8月31日(金) 「復帰」
【復帰】
 おかえりなさい。以前に応援メッセージを贈ったのですが、Tさんが左目の癌手術から立ち直って仕事に復帰してくれました。本当におかえりなさい。朝一番の連絡は嬉しさで一杯にさせてくれました。体力が回復し、心配していた精神力も蘇り、ずっと強くなっているようです。失明の危機、不安との闘い、放射線治療、そしてリハビリテーションと現場復帰、身体と心の回復、素晴らしいドラマです。
 これからの抱負も聞かせてくれました。パートナーの会社に役員として入り、自らの会社と共に活動する計画です。来月から本格的に復帰します。つまり明日9月1日が再スタートの日となります。これからの活躍を心から期待しています。そして和歌山県を元気にさせるような活動を一緒に出来ることを願っています。

【環境問題】
 地球環境問題への取り組みは、もう私達個人レベルでも関心を持ち、具体的な行動を起こすべき時期に突入しています。和歌山市内にある某寺院。ここの住職さんは地球環境を守ることも地域にある寺院として大切な役割であるとの認識を持ち、太陽光発電システムの導入を考えてくれています。何度かお会いし、また話していますが、本日は具体的計画を策定するための打ち合わせを行いました。寺院を見せていいただき、自然エネルギーを中心とした環境負荷を低減させるエネルギーシステムを提案する予定です。

 和歌山市内の寺院で自然エネルギーを取り入れているところは恐らくないと思いますから、初めての取り組みとなります。寺院が地球環境保全に取り組んでいることで、檀家の皆さんや地域の皆さんにも良い影響を与えてくれます。本日も総代の方が同席してくれて、意見も寄せてくれました。
 寺院の風格、そして環境を損なわないような概観と計画を提案することにしていますが、和歌山市の寺院から地球環境問題を発信してくれることは素敵なことです。環境立県和歌山に相応しい動きがあります。

 ところでこの寺院の玄関は北を向いています。広い境内なので、実は不思議に思っていました。理由を伺うと、このお寺は紀州徳川吉宗公が建立したもので、和歌山城を見守るために、和歌山城の南に位置するこの寺院の玄関は、和歌山城を向けた北向きになっているのです。そしてこの寺院が完成した三ヵ月後、徳川吉宗公は徳川八大将軍として江戸に旅立ったそうです。
 信心は自らの希望と願を天高く届けてくれるのです。歴史の陰に隠れた素晴らしい逸話を聞くことができ、地球環境問題への取り組みに対して、天は嬉しい心へのプレゼントをくれたようです。ありがとうございます。

【相談事】
 全国と同様、和歌山市内にも社会的ひきこもりの人が大勢います。明るくておおらかな和歌山市ですが、社会的問題は他地域と同様に発生しているのです。少しでも社会に復帰させるお手伝いをしている先生にお願いにあがりました。この問題は、本人が一番つらいのですが、家族や周囲の人の負担も大変なのです。公的機関に相談に行くことも出来ず、そして具体的な改善方法も分からない中で貴重な時間だけが過ぎていく、その流れを止めなくてはなりません。
 和歌山市には民間でカウンセリング活動をしている方が大勢いてくれます。本当に心強い限りです。難しい問題に今日も挑戦してくれています。そして今日の男の子は勇気を持って一歩を踏み出しました。問題の半分は解決したようなものです。おめでとう。

【中心市街地】
 中心市街地活性化に関しての話し合いを行いました。基本計画が国の認定を受けたことは、和歌山市に暮らす一人として素直に嬉しいことですしスムーズな進展を願っています。
 基本計画を実行するためには各関係者、関係団体、組織が連携をはかり、課題に挑戦する覚悟をもつ必要があります。基本計画実行に際して、不具合が生じたとしても誰の責任でもなく、全体の責任なのです。ですから和歌山大学に新しく観光学部が開設されることは人材育成にとっても、観光立県を目指す和歌山県にとっても、また地域活性化が大きな課題の和歌山市にとっても素晴らしいことですから、主体者である同大学が孤軍奮闘にならないように役割を決めて支援体制を整えて欲しいところです。

 本来は意思疎通が図られ、基本計画が認定を受けた直後から実行する体制に入るべきなのですが、未だに実行体制に入れていないのが大きな問題です。課題を先送りにしていたツケを帳消しにする時期が今になったのです。
 課題解決は早期に着手することが大切です。時期を遅らせると解決は段々と困難になってしいきます。観光学部の校舎をどこに配置するのか、基本計画が認定されたことで随分大きな課題となってしまいました。
 今は基本計画通りに計画が進行してくれることを祈っています。
8月30日(木) 「不安と法律」
【不安と法律】
 法律上設置に問題はなくても、常日頃から住民に不安を与えている公共施設があれば問題かも知れません。公共物が自然災害により倒壊し誰かの家屋を損壊させた場合、一般的には公共物の設置者に責任はないとされています。そして自然災害による家屋損壊などは火災保険に加入していても保障されないのが一般的だと思います。

 ところが住民が設置者に対して、日頃から不安の意を示していたのに、その不安を取り除くような施策を講じていないとすれば一体どうなるのでしょうか。詳しくは分かりませんが、住民が家屋に隣接する特定の公共施設に対して倒壊などの不安感を持っていることを設置者が知りながら、何の対策もとらないで放置していた場合、自然災害で本当に倒壊して家屋を損壊させたなら、問題があるように感じます。

 公共施設の設置者は、法律上の責任の有無よりも住民が感じる不安を重視した取り組みを講じるのが自然だと考えたいところです。日常生活に不安を感じながら生活することの精神的苦痛は第三者には分かりません。法律上問題はない、そして自然災害による被害があり、係争になったとしても勝訴出来ると考えて問題を放置するのは如何なものでしょうか。公共事業に携わる者としては、無茶な要求でない場合、そして到底、改善が不可能である場合などの特殊な場合を除き、住民の不安感を取り除くことが務めだと考えます。
 住民の不安を取り除く努力は、法律適用よりも優先させたいものです。

 本日、朝一番、住民の方からの申し入れに対する協議では、不安解に向けた意見に沿った迅速丁寧な応対をすることか出来ました。これは現場責任者が住民からの要望に対して、即座に責任ある回答を示してからです。

 責任回避は不信感を招きます。回答の引き延ばしは不安感を招きます。そして住民の意見を聞かない態度は信頼を無くします。事件の大半は現場にありますから、現場責任者の判断を机上にいる管理職は尊重すべきです。現場と乖離している管理職の判断は、その組織の社会的信頼を失墜させることになります。

 実際に現場を見て、そして住民から直接意見を聞いた人の判断は尊重すべきなのです。
 本日は難しい要望でしたから、朝一番に面談し、現場で解決方法を協議し、夕方には初期対応することが出来ました。このような迅速な対応は非常に珍しい事例ですが、現場責任者の決断による即答が住民の不安を解消させた最大の要因です。今後の参考にしたいくらい、即座に困難を解決させた事例でした。

【和歌山大学観光学部】
 活動報告に何度も掲載していますが、平成20年4月に和歌山大学観光学部設置が確実視されています。先日の地方紙にも記事掲載されていますから、認識している人も多いかと思います。本日は観光学部に関して大学と詳細な打ち合わせを行いましたが、問題点が浮かび上がってきました。以下に記します。

 平成19年8月27日に、和歌山市の中心市街地活性化基本計画が国の認定を受けたことで、中心市街地の再生に弾みがつきました。ところで本日、この基本計画の各施策と実施場所を改めて確認したところ、和歌山大学観光学部校舎整備計画の位置が旧丸正ビルではなくて、三井アーバンホテルの空きビルと和歌山東急インホテルになっていました。基本計画に開設場所が旧丸正ビルではなくて、それらのホテルに具体化されていたことに驚いています。

 現在のところ、和島興産を初めとする三社と和歌山大学は賃貸借契約を締結していませんから、中心市街地に観光学部進出が決定している訳ではありません。以前から和歌山大学小田学長が中止市街地に観光学部を開設する意向があることについて、学長記者会見などの場で都度、意思表示はしていましたが、ビル所有者と正式な契約に至っていないことから、希望はあるものの決定事項ではないと認識していたのですが、基本計画に掲載されていることは、即ち基本計画を策定し国の認可を受けた和歌山市と和歌山大学との間で、具体的進め方の詳細な打ち合わせが為されていたと考えるのが自然です。

 つまり基本計画の認定を受けたら直ぐに計画実行に移れる、または移せるのが普通です。
ところが現実は全くそうなっていません。
 基本計画を国に提出する7月30日の前日、和歌山市が大学を訪れて、基本計画の中心市街地に観光学部校舎を設置することの了承を取り付けにきただけです。しかし大学側は、了承するにも、基本計画に掲載することは計画を具体化させることに他ならないので、掲載するに当たって和歌山市の支援について説明を求めたのですが支援に関する回答はなく、期限が迫っていることから、とりあえず掲載することになり、市としての支援方策について別途協議となりました。ところがその後協議はされていませんから、開設場所に関しての話し合いに進展はありません。つまり観光学部が中心市街地に開設することは既成事実のように報道されていますが、詰められたものではありません。

 国に提出する基本計画であり、今後のまちづくりの根幹を成すものですから、関係者と責任者が議論を重ねた上で、意見の食い違いがあったとしても、和歌山市の将来のためにお互いの意思疎通を図って基本計画を仕上げるのが通常です。そして国の認定を受けた直後から、計画を具体化させるための動きをすべきところです。

 ところが昨年11月以降、本日に至るまで、和歌山市長は大学からの話し合いの依頼に対して、一度も話し合いに応じていないことが判明しました。責任者が会わずして、基本計画には中心市街地に観光学部校舎を整備することが掲載されていたのです。誰が責任を持ってこの観光学部校舎整備計画を進めるのでしょうか。不明確です。

 和歌山大学は観光学部開設まで国との折衝や関係箇所との連携など、本筋に関する調整を行ってきました。大学の使命のひとつは、人材育成により将来を支える人材を社会に排出することにありますから、観光立県和歌山を目指した人材育成のための学部を開設することは責任感のある取り組みだと言えます。

 そして中心市街地を再生するために新学部を、この地域に来てもらいたいとするのが当該地方自治体の役割です。大学と言う産業を誘致するための支援体制を整えることも、当該地方自治体の大切な仕事です。ところが大切な計画にも関わらず、充分な話し合いが為されていないのです。

 新学部を中心市街地に、基本計画にあるように三井アーバンホテルビルと和歌山東急インホテルに開設するのであれば、ビルのリニューアルや必要機材の準備には最低、平成19年10月にも拠点施設を決めてリニューアルに着工する必要があります。何しろ、平成20年4月には新しい学生が入学し、現在の一回生と合せて新しい教室で学ぶことになるのです。新学部の開設場所の意思決定は、平成19年9月が限度です。
 そのため至急、開設場所と教室の整備や契約に関する諸条件を詰めていく必要があります。

 さて地元自治体としてどの様な支援が出来るのかは分かりませんが、熱意を持って新学部を中心市街地に誘致する意気込みを示す必要があります。
 個人的考えですが、いくつかの案を示します。

まちづくり三法の補助施策に関する説明を大学責任者に対して充分に行うこと。

まちづくり三法を活用して、新学部の教室が入る計画の三井アーバンホテルビルに対して、空きビル再生のための補助金適用について検討すること。三井アーバンホテルビルの内、大学がリニューアル費用として負担する総額は約1億3,000万円ですから、将来的な運営と維持のために初期投資を軽減させるような国からの支援を要請して欲しいところです。

ぶらくり丁の活性化に資することから、空き店舗を和歌山市が借りて大学セミナーハウスとして活用できる整備を行うこと。
県レベルでは紀南のある市が、観光学部の学生が観光体験を行える取り組みを提案すると共に、大学のためにセミナーハウスの設置を検討してくれています。また紀北のある市の施設にもセミナーハウスの貸与が検討されています。このように和歌山県における観光学部の意味を理解している自治体は大学に対して、観光学部の授業場所の誘致と支援施策を提案しています。

和歌山市長から市町村長会に協力を求めて、各自治体で出来うる取り組みを検討してもらい大学に実施可能な支援施策を提案すること。
新学部の拠点となる当該自治体が先導役を担って欲しいところです。

和歌山大学観光系学部設置促進協議会からの具体的支援についても検討して欲しいところです。本促進協議会は、和歌山大学観光学部の設置を応援するため、和歌山県和歌山市和歌山県商工会議所連合会(社)和歌山県観光連盟を初めとする25団体が和歌山大学観光学部設置促進期成同盟会を結成しています。
そしてその目的を、地域の活性化と教育・文化の進展に資するため、和歌山大学への観光学部の設置を促進することとしています。また会長は仁坂和歌山県知事、副会長は大橋和歌山市長、和歌山県商工会議所連合会会長が務めています。
余談ですが、和歌山大学にシステム工学部が設置された際、当時の促進協議会は、設置に当たって約2億5,000万円の支援を、そして開設後は5年間、毎年5,000万円の支援を行っていると聞きました。それ程地域にとって大学の新学部開設についての期待は大きいのです。今回も促進協議会からの支援について検討して欲しいと願っています。

 いずれにしても、中心市街地に観光学部の校舎を設置するためには、予定地の地元自治体が新学部支援に対する熱意を示し、支援体制を整えることが不可欠です。現時点で具体的な支援策の提案は出来ないとしても、せめてその意気込みを示してくれることを願っています。いよいよ来週が正念場となります。

【その他】
 和歌山市内の就職状況についての打ち合わせ。希望する職種、希望する働く職場があることがまちの元気度を図る指標になります。和歌山市では正社員として働ける機会が少なく、いきなり正社員ではなく新しい雇用形態についても検討する必要があります。今後の働く場所の確保について話し合いを行いました。

 続いて和歌山県の活性化策について打ち合わせ。企業誘致、そのための民間で可能な条件整備などについて具体的に協議しました。
 和歌山市内の環境保全対策について打ち合わせ。汚れた川など環境面で地域の再生を図るための施策について話し合いました。

 和歌山大学観光学部が地域にもたらしてくれる波及効果や活力について話し合いました。地域の期待は相当大きいものがありますから、是非とも人材育成と地域活性化の両面の役割を果たしてほしいと話し合いに参加した皆さんが思っています。
8月29日(水) 「事故対応」
【事故対応】
 交通事故への対応は加害者も被害者も大変な労力を伴います。特に加害者が任意保険に加入していない場合、双方とも事故対応に関しては経験がない場合が多いため話は前に進みません。そして任意保険契約を締結していない場合、加害者は誰とも代理人契約を行っていないため被害者との交渉は本人がする以外にありません。代理人契約を結んでいない第三者は法的に話をまとめる権限がないため、双方の間に入ることは出来ないのです。

 一般的な解決方法について話をさせてもらったのですが、事故から時間の経過と共に事情は刻々と変化するため、加害者から聞いた話し合いの経過に基づいて、現時点の対処方法を協議しても、再び加害者と被害者が会う時には事態は変化していますから、話し合いはまとまらないのです。

 民事の案件を解決するのは最終的に金銭によります。それ以外に解決方法はありません。
 裁判の判決申し渡しでも、「加害者は被害者に誠意を持ってあやまるように」などの主旨の判決はあり得ません。お互いの言い分や提出された証拠に基づいて、事情を加味した上で、必ず加害者に対して具体的に損害賠償金の支払い命令をします。「いくらでも良いから支払いなさい」とはならないのです。

 それは残念ながら、心身の損傷や精神的苦痛に対して補う手段は、現代のわが国においては金銭の支払い以外にないからです。お互いが図れる共通の尺度で価値のあるものは金銭だからです。
 ですから交通事故の場合も、入院費、治療費、治療に要した交通費、そして慰謝料などは全て金銭に換算して最終的に示談することが多いのです。この損害賠償金額の算定は経験のない人には難しく、どの程度で納得出来るのかの交渉や見極めは困難です。ですから万が一の交通事故への対応を考えたら、絶対に任意保険に加入しておくべきです。
 もしもに供えて保険会社の所有している経験を買う、そんな気持ちがあると保険料の支払いは納得出来るのではないでしょうか。
 ここでも危機への備えは大切なことが分かりました。

【活性化に向けて】
 和歌山県活性化に向けて若手経営者と打ち合わせを行いました。具体的なプランやアイデアは沢山ありますから、一つずつ実行していくことを確認しあいました。きっかけは大切ですし実行力も大切です。どちらが欠けても活性化は図れません。
 具体化できる良いプランの種をどれだけ収集し発芽させる力があるのか、そして具体化させるためのチーム構成がポイントです。
 ここ数年で実現させたい企画が山積みです。

【出版記念パーティ】
 和歌山県議会議員の玉置公良議員が3期12年間の活動の取り組みを綴った冊子「環境」が出版されたことを受けて、出版記念パーティが白浜町の白浜会館で開催されました。約500人が集まった盛大な会となりました。玉置県会議員は当選直後から地球環境保全を訴えています。経済優先の時代から環境問題の取り組みを提言していたのです。和歌山県から世界に地球環境問題への取り組みを発信したいと抱負を話してくれました。

 議会には当局から提案される議案に対するチェック機能と、議員自らが議会で提案し、自らも実行する力が求められています。その役割をきっちりと果たしているのが玉置県会議員です。その集大成が冊子「環境」だと言えます。
 これからも和歌山県への政策提言も行っていく覚悟を見せてくれました。
8月28日(火) 「基本計画認定」
【基本計画認定】
 和歌山市が国に申請していた、和歌山市中心市街地活性化基本計画が昨日、平成19年8月27日に認定されました。昨日は白浜町で関電労組本部大会に出席していたため、認定の報告は今日になりました。基本計画の認定を受けたのは全国では14番目でとなり、関西の地方自治体では初めてのことです。

 今回の認定を受けたことで、基本計画に記載されている施策の実施に当たっては、国からの財政支援を受けることが可能となります。国全体の総事業費は2012年3月までの約4年8カ月で約123億円。市は約4億円を負担する予定で、2008年度一般会計当初予算案には約1億円を計上すると聞いています。

 この基本計画では、ぶらくり丁や和歌山城を中心とする約186ヘクタールを対象区域としています。「歩いて楽しく過ごせるまち」などを基本方針として、新しく開設する予定の和歌山大観光学部の校舎や和歌山城内の整備事業など53事業が掲載されています。
 主要なものを三つ挙げるとすれば、ひとつは旧丸正ビルを大型商業施設として再生する計画。これは地元の和島興産が事業主体となって計画を進行中です。

 二つ目は、和歌山大学観光学部の中心市街地への開設です。現在の栄谷キャンパスではなく、和歌山大学がまちづくりに協力する形で旧丸正ビルを初め中心地に位置するホテルなどに教室や先生方の研究室を設置する計画となっています。
 三つ目が、JR和歌山駅西口前に位置する旧昭和倉庫を取り壊し、ホテルと商業施設として再生する計画です。

 これらが基本計画の中で建物を再生する中心的な取り組みとなっています。
 本日の午前中、民間経営者、数人の方とこの基本計画認定に関しての話し合いを行いました。特に和歌山大学観光学部については深く議論を行いました。基本計画には旧丸正ビルに開設することを記載しています。そのため大学や観光学科の学生達が中心地の夏の行事にも参加するなど協力し参画する体制をとっています。

 ところが大学と地元、そして和歌山市との間に、観光学部が中心市街地の再生を担うことに関して温度差があるようです。和歌山市中心市街地活性化基本計画の認定を受けた今、重要なものは掲載された計画は実施主体者を中心とした上で、国に提案した和歌山市が責任感を持って支援または主体者と同様の熱意を持って進めることです。この機会を逃したら中心市街地には二度と再生のチャンスはないと覚悟を持つべきです。

 余談ですが、和歌山大学観光学部は中心市街地に教室を持ってくるとしていますが、現時点では、どこの事業者とも賃貸借契約を締結していませんから、進出が決定しているものではありません。地元の熱意や、是非来て欲しいとする関係者の熱意が伝えたいところです。
 大学側は、実現不可能と言われた独立行政法人化された旧国立大学としての新学部開設に向けて文部科学省に対して並々ならぬ熱意を示し、観光学部開設を実現に向かわせています。不可能を可能にしようとしているのです。これは大学の熱意と観光学部設置に関して15,000人の署名と、署名を集めて文部科学省などに提出した地元団体の熱意など支援体制があったからです。後は地方自治体が後押しして欲しいところです。

 有り得ないと考えますが、基本計画の認定を受けたからもう仕事は終わったようなもの、と思っているようでは5年間で計画を仕上げることは困難に陥ります。
 事業の主体を担う者は、現在は衰退していると見られる中心市街地の再生のために、自己資金の投資をする訳ですから相当の覚悟を持っています。絶対成功させる意気込みで、うまく行けば儲けもの、とは考えていないのです。

 それに対して和歌山市は事業支援者ですから、成功に向けての覚悟と熱意は主体者とは異なるところはあります。やはり自ら出資をしていないと事業化に向かう時の逆風や痛みは伴いませんから、自ずと事業を担う覚悟は違うのです。
 それでも支援する限りは事業の主体者が気持ち良く、地元と協同出来るように間に立って裁くのが支援者の務めです。もし事業者のブレーキをかけるような姿勢があるのなら論外です。

 安部総理が今夏の参議院選挙で大敗した要因の一つに、危機管理能力の欠如が言われています。危機管理能力の要素に、何が危機なのかを感じ取ることや危機への迅速な対応能力があります。一見順調に行っている計画であっても、その裏に危機が潜んでいないのかどうか、その危機の大きさを量れる能力、そして解決するための行動力がトップには絶対に必要です。トップにこの危機管理能力が欠けていると事態は進展しません。

 今回の中心市街地活性化基本計画の認定を受けましたが、現状では計画通りに進展するかどうかは不透明です。危機が潜んでいますが、そのことに気付いている人は少ないのではないでしょうか。
 今回の危機はお金の問題ではありませんし、計画の甘さでもありません。問題は熱意と一緒にやり遂げると言う覚悟と気持ちの問題なのです。その精神的な要因を取り除かないといきなり計画はストップします。9月上旬に最大の山場を迎えることになります。関係する人が計画推進に向けての覚悟を示せるかどうか、鍵はその覚悟の有無が握っています。

 今回の認定に関して、和歌山市は次のようなコメントを発表していますので、以下引用します。
「これまで本市では、平成10年度と平成16年度に中心市街地の活性化に関する基本計画を策定し、活性化に向け取り組んでまいりました。
 そのような中、平成18年9月、中心市街地活性化法、改正都市計画法、大店立地法のいわゆるまちづくり3法が改正され、内閣総理大臣による基本計画の認定制度の創設や支援措置の大幅な拡充などの内容が盛り込まれました。

 そこで本市では、平成18年9月29日に和歌山商工会議所とまちづくり会社である(株)ぶらくりが中心となり設立された和歌山市中心市街地活性化協議会において協議が重ねられ、そのご意見をいただきながら、基本計画を策定し、平成19年7月30日に内閣総理大臣あて認定申請を行ったところです。

 そしてこのたび、平成19年8月27日付で内閣総理大臣より基本計画の認定を受けました。
 今回認定されました基本計画は、計画期間が概ね5か年であり、これまでの和歌山市の中心市街地の現状と課題を把握・分析し、「訪れたくなるまち」、「住みたくなるまち」、「歩いて楽しく過ごせるまち」を活性化のための基本方針に掲げ取り組むものでございます。取り組むに際して、各基本方針に基づき3つの目標「城まち賑わい拠点の創出」「城まち居住の促進」「城まち回遊性の向上」を設定し、その目標の達成を示す指標として目標値を設け、活性化の度合いを計るものとしています。」
 さて今後の進展に期待しています。

【その他】
 中小事業者に関する金融支援について。NPOが出来る防災対策について。企業移転計画について。和歌浦地域の防災対策について、それぞれ協議を実施。そして夜は通夜式に参列させていただきました。
8月27日(月) 「本部大会」
【本部大会】
 関電労組本部大会が開催されました。今日と明日の二日間は大会に参加しています。和歌山県内でこのような大きな大会が開催されると、少しでも地域の経済効果に貢献することになり、地域の活性化につながります。

 これからの課題のひとつは、エネルギー問題です。エネルギーの安全保障については国でも見えた形で議論されませんが、食料の安全保障と並び、私達の生活に直結する大切な問題です。化石燃料の輸入に依存するのか、そして地球環境問題との兼ね合いをどうするのか、考えるべき大きなテーマです。エネルギーはあって当たり前と思っていますが、実は大部分を輸入に頼っていることを実感してもらうこと。そして現代においては、快適な生活を追求するほど地球温暖化が加速されていることを実感しなければなりません。暑い夏の家庭や自動車ではクーラーが不可欠ですが、コストを負担すれば良い問題ではありません。クーラーの排出熱が都市を過熱させている、つまりヒートアイランド現象の要因にも考えられています。

 個人で出来ることは限られているかも知れませんが、自分の出来ることから着手したいものです。参考までに、私の家では冷房と暖房は今まで一切使用していません。昼も夜もです。そのため電気代は夏でも他の季節と変わりませんし、汗をかくので体調も万全です。
 このような問題に関して、本部大会に参加した皆さんと地域の課題について意見交換を図りました。

 また壇上で議員紹介をしてくれたのですが、この場に立たせてもらえたことに感謝しています。大会初日終了後に開催した懇親会では、何人かの方から感想をいただきました。
「片桐さんが壇上に立っている姿を見て涙が出てきました。しんどかったけれど頑張って私たちの代表を送り出した甲斐があったと思うと感激しました」
「堂々としていて格好良かったです。他の方と並んでも飛びぬけていたように見えました。まだまだ伸びてくれる予感がしています。次回はもっと頑張って支援したいと思います」
 これらの感想を聞かせていただけたこと、皆さんの応援に心から感謝しています。

【組織の継続】
 ある組織のトップの方と懇談させてもらいました。組織のトップにいる中で心掛けていることのひとつに後継者の育成と指名のタイミングがあるそうです。どの様な組織であっても一人の人がトップにいる期間は三期、或いは10年が目安となります。それ以上君臨すると、次の世代の後継者がいいなくなること、そのために同じ人が何時までもトップで居続けることになりますから、組織活力の維持は難しくなります。

 例えばトップが10年以上継続すると、ナンバー2の人も10年、年を重ねることになりますから、トップに推挙されても短命に終わるか、それとも機会を逸してしまうことになります。組織は常に若返りを求めていますから、次のトップ候補が若返りにならないようなら、その流れに逆らうことになります。
 組織としての活力を維持するためには、毎期数人の理事や役員を入れ替えていく必要があるのです。その中から後継者を見つけておき、然るべきタイミングで交代することが組織のトップとしての重要な役割です。

 そして政治も同じことだとの指摘がありました。和歌山が停滞しているのは議員の若返りが図られていないことも要因ではないだろうか、と言うものです。議員はトップではありませんが、地方においては行政施策に民意を反映させる役割を担っています。民間企業や組織と同様、議員も三期を目途に入れ替わっていくのが理想だと言います。何故なら、特定の人が長くいると民意を反映させる役割である筈なのに、その意識が薄れ民意ではなく自分の意見と特定の人の意見を行政に反映させるように変化するからです。そうなると何のための議員なのか分からなくなります。その結果、その地方自体の停滞を招くことになるのです。

 ですから、議員は周囲の中から常に後継者を育てることを意識すること、議員を出している組織においては組織の中から次の議員候補を探して準備を整えることも大切な仕事だそうです。確かに三期12年が経過すると、支えている周囲の人は様変わりします。当初からの支持者のようにズバリ意見提言する人が次第にいなくなるのです。そうなると行政への民意の反映は難しくなります。そうならないように注意するのが組織のトップの役割であり、社会的責任であると意識していると伺いました。

 トップに就任直後から組織としての次の意識すること、組織が力を保ったままで継続させるために必要なことです。
 そして次に備える立場の人は、自分達の世代の代表としての取り組みを意識したいところです。単に先人の政策を継続させるだけでは存在価値はありません。そして個人の考えだけで組織運営しても意味はありません。世代を代表している意識を持って活動すると、大きな視点に立つことが出来ます。自分達の世代が今の時代に何をすべきなのか、そして次の世代に何をつなげていくのか、この視点をブレさせてはいけません。
 社会的責任がある立場になれば「世代を代表している」それくらいの意識を持って行動したいものです。
8月26日(日) 「感謝のつどい」
【感謝のつどい】
 午前11時から「全郵政和歌山感謝のつどい」が開催され、来賓として招待をいただきました。これは、平成19年10月1日から郵政民営化と5つの会社への分社化が図られることが決定していることから、全郵政の関係者が集まって最後の式典の機会となったものです。現役の役員と共に歴代の議長も出席して、今までの取り組みと将来も続く活動について決意を表してくれました。

 10月1日をもって現在の組織は解散し、新組織が結成されることになっていることからお別れ会的な要素があるかと思っていたのですが、開式に当たっての議長からの挨拶では、形の上では解散となりますが決して解散ではなく、全郵政の精神と魂は残しての新しいスタートになるとの決意表明がありました。そして新会社に移行しても今まで以上に発展させることが、国民から信頼を受ける組織としての使命であることを感じさせてくれました。

 新しいスタートを切る素晴らしい式典にお招きいただき感謝するばかりです。
 そして式典では皆さんと意見交換の機会を得ました。既に民営化に向けた諸準備は整えていますが、問題なのは将来の地方、特に山間部の郵便局の切り捨てです。民営化に移行すると、銀行や保険会社、そして宅配事業者との競争が待っています。市場化の社会ですから、それに対応する会社として生まれ変わるのですが、問題は不採算の拠点をどう扱うかです。全国一律のサービスを提供する義務はなくなりますから、収益性の良くない地域の局を存続させることを今から検討する必要があります。

 地方の過疎地域の局の問題はそれ程議論されることなく民営化への準備が整い始めています。国民の代表である国会議員が地域の現場に入って意見を聞いてくれる機会がなく、将来に向けての不安感が潜んでいます。お年寄りが多い地域の郵便局が撤退することになれば、その方達の生活はどうなるのか。鉄道の民営化においてはローカル線の廃止がありましたし、銀行が国際競争に晒されたことにより、財務体質改善のために地域の店舗は統合または廃止されています。この流れは時代の要請ですが、郵政民営化に当たっては、その当時よりも地方においては高齢化が進展していますし、地域間格差が拡大していることから、地方で暮らす人のことを考えた経過措置などの配慮をして欲しいと感じました。

 全郵政の皆さんは前向きで、民営化になることによるコスト意識、そして生産性の向上を図ることに意識は切り替えています。その一方で今まで接してきた高齢者のことも気に掛かっているようです。「地域のお年寄りを大切にしたい」との言葉もありましたが、競争と今までと同様の公平なサービスを提供していく覚悟を持ってくれています。
 これは頼もしい限りですが、現在仕事の切り替え準備をしている最中の職員さんの精神的負担感は相当なものがあると伺いました。地域のお客さんも大切ですが、タイトな切り替え業務で職員さんに負担を押し付けることは極力避けたいものです。

 わが国の変革の総体制の郵政民営化が後一ヶ月のところまで来ています。現場第一線でこの問題に関与している皆さんとの意見交換では、報道からは見えないものまで見えてきました。常に現場、そして現場で働く人の意見に接していないとズレが生じることも再認識しました。
 郵政民営化と分社化、そして組織としての解散と再結成、時代は揺れ動いています。約40年前の全郵政結成時期と同じくらい重大な局面に対処している役員の皆さんは、停滞の許されない恒常業務に移行準備のための業務が付加されて、私たちの知らないところで、暑い夏を戦っているのです。
 この難局を乗り越えて、秋からの新体制に期待しています。

【政策研究会】
 関西各府県からの地方議員が和歌山県に来て政策の意見交換を図るため、会場となる和歌山県白浜町へ移動しました。そこで、関西各地の府県の課題と今後の取り組みについて意見交換を行いました。
8月25日(土) 「夏祭り」
【広告】
 新しいビジネスを立ち上げる、或いは事業所を開設する場合、まず認知度を高めることが必要です。そのための手段はオープニングの式典、媒体広告、メディアへの露出、口コミなどの方法があります。その中で地方紙への広告は有効な手段なのですが、単発だと効果はありません。関係者にとっては、広告や記事が大きく掲載されると、かなり宣伝効果があると錯覚しますが、一般の人にとっては余程関心がある業種でない限り、見つけることはありませんし、仮に読んでくれたとしても直ぐに忘れるものです。そのため一回の広告で問い合わせが来ることはないと考えた方が良いくらいです。

 では新聞広告の効果が発生するには、どれくらいの期間が必要なのでしょぅか。業態や地域、流行にも左右されますが、今日お話した事業家の方の意見では、毎週一回掲載することを最低三ヶ月継続することだそうです。出来れば半年くらい掲載するのが良いのですが、効果を見るまでにはまず三ヶ月です。それだけの期間、辛抱すると効果が見られることがあります。そこまで耐え切れない経営者が多いので、数ヵ月後には姿を消していくそうです。
 新聞広告掲載費用は結構費用が必要ですから、辛抱と運転資金の問題を解決することが順調に展開するまでに必要なことです。立ち上げてから、知人、友人などのお客さんが一巡して以降の時が最も苦しい時です。この三ヶ月を乗り切れるか否かで今後の運営が決まります。

 この会社では半年間、広告を継続させることにしました。キャッチフレーズだけでどこの会社か分かるまでに持っていけると安定するのですが、そこまで辿り着くには相当な時間と費用が必要なのです。
 事務所費、光熱費、人件費は絶対に必要なものですから、広告宣伝費は極力抑えたいところですが全く使わないのでは先はありませんから、経営者と役員の判断が重要です。
 
【夏祭り】
 お盆が過ぎ、夏の甲子園が終わり、虫の声が聞こえるようになり、秋の気配がそこまでやって来ていることを感じます。本日の夜は、福祉施設主催の夏祭りがあり参加してきました。自治会長を初め、民生委員、そして学生の皆さんがボランティアとして参加して賑やかな夏祭りになりました。福祉施設の方と地域の方の交流の機会として開催され始めて、今年で13回目を数えます。年々来場者が多くなり、地域の夏の風物詩として定着しています。運営のお手伝いをしているのも地元の会社です。ここの社長以下、従業員の皆さんは、開始前までは会場設営から祭りの進行を指揮していますが、開始した後は福祉施設の従業員さんに進行を任せることになり、汗だくになりながら裏方で進行を見守っています。

 通常に進展していると出番はありませんが、何かのトラブルが発生するとプロの力が必要になります。
 私も存在に気付きませんでしたが、途中で一度、社長が会場に姿を現しました。汗をかきながらも笑顔でお話することが出来ました。本当にご苦労様です。陰で支えてくれる人がいるから、今晩のように参加者が楽しむことが出来るのです。
 社会は助け合いの精神で成り立っています。
8月24日(金) 「中心市街地活性化」
【中心市街地活性化】
 和歌山市が中心市街地再生の切り札として中心市街地活性化基本計画を策定し、国に提出しています。長い時間を費やしてまとめたものですから、是非とも認可を受けたいところです。

 さてこの基本計画の中で、和歌山大学観光学部の設置も謳われています。平成20年5月の開学を目指して同大学が文部科学省に設置を求めているもので、取り扱いは順調だと聞いています。
 平成19年6月14日、和歌山大学観光学部設置促進期成同盟会は、観光学部の設置支援のため、文部科学省などに対して観光学部構想が1日も早く実現するよう、要望活動を行っています。このため学部設置は現実的なものになりつつありますが、問題は開設する場所がどこになるかです。

 現在は経済学部観光学科となっていますから、本校のある和歌山市栄谷に学科があります。しかし和歌山市の中心地の再生を地元大学が担おうとして、学部に昇格すると同時に中心市街地にあるビルに開設する計画になっています。
 旧丸正ビルを初めとする付近のホテルなどに入居すると聞いていますが、中心市街地に開設することに関して、大学側の熱意と比較して行政機関は冷めている様子もあり、ややトーンダウンしている様子があります。

 しかし、旺文社のパスナビの「大学注目情報(2007/5/31)」では、次のように取り上げられているなど、全国的に中心市街地に観光学部が設置されることへの期待感があります。

「同大学ではこの2007年4月に、経済学部の中に「観光学科」(観光経営コース、地域再生コース)を新設。人材育成の第一歩を踏み出したわけだが、来年度には1学年110人〜130人規模の“観光学部”への昇格も目指しており、この6月中にも、文部科学省に学部新設の申請をする予定だ。
 同大学の計画では、新設を目指す観光学部の拠点は、和歌山市・中心部の商店街にある旧百貨店ビル。和歌山市では中心市街地の空洞化も進んでおり、地域再生の役割も担うことになる。
 地元の和歌山県では、県を挙げて同大学の観光学部新設を後押しする動きが活性化しており、和歌山県が今後、大いに盛り上がりそうだ。」

 さて注目される新学部ですが、学部設置と中心市街地への開設に関しては、詰めの段階に入っていますから、和歌山市を挙げて推進する必要があります。ところが何となく温度差があり、大丈夫だろうかとの不安の声も聞こえるようになってきました。
 ここまで来られたのも学長のリーダーシップに拠るところが大きいと思いますが、後は関係者の総意を以って仕上げたいところです。和歌山大学観光学部が中心市街地になるのか、栄谷キャンパス内になるのか、関心持って見守りたいと思います。
 この件の現状確認を正確なものにするため、関係者と話し合いを行いました。

【その他】
 打ち合わせを三件、夜は会合を行いました。話し合いの中では、観光学部の行く先を心配する意見がありました。
 午後、30年ぶりに中学校の同級生に会いました。本当に久しぶりでしたが、面影が残っていたので直ぐに分かりました。彼は既に責任ある地位にあり、毎日充実した日々を過ごしている様子ですが、この先10年を見通した場合への備えについて考えている様子が伺えました。チャンスをつかんだ人と、残念ながらそうなっていない人がいることも事実です。ただ、この先も同じである筈はありませんから、人生においても危機管理は重要です。現状に甘んじることなく前進する心構えがある限り、この先も充実したものになると確信しています。
 何かの縁で巡り会えたのですから、これを大切にしたいところです。
8月23日(木) 「地域活性化のために」
【地域活性化のために】
 和歌山市を活性化するための提案と意見交換を行いました。全国的な好景気に引っ張られるように和歌山市内への企業立地の動きが盛んになっています。既に公的用地は供給不足で民有地の確保も重要な課題となっています。ただ他府県から見た和歌山市の土地の価値と地元が考えている価値は少し違うので折り合いが問題です。地元からすると利用価値のある土地だと思っていても、他府県からするとそれ程、利便性が高くない場所があります。和歌山市では比較的立地条件が良いと思っていても、他府県ならもっと利便性の高いところがありますから、地元が思っているようには進展し
ない場合もあるのです。
 それでも折り合いをつけて、将来の和歌山市の活性化と財政安定のために企業に来てもらうことはとても重要なことです。

 また観光振興を図り産業につなげる活動も大切なものですが、盛り上がりに欠けているように感じます。他府県の方から地元の観光振興になるような提案があっても、地元から出来ない条件を列挙して、結局来てもらえない状態に陥ることも聞きました。他者を受け入れることは活性化のために必要なことですが、中々難しい状況がここにあります。

 世の中が明るくなっている今は、龍が天に昇るような活動をすべき時期です。今控えているようでは昇る時期はいつ来るのでしょうか。県内にいるとその機敏さが感じられなくなりますから、なるべく違う業種の方、他府県で活動している方と接することの大切さを感じています。

 他地域が和歌山県を天高く昇らせてくれるのではありません。私達が天高く昇る意思を持って企画と行動をすることが必要な時期なのです。その結果、地域活性化は付いて来ます。今日の提言の中から何点かでもモノになれば、地域の活力が生まれるものと確信しています。元気な地域は明るくて元気な人から生まれます。

【企業誘致打ち合わせ】
 和歌山県への企業誘致について打ち合わせ。何度か記しているように和歌山県の北部の企業用地に不足感が見られるようになっています。この時期は立地に向けて攻める時期です。さぁて、これから力を発揮しようとしているようではもう遅いのです。
 企業誘致に向けては、もうトップギアに入れて活動をすべき時期であることを認識した取り組みが必要なのです。和歌山市の命運は現在の、もっと期限を区切るとすれば年内の企業誘致活動の成果が握っています。
 少しでも縁があれば探ってみる姿勢を持ちたいと考えています。

【卓球バレー】
 今年9月、和歌山市県立体育館で卓球バレー大会が開催されます。和歌山県内から30チームが参加して、この競技を楽しむことになっています。この大会の特徴は、参加するチームはチャレンジド(障害者)で構成すること、或いはチームに最低2名のチャレンジドが選手として参加していることが条件です。これはチャレンジドの方がスポーツを楽しむことと、誰もが一緒になってチームを作り、差別のない地域づくりにつなげようとする目的があるからです。

 和歌山県での卓球バレーはチーム全員で楽しむことを追求することを前提にしているため、競技性を薄くしています。余りにも競技性強くすると、お互いの競争心が高まり、楽しむことが出来なくなることを大会会長が身をもって体験しているからです。
 卓球バレー大会会長と、チームワーク良く、そして大会を盛り上げるための打ち合わせを行いました。

【和歌山大学観光学部】 
 和歌山大学観光学部設置に向けて大学は全力を尽くしています。関係者のご努力には頭が下がる思いです。全てではありませんが地方の国立大学が独立行政法人化となり、新学部設置は難しいと言われている中で、新学部、それも観光学で学部開設に挑戦し続けている和歌山大学が地域にあることを誇りに思います。

 特に観光学を学ぶ環境として、そして地元大学として和歌山市の中心市街地を活性化する役割を担うために、旧丸正ビルを初めとする中心市街地のホテルなどを教室や研究室として活用する案を提案してくれていることは、和歌山市民の一人として喜ばしいものです。
 ところがこの案が進展していないのです。今が正念場ですが、大学関係者が持っている熱意、そして地域と共にありたいといる思いが、地方自治体と共有出来ていないような感があります。

 関係する全ての人が思いをひとつにしないと、中心市街地に観光学部を設置する計画は上手く進展しないのです。大学の熱意が推進力となっていますが、協力を得ないとこれ以上前に進みません。これからの原動力は中心化市街地活性化を願っている全ての人の熱意なのです。

 大学側は観光学部を中心市街地に設置する旨の情報発信を続けてくれていますし、ぶらくり丁の夏のイベントにも参加してくれています。その推進力と行動力は素晴らしいものですが、それに対して私達は、どれだけ熱意を持って新学部がまちなかにあって欲しいと願っているのでしょうか。今一度考えてみたいところです。

 和歌山市のまちなかに新学部が来てくれようとするのは最初で最後のチャンスです。繰り返しますが最初で最後ですから、この機会を逃すと次はありません。そんな大切な時期であることを認識して観光学部の開設を考えたいところです。
 冷めているようでは絶対にこの計画は進展しないのです。今日の夜、危機を打開するために数人でこの問題について、そして現状についして話し合いました。
8月22日(水) 「ライオンズクラブ」
【ライオンズクラブ】
 ライオンズクラブ例会に出席。平成19年7月から新年度に入り、また新年度から新会員の皆さんを迎えて賑やかな例会となりました。今日は会員であるモハメド・イルファンさんの父親がパキスタンからゲストとして参加してくれました。イルファンさんの父親が来日するのは初めてのことで、日本の印象を話してくれました。息子であるイルファンさんは和歌山市内に居住し、自ら会社を設立し事業を行っていることもあり、大の日本びいきです。そのため故郷パキスタンと並んで日本は大好きな国だそうです。パキスタンの今年の夏は摂氏40度を越える日もあり、日本の夏よりも暑いようです。暑さが厳しいとは言えども、わが国ではビル空調が行き渡っていることから仕事環境は恵まれていると言えます。

 さてゲストスピーチの後は、ライオンズクラブの規約改正特別委員会の設置について協議がありました。ライオンズクラブも人が集まって世界平和への貢献と社会奉仕活動を目的とした組織ですから、当然規約が定められています。組織においては、会員は決められた規約遵守をすることが秩序を維持することにつながります。好き勝手な行動をして規約を無視するようになれば組織は崩壊に向かいます。

 組織構成員が規約を守った組織内行動をするからこそ人の組織であり、長く継続させることが出来るのです。しかし時代の進展と共に社会情勢は変化するものですから、実態にそぐわなくなった条項があれば見直しして、会員の活動が制約を受けないようにすべきです。そこで歴代会長と現理事で特別委員会を設置して、条項の見直しについて検討を図ることが例会で提案されました。
 平成19年10月頃には、改正案を決定し理事会に付された後、例会に図られる予定です。
 見直す事項が発生して直ぐの行動ですから、理事側としては比較的迅速な対応をしています。

【メンバーの話し合い】
 例会終了後、新会員が増加したことから、一部のメンバーが集まってライオンズクラブの活動について話し合いを行いました。今までの会員と新しい会員が年間の行事の流れや社会貢献活動についてなるべく同じ認識を持ち活動することが大切です。ある程度の意思疎通を図ることが良好な運営につながります。新会員から見た課題なども聞きながら前向きなクラブになるように努めていきます。

【法律相談】
 複数の方から2件の法律相談を受けました。
個人所有の土地に半年間、二台の自動車が放置されたままになっています。所有者が分からないので今まで見守ってきましたが、半年が経過したのに所有者が現れないことから、不信感が芽生えると共に、土地の活用が図れないことから、撤去することが出来ないかというものです。
例え自分の土地の誰かの自動車が放置されていたとしても、勝手に移動させることは難しいのです。また民事の案件ですから警察は関与してくれません。警察に出動してもらおうとすれば、犯罪の可能性がある場合に限られます。例えば、ナンバープレートから盗難車であることが判明した場合、ナンバープレートで登録されている車種が異なる場合などです。
 そうでなければ土地所有者から自動車撤去に向けた行動を起こす必要があります。具体的には、陸運局ナンバープレートから所有者を調べ出し、内容証明郵便で、自動車の撤去の申し出と撤去期限の明示、そして期限までに連絡がない場合は撤去する旨を通知すること、そして損害賠償として半年間の駐車料金相当分と利子相当分の請求を行います。
 それでも撤去に応じない、或いは連絡がない場合は自動車を強制的な撤去することになりますし、更に放置されるようなら売却処分して損害賠償金額相当分を土地所有者が得ることにします。
 そこまでは労力と相当の時間を要します。自分の土地に勝手に自動車を放置された場合の対応としては納得し難いところもありますが、後々問題を発生させないためにも法的手続きに基づいた処置を行いたいところです。

遺産相続について。遺産相続の意思がないのに、相続者として扱われ、税金を納めるよう催告状が来たケース。
通常、相続していないのに固定資産税を納めるように通知が来ることはないのですが、相続関係が複雑な様子があり、客観的な相談ではその理由は分かりませんでした。後日、催告状をお持ちいただいて、具体的に解決方法を見つけたいと考えています。

【まちづくり会合】
 夜は深夜までまちづくりに関しての会合を行いました。和歌山県に必要なものは、雇用の拡大と経済波及効果が狙える企業誘致です。本日参加したメンバーが役割分担を行い、それらの課題を洗い出して解決するために具体的な行動することを確認し合ました。

 和歌山県再生のための意見は誰もが言いますし、批判も行うことがあります。しかし行動を伴わない評論家のような立場にいる人が何人いても決して解決に向かいません。それよりも正解かどうかは行動してみないと誰にも分かりません。勿論、机上で企画を立案して可能性を追求しリスクを極力減少させた上で行動するのですが、万全な計画があったとしても、刻々と変化する社会条件の中で成功するかどうか分かりません。それよりも見込みがあると判断すれば、まず行動することが大切です。

 自らの行動の中からだけ次の展開が発生します。いくつのかの企画案を抽出したので、今日から行動に取り掛かっています。
8月21日(火) 「岩出市政懇談会」
【不測の事故】
 人が社会生活をしていると、何時、どんなことに遭遇するか分かりません。例えば、自動車や単車を運転している場合、事故を起こさないとは限りません。大抵の場合、自分だけは事故を起こさないと思っています。そうでないと怖くて運転出来ない一面もありますが、常に気をつけておかなければ日常生活にも狂いが生じます。

 無事故、無違反を何十年と続けてきた方が、少しの不注意のため単車で歩行者に当たってしまいました。幸い被害者は軽い事故だったのですが、入院加療を要したため、治療費と入院費がかかってしまいました。悪いことに、無事故、無違反だったことから任意保険に加入していなかったため、被害者や病院、警察との交渉はすべて加害者本人が行っています。そのため加害者は悩みに悩み、仕事も手に付かない様子です。

 今後の交渉の進め方を話しましたが、まじめな人だけにこの状態から早く開放してあげないと精神的に参ってしまいそうです。一刻も早く解決するためにお手伝いをしています。

【中心市街地活性化など】
 和歌山市では中心市街地を活性化するための計画が策定され、国に対して申請しているところです。商業施設や娯楽施設の進出が見られますが、更に活性化を図るために定住人口を増やしたいところです。そこで国の支援施策について意見交換を行いました。
 また和歌山市土地開発公社が所有する直川地域の活用方策についても意見交換を行いました。この付近に進出を考えていた商業施設の進出計画が挫折しましたが、その理由についても確認し、その原因は解決出来来うるものかどうか、考えてみたいと思います。

【会合】
 民社、友愛会議の幹事会に出席しました。県議会報告と来月11日に総会を開くため、その議案書の精査を行いました。県議会報告では、昨日の県長期総合基本計画での私達の会派からの提言内容と、基本計画の今後の進め方について話しました。平成19年9月議会の特別委員会には骨子案が示されますので、皆さんからの意見を募りました。

【市政懇談会】
 午後6時30分から9時まで、和歌山市のお隣に位置する岩出市を訪問し、中芝市長以下、副市長、各部長と市政に関する意見交換会を行いました。岩出市の平成19年度から平成21年度までの第一次実施計画について市長から報告を受けました。

 まず財政面です。平成18年度末の数字ですが、国の借金は884兆円。国民一人当たりに対して653万円の借金があることになります。岩出市の借金は128億円、預金は61億円、人口が51,679人ですから、市民一人当たりに対する借金は128千円となります。この数字は和歌山県内の地方自治体では下から2番目の好成績となっています。

 特徴的なことは、岩出市は二桁増の積極予算を組んでいることです。一般予算は、148億円で前年比プラス17.1%、特別会計は270億円で前年比プラス11.6%となっています。 
 積極予算を組んでいる理由を伺いました。

 ひとつ。高齢化社会に備えて健康増進対策などを予算化し健康で明るい岩出市を目指し、医療費の抑制に努めるためです。

 ふたつ。投資的経費の増加。平成20年度に公共下水道に着手。また平成17年度から建設してきたごみ焼却場は平成20年度に完成します。これらのハード設備の整備は、人口増が続く岩出市の将来のために必要なものです。財政状態が良い現在のうちに着手する政策判断は優れていると思います。
 参考までに経常収支比率は平成18年度、約90%となりましたが、前年度は約80%でした。これはハード整備に資金を投入したためです。それでも現在の地方自治体の状況と比較すると、財政状況は良い方なのです。

 みっつ。災害への備え。和歌山県を襲うとされている東南海・南海地震に備えています。公共施設の耐震診断と補強を進めています。まず平成19年度は保育所と小学校、そして地区公民館の耐震補強を行い、平成20年度には残りの小学校と中学校の耐震補強を計画しています。

 このように課題を抽出し、それに対する対応策を講じている姿勢は、地方自治体の緊縮財政に慣れている私達にとって行政運営の参考になります。
 また市長からは、最初市長になった時、3期のうちに全ての課題を解決するための施策を講じて12年の間に解決を図りたいと考えたと伺いました。ごみ焼却場は平成20年度に伸びていますが、それ以外の課題は解決出来たと自信を持って話してくれました。

 また10年間も一人の人がトップに君臨しているような企業は衰退することから、トップが長くその地位に留まることの弊害についても言及してくれました。
 目標年度を区切って施策を講じることで掲げた目標を達成することが出来ます。目標年度を区切らないで公約を掲げ、また計画を策定するトップもいる中、達成年度を描いて行政運営を行っている岩出市が伸びているのは当然なことです。

 また道路網が整備されている岩出市ですが企業用地の新規造成は行わない方針です。それは企業用の土地造成に多額の予算が必要となるため、財政健全化を考えると来てくれる当てのない企業用地造成は考えていないと言うことです。但し、企業誘致を行わないと言う意味ではなく、進出を検討してくれる具体的な企業があれば、その要望に応える姿勢を持っています。
8月20日(月) 「特別委員会」
【特別委員会】
 行政改革・基本計画等に関する特別委員会の運営に係る申し合わせ会議が開催されました。私も本特別委員会委員になっているため会議に出席しました。各会派から平成20年度から10年間にかけて達成すべき和歌山県の姿を描く、和歌山県長期総合計画に織り込むべき事項をまとめて提言、長期総合計画への組み入れ方について当局に委ねました。

 会派「真わかやま」からの提言は次のとおりです。
1. 環境問題への取り組み
地球温暖化防止に対応した、環境先進県わかやまを目指した取り組みにする。
自然エネルギーの活用NO1の和歌山県。
日照時間が全国でも長い特長があることから、小額であっても太陽光発電普及施策を導入し家庭用への普及を図る。
風力発電の適地が数多くあると思われる。産業用に普及を図るための施策を導入すべき。
また企業への新エネルギーの導入目標を掲げてもらうことで全県下への普及を拡大する。

2. 少子化対策への取り組み
人口減少を抑えることは、特に中山間地を多く抱える和歌山県の大きな課題である。二人以上の子ども家庭への支援費や私学助成金の支給など子どもを育てやすい環境をつくり、子どもを育てやすい和歌山県を目指す。

3. 白浜空港の活用
東京行き以外の便を誘致する。観光都市としての位置づけを明確にして、観光客招致の玄関口として白浜空港の活用方針を定める。

4. 産業振興ビジョン
和歌山県の企業立地の方針を定める。たとえば紀北地域は電子機器産業や、物流の拠点になるような企業を立地。紀南地域は次世代のアグリ産業を誘致するなどの方針を打ち出し、県として欲する企業誘致戦略を明確にする。
特に現在は食の安全を求める消費者ニーズがあり、明るくて健康的なイメージの和歌山県産の野菜などの産品の付加価値戦略を講じて市場価値を高める施策を講じる。
将来的には、わが国の食料自給率の低さ解消と国際的な食料不足に備えて、大規模アグリバイオ基地構想を掲げることで企業誘致につながり、安全で高品質の産品を発信する。

5. 高等研究機関の設置
和歌山県の産業振興、企業立地、そして雇用拡大のために、知の集積を図ることは重要である。地域と密着した研究を繰り広げるため、和歌山県ならではの恵まれた農林水産物資源から加工食品、機能性食品、さらには薬品類を生み出す研究開発を進めるために、
また同時に多くの優れた人材を育成・養成するために、農林水産、あるいは生命科学系の高等教育機関を充実させるべきである。

6. 生活排水処理の充実
公共下水に限らず、集落排水、あるいは浄化槽等、それぞれの土地、地域に見合った生活排水処理システムを採用して、自治体財政の負担を軽減し、なおかつ生活環境を守るため、可及的速やかに生活排水処理を充実させる。

 以上6点について提言いたしました。和歌山県の課題を挙げれば、道路や都市間格差、災害への備えなど多岐に亘りますが、私達の会派からの提言は地球環境問題への地方自治体としての対応、産業振興ビジョン、少子化への対応などに絞ったものにしました。
 今後は平成19年9月議会に骨子案を提示、同年12月議会で素案の提示、平成20年2月議会で成案の提示があり、県議会承認後、次年度から県長期総合計画に沿った和歌山県を目指した取り組みが開始されます。

【その他】
 和歌山県への企業誘致について打ち合わせ。そして、和歌山県施設の指定管理者制度活用に関する懇談を実施。言うまでもなく県の施設ですから、県内在住の全ての方がお客さんです。ですから様々な要求や苦情があります。毎日のように、地域の皆さんからの意見があるようですから、お客さんを選択出来ない公共施設の運営の難しさを感じました。
 「となりのクレーマー」(関根眞一著)という本があります。組織にとって活かせる有益なクレームと単なるレベルの低いクレームがあるようです。
 指定管理者には、それら全てに対応しなければならない精神的タフさも求められます。
 続いて野球のクラブチームについての打ち合わせを実施。

【和歌山大学】
 和歌山大学が地域活性化のために中心市街地に出向いてくれています。本来、和歌山市北部にある同大学は中心市街地活性化とは関係ないのですが、観光学部をその周辺への開設を検討してくれていますから、今から地域との関わりを持とうと活動しています。
 観光学部の設置は和歌山県の置かれた環境から時期を得たもので、地域にとっては歓迎すべきものですが、少子化の時代に新しい学問の新学部を開設しようとする大学の決断があったから実現に向かっているのです。

 大学の決断を地方自治体はもっと受け入れて支援して欲しいところです。中心市街地再生を目指すのであれば、大学が街中に来てくれることの重要性は理解している筈です。大学の問題だからと傍観者的立場でいると、やがて大学は学問の府としての役割を担うために、栄谷を拠点とした活動を行うことになりかねません。中心市街地に観光学部が来るのか来ないのか、今が大切な時期であることを認識して欲しいところです。
8月19日(日) 「企業誘致打ち合わせ」
 午前中、関係者と集まり和歌山県の課題について打ち合わせを実施。最も重要なことは企業誘致活動との結論を得ました。理由は言うまでもありません。社会経験豊かな人は勿論のこと、若い人でも働ける場所がないこと、その結果若い人達が県外へ流失していることから、経済活動の停滞、そして少子高齢化が益々加速度を増す危機にあることです。
 和歌山県と和歌山市では企業立地のための課を設けて、県外企業への誘致活動に努めていることは心強いものがあります。ただ企業の移転までの意思決定の猶予はそれほど残されていません。

 例えば、アメリカの景気を引っ張ってきた要因のひとつであるサブプライムローンの焦げ付き問題。地価の下落や金利上昇などから、低所得者層を対象にした住宅融資のサブプライムローンの焦げ付きが急増しています。ローン会社の破たんをきっかけにアメリカの株価が急落し、それが世界の株価にも悪影響を与えています。日本経済への影響は不明確ですが、企業活動に何らかの影響を与える懸念はあります。

 参考までに、「サブプライム」とはプライムの下のサブを表すもので、銀行などの条件のいい住宅ローンを断られてしまうような信用度の低い個人を主な対象としているものです。融資への審査基準が甘いのですが返済の金利は高く設定されています。
 先の国内総生産(GDP)速報でも伺えるように、景気が減速する方向に向かっている様子もあり、企業の設備投資意欲が減速する可能性も秘めています。只でさえ、和歌山県の場合は県外からの企業進出は厳しい状況があり、今のうちに誘致活動を加速させることと、企業が望むような候補地の確保が必要です。

 民間事業者の方と話し合うと適地もありそうですが、それが直接企業立地に結びつくものではありません。企業が望む条件に適した用地を、最適なタイミングで提案出来るしくみも必要だと感じています。
 本日打ち合わせをしたこの方は、かつて、ある議員と企業誘致に関する話をしたそうです。その時の回答は「コスモパーク加太への企業誘致を進めたいのだが、見つからないので困っている」だったそうです。それに対して「企業へのアプローチは行っているのでしょう」と聞くと「いや、その活動はやっていない」との回答。
「それでは誰が誘致活動をしているのですか」と聞くと、「さあ、どうなっているのでしょうかねぇ」との答えが返ってきたそうです。

 県の重要課題と言いながら、誰も情報収集をしないし誘致活動も行っていないようでは、誰が好き好んで和歌山県に来てくれるのか。まして誘致方針を持たないで叫んでいる人が何人いても企業誘致活動にはつながらないと思ったそうです。
 議員自らが県内の企業立地の候補地を視察して、その場所に適した企業に働きかけるなどの活動が必要であると意見をいただきました。その気持ちの用意をしておかないと、チャンスがあってもチャンスと気付かないで素通りしてしまいます。

 その気がないと、リンゴが木から落ちても何も気付かないことになります。常に課題を解決しようとする問題意識を持って活動するのと、そうでないのとでは結果は自ずから違ってきます。
8月18日(土) 「同窓会」
【卓球大会】
 市内で中学生の卓球大会があり県立体育館に行ってきました。そこで協会の理事の皆さんと懇談する機会がありました。二順目国体の開催が決まり、小、中学生のスポーツ選手育成にも力が入っていますが、関係者によると、まだまだ他府県と比較して熱意も施設や機材も不足しているとのことでした。

 陸上でも水泳そして卓球でも、その競技が伝統的に強い地方自治体があります。ある理事のお孫さんは、両親の仕事の都合で偶然にも卓球が強いとされる県の学校にいますが、地域を挙げて子どもを育成しようとする雰囲気と組織作りがあるようです。小学校2年生ですが、両親が全てを見なくても、地域に施設があり熱心なコーチがいて子どもを育ててくれているようです。

 またある市の某公立高校の陸上部員は38名、そのうち37名が同市出身者で占められていて、残りの1名も同県出身となっています。つまり他府県からスポーツ留学を受け入れることなく、自分の地域で小学生から競技スポーツで子どもを育成し、そのまま公立高校まで進学しているのです。自分の町で育った子ども達が高校の全国大会に出場することで、地域に希望を与えてくれることになります。その地域の活力と喜びが再び、次の世代を育ててくれるのです。

 残念ながら和歌山にはその雰囲気がないと言います。国体開催県となった時に、和歌山県で育った選手の活躍で総合優勝することを目指して欲しいと思います。特定の競技やコーチだけの力ではなくて、地域の力を持って果たしたいものです。

【告別式】
 昨夜の通夜式に引き続いて告別式のお手伝いに伺いました。暑い中でしたが、大勢の方の参列があり、故人となった創業者の業績が偲ばれました。心からご冥福をお祈りいたします。

【同窓会】
 紀州よさこい祭りが開催されている中、向陽ゴーゴー会「KOYO55会」が開催されました。同窓会です。クラスを抜きにして同じ年の卒業生が集まる数少ない機会なのですが、ホームページに掲示板もあり、ここからの呼びかけで年々参加者が増加しています。今日の夜に会は開かれ、卒業して以来、実に27年が経過していることに驚きました。ですから27年振りの再会であり、時の過ぎ行く余りの早さに言葉を失うと共に、27年も経過しているとは思えないような顔合わせだったような気がしています。

 このような会が開催出来たのは、幹事役を担ってくれたTさん、会場を押さえてくれたNさん達の尽力に負うところが多いのです。何事もそうですが、世話役をしてくれる人がいることで会を開催することが出来ます。同じクラスにいる時や同じ職場であれば、世話役に指名されても会場手配程度で事は済みますが、同じ集団でない場合の世話役は大変な労力を伴います。
 時間の経過と共にそれぞれの所在が分からなくなっている場合が多く、同窓会開催の連絡と出欠の集約、そして人数に応じた会場の確保など負担が大きいのです。本当に久し振り、それ以上の感覚がありました。

 それにしても27年も経過していると、人には様々な人生があり、そして選択の機会があったことに気付きます。ひとつでも違う選択をしていたなら、現在とまったく違った人生を過ごしている筈です。現在までの選択が正解かどうかは、本人を含めて誰にも分かりません。それは違う選択をした場合の人生を生きていないので、今の自分と、もし違う選択をしていた場合の自分を比較することは出来ないのです。

 選択の仕方によってあり得たかも知れない人生は、決して現実のものとして存在することはありません。ただそれぞれが社会人として生計を営んでいるのですから、人生の選択は間違っていなかったと考えるべきでしょう。
 そしてこれからも、分かれ道は現れることでしょうが、経験と夢の方角を信じて選択を続けることでしょう。その結果、どんなゴールが待っているのか分かりませんが、折り返し地点を過ぎた今、少なくとも折り返すまでは見えなかった風景を見ることが出来るのです。経験を積み重ねたことで行く方向の焦点は絞れ、誰一人として同じではないゴールに向かう旅を続けることになります。
 27年振りの再会は、タイムマシンに乗ったかのような時間でした。
8月17日(金) 「企業訪問」
【企業訪問】
 和歌山県はメーカーに部材を供給している中規模の会社が数多くあります。主要産業がある地域に立地して産業クラスターを形成していないのは、特定の部材だけを生産するのではなく要求に応じて生産する体制を整えているからです。それ程の高い技術力を持っている企業が和歌山県内にあります。

 取引する全ての企業からの要望を受け生産体制を取っていることは、素晴らしい技術力があることを意味しています。特定の部材を生産するのであれば、マニュアル化、ルーチン化は可能ですし人材養成も比較的易しいのですが、多岐に亘る部材を生産することになると、発想力や経験力が大切になります。そのため製品生産までの納期の計算と若手の人材育成が難しいのです。

 都度、違った部材を製作するためには、数多くの部材を創った経験が必要です。工場を見学させてもらって、これらの経験を定型化することの難しさを感じました。大量生産、繰り返し生産ではないので、ラインを組むことや機械にプログラムを組むことは容易ではなく、どうしても経験者に頼ることになります。そのため定年を延長してまでも現場に留まってもらい技術力を維持しています。

 これらの経験者の有する経験を若手従業員に伝承しようとしていますが、継承する時間は次々と舞い込む仕事の合間になり、また夜遅くまで工場に滞在する必要があることから、余り詰め込みすぎると若手の離職率も高くなります。一般的に型枠の製造過程の内、「折り」が三年と言われますから、新卒者がある程度の基本技術を学び、技術者として一人立ちするまでには最低でも5年はかかります。若い年代に、その期間辛抱することは大変なことです。

 そのために経営者は、なるべく時間外労働を減少させ、経験をルーチン化出来るようなしくみを構築出来ないものかを経営指導を受けながら改善しようとしています。中規模の会社では人材育成が全てです。経験者から技術の引継ぎをスムーズに行い、如何に良い人材を育てるのかが、企業継続の鍵を握っています。
 中規模の会社では現場はしっかりしていますが、直接利益を生み出さないと言われていると間接部門が弱いようです。弱いといっても経理、営業、労務などの個々の部門は機能しているのですが、更に経営力を強化し企業を維持していくためには、全体を統括する人材が必要です。経験を積んだゼネラリストがこれらの職場に入ることで、和歌山県の企業は技術力がありますからまだまだ発展の余地は残されています。

 他の和歌山県内の中規模の企業にも課題はあります。
 挨拶が出来ない従業員もいるようです。朝の職場の挨拶は、チームワーク良く仕事を遂行していく上での潤滑油です。それが出来ない従業員がいることはつらいことです。企業では挨拶から研修を行わなければなりません。企業の生産性以前の問題が横たわっています。就業時間外には仕事以外の知識を得るための研修会を行うなど、この問題を放置することなく資質向上に努めています。

 また最近の和歌山県内の中規模の会社の中には、職長が若手の指導を厳しい言葉で行うと、直ぐに会社を休む傾向もあるようです。優しく丁寧には大切なことですが、時には厳しさも必要だと思うのですが、それが出来ない環境にあるようです。これは企業内の人材に限ったことではなく、現代社会に対人関係の弱さが蔓延していることを指しているような気がします。弱さが前面に溢れている社会、大丈夫でしょうか。

【長期計画】
 和歌山県が長期計画の策定に着手しています。10年先の和歌山県のあるべき姿を描く作業は、地方自治に関わっている人は勿論、県民にとっても重要な問題です。それは人口減少、雇用の減少、高齢化社会、事業所の減少、若い人の流出など、解決すべき課題は山積みだからです。
 これらの課題は10年スパンで解決方策を見出し、好転させる必要がありますが、そのためには具体的に描かなければなりません。和歌山県の将来の姿を描くことで、時代に応じて修正しながらも、それに向けて推進力が働きます。長期計画は必ずしも実現性がないので意味がないとの意見がありますが、それに対しては、実現させるべき夢のある目標を策定することでそれに向けて県行政が進むのですから、計画策定は歓迎すべきことです。
 私達県民は長期計画をチェックすることで、私達が県の施策の実施状況を監視することも可能になります。
 今日、会派で集まり県長期計画への要望を議論しました。

【通夜式】
 夜は通夜式のお手伝いを行いました。その後、慰霊祭会場に向かい、この場所を守ってくれている方と懇談を行いました。戦死者の遺族が高齢化し、さらに生きている方も少なくなっていることから、遺族会を維持すること自体が大変なことなのです。それでも毎年、慰霊祭を開催し戦死者の魂を慰めています。今年も夏の夜に明かりが灯りました。
8月16日(木) 「サービスレベル」
 昨日に引き続いて東京で観光施策の調査を行ってきました。何といっても東京は一大観光地ですし、どこに行っても快適なサービスを提供してくれます。
 商品の説明を求めると、気持ちよく丁寧に説明をしてくれます。結局、購入まで至らなくて「申し訳ございません。結構です」と話しても、「どういたしまして。ありがとうございました」と応対してくれます。態度と言葉。この二つの使い方で、お客さんに気持ち良くなっていただけますし、不機嫌にも導いてしまいます。

 東京から見た地方の観光地のおもてなしのレベルはどう映るのでしょうか。チェーン化を進めているところであれば、ある程度サービスレベルを保っていますが、地元資本のところはサービスレベルでお客さんの動向に変化が現れることから、レベルの向上に務めているようです。
 一番の違いは言葉の使い方です。お客さんに言葉を掛けると安心してくれますから、初めてのお客さんにはお店から声を掛ける必要があります。そしてお客さんの名前を聞く時は、自分から「私は当ホテルの○○とも申しますが、ご予約いただいているお客さまのお名前を頂戴出来ますでしょうか」。或いはホテルの従業員であることを証明する名札を着用するなどして、お客さんに不信感を与えるようにしない心掛けが必要です。

 一番失礼なのは、お客さんに名前を聞く場合に、自らは決して名乗らないで何度も聞かれることです。和歌山市に戻って来た今日も早速ありました。
 ある人を訪ね名前を告げたところ、先方の方が聞き漏らした様子で「どちらさん。どちらさん」を何度も繰り返されました。「二回、言いましたけれども」と問い返すと「聞こえませんでしたもんで。どちらさん」と、自分の名前を言うことなく、また聞かれました。これには苦笑でした。

 もうひとつは安心感です。タクシーなどの乗り物に乗ると、目的地を丁寧に確認してくれますし、交通ルールを守って走ってくれます。観光事業者や運送事業者は、お客さんに安心と安全を提供していることに気付くべきです。
 これも和歌山市に戻ってきて直ぐに気をうちました。タクシーに乗り行き先を告げたところ、その運転手は無言でした。聞こえているのか、行き先が確認出来ているのか、外観からは全く分かりません。
 そして機嫌が悪いのか、黄信号から赤に変わろうとしているのに、スピードを加速して交差点を潜り抜けます。後部座席で加速と減速のスピード感覚を同時に体験させてもらいました。
 一日で良い事例とそうでない事例のサービスレベルを体験することが出来たのです。

 和歌山市に観光に来てもらうための施策は重要ですが、来てもらってからがもっと大切です。観光客に対して、観光にかかわる事業者が不親切無愛想な対応をすると取り返しがつかなくなります。しかも一人でもそういう人がいると全てを失います。ですから、サービスレベルは高い水準で、全ての人が保たなくてはならないのです。それも一人の例外もなくです。
 観光都市和歌山への道のりは決して容易ではないことを感じていますが、何とかしたいとも思っています。
8月15日(水) 「おもてなし」
 終戦記念日の今日、日本は平和への祈りに包まれています。現代の平和な日本で生活出来ることは何ものにも代え難いものです。家族や友人と、各地の行楽地で今日の日を過ごせることの幸せを感じます。
 今のこの瞬間でも、世界のどこかで悲惨な争いが繰り広げられています。命と時間、どちらからが長いのか今日も厳しい環境の下、懸命に生きている人がいることも知りました。宗教間や民族間の争いは今日も続いているのです。
 わが国で開催されている平和の式典に感謝せざるを得ませんし、私達の時代を超えて永遠に平和が続き、世界にも拡がるように祈っています。

【おもてなし】
 和歌山県も舞台に開催される「2007年日本中華年」。今秋のイベントとして「和の歌」が開催されることに決定しています。平成19年9月15日から同月22日までの7日間、新宮・熊野エリアを初め、田辺・御坊エリア、白浜エリア、高野山エリア、和歌山市エリア、そして那智勝浦エリアの7つのエリアで和歌山県の観光地としての魅力を、全世界の中華圏の皆さんに発信する大きな取り組みです。
 世界中から華商が和歌山県にやって来るので、県の経済振興や観光振興につながるのは勿論のこと、世界に和歌山県を認めてもらえる絶好の機会となります。和歌山県には、中国の人が最も訪れたい場所とされている那智の滝がありますし、徐福伝説など中国との深いつながりがあります。

 さて本日は東京で、首都圏でこの催しを中心とした観光施策に関する打ち合わせと和歌山県の観光に関する意向調査を行ってきました。
 和歌山県の観光資源は評価されているものの、観光客を迎え入れるだけのおもてなしのレベルが懸念されています。東京は政治と経済の中心地であるだけではなく魅力的な観光地であり、宿泊施設や観光事業者にとっては激戦区なのです。国内だけではなく世界のホテルや世界の観光地を舞台にサービスを提供している観光事業者が割拠しています。
 サービスレベルやおもてなしの精神が欠けると、忽ち競合相手にお客さんを奪い取られてしまいます。一度、サービスレベルに疑問符をつけられると、信用を再び取り戻すことは難しいのです。

 あるホテルでは、部屋に入ると冷たいブドウとバナナがテーブルでお客さんを迎えてくれていました。その横にはウォーターが置かれ、ホテルからのおもてなしの気持ちを伝えています。
 ホテルの従業員さんは、丁寧に一通りの施設の説明をしてくれた後に「他に何かお手伝い出来ることがありますか」と確認してくれます。お客さんの課題を一緒になって解決しようとする気持ちが伝わってくるものです。勿論、言うまでもなくお客さんを迎え入れる態度は一流のものです。

 チェックインカウンターで並んでいると、ホテルの従業員さんが「何かお困りのことはございませんか。急ぎの方はいませんでしょうか」と声を掛けてくれます。そして時間の経過を見て、お客さんの苛立ちを防ぐかのように「大変お待たせして申し訳ございません。キャンデーは如何でしょうか」と、キャンデーを配ってくれます。人は待たされた場合、何が起きているのか説明の言葉が足らないと苛立ちますが、説明してくれると苛立ちは消え納得するものです。

 言葉と態度で示すおもてなしの気持ち、そして言葉以外でお客さんを迎え入れてくれていると思わせてくれるおもてなしの心。お客さんがリピートするのは当然のことだと思います。和歌山県でも導入したいおもてなしの気持ちでの数々です。
 さて観光立県和歌山県で、この催しが大阪府と兵庫県と並んで開催されることは、関西の中の和歌山県が認められていることを意味しています。この催しを全国に発信するために、そして和歌山県に来てもらって観光地でのおもてなしと共に、お客さんに楽しんでもらえるためにも観光施策に力を注ぎたいところです。
8月14日(火) 「甲子園」
 夏の暑さを感じさせない熱戦を繰り広げている甲子園大会。中々ライブで見る時間はありませんが、時々夜のニュースで見ることがあります。甲子園大会、そして甲子園を目指して闘う高校野球は、日本が誇るべき伝統だと思います。ニュースのアナウンスの中で「高校三年生にとっては最後の甲子園です」とありました。

 トーナメント方式の甲子園大会では、高校三年生にとって負けたら次はありませんから、最後の甲子園になることは余りにも当たり前のことですが、見ている者にとっては余り意識していないのです。ところが高校三年生にとっては今年の甲子園大会は最後の機会であり、このために三年間頑張ってきたのです。

 見る側にとっては、夏の甲子園は毎年巡ってくるもので特段の意識はありません。ところが選手にとっては生涯、この時期ただ一度のものですから人生において特別な夏になります。見る側と当事者では天と地ほど意識が違うのです。
 特別な視点ではなく一般的に私の年代で夏の甲子園を振り返ると次のようになります。
 
 石井投手、嶋田捕手のバッテリーで春夏連覇を達成した箕島高校。そしてライバルの牛島投手、香川捕手のバッテリーを擁した浪商高校。
 ライバル対決の池田高校の水野投手と中京高校の野中投手の対決。
 そして突然現れて池田高校を破り、その後の主役に上り詰めたPL学園高校の桑田投手と清原選手。
 五打席連続敬遠で甲子園を去った星稜高校の松井選手。
 決勝戦でノーヒットノーランを達成した横浜高校の松坂投手。
 記憶に新しいハンカチ王子こと早稲田実業の斉藤投手と、夏の大会三連覇を掛けて投げた駒大苫小牧高校の田中投手。

 彼らがいた甲子園は幻ではありませんが、再び同じ場所にやって来ることはありません。
 毎年確実に巡ってくる夏の甲子園。同じように見えても選手の姿は違います。全てを掛けて打ち込めるものがあることは幸せなことです。大人になると全てを掛ける機会は著しく減少します。

 高校時代が大人になった後に巡ってくるとすれば、三年間の過ごし方は全く違ったものになると思います。必ず全てに全力を尽くすことでしょう。それは他人の視線よりも、全力を尽くすことの方が大切であることに気付いていること、そして人生において全力を尽くす機会は、それ程多くないことを知っているからです。何よりも、人生に目標を持ち、それに向かうこと自体が難しいことも分かっているからです。

 三年間追い続けられる目標を持つことができ、全力を尽くす機会を与えてくれる高校時代が輝ける瞬間であることに間違いはありません。それと同じことが大人になると出来にくくなる、本当に不思議なことです。その理由は分かりませんが、考えられるのは、目標がなくても何となく生きていけること。目標達成までの期間が区切られていないこと。既に社会に順応している周囲に同調してしまうこと。そして人生は長いのだから、そのうちにと思ってしまうこと、などが挙げられます。

 いずれも達成すべき目標を先送りにしていることから派生しています。大人になっても三年間、または四年間で環境を変えることを余儀なくされたら、与えられた期間は充実したものになると思います。
 夏の甲子園を見て思うことは、その一瞬に全力を尽くすことの難しさと大切さです。今の一瞬に全力を尽くすことが、長い人生で出現する課題に全力で対応出来ることにつながります。一瞬に全力尽くせない人が人生と言う持久走を走りぬけることは難しいのです。
 今日も夏の象徴である入道雲が空に輝いています。どこまでも青い空と白い入道雲は、私達の未来が白く青く輝けるように行く道を導いてくれているようです。
8月13日(月) 「企業誘致」
 お盆に入った月曜日。朝の車の交通量は少なく、和歌山市で勤めている人達も帰省したことを知らされます。ただ紀伊半島を南に行く、つまり紀南行きの高速自動車道は朝から混雑していたようです。今週は和歌山市の企業活動も止まりそうです。

【企業誘致】
 和歌山県に企業誘致を。現在の最も大切な活動のひとつです。朝から企業誘致活動に関しての打ち合わせを行いました。お盆にも関係なく打ち合わせをしているのは、つまり和歌山県は企業誘致活動に大変な力を入れていることの証左です。
 全国的に経済活動は上向いているように、和歌山県もそれに引っ張られるように徐々に上向き加減のところがあります。但し、依然として中小企業や中小事業者のところまで回ってきていない状況は変わりありませんし、中小企業で働く比率の高い和歌山県の生活者のところに資金が回ってこない状況もあります。

 しかし県内企業の投資は活発になりつつあります。和歌山市や紀の川筋にある工業団地の土地の需要はかなり引き合いがあり、未利用地は埋まりつつあります。傾向としては良いのですが、更に和歌山県の経済活動を活発にさせるためには、未利用地を埋めるだけではなく、企業の潜在的需要に応えられるだけの対応も必要になっています。
 打ち合わせの場で聞いた原則ですが、景気が上向きの時に企業活動を拡大したい意向がある場合、企業は近接地に立地場所を求めるようです。現時点りの生産活動を拡大する訳ですから、現工場や関連企業が立地している近くに新しい工場を求める方が理にかなっているからです。

 そして不況時や業績不信の時には思い切った事業編成が必要なため、県外や他府県に移転先を求めることが多いようです。
 和歌山県も経済が上向いているため、県内企業が同じ県内に移転しようとする動きがあります。現在の工場敷地が狭隘になったことから、生産活動を拡大するために新たな立地先を探す場合や、紀南の会社がより市場である京阪神に近い和歌山市に立地先を求める場合が代表的な事例です。この好循環が見られるようになっていますから、今この時が和歌山県の将来にとって重大な時期なのです。
 自主的に発生した循環ではなく全国的な景気循環に引っ張られてのものですから、このタイミングはとても大切です。何故なら和歌山県が経済循環の発信を出来るのであれば何時のタイミングでも仕掛けることが可能ですが、残念ながら経済活動では全国の動きに追従しなければならない県ですから、地方自治体の企業立地に携わっている立場の人は、この瞬間が大切であることを機敏に感じ取る感性が必要です。

 企業に来てもらうためには、市場に直結する道路の整備、工業用水の確保、生産活動に必要なだけの電力やガスの確保、そして工業用地の賃貸または売買価格の問題があります。これら用件に関して企業が求める条件整備を当該地方自治体が整える姿勢が大切です。
 企業が来てくれるならインフラ整備を考えるのではなくて、理想から言うとインフラ整備を整えて企業立地を促すことです。経済活動が盛んな時期、企業は即稼動出来る工場立地を求めますから、来てくれるなら整備しましょうと言う対応では、確実と言って良い程、企業が来てくれないことは明白です。

 折角、全国に追いつこうと始動し始めた和歌山県の企業活動ですが、本日の国内総生産(GDP)速報(*1のとおり)や日銀短観などの経済指標からすると、長く続いてきた景気拡大もピーク時期が推測出来るようになってきました。2009年9月に向けて上昇を続けるけれども、その時点がピークで、以降、下降線を描くことが予想されています。つまり、今直ぐ和歌山県に企業立地を行わないと、投資時期を逸してしまうことを現わしています。それどころか、もう遅い位かも知れません。

 全国的な景気拡大の大きな波に乗ることなく、消極的姿勢では、大きな波が消え去るのを待っているようなものです。
 企業誘致活動は今が重大な時期であるとの認識を持ち、果敢に攻める姿勢が必要です。企業に来てもらう活動においては、和歌山県にとって現在が正念場であることを、トップを含めて全ての関係者が強く認識した取り組みをしたいところです。
 勿論、私も年内最大の課題と考えて毎週のように活動を行っています。成果が生まれると信じて。

(*1)本日の毎日新聞掲載記事から。
 内閣府が8月13日発表した07年4〜6月期の国内総生産(GDP)速報によると、物価変動の影響を除いた実質GDP(季節調整値)は前期(1〜3月期)比0.1%増、年率換算で0.5%増となった。プラス成長は10四半期連続だが、輸出や消費の減速が影響し、06年10〜12月期(年率5.4%)、1〜3月期(同3.2%)と2四半期続いた高成長に比べ、伸び率は大幅に鈍化した。物価変動の影響を含んで生活実感に近い名目GDPは前期比0.3%増、年率換算で1.1%で、2四半期ぶりに実質の伸びを上回った。
 米国の低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題を受けて動揺した株価など金融市場の動向を見極めたうえで利上げの是非を判断する構えの日銀にとっては、好材料と悪材料が半ばの数値となった。
 実質成長率の伸びが鈍化したことについて、大田弘子経済財政担当相は会見で「消費と外需の鈍化が要因だが、企業の設備投資と収益は堅調で、景気回復の基調はしっかりしている。今後も民需中心の回復は続く」と述べた。
 需要項目別にみると、輸出が米国向けの伸びが低迷したことなどから前期比0.9%増と1〜3月期実績(同3.4%増)から大幅に減速。個人消費の伸び率も前期比0.4%と、1〜3月期の伸び率(0.8%)より鈍化。また住宅投資と公共投資がそれぞれ同3.5%減、同2.1%減となった。
 それでも実質成長率がプラスを維持できたのは、企業部門が下支えしたため。1〜3月期に前期比0.3%増と一服していた設備投資が、同1.2%増と再加速した効果が大きかった。
 総合的な物価変動を示すGDPデフレーターは、前年同期比でマイナス0.3%。1〜3月期とマイナス幅は同じで、物価は足踏み状態を続けている。
 今月6日に改定した07年度の政府経済見通し(実質成長率2.1%)の達成は、7〜9月期以降の伸び率が前期比0.3%(年率1.3%)を維持すれば可能となる。

【懇親会】
 夜は懇親会に参加いたしました。会場は和歌山県伊都郡九度山町です。支援していただいている会社の懇親会が、社長の自宅で開催されたのでお招きを受けたものです。夏の暑さを吹き飛ばすような活発な会合となりました。明日への活力を醸成するような熱い懇親会でした。
 九度山の夜空の星は地上から近くて明るく輝いていました。
8月12日(日) 「お盆」
 暑い日が続いています。日曜日とお盆が重なり、道路は空いているのか混んでいるのか分からないほど状況の変化が著しい上、他府県ナンバーの車が多く、不思議な特有の雰囲気がありました。この時期、レジャーや観光に訪れる人が多く街中は空になり勝ちですが、忘れてはならないのはお墓参りです。先祖を敬い感謝する気持ちを思い起こす時期でもあります。普段は先祖の存在を意識することはありませんが、自然にお墓参りに向かわせてくれるお盆は特別な時期になります。

 言うまでもなく私達が存在しているのは両親がいるからです。その両親にも必ず両親が存在していますし、その両親も同じことです。この様に今の自分に繋がるまでには必ず両親が存在しているのです。もし生命の連鎖の中の一人でも欠けていたら、私は存在していなかったのです。ですから生存しているか、していないかは問題ではなく、全ての先祖に感謝する気持ちを持って当然なのです。

 そして受け継いだ生命の連鎖を繋げる役割を担えることにも感謝したいものです。仮に、何かの犯罪に巻き込まれたり、生まれてきた個としての役割を果たす前に何か発生すれば、自分が先祖になることは出来ません。自然の流れの中で、そうなれば天命だとも言えますが、自らの過ちでこの連鎖を絶やすことは先祖への冒とくです。
 長い流れの中で自分の代がこの世に生を受けているのはわずかの時間です。バトンを持ってのリレーですから、バトンを受け取った時よりも全てを前進させて次の走者に渡したいものです。

 ですから本日はお墓参りに時間を割きました。流行の歌にあるように、お墓の下に先祖がいるのかどうか分かりません。この世を去った先祖の姿は見えないので、見えるものに向かって感謝の気持ちを述べ、手を合わせます。何となく、先祖の魂はその場にいるものではないけれども、その瞬間は心の中に宿ってくれるような気がします。

 手を合わせた瞬間に先祖が氣を注入してくれ、この後、困難な時代に立ち向かう氣力を与えてくれるようです。いつの時代も生きていくことは困難に立ち向かうことです。生きていくことが楽な時代は歴史上ありませんしこれからもないと思います。困難な時代を生き抜いてバトンを渡してくれた先祖は、それぞれの時代を生き抜いた力があります。全ての先祖がその全ての力を、後輩でありこの世に生を得ている子どもに分け与えてくれるのです。このようにお墓参りは先祖が氣を満たしてくれる時間でもあり、この後、生きていくための力を与えてくれる瞬間なのです。
 暫くの時間でしたが先祖から氣の交換をしていただき、気持ちも新たに活動に向かえる態勢になりました。

 お墓参りをしない人は保護されないと聞くことがあります。忙しい現代社会を生きているとお盆と言っても中々時間を取れないものです。しかし忙しいばかりではやがて心を失い、氣が萎えていきます。先祖との対話から氣を充実させ、明日に向かえる貴重な期間がお盆のような気がします。勿論、仏教の知識はありませんから、本日、感じたことや考えたことは全て私事ですが、信じることから始まることがあります。2007年も後半戦に入っています。活動に加速度をつけるためにも貴重なひと時でした。
8月11日(土) 「中央卸売市場」
 和歌山市中央卸売市場内に和歌山魚類株式会社があります。市場内で海産物の取り扱いをしている会社は一社だけですから、私達和歌山市民の台所を預かってくれている大切な役割を担ってくれています。和歌山市内で海産物を取り扱う会社は、数年前までは二社あったのですが、もう一社は約30億円の負債を抱えて倒産しているため、それ以降は和歌山魚類株式会社一社が支えてくれています。

 中央卸売市場は生産者と小売者をつなぐ梃子のような役割があります。小売者は消費者のために1円でも安く仕入れたいと考えていますし、生産者は商品の安定供給を図るため1円でも高く卸したいと考えています。その間を取り持って適正価格で商品を流通させているのです。

 和歌山市の卸売市場で海産物を取り扱う会社が一社では適正価格を保てないのではないかとの意見がありますが、現代社会はそうなりません。小売者や消費者には全国の取引価格の情報は伝わりますから、和歌山市のこの会社が不当に価格を吊り上げようとしても、取引は成立しません。それどころか小売者は消費者の側に立っていますから、仕入れ価格は1円でも安い卸売市場に求めますから、何も和歌山中央卸売市場で仕入れなくても他府県の市場に商品を求めることになります。いずれにしても世界を巡る情報化社会では、従前以上に市場原理が働いて適正価格に落ち着くことになるのです。

 ただ和歌山魚類株式会社は、魚類加工のHACCPの認定を受けている全国でただ一つの卸売会社です。品質管理のために数億円も投資している位ですから、生産者と消費者の安全、安心を第一の価値としています。安全、安心には価格も含まれますから、この会社は消費者側の利益も守ってくれていると考えて良いと思います。
 そして和歌山市の卸売市場で海産物を取り扱っている会社は1社であることは、私達が思う以上に責任感のある仕事なのです。小売店に対して消費者から何か苦情があれば、その責任はただひとつの源流であるこの会社が負うことになります。人の口に入る商品を取り扱っている分野では競争しているよりも、より一層商品の安全性と商品者への安心提供が求められるのです。

 さて食品には安全と安心を求めている消費者ですが、その消費志向は変化しています。かつて生産者からの商品(食品)は、全国に中央卸売市場で90%以上が流通されていました。ところが現在の卸売市場を経由する流通高は50%程度となっています。その理由は、生産者が商品を中国に輸出し、商品は加工されて製品として日本に輸出されているからです。つまり魚や野菜は現物の形ではなく、加工された形で日本の市場で取り扱われているのです。
 以前、海老は海老として店先に並んでいましたが、現在はエビフライやむき海老として店頭に並んでいます。魚は頭と尾のついた姿で店頭に並んでいましたが、現在では、切り身や焼き魚として店頭に並べられています。

 このように消費者の志向の変化が流通の形態を変化させているのです。これは卸売会社が自分達の都合で流通形態を変化させているのではなく、消費者が流通形態を変化させていることを示すものです。
 主役は消費者ですから、消費者の要求に応じて源流にある立場の者は、その姿を変えなければならないのです。消費者から安全と安心を求められていることからHACCPの認定を受け、共稼ぎなどで家庭での調理時間の短縮を求められることから、加工した状態で小売店に商品を供給しているのです。
 かつての流通形態はその時代には適していたかも知れませんが、主役である人の生活スタイルや志向の変化に応じて、責任を担っている会社は経営方針も流通形態も変化させているのです。全てはお客さんのために。その姿勢があると限り不正表示や偽装はあり得ません。
 懇談を通じて、食の安全と流通の課題を確認させていただきました。
8月10日(金) 「ユニバーサル・カラー」
【ユニバーサル・カラー】
 私達の暮す世界には色覚に異常のある方がいます。これは特別なことではなくて人の人格や性質、体長は皆違うのですから、違った当たり前の人が気持ち良く過ごせる社会に近づけるように行政も個人も取り組む必要があります。
 身体に障害のある方も健常者も気持ち良く快適な生活を過ごせるような製品が近年市場に出ています。ユニバーサル・デザインと呼ばれるものです。このデザインは見た目だけでなく使い易いように工夫されています。

 例えば、シャンプーとリンスの容器は同じでも、突起物に違いを持たせて、洗髪中でも指先で見分けられるようにしたデザインがあります。飲料水の自動販売機の取り出し口を胴体の真ん中辺りに取り付けることで、屈まなくても缶を取り出せるようにした製品があります。これらはユニバーサル・デザインの特徴的なもので、従来の製品よりも利便性が高められているのです。

 さて色覚異常の方の中には、青や赤などの色の違いを見分けられない方がいるのも事実です。一般的に標識やポスターなどはその求められる役割上、人目を引くため、目立たせる必要があるためカラフルになったり、微妙な色の違いを取り入れたりしたものがあります。それだけなら良いのですが、災害時の避難場所の標識や交通安全の標識の中には、色覚異常の方が判別しにくいものもあります。

 今までは余りカラーに関しては意識していなかったのですが、この分野にもユニバーサル・デザイン・オブ・カラーと言う取り組みがあるのです。つまり色覚異常の方が判別し易い色使いを取り入れたポスターや標識に変更することで、誰でも安全で快適な社会生活を過ごせることに資することにつながります。そして誰にでも判別しやすい色使いは、健常者にとっても分かり易いのです。

 何かの障害があることを特別なものだとするのではなく、誰でも何らかの不具合はある筈です。その不具合を意識しなくても、自然な行動で安全で快適な社会生活を過ごせる世界とまちを築くことが大切です。それ以前に、誰にでも優しいまちづくりを心掛けることだけでも大きな進歩です。このような考え方を持つ人が多く暮らすまちは他人に優しいまちになっていきます。

 嬉しいことに和歌山市では、ユニバーサル・デザイン・オブ・カラーの取り組みが始まろうとしています。印刷に携わっている人達が立ち上がろうとしているのです。印刷の仕事は色が命であり色のプロ集団ですから、単なる優れたデザインではなく、色覚異常の方にも分かり易く、そして誰でもが色を楽しむことが出来るような色使いをポスターや標識に取り入れようと考えています。和歌山市からこのような動きがあることは、大変好ましいことです。

 そしてこのユニバーサル・デザイン・オブ・カラー取り組みに協力してくれたのが、NPO活動をしている皆さんです。NPO活動をしている方々は、人に優しいまちづくりや社会的弱者を守るための取り組みに本当に協力的で、一緒にいると頭が下がります。熱心に私達の取り組みの説明を聞いてくれた上で意見を出してくれました。何事も、一方的に進めるのではなく、関係する皆さんの意見を聞き、改善案を取り入れることで、本当に望んでいるものが社会に送り出されることになります。

 NPO法人の取り組みは、行政機関なら手続きや時間を必要以上に要して、時期を逸してしまう恐れのある企画にスピード感を持たせてくれます。スピード感は仕事の命です。スピード感を感じさせない仕事に良いものは少ないのです。スポーツならプロとアマチュアの違いはスピードですが、仕事も全く同じです。
 本日はスピード感のあるメンバーで話し合いは進展し、ユニバーサル・デザイン・オブ・カラーの取り組みに着手することを確認しました。

【その他】
 雇用問題について、保育の問題についての打ち合わせ。参議院選挙の全国の結果と和歌山県の結果についての話し合いを実施。他人から信頼を得られない行動様式と、人としてすべき行動についての違いに関する話し合いも行いました。
 世の中には、不思議なことに何故か人の批判をして周る人がいます。聴く側は聴くだけの対応をする他はなく、他人の批判からは何の進歩もありません。更に他人を批判する人の行動は必ず聞こえてくるものです。そんな人から信頼が失われていくのは当然のことです。
8月9日(木) 「評判」
【県の課題】
 昨日に引き続いて和歌山県内の課題を調査するために田辺市から御坊市までを周り、県の課題の説明と議会報告を実施しました。内容は昨日と同様ですが、皆さんとの意見交換を含めて有効な調査の機会とすることが出来ました。

紀南地域への企業誘致活動について。御坊市にある県企業団地のインフラを整えているので県外企業の誘致を図って欲しいこと。また日高港湾に今秋、開設するエネルギーパークへの期待があります。現在ある新エネルギーを全て揃えたテーマパークに仕上がる予定で、平成19年10月にオープンします。新エネルギーの研修の機会として活用したいと考えています。

紀南の産業のひとつに観光があります。平成19年11月には高速自動車道が田辺市まで延伸しますから観光には拍車がかかります。現に夏休みに入ってからは、紀南への観光のお客さんがたくさん来られているため、和歌山市から南部町までの高速自動車道は渋滞しています。休日になるとこの高速自動車道が20km以上も渋滞することも珍しくなく、それ程、観光は和歌山県の大きな産業に数えられています。

 高速自動車道が紀伊半島の南に延伸すると、白浜町や熊野古道への観光は増加すると予想出来ますが、御坊市などの中間に位置するまちは通過される恐れもあります。そのためこの地域への企業誘致は重要な施策になってきます。観光振興と企業誘致、これは和歌山県全体の課題であることを再認識出来ました。まだ帰省には早い時期の今日の御坊市から和歌山市への帰り、高速自動車道は6kmの渋滞でした。
 紀伊半島は広くて一周するのに二日間を要しましたが、各地で数多くの意見を伺えましたし考え方に触れることが出来ました。直接意見を交わすことで得られたものは数多くありましたから、時間をかけて周った甲斐がありました。

【評判】
 評判とは恐ろしいものです。上場している株式会社の多くは6月に株主総会を終え、役員の人事異動と一般の人事異動がありました。7月から8月にかけては、新しい人達が新しく配属された地域を、挨拶を兼ねて駆け巡っています。

 和歌山市内でも、そろそろ新しく赴任した人達の評判が聞かれるようになって来ました。
 「前任者よりも話し易い雰囲気があり好感が持てます」
 「前任者は腰が低かったのに、今度の人は本社から来たので偉そうです」
 「本来は転勤してきた人が、今いる企業の人に挨拶に来るのですが逆の場合があります。どれだけ偉いのか分かりませんが、一体どうなっているのでしょうか」
 「先日、転勤して来た人に挨拶をして、お宅の会社の○○さんを良く知っていますよ、と声を掛けたら、『ああ、そうですか』との返事がありました。それはないですよね。本来なら『いつも、うち(会社)のものがお世話になっています。私も同様によろしくお願いします』などの気の利いた返事があるものです。それだけで人格がうかがい知ることが出来ます」などです。

 人物評価は難しいものですが、実は最初の印象は大切です。第一印象が関係者に伝わりますから、悪い印象の人はその後の活動が大変です。和歌山市は小さいまちですから、3人も経由すると知人に突き当たるのです。
 一人の人が新しく転勤してきた人の印象を知人に話すと、その知人は次の人にも同じような印象を伝えます。瞬く間に評判は和歌山市内中を駆け巡ります。特にトップの印象は企業の印象を左右します。恐ろしいことに最初に出会う人の印象が、その企業を代表するものになります。どれだけ良い人格者の集団であっても、たった一人の言動による印象で台無しになることがあります。

 和歌山市に新しい転勤者がやって来て丁度、一ヶ月が経過しました。色々な方の意見を伺うと、今までの会社の印象が大きく変化したところもあります。会社とは人の集まりですから、たった一人の印象は意外と大きいものです。
 転勤に伴って和歌山市内にある会社の評価が上下しているようです。
8月8日(水) 「県の課題」
 和歌山県内を巡っています。紀伊半島を南下し、新宮市から田辺市まで県の課題の報告と県議会での活動について説明を実施しました。そこからの意見も次の議会活動に活かすことが出来るのです。

企業誘致活動。和歌山県の最大の課題のひとつが企業誘致です。企業誘致が目的ではなく、企業誘致に伴う雇用の創出と経済活動の拡大、そして地域活性化に資することです。優れた企業が地域に来ると地域そのものの価値が上がります。シャープが来ている亀山市、今回シャープが進出することを決めた堺市。いずれのまちも企業が来たことや誘致に成功したまちと言うことで市のイメージが向上しています。松下電器産業の新工場の誘致を成功させた尼崎市も同様です。

 大手企業を誘致出来るほどの市は、それだけまちとしての実力があると評価されます。和歌山県の企業誘致に賭ける思いは相当なもので、精鋭を揃えて活動を展開しています。具体的な動きがあると、そこから具体的な方策が生まれますから、近いうちに和歌山県も変わると思います。

新産業創造。和歌山県は世界文化遺産高野と熊野を持つ自然豊かな地域です。観光立県和歌山として、観光で今まで以上の収益を上げることで地域が豊かになります。同じ観光であっても、他地域と同じサービスを提供するのではなくて、他地域にないものを付加価値としてサービスを提供することで利益が拡大します。永続的にその産業を続けるためには、利益を生み出す構造を作る必要があります。行政機関に頼りきりだったり、自ら投資を行わない事業者が作り出す産業では、やがてその地域は衰退の道を辿ることになります。

 いまある地域資源の活用を図り、付加価値を生み出すための施策のひとつに観光医療産業の取り組みがあります。熊野古道と熊野地域の魅力を全国に訴えるために和歌山県が手掛けている熊野健康村構想の取り組みは、数年を経て定着して来ました。
 そして国の観光交流施策に基づき、民間事業者が中心となった和歌浦地域における観光医療の取り組みが、いよいよ開始されています。他府県にはない新しい観光の取り組みが始まっているのです。これからの和歌山県に期待して欲しいところです。

中心市街地活性化基本計画に関しても動きがあります。和歌山市が昨年秋から策定していた和歌山市中心市街地活性化基本計画が、内閣府に提出されました。この基本計画については、国は三ヶ月以内に採否の結論を出してくれることになっています。

 国が認定した基本計画は、全国で既に青森市と富山市が認定を受けていますが、和歌山市の基本計画はこれらの都市に続くものです。基本計画が国の認定を受けられると、国の施策の活用が図れますから、中心市街地が活性化につながる可能性が高まります。和歌山市の場合、和島興産という地元資本が旧丸正ビルの再生のために出資していますから、今回の計画を何としても成功させなければ次の再生の機会はありません。地元企業の取り組みを支援して、和歌山市全体として盛り上がりを創出したいところです。

 更に、この基本計画の認定を受けた後は、5年を目途に実現させる推進力を持たせることになります。そして認定を受けてから5年は毎年進捗状況の管理を行うと共に、新しい計画があれば計画に組み入れるなどの見直しを図れるのです。この基本計画が進展すれば、地域に参画する民間企業が更に現れることも期待出来ます。

 和歌山県内では、田辺市と海南市が中心市街地活性化基本計画を策定中だと聞いています。和歌山県の各都市が積極的に国の施策を活用しようとする動きは、それだけでも地域にとって好ましいことです。何故なら、基本計画は実現性、具体性を持たせる必要があることから、地方自治体だけではなく商工団体や民間事業者もこの基本計画に参画することが国への提出条件となっているからです。

 今までに和歌山県で見られなかった幾つかの動きは、和歌山県の各地域からの活性化に確実につながっています。
8月7日(火) 「農業法人アリス」
【農業法人アリス】
 和歌山県紀の川市には、もう13年も前から農業法人を設立してレタスの水耕栽培をしている団体「アリス」があります。ここは女性だけで農業法人を設立し、現在まで生産活動を行っていますから、和歌山県内の水耕栽培の先駆的役割を果たしています。
 ここではレタス栽培を、年間を通じて生産しています。年間を通じて生産を可能にしているのは、ホテルやレストランと直接契約が出来ているからです。生産者にとって生産したレタスを確実に引き取ってくれるのは、生産活動を安定させることにつながりますから経営を安定させてくれます。

 種を植え付けてからレタスを収穫するまでの期間は、夏場では35日から40日、冬場では50日程度必要となります。必要量を逆算して毎日、種付けしていますから、契約しているホテルやレストランには毎日、安定したレタスを出荷することが可能となっています。
 和歌山県の紀の川地域は、元々レタスの生産地ではなかったようですが、今ではデパートや高級料亭からも直接出荷の依頼があるなど、和歌山県産のレタスは和歌山県を代表する農産物になろうとしています。

 そして今年7月末に、農業法人アリスが、農業電化協会近畿支部主催の「農業電化コンクール」の農林水産省局長表彰を受けました。本日は、取材方々訪問しましたが、今日も元気に生産活動を行っていました。レタスの水耕栽培の経費の主なものは人件費とエネルギーコストです。
 どちらも減らすことは容易ではありませんが、最低限の人件費は必要ですから、将来とも安定した生産を行うためにはエネルギーコストの軽減を図ることが鍵を握っています。そこで、設備の点検や夏場の負荷測定、そし照明機器の必要量調査などの対策を講じて支援を行っています。
 全国から注目されているアリスの今後の活動は地域として注目です。

【企業誘致】
 地方都市に企業があることの利点は言うまでもありません。和歌山県にも何かと企業に、それも基幹産業になり得るような企業に来てもらいたいと思って、休会中も誘致活動を継続しています。

 今日も県外の方からお話もいただきましたし、意見も聞かせてもらいました。
 例えば、関西にある大手製薬会社の移転を巡っての誘致合戦が、大阪府と神奈川県で繰り広げられていました。結果は神奈川県に軍配が上がりましたが、優遇措置や補助施策などの財政措置を図ってでも、大手企業を誘致しようとしていました。それ程、地域に企業が、それも大手企業が存在していることの利点は大きいのです。

 経済的効果は本より、大手企業が存在する地域としての価値、関連企業の集積、人材の輩出、雇用の拡大、商業活動を初めとするまちの活性化、教育水準の向上、など数え上げたら、それまでの地域にはない価値を創造してくれるものばかりです。
 大手企業を誘致しようとすれば、地方自治体が本気に、更に本気になって取り組む必要があります。大都市でもそうですから、和歌山県ではそれ以上の本気度と、我が県に来てくれた場合の利点などに関する企業への総合提案が求められています。本気度は相手に伝わります。特に提案資料を見ると明らかです。

 他府県からの企業誘致を図るため、関係箇所との協議そして企業への提案など、今日も取り組んでいます。
8月6日(月) 「難病の人の支え」
【難病の人の支え】
 発病は何百万人に一人という難病があります。そして和歌山市内でも若くしてこの病で苦しんでいる人がいます。昨日も今日も病院で今後の入院治療について方針を確認しています。本人も大変ですが家族の皆さんも大変です。その大変さは闘病との闘い、治療の苦しさ、経済的問題、そして何時ゴールを迎えるか分からない時間との闘いです。
 人はゴールがあるとそれを目標として困難と闘うことが出来ます。
 例えば選挙。長く厳しい戦いですが、その先には確実にゴールがあります。最初はゴールが霞んでいても時間の経過と共に霧は退散し、いつしか晴れ間が広がります。

 例えばマラソン。私は素人用の短い距離のマラソン経験があるだけですが、途中、何度も歩きたくなります。それでも次の電柱まで、次の電柱までと目標を定めて走ることで、確実にゴールが近づいてきます。これも確実に目標があるから頑張れるのです。
 ところが難病との闘いではゴールは見えません。もしかしたらゴールがないかも知れないのです。ゴールや目標がない長い時間を要する闘いは肉体的にも精神的にも厳しいものになります。ゴールが見えない、イコール希望が見えないことと同じことです。希望を見つけにくい闘いを頑張り抜くのは、とてもつらいことです。

 そして蝕まれる体。治療に耐えても耐えても、病状は良くならないと感じた時、人はどこまでその治療に耐えられるのでしょうか。余程の強い精神力が必要です。
 そしてそれを支える家族。まして自分の子どもが難病と闘っている姿に接する両親の気持ちは想像出来ませんが、自分の体が傷つけられるよりも精神的には厳しいのではないでしょうか。

 体を替えることが出来ない。代わりに耐えることも出来ない。周囲の人が出来ることは限られていて、家族の負担を軽減すること位です。第三者は難病で苦しんでいる痛みを共有出来る訳ではありませんから、本人や家族の負荷を軽減出来るのが精一杯です。そんな些細なことでも支援出来るのが周囲にいる私達であり、行政の役割です。
 法解釈や規程の運用をして、本当に困っている人を何とか助けることが行政の役割でもあります。運用が厳しいようなら、その適用枠を拡げるように国を初めとする責任箇所に対して働きかける姿勢も欲しいところです。

 和歌山市の福祉担当箇所には、気持ちを持った人がたくさんいてくれます。本日は、難病と闘っている子どもの両親とその母親の兄弟が市役所に来てくれました。家族の皆さんが来たのは、昨夜、入院中の子どもの今後の治療方針を担当医と一緒に確認している時に、余りの厳しさに家族が涙したことに起因しています。子どもがこれからの治療に耐えられるのかの不安、何があっても家族が支えていくことの覚悟、その気持ちを持って皆さんで来てくれたのです。

 その気持ちを汲んで、相談に受け答えしてくれた職員さんに感謝すると共に、今後の支援の進め方についても協議することが出来ました。
 行政機関の役割は公平公正ですが、福祉施策は一人ひとりの状況は違うため施策を一律適用するのでは心がありません。心を込めて接することが福祉に携わる人の基本ですが、私達が思っている以上に相談者が多く仕事が輻輳している市役所の担当箇所では、誰でも何時でも同じような気持ちでの応対は難しいものです。それが出来るのは福祉に関わっている行政のプロとしての自覚と責任があるからです。

 安心して相談出来る、任せられるプロが、私達のまちにいることは何よりも生活者にとって心強いものです。法律を作ったり規程を定めるのは机上かも知れませんが、それらを運用するのは現場です。現場の人が暖かい気持ちを持っていることが、難病に苦しむ本人と家族の支えとなり、そのまちを暖かくしてくれます。

【開発計画】
 和歌山市でもあちらこちらで開発計画があります。土地やモノの流動化が図られると、そこから新たな価値が発生します。当然、経済的価値も含まれますから、土地が動くとその価格は上昇します。そこに道路が敷設されたり、サービス提供施設があると、更に付加価値は上昇します。開発しても価値が上がらないと思われる地域だったら、事業開発計画が生まれることはありません。ですから、開発を手掛けている事業者が見つけてくれた価値がその土地に付加されると、その地域の価値が上がると共に地域としての自信が生まれます。

 そんな地域が和歌山市にも生まれつつあります。民間事業者が引っ張ってくれる状況を大切にする環境を守りたいものです。先般公表された全国の土地価格評価では、近畿地域で和歌山県だけが依然として地価が下落しています。それだけで魅力のない地域と映りますから、民間事業者が地域開発計画を描いてくれることを喜びたいものです。
 今の時代、事業者が地域に受け入れられない計画を提示することは基本的ありませんから、まず聞いて地域として検討する姿勢を持ちたいところです。
8月5日(日) 「再び参議院選挙総括」
 再び参議院選挙結果について。次のような意見をいただきました。
 先日、ある全国ネットのテレビ番組の中で、与党の現職大臣が「参議院選挙は政権選択選挙ではなく。総理が続投するに関して問題はない。相撲に例えると大関が一回負け越しただけなのでもう一度チャンスがあるようなものですから、内閣総辞職や衆議院解散は必要ない」との発言があったようです。どう思いますかとのご意見でした。

 この番組を調べると、全国ネットの報道番組だったのですが、与党の二人の衆議院議員が今回の参議院選挙結果を受けて、総理続投か退陣かについて議論をしたようです。
 この件に関しては次のように考えています。
 総理が大関なので、一回負けても再びチャンスがあるとのことですが、総理は総理ですから内閣の最高責任者です。従って大相撲に例えるなら大関ではなくて最高位の横綱であるべきです。大関は例え負けても最高責任者ではありませんので、負け越しが続いても本人が望めば降格があるだけで引退はありませんから現役続行は可能です。

 しかし横綱は最高位ですから勝ち続けることを求められる地位です。過去に負け越してその地位に留まった横綱もいましたが、負け越してその地位にいることは許されないと思います。
 総理は内閣の最高責任者ですから大関である筈はありません。横綱ですからすべての責任を背中に背負っています。そのため負けても責任はないとするのは、その地位には本当の責任感がないと言っているようなものです。

 内閣としての今後の運営を否認された結果が出たのですから、もう最高責任者として留まることは難しいと思います。総理が大関であるなら問題はありませんが、総理よりも責任のある地位の人がいないのですから、負けたら引退の覚悟で政権運営をしている筈で、現職の閣僚が、総理が大関だからと思っているようなら、元々責任感のない内閣であると言わざるを得ません。もし総理が大関だとするのであれば、その背後に実力の持った本当の横綱がいるのかも知れませんが・・。

 さて、参議院選挙が政権選択の機会ではないのですが、今回は問題がありそうです。それは、現政権は前首相に与えられた議席での下で誕生したものですから、現総理の方針を主権者である国民が支持したものではないのです。今回の参議院選挙で初めて、現内閣に対する国民の意見が反映されたと考えるべきです。

 基本的に国会は立法権を持っていますから、多数を占めた政党による法案が成立することは問題ありませんが、現在の衆議院議員は優勢民営化賛成か反対かが争点となった時に成立したものです。その優勢民営化の役割は終えていますから、次の内閣がこの国の方向性を打ち出した時には国民の審判を仰いで欲しいと考えます。

 わが国は議院内閣制ですから、総理は私たちの代表で構成された国会議員の中から選ばれるため、直接私達が選択出来るものではありませんから、参議院選挙の結果だけで総理退陣は直接的過ぎるかも知れませんが、少なくとも衆議院の解散があるのは、世論を適切に反映させるためでもあります。大きな論点や流れが生じた時に衆議院の任期が4年間だから、国民の意向を取り入れることは出来ないとはならないのです。民意を反映させるために解散し総選挙で世論を問い、その時の有権者の意向を反映させた議員構成に向かわせるべきです。

 とするならば、私たち主権者である国民は与党には過半数に満たない議席を与えただけですから、現内閣の支持は国民の半数もなかった訳です。主権者に指示されていない内閣が存続することには疑問を感じます。政権選択選挙でない選挙の結果であっても、それが現在の主権者の意向を反映したものです。情報の伝達速度スピード化と情報公開の拡大によって、影響力のある層の意見で世論は動きにくくなっています。ある程度の情報を得て判断することに関して、時と場合によりますが専門家の意見よりも多くの人導き出した意見は正しいのです。今回の選挙結果は大多数の意見の集まりですから、現在の正しい民意だと考えるべきです。

 それでも内閣が、政権選択の機会ではなかったので民意ではないとするのであれば、支持されていないのか、支持されているのかを主権者に判断を委ねるためにも、速やかに解散するのが民主主義の本道と考えます。
 しかし法的には内閣は退陣する必要はないため最終は本人の意思によります。政権選択選挙ではないことを前提とした参議院選挙でしたが、総理本人が「私か小沢さんかどちらを選択するのか」と選挙戦で、国民のリーダーはどちらが適しているのかの民意を問い質していたのですから、その下された判定に応えるのがリーダーだと考えます。

【その他の活動】
 年内に和歌山市で開局を目指している「コミュニティFMわかやま」。開局までのスケジュールを話し合いました。引き続いて地域活性化に関しての打ち合わせも実施しました。夜は通夜式に参列。突然、若くしてお亡くなりになられた故人のご冥福をお祈りいたしました。
8月4日(土) 「わくわく広場」
 福崎わくわく広場が開催されました。毎年恒例のこのイベントは、関東と関西の子供たちに交流の機会を持ち夏の思い出を作ってもらうことを目的としたものです。そのため関東と関西から大人のスタッフが集まって、子ども達に遊びと夢を提供します。

 私も参画しているNPO法人ギャラクシー・ブライトが主宰しているもので、私もこの交流の機会を楽しみにしています。従来、交流場所は福崎にある空き地を活用していましたが、現在は福崎空中広場を建設しNPO法人活動の拠点にしているため、夏の暑さも凌げますから、子供たちに遊びを提供するアイテムも増えました。子ども達を愛し、そしてギャラクシーブライトの活動を愛して福崎空中広場を建設したFさんは、数年前若くして他界しましたが、その精神は一緒に活動させていただいた私も引き継ぎをさせてもらっています。

 この建物には子ども達が元気に、そして健全に育って欲しいとの大人である私達の願いが詰まっていますし、夏のひと時を楽しんでくれた子ども達には、大きくなっても今描いている夢を求め続けて欲しいとの期待も込められています。

 また毎年一緒に活動していたAさんの姿は、残念ながら今年は見られませんでした。福崎わくわく広場が開催されている今日から、わずか99日前に若くして亡くなられたのです。
 イベント二日目の明日が丁度100日目に当たりますから、Aさんが見守ってくれているような気がします。Aさんの姿は会場に見当たりませんが、その精神もまた、ここに生き続けています。故人が寄贈した文庫が福崎空中広場の2階に、その名前と共に設置されています。1年ぶりにその文庫と対面しました。以前からの本に加えて最近の新しい本も加えられていた様子がありました。

 子ども達には少し難しい内容の本もありますが、タイトルを見るとAさんの思いが伝わってきます。子どもの頃の夢を忘れないで、いつまでも追い求めて欲しいとの気持ちが込められているようです。
 大人になった私達も覚えておきたい気持ちです。大人が夢を持てないことはありません。大人が夢を持ちそれを追い続ける、素晴らしい生涯になることは必至です。子どもの頃の夢をなくした大人であっても、この空中広場に来ると夢を思い出させてくれ、再びそれを追い求める気持ちにさせてくれます。

 それは斬新的な建物の影響もありますが、この活動に込められた多くの人の思いがここに潜んでいること。そして今を生きる関係者がその精神を受け継いで活動し続けている、その氣が空気中に充満しているからです。私達の大人の氣が子ども達に伝えられ、子ども達からは素直な瞳から夢の大切を教えられています。

 今回のわくわく広場では、子ども達は未来のまちの姿を描いてくれました。科学技術と自然環境が調和されたまちを描いてくれました。これらの作品には、未来は今よりも素敵なものであって欲しいとの願いが満ち溢れています。
 そしてスタッフとして参加している大人も各界で活躍している素晴らしい顔ぶれです。医学博士、大学教授、建築家、会社経営者などが、自然にその知識と経験を子ども達に分け与えている光景が広がっています。子ども達はその大人が誰だか知らないけれども、私から見るととても豪華な野外学習なのです。無意識のうちに一流の人格者と触れ合う機会は、子どもにとっての財産になります。

 やがて今日参加した子どもたち達が大人になって社会で認められる頃、再び、福崎空中広場に戻ってきて、わくわく広場にスタッフとして参加しているような気がします。
 夢のような連鎖を描きながら、何も見ていないように夏は過ぎて行きます。
8月3日(金) 「地域開発」
【地域開発】
 何といっても和歌山市の課題は地域活性化です。一昨日公示された全国の土地価格でも、近畿で唯一地価が下落しているのが和歌山市で、15年連続して下落している悲惨な状況があります。土地の専門家とお話する中でも、下落し続ける正確な要因は不明です。一般的に考えられるのは、人口減少による将来への期待感が薄いこと。土地開発が進んでいるため需要に対して供給量が増加し、需給バランスが崩れていること。和歌山市の厳しい財政問題が表面化したため、まちの将来性に不安感が増していること。そして定住人口と交流人口が減少していることから商業地域として採算が見込めない構造になっていること、などが挙げられます。

 土地価格の動向は需給バランスや土地から収穫できる果実の付加価値を含めた収益性もありますが、そのまちの将来性に左右される部分があると考えています。将来発展すると予測される地域の土地は価格上昇が見込めますが、発展性が見込めない地域の土地価格は取引が成立しないため下落する力が働くと予想することが出来ます。
 土地価格が上昇傾向にあることがその地域の価値を生み出しますし、土地を基準とした投資も活発になります。

 そのため地域に投資を呼び込む施策がとても重要になります。和歌山市の場合、誘致活動をしないで放置しておくと開発計画は進展しません。能動的に県外資本に働きかけることで初めて進出を検討してくれます。
 思ったことを企画し、行動することで実現することが可能です。何もしないで地域が活性化することはありませんから、少しでも地域貢献につながるような行動をすべきだと考えています。和歌山市では、先の参議院選挙結果や土地下落の報を受けて、地域の現状と将来性に不安を覚えています。明らかに価値観は他地域と異なっていることに危機感を感じている人が多いのです。

 今までは行動に起こさなかった方々も、もう放置しておけないと思っているようです。この地域から逃げられないのであれば、動かす他ないと考えて出来る範囲で出来ることから始めようとする兆しがあります。
 今日も和歌山市内の現地視察と関係者との協議により、この先への展望を見つけています。少しの意識変化は将来に結びつくものですから、今からが楽しみです。

【活動】
 昼間には、このまちを活性化させるための具体的な取り組みについて協議を行いました。引き続いて健康と美容関係の指導者養機関の設立について協議を行いました。この分野で知識と技術を取得しようとしても和歌山市ではしくみが確立されていませんから、現在のところ大阪府下に通学する必要があります。ただアロマの指導者養成機関があるようなので、健康と美容を求め、就労の機会にもつながる取り組みを始めたいと考えている人の支援を行いたいと思っています。

 その後、和歌山市内にある大規模用地の活用計画に関して打ち合わせを行いました。眠っている地域の資産を活用することで、今よりも経済規模は拡大します。早期決断と早期に行動することが、和歌山市を再生させるために不可欠なことです。

【環境問題】
 来年の京都議定書発効を控えて、企業は勿論こと家庭でも省エネ意識が芽生え始めています。それを示す事例として、家庭の熱源構成や環境に最適な比率を考える人が多くなってきました。少しでも環境に優しくて経済的なシステムがあれば、その製品や制度を活用しようと考えています。
 本日は和歌山市内の経営者を訪問して、環境問題とエネルギーコストについて懇談して来ました。少しくらいの経済性は犠牲にしてでも、環境とエネルギー問題に関心を持って取り組みたいとの話がありました。

【懇談】
 夕方、和歌山市内の元気な経営者と懇談の機会を持ちました。和歌山県で通用する技術ではなくて、全国で展開可能レベルの技術を普及させるための取り組みをしている方々がいます。これらの全ての方は、普及させるまでの期間は2年以内、などの最終目標を持って活動しています。
 夜は県内の経営者などで構成する団体の懇親会に参加しました。現在と今後の政治活動について建設的な意見をいただきました。
8月2日(木) 「まちづくり」
【まちづくり】
 和歌山市が策定していた中心市街地活性化基本計画が、国の内閣府に提出されました。昨年の秋からの懸案事項でしたが、ようやく計画が形になったため国が受け付けてくれました。 この基本計画については、国は三ヶ月以内に採否の結論を出してくれることになっています。

 国が認定した基本計画は、全国で既に青森市と富山市が認定を受けていますが、今年春にも認定を受けている都市があります。和歌山市の基本計画が第三次として認定される可能性は高くなりました。これによって中心市街地の活性化に弾みがつきそうです。賛否があることは承知していますが、個人的には和歌山市にとっては好ましいことだと考えています。
 国の認定を受けることで各種国の施策の活用が図れますから、活性化につながる可能性が高まってきました。しかも和島興産という地元資本が旧丸正ビルの再生のために出資していますから、今回の計画を何としても成功させなければ次、つまり再チャレンジの機会はありません。地元企業の取り組みを支援して、和歌山市全体として盛り上がりを創出したいものです。
 旧丸正ビルを改装した後は、和島興産として平成19年11月にオーブンする計画を公のものにしています。年内のオープンに向けてそれ程時間は残されていませんから、計画が停滞することのないように市を挙げて支援体制を敷きたいところです。
 先発した活性化に関する取り組みを成功させることで投資が後に続きます。もし失敗すれば後に続く企業や資本はありませんから、和歌山市内外からこの取り組みは注目されています。
 この課題に関しては、関係者、関係箇所と協議をさせていただきました。

【ライオンズクラブ】
 今月、新しく入会予定の会員候補と一緒に、会員増強委員長の面談を受けました。ライオンズクラブは言うまでもなく、社会奉仕を目的として世界的に認知された団体ですが、和歌山市でも精力的に活動しています。和歌山市内には9つのライオンズクラブがあり、それぞれが会員増強に力を入れて活動を拡げたいと願っています。

 ライオンズクラブと言う舞台を通じて、普通であれば出会うことのない人達が出会うことにより何らかの化学変化が起き、地域活性化が図れると共に、会員相互の人格形成、そして人間として成長するこが可能になります。
 人と人が出会うことで新しい何かが生まれますから、活気のない現在の和歌山市にとって、民間レベルでの社会奉仕活動は大きな意味があると考えています。
 今日の面談は二人でしたが、先の一人と合わせて、今月は新会員3名を迎えることになりました。

【環境問題】
 和歌山市内の寺院から環境問題に関する依頼があったので、環境問題に関する説明と今後の取り組みについて協議を行いました。お寺が総代と相談して環境問題に取り組むことは珍しいことだと認識しています。しかし寺院が地球環境問題に取り組んでくれると檀家などへの影響は大きく、民生用の二酸化炭素排出量を抑制してくれる期待が高まります。

 地球環境問題は私達が思っている以上に深刻で、早期に解決策を見出す必要のある課題です。和歌山市内で地球環境問題に積極的に関与している寺院は聞いたことがありませんから、先進的な取り組みとして大いにPRしたいと考えています。
 言論だけではなく実践しようとする姿勢に感銘を受けました。他府県の取り組みも参考にしながら、和歌山市内での新しい取り組み方策を検討することを考えています。

【懇談会】
 夜は素晴らしいスタッフと一緒に懇談会の機会を持ちました。年金や税負担増などの将来への不安を感じながらも、自分達が地域を、そして国を支える必要があるとの使命感によって福祉活動を続けている人たちがいます。コスト、人材など活性化を図るための障壁はありますが、一人ではなくチームを組むことで達成出来る施策があります。
8月1日(水) 「統治機構」
【運輸】
 原油価格が高騰し、もしかしたら1バーレル80ドルも近づいて来たとの話もあります。只でさえガソリンが値上がりしている中、これ以上価格が上昇すると家計も運輸業界も厳しくなってきます。運輸業界は価格競争が激しいため、ガソリン代が上昇してもその値上がり分を吸収しないと顧客を失うことにつながります。運搬の依頼主、特に価格競争の厳しい小売業界では1円でも運賃の安い会社を選択します。そのため運賃を抑えているため、利益がなくなっています。本日の運輸関係者との懇談では、「県内の運輸業界の90%は採算が取れていないかも知れません」と伺いました。収支がトントンであれば、まだマシな方だそうです。

 ガソリン価格の上昇、そして車両更新など設備投資も必要、しかも依頼主は単価に応じて取引先を変えるため、不安定な状態に置かれているなど、経営面では厳しい現状があります。それでも今を耐え、次につなげるために少しでも取引の安定を図るような取り組みを進めています。

 仕事を確保し、従業員の皆さんの今の生活を守るためには攻める経営が必要です。収益が上がらないのに経費が増加している循環に耐えて、次の布石を打っている経営者達がいます。地方では暮らしにくい、そして事業が成り立たない、そんな声が以前からあり、現状はもっと厳しくなっていますが、国は施策を講じていません。地方と都会の格差問題と呼ばれているものですが、中央から見ると点に過ぎないので、問題視されていないようです。
 生活者、地方の事業者の声を、そして意見を聞いて、本質的なところから改善して欲しいところです。生活者の声を反映させられない政治では、その権限者にこれ以上任せられない、これが地方の意見です。

【統治機構】
 参議院議員選挙が終わり、関係者と総括する機会がありました。四国出身の方からは、保守王国の四国四県全ての選挙区の議席が民主党になったのは信じられないと話してくれました。和歌山県同様、保守勢力の強い地域でも変化があったのです。統括的ですが、四国も全国的な企業が少ないので、地場産業と第一次産業が経済を支えている構図があるようです。中央と同じ感覚で国策を進めても地域実情は異なるため、格差は拡大するばかりです。

 今回の与野党逆転は風だったのか、地方の実情を反映したものだったのか、その検証は済んでいませんが、働く人も年金生活者も、地方での暮らしが厳しくなっているのは現実です。政治は、将来の夢を語る必要がありますが、一方、現在の生活を守ることも大切なことです。
 地方が国の権力に立ち向かう姿勢が確立されたと考えるなら、私達のまとまった行動に今を変える力があるのです。私達は政府に対して、主権者のために施政する権力を与えているのですから、意に背いた場合にはその権力に歯止めを掛ける方向に向かうのは当然のことです。

 主権は国民にあり、権力である内閣は単なる統治機構に過ぎないのです。主権と統治機構を比較すると、どちらが重要なのかは明白です。わが国では、主権者の意思を無視した権力の横暴には自然に歯止めがかかるしくみになっているのです。現状考えられる中では、素晴らしいしくみが確立されていると考えたいところです。

【懇談】
 Kさんと懇談。統一地方選の和歌山市選挙区から参議院選挙の結果に至る流れについて、総括していただきました。続いて、P社、K社、N社などを訪問し、意見交換をさせていただきました。

 またJさんとの懇談も有意義なものでした。今回の選挙では国防の観点が抜け落ちていたが、豊かな生活の確保と国防は国の大切な役割です。その観点から、「大切な国防の責任を任せる人は誰でも良いものではない。私達、戦前の世代は、命を掛けてこの国を守り、現代の豊かな社会の基礎を築いて来たと言う自負心がある。余りにも人気取りの人事に対して憤りを感じている。そんな権限者に国は任せられない」との意見がありました。

 現内閣には、大臣の不適切と思われる任命がありますが、適材適所、その道のプロに省庁の舵取り役を担って欲しいと願っています。
 また地方自治体の破綻に関しての意見交換を行いました。地方で暮らすことにリスクがあるような国はまともではありません。自治体が破綻することを考えて生活を送るような地域に魅力を感じないのは当たり前のことです。

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