効果を体感するためにスタッフでも試食してくれることにもなりました。

 さて皆さんが感心してくれたのは、世界文化遺産の中にある施設であること、そして売り物を観光にするのではなく健康にしていることでした。健康と観光を組み合わせた店舗作りは参考になると熱心にメモを取ってくれていました。熊野古道のある熊野の自然の中で、そして信仰の地熊野本宮大社の前に位置している施設であることから、それ自体がブランド力を発揮していると感想を話してくれました。そして地域に定着するためには地元の協力と、地元から応援してもらうことが不可欠であると説明してくれたのです。これからは商品とサービス力が良いのは当たり前で、如何に地元のものだと認識してもらい、活用してくれるかが鍵を握っています。

 大阪で開店させた飲食店舗と連携を保ちながら、お客さんの健康に役立つための商品とサービス提供を行っていくことを確認しました。

【白浜町にて】
 帰り道に白浜町に立ち寄り、平成19年11月11日に開店する予定のホテルにお邪魔してきました。社長ご夫妻が出迎えてくれ、ホテルの考え方や今後の取り組みについて説明していただきました。既に昨日からプレオープンをしている関係上、ロビーには招待を受けたお客さんで賑わっていました。ホテルの支配人は、観光温泉地である熱海からお迎えして体制を整えています。また広い庭園にはバラを植栽していて、オープン時期にはきれいな花を咲かせてくれそうです。
 また新鮮なバラを原材料としたオリジナルの香水も作成していて、エステで活用すると共にホテルで販売する予定になっています。先日、バラの花びらをいただき車に入れておいたところ、翌日には車の中が素敵な香りで充満していたのです。香水の蓋を開けると新鮮でもぎたてのバラのその香りが溢れてきました。

 白浜町の観光名所である千畳敷の近くに位置していて、白浜町の新しい宿泊施設として注目を集めています。庭園内に新しい施設の計画もあり、どのように展開していくのかを含めて更に協議を進めることにしています。
10月15日(月) 「打ち合わせ」
【打ち合わせ】
 和歌山県内の企業立地や移転に関する動向について打ち合わせを行いました。一時期このような物件は多かったのですが、少し落ち着いて来ているように感じます。地域活性化のためにも新規の案件が欲しいところですが、これは現在の活動次第ということになりますので、しっかりと活動を継続したいと考えています。
 また飲食関係の皆さんとの厨房関係研修会の日程を決定しました。全国で流行している外食について研修を呼びかけていたのですが実施することを正式に決めました。11月開催ですが、県内の飲食関係者の皆さんの熱心さには驚いています。毎年、協力関係を築いて研修会を行っているのですが、毎回沢山の方の参加をいただいています。今回も県外研修なのですが、平日で店舗の開店準備が必要な時間帯にも関わらず参加してくれる方が多いようです。有意義な研修会に仕上げるための行程も作成しました。

【カジノについて】
 カジノについて協議を行いました。カジノに関しては法律上、実施することは出来ませんが、自民党では「我が国におけるカジノ・エンターテイメント導入に向けての基本方針」を策定して、今後の可能性を調査するなど検討されているところです。全国で調査、検討している都道府県は比較的多く、沖縄県、長崎県、東京都、秋田県、熱海市、珠洲市などが進んでいると聞きました。和歌山県では議論もされていませんが、法律が出来上がると観光リゾートの役割を果たす可能性もあり、可能性の調査している機関もあります。

 ギャンブルという捉え方ではなく、地域にエンターテイメント的な役割を持ち込んでくれるのであれば実現可能性はあります。その前提条件は、健全で家族で訪れて楽しめることです。そのためにはカジノだけではなく遊園地や温泉、ホテルリゾートなどを併設することで男性、女性、大人や子どもに関係なく、終日、楽しめる施設と空間であることが必要です。
 但し、話題性、集客力、経済波及効果などの利点はありますが、反面治安や青少年の非行問題、ギャンブル依存症などの問題も秘めているため、慎重な論議も必要です。和歌山県においての実現可能性について研究が進められると聞いています。

【中心市街地活性化】
 和歌山市の中心市街地活性化に関する話し合いを行いました。本日、中心地に計画されている14階建てマンションの上棟式が行われるなど、中心市街地は活気付いています。旧丸正がフォルテとして生まれ変わり、平成19年10月19日には、屋上のシンボルマークが点灯される予定で、11月29日には、地階、一階などの地上階の一部も先行してオープンする予定になっています。
 平成20年2月にはフォルテ南側の14階建てのマンションがオープンする予定があり、また和歌山大学観光学部を三井ホテル跡地と和歌山東急インの2階に開設する予定があるなど、明るい話題で期待感と盛り上がりを見せています。

 ただ中心市街地にお客さんを呼び戻し、定着させるためには、単に商業施設を開店させるだけでは効果がなく、定住化施策、そしてここに行きたくなるような商品の品揃えとサービス提供が必要になります。他地域と違うサービスが受けられることへの期待感がありますから、加速度を持って立ち上げたいところです。それは和歌山市の中心市街地に位置づけられていない地域にも大型店舗の計画があるからです。和歌山市山口のイズミヤ、和歌山市高松のオークワ、和歌山マリーナシティの大型商業施設など、中心市街地にとっての競合がありますが、競合することで地域全体が発展していくことを目指したいものです。そのためにも中心市街地特有の商品やサービスを提供させるしくみを整えようとしているのです。

 そしてこれらの施設が本体に頼ることなく、独立で採算が取れる状態で経営することが成功への唯一の道です。中心市街地の商業施設として自立出来る時に、この地域の再生が図られます。店舗運営、人材確保、周辺と併せての発展のしくみなど課題はありますが、解決に向けての取り組みも為されています。

【懇親会】
 夜には教育関係者との懇親会、引き続いて経営者との懇親会を行いました。若い人や中堅層の方の働く場所について、和歌山市活性化の施策について、などの話題で懇談しました。和歌山市にはまちの将来を考える熱心な方が多いのに、あらゆる分野の順位が低迷しているのが不思議です。打ち破るための方策を話し合いましたが、ひとつでも実現させることが出来たなら、和歌山市が大いに飛躍するような取り組みをしたいものです。
10月14日(日) 「和歌浦湾サミット」
 観光地としての和歌浦の振興を促そうと和歌浦湾サミットが開催されました。会場はホテル萬波、和歌浦の活性化のために活動している団体やNPO法人の方が活動状況の発表を行いました。

 一例として、和歌浦で特別養護老人ホームを経営している土山さんは、入居している人には必要以上のケアをするのではなく如何に楽しく過ごせるかを提供する施設であり地域でありたいと話していました。日々の暮らしを楽しむことが健康につながるからです。楽しみと健康は連動しているもので、和歌浦湾を眺めながらの生活は健康的なものであることが想像出来ます。ここでは施設での介護だけではなく、夏目漱石を初めとする和歌浦にゆかりのある歴史を学ぶ機会や文化的な生活支援も行っています。

 以前、夏目漱石のお孫さんが、土山園長が経営する「わかうら園」の施設を訪れ、夏目漱石の歌碑に感動し、帰ってから文芸春秋にその時の印象を掲載したようです。その後、夏目漱石のファンなど全国から「わかうら園」を訪れる人が増えたそうです。直接的な観光施策だけではなく、高齢者福祉の取り組みや文学を通じても和歌浦の活性化につながっているものだと感じました。

 また和歌浦と言えば観光医療の取り組みが挙げられます。この地域に観光医療を産業として定着させるための活動が数年前から始まっていますが、ここ三年間は国の調査事業を行い、民間レベルで事業化に向けたスタートを切っています。全国で観光医療の取り組みを研究、または実践しているところは約250箇所もあり、和歌浦だけが取り組んでいるものではありませんが、実は和歌浦を中心とした和歌山市での取り組みが全国で最先端を走っている事実があります。

 糖尿病や乳がん患者の方など、特定疾患の方を対象とした和歌山県内のツアーも募集を行い開始しているところですが、和歌山県の自然環境と癒し効果は全ての人に健康と美容を提供出来るものですから市場は無限に拡がっています。
 和歌山県が観光地として弱いのは、他地域にはない特筆すべき売り物がないからです。平均的に何でもあるのですが、これが和歌山県特長と言えるものがありませんから、それを生み出す必要があるのです。

 それが分かったのは島根県や熊本県での学びからです。和歌山城は名城として誇りに思い、お城を中心としたまちづくりが行われています。それは素晴らしいことなのですが、他県からの和歌山城の評価は思った以上に低いのです。島根城は重要文化財ですし、熊本城は築城400年の歴史があります。観光施策としてお城を活用している地域からすると、鉄筋の入っている、そして昭和の時代に再建築している和歌山城は、観光面でのライバルとは考えていないようです。

 もっと言うなら、東京に住んでいる人が関西に観光に行こうと計画を考えるとします。京都や大阪、神戸や奈良は具体的な光景が浮かんでくるため、それらの場所を訪れようと思う筈です。ところが和歌山県のイメージは浮かばないことがあります。そのため観光の選択肢とは為り得ていないのが現状だと思います。関東からの観光のお客さんが少ないのは、和歌山県と言って具体的な印象がないからです。

 勿論、仕掛けはしていますから、今なら熊野健康村構想の熊野古道や熊野三山への新規開拓は進んでいると思いますが、それ以外には思い浮かびません。そこで和歌山県と言ったら観光医療を実践している県ですね、と思ってもらえるような取り組みにしたいと考えています。和歌浦はその拠点と為り得る魅力的な場所なのです。
10月13日(土) 「粉河と田辺」
【粉河と田辺】
 午前は紀の川市粉河町へ、午後からは田辺市に向かいました。それぞれの支部大会にお邪魔して挨拶と県政報告をさせていただきました。紀伊半島の北と南を同時に訪問し報告を行ったのは初めてのことでした。概要は次の通りです。

・粉河町での報告
 皆さんに県議会に送り出しいただいてもらってから二度の議会を経験させてもらっています。この間、雇用の問題、企業立地の問題、そして和歌山県の特徴を活かした産業創出などの諸課題について議会で提言するなど実践的な活動を行っているところです。和歌山市を初めとする紀の川地域では大きな商圏に近接しているため、企業誘致が効果的な取り組みだと認識しています。

 その中で、平成19年6月の県議会で補正予算化を図った橋本市隅田町の県工業用地の造成が進んでいます。この用地は未活用の状態で放置され不良資産化していたものですが、補正予算を組んで土地の価値を高め企業誘致を図ろうとするものです。この隅田用地は和歌山県の取り組みとしては画期的なものなのです。

 その理由を説明します。企業が新たにその工場規模を拡大する、移転することを考えた場合、適切な広さは必要ですが、その前提として既にその土地のインフラが整っていることが絶対条件となっています。広さがあってもインフラがない土地には企業は進出しようとは考えません。道路、そして進入路、水道や電気、ガスなどが整って初めて、企業は進出を検討してくれるのです。つまり直ぐに活用出来る状態に土地を整えておく必要があるのです。水道や道路に新たに投資をしなくても、工場建設に当たっては全て整っていることを企業は求めています。

 ところが行政の考え方は違っています。行政は危険を冒したくありませんから、確実に企業が来てくれることになって初めて、未整備用地のインフラを整えることになります。ですから企業進出があることを前提に企業用地のインフラを整備するのです。
 企業立地と言っても、企業側の論理と行政側の論理とでは全く違ったものなのです。和歌山県での企業誘致については、企業が来てくれることを前提にインフラ整備を進めようとの考え方でした。ところが橋本市隅田の工業用地は、従来のこの考え方を転換させたもので、県の企業誘致活動としては画期的な取り組みになっています。企業に来てもらえる用地提供と体制を整えて活動を開始しているのです。平成20年の夏に造成は完成する予定ですが、隅田用地の北側の部分には既に数社から打診があり、進出が有望視されている状態です。

 また南側の広い敷地にも現在誘致活動を行っているところで、良い話になることを期待しています。企業誘致活動を通じて地域活性化につなげる動きがあることをお伝えしておきます。
ところで県議会活動において問題提起することが出来るのは、皆さんからの意見をいただくことから始まります。地域の課題は何もないところから問題は自然に発生し、そして解決されるものではありません。今日のように報告させていただく機会を持ち、ここで聞かせてもらった意見などを加工して議会に持ち込むことが活動の基本であると認識しています。今後とも、この姿勢を持った活動を実践する考えですので、引き続きましてご指導いただきますようお願いいたします。本日はありがとうございました。

・田辺での報告
 日ごろからお世話になりまして誠にありがとうございます。本日は、紀の川市粉河から田辺市へとやって来ました。皆さんのご支援のお陰を持って県議会に送り出していただき、皆さんの思いを伝え、そしてそれらの思いが県内での生活の場で実現出来るように議会活動を行っているところです。

 さて県政の話題を少し紹介して報告とさせていただきます。ひとつは旧白浜空港の活用についてです。広大な空港跡地は未利用のままになっていますが、白浜を含めた観光施策のひとつとして優れた企画を持って活用を図りたいところです。企業誘致活動の観点からは、残念なことに紀伊半島の北側の地域と南側の地域では、若干温度差があるように感じています。県外から製造業などが進出してくれることよりも、実際問題として観光地とし人を集める仕組みが必要なのです。

 県外と地元の方とで県に対して地域振興を図れるような企画案を提案しているところですが、県と白浜町が保有している土地ですから、企画案があっても直ぐに実現するものではありませんが、観光そして地域振興のためにも利活用を図りたいと考えています。地域の皆さんも認識しておいてもらって、活用のアイデアなどを頂戴したいところです。

 また国の体制が不安定のため法案化の時期は未定ですが、カジノ法案の提案も考えられます。カジノ法案が国会を通過すると、付帯条件はあると思いますが地域にカジノの設置が可能となります。地域振興のためには資金の流入が必要で、カジノは経済的観点からすると地域を活性化させる起爆剤に為り得るものです。観光地にあることに関して、また地域の治安や不安感、青少年問題の視点からは賛否はあると思いますが、和歌山県においても調査していることも知っておいていただけると、今後の地域活動にも役立つものだと考えます。

 このように地域としての課題についてはまず知ることから始まり、意見交換をさせていただきたい。そして情報を開示し皆さんと一緒に考えること 、そして県議会の場に反映させられるような活動を一緒になって行いたいと考えています。
 県議会では比較的長い期間を要して議論、検討すべき課題があります。向こう10年間の和歌山県のあるべき姿を考える新しい県の長期総合計画、世界文化遺産や町並みを機能的にそして美しく保つための景観条例、そして災害から地域を守る防災対策などに関しては、一回の議論で結論を出して終わる性質のものではありませんから、皆さんから意見をお聞きし、委員会などで反映させることが可能となっています。

 是非とも本日のような報告の機会を持たせていただけると、改めて詳しい説明を行いますし、意見をお聞きしたいと考えています。地域活性化は、地方自治体だけではなく私達が考えるべき問題でもあります。県議会で議論されている課題に関しては、知ってもらえる工夫を行いますので、和歌山県のあるべき姿を皆さんと一緒に考えてみたいと思います。
 今後ともご指導いただきますようお願いをして報告とさせていただきます。

【商工祭】
 田辺市から和歌山市に戻って、市内のビッグホエールで開催されている商工祭に行ってきました。大勢の人が訪れるイベントで会場には賑わいがありました。皆さんとお話しする機会をいただき、この一時を堪能させていただきました。
10月12日(金) 「大会」
【定時大会】
 朝5時30分に起きて九州を出発しました。午前9時には関西に戻って来ることが出来ました。そのため関電労組和電支部定時大会に出席させていただきました。
 大会での挨拶の主旨は次のとおりです。

 本日は第16回支部定時大会のご盛会、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。さて皆さま方、ご家族の皆さま方には統一地方選でのご支援を賜りまして、誠にありがとうございました。お蔭様で県議会に送り出していただくことが出来ました。深く感謝申し上げます。既に6月議会と9月議会と二度経験させていただき、和歌山県課題であります雇用、企業誘致、地元の資源を活用した産業振興などについて議会での提言を行ってきました。雇用、企業立地、そして産業振興を通じて、和歌山県を元気にする活動を継続させたいと考えています。

 またそれ以外にも市議会時代から取り組んできた施策についても実現に向けて継続して取り組んでいますので報告させていだたきます。
 また和歌山市の振興として和歌浦再生の取り組みです。この地域は歴史的背景があり、しかも風光明媚な地域であるため、付加価値をつけることで観光客を呼び込むことが出来ると考えています。そこでこの地域に医療サービスを提供する地域としての拠点を設け、健康と美容をお客さんに楽しんでもらえるしくみを作りたいと思っています。そのため観光医療の拠点としての機能についても形を作りたいと考えていますし、熊野古道と同様に和歌浦にも祈りの道としての健康ウォークコースを設けるなどの取り組みをしたいと考えています。和歌浦の潮風を浴びながら祈りの道を歩くことで健康や美容にも資すると思っています。この地域を観光の地として再生させたい、そしてそこには健康と美容の付加価値を伴ったものに仕上げたいと考えています。

 また市議会時代に議会で提案した独立リーグ構想があります。約2年前だったのですが、その後も継続した取り組みを行っています。独立リーグは四国独立リーグが先駆けで近接していますが、残念ながら四国4県に加えて九州から長崎県、福岡県の2チームが参入する動きとなっているため、宛ら四国・九州独立リーグのような動きになっています。そこで関西リーグ構想が浮上してきました。早ければ年内にも公表することが可能だと思っていますが、関西に6チームを設けて関西リーグとして独立リーグを運営しようとする計画が進展しています。構想ですが大阪府から2チーム、兵庫県からも2チーム、奈良県から1チーム、そして和歌山県にも1チームを参画して、計6チームで関西リーグを構成しようとしています。ひとつの提言が具体的なものとして現実味を帯びるようになってきました。勿論、構想ですが地域を元気にする活動しては夢があり、和歌山県にとって将来性のあるものだと確信しています。これからも地域を元気にする活動を行いたいと考えていますし、議会活動と地域活動は活動の両輪だと捉えています。
 皆さま方から県政に関する意見を引き続いていただくことで、私達の声を県議会に届けたいと思っています。引き続いての活動に対するご支援を賜りますようお願い申し上げます。

【その他】
 ピンクリボン活動の取り組みについて協議。中心市街地活性化基本計画についての意見交換、そして和歌山県を活性化させるための取り組みについて懇談会を実施。夜には懇親会に出席いたしました。またDVに関しての相談も受けた対応方針を検討しているところです。

【秋の夜長】
 夜は一気に寒さを増しています。夏の後半から聞こえていたコオロギの鳴き声が激しくなってきました。生きることに懸命に、まるで自分の命が尽きることを分かっているかのような鳴き声に聞こえてきます。最後の力を振り絞って、命を次の世代に引き継ぐための声を発しているようです。この鳴き声が聞こえなくなる頃には、季節は秋から冬に向かっていることでしょう。生き物がその生命を謳歌し、そして果てていきますが、この星は何もなかったかのように次の季節を迎えます。暖かくなる頃、新しい生命が誕生し、親を知らない次の世代もまた、親と同じ営みを繰り返します。当たり前のような循環ですが、儚くて、そして素晴らしい生命の連鎖になっています。地球上に一瞬だけ宿される生命、とても大切なことを今更ながらに知らされます。
10月11日(木) 「観光施策」
 昨日に引き続いて福岡県の観光施策について学んできました。訪問先は福岡県朝倉市杷木原鶴香山。ここには日本一の昇龍大観音があります。観光地とも言えますし信仰の地とも呼ぶことが可能です。朝倉市にある昇龍観音は28mもあり、昇龍観音としては日本一の高さを誇っています。圧倒的な存在感があり本日は平日でしたが多くの観光客が訪れていました。この観音像が建立された経緯については石碑がありましたので、以下に紹介します。昇龍観音建立の由来です。

 「私は高木村黒川の農家で明治45年4月12日父万助、母アイの二男として生れ林家を継ぎましたが父の代からは悪運続きで父も42才で死去5人兄弟も私と末っ子の了2人となり毎日が苦しい悶悶の日を送っておりました ところがある夜の明け頃、枕元に観音様がお立ちになり「お前はここに居ては駄目だ 家を出て頑張れ私が見守って必ず成功させる 成功したら俺の仏像を建ててくれ」とお告げがあり立去られました。それから志波村に住居を構え石材業を営み、昭和16年召集で海兵団に入隊。敵前上陸17回決死隊にも4回も志願したが生き伸びてきました。これも一重に観音様のお加護であろうと信じていました。戦争も激しくなりソロモン海戦で負傷し帰郷。昭和22年35才の若輩で村会議員に当選。昭和26年町村合併により杷木町となるや町民の御協力で大事業も完成しました。又、個人的には泰泉閣二日市ホテル、遠くヨロン島にまでコーラルホテルを建設。これ一重に観音様のお陰だと信じています。私も75才を迎えここで町政を退き念願であった観音像建立に取組みましたが多くの方からの沢山の浄財を頂き感謝にたえません。皆様方の尊い志を無にしないよう心がけ五味プロ企画にお願いして建立したものであります」

 この観音様は、林一二三さんと言う元旧杷木町長が建立したものなのです。信仰のために建立されたものですが、今では観光名所としての評価があります。小高い丘の上に立っていることから、空にそびえたつ感じがしますし、まちなかから観音像を見ることが出来るように町を見守ってくれているようです。
 和歌山市も観光地ですし優れた自然がありますから、このような昇龍観音を設置することで新たな名所を作ることも夢がある施策です。例えば和歌浦の山々に設置する。設置することで新名所にも為り得ますし、信仰の道としてのウォーキングコースを作ることも可能です。何よりも日本一のものを設置することで全国から観光客を引き込むことが出来ますし、万葉の時代から悠久の時を刻み続けてくれる和歌浦で観音様が和歌山市を見守ってくれることは市としても心強いものがあります。

 九州を訪ねて思ったことは、例えば熊本県の熊本城は築城400年を迎えて盛り上がっています。そして島根県を訪れた時にも、島根城の規模は小さいかも知れないけれども重要文化財に指定されているお城であることを教えてくれました。それと比較して和歌山城は一度焼け落ちてから再興しているもので歴史的価値はそれらと比較して勝っているとは言えないとの指摘がありました。和歌山市民にとってはシンボル的存在の和歌山城ですが、お城を持つ他の都市からの評価はその様なものなのです。

 ですからお城だけで観光客を呼び込むことは難しいと思って、観光施策を講じる必要があると感じました。和歌山市で出来る観光施策は無限にあると思いますが、例えば昇龍観音の設置も施策のひとつに為り得ると考えました。観光と信仰、健康と信仰などによる訴えも企画としてはおもしろいものになるように感じました。実際に見ないと理解してもらえないのですが、朝倉市の昇龍観音像は何しろ圧倒的なスケールなのです。
 和歌山市振興のために一考の余地はあると思いました。昨日の風洞発電や本日の昇龍観音は今まで取り組んだことのないものでしたが、和歌山県として地球規模での課題の解決やまちづくりに関して学ぶことが出来ました。
10月10日(水) 「新エネルギー」
 地球環境保全を図るために、環境問題とエネルギー問題の相反する両方の課題を解決することが求められています。この双方の課題を解決する技術が開発されようとしています。その実態を調査するため、久留米市の佐藤先生を訪ねました。佐藤先生には和歌山県に来てもらったことがありますが、本日は開発状況と今後の取り組み方について話し合うために先生の事務所を訪ねました。

 この新エネルギーは未だ世に出ていませんが、近い内に世界で知られるようになる技術です。名称は風洞発電で、風力発電とよく似ていますが、今ある風力発電とは全く違う考え方の技術です。風力発電と風洞発電の大きな違いは、風洞発電には羽根がないこと、そして風速2m程度の微風でも発電可能なシステムになっていること、一日20時間程度は安定して発電が出来ることです。ごく自然に吹いている風を集風翼で受け、その風を圧縮しながら中央にある風洞塔に取り入れ、風洞の中で風速と風圧を高めた圧縮風を地価に設置する発電機に送り複数の風車タービンを回転させて発電する世界初の大型発電装置なのです。

 この発電方法は形状を変えられるので都心部でも周辺部でも設置が可能で、都市環境や周囲の景観に配慮も出来ます。景観条例で問題になるであろう風力発電とは違って景観条例にも抵触しない、周囲に溶け込む大きさに調整したり色彩変更も可能なのです。
 風は圧縮させると風の塊になります。塊にするための技術があるのですが、それは知的財産で非公開ですので掲載することは出来ませんが、単なる風を固まりに変換させるしくみがあるのです。

 一日2時間以上発電が可能になっているのは、自然界で2m程度の微風なら一日20時間程度は吹いているからです。そのため最低20時間の発電が可能で、従来の風力発電とは異なり、大出力、そして安定した発電が可能となります。ですから補助エネルギーの位置づけではなく、最終的には産業用への供給を目指しています。

 今までの新エネルギーの常識では想像しにくいシステムですが、化石燃料を使用しないで安定して発電が可能、しかも大出力発電が出来ますから、エネルギーと環境問題などの課題を解決するシステムに為り得ると考えています。
 そしてこの風洞発電は国際特許庁から新規性、進歩性、産業有効性の3部門共にA評価を受けている程に評価されています。トリプルAの評価を受けた世界特許は大変珍しく、この技術の可能性を感じさせてくれるものです。現在のところ風洞発電の理論は確率出来ているため、佐藤先生の事務所で実証に向けた取り組みを開始しています。年内には実証用の風洞発電システムに着手し、来年の完成を目指しています。最短で来年には実用化の目処が立つことになっています。

 環境先進国の日本からエネルギーと環境保全に資する新技術を世界に発信することはとても重要なことで、風洞発電にはまずわが国から取り組み世界に拡げることでエネルギー不足と環境保全につながるものです。
 この技術の可能性を実感しながら、まず和歌山県に導入を図りたいと考えていますし企業立地活動にも役立つものだと確信しました。
10月9日(火) 「防災対策」
【食育】
 和歌山県では、県調理師会が食育の大切さを訴えるための行事を、平成19年12月2日、海南市にある、わんぱく広場で開催することになりました。これは初めての試みです。和歌山県には新鮮で豊富な食材がありますが、それらの産品を活かした食生活になっていないことから、調理師会の皆さんが多くの方々、特に親子に来場してもらえるような企画を立てました。和歌山県菜の食を職人から家庭の親に、そして子どもに伝えていこうとするものです。今朝から打ち合わせを行いました。

 また来年には小浜市の視察も計画しました。小浜市では食育の大切さを理解し、食に関する条例が制定されていて、食育を普及するために食育館も設置されていると伺いました。
 是非とも現地を伺うことで食財に恵まれた和歌山県も見習いたいと考えています。

【御坊大会】
 御坊市内の大会にお招きを受け、挨拶と報告をさせていただきました。報告の概要は次の通りです。

 こんにちは。皆さん方には日ごろからお世話になりまして誠にありがとうございます。また本日参加された皆さま方、ご家族の皆さん、ご友人の皆さんにも今年は特に大変お世話になりました。皆さんからのご支援のお蔭で初めて県議会に送り出していただきましたこと、改めて感謝申し上げます。本当にありがとうございました。議会活動は当選することが目的ではありません。当選させていただいた後、私達の生活の向上、安定のために行政の場に生活者である我々の意見を持ち込むことが基礎にあります。そのため皆さんとの普段からの報告会や意見交換会、問題提起が根本にあるべきだと思っています。県議会は決して生活とかけ離れたところで論議されている訳ではありません。私達が将来に亘って安心できる地域づくり、安心して生活を過ごせる地域づくり、そして生活レベルの維持、向上を図ることを目的として議論を行っているのです。

 それは条例という形で、そして予算で反映されることになります。条例とは地方自治体が法律以外にその地域特有のルールを定めたもので、私たちの地域社会が成り立っていることから本質的な社会のルールは固定化されていいます。つまり基本的な条例は既にある状況で、後は私たちが生活をしている中において不都合や不具合が生じている場合、いまある条例を改正していく訳です。条例改正は何も議員が勝手に自分達の都合で変更するものではありません。そこには生活者の意見や働く者の意見を良く聞き、議会の場に満ちこむことで、どうのように条例を変えていくべきかを話し合うのです。ですから本日のように皆さんと向き合うことで意見を伺い、議会活動に反映させていくことが議員の大きな役割なのです。まさに生活と議会は結びついているのです。

 そして和歌山県議会で中期的に議論しているのが、新しい知事らなって策定途中の新長期総合計画があります。そして来年から施行を目指している和歌山県の景観条例、地震対策を初めとする防災対策のあり方についても議会で議論されているところです。これらの課題に関しては、平成19年9月議会でも議論されていますし、年末の12月議会、そして平成20年2月議会でも議論し、試行に向かっていく予定です。

 これらの諸課題には皆さんの意見を取り入れる機会がありますから、意見を頂戴したいと考えています。議会とは社会の秩序の形成と予算の配分を行う場でもあり、その目的は安心して暮らせる地域づくりと生活の安定にあります。引き続きまして、これまでと同様、皆さんからの意見をいただきまして、一緒になって県議会に臨みたいと考えていますので、よろしくお願いいたします。
 本日はありがとうございました。
 
【防災対策】
 和歌山県では東南海・南海地震の発生が言われていますが、それ以外にも中央構造線が走っている和歌山市での直下型地震の確率も指摘されています。そのため建物の耐震診断や耐震補強を順次行っているように震災への備えを怠ってはいませんが、屋外対策と比較して屋内対策は講じられていないのが実態です。地震による生命への影響は、建物倒壊の危険性と屋内の家屋などの倒壊を比較すると、阪神・淡路大震災の例からも後者の方が生命への危険度は高いのです。

 ですから防災対策は、建物50%、屋内対策50%の比率で実施することが適切なのです。大きな震災が起きた後、建物は無傷だったけれど、家庭においては箪笥やテレビが倒れてきた、学校や会社では本棚やロッカーなどが倒壊したため人が傷ついたり、生命の危機に晒されることもある訳です。防災対策の方法を誤ると、建物が残ったけれども生命を落としたなど本末転倒な話になります。

 防災の専門家は少ないのですが、しっかりとした方針に基づいて防災対策を講じる必要があります。特に和歌山県では他人事ではありません。
 そこで来週末には、静岡県から防災のプロの方が和歌山県を訪れてくれることになっています。行政機関への挨拶も行いますが、来県の主な目的は、普段から活発に災害対策に取り組んでいる市内の自治会を訪れて、まだ手段が講じられていない屋内対策のあり方について講演してくれることにあります。静岡県は災害対策の先進地です。先進地で活動している指導者の考え方に触れたいと考えています。

【その他の活動】
 策定中の景観情景に関する打ち合わせ。関係する会社への景観条例の説明。障害者の雇用問題について打ち合わせ。ピンクリボン活動について協議。下水道の汚泥対策について。災害に備えるための雑木林の伐採について、などでした。それぞれについても解説を加えたいところですが、ある程度内容が固まった後に改めて記します。
10月8日(月) 「お店作り」
 先日、和歌山大学の学生達が期間限定ですが飲食店を始めることを記しました。生きた経営を学ぶために自らが飲食店を経営する経験は歓迎すべきことだと思います。ただ飲食経営をした経験のない学生が全ての運営を実施するのはプロから見ると指導したくなる点があるようです。

 例えば、外から見ると店舗がカフェであることが分からないことです。元々靴屋さんでしたから作りがカフェらしくないのですが、そこには工夫が必要だとの指摘がありました。この飲食店経営者は学生の店Withを探すのに10分程度歩いたのです。案内が分からないこと、注意すると案内板がありましたが、ストレートにカフェだと訴えてことないことがありました。夏になるは冷たいアイスコーヒーのポスターが店舗前に貼られていると、その前を歩いた場合、つい飲みたくなる衝動に駆られます。冬の寒い時期にぜんざいのポスターが掲げられていると、これもついそのお店に入ってしまうことがあります。視覚に訴えることも必要なのです。

 店舗作りには二通りあると聞きました。ひとつは外観と内装が一致していること。例えば、高級店の作りをしている店舗には入っても高級感、清潔感があることをお客さんは求めています。サービスレベルも同様です。高級店に入って、期待通りの高級感を味わえるお店作りがひとつです。
 ふたつ目は、外観と内装を全く違う仕様にすることです。安っぽい作りの外観のお店なのに、入ると高級感漂っている店舗。お客さんの期待を良い意味で裏切る形の店作りの方法もあります。

 東京などではふたつ目の手法を採り入れた店舗作りもあるようですが、和歌山市のような地方都市ではその方法で集客することは難しいのです。やかり店舗の第一印象と同じ内容のお店作りをすることが正攻法だと言えそうです。
 今回の学生達のカフェの場合、内装をカフェらしくしているのですから外観もカフェらしくする方がお客さんに分かり易いのです。特に金曜日から日曜日までの曜日限定の開店ですから余計に外観と内装を一致させた方が良いとのアドバイスがありました。

 また少し専門的ですが、小売店がリスクを避けようとすると、仲介人から商品を買い取らない方法があります。これだと一定期間お店に並べて売れなかったとすれば、仲介人が商品を引き取ってくれますから小売店にはリスクはありません。しかし問題があります。何時でも引き取ってくれると言うことは、どの地域でも、どの場所でも、何時の時期でも、販売が可能な商品であることを示しています。つまり、一般的で個性のない商品となりやすいのです。そのためそれらの商品を陳列台の80%も占めるような小売店にはお客さんは来てくれなくなります。

 そこで小売店では買取りの商品も必要になります。買い取り商品は売れ残っても引き取ってくれないリスクがありますが、流行のものや売れ筋の商品となっています。そこで小売店では、売り筋のものを主要製品として扱い、残りを一般的な商品を揃えることになります。お客さんにとって、商品を眺めることも来店の目的でもありますから、売れ筋の商品だけではなく一般的な商品も必要なのです。

 そして大切なことは、小売店は仲介人が持ってくるカタログやお薦めの商品だけを揃えるのではなく、自分で他の店舗を訪れ良いもの、流行の物、これから流行りそうなものを見ることが大切です。和歌山市のような地方都市からすると、時には東京に仕入れと流行調査に行くことが必要なのです。
 これをするだけでも店作りは相当違ってくるようです。初めての体験で大変なことが多いでしょうが、この経験は将来役立ちます。来年1月まで頑張って下さい。
10月7日(日) 「運動会」
 和歌山市内の公立小学校では運動会が開催されたところが多いと思います。地元市立宮小学校に行ってきました。子ども達の元気な演技や競技を見ていると、応援している内にこちらが元気付けられますから不思議です。大人になると無理なことは自分の中で知っているので自分で限界を作ってしまっています。実は可能性を思い描くことで行動に移すなら限界はないのですが、社会での経験から自ら心に高い壁を構築しているので、挑戦する前に止めてしまうのです。

 ところかが小学生の演技は違います。一学期の後半から練習してきた器械体操が運動会で成功させる程に成長しているのです。代表して挨拶した小学生によると、最後の練習でも出来なかったことを本番で成功させることが出来たのです。小学生の成長の速度は以上です。ゴールデンエイジとも言われるように、この時期の体験が後々、影響を及ぼすことになります。
 器械体操の種目、特に組み体操になると演技は難しいのですが、次々とやり遂げて行きます。明らかに、かなり練習した姿をそこから見ることが出来ます。器械体操に挑戦する小学6年生にとって最後の運動会です。中学生になると保護者の応援は極端に少なくなりますから、保護者と過ごす最後の運動会とも言えます。

 必死に成功させようとしている姿に思わず声援を贈りたくなります。成功の影に失敗がある。それを呼び覚ましてくれるような姿に触れました。そして最後に歌われたのが運動会の歌です。和歌山市内限定の歌だとも言われていますが、私も小学生の運動会では歌いました。「緑の風に朝を呼ぶ 仰ぐ青空心は踊る ああ夢わく日楽しく集い 花と開く運動会 いざ友よ 希望明るく手を組んで 明日の日本を背負うのだ」という歌詞です。

 小学生6年生の秋と言えば、修学旅行そして運動会と楽しい行事が続き、その後は勉強を中心とした学校生活となり翌年卒業を迎えます。自分の小学校6年生のことは今でも覚えていますが、運動会が終わる時期は、丁度、入り江から船で出航したところのイメージです。まだ陸地もありますし、遠くには青く無限の海が広がっています。行く方向は定まっていませんし、どこにでも舵を切ることが出来る、確かに可能性は無限にある季節です。
 ところが大人になると航海は一変します。今なお、広は海原をこれから向かう方向も決まらずに彷徨っている状態になります。出航してきた港もみえませんし目的とする陸地もまだ見えません。

 この場合、引き返すことよりも前進を選択するのですが、ある時期になれば目的地を地図で示す必要があります。航路図がないと何時まで経っても彷徨っている他ないからです。それに気付いた人の航海の推進力は向上します。長い航海を終えて早く希望する目的地に到達したいとの思いが夢の原動力になるのです。
 小学生の時代に、夢を描くこと、それを書き記すこと、その夢と夢を書いた紙を何時までも持ち続けることの重要性を知ることが出来たら、どれだけ早く目的地に辿り着けるのでしょうか。進路は自分で決定し、具体化させ、自分で進まなければなりません。

 運動会を終えてこれからは、卒業集作成のために記録や将来の夢を考える時期に入ります。私の小学校の時は、余り考えないで思いつきで将来の夢を綴りましたが、「医者になりたい」などの夢を描いた友人は、今ではそれを現実のものにしています。夢を書く最初が小学校の卒業集だと思います。港から出航する時期、今から目的地を考えそして明確にしておきたいものです。方向の分からない海原で進路を考えるよりも、自分の位置が分かっている時期にこれからの進路を定める方が決め方は容易ですし、目的を達成する時期も早くなります。
 それがどれだけの意味があるのか、年齢を重ねると実感することになります。
10月6日(土) 「カフェ・ウイズ」
【大会】
 本日午前は関電労組和歌山支部の定期大会が開催されました。お招きいただき挨拶をさせていただきました。主旨は次の通りです。

 おはようございます。本日は第43回の定期大会ご盛会、誠におめでとうございます。また春の統一地方選では皆様方には大変お世話になりましたこと、改めて御礼申し上げます。ありがとうございました。
 皆さんから県議会に送り出してもらってから6月議会、そして9月議会と二度の県議会を経験させていただきました。和歌山県の最重要課題である企業誘致の問題、地元からの産業創造の問題についても提言させてもらっているところです。また県議会では向こう10年間に及ぶ県の長期総合計画の策定や来春の施行に向けて検討されてるい景観条例などが議論されています。これらの県の課題は、比較的中期的なものですから、時間をかけて検討、修正されていきます。私達の意見を届ける機会がありますので、私達の生活や仕事にも影響を及ぼすものですから、是非とも皆さんからの意見をお伺いさせていただきたいと考えています。民意を言葉としていただき、議会の場で発信することが議員の役割です。積極的に意見をお寄せいただきたいと思っています。

 さて昨日まで三日間、県議会経済警察委員会の視察に行ってきました。行き先は県内の企業用地視察と島根県でした。和歌山県も数々の指標が40番台ですが島根県も同様に位置しています。ここでは企業誘致活動について、商店街の活性化について、そして世界文化遺産の活用を初めとする観光についての視察と意見交換を行ってきました。
 何故、島根県なのか。それは和歌山県よりも都心から離れているなど比較的企業誘致には不利な地域であるにも関わらず、皆さんも知っている大手企業の富士通、島津製作所、そして村田製作所の誘致に成功させているからです。何か秘密があるのか。そして中心市街地の商店街通りではシャッターが下りている店舗が多いのですが、まちづくりの株式会社を作って再生に取り組んでいるところがあるからです。これらの島根県の活動は和歌山県に置き換えても参考になると思っています。

 さて企業誘致活動、まちの再生への取り組み、そして観光施策に関して共通していることがありました。それは関係する人の熱意でした。秘密とは熱意なのです。熱意で地域再生や企業誘致が出来るのであれば簡単なことだと思いそうですが、実際はそうではありません。熱意のある人が登場する、そしてその輪が拡がることが重要なのですが、これは結構、難しいことなのです。ただ言えるのは、熱意のあるところだけが再生の過程を辿るのでしょうが、熱意のない地域は決してそうならないことです。和歌山県も負けないようにこれらの取り組みに向かいたいと考えています。

 さて島根県の熱意に負けないのが、皆さんの組織なのです。団結力、地域をリードして行く力など、構成員の熱意がないと維持出来るものではありません。長い期間に亘って熱意を維持していることが組織を維持し、そして今なお活性化に向かわせているのです。これからも熱意のある組織であることを心から期待しています。
 最後になりますが、本日、活発な議論を通じて活動方針が樹立されますことを心から祈念いたしまして、お祝いの挨拶とさせていただきます。本日はおめでとうございます。

【カフェ・ウイズ】
 和歌山大学の学生が教師と一緒になって空き店舗を活用したオープンカフェ「With」を始めています。場所は中心市街地であるぶらくり丁の中です。元は靴屋さんでしたが店舗閉鎖していたところに、和歌山大学の学生が中心地活性化のために空き店舗を活用したカフェを店主に提案したところ、受け入れてくれ9月から営業を開始しています。尤も営業と言っても運営主体は学生ですから、開店させるのは金曜日、土曜日、そして日曜日となっています。

 教師と学生が中心となり、カフェを運営していますが、これは学生達が空き店舗を活用した営業企画と運営体験、そしてお客さんと応対する体験により、まちづくりを学ぼうとするものです。まちを再生させるための講義は大学でも行っていますが、実践する機会を提供している大学やゼミは少ないのではでしょうか。そのため参加する学生にはアルバイト費用は支払われていませんし、大学の単位認定もありません。学びたいと思う学生だけが集まって運営しているのです。

 本日は11時の開店前にお邪魔しましたが、開店前のミーティングを行い、昨日の反省と本日の行動テーマを確認しあうなど、学習ではなく実践であることが伺えました。日別の企画も盛り沢山で、地域と一体となって和歌山を盛り上げたいとする気持ちが伝わって来ました。
 今日は和歌山大学の先生と、このカフェを支援したいと申し入れのあった飲食店経営者と一緒に盛り上げ方を話し合いました。店の構成、メニュー、地域との関わり方などについて意見交換を行い、具体的な支援方法については個別に協議をすることになりました。

 地元大学と地域の挑戦です。カフェ「With」、学生達の挑戦の場所です、一度訪れて見てください。場所は和歌山市本町二丁目です。二軒隣には紀州レンジャーショップ「KRaOS」もありますので、是非とも和歌山県のキャラクターのお店も覗いて見て下さい。最近は東京からのお客さんや他府県からのお客さんのショップに来ているようです。是非とも、地元からも盛り上げて行きたいところです。

【懇談会】
 和歌山県を活性化するための会合を持ちました。地域内で製作できないものであっても、他地域の技術と和歌山県から提案する企画を融合させたら、和歌山県発の産品を作れるのではないかとの意見がありました。県内で完結するものが理想ですが、より良いものを輩出させるためには地域を越えた連携も必要かも知れません。可能性を求めることにして、次回の打ち合わせでは県外から某大学教授に来ていただき助言をもらうことにしました。
10月5日(金) 「委員会視察三日目」
 経済警察委員会視察の最終日は石見銀山です。ご存知の通り、平成19年6月、日本で14番目の世界文化遺産指定されたところです。参考までに和歌山県の熊野古道を初めとする紀伊山地の霊場と参詣道は日本で12番目の認定を受けています。

 さて石見銀山遺跡は、島根県のほぼ中ほどにある旧温泉津町と旧仁摩町を含めた大田市の広い範囲に分布しています。その中心となる大田市大森町は、JR山陰本線大田市駅から約11kmの南西部にあります。また石見銀山遺跡は、地元の方々の生活と自然環境を守るため、石見銀山駐車場を拠点としたパーク&ライドを実施しています。ここで循環バスに乗り換えて龍源寺間歩などに向かうのです。

 ところで、銀を掘るために掘った坑道を間歩(まぶ)といいますが、石見銀山に約500も存在する間歩の中で、現在のところ一般公開されているのは龍源寺間歩のみです。本日はその龍源寺間歩に入りましたが、見学できるのは約150mで、その奥にあるアリの巣のように掘られている坑道は見ることは出来ませんでした。

 世界文化遺産になると多数の観光客が訪れます。本日も循環バスが行きも帰りも満員になるなど本当に大勢の方が来ていました。世界文化遺産登録前は、地元の人でも余り訪れなかったそうですが、現在は休日になると交通渋滞が起きるほどになっています。これも世界文化遺産効果です。熊野古道共々日本の文化を守っていく地域にして欲しいところです。印象としては自然の中に潜む日本の伝統の跡地と言ったところです。これまでは民間の資料館を設立した団体など一部を除いて余り注目されていなかったようですが、江戸時代の銀文化の歴史が注目されるようになっています。見せるよりも学ばせてくれる世界文化遺産だと感じました。

 本日で視察は終了しました。今までの視察の中で最も充実していていたと思います。そして島根県でのおもてなしは素晴らしいものでした。私だけではなく視察メンバーは全員島根県のファンになったのではと思うほどです。結局、県の印象を決定付けるのは観光施設や自然環境ではなく、誰に会ったかです。タクシーの運転手さん、バスガイドさん、そして県で応対してくれた方、ホテルのスタッフ、観光地で出会った皆さん、これらの全ての人のおもてなしの気持ちが訪れる人にとっての島根県なのです。心の中でそれらの出会った全ての人の印象を総合して、その地域が好きになるかそうならないかを決定します。
 おもてなしとは、金銭でもサービスでもなく、他府県から来た人に対応する地元の人の気持ちだと言えます。気持ちのこもった言葉、態度は全て伝わります。島根県には、島根県を誇りに思っている人がいましたし、その気持ちを伝えてくれる言葉がありました。本当に素晴らしい体験でした。

 和歌山市に帰ってからは、ライオンズクラブの合同例会に出席し、その後、本日昼間に開催されていた関電労組和歌山支店支部定期大会終了後の懇談会に参加してきました。
 ここでも熱い気持ちを持ったメンバーがいます。和歌山県も大丈夫、そう確信しました。
 私は公務のため支部大会には出席出来ませんでしたが、議長、副議長がメッセージを代読してくれました。それも単に読むだけではなく、議長が一言二言、自分の言葉と気持ちを添えて代読してくれていました。私のメッセージは次のようなものですが、大会での伝わり方は、これ以上のものになっていると思っています。本当にありがとうございました。

 ご挨拶
 和歌山支店支部大会のご盛会、誠におめでとうございます。心からお祝い申し上げます。また今春の統一地方選においては、組合員の皆様方を初めご家族、ご友人の皆様方には大変お世話になりまして、ありがとうございました。改めて御礼申し上げます。
 さて本日は、公務として県議会の経済警察委員会の調査のため支部大会を欠席させていただきますこと、心からお詫び申し上げます。
 今回の調査は橋本市の企業団地、企業誘致に取り組んでいる同規模県である島根県の企業立地課などを訪問しております。私も県議会で企業誘致活動や産業の創造を重要テーマとして訴えているところでして、橋本市への企業誘致は最重要課題として取り上げているところです。今回の委員会視察の成果を反映させ、今後の働き掛け更に強化させたいと考えていますので、組合と会社にも成果を反映できるものだと思っています。
 秋口には県政報告会を実施させていただきたいと思っていますので、その席で今回の成果などを含めてお話させていただきますので、どうかよろしくお願いいたします。
 代議員の皆様方におかれましては、活発な提言とこれから一年間の有意義な活動方針を樹立していただきますよう、心よりお願い申し上げます。
 最後になりますが、今大会を持ちまして、書記長であります松田さん、そして濱崎さんが退任する予定だと伺っています。お二人は若い活動家で支部活動の中心的役割を担って支えてくれていました。今春の統一地方選においても、組合員の皆さん、執行部を初めとして、お二人の支援活動に頼ることで、成果を出すことが出来たものだと深く感謝しているところです。
 それぞれのご事情により退任されることだと思いますが、一抹の寂しさを感じています。是非とも職場でも中心的役割を果たしていただき、また支部にも顔を出していただきたいと思っています。今後益々のご活躍を心から期待しています。本当にお疲れ様でした。
 また新しい執行部として、支店支部の活動が益々活発に、皆さんの身近なものになりますことをお願い申し上げ、挨拶とさせていただきます。
 今後ともよろしくご指導いただきますようお願い申し上げます。
10月4日(木) 「委員会視察二日目」
 本日は最初に松江天神町商店街を訪問しました。この商店街は松江市の中心地ですが、シャッター通りとなり人通りが少なくなっています。そのため地元商店主達がまちづくり株式会社を組織し、当初の目的であった商店街の活性化から、現在は商店街を中心としたまちづくりに活動の目的を拡大した取り組みをしています。

 商店街活性化のためには人に集まってもらう必要があります。そこで高齢化した地域の特性を活かして高齢者が集まれる仕掛けをしています。
 具体的には、商店街の空き店舗を利用して高齢者が集まれる場所を設置したこと、信仰の対象を作ったことです。天神町で唯一の信仰対象の白潟天満宮で仕掛けを考えたようです。そこで天神さまとは学問の神様であること、そこから頭の神様へと発想を飛躍させ、最終的にはボケ封じを売り出そうとなり、白潟天満宮の宮司の協力の下、天神様に高齢者のボケ封じの神様である「おかげ天神」を建立したのです。近隣の方だけではなく遠方からもボケ封じを願って来てくれるようになりました。

 そして商店街の活性化に関しては、楽しくそして安全にショッピング出来るよう歩行者天国として天神様の縁日をスタートさせました。月に一度は来てもらえる仕組みを作り、商店街の活性化が図れたのです。

 しかし一過性のものでは真の活性化につながらないため、現在のテーマはまちづくりに及んでいます。島根大学や地元自治体と連携を図りながら、現在進行形で住みたいまち、暮らしやすいまちを目指した活動を続けています。
 続いて島根県庁企業立地課を訪問しました。ここには企業立地課参与の福間敏さんが在籍しています。行政機関で企業誘致活動に20年間携わり、この間に村田製作所、富士通、島津製作所を初めとする25社の企業誘致を成功させています。

 その一端を伺うことが出来ました。企業誘致活動には近道はありません。条件で他地域と競い合っても有利とは言えませんから、「島根県には面白い人がいる」と企業に思ってくれるだけでも良いので、人の売り込みから始めました。企業訪問活動が基本ですが、何もないのに訪問しようとしても会ってもらえません。会ってもらえる方法はひとつ。訪問して話をするネタが必要だと言うことです。話のネタと言ってもプロ野球の結果やゴルフではありません。島根県に来てもらいたいのですから、島根県の歴史や文化、そして売り物をネタにする必要があります。そこから島根県に興味を持ってもらい、そこから企業誘致活動が始まります。と言うよりも、島根県の売り込み自体が企業誘致活動だと思います。難しいことから始めるのではなく、自分達の県のことに関して熱意を持って訴えることが第一で、そして熱意は最終の方法です。諦めないで何百回も企業を訪問する、そのためには面白い人が面白いネタを持ってきてくれると思ってもらえることなのです。そのような決して諦めない熱意を持つことで、後々にまで続く出会いを作れます。つまり出会いをどう作るかが決め手なのです。

 かつて坂本竜馬が勝海舟と会った時、世界観が変わったと言います。小さな地域のことに収まらずに大きな世界を大きな視点で見ることの大切さを学んだのではないでしょうか。それが薩長連合につながり近代日本の基礎を作っていくのです。
 つまり勝ち組との交流をしていけるレベルまで、自分を引き上げることが重要なポイントです。勝ち組の企業と話をしようとすれば、同じ誘致する側が同じレベルに立つ必要があります。東証一部上場企業の勝ち組と地方が話をするのですから、レベルを一段引き上げることが企業に来てもらえるための最低限の条件です。
 インフラ整備や条件の良い土地などが求められますが、そこに辿り着くまでには折衝する人と熱意が勝負です。簡単なようで易しくない条件だと思います。

 本日の最後は出雲市子ども支援センターの視察です。ここでの仕事は、第一に子どもに関する総合相談を実施しています。県内の様々な困難を抱える子どもやその保護者の相談を受けると共に、必要に応じて専門の相談機関を紹介してくれます。
 第二に子どもに必要な支援として、支援ボランティア(継続支援委員)のネットワークを作り、それぞれの専門分野 から子どもに必要な継続支援を行い、相互の情報交換や知識・技能の向上を図っています。また、支援ネットワークのボランティアが、相談員と連携して相談に応じカウンセリングや就労体験支援など必要な支援を行い、問題の解決を図っています。
 第三に街頭補導「街かど声かけたい」の活動です。地区少年委員などが、日常的に通学路などで子どもとコミュニケーションを図っています。街頭パトロールで声掛けを実施することにより子どもを支えています。

 最後は環境浄化活動です。青少年に有害な社会環境の浄化を目的として、青いポストを出雲ドーム駐車場横、出雲体育館前および平田文化館駐輪場に設置し、有害図書やビデオなどを 毎月1回定期的に回収しています。
 全国的にも珍しい県と市、そして県警察が連携した青少年支援活動を行っています。この成果を受けて、近い将来全国的に展開する動きもあるようです。
 全ての活動を拝見して感じたことは、熱意を持った人が主体となった活動は成功に結びつく可能性が高いと言うことです。地域を動かすのは熱意を持った集団なのです。そしてそれを邪魔しないで支援する人がいることです。個人レベルではなく全体の利益を考えることが出来る地域は発展していく地域であると感じました。

 決して地理的には恵まれていない島根県ですが、熱意を持った人か各界にいることから、これからの飛躍は当然のことだと、今考えています。人は何物にも変えがたい地域の財産です。熱意ある人を大切にすること、周囲からその熱意を消さないことも大事なことです。
 和歌山県では感じ取ることが出来ないことで、他の地域、そして活動している人から学ぶことはたくさんあります。
10月3日(水) 「委員会視察」
 本日から三日間の行程で私の所属する経済警察委員会の視察です。行き先は和歌山県内と島根県。本日は県内視察で、最初に和歌山産業技術専門学院を訪れました。

 この和歌山産業技術専門学院は県立で、職業能力開発促進法に基づき設置される公共職業能力開発施設の位置づけです。専修コースは自動車工学科、理容科、メカトロニクス科、情報技術科、建築工学科、デザイン木工科、総合実務科、観光ビジネス科、溶接板金科から成っています。特徴的なものとして、平成19年1月から開設した知的障害者の方を対象とした総合実務科があります。スーパーなどでの商品の仕分けやパソコンの活用などを1年間の期間で学ぶコースです。来年1月に卒業生が誕生しますが、既に半数以上の生徒の就職が決まっているなど、実習や陳列商品の提供など地元スーパーの協力を得ながら学習しています。

 知的障害者の方の就職について県が取り組みを開始し、また就労に理解を示してくれる地元企業があることに感謝するばかりです。
 また溶接板金科では技術の伝承を目的としています。ここの卒業生は技能レベルが高いため、生徒全員が就職しています。それどころか在校の時から地元企業などから就職の誘いがあり、企業からの要請に応えられない程です。日本を支えている技術者が不足していると聞くことがありますが和歌山県でも同じ状況です。地元企業を支えているのは技術者の方々ですから、これからの地域の企業を支えてくれる人材の輩出を期待したいところです。課題は、近年の高学歴化のため技術者を希望して入学する若い人が少ないことです。若い人材が欲しいところですがどうしても技術者不足の傾向になっています。

 続いて橋本市隅田町にある県の企業用地を視察しました。造成面積は60,000坪、造成は平成19年7月に着手しており、平成20年7月に完成する予定です。事業は和歌山県と都市再生機構の共同事業となっています。
 大規模な企業の立地が可能な橋本隅田用地について、独立行政法人都市再生機構との共同開発事業により、造成を行うことで、内陸部の大規模企業用地を早期に確保し、企業誘致の促進を図ることとしております。

 この企業用地造成に関しては、平成19年6月県議会で2億6,500万円の債務負担行為の設定を承認しています。このうち約2億1,200万円は、この橋本市にある隅田用地共同開発のためのものでした。既にこの隅田用地の北部用地には4社から5社の引き合いがあり、南側の大規模用地にも県外の企業への誘致活動を行っているなど、企業誘致の期待が持たれています。近くを京奈和自動車道が通っているなど、大阪府や京都府などへの交通事情も良く、可能であれば電子部品製造業などの企業を誘致したいところです。

 和歌山県では企業誘致活動に力を注いでいますが、橋本市の隅田用地はインフラも先行して整えている地域であり早期に企業進出を図りたい用地なのです。
 夕方からは次の視察先である島根県に向かいました。伊丹空港から出雲空港へと飛び立ちました。宿泊先の松江市内には夜に到着し明日に備えました。和歌山県から島根県は移動する時間が長いため今まで訪問する機会はありませんでした。ところが東証一部上場企業を誘致しているなど、県を挙げての取り組みが成功している県なのです。道路事情や都心への距離、物流の容易さなどを考えると、決して恵まれているとは言えない地域ですが、企業誘致の実績から学ぶところがあると思います。明日の視察に期待して本日の行程を終えました。
10月2日(火) 「エネルギー問題」
【エネルギー問題】
 エネルギー問題と環境問題に関する打ち合わせを実施。これに際して兵庫県から専門家に来ていただきました。エネルギー需要の増加と環境の問題は相反する事柄を両立させる必要があります。生活水準を維持、向上させるためには豊富なエネルギーが必要ですし、環境保全を重視するならエネルギーの使用を抑える社会形成と生活の見直しが求められます。両立は困難な問題ですが、世界レベル、国レベルとしては環境保全に向かっていますが、生活者としては安全と快適をもとめる傾向が益々強くなっています。環境保全の考え方は理解するものの実践は難しいと言うのが本音だと思います。

 さてエネルギー需要の増大への期待に応え、そして環境保全を図るしくみが循環型社会の基だと思いますが、これが出来るのは日本の技術だと考えています。環境への取り組みの先進国として、エネルギー供給と環境保全技術を世界に向けた発信が大切なことだと思いますし、それは出来るものだと考えています。
 そして出来るものであれば、他府県に先駆けて和歌山県が新しい技術を採用し環境先進県としての取り組みを全国に発信したいものです。

 今日の打ち合わせにおいては、和歌山県の自然環境からするとエネルギー供給と環境保全の両立は充分可能性のある取り組みであり、他県でも同様の考え方を示しているところもありますが、自然と文化が育んだ世界文化遺産のある和歌山県から環境問題を発信することに意味があると思います。
 20世紀の消費優先の技術ではなく、循環型の技術を採用し更に環境保全に取り組む姿勢を和歌山県が示したいものです。来週には更に具体かさせるための話し合いを行う予定です。

【各種協議会】
 和歌山市と岩出市を結ぶ和歌山バイパス、そして紀ノ川の保全に関する協議会が開催されそれぞれ出席いたしました。和歌山バイパスの四車線化が完成し、両市を結ぶ交通は飛躍的に改善されました。また紀ノ川の治水対策事業について計画を確認することが出来ました。

【問い合わせ】
 電車で岩出市から大阪府に出ようとすると、JR阪和線紀伊駅を利用することが多くあります。また県外のお客さんが岩出市にある企業を訪問しようとするとその玄関口はJR紀伊駅になるため企業から車で迎えに行きますが、長時間停車する場所がないので不都合があります。そのためJR紀伊駅の北側に新駅または北改札を設けて、駅前をロータリー化するなどして、和歌山市と岩出市のひとつの玄関口として活用出来ないかと意見提議がありました。県外のお客さんからすると、電車から降りた駅の印象が和歌山県の印象につながることがありますから、ハード整備も必要だとする意見です。
 この計画は見たことがありませんし、果たして案があるのかどうか分かりませんが、調べて見たいと考えています。

 またJR和歌山駅近くの美園商店街の活性化と、南海電鉄和歌山市駅商店街の活性化に関しても問題提起がありました。いずれも電車で来られる方にとって和歌山市の玄関口ですから印象の良いものにしたいところです。両地点ともに既に商店街として完成した地域ですから再開発の難しさがあります。商売上の問題や居住の問題などがありますが問い合わせに関して可能性調査を行いたいと考えています。

【意見交換会】
 夜は議員の意見交換会に出席しました。議会などの期間を除くと議員同志は日頃交流する機会は少ないのです。そこで和歌山県の課題と今後の姿について、取り組むべき政策について、将来のために考えておくべきことなどについて話し合いました。今日を機会として、今日集まったメンバーで年に数回程度は県の課題解決のために意見交換会を実施することに決定しました。
 
【その他】
 和歌山県景観条例について、ぶらくり丁のオープンカフェ事業について、野球独立リーグ構想について、そして県の組織としてのNPO支援体制の今後について、などの話し合いを行いました。

 そして本日は46回目の誕生日だったのです。一日中、走り回っていましたので、帰宅は夜遅くになり、残念ながら誕生日らしい一日ではありませんでした。10月2日が私の誕生日ですが、実は年は違いますが同じ10月2日に、私のおじいさんが戦死したそうです。両親からすると、誕生日が同じことから父親の生まれ変わりのようで不思議な縁を感じたと聞いています。志半ばで人生を終えた祖父のやり残したことも含めて、私に何か課せられているような気がします。もう46歳になりました。志を忘れることなく、それぞれの思いを実現させたいと考えました。
10月1日(月) 「新年度」
 10月の今日から一般的に企業会計では新年度、そして衣替えの季節に入りました。9月までは秋といっても夏のような気候でしたが、今日からは冷え始め、一気に秋らしくなってきました。

 午前は情報交換会を行いました。新年度に入り県下の動向を再確認いたしました。やはり県下の経済情勢は気になるところです。和歌山市や紀ノ川筋では企業の進出計画があるなど上向き加減の様子が伺えますが、まだ紀南地域までには波及していないように感じます。和歌山市では旧丸正ビルを活用する和島興産の運営するフォルテ、そして和歌山大学観光学部開設、中心地のマンション計画など明るい動きがありますが、田辺市では現在、中心市街地活性化基本計画を策定しているところですから、何としても民間活力を呼び込めるような計画に仕上げて欲しいと願っています。

 ただ基本計画に関して次のような意見がありました。
 和歌山市の中心市街地を活性化すると言っても、市場規模が同程度であればパイの奪い合いに過ぎないので、和歌山市が活性化することはあり得ないのです。本当に活性化を図ろうとすれば、市場を拡大させるような計画の中身が必要です。大阪府から、そして近郊の市町村からお客さんに来てもらえるような魅力的な企画を打ち出さないと、経済規模は拡大しませんし、その結果、中心地が栄えたとしても周辺部が停滞するだけに過ぎないのです。単に市場の位置関係を移動させるだけの基本計画であれば、そこに税金を投入することは好ましくない、との意見です。

 目指すべきは市場の拡大と、県外からお客さんに来てもらえるしくみ作りです。今回の計画はまず中心地の再生を図り、定住人口を増加させることで市場規模を拡げようとしています。勿論、市外、県外からの居住者や、お城を中心とした仕掛けにより観光のお客さんや地元の集いの場を目指しているのですが、市民の皆さんの期待感はそれ以上のものがあります。期待通りの結果を出すことは素晴らしいのですが、期待以上に結果を出すのがプロの仕事です。プロが書き上げた中心市街地活性化基本計画ですから、期待以上の成果を5年後には出したいものです。ここに資金を投入して正解だったと言ってもらえるように。

 午後からも会合を持ちました。和歌山県議会を更に活性化させるために、新人議員が慣例に捉われることなく活動して欲しいと要望をいただきました。当局側と議員が議論しあえる関係を待ち望んでいる様子で、どちらかが欠けても県政の舵取りはうまく行かないからです。建設的な意見交換からは良い意味での修正を行えることになりますし、お互いで精度の高い和歌山県を作りたいと話をいただきました。

 そして夜には、本日、新規開店したお店の開店式典にお招きいただきました。テープカットにお招きいただき、また関係者の皆さんとの懇親の場にも参加させていただきました。オーナーを初めとする皆さんに感謝申し上げる次第です。飲食業界を活発化させることは、市を活性化させることです。人は誰でも食をして生活していますから、食に元気がないとすればそのまちは停滞しているのです。和歌山県の誇る安全で安心出来る食材、そして市場から近く新鮮な食材を活用した、和歌山の食にも注目です。

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