6月30日(土) 「先輩からのアドバイス」
【先輩からのアドバイス】
・噂は最後に聞こえてくる。
 自分に対する評価や批判の意見が、自分に聞こえてくるのは一番最後になります。噂の発信者から出た言葉は周囲をめぐり巡って、最終的に辿り着くのが噂の主のところです。但し、全て届くものではなく、途中で難破することがありますから、知らぬは本人だけの状況に陥り易いのです。

 ですから自分に関する噂が伝わってきたと言うことは、既に周囲の皆さんは知っていると考えるべきで、悪い噂であればある程、その問題に対する考え方や行き違いを説明する必要があります。
 尤も、噂は全て真実ではありませんから、場合によっては無視しても良いことがあります。噂を気にしていたら何も出来ない、と聞くことがあります。心から本当に応援してくれる人は、暖かく見守ってくれています。応援している人が本人の批判をするようなら、
その活動を足止めすることになります。
 噂は最後に聞こえてきます。最終段階に辿り着かない内に、その途中で消失することが望ましいところですが、面白い噂話ほど、伝導力が強いのがやっかいです。

・頂点は同じ。
 議員をやっていると理想を実現したいと思うため、行政との折衝の中で壁の存在を感じることがあります。行政側の規則、基準、前例などの言葉が理想の実現の前に立ち塞がります。でも考えてみると、何も行政は私達を不幸にするために存在しているのではありません。県民の幸せのために仕事をしてくれているのですが、最大公約数的幸せを実現させるための規則などに縛られているのです。そのため実現の速度は遅くなりますが、議員と同じ幸福実現の頂上を目指しています。

 理想を追うための山の登る道が違うだけで目指すべき頂点は同じ。そうすれば、話し合いを重ねることで理想の実現に近づく筈です。
 
【後継者】
 高齢化社会に入っている地域にとって事業の後継者捜しは深刻な問題です。創業者が高齢化しそして子どもが県外に出て行っている、または別の職業に就いている場合は、事業の後継者が事実上いないことを意味しています。

 今日も75年間続いていた会社に後継者がいないため廃業しています。ひとつの会社が廃業すると、その取引先や顧客への影響が現れます。悪い連鎖が引き起こされる場合があり、今日のケースでは直接取引きしている商店も経営難に陥り、経営者は在庫がある分を処分した後は年内に廃業する覚悟を決めていました。

 残念ですが、地方都市にある小規模の会社や商店が廃業するのは、後継者不足の問題も無視できません。それが地域の活力を奪っているのです。後継者がいない会社の問題は、健全な内に売却するのも手段です。社会的使命を持った会社がなくなるのは社会資本の減少を意味しますから、出来るならば存続させることが第一です。M&Aには良い印象がありませんが、良いM&Aもあるのです。後継者がいない会社を継続させるためには、M&Aも方法もひとつです。

【懇親会】
 かつて同じ職場で仕事をした同僚が集まり懇親会を開催しました。大阪や奈良からも集まってくれ参加者は15人、懐かしい顔ぶれでした。昔話とこれからの話、そして安らぎの時間となりました。県議会議員として出発をしていますが、更に弾みをつけることが出来ました。また先の県議会定例会の一般質問を傍聴に来てくれた方は、自分が議場に立つよりも、私が上手く質問出来るかどうか心配で、緊張してしまいました、と感想を話してくれました。皆さんありがとうございました。
6月29(金) 「活性化策」
【人事異動】
 全国的に株主総会の集中日が過ぎ、各企業では人事異動の時期になりました。和歌山の職場を去り新しい職場に向かう人、逆に他府県から和歌山にやって来る人もいます。思い通りにならないのが人事異動ですが、適正を評価された職場で戦いたいものです。

【活性化策】
 和歌山県と和歌山市の地盤低下については記すまでもありません。数年後には和歌山県の人口は100万人を切ると予想されている他、和歌山市の中心地を再生させる取り組みも緊急の課題であり、ここ数年間の内に再生の目途を立てる必要があります。今出来ないもの、或いは種を蒔けないものは将来、突然何かが出来るものではありません。

 本日は中心市街地に人が集まる、そしてこの場所で、商売により末永く生きていける方策を、大阪市で活動している数人の方と一緒に検討しました。大阪市在住のコンサルタントから見ると、和歌山市の中心はやはり「ぶらくり丁」で、昔から賑わったこの場所を再生する方法が和歌山市にとっての選択肢だろうとの意見でした。

 ただ現在と同様の商業施設としての再生は厳しいところで、定住やアメニティ空間の組み合わせにより、定住と交流のしかけが求められます。そして理想は地元主導型です。県外資本を引っ張ってくる施策も大切ですが、資本を呼び込むためには、地元の熱意と地元の人が中心地をどうしたいかの企画案、そして企画に対する反対がないことです。

 つまり地元の熱意、地元からの企画、地元同意の三原則がまちの活性化には欠かせないものです。いずれが欠けても活性化策は上手く進展しませんし、県外資本を呼び込むことは出来ません。冷たい表現になりますが、県外の人にとって和歌山市の再生は別段、取り組む必要はなく、ボランティアで投資してくれるものでもありません。和歌山市の中心地が魅力ある投資先であることが条件で、ここに投資しても回収できる上、数年で収益を上げられることが求められます。

 「和歌山市を助けて下さい」「和歌山市を何とかして下さい」では誰も、何も動きません。「話は伺いました。具体的な企画を持って来て下さい」と言われて終わりです。大抵はこの初期段階で企画倒れになり、頼んでも無理だと思い地元の熱意は冷めてしまいます。
 自分達で企画案を提案し、賛同を取り付ける活動が必要なのですが、実際、この取り組みが出来ているのは、企画案30に一つくらいの割合です。その一つもモノになるかどうかは分かりません。原石は30にひとつ、具体的に進むのはそのまた一部です。まちづくりはその覚悟を持ったところで生まれます。
 和歌山市のビジネス的な評価は決して高いものではありませんから、繰り返しになりますが、熱意、企画と同意を持って事業家、による再生を図りたいところです。

【貴志八郎氏】
 夜には和歌山市選出の元衆議院議員の貴志八郎氏の叙勲を祝う会に出席させていただきました。この席へのご案内をいただき皆さんと一緒に、お祝いをさせていただきました。
 議員に当選させてもらった限り、皆さんのために仕事をする場は議場です。本会議での発言の機会がある限り、これを活用することが議員の務めです。貴志氏もこの考え方を持って、和歌山市議会、和歌山県議会そして衆議院へと駒を進めています。議員が仕事をさせてもらえるのは議会であり、そして全体の利益を考えての行動で、決して支持者周りをすることだけが議会活動ではありません。

 実は議員に与えられる政務調査に要する費用は政務調査のために支出出来るもので、後援会活動では使用出来ません。明確に区分されていますから、議員の本質は政務調査活動にあります。
 先輩の活動から学ばせていただくものがありました。
6月28日(木) 「県議会最終日」
【県議会最終日】
 早いもので平成19年6月県議会定例会が最終日の採決を終えました。定例会の流れやしくみが分からなかったため、非常に早く過ぎ去ったように感じています。
 本定例会に提案された議案は全て可決されましたが、会派も私も全ての議案に賛成いたしました。
 また意見書については次の4件の提案がありました。
(1)和議第2号 狂犬病予防対策の強化、充実に関する意見書
(2)和議第3号 地方の道路整備の促進と道路財源の確保を求める意見書
(3)和議第4号 地球温暖化防止森林吸収源対策に関する意見書
(4)和議第5号 住民税の増税見直しを求める意見書

 (1)から(3)の意見書は全会一致で可決されましたが、(4)について私は賛成しましたが、議会では否決となりました。定率減税の廃止や老年者控除の廃止などによる住民税の増加が、家計を圧迫している意見や相談を度々受けます。和歌山市役所に対しても数千件の問い合わせがあるなど、問題だと思うのですが、残念ながら多数決で否決されたため、この問題に関して和歌山県からの意見発信は出来ませんでした。
 
 ここで問題となったのが、大滝ダム建設に関する基本計画の変更に対する地方自治体への追加予算の負担に関してのものです。紀の川流域で暮らす方々の安心と安全を最優先に、そして飲料水を確保することも最優先に考え、そして法律に準拠して追加負担はやむなしとの判断で本会議において可決されました。
 現在の、そして将来の和歌山市民の皆さんのために必要な措置だと考えています。しかし、度重なる国からの追加負担は、現在の和歌山県民、和歌山市民の皆さんに負担を強いる性質のものであるのことも事実です。
 そこで今後、このような事態にならないために、県議会から県知事あてに附帯決議を行ないました。文面を示します。

「大滝ダム建設に関する基本計画の変更について」に係る附帯決議
 大滝ダムは紀の川の治水・利水の要であり、県民の安全・安心の確保に必要不可欠であるが、度重なる計画変更による工期延長と増額に、県議会としても治水の安全性とともに、大変厳しい財政状況の下、県財政への影響を懸念している。
 このような状況に鑑み、知事におかれては、国土交通省に下記事項について強く申し入れられたい。
地すべり対策について万全の態勢で臨み、大滝ダムの運用開始が遅れることのないよう、最大限の努力をすること。
県民の負担を軽減するため。残工事の実施にあたっては、あらゆる段階においてコスト縮減を図ること。
紀の川流域全体の治水対策をより一層推進すること。
県勢発展のためにも必要な基盤整備を積極的に推進すること。

 以上、決議する。
 平成19年6月28日
 大滝ダム建設に関しては、引き続き経過を見守りたいと考えています。

 また本議会で「議員定数等検討特別委員会」が設置され、本会議終了後、早速会合が開かれました。私も委員に選任していただきましたので、今後特別委員会に参加いたします。その議論の経過は都度、報告させていただきます。

【議員懇談会】
 和歌山県下の連合系議員懇談会に出席しました。和歌山県下の地方議員の組織化を図り、連携した活動と情報交換を目的にしたものです。統一地方選以降、初の議会を終え、または議会開会中のところもありますが、今後の活動に活かしたいと考えています。
6月27日(水) 「県議会」
【県議会】
 平成19年6月県議会定例会も終盤に差し掛かっています。本日は開会後、明日の採決に向けた打ち合わせを行いました。提案されている議案については全ての常任委員会で可決されているため、会派としては全議案に賛成する予定です。

 財政問題に関しては和歌山市の財政状態の悪化が報道されているのですが、和歌山県の姿はあまり報道されていないようです。ただ、皆さんの関心事で財政健全化法案に関しての問い合わせが非常に多いため、和歌山県の状況を確認いたしました。

 平成19年6月15日に参議院で可決された地方財政健全化法。これによると地方自治体は、実質赤字比率、連結実質赤字比率、実質公債費比率、将来負担比率の4指標で財政状態を評価されることになり、地方自治体の財政状況に応じてイエローカード的要素の「財政健全化団体」か、レッドカード的要素の「財政再生団体」として再建が図られることになります。
 和歌山県の場合、実質公債費比率はプラス11.0%と低位にあり、全国の府県と比較しても優良な県だと言えます。これまでは、公債を発行して新規投資をするよりも余力があれば借金の返済を中心にする取り組みに重点を置いていた感があり、そのため財政は健全に保たれているのです。これからも余程の事態がない限り、財政方針の転換はないものと推測しています。

 また和歌山市で問題になっている連結実質赤字比率ですが、和歌山県の場合、特別会計を含めても平成17年度は黒字決算となっていることから、この点でも問題はありません。但し、この指標には公社と第三セクターは含まれないため、これらの機関に借金があるとしてもこの指標においては財政上の問題として表面化しません。

 和歌山市の連結赤字比率の数字は24.2%と全国で11番目の悪さですが、これがイエローカードなのかレッドカードなのか現時点では不明です。それは国から危険水域の線引きが示されていないからです。つまり仮に25%で財政再生団体となると決定した場合、和歌山市はギリギリのところでセーフとなり、自力で再生を目指すことになります。
 しかし仮に20%を超えるとアウトと決定された場合、和歌山市の財政がこのままの数字では、法施行後、いきなり財政再生団体に転落することになります。

 次に問題になるのが将来負担比率です。この指標には公社や第三セクターの財政状況が含まれますから、本当の地方自治体の財政力が分かります。ただ現時点では、国から考え方は示されていないため、本指標に当てはめた場合の和歌山県の財政状況は分からないのです。秋以降に基準が示されると聞いていますが、和歌山県の財政が問題になるのかどうかは、それ以降になります。

 参考までに公社の債務を示します。
 和歌山県土地開発公社の265億円は、加太開発整備資金借り入れに関わる債務保証です。
 わかやま森林と緑の公社の141億円は、長期債務の残高です。

 この件に関しては朝日新聞に詳しく掲載されていたため、平成19年6月16日付の同新聞から引用させていただきます。

 「自治体の財政破綻(はたん)を早い段階で食い止める地方自治体財政健全化法が,15日の参院本会議で可決、成立した。朝日新聞社の試算によると、全国の100を超える市町村で、一般会計と特別会計をあわせた05年度の「連結決算」が赤字だったことが分かった。同法は自治体財政を評価する指標の一つに「連結実質赤字比率」を加える。指標が基準を超えると「財政健全化団体」や「財政再生団体」になる。適用が始まる08年度決算をにらみ、採算の合わない行政サービスの料金値上げや事業の縮小・売却が加速しそうだ。

 一般市民でもアクセスできる情報を活用する観点から、全国の1821市町村(05年度末時点)が今春から公表している「財政状況等一覧表」と、総務省が示した計算式(試案)を元に算出した。同表にはこれまで一体的な把握が難しかった国民健康保険や上下水道などの「公営事業会計」や第三セクターなどの決算数値が載っている。
 試算の結果、以前から広く公表され、自治体間の比較や評価に用いられてきた「普通会計」(一般会計と公営事業会計を除く特別会計)だけをみると、赤字の市町村は24なのに、公営事業会計を連結すると164市町村が赤字だった。ただし、黒字の一部を表に載せていない市町村もあるため、最終的な赤字自治体数は変わることがある。

 都道府県別で見ると、北海道と大阪府の市町村で連結赤字が目立つ。北海道では今年3月に財政再建団体に認定された夕張市を始め、180市町村のうち27市町が連結赤字だった。大阪府は43市町村のうち24市町を占めた。「最後は国が何とかしてくれると考えがちな地域では赤字を出す自治体が多くなる」(総務省幹部)という。
 赤字の要因は様々だ。
 額の多さが際だつのは下水道。和歌山市は下水道会計だけで累積赤字は約105億円。膨大な整備費がかかる一方,利用世帯が当初予想を下回った。利用料収入の低迷と借金返済がのしかかる。

 企業誘致や観光振興が目的の土地造成や施設建設で目算が外れ、赤字に転落する例は少なくない。北海道室蘭市の場合、昭和40年代に造成した臨海地域の工場用地は売れ残ったまま。下水道事業もあわせた累積赤字は計182億円に上る。
 公営事業の運営は、独立採算が本来の姿だが、元々採算がとりにくい事業だったり、見込みが外れたりして赤字が膨らめば、一般会計から穴埋めの金をさらに繰り入れなければならなくなる。繰り入れの増加は普通会計の収支悪化につながる。
 「健全化法」の成立で、こうした赤字を抱える自治体を中心に、来年早々には編成される08年度予算から、収支改善に向けた対応を迫られることになりそうだ。

 〈地方自治体財政健全化法〉
 自治体本体の収支だけをチェック対象としていた現行の財政再建団体制度を改め、病院など特別会計や第三セクターを含めた連結ベースで財政状況を把握する。見えにくい「借金」や赤字を早期発見し健全化を促す。自治体に(1)実質赤字比率(2)連結実質赤字比率(3)実質公債費比率(4)将来負担比率の数値を、議会に報告し公表するよう義務づける。(1)〜(4)でいずれかの数値が早期健全化基準以上になると「イエローカード」状態で、健全化計画をつくる必要がある。(4)以外でさらに深刻な財政再生基準以上になると「レッドカード」。破綻(はたん)とみなされ,再生計画を定めなければならない。具体的な基準値は今年末までに総務省が政省令で定め、08年度決算からの制度適用をめざす。」

 残念なことに新聞では和歌山市の下水道会計の悪さが取り上げられています。

【各種の懇談】
 議会終了後、何件かの相談事があり、直接、皆さんのところにお邪魔してきました。どれだけ情報通信手段が進展したとしても、意思確認と意思疎通を図り、思い違いや行き違いを防止するためには直接会ってお話しすることが一番です。
 電気利用に関すること、飲食に関すること、福祉に関すること、そして医療に関することを順次懇談して来ました。
6月26日(火) 「旧丸正ビルについて」
 飲食団体総会に関して協議を行いました。7月の総会が迫ってきたため関係者の皆さんと
 進め方について懇談しました。引き続いて研修会開催について、和歌山市でのライブ活動
 について、人材派遣の現状についてなどに関する打ち合わせを行ないました。

【旧丸正ビルについて】
 県庁において、先の経済・警察委員会でも出された中心市街地活性化基本計画策定に伴
 う「暮らし・にぎわい再生事業」を活用して、旧丸正ビル再生事業者への6億円の補助金支出に関する懇談を行ないました。
 この補助金について整理すると、県からは平成18年9月議会で補正予算が組まれ、旧丸正ビルの再生に取り組んでいる民間事業者を支援する和歌山市に対して、1億円の補助を行なったものです。

 費用負担は「国庫補助は地方公共団体が民間事業者に補助する2分の1以内で、かつ、当該費用の3分の1以内の額」の基準に基づき、平成18年9月に補正予算を組み、和歌山市に対して補助しています。
 県の負担は「国費を除く和歌山市負担分のうち3分の1以内」ですから上限が1億円となります。具体的には、旧丸正ビル再生事業費は9億円。事業者負担は3億円、国の負担は3億円、和歌山市の負担は2億円、そして県の負担は1億円となります。

 ですから、県の補助金支出は法律に定められた通りの金額で和歌山市に対して支出していますから問題はありません。法律上では、仮に和歌山市の中心市街地活性化基本計画が国から認定を受けられないとしても、支出済みの補助金が県に返還されることはありません。現状では先陣を切った市のうち、第一次、第二次の中心市街地活性化基本計画の認定が成されていて、和歌山市は第三次の認定を受けるために基本計画に関して国と折衝を継続しています。
 参考までに期待される効果は、和歌山県を代表する商店街のぶらくり丁の核施設である旧丸正ビルを民間活力により再生することによって中心市街地の活性化を図ることにあります。

 また、県庁内において乳児院に関する現状とそれを裏付ける法律について確認を行ないました。続いて民事に関する相談事があり、事情を知るために本人と懇談してきました。
 解決に向けた取り組みを進めます。

【財政再生団体】
 和歌山市の財政が破綻し、財政再生団体に転落するのではないだろうかとの声が最近、各地で聞かれています。
 この問題は次のようなものです。平成19年6月15日に「地方公共団体財政健全化法」が参議院で可決、成立しました。
 今までは(今もそうですが)、地方自治体の財政健全化を図る指標は、一般会計だけが対象でした。財政再生団体の目安は、税収と地方交付税額を併せた標準財政規模が20%を超える赤字を出すと財政再生団体に転落することになるのです。和歌山市の一般会計は数字の上では何とか財政再生団体を回避してきました。

 ところが今回の法改正では、一般会計だけ財政の健全性を計るのではなく、特別会計や企業会計も対象とすることに変更するものです。つまり連結決算を意味する連結実質赤字比率の指標が設けられます。つまり特別会計に累積赤字などの含み損があれば、一気に表面化してくることを意味しています。

 これらのどちらかの指標が財政再生基準を超えると、財政再生団体として地方自治体の財政が破綻することになり、国の管理下で再生が図られることになります。
 さて平成17年度、和歌山市の一般会計は黒字決算でしたから財政上の問題はありませんでした。しかしこれが連結決算で評価されると全く違った評価となります。

 赤字の巣窟である問題の特別会計ですが、下水道事業特別会計が約105億円、国民健康保険事業特別会計に約73億円、土地造成事業に特別会計に約56億円の累積赤字があります。これだけで233億円の累積赤字となり、連結赤字比率は24.2%になります。
 先の市議会一般質問の答弁によると、和歌山市の財政を連結決算すると、中核市35市の内、ダントツの最下位です。下から二番目の34位である高知市の数字が8.4%ですから、信じられない数字であることが分かります。また全国1804の市町村と比較しても、ワースト11位で、782の市の中でも、夕張、赤平、室蘭、熱海、泉佐野、宮古島、網走に次ぎ8番目に位置しています。

 この新しい法が施行されるまでわずか2年、平成21年3月には結果が示されることになります。大橋市長は、相当の覚悟で臨まないと財政再生団体転落は避けられないと考え、平成19年9月市議会以降、具体案を提示するなどの方策を検討しているようです。
 長年に亘って積み重ねられてきた赤字体質が浮き彫りになった感があります。233億円の赤字を短期間で解消する方策は、残念ながら考えにくいところです。極論すればデフォルトしたいところですが、それでは地域経済を支えている地方銀行が持ちませんから、それも出来ません。本当に厳しい状況にあると言えます。

 市民の皆さんは本当に心配しています。今日も「もう和歌山市を出ようか」「子ども達には住ませられないね」「財政を再建出来る状況には思えないけれど」などの意見が寄せられました。皆さんの気持ちが萎縮することは、益々まちから活性化の空気を奪いますから、残念なことです。
6月25日(月) 「経済・警察委員会」
 今日の県議会は常任委員会の経済・警察委員会でした。私にとって始めての常任委員会でしたから、どのような論議が成されるのか楽しみでした。県議会では委員の皆さんが論点をまとめて真剣な議論が交わされています。

 私も数点質疑を行ないました。
 まず、中心市街地活性化基本計画についてです。
 商店街活性化のため和歌山市が中心となって中心市街地活性化基本計画を策定し、国土交通省に提出しています。しかし国から計画の甘さを指摘され今だ、承認されていないのです。そこで和歌山市から国に提出されている基本計画の現状について質問を行ないました。

Q. 和歌山市が国土交通省に対して中心市街地活性化基本計画を手出していますが、現段階で認定の見込みはありますか。
A. 第一次の認定は青森市、富山市が国の認定を受けていて、第二次の認定も終わっています。和歌山市は第三次の認定の候補になっています。

Q. 答弁にありましたが、和歌山市の基本計画は数回にわたって国から修正の指摘を受けています。計画の甘さが指摘されている中、これで認定の見込みがあるのですか。
A. 和歌山市の中心地は商業地として再生を図ろうとしていますが、国の理解を得ていると聞いています。

Q. 修正の指摘は、和歌山市の計画では商業を中心にして中心市街地の再生を図ろうとしていますが、国の見解は商業地としての再生は難しいところであり、観光の拠点、または居住地としての再生を図るべきだとの指摘があります。特に民間事業者の進出計画をまとめていることから、和歌山市がどのような計画を持って再生しようとしているか、主体性が見えていないのが要因だと思います。県として基本計画の認定が受けられるよう支援していますか。
A. 平成20年度中にも認定を受けられるように努力をしていると聞いています。

Q. 平成20年度中の認定ですか、少し気の長い計画ですね。和歌山市では平成18年度中に国の認定を受ける運びで進めていた筈ですが、現時点でも認定を受けられていない状態です。
A. 平成20年度中とは、最長のケースを答えたもので、和歌山市では国の見解に沿った修正を行なっているところで、何とか第三次の認定を受けるために作業を進めています。

Q. 和歌山県は和歌山市からの要請を受けて昨年度、1億円の補正を組んで支出していると聞いていますが、実際はどうなっていますか。
A. 平成18年9月県議会で補正予算として1億円を計上し、議会承認を受けています。

Q. それでは国から基本計画の認定を受けられなかった場合、県が支出した1億円の返還は受けられるのですか。
A. その点は分かりません。確認いたします。

Q. 民間事業者の計画が先で、補助金が次にあって、基本計画の認定が最後と言う手順になっていますが、この事態は珍しいことではないのですか。
A. 暮らし・賑わい再生事業としては、補助金を先に支出しても問題はないと聞いています。

Q. それでは基本計画の認定を受けられないとしても、和歌山市に返還して欲しいと言えない訳ですね。
A. 返還義務はありません。

Q. 確認しますが、基本計画の認定が受けられないとしても、県の1億円を含む6億円は返還する必要はないわけですね。
A. その通りです。

Q. 了承しました。基本計画の認定が受けられるように支援をお願いいたします。次に観光客の動向です。和歌山県では年間3,000万人を超える観光客を受け入れています。
また東南アジアからインバウンドを多数受け入れていますが、特別の施策を講じているのですか。
A. 東南アジアはもとより姉妹都市の山東省を初めシンガポールにも観光の呼び掛けをしています。

Q. 海外からの観光客が伸びているのは和歌山県だけではなく、全国の観光地で増加しています。特別の対策は講じようとしているのですか。
A. 和歌山県のインバウンドの約80%が東南アジアからです。そのため、白浜空港で韓国と台湾からのチャーター便を計画しています。これによってインバウンドの集客を図るつもりです。

Q. 国内でのインバウンドの競争は激しくなっています。何かの施策の必要性もあります。例えば北陸や中国地方の県では、インバウンド一人当たり100円の補助金を当該国に支出するなどの施策を講じていますが、そのような誘客の考えはありますか。
A. 東南アジアへの情報発信を行なうなど、誘客施策を総合的に検討します。

Q. 続いて、中高年の雇用対策についてです。若手にはジョブ・カフェ和歌山の対策、女性向けにはマザーズサロンなど就労機会の創出は図ろうとしていますが、経験と知識の豊富な中高年向けの就労機会を提供する施策が不足していると思います。何か対策を講じていますか。
A. シルバー人材センターに登録してもらって、必要に応じて派遣しています。

Q. シルバー人材センターは安価で良質の労働を提供していることは認知しています。ところが知的財産を有している人材の働き口がないのです。技術や知識を有している人材が和歌山県だけではなく国外に流失している危機もあり、歯止めをかける必要があると思いますが、その対策は講じていますか。
A. 企業のOBなどの人材を地域雇用対策としての人材バンクに登録していただき、中小企業との結びつけ機会を創出するような施策を講じています。このように、2007年問題に対応して、企業OBなどの人材に登録を呼び掛けています。
 また厚生労働省の施策に呼応して、企業で知識と経験を有している人材の知的財産を中小企業に活かせるよう、今後、そのシステム化を図りたいと考えています。

 その後、企業誘致に関する協議、和歌山県の伝統産業に関する打ち合わせ、和歌山市に出向いて何点か協議を行いました。
6月24日(日) 「地球環境問題を考える」
 本日は県議会の会派、真わかやまのメンバーで視察に赴きました。紀ノ川流域の紀北筋は桃や柿に代表される果実の宝庫です。地元選出議員の案内により見聞を拡げてきました。
 さて地球環境問題が議論されています。環境月間と言うこともあるのでしょうが、日常の中で話し合うことが多くなっています。話し合うことから行動に移ることもありますから、日常で話題になることは大切です。お互いに関心がないと話し合いにもなりませんから、今は小さなことからでも行動する土壌作りの時期になっている感じがあります。

 地球環境問題に関して、実に興味深い話題があります。平成19年6月4日付の産経新聞の石原慎太郎東京都知事の「日本よ」の記事から一部引用させていただきます。
 宇宙学者のホーキング博士は、宇宙全体で地球のような文明を持った星が幾つあるのかを問いに対して「200万ほど」と答えたそうです。それならそれ程の多く、文明を持った星があるのなら何故、宇宙人に遭遇することがないのか不思議に思います。その疑問に対して博士は「地球のような高度の文明を造り出した星は、そのせいで循環が狂ってしまい極めて不安定な状況をきたし、宇宙全体の時間からすればほとんど瞬間に近い速度で自滅するからだ」と答えました。

 そして宇宙の時間からすると瞬時に近い時間とは「100年ほど」だそうです。高度な文明を持てる時間はわずか100年。これが現実なのです。親子にするとわずか三代がリレーする時間が、現代文明の栄えられる時間なのです。起点が何時なのかにもよりますが、もう半分以上の時間が過ぎ去っているのではないでしょうか。
 現代文明が支障をきたしているのは地球環境問題から見て取れます。地球温暖化による環境異変や現代文明を支えている資源の枯渇などが代表的な現象です。また私達の生活や意識も文明に影響を与えるものです。

 贅沢、資源の無駄遣い、必要以上の快適さの追求、飽食などは、確実に環境のバランスを崩すものですし、その意識がある限り、益々地球環境は汚染されていくことになります。
 地球環境が現状で持つのは、真偽の程は分かりませんが、わずか10年だとの意見も聞くことがあります。現代文明の寿命が100年だとすると、現在の地球環境が崩れるのが10年だとするのも、掛け離れた時間ではないような気がします。

 だとすれば子ども達のためにも、私達の日常生活の行動様式や意識を変えなくてはなりません。現行の生活スタイルを維持する限りは、地球環境問題を解決出来ないのです。何故なら、産業界では二酸化炭素排出を抑えるための対策を講じていますが、家庭用の排出量は増加傾向にあるからです。地球環境問題解決の鍵は家庭、つまり私達一人ひとりの意識と行動にあります。

 地球環境問題は大きな問題ですが、身近なところから始めること以外に解決の方法はありません。10年後も今の環境が保たれるためには、行動は今から起こすことです。
 私達の世代で地球環境を変えてしまい、同じ文明の中で次の世代が暮らすことが出来なくなるようなら重大な責任問題です。地球環境問題が分かっていて放置すれば、私達の世代の大掛かりな不作為です。不作為が問われる頃には、私達の世代はこの世にいないかも知れませんが、責任を負えないだけに無責任にことは余計に出来ないのです。
6月23日(土) 「補助金問題」
 昨日から本日にかけて、読売テレビで放映された「スクランブル」の問い合わせが数多く寄せられています。これは昨日6月22日の午後6時16分から放送された「スクランブル」で、中心市街地活性化のための補助金問題で大橋市長へのインタビューが行なわれたものです。その補助金の性質と放送内容についての問い合わせが中心でした。

 中心市街地活性化のための補助金とは、旧丸正ビルの再生を中心市街地活性化の中心とした中心市街地活性化基本計画が国に認定された暁には、再生に取り組む事業者に対して補助金を支出することが出来るものです。補助金の総額は6億円、内訳は和歌山市が2億円、県が1億円、国が3億円となっています。これは事業者の希望ではなく、市が補助をすることを決定したものです。

 まちづくり三法を根拠にした補助金ですから支出には問題はないと思います。しかし何故読売テレビが問題にしたのでしょうか。私はこの番組を見ていないため内容は分からないので個人的な推測に過ぎないのでご了承下さい。
 実は、旧丸正ビル再生のため事業化に取り組んでいる事業者に対して6億円の補助金支出は和歌山市議会に既に提案され議決、承認されています。私が和歌山市議会にいた時に議案の提案があり、審議した結果、議会で可決しました。

 承認した理由は、法律に基づく補助金であること。そして中心市街地活性化基本計画が近い将来、国に承認されることが明白な事実であることの提案を受けたからです。通常、この基本計画が国の認定を受けた後に補助金支出へと向かうのですが、市の議会提案では旧丸正ビル再生を中心とした中心市街地の活性化は最重要課題のひとつであり、この民間事業を少しでも支援するため、先行して補助金支出に踏み切った訳です。

 問題視すべきは、国の認定が受けられるとしていた中心市街地活性化基本計画ですが、未だに国の認定が受けられていないことだと考えます。何度か国に説明をして修正しているようですが、未だ計画の見直しを求められているようです。この基本計画の認定が受けられないと補助金の支出の根拠はなくなりますから、支出時期が早かったのでは、或いは甘い計画にも関わらず、先行して補助金を支出したことに疑問の声があがる要素があります。さらに裏づけとなる市の財政が厳しい状態だけに、基本計画が認定された後に補助金支出すべきだったとの意見があるのです。

  また、査定基本計画の認定を受けていない時期に補助金を支出したことに関しては、市長が基本計画の認定を受けられると判断し、市の最重要課題だと認識しているため先行して支出したものだと考えています。
 そして問題点については先にも述べましたが、中心市街地活性化基本計画が国の認定を受けられていないことです。旧丸正ビルの再生を中心として商業の中心地を活性化させるための計画に甘さがあったと言わざるを得ません。国の認定が受けられないのは、単に事業計画を並べただけで、本当に再生につながるのか国が疑問視していることを示すものです。中心市街地再生のための有効な計画に仕上げられない市の力量に問題があります。市長が旧丸正を中心としてどのような賑わいを創出しようとしたのか、それが明確になっていないことも問題です。
 市議会では基本計画の認定は受けられる。そして基本計画は、中心地の再生計画に仕上がる予定だとの提案があったもので、今、挙げた問題点は問題点に成り得ていませんでした。

 今現在、基本計画が国の認定を受けられないのは大きな問題です。何故受けられないのか、市長は私達市民にその理由を示す必要があります。基本計画が国から認定を受けられないこと、そして今後の見通しについて、隠していることが問題なのです。進捗状況を都度発表していたら問題はなかったと思います。
 また番組では、市長がテレビ局の取材に応じないで逃げたことや、正直な対応をしていないことが疑問視されているようです。市民の皆さんは勿論、県外の方からも問い合わせがあり、和歌山市長の姿勢に関して「やっぱり和歌山市ですね」と言われる様です。
 もう「やっぱり」だとか「また」で形容されるような失態はやめて欲しいものです。

 さて読売テレビの放送に関する問い合わせに対して、私なりに回答したところ「とても分かり易い説明で初めてこの問題を聞いた人でも理解出来ました」「難しく説明することは誰でも出来ると思いますが、簡単に説明することは難しいものですが、良く分かりました」「社会問題を、社会経験のない高校生にも理解できるように説明することが大切だと思います」などの感想をいただきました。

 参考までに、ここに旧丸正ビルに関する補助金の補正予算が提案された、平成18年9月和歌山市議会での私の一般質問を掲載します。
 補助金支出に関して、基本計画の認定を受けることが絶対条件であることを質したところ、答弁として「今年度の補助金は基本計画に位置付けられることが確実と見込まれることで交付申請ができますので、本議会に補正予算をお願いしているところです」と回答がありました。

 それに対して私から再質問として、「和島興産だけが地域再生を担う状況にはして欲しくありません。そのため和島興産に続く進出について、そして基本計画認定の見通しはどうなっていますか」と問いかけました。つまり和島興産だけにまちづくりを任せるような状況には、絶対してはならないことを指摘いたしました。まちづくりのための基本計画は、当然市が主体となるべきことなのです。市の方針に沿った商業施設に対して補助金支出をすべきて、進出してくれたら何でも出せば良いと言うものではないことを指摘しています。
 以下、質疑内容についてご覧ください。

 平成18年9月和歌山市議会での私の一般質問。
 和歌山市の中心市街地基本計画は現在策定中で、平成18年10月頃に計画案を、中心市街地活性化協議会を初めとする関係者に図り、今年11月に経済産業省に提出する計画で作業は進んでいます。この基本計画が国で認定されることが中心市街地再生の絶対条件です。逆に言えば、この計画が国からの認定を受けられないと中心市街地の再生は図れません。それだけ重要な基本計画の策定作業を行っています。

 そして中心市街地基本計画の認定を受けることを前提として、中心市街地で計画されている空きビル再生や賑わい空間施設整備計画などに対して「暮らし・にぎわい再生事業」を活用することにより、空きビル再生支援を受けることが出来ます。
 つまり、中心地の空きビル再生を中心としたまちづくり計画に基づき、まちなかの暮らしと賑わいを創出することを目的とした国からの支援施策が「暮らし・にぎわい再生事業」なのです。

 具体的には、空きビルから集客施設への改修に要する費用助成や、病院や社会福祉施設をまちなかへ立地するための支援が行われます。補助対象となるのは、調査設計計画費用、改修工事費、共同施設整備費用などです。
 本来は、中心市街地基本計画の認定を国から受けた後でないと、この支援方策は活用できませんが、認定を受けられるものと考えて、前倒しして和歌山市では補正予算を組んで対応しようとしています。誠に中心市街地を再生させたいとする強い意気込みが感じられるものです。
 今回の補正予算から、まちづくり三法に基づいた中心市街地基本計画を策定し、国の支援を受けながら商業地として中心市街地を再生させる方向性が伺えます。
 
 この基本計画で絶対必要な、空きビルの活用とマンション施設誘致に関しては、旧丸正ビルの活用と旧さくら銀行跡地へのマンション建設など、既に具体的な計画があることから、基本計画は比較的立てやすい状況です。
 この機会を逃せば、大袈裟ではなく将来とも中心市街地の再生は有り得ません。民間事業者の動きと国の方針とが相まって再生のためには絶好の時期になっています。

 具体的には、旧丸正ビルの共用部分の整備費用に査定を加え9億円と弾き、この9億円のうち2/3の6億円を補助対象とします。その内、和歌山市は2億円、3億円は国、1億円は和歌山県から補助金を受けることにしています。

 但し、中心市街地基本計画の認定が受けられなかった場合は、この「暮らし・にぎわい再生事業」の支援は受けられないことになりますから、絶対この基本計画を精度の高いものに仕上げ、認定を受けなければなりません。
 計画に必要なものは、空きビルを商業施設として再生計画の他、計画地に住機能を持たせること、公共交通の乗り入れを可能とすることなどです。集客と定住を両立させた機能を持たせることが必要なのです。

 私の一般質問に対する市長答弁。
 補助金申請の時期が基本計画策定に先行しているのは何故かというご質問です。まちづくり3法の改正に伴い、平成18年度から創設されました国土交通省の補助事業であります「暮らし・にぎわい再生事業」を、旧丸正ビルの再生に活用するためには、オープンの時期から考えると平成18年度の補助を受ける必要があり、そのためには,10月初旬から下旬にかけて計画申請を行い、11月中旬に補助金の交付申請を行うよう国から指導を受けております。また、今年度の補助金は基本計画に位置付けられることが確実と見込まれることで交付申請ができますので、本議会に補正予算をお願いしているところです。

 旧丸正ビルの再生に対する支援は、これが単なる民間ビルの再生ではなく、中心市街地活性化における最も象徴的な問題であったこと、また早期の再開を地元商店街も望んでいたこと、また、これによる雇用の創出や交流人口の増加、象徴的ビルの再開による市民の気持ちの高まり、新たな投資の誘発などの波及効果も大きく、それらの結果として現れる地価の上昇による周辺部を含んだ固定資産税の増収など、今後の中心市街地活性化や市財政基盤への貢献を大いに期待できる支援であると考えています。

 私の一般質問に対するまちづくり推進室長答弁。
 基本計画の認定申請については、中心市街地活性化協議会で討議が終了し、その後申請することとなりますので、最短を考えますと11月中旬から下旬くらいと予想しておりまして、補助金の交付申請と基本計画の申請は、現実的にはかなり近い時期になる可能性もあります。
 本市としましては、このチャンスを生かして中心市街地の活性化を進めていきたいと考えています。

 私からの再質問。
 このように活性化を図るためには、一つの再生モデル計画がスタートした後に、続けて次の事業をスタートさせることが必要です。単発的なものになると賑わい創出に旧丸正ビルが孤軍奮闘することになり、いつまでも持ちこたえることは出来なくなります。集客するためには、常に旧丸正ビル内で投資をし続ける必要がありますから、一社にそのような役割を担ってもらうことは出来ませんから、市としての支援体制が必要です。
 私見ですが、補助金支出に関しては法律に基づくものですから問題はないと考えます。6億円の補助金ですが、事業者のビル再生計画に対して査定を加えて減額していることから言い値ではなく適正価格になっていると考えます。

 大橋市長も中心市街地のマーケティング調査を実施していますが、その結果は「旧丸正跡では採算が合わない」「リスクが大きい」ということで出店を見送った。また、地方への出店の場合には、駅前立地という企業戦略を立てていたり、先端の消費者をターゲットとしているために出店の条件として、ある一定以上の人口規模を条件にする、といったところも多くあり、本市にとって厳しい答えばかりが返ってきたと明確に述べています。
 中心市街地への商業施設の進出にはかなりのリスクがあることは周知の事実です。そこに飛び込んでくれた和島興産ですから支援は当然のことで、それに続く進出を呼び込むことが活性化に不可欠な取り組みです。

 そこで質問です。和島興産だけが地域再生を担う状況にはして欲しくありません。そのため和島興産に続く進出について、そして基本計画認定の見通しはどうなっていますか。
 大橋市長答弁。
 基本計画認定の要件となる事業で、民間事業者の参入が考えられる事業等は、現在、商工会議所と連携し計画への盛り込み準備を進めており認定されることを目指して鋭意取り組んでいるところです。
6月22日(金) 「県議会一般質問四日目」
【県議会一般質問四日目】
 今週火曜日から始まった一般質問も、いよいよ最終日を迎えました。初めての県議会で先輩、同僚議員の一般質問を聴けたことは大変勉強になりました。テーマの選定、話の組み立て方、質問方法など得るものがありました。

 ところで、本会議の場で具体的な回答を導くことは難しいもので、どうしても抽象的なものになります。それは県民の皆さんの代表の議員からの質問に対する議会の場での、県の最高権限者である知事や執行機関の部長の答弁は公式見解となりますから、決してやり直しが聞かないからです。本会議の答弁とはそれ程重いものです。

 平成19年6月の県議会定例会に提案されている大滝ダム工事に対する和歌山県の負担金に関する議案があります。国から地方自治体の負担を求められているもので、大滝ダムの持つ治水、利水効果により紀ノ川流域で暮らす皆さんの安心、安全を確保するために必要な負担です。もし負担をしないと地方自体で決めたなら、大滝ダム工事は中止となり、大きな台風など、大災害発生時に住民の安全が確保されない事態も発生しかねません。国の事業ですが、関係する県や市の予算負担の判断はトップにとって厳しいものです。知事は、予算よりも紀ノ川流域の皆さんの安全という利益を優先させて、大滝ダム工事に関する追加の補正予算を議案として提出しています。

 県議会定例会一般質問でも取り上げられた、和歌山市長の平成19年3月定例会での発言があります。それは大滝ダムの追加工事負担に関して「これ以上の負担に応じることはできない」と明言したことです。知事は市のことですから回答をしませんでしたが、これは定例会の発言の重さを顕著に示すものです。

 県民、市民の代表である議員と予算執行などの権限者である首長の一般質問は真剣勝負の場ですから、定例会でトップが一度発言して答弁を覆すことは出来ないのです。そんなことが罷り通るようなら、定例会の意味がなくなります。なぜなら首長が前言を翻すことがあれば、首長や行政機関を信頼しての議論にならないからです。

 さて、国から大滝ダム工事への追加負担が求められた県に関して、県では補正予算案として今議会に提案されているのですが、平成19年6月、和歌山市議会定例会には提案されていないと聞きました。当然ですが、平成19年3月定例会の発言に基づき、和歌山市長がこれ以上の追加負担する意思がないことを示すものです。自分の発言に責任を持ち、定例会の重さを感じたトップとしての決断ですから尊重したいところです。

 市民と約束事とも言える定例会での自らの発言に重きを置いた、これこそがトップの判断です。県知事は追加予算負担を必要と判断して補正予算案を組んでいます。和歌山市長は追加予算負担を必要なしと判断して補正予算を見送っています。それぞれのトップの判断は異なりますが、どちらもトップとして自らの意思に基づいたものですから、議会ではその判断に関して十分議論することになります。
 今回の異なった判断は定例会の重さをうかがい知ることが出来るものです。

【自治体破綻】
 和歌山市が財政破綻するのではないか、市民の間で話題になっています。これは平成20年度から地方自治体の財政も連結決算に変更されるため、赤字の特別会計を抱えている和歌山市の財政の実態が表面化することから来ています。

 従来、平成19年度もそうですが、地方自治体の財政の健全化を図る指標の経常収支比率は、一般会計だけを対象としたものでした。特定の事業のための別予算である特別会計は対象になっていなかったのです。財政の健全化を示すのは一般会計ですから、特別会計が赤字であっても、夕張市のように財政破綻の危機は当面なかった訳です。連結決算になると一気に隠れた借金が表面化することになります。

 和歌山市の場合は、度々活動報告でも指摘しているのですが、土地造成事業、下水道事業、国民健康保険事業の三つの特別会計の赤字が巨額で、一年程度では到底解消できない規模になっています。そのため自治体破綻が現実のものとして、市民の皆さんが感じ始めています。
 残念ながら解決する方法は、つけを後回しにするように隠す以外の正当なやり方としては、金融機関に棒引きしてもらう以外に考え付きません。市が借金を長年に亘って積み重ねてきた結果が今ここにあるだけです。
 こうなった限り、全ての市の借金の総額を市長が公表し、皆さんに現状を示して行政コストの負担増の協力を求めることが第一です。予想は出来ませんが、そこから解決に向けた動きが始まるように思います。
 財政問題を少しでも解決するために、一刻も早い企業誘致と産業創出に務めます。

【福祉問題】
 福祉の現場は課題が山積みです。そこで福祉事業者と懇談する機会を得ました。只でさえ仕事がきつく、賃金が比較的安いのが福祉の職場です。景気回復に伴い企業は人材を求めて始めています。既存の産業が求人を始めると、福祉から人材が流出することになります。福祉の仕事の収益は介護保険に頼る部分が大きく、公的資金に頼っているため人件費を抑制しています。行政機関からは保険費の抑制を求められ、サービスの品質向上が求められています。コスト抑制と品質向上という違反するふたつの課題を突きつけられているのです。

 そのため人材の確保が最重要課題ですが、先に記したように既存の企業活動が旺盛で、人材の引き抜きや流失が発生しています。景気が良くなると福祉は厳しくなる。こんな法則があるのかどうか分かりませんが、福祉を支える人が少なくなると益々サービスの低下に直結しますから、何としても避けたいところです。

 話をしていると課題はたくさんありました。介護事業は比較的新しい産業ですから、そのビジネスモデルは未完成です。収益が確保でき、安心して福祉事業で働ける事業にしないと、益々、人材が集まらなくなります。産業として成り立つ福祉に関して、更に問題を掘り下げて行きます。
6月21日(木) 「県議会一般質問三日目」
 本日、二人目として県議会一般質問に立たせていただきました。和歌山市議会とは議場の形状が異なっているため、壇上からの風景が異なりましたが、落ち着いて質問することが出来ました。

 この場に立たせていただいた全ての皆さんに深く感謝申し上げます。そしてお忙しい中にも関わらず、議場に来ていただいた皆さんに御礼申し上げます。本当にありがとうございます。
 また本当に超ご多忙の中、写真撮影を引き受けていただいて写真家の長岡浩司さん。朝9時30分からお付き合いをしてくれました。全国で仕事をしている中、今日の時間を確保してくれていたこと感謝いたします。

 そして応援してくれている皆さんの姿を拝見させていただきました。わざわざ仕事を休んで来てくれた方や支援団体の皆さんなど、感謝するばかりです。
 皆さんから気持ちの応援をいただき無事、本日の一般質問を終えることが出来ました。ありがとうございました。

 また議場には日程の都合上、どうしても行けなかった方からもメールや電話をたくさんいただきました。後日、ホームページに質疑は掲載させていただきます。
 熱心な方は、県議会事務局に問い合わせをしてくれた人もいました。問い合わせの内容は「県議会の議場に行けないので県のホームページに議事録は何時頃掲載されますか」との内容。答えは「今年9月」との事。「インターネットで議事録公開は6月議会のものを9月公開では遅すぎる、もっと早くインターネットに公開はなりませんか」と訪ねてくれています。県議会事務局からの回答は未だのようですが、確認してみます。

 なお、本日の一般質問に関しては、県議会ホームページのインターネット中継で、2、3日後に絵と音声で流れるので見ることが可能です。私も後日、インターネット中継の録画を確認してみることにします。

 本日お越しいただいた多くの方から議会答弁に対する感想がありました。「思ったほど当局は元気がないですね」「原稿を読んでいるだけの様子で迫力がないですね」「コムスンの不正が発覚した時の記者会見では元気があって良い知事だな、との印象がありましたが、実際議場で拝見すると、そんな感じがなかったので残念です」と尋ねられました。

 一般質問では、当局からの熱伝導がいま一つ感じなかったので再質問の機会を得て要望をいたしました。以下、記します。
 企業誘致も産業創造も、対象となる相手に伝わる熱伝導が不可欠です。熱伝導がないところには何も生まれませんし、熱は人から人へと伝播するばかりか空気も一変させてしまいます。
 誘致のための補助金やインフラは勿論必要ですが、一緒になってこの地域を創り上げていく気持ちの熱伝導が絶対に必要なのです。本日も議場かモニターかで、どこかの企業関係者がこのやりとりを聴いているかも知れません。
 分かっていただきたいのは、企業からの要望を否定から入るような殿様商法では、決して進出してくれないということです。最低限50%オールの立場で、企業からの要望にはスピードを持って提案するような姿勢を持って下さい。

 また、ご存知のように企業が動くためには、メインバンクや株主の意向が大きな影響を与えますから、採算計算は相当シビアなものになります。困難な課題を一緒になって解決に向けて考えてくれる姿勢を県が持たないことには進出を考えている企業の信頼を得られません。
 熱意とスピード感を持って。問い合わせに対しては、窓口を一つにして、そしてどうすれば諸課題を解決できるのかを企業の立場に立って誘致に努めて欲しいと思います。以上要望といたします。

 議場では傍聴席まで発言の空気が伝わるようです。やはりライブだけが伝えてくれるメッセージがあります。是非、皆さんも県議会にお越しいただけたら幸いです。
 皆さん、本日はありがとうございました。
6月20日(水) 「県議会一般質問二日目」
【県議会一般質問二日目】
 一般質問二日目に入り、議場では今日も熱心な議論が展開されました。質問者の問いかけに対して、知事が真剣に自分の言葉で答える姿勢を持ってくれています。今日も時間いっぱいの議論が繰り広げられました。

 知事から企業誘致に関して、取り組みは容易いことですが、誘致を成功させるのは難しいことで、1,000社のうち3社誘致できたら良しとして取り組んでいると現状の報告がありました。企業が工場立地をするのは、即ち、将来に向けて採算が取れるように投資をすることですから簡単に進出してくれる訳ではありません。しかし営業を行わないことには、和歌山県に進出してくれる企業は少ないのが現実です。
 知事から議員に対して「同じ思いを持っていただきたい」とコメントがあったように和歌山県を挙げて企業誘致活動に取り組みたいものです。
 
【企業立地に関するご意見】
 企業誘致はやはり、和歌山県に暮らす私たちにとって大きな関心ごとです。皆さんから思いを寄せてもらっています。
 例えば和歌山市出身で現在は和歌山県外から見つめてくれている人は、企業誘致に関しての補助施策は、大抵どの府県でも行っているため、和歌山県に進出してくれたら、進出規模や条件にもよりますが最大100億円の補助金が受けられますと言ったところで、半島の和歌山県にまで来てくれないのが現実です。それよりも土地代を相手も驚くような賃貸料にすることで進出を考えさせるような取り組みが必要だと述べてくれました。
 
 またある方は、和歌山県の地理的条件と打ち出している賃貸価格では、積極的に来てくれるところはないのではないかな。産業の集積をするにも遅いし、単発では和歌山県の産業にまで拡大は難しい。本当は基幹産業の誘致を図って裾野を拡げたいところですが、今からだと厳しいところです。企業誘致に成功して欲しいですね。

 そして、経済産業省出身の知事がいる内に企業誘致を成功させないと厳しくなりそうですね。知事の回答が楽しみです。知事の答弁を企業関係者は見ていますから、今回の質疑はとても大事です。県議会の動きは他府県からも注視しています。

 和歌山県の本気度を試す良い機会ですね。注目しています。和歌山県は企業誘致といいながら高値安定価格を企業に提案しているようですが、そのような受け入れる姿勢がないと、競争力では劣位にあるのですから企業が来てくれる筈はありません。知事の態度、考え方に注目させてもらいます。

 問題は受け入れ側の意識でしょうね。他府県から進出してくる者を暖かく迎え入れる県民性が必要です。企業関係者は多くの府県を回っていますから、冷たい対応や分からないような返答をすると候補地から外されます。熱意は伝わりますから、最初の入口が大切です。ここで対応を誤ると後が続きませんから受け入れる度量が必要です。知事の懐の深さを見せて欲しいところです。
 
 以上のように知事と県の姿勢に関心を持ってくれています。企業誘致に関しては、和歌山県の現状の不利さと土地の賃貸価格に問題があることを指摘するので、その対応策を答えて欲しいと思っています。知事の回答を楽しみにしているとの意見を数多くいただき、明日が楽しみになってきました。
6月19日(火) 「県議会一般質問」
【県議会一般質問】
 今日から県議会一般質問に入りました。県の一般質問を議場で聴くのは私にとって初めての経験となります。目前で県政の課題を論議している様子を直接聴くことが出来る体験は緊張感があり、そして大変勉強になりました。

 県議会議員と知事が同じ課題に関して議論を交わす様子は、民主主義の原点がここにあるように感じました。権限者である知事(勿論、知事も県民の皆さんから民主主義で選ばれているのですが)に対して県民の代表である議員が直接、論戦を挑む。当たり前のことの様ですが、私達の意見を託せるのは素晴らしいことです。

 仁坂県知事は一般質問に対して自分の言葉で応酬し、高度な議論が交わされました。本日は4人が登壇しましたが、あっという間に過ぎ去った議場での時間でした。明日も4人が登壇し、明後日の二人目に私が登壇する予定です。ご支援よろしくお願いいたします。

【特別委員会】
 本会議終了後、行政改革・基本計画等に関する特別委員会に出席しました。県が取り組んでいる「行政改革推進プラン」の概要と「新長期総合計画」の策定方針の説明がありました。
 新長期総合計画は、県の将来を展望し目指すべき姿を県民に分かり易く示すこと、和歌山県の元気の創造に向けて県が取り組むべき施策の基本方針を明らかにするため策定するもので、計画の期間は平成20年度から平成29年度までの10年間の予定です。
 今後は9月議会には計画の骨子案が示され、12月議会に計画素案が示されることになりました。

【一般質問打ち合わせ】
 特別委員会終了後、通告に基づいて、一般質問に関する打ち合わせを行ないました。
 通告した項目と内容は次の通りです。
項目、 企業誘致について
内容、 産業振興ビジョンについて
企業用地について
企業用地に関する知事の決意について
企業誘致が進まない理由について
コスモパーク加太への企業誘致の取り組みについて
外資系企業と企業誘致サーチャー制度について
項目、 観光医療立県和歌山について
内容、 観光医療立県を目指した取り組みについて
観光産業クラスター創成への支援について
観光産業プロジェクトマネージャーの活用について

 以上の項目と内容について議長に通告しました。企業誘致も産業創造も、対象となる相手に伝わる熱伝導が不可欠です。熱伝導がないところには何も生まれません。熱は人から人へと伝播するばかりか空気も一変させてしまいます。
 誘致のための補助金やインフラは勿論必要ですが、一緒になってこの地域を創り上げていく熱が絶対に必要なのです。産業創造についても時間を要するものですから、活動の核を築いて自然に集積するくらいまでの支援が欲しいところです。
6月18日(月) 「一般質問確認」
【一般質問確認】
 私の県議会での一般質問は今週6月21日、木曜日の概ね午前11時からに決まっています。明日、県議会議長宛てに質問内容の通告を行ないますが、当該部局と内容に関する意見交換と打ち合わせを行ないました。

 一般質問は出来るだけ具体的に仕上げたいところですが、各論に入ろうとすると行き詰ることがあります。具体的な事例を挙げて回答を得ようとしても、抽象的になる場合があります。それは予算の提案は知事の権限であり、予算案には議会の承認を必要とするため、当該部局で回答出来ないことにも起因しています。

 企業立地に関しては、
(1) 産業振興ビジョン策定の必要性について。
(2) 和歌山県の企業用地は鑑定価格制度を導入した後でも、全国的には相対的に高い水準にあります。この理由について確認します。土地価格がこのままでは、他府県と比較して競争力がありませんが、これを解決するための手段についても質問します。
(3) 企業誘致が進展しない理由については部長に確認します。
(4) 最後に、コスモパーク加太に関して、現在の県の取り組み状況と今後の対策と見通しについて確認します。

 また観光医療立県和歌山の取り組みについては、
(1) 経済産業省の事業採択を受け全国的に関心を集め、和歌山県での取り組みが始まっている観光医療立県和歌山としての健康サービス、美容サービスなどの産業化を図る取り組みの可能性について知事の認識を確認します。
(2) 本格的に和歌山県の新しい観光産業としてのクラスター創成まで発展しようとする状況において、和歌山県もブランディングなどの支援して欲しいところです。
事業化は正に民間の自助努力ですが、産業に発展させるためには県の関わりも重要です。今後の支援方策について確認します。
(3) 産業支援課の新施策である「観光産業プロジェクトマネージャー」は観光産業と他産業が連携した新たなサービス産業育成を支援する役割があるようですが、この役割について確認します。

 以上の項目について、当該部局と打ち合わせを行ないました。終了して県庁の駐車場から車で敷地外に出ようとすると、全ての出入り口が閉鎖されていました。侵入者防止のためだと思いますが、駐車場内に閉じ込められた初体験となりました。

【企業立地】
 企業関係者と懇談の機会を持ちました。企業が工場などの進出を行なうのは相当な覚悟を持ってのことです。当然ですが、失敗しても大丈夫とは誰も思っていないのです。
それに対して行政の企業立地窓口では、真剣さが感じられない(和歌山県のことではありません。念のため)ことが多く、中途半端なままでは計画は進展しないばかりか中断することになります。

 過去、企業がお願いをして地方自治体の用地を借りる場合もあったようですが、現在、進出を検討してくれている企業に対して「良かったらどうぞ」と言う態度では、絶対に企業は来てくれません。真剣さに応えてくれる職員さんの真剣さ。本気に応えてくれる職員さんの本気度。私達の県に絶対に来てもらいたいという強い気持ち。職員さん達が、これらの熱意を持っていることが結構、重要なのです。

 賃貸条件に加えて、もたれかかっても倒れない姿勢の県であることが企業を誘致するために求められることです。結論を出してくれない。課題を先送りする。責任の所在が曖昧。これらの姿勢は企業に逃げられる三原則です。少なくともこれらの態度は避けたいものです。
6月17日(日) 「一般質問打ち合わせ」
【美容について】
 美容と健康への関心は、今までのどの時代よりも高まっています。本日お伺いしたのは7月1日にオープン予定のエステサロンです。本日は内覧会があり、招待を受けて施設を案内していただきました。既にエステは和歌山市内に点在している状況ですから、店舗によって違いを出しています。企業秘密ですからここでの記載は控えますが、店内には最新の設備があり、最新の技術による施術を行ってくれるようです。

 試しに二つの体重計に乗ってみたのですが、左右の指す針の体重が異なっているのです。今日は右が40kg、左が35kgでした。通常、人は左右とも同じ体重だと思うのですが、実際はそうではないのです。体のバランスはストレスや病気によって崩れるとのこと、5kgのバランスは少し差が大きいようです。このようなバランスも、左右50%オールに戻してくれる施術があるそうです。
 店主や皆さんから美容に関する説明を伺いました。観光医療の取り組みに美容は欠かせませんから、美容業界とは連携を保ちたいと考えています。

【一般質問打ち合わせ】
 夜から深夜にかけて県議会一般質問の打ち合わせを行ないました。今回の一般質問項目は、「和歌山県の企業誘致について」「観光立県和歌山の取り組みについて」としています。本日は一般質問を完成させるために、関係者との打ち合わせと原稿作成を行ないました。
 和歌山県議会の一般質問者の持ち時間は40分、答弁時間は20分と決まっているため、今回二つの項目の質問をすることから第一問で終わってしまう可能性が高いと思っています。その分、質問の内容を充実させる必要があり、書き溜めた文書を削って項目を絞り込みました。

 県議会での一般質問は勿論ですが初めてのことなので、どの程度まで仕上げる必要があるのか分かりません。明日、県の当該課と打ち合わせをして更に内容を詰めていく予定ですが、全般的な考え方は知事にお伺いし、実務的なものは部長答弁をお願いすることにしています。

 企業誘致については、和歌山県、特に和歌山市で企業立地が進みにくい状況について、その打開策はあるのかについて質問することにしています。
 和歌山県の人口減少や商業地の衰退など課題は山積していますが、最大の課題で、取り組むべきものは産業政策に尽きます。県内の多くの方が望んでいるのは生活の安定です。生活に不安を抱えていては仕事や趣味などの自由な活動は到底出来ません。生活基盤が安定しているからこそ、安心して日常生活を過ごせます。

 裾野が広がる産業形態の企業に来てもらうことで、和歌山県の活力を生み出してくれます。一企業だけを視野に入れるのではなく、和歌山県の産業作りにまで発展する可能性のある企業の誘致活動を行いたいと考えています。

 観光医療産業の取り組みについての質問も行ないます。現在、全国で約240の地域で観光と何らかの健康に関するコンテンツを併せた取り組みがなされていますが、残念ながら殆どが上手く他地域と差別化出来ていないようです。そしてこの分野では和歌山県内の取り組みが2年から3年は他地域をリードして全国のトップを走っています。

 その経緯は、平成16年度都市再生プロジェクトでの和歌浦地域を中心とした調査事業。平成16年度国土施策創発調査での「世界遺産を活用したこころの空間・癒しの交流づくりに関する」もの。地形療法を中心とした和歌山県の熊野健康村構想
 平成18年度には、和歌山県立医科大学の「観光医学講座」開講や和歌山大学観光学科の開設、そして、経済産業省のサービス産業創出支援事業に採択された「観光医療立県和歌山」の成果により、一躍、和歌山県の観光医療産業が全国的に注目されたのです。
 この観光医療立県和歌山の取り組みを全県挙げて取り組むことか、和歌山県の新産業創造につながると信じています。知事の認識と県の支援に関して質問を行ないます。
6月16日(土) 「ふれあいの集い」
【懇親会】
 加太に宿泊して一夜が明けました。温泉と加太産の鯛やアワビなどを中心とした料理、気持ちの良いサービス、快適な施設。皆さんにもお勧めですから、和歌山市に来たら是非とも加太にお立ち寄り下さい。

【ふれあいの集い】
 和歌山市にある和歌山マリーナシティロイヤルパインズホテルで「ふれあいの集い」を開催。参加した100人の皆さんと一緒に楽しみました。食事、紀州レンジャーのひとり、タチレンジャーとの楽しいイベント、そしてビンゴゲーム大会の企画で、参加した家族全員で盛り上がった会合となりました。

 冒頭の挨拶は次の通りです。
 皆さんのご支援のお陰で春の統一地方選で県議会に送り出していただくことが出来ました。本当にありがとうございました。初挑戦の中、皆さんに大変なご支援とご苦労をお掛けしたこと感謝すると共に、皆さんからのご支援があったことで結果を頂戴することが出来ました。重ねて御礼申し上げます。

 さて現在、和歌山県議会の開会中ですが、来週には早速、一般質問で議場に立つ予定です。今回は和歌山県にとって大きな課題であり、私達の生活にも直接的、間接的に関係してくる課題を取り上げます。ひとつは県外から県内への企業誘致の問題です。働く場所が少ない、若い人達が戻ってくる職場がないことが活力を低下させている要因の一つです。

 和歌山県の経済を安定させるためにも、家族で末永く生活する面でも、企業誘致は必要です。長い時間を要する課題ですが、是非とも推進したいと考えていますので、ご支援をお願いいたします。

 もうひとつは和歌山県の特徴を活かした県内からの新しい産業を創造する取り組みの提案です。観光と健康サービス産業を同化させた新産業創造は、和歌山県の売り物として成り立つ産業に成長すると考えていますので、今後、是非とも注目していただきたいと思います。
 この県での生活が楽しく明るいものにするために全力で活動を行っていますので、今後ともご支援いただきますよう、よろしくお願いして挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

【同窓会】
 夕方からは、海草・向陽同窓会総会が開催されたので出席いたしました。この総会は毎年6月に開催しているもので、昨年度の活動と決算の承認、そして新年度の活動方針を予算案が承認されました。毎年、盛大になっていますが、若い年次のOBの参加者が少ないように感じました。
 向陽高校のOBにはプロ野球の根来コミッショナー代行がいます。先の東京支部の総会には参加してくれましたが、本日は公務のため欠席となりました。プロ野球界では様々な問題が生じていますが、根来氏はこれらの問題を解決するまで職務を全うする意欲を示してくれているとOB会会長から報告を受けました。

 また先輩の中に、かつて海草中学時代に夏の甲子園で優勝した嶋精一投手がいます。全試合完封、その内、準決勝と決勝はノーヒット・ノーランを達成した歴史に残る投手なのですが、残念ながら日本の野球殿堂に入っていません。後輩としては何としても島精一投手に野球殿堂入りして欲しいところですが、当時の関係者が少なくなる中、島投手を記憶している人も少なくなっています。皆で盛り上げたいと話し合いました。
6月15日(金) 「企業立地活動」
【企業立地活動】
 和歌山県の企業立地について意見交換を実施。和歌山県、特に和歌山市で企業立地が進みにくい状況について、その打開策はあるのかを重点項目としました。
 和歌山市の産業は古くから住友金属や花王に代表される重厚長大型の産業構造で、今も変わっていない状況です。経済成長の時代には、和歌山県の工業生産に関する統計では上位に位置していましたが、今では全国で最下位に近い位置にいます。

 一方、和歌山市も景気回復の兆しが見られると言われていますが、域内経済をリードしているのは住友金属などの産業です。既存の産業が好調なのは喜ばしいことですが、それでも全国的には低位に位置しています。

 その理由は、他府県では産業構造の転換が図られているのに対して、和歌山県の産業構造は従来のままであることに起因しています。山形県や熊本県などは、重厚長大の時代には経済規模は全国的には低位でした。しかし現在は電子機器や電気部品などの高付加価値の企業誘致に成功、産業構造の転換に成功しています。これらの県内の経済総生産に占める高付加価値産業が生み出す利益は約50%に達しているのに対して、和歌山県の場合これらの産業が占める割合はわずか5%程度に過ぎません。
 そして産業集積のために必要なものは、分業、専門化、高付加価値化の手順です。いきなり高付加価値産業に到達することは出来ません。

 このように、産業構造の転換が遅れたことが和歌山県の経済停滞要因の一つだと言えます。では和歌山県が今から同じ取り組みをしたとしても、同種の産業構造の転換が図れるかというと疑問です。何故なら、現在稼動している、また稼動しようとしている工場は2005年頃に工場新設や移転を行なっていますが、殆どが近隣で適地を見つけています。産業構造を転換する意味はある訳で、ひとつの基幹産業が立地すると、それに付随して周辺産業が集積するのです。そのため先行して企業立地に取り組んでいる府県がリードしているのは当然のことです。

 さて和歌山県の場合はどうでしょうか。今からでは、単に企業誘致を図るのではなく、和歌山県発の新産業を創造するくらいの意気込みが必要だと思います。企業への訪問活動においては、和歌山県の将来像を語れる、和歌山県の将来の産業について夢を語る、ことから導入し、そのため和歌山県に進出することは企業にとってメリットがあることを営業して欲しいと思います。

 そこで必要なものは、産業振興ビジョンです。企業誘致の目的は、雇用を生み経済活動を活発にすることで私達の生活を豊かにすることにあります。どんな生活を、どんな経済活動を志向して、豊かな郷土を創るのか目標を定め、それに合った企業に誘致活動を行いたいところです。ですから、まず私達の生活の安定を前提にしたとところです。

 ところが現状はそうなっていないと思われる節があります。和歌山市に暮らす私達の消費生活からの推測ですが、所得が100あるとして(分かり易くするために貯金などの蓄えと光熱費、税金などは捨象します)、市内で消費している割合は50以上あるの、極端な場合70位あるのではないでしょうか。中心市街地から人を集める力が失われ、和歌山県外で時間的距離が近い場所に大型商業施設が進出している中において、この傾向は更に上昇しているような気がします。

 このようにお金が無くなっていることは、資本のミイラ化を意味します。この場合、域内での経済活動が成り立たない状況の危機に晒されているような気がします。つまり企業にとっては生産活動に支障が生じ、事業活動が出来にくい状態にあるのです。
 そのため経済活動を成立させるためには、域内の消費でマイナスとなる分を外から稼いでくる、或いは産業を引っ張ってくる、創出する必要があります。

 ところで企業はボランティアで進出してくれる筈もなく、採算ベースに乗らないことには和歌山県に来てくれません。その基になるのは企業用地価格です。しかしながら和歌山県の企業用地価格は全国で4番目の高位置にあります。東京、大阪などと肩を並べる全国で4番目なのです。これでは余程の産業ビジョンがあるか、飛び抜けた優遇措置があるかなどの施策がない限り進出は見込まれません。

 この産業振興ビジョンは都道府県の70%近くが策定しているようですが、残念ながら和歌山県には存在していません。企業立地課の活躍ぶりは素晴らしいもので、発足以来既に1,000社を超える企業を訪問し企業誘致に取り組んでいます。そして成果をあげていますし、今後進出が見込まれる企業もあると聞いています。
 そこに欠けているものは和歌山県が企業誘致をするのは全国に誇れる産業を創ろうとする産業振興のあるべき姿です。ひとつの課だけが懸命に取り組むだけではなく、企業誘致に関係する課員が横断的な活動が出来る体制を設けて欲しいものです。

 もうひとつ必要なものは、企業誘致活動の体制は産学官ではなく産学公の体制です。企業やNPOを含めた連携により、和歌山県に相応しい企業を誘致したいところです。民間のノウハウと即応体制の取れる行動力を借りるべきです。幸い、和歌山県には企業誘致サーチャー制度があります。この制度を活用して民間人の力を取り入れた企業活動をして欲しいところです。

【環境問題】
 環境ビジネスに関わっている社長と環境問題に関する打ち合わせを実施。家庭用からの二酸化炭素排出量の増加が予想されている中、自然エネルギーの補助施策が打ち切られた後、太陽光発電システムの導入が極点に低下していると言うものです。平成17年度までは太陽光発電の補助施策があり、平成18年度からは制度が廃止されています。そのためこの会社では、家庭用太陽光発電システムの導入は半分程度まで下がっているそうです。会社の利益がどうこうと言うよりも、環境施策が後退していることを危惧しています。国に対しても協会として要望を行っているそうですが、一度廃止された施策を復活させることは極めて難しいものなので、違う形で環境保全対策を検討しています。
 自分達でも始められる取り組みについて議論を深めました。

【懇親会】
 和歌山市を代表する観光地に加太があります。海がきれいで魚が美味しいことで観光客を集めている地域です。ここでは若手経営者の皆さんの取り組みで温泉を掘り、関係旅館に導入しています。
 単に温泉を売り物にしているだけではなく、旅館内にはおもてなしの心が随所に見受けられました。お雛様をイメージした赤で統一した廊下、文字や石を使用して温かみのある形の案内表示板、トイレの隅に飾られている紀州備長炭、廊下に漂う気持ちよい香りなど。 

 宿泊客のためのサービスも充実しています。アロマやエステ、家族連れや男性でも楽しむことが出来ます。元気で心のこもった観光旅館であることを感じることが出来ます。
 和歌山市加太。景色もおもてなしの心も楽しんで欲しいところです。
 今日はこの旅館に宿泊して懇親を深めました。
6月14日(木) 「企業立地の問題」
【一般質問】
 一般質問に関する打ち合わせを実施。質問項目についてはいくつか予定していますが、今回の一般質問は企業立地の問題、観光と健康サービス産業創出に関するもの、和歌山大学観光学部に関する質問を考えていますが、この項目の中から選ぶ予定です。

【昼食時】
 海草・向陽高校のOB先輩と昼食をご一緒させてもらいました。海草・向陽OB会が発刊している会報があり、先輩が編集委員からインタビューを受けたことから関係する人達が集まったものです。本日のインタビューでは、後輩に伝える出来事や歴史についてが中心となり、この模様は会報にまととめて発行される予定です。

【企業立地の問題】
 和歌山市にも県の企業用地があります。代表的な用地がコスモパーク加太で、約80万坪
 あるのですが今のところ企業進出の予定はないようです。詳しく調査していないのですが、県の借入金もあるとすれば金利の支払いも予算計上されている筈で、早期に企業誘致を進めたい土地のひとつだと言えます。

 さて県外の有識者の皆さんと企業立地に関して意見交換を図りました。企業に来てもらうための条件は様々ですが、本日の議論の中で代表的な条件は次のようなものが出されました。
広大な土地が確保出来ること。そして土地価格の問題。
消費地に近接し運輸コストの優位性があること。一般的には1時間30分以内で消費地に輸送出来ることがギリギリの線だと言われているようです。
優秀な人の雇用が見込まれること。そして人件費が安いこと。
低廉なエネルギーコストであること。
きれいな水の供給があること。

 以上のような条件が整うと企業は進出を検討してくれそうです。

 翻って和歌山県はどうでしょうか。基本的には全ての条件をクリアできると思いますが、近畿圏の京奈和(京都、奈良、和歌山の三地域)の中では最も不評だそうです。ここで記載することは控えますが、どうやらインフラやアクセス以外に問題がありそうです。これは長い時間を掛けて、従来の印象を薄める他に解決方法はありません。

 さて企業用地の問題について考えて見ます。大規模な企業が進出するためには10万坪や20万坪では不足しますから、100万坪クラスの広大な土地が必要となります。ここで土地価格についてひとつの目安があります。

 大阪府下のある市では企業進出が進み、坪単価が300円に上昇したため進出を見合わせた例があると伺いました。
 瀬戸内海沿岸に位置するある市では坪単価は150円だそうです。しかし消費地が離れているため企業進出は見込まれていません。
 九州のある市では坪単価は30円から50円程度に抑えています。そのため企業進出が見込まれています。

 さて和歌山県の場合はどうでしょうか。大阪府と近接の和歌山市に限っての評価ですが、坪単価は100円以下が企業側の評価です。これを超えると採算ベースに乗らないため、進出は難しいと判断されます。

 企業立地に当たっては土地の賃貸契約と初期投資額との関係が問題となります。コスモパーク加太を例にとり仮定すると、賃貸する土地は100万坪、投資額を200億円として10年で償却します。1年当たり20億円となりますから1坪当たり年2,000円となります。つまり一ヶ月の坪単価は160円となり、土地の賃貸料を仮に100円とすると坪単価260円ですから、安価で土地活用が図れることになります。

 地方都市にとって土地価格を低く抑えることが企業誘致活動の原則となります。「いくらで貸すのか」を提示することが導入部で大切なことです。

 もうひとつ大切なことは県が信頼されることです。信頼が大切であることを示す事例ですが、ある県に立地していた美容関係のメーカーが神戸市に、飲料メーカーの工場が金沢市に移転しました。理由はそれぞれのメーカーの業績が上昇したので、県から賃貸料金の値上げをされたそうです。土地賃貸料の値上げが要因となり、他府県に工場が移転されてしまったのです。途中で賃貸料を値上げする行為は信頼を失うものです。
 専門家達との意見交換は、企業誘致について学ぶことが出来る機会となりました。
6月13日(水) 「企業立地」
【企業立地】
 企業の設備投資活動が活発です。企業にとって消費地が近い適地があれば立地も考えているようです。和歌山県でも県内に企業用地がありますから、企業立地課を中心に全庁的に活発な企業誘致活動を展開しています。しかし企業誘致は簡単な仕事ではなく直ぐに成果が表れるものではありません。ある担当者が着手した案件が表面化しない内に異動になり、次の担当者の時代になって成果として表れることも珍しくありません。地道で息の長い取り組みになります。

 一方、何でも良いから誘致することに偏っても、県全体とすれば仕上がりは良くありません。やはりある程度、県産業と合致したデザインを描き企業誘致活動を進めることも必要です。相反するものに取り組むのですから、成果を導くまで困難を伴います。
 和歌山県では地域ごとの特徴を活かした産業を誘致しようと活動していますが、相手があることなので思い通りにならないのが現状です。他府県の企業誘致に成功した好事例を参考にした施策や取り組みを導入すれば問題は解決すると思われますが、実際はそうなりません。

 成功事例は、成功した要因を後から理由付けするからです。例えば、補助金施策が充実していた、立地条件が良かった、などの理由を聞くことがありますが、あくまでも当該成功事例に該当するだけです。何故なら、企業用の用地を整備するためにも県予算が伴いますから、企業立地の充てもないのに県費を使っての先行投資は難しいのです。

 県の施策を施すにしても、企業の規模や雇用の見込みなどによって、適用条件は違いますし、県にとってどれだけ利点があるかを個別に判断する必要があるため、最初から「この条件で来て下さい」と営業を掛けられないのです。
 企業誘致のための必要条件として、一般的には、企業にとって必要な広さが確保出来ること。工業用水の確保などインフラが整備されていること。輸送面の条件が良いこと。人材が確保出来ること。補助金施策、税制面での優遇措置、などが挙げられます。

 分かっているのであれば、その条件を満たすような企業受け入れ態勢を整えたら良いのですが簡単は進みません。繰り返しますが、進出してくれる企業があり、企業側の条件を県が受け入れることが出来た場合に初めて、土地造成や工業用水の確保、優遇施策などを具体的に詰めることが出来るのです。

 しかし、何もない状態で万全の受け入れ態勢を整えることは現実的ではないのです。(勿論、予算が潤沢であれば、インフラなどを整えておく方が好ましいのは言うまでもありません)
 和歌山県の企業団地は企業進出のための全ての条件が整い、協定を結んだ後は直ぐに建設に着手出来る場所は、残念ながら少ないのです。企業が和歌山県下の企業団地の下見に来た時に、未整地だったり土地に傾斜や勾配があった場合、それだけで進出候補地から外されてしまいます。進出を考えている企業からすると、何も整っていない企業用地に来て欲しいと県から言われても、将来的に整備してくれる期待があるからと言って決断はしてくれません。企業が進出を考える時期とは、工場であれば直ぐに稼動させたい時期と重なる場合が多く、直ぐに工場建設が出来ないのであれば他府県での企業立地に移るケースもあるのです。
 県産業との同一性を求めるために泥臭い営業活動が求められます。

【福祉関係】
 団塊の世代が60歳に差し掛かってきました。60歳を超えても第一線で活動出来るのであれば、企業活動から離れられる、そして社会貢献活動を行いたい従業員が大勢いる、ことなどが優位な点です。

【新旧理事会】
 ゴールドライオンズクラブの新旧合同の理事が集まり、次年度の活動方針を確認しました。私は前年度の会計担当から一年監事への担当に変更となります。新体制で社会奉仕全力に活動を行っています。

【懇談会】 
 夜は懇談会に呼んでいただきました。挨拶をさせてもらったところ、ここでも関心ごとは企業立地の問題です。そこで企業立地のための条件について意見を伺いました。
 一番目は、まとまった土地が確保出来ること。
 二番目は、交通アクセスの問題。
 三番目は、優秀な人材の確保。
 深夜まで熱心に話してくれました。
6月12日(火) 「県議会開会」
 本日から和歌山県議会定例会が開会しました。今日以降の日程は次の通りです。

 本日6月12日、県議会開会。
 6月19日から22日までが質疑と一般質問。
 6月25日と26日は常任委員会。
 6月27日と28日は本会議。常任委員会の委員長報告、質疑、討論、採決。

 今定例会で一般質問を行なうために、本日、議長宛てに一般質問の通告を行ないました。
 結果、私の一般質問は6月21日、木曜日の午前11時から約1時間に決定しました。是非とも県議会への傍聴にお越しいただけるようお願いいたします。

 本日、仁坂知事から今議会に当たっての挨拶と主な議案の説明がありました。提出された議案は次の通りです。
 補正予算額173,725千円、補正後の一般会計予算は518,046百万円。
 補正予算の主なものは次の通りです。
移動通信用鉄塔施設整備。「和歌山県携帯電話つながるプラン」を推進するため、移動通信用鉄塔施設を整備する市町に対して補助するものです。
安全、安心まちづくり推進。活動拠点を持たない地域自主防犯組織に対して、コンビになどとの連携による活動拠点の提供や活動のための備品購入費を助成します。これにより、住民参加型の安全で安心できるまちづくりを推進することにつなげます。
都市エリア産官学連携促進。文部科学省の「都市エリア産官学連携促進事業」に採択されたことから、和歌山大学などの教育機関と県内企業の持つ技術を融合、発展させ、実用化を目指した共同研究を推進します。
橋本隅田用地共同開発。大規模企業の立地可能な橋本隅田用地について、県が一部造成工事を行なうことで大規模用地を確保し、企業誘致の促進を図ります。
 また条例の改正は15件提案されました。

【環境問題】
 議会の合間に環境保全対策に関する打ち合わせを行ないました。和歌山市在住のIさんは、電気自転車に乗り県庁まで来てくれました。自宅から県庁まで約40分かかりましたが、地球環境保全を図るために出来ることから始めようと、自動車を使用するのではなく電気自転車で来てくれたのです。言うことは誰にでも出来ますが、実践することは難しいものです。暑い中、電気自転車で約40分も移動すると汗だくになります。それでも小さくても自分で出来ることを行い環境保全対策に貢献したいと願っての打ち合わせと電気自転車に乗って移動してくれたのです。

【懇談会】
 午後6時45分から懇談会を行ないました。公私とも大変お忙しいA社長とじっくり懇談する機会を得ることが出来ました。先代社長が突然お亡くなりになり、その後継者を務めていますが、先代の後をそのまま引きづくのではなく、自分の新しいルートや取引先の開拓も行なっています。

 「先代は偉大な社長で到底追いつくことは出来ないけれど、自分のスタイルで頑張るだけ」と話してくれましたが、決して守りの経営ではなく、攻めの経営を行っています。本業をしっかりした柱として確立し、補助的な事業として本業を補完する。そして明るくて話も上手な方ですから、新しい層への信頼も築けることだと感じました。

【会合】
 引き続いて午後9時30分から別の会合を行ないました。終了したのは12時、話は尽きませんでした。
6月11日(月) 「企業立地」
【企業立地に関する懇談】
 和歌山県の企業立地施策に関する打ち合わせを実施。極端な言い方をすれば、和歌山県以外の全ての府県で企業立地が進んでいる状況にあります。他の県や市が造成した企業団地の問い合わせや売れ行きは好調ですが、和歌山県ではそうはなっていません。経済情勢が改善されている中だけに残念に思っています。

 和歌山県は企業にとって魅力のない土地なのか県外の方との懇談で確認したところ、「そんなことはない」との回答を得ました。企業が進出してこない理由は様々ですが、幾つかをあげます。

 ひとつ。補助金施策を充実させること。初期投資の補助金は全国でもトップクラスの補助施策がありますが、ランニングコスト、つまり固定資産税などの優遇施策に乏しいことがあります。企業団地に進出しようとする位の大手企業にとって、初期コストの数百億円はそれ程魅力的ではありません。それよりも、企業活動を行うと共に生じる税制面での優遇措置が求められています。固定資産税の優遇施策が必要です。

 ふたつ。地域と同化していること。他府県が企業を受け入れられていることを受けて同じことを検討しても駄目なのです。その土地の産品と同化することが大切です。同化とは、その土地の産品と掛け離れてないものを売り物にすることです。和歌山県の場合、液晶工場を呼び込むことよりも、海や田畑を活用した産業誘致活動が効果的です。

 既存の資源を和歌山県の産品であることを売り出すことに加えて、比較優位にあるものに特化して産業構造に変化させる必要があります。加太の鯛に代表される海の資源に付加価値をつけることで活路が見出せます。海の資源を生育するソフトを導入することによって、和歌山ブランドを形成することが可能です。

 幸い和歌山県には、広大な土地と全国でも上位にランクされる日照時間、そして港湾があります。そして大阪という消費地に近い特典もあります。産地が消費地に近いことはアドバンテージになりますから、消費者が志向している産品を生産して送り出すことで和歌山県ブランドの形成が可能です。

 みっつ。先にも述べましたが、港湾があることです。和歌山港は40,000トンの船の運航が可能です。一次産品の場合約4,000トンの船の出入りが出来るのであれば、可能性は拡がると聞いています。奈良県や滋賀県には港湾がありませんから、消費地と物流を組み合わせた産業を育成することは不可能です。和歌山県の場合、新しい産業を育成する可能性があるのです。
 和歌山県の産品と同化可能な産業を呼び込み、育てることから始めたいものです。

【健康と美容】
 健康と美容への関心が高まっています。和歌山県の玄関口JR和歌山駅東口付近にも健康と美容の拠点が誕生しています。今日は開店に向けての打ち合わせを行ないました。和歌山県の特徴の一つして、恵まれた地形環境の下で健康と美容サービスを受けられることがあります。
 都会のビルの一室で受ける健康と美容施策ではなくて、広々として開放感のある土地で健康と美容の施術を受けることは他とは違うものです。和歌山県発の施策を発信する準備が整えられています。

【懇談会】
 夜は懇談会を実施。明日からの県議会定例会に向けて貴重な意見交換を図ることが出来ました。
6月10日(日) 「自治会研修会二日目」
 昨日に引き続いて自治会研修会二日目の今日は、伊勢神宮に赴きました。伊勢神宮は言うまでもなく、天照大神をおまつりしている神宮で、ここにいるだけで神聖な気持ちにさせられる場所です。

 さて近年の伊勢神宮での関心毎は、神宮式年遷宮です。これは20年に一度社殿を新しく建て替えをすると共に、神宝を新調して大神にお遷りいただくまつりごとのことを言います。神宮式年遷宮の歴史は古く、持統天皇4年、西暦690年に第一回が行われて以来となっています。1300年の伝統を守り神宮式年遷宮は、国家の永遠と国民の平安を願い連綿と続けられ、平成25年の神宮式年遷宮は62回目となります。

 ところで20年に一度社殿を新しくすることの意味について伺いました。国家も私達の生活も、そして政治も人が関わる全ての営みは新陳代謝を図ることが大切です。人の交代がないとその空気は澱み、国家なら衰退、生活なら堕落、政治なら腐敗を生み出すことに繋がりやすいのです。
 国家も人々も若々しく保つために20年に一度、社殿の建て替えをするのです。日本国で最も尊いとされる伊勢神宮は、国家の基礎とも言えるような権力維持の防止と腐敗防止のしくみを確実に作り上げています。権力と腐敗防止に歯止めをかける素晴らしい知恵の結晶です。

 もうひとつの意味を挙げるとすれば、技術の伝承があります。神宮を建築するのは宮大工の仕事ですが、神宮を建設する機会はそれ程多いものではありませんから親方から弟子への技術伝承が課題となっています。宮大工でも一般建築物を造る場合があると聞いたことがありますが、やはり宮大工として本物を造る経験をしないことには本物の技術は身につきません。20年に一度、社殿を造る経験は何事にも変え難いものとなります。

 ところで技術の伝承は、現代企業でも課題になっている問題です。企業においては一時期、ベテラン従業員の雇用調整をしたり、技術の数値化を図ることで技術者を疎かにしたりした経験があります。
 しかし企業が保持する技術とは形式上のものではなく、人が持つ技術を指します。人が存在しなくなると企業の技術も消失します。そして技術を数値化することは可能ですが、経験と勘の中には数値化出来ないものがあります。

 例えば、大型機械の保守に関して、コンピュータ上の数値では異常が見られなかったのですが、ベテランの従業員が現場で機械に聴診器を当て音の確認したところ、正常時とかすかな違いを発見しました。機械を止め、ばらして確認したところ、機械を構成する一部の部品に異常があり、事故を逃れたことがあると聞いたことがあります。このように、経験や勘を全て数値化して機械化することは困難なのです。

 ここでも技術継承に関して、人から人への継承と実際の現場経験を積むことが基本であることを教えてくれています。
 日本の伝統的な考え方は現代社会でも通用するものであるばかりか、時代が進展しようとも守るべきものであることを教えられました。
6月9日(土) 「自治会研修会」
 本日と明日の二日間は宮地区連合自治会の研修会に参加して来ます。主な行程として、本日は東海道五十三次の47番目の宿場町の関宿の視察、明日は伊勢神宮の視察が予定されています。

 今朝から、バス二台に分乗して関に向かいました。江戸時代の東海道の宿場町は、今では原形をとどめないところが多いのですが、関宿は1.8km、25haの範囲に古い町屋が約200軒も残されています。まるで絵のような、時代を遡ったような気にさせられる街並みで、行き交う旅人が現れそうな感覚がありました。

 往時の雰囲気を保つために、江戸時代の東海道に電柱は建てられていません。全て裏通りなどに電柱は建柱されているのです。
 大雨の中、旅籠玉屋を訪れました。玉屋は今では歴史資料館として開放されています。「関で泊まるなら鶴屋か玉屋、まだも泊まるなら会津屋か」と言われた関を代表する旅籠でした。参考までに旅する庶民が宿泊したのが旅籠、大名や公家が宿泊したのが本陣と呼ばれています。

 今では関宿に当時の姿の本陣は存在しません。その宿舎としての規模の大きさから維持することが出来なかったため、その用地を売却されたりして姿を消しています。ただ、旅籠の鶴屋でさえその規模は相当なものですから、本陣の規模は想像することが出来ないほどです。(但し現在の鶴屋の表は往時の半分程度に縮小されています)

 江戸時代の宿泊所と思っていた鶴屋ですが、実は昭和初期まで営業しており、玄関先には宿泊台帳が備え付けられています。そして今から約10年前に鶴屋を引き継いできた末裔の人がお亡くなりになり、この施設を維持出来なくなったので亀山市(当時の関町。市町村合併をして亀山市になりました)に寄贈され、亀山市の施設の歴史資料館として公開されているのです。

 ところで亀山市はシャープ亀山工場が立地され、シャープ液晶テレビの亀山ブランドとして売り出されています。観光資源の保存と企業誘致を成功させた力量は参考にしたいところです。
 さて200軒もの江戸時代の宿場が残されている街並みは、これだけで一見の価値があります。歴史の波に耐え、よく保存されたものです。古きを残すことが歴史を残すことでもあり、時間の経過と共にまちの大切な資源として、観光資源として将来も価値あるものになります。
 建築された時期のスケールは相当違いますが、和歌浦にあった不老館を思い出させてくれます。和歌浦の景観とマッチした不老館を、それ程大きな議論をすることなく、あっけなく取り壊したことを考えると、関宿が残されたのは関係者の尽力の賜物以外にありません。観光地であり生活の場所でもある施設ですから、活用しながら保存するのは大変ですか、日本の歴史的財産を将来も守って欲しいものです。

 自治会研修会の宿泊地は鳥羽でした。参加したのは単位自治会の三役の皆さんでしたから顔見知りの方も多く、意見交換を図ることが出来ました。日常からご一緒することが地域活動にとって最も大切なことだと認識しています。自治会によっても地域運営方法が異なる部分があり、今後の活動の参考になるものでした。
6月8日(金) 「環境、エネルギー問題研修会」
【環境、エネルギー問題研修会】
 水曜日に引き続いて、環境とエネルギーを考える研修会を開催、43人の皆さんと一緒にバスに乗り込み、大阪市内のフェア会場まで学習して来ました。今回何回も実施しているのは京都議定書発効の約束期間を来年に控えて、私達が地球環境問題を考えて出来ることから行動する必要があるからです。周囲にいる一人でも多くの皆さんにも現状を知ってもらいたい、そして行動様式を意識して欲しいと願ってのものです。

 言うまでもないことですが京都議定書は2005年2月に発効し、先進国の二酸化炭素を初めとする温室効果ガスの削減目標を決めたものです。日本の削減目標は、2008年から2012年までの期間中の温室効果ガスの平均排出量を1990年レベルに比較して6%削減することになっています。約束期間は2008年からスタートすることになっていますから、現状の生活様式や意識のままでは、日本が先進国間のこの約束が果たせなくなるのは明白です。

 家庭からの二酸化炭素排出量の伸びが高いと予測されている中、私達の生活様式をエコスタイルに変化させる必要があるのです。二酸化炭素をどれだけ排出しているのか、自分で確認出来ないため、家庭用のそれを評価することは難しいのです。どうしても優先順位としては、経済活動の次になってしまいます。
 地球環境問題への取り組みは明日から、来年からでは遅いように感じました。この問題を知ること、意識すること、行動すること、他人に呼びかけること、これらの行動様式が求められます。しかも継続的に行なうことで初めて効果が出るものです。

 経済も大切、環境問題も大切、両立させることが私達に求められていることです。そして誰も見ていなくても、今日から行動を開始することです。

【関西空港】
 関西空港の二期工事が続けられていて、平成19年8月2日に二期空港島の滑走路が共用を開始されることになっています。関西空港から移動距離40分の和歌山市にいながら知りませんでした。そのため関西空港の二期工事が続けられている二期島に行って直接確認してきました。
 関西空港は平成6年9月24日に開港しています。そして関西空港がハブ空港としての役割を担うために、二期工事は平成11年7月に着手されています。
 二期島の滑走路は4,000mあり成田空港と同等の規模、現在の関西空港の滑走路3,500mを上回ります。埋め立て面積は545ha、護岸延長は13km、埋め立て土量は2.5億立方メートルとなっています。全体事業費は滑走路で4,200億円、埋め立てで1兆円となっています。

 流石に規模は大きくて曇り空の影響もあったと思いますが、先が見えないほどでした。二期島を大阪市内に持って行ったと仮定すると、梅田から難波までの区間が全て収まってしまう程の大きさです。
 現在大阪湾を囲んで、関西空港、伊丹空港、神戸空港が存在しているため、関西の空は過密状態になっていると聞きます。しかし国家事業である大規模空港が関西空港ですから、二期島が供用開始された後は、その意味からして更に関西空港の活用を図って欲しいところです。

 関西空港と隣接する和歌山県にとっても関西空港の活用は関心ごとですから、そのあり方について注目しておきたいと思っています。
6月7日(木) 「平成19年6月の議案」
【報告書】
 県議会報告レポートの試作版が出来たので、プリントアウトして皆さんに意見を伺ってきました。概ね良い反応をいただきました。

活動の報告書があると、議員は何をしているのか分かるので読ませてもらいます。
議員の報告書をもらったのは初めてです。これを皮切りにこれからも継続して下さい。
丁寧な内容ですね。毎回、これだけの記事を書くのは大変だと思いますから、A4、1枚の両面でも良いのではないですか。

 修正を加えて読み易いものとして報告書を完成させ、皆さんにお配りしたいと考えています。

【打ち合わせ】
・和歌山県の産品を全国に売り出すための施策について打ち合わせ。
・県が管理している緑地公園のあり方について打ち合わせ。
・和歌山県を全国に売り出すためのアイデアについて提案を実施。
・公的公園の使用方法について打ち合わせ。
・義務教育の子ども達のスポーツのあり方について。

【平成19年6月議会】
 県議会定例会が近づいて来ました。日程は次の通りに決まりました。
 6月12日、県議会開会。
 6月19日から22日までが質疑と一般質問。
 6月25日と26日は常任委員会。
 6月27日と28日は本会議。常任委員会の委員長報告、質疑、討論、採決。

 和歌山市議会と比較して会期は短くなっています。理由は様々ですが、一般質問の時間が40分以内と制限されていること、一般質問の日程が4日間、一日4人で最大16人になっていることから日程が短くなっています。和歌山市議会の場合、一般質問に時間制限はありませんから、再質問と併せて3回の質問時間は必然的に長くなります。そのため一人の一般質問時間を予め予測できないため、一日3人の登壇で日程が決められています。

 提出される予定の議案は次の通りです。
 補正予算額は173,725千円で、補正後の一般会計予算は518,046百万円。
 主なものは次の通りです。

移動通信用鉄塔施設整備。「和歌山県携帯電話つながるプラン」を推進するため、移動通信用鉄塔施設を整備する市町に対して補助するものです。
安全、安心まちづくり推進。活動拠点を持たない地域自主防犯組織に対して、コンビになどとの連携による活動拠点の提供や活動のための備品購入費を助成します。これにより、住民参加型の安全で安心できるまちづくりを推進することにつなげます。
都市エリア産官学連携促進。文部科学省の「都市エリア産官学連携促進事業」に採択されたことから、和歌山大学などの教育機関と県内企業の持つ技術を融合、発展させ、実用化を目指した共同研究を推進します。
橋本隅田用地共同開発。大規模企業の立地可能な橋本隅田用地について、県が一部造成工事を行なうことで大規模用地を確保し、企業誘致の促進を図ります。

 また条例の改正は15件提案される予定です。
6月6日(水) 「地球環境問題を考える」
 2008年、地球温暖化を防止するための京都議定書が発効されます。私達が次世代の人のために、将来の地球環境を守ることを約束するものです。この重要だけれども身近ではない大きな問題を考えるための研修会を開催しました。参加者は42名、バス一台ひとつの席も残らない程の関心の高まりがありました。バスの行き先は大阪市内のエネルギー・ソリューションフェアの会場です。

 ところで、地球温暖化防止のための対策は和歌山県でも強力に行っています。今月中にも政府要望を行なう計画案でも、「地球温暖化防止の推進」が新規施策として掲げられています。
 これによると、和歌山県では和歌山県地球温暖化対策条例が制定されていて、全ての分野で二酸化炭素削減に取り組んでいます。和歌山県の特徴は、家庭、運輸部門で温室効果ガスの伸びが顕著だということです。2003年度と京都議定書の期限である2010年度の数字を1990年度と比較すると良く分かります。

 産業部門では、2003年度でマイナス7.7%。現行の状況で推移すると2010年度は0.5%のプラス、温暖化防止対策を講じるとマイナス2.8%となると推定されています。
 運輸部門では、2003年度でプラス15.0%。現行の状況で推移すると2010年度は17.8%のプラス、温暖化防止対策を講じるとプラス5.3%となると推定されています。
 そして民生部門では、2003年度はマイナス8.8%。現行の状況で推移すると2010年度は11.2%のプラス、温暖化防止対策を講じるとマイナス5.6%となると推定されています。

 ところが民生部門の内、家庭系を抜き出すと、2003年度はプラス5.0%。現行の状況で推移すると2010年度は22.3%のプラス、温暖化防止対策を講じてもプラス4.0%となると推定されています。
 二酸化炭素排出を抑制し目標を達成するためには家庭での対策が必要なのです。産業用の伸びが大きいと思っていただけに意外でした。
 そこで和歌山県としての家庭部門の温暖化対策の推進のための政府要望は、次のようなものがあります。

「住宅に関わる太陽光発電システム導入促進のための「補助制度の拡充」と高効率給湯器などの優れた省エネ設備機器の導入を支援する「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業」の事業費の確保が挙げられています」

 家庭における地球温暖化防止対策は環境家計簿を推奨するなど意識付けのものが多く、具体的な行動を起こさせるよう動機付けになるものが少なく感じていました。そこで「太陽光発電システム導入促進」のための補助制度導入には賛成です。個人の初期投資を削減することで太陽光発電システムの導入を図りやすくする、地球温暖化防止対策につながるものです。
 そのため先の政府予算要望の説明会での私からの質問は次の通りでした。

Q. 家庭用の二酸化炭素排出量の伸びが22.3%と高いと予想している理由は何ですか。
A. これは和歌山県だけの特徴ではなく全国的な特徴です。
Q. 二酸化炭素排出量の伸び率が22.3%と高い理由は分かりませんか。
A. 全国と同じです。
Q. 理由が分からないのであれば調査をお願いします。さて、住宅に関わる太陽光発電システム導入促進のための補助制度の拡充とありますが、平成17年度末で国のこの制度は廃止されているのではないですか。
A. 平成17年度末で廃止されています。
Q. 廃止されているものを拡充させることは可能ですか。
A. 制度を復活させてもらえるように要望します。
Q. 廃止されたばかりの制度に復活の可能性はありますか。
A. 要望します。
Q. 和歌山県として家庭用の温暖化防止対策に力を注ぐのであれば、国の制度が復活出来なかったとしても、県単独で実施する覚悟がある訳ですね。
A. 無理な場合についてはこれから検討します。
Q. 強力に推進して下さい。

 このように和歌山県でも家庭用の対策に力を注いでくれていますから、地方自治体任せにするのではなく、研修会を実施するなど行政支援を行ないたいと考えています。
 本日、参加してくれた皆さんは地球環境問題への関心が高まり、自ら行動することの大切さを分かってくれたと考えています。環境月間でもある6月、もう一度、環境問題に関する研修会を実施することにしています。
 本日参加してくれた皆さん、有意義な研修会にしてくれて本当にありがとうございました。

 また研修会から帰った後、夜は懇親会に参加して和歌山県の経済情勢や雇用問題などに関して意見交換を行いました。
6月5日(火) 「人材派遣」
【人材派遣】
 全国的に大手企業の業績が回復し始めている中、人材派遣の形態にも変化が現れています。過去、派遣社員は正社員の補助的な仕事が大半でしたが現在は違っています。企業は派遣社員にも専門性を求めるようになっています。
 単に派遣会社が人材を登録しておき、求められた時期に誰でも良いから派遣をするようでは企業の要望に応えられません。コンビニで求められる能力、ファミリーレストランで求められる能力、大型店舗での新商品のPRなど、全ての場面で求められる能力が違います。

 ですから派遣会社が人材の専門教育を行い、企業からの要望に応じられるように備えています。そして依頼があった時に専門能力を持つ人材を派遣しているのです。正に人材バンクとも言えるしくみに変化しています。
 それでも景気回復に伴い人材不足が顕著になっています。旺盛な企業活動に応じられる程、人材の質を厚く出来ていないのです。企業からの要請に益々専門性が求められている時代です。人材派遣会社の経営も変化させる必要があり、高度な専門性を要求される業種への派遣と、それ以外の業種への派遣とに二極化されています。
 企業進出に伴う土地需要の増加や必要な人材不足など、景気回復の兆しが感じられるような要素が現れています。

【デトックス】
 体を健康体に保つためには、自然食を摂取するなど取り入れるものに気をつけることと、体に溜まった不純物を排出することが挙げられます。ところが一度体内に蓄積された不純物を体外へ排出することは難しいのです。本日はこの足裏からのデトックス効果があるシステムを開発した企業の人が和歌山市に来てくれました。東京を始めとする首都圏では、足裏デトックスはエステなどで人気を呼んでいますが、和歌山市内では余り見ることはありません。健康は私達の大きな関心ごとですから、良いものを体験できる機会が欲しいところです。健康を増進するための体験に幾つかの選択肢が提供して行きたいと考えています。

【環境、エネルギー研修会】
 いよいよ明日と金曜日に迫った環境とエネルギー問題に関する研修会の最終調整を行いました。研修会前日ですから、参加人数の確定、受け入れ先との時間と人員、研修内容などの調整、団体の代表者とバス会社との摺り合わせなどが必要です。全ての段取りを終えて必要資料をバスに積み込みました。

 国を挙げての環境月間です。意識啓発活動だけではなく、自分達で出来るところから具体的な行動を起こしたいものです。言うだけでは実施しないよりはましですが、結果に大差はありません。言う限りは具体的な行動が必要です。そして行動なくして前進はあり得ません。環境問題への取り組みも実践あるのみです。

【懇親会】
 夜は懇親会に出席いたしました。会合の途中スピーチする時間を頂戴するなど、出席された皆さんとの交流を図らせていただきました。次回の会合は12月に開催予定だと伺いました。

【その他の活動】
 企業誘致のための活動、京都議定書発効を前にして新エネルギーの活用について、などの方策について検討を行ないました。皆さんのお陰で各方面に亘ってのアドバイスをいただき、元気に議員活動を行っています。
 感謝すると共に、和歌山県を元気にするための活動をより強力に行いたいと考えています。
6月4日(月) 「政府要望」
【政府要望】
 和歌山県が次年度の政府要望をまとめたので説明を受けました。和歌山県から政府へは今月要望書を提出することになります。政府要望とは、県単独で施策の実施が困難な事業を、国の補助や支援を受けることで実現させたいとするもので、毎年この時期に要望し次年度の政府予算化や支援を取り付けようとするものです。

 今回初めてのもので主な要望事項は、和歌山大学観光学部の設置があります。和歌山大学では文部科学省に対して6月末にも設置依頼を行ないますが、県としても後押しをするために学部への昇格を要望します。地元大学に観光学部が設置されると、国立大学では全国で初めて観光学部を持つ大学となりますし、学部を和歌山市の中心地に開設することで地域活性化にもつながります。

 そして世界文化遺産を持つ和歌山県で観光学を学ぶことは、実践フィールドで学ぶことが可能となりますから、知識と実践の場として絶好の機会となります。単なる観光学を学ぶ場所とするのではなく、世界に誇れる熊野古道や高野山を初めとする資源を世界に発信する場にもなるのです。
 和歌山県を挙げて観光学部開設を後押ししたいものです。

 地球温暖化防止施策についても要望しています。具体的には、家庭用のエネルギーとして太陽光発電システムに対する補助金を復活させて欲しいとするものです。家庭用太陽光発電設備の設置に関する国からの補助金は、平成17年度末を持って終了しています。国の施策に合わせて地方自治体も補助施策を講じていましたが、国の施策が打ち切られると同時に地方自治体の補助施策も打ち切られています。

 地球環境問題の取り組みに終わりはありませんから、国と共に普及施策を打ち切るのは如何なものか疑問です。特に和歌山県には環境保全に関する条例が制定されていますし、全国的にも日照時間が長いことから、太陽光発電システムの普及拡大の先鞭役を務めるべきです。
 質問として、国の補助施策を求めるのは賛成ですが、もし国からの補助施策が講じられなかった場合でも和歌山県単独でも補助施策を講じる考えがあるのか質問しました。当局の回等からは、国の補助金が得られなかった場合でも、県単独での取り組みについて検討する余地があるとの印象を受けました。

 太陽光発電システムへの補助施策が打ち切られてから、自然エネルギーの活用の動きが減速されているように感じます。
 そこで太陽光発電システムの他にも、家庭用のマイクロ風力発電設備を導入する場合の補助施策も同時に要望しても良いのではないですかと依頼しました。当局からは、家庭用の自然エネルギー導入は太陽光発電が殆どであることから、風力までは対象に含める予定がないとの消極的回答がありました。現時点ではそれで良いのですが、二酸化炭素排出量の削減が当面、そして将来の課題ですから、先を見据えた施策を講じる余裕が欲しいと感じた次第です。

 また和歌山県の二酸化炭素排出量の伸び率に関して現行水準で移行すると、1990年レベルと比較すると家庭用からの排出量の伸びが、業務用よりも圧倒的に最大と予測されています。質問として家庭用の二酸化炭素排出量の伸びが大きい理由を質しました。それに対しての明確な回答はありませんでした。
 北陸地方や九州・沖縄地方と比較すると、寒くもなく暑くもない気候を持つ和歌山県ですから、家庭用の二酸化炭素排出量の値が大きい理由は全く分かりません。
 そこで、引き続いて調査してくれることをお願いして質問を終えました。

【打ち合わせ】
 屋外広告物設置に関する打ち合わせを行ないました。県も勿論そうですが、市町村単位で屋外広告物設置に関する取り決めを実施している場合もあります。県は市町村が認定すれば県も認定するし、また県が認定した後に市町村が認定するケースもあるのです。どちらが先も後もないのです。市町村だけではなく関西エリア全体を含めた、公正、平等を目標とした活動を行いたいものです。
 その後、労務問題に関しての打ち合わせ。環境、エネルギー問題についての準備と関係者との調整。和歌山県を売り出すための取り組みについても話し合いました。


【懇談会】
 夜は懇談会に出席させていただきました。人数は7人でしたが、各界を代表する皆さんとの意見交換を図れました。中でも平成19年8月、世界陸上競技がお隣の大阪府で開催され、県営競技場を持つ和歌山市内紀三井寺においてはフランスチームの合宿地となったことに関して、もっと和歌山市や県がフランスチームを地域として受け入れ、積極的施策を講じる必要があるとの指摘がありました。

 世界陸上はオリンピックのような価値を持ちます。ですから和歌山県が世界陸上のフランスチームの候補地になれただけでも喜ぶと共に、和歌山県に誇りを持つべきです。
 世界陸上は世界的なイベントですから、和歌山市や県が失敗することは許されません。余りにも関心がなさ過ぎますし、このキャンプへの参加意欲も薄いように感じられます。
6月3日(日) 「環境研修会準備」
 環境月間に入っています。来週は2回、エネルギーと環境問題の研修会を予定しているため準備の時間を取りました。地球環境問題が言われていますが、実際、個人レベルでは中々取り組む方法がありません。ゴミの分類やリサイクルやエコ商品を購入したりしていますが、自身で効果が確認出来ないので長続きしない場合もあるようです。

 平成20年度からは、いよいよ京都議定書が発効されますから国を挙げて二酸化炭素の削減に取り組む義務が生じます。国を挙げての取り組みですから、直接的には二酸化炭素を大量に排出する企業の環境対策が求められるところですが、個人の意識付けと取り組みも例外ではありません。

 企業では二酸化炭素排出量を抑えるために様々な施策を講じていますが、抜本的なものにはなりにくいのです。それは地下から化石燃料を取り出して、それを燃焼させることでエネルギーに変化させますから、どうしてもその過程で二酸化炭素が発生します。問題となるのは、今までは地下深く埋蔵されていた化石燃料が地上に取り出されて燃焼することにより今まで空気中になかった二酸化炭素が空気中に排出されることで、その循環が継続的に続けられていることです。

 更に、製品化されたものが古くなったり用済みになった場合の処分方法は、現在のところ焼却させるケースが多いようです。例えばタイヤやトレイなどの石油製品は不要となって燃焼させると、その時点でも二酸化炭素が発生します。
 つまり生活圏に存在していない新たな化石燃料を取り出して燃焼させ、エネルギーと共に二酸化炭素を排出させる今の社会のスタイルを続けている限り、どのような対策を講じようとも地球環境問題、つまり地球温暖化対策は解決しないのです。

 ですから地球温暖化を食い止めるためには、新たな化石燃料の採掘を最小限にすること、不要となった石油製品は燃焼させずに、分解する方法で石油と原料に分別する方法を取る必要があります。取り出した原料は再び使用できますし、取り出した石油も再び利用可能です。但し種類の違う石油製品を一緒にして分別し石油を取り出すと、成分が異なりますから石油の品質は低下するため、そのままでの利用が出来ない場合もあります。

 このようにエネルギーを循環させるしくみを築かない限り、地球温暖化防止対策には成り得ないのです。石油製品の処分方法として現在行なっているような石油製品を燃やすのではなく、再び取り出すために分解させることで石油を取り出す方法を企業で採用して欲しいところです。
 環境技術が優れている日本の技術力を世界レベルで活用したいところです。既に開発されている、石油製品を廃棄する際に製品から石油を取り出すシステムを広めたいと考えています。

 地球環境問題は、単に意識啓発だけに終わっている場合が多いのですが、具体的なシステムを採用し、コスト削減と同時に、実際に二酸化炭素削減につながることを実感出来るような方法を採らないと、一過性のものに終わり環境対策は長続きしません。
 新しい環境システムには初期投資は必要ですが、地球環境問題とコストを天秤にかけて採否を決定することは馴染まない問題です。今では環境対策に取り組むことが通常化しているので、環境コストを製品に転嫁することは難しい問題ですが、少々利益が圧縮することになったとしても、国や上場しているような大手企業には取り組んで欲しい問題です。
 6月の最初の日曜日。地球環境問題について考えることがありました。
6月2日(土) 「披露宴」
 名古屋市にあるJR名古屋駅に位置する名古屋マリオットアソシアホテルにおいて、友人の野口さんと上杉さんの結婚式と披露宴にお招きをいただき出席いたしました。
 野口君は松阪市で会社経営していますが、私達が取り組んでいる和歌山県を活性化するための活動にも協力してくれています。松阪市と和歌山市の移動距離は相当なのですから、通常は中々来てくれるものではありません。それでも時間を割いてくれているのです。その気持ちに応えたいと思って名古屋市まで行って来ました。

 野口さんの父親は数年前のお正月、突然病に倒れ帰らぬ人となりました。主であり経営者であった父親がいなくなり、その後、野口さんは大変な苦労をして会社経営に参画してきました。その後の活躍は素晴らしいもので、28歳の若さですが既に経営者としての格を身につけています。
 僭越ながら挨拶をさせていただきました。

 野口さん、三千代さん。そして野口家、上杉家の皆さん、本日は誠におめでとうございます。各界を代表する皆さま、先輩諸氏の皆さまがいる中、誠に僭越とは存じますが、ご指名ですのでお許しいただきたいと思います。
 新郎の野口君は皆さま方もご承知の通り、その人柄を一言で表すとバイタリティに溢れた人物と言えます。松阪市や名古屋市だけではなく、地域を越えた活動をしている人物のひとりです。
 その人柄を表すエピソードを紹介させていただきます。松阪市から遠く離れた和歌山市での異業種勉強会。朝7時30分からのスタート、しかも季節は冬、地元からの参加でも大変だったのですが、何と野口君は、この勉強会に参加するために時間通りに松阪市からやって来てくれました。
 そして今年3月、和歌山市内において私の決起集会を開催したのですが、夜7時スタートの会なのに午後4時に集会の会場に到着してくれ、「片桐さ〜ん、何か手伝いましょうか。」と声を掛けてくれたことがありました。一番遠いところからの参加なのに一番早い時間に来てくれてお手伝いをしてもらったのです。
 時間を守り、活動範囲が格段に広い。如何にバイタリティ溢れる人物なのか分かっていただけると思います。

 さて、野口君から三千代さんを紹介してもらったのは、和歌山市内において女優藤原紀香さんの写真展とトークショーを開催した時です。その時も松阪市から和歌山市の会場までお手伝いに来てくれたのですが、それまでは一人で来てくれていたのですが、この時は二人で来てくれたのです。二人で来てくれたのは初めてのことでしたから、その時の二人の印象から、今日の素晴らしい日を予想出来るだけの雰囲気を感じました。
 時代は変化していますが、野口君は地域を越えて、業種を越えて活躍出来るだけの人物です。これからの活躍を期待していますが、それと共に、これからはそのエネルギーを三千代さんと一緒の幸せな家庭作りにも向けていただき、そして三千代さんを思いっきり引っ張って欲しいと思います。お二人で素晴らしい家庭を築いてくれることを心から期待しています。本日は誠におめでとうございます。

 披露宴はお二人の、そして両家の思いが一杯詰まったものでした。若い二人の幸せな門出に立ち会うことが出来たこと、お二人とご両家の皆さんに深く感謝しています。
 家族を思いやる心を持った二人の素晴らしい披露宴でした。本当にありがとうございました。

【十二単】
 JR京都駅、ホテルグランヴィア京都で、で藤原紀香さんと陣内友則さんが結婚式で着用した衣装が展示されています。併せて東ティモールの写真パネルも設置しているなど、藤原さんは古都から世界平和の祈りを捧げています。名古屋市から和歌山市に帰るためには、京都駅で下車して乗り換える必要がありますから、乗り換えまでの時間を利用してその会場を見てきました。
 そこで奇跡が起こりました。丁度、ホテルグランヴィアに藤原紀香さんが来ていたのです。神戸市から東京へ帰る途中、立ち寄った様子で、先の神戸市内で行なわれた素晴らしい披露宴に引き続いて、お会いすることが出来ました。ここでも、次に繋がるような取り組みについて意見交換を行うことが出来ました。
 大切な活動を心あるメンバーで行えることを、心から感謝しています。さて、夜の懇談会のため京都市から和歌山市に戻りました。

【懇談会】
 友人Yさんが来週から大阪市内に転勤となったため、ささやかな送別会を行いました。場所は和歌浦の海の見えるレストラン「CAFE DE´ SEASAW(カフェ・ドゥ・シーソー)」でした。カジュアルで本格的なコースと会話の時間を楽しみたい、そんな要望に応じられるよう、この場所を選びました。数少ない旅立ちの節目に立ち会えたことを嬉しく思います。Yさんは大阪市での勤務は初めての様子ですが、今日も住居の整理を行なうなど準備をしています。絶対に新しい活動を花開かせてくれるものだと確信しています。暫く大変だと思いますが、頑張って欲しいと心から応援しています。
6月1日(金) 「公共調達検討委員会報告」
 本日は県議会議員全員協議会が開催されました。これは平成18年に和歌山県で起きた官制談合事件を受けて、二度と同じような問題が発生しないように平成19年1月10日に「公共調達検討委員会」の第一回委員会が開催されて以降9回の会合を重ね、同年5月10日に和歌山県知事に報告書が提出されました。この報告書の内容について、公共調達検討委員会の有田委員から報告を受けました。

 今後、県では報告書に基づいて平成19年6月中旬に県としての対応策をまとめ、7月から可能なものから順じ実施いくことになっています。
 報告書の概要は次のようなものです。

 和歌山県の公共工事の現状と問題点のうち、業界の供給過剰構造の問題が挙げられます。
 建設事業者は平成18年3月末で約5,900者あり、人口10万人あたりの建設事業者数は全国で4位となっています。また県の建設投資額は平成8年度の55%まで減少していることから、供給過剰の状況になっています。そのため共存共栄のために談合が恒常化しており、談合が崩れると極端に低価格入札となり熾烈な価格競争が起きることから、談合が恒常化しているのです。
 つまり、健全な事業者が生き残っていける制度が必要となります。

 委員会の提言では、公共事業全体に蔓延してきた談合が、入札契約制度の不備を補う非公式システムとして一定の社会経済的機能を果たしてきた事実を認めています。つまり談合構造によって維持されてきた大幅な供給過剰状態のままの状態で競争が進み体制が維持出来なくなっているのです。

問題解決のための方策として次のような提言がなされています。
・競争の基盤整備と一般競争入札の対象範囲の拡大。
・総合評価方式。
・地域要件、ランク制、入札参加資格要件。
・JVのあり方見直し。
・コンプライアンスの観点からの評価。
・入札参加業者の協力による談合防止策。
・透明性の確保、不服申し立て手続きの整備。
・発注側のスキルの向上、人材確保の必要性。

具体的な提言は次の通りです。
・品質、技術の評価、審査を踏まえた一般競争入札の拡大。
・電子入札の積極導入。
・総合評価方式の扱い。
・地域要件の設定。
・ランク付けの際の工夫による不良不適格業者の排除。
・ランク付けの際のコンプライアンス評価。
・成長する企業へのインセンティブ付け。
・JVのあり方。
・入札参加業者の協力による談合防止策。
・透明性の確保。
・不服申し立て手続きの整備。
・人材確保の必要性。

 この問題については、本日報告を受けたので、平成19年6月定例会でも議論する予定です。

【打ち合わせ】
 和歌山大学校内で、大学と地域が協働した地域活性化の取り組みに提案について打ち合わせを実施。天文学、駅前の活性化、観光学部設置に向けたPR施策、地域と大学を結ぶ音楽会などのアイデアを検討しました。今月中に提案して具体化させる予定です。
 引き続いて、地域活性化のために設立した「きのくにや本舗」の一年間の取り組みを総括し、次年度に向けた活動方針について確認を行ないました。平成18年の6月から、きのくにや本舗として観光交流施設として「癒し処からす屋」を開設していますが、丁度一年が経過することになり、より効果的な活動になるよう話し合いました。

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