【松の木】
和歌浦地域の松の木が枯れている問題について関係者と協議を実施。
和歌の浦アート・キューブや玉津島神社の周辺に枯れ始めている松の木が目立っています。松くい虫が寄生すると再生する手段はありませんから予防が大切です。一本の木が枯れ始めると周囲の松の木に松くい虫がカミキリムシに寄生して木から木へと移転するため被害は拡大します。
松くい虫の予防が大切なのです。和歌山市では、観光地である和歌浦周辺の和歌山市が管理している地域の松くい虫被害防止のための対策を講じています。河川課や観光課などに所管がまたがっていますが、1月から3月にかけて樹幹注入剤を注入して幹にいる松くい虫から木を守り、夏場には散布剤により枝葉に潜む松くい虫を殺傷させています。
冬と夏では松くい虫予防の方法が違うことも分かりました。これらの対策を市役所では講じています。しかし被害は拡大しています。それは民有地にある松もあるため、全ての松の木に予防策を講じられないためです。枯れてしまった松の木は伐採しないと近くの松に松くい虫が転移するため予防出来ませんが、伐採費用がかかることに対して費用負担の問題が発生するので簡単ではありません。
被害の拡大を予防するためには、県と和歌山市そして民間が協働した松枯れ防止対策を実施する必要があります。松枯れは北海道と青森県以外の45と都道府県で発生しているように被害は拡大の一途です。今日は、松をまもるコミュニティ「GG松を守る運動」の実施の可能性について協議しました。これは製薬会社が松を守る活動をするのであれば、松枯れ防止の資材やノウハウを提供してくれるものです。行政機関からの支援が受けられないため十分な予防対策を講じられない地域では、この活動が拡がっているようです。
但しこの運動は、行政機関が主体となっては駄目で、地域の人が松枯れを防止するための運動を開始する必要があります。民間団体に対して製薬会社が支援してくれることになっています。
GG松を守る運動を行う主体となれる団体の発足に関して協議することにしています。
【観光施策】
まちなか観光案内所に関して打ち合わせを行いました。和歌山市では、市外からの観光客の皆さんが観光地周辺を訪れた際に観光地への案内などを行ってくれる民間の方に対して、まちなか観光案内所を依頼しています。協力してくれる民間の方には、店頭などに案内所のちょうちんや観光パンフレットを設置してもらい、協力体制をとっていただいています。市役所が観光案内の全てを実施することは難しいので、観光地に近いところで土曜日曜に営業している店舗などに協力してもらっているのです。平成18年度にも和歌浦や加太地域にまちなか観光案内所を拡大する予定です。
観光都市和歌山を代表する和歌浦と加太において、民間と行政機関が協働した観光施策を展開することに期待が寄せられています。
【決算特別委員会】
決算特別委員会四日目は財政部の審議です。和歌山市の財政は良いとは言えない状況です。主な数値を記します。
平成17年度の一般会計9億9,393万円の黒字。特別会計24億4,327万円の赤字。平成16年度を振り返ると一般会計は8億3,633万円の赤字。特別会計は21億5,27万円の赤字でした。昨年度は一般会計が赤字に転落したことで財政への危機感が高まりましたが、本年度は一転して約10億円の黒字で、額面通りに受け取ると前年度と比較すると18億円も財政状況が改善されています。
ところがこの数値に対して先輩議員は、極めて不自然であることを指摘されました。
市長は最近一般会計が黒字になった手腕を市民の皆さんに話しているようですが、大きなごまかしがあると言うものです。一般会計と特別会計を合計した和歌山市の財政を見ると、平成17年度は24億4,327万円の赤字、平成16年度は22億3,637億円の赤字ですから、実質的に赤字幅は拡大しているのです。つまり和歌山市の財政は改善されているのではなく赤字は増加、しかも一般会計が改善されたかのような数字に仕上げ、シワ寄せを特別会計に持ち出しているとして、この数値をして恣意的なものを感じると指摘がありした。
これに対して財政部からは、「今後とも扶助費の増加が見込まれることから和歌山市の財政を安定させる必要がある。特別会計を改善するためには事業関係者の自助努力が必要となるので、一般会計から繰り出していた基準以上の繰り出しに関しては、平成17年度は実施しないことにした。特別会計の財政を改善するために長期的に取り組むために繰り出しを止めたのが要因で、一般会計を黒字に見せかけるために意図的なものではない」の主旨の答弁がありました。
財政問題に関しては一般会計だけを見る傾向にありますが、特別会計を含めた財政を監視する必要が増しています。
また地方自治体が破綻する基準値は一般会計の赤字が一定基準を超過した場合ではなく、一般会計に土地区画整理事業、住宅改修資金貸付事業、住宅新築資金貸付事業、宅地取得資金貸付事業、母子寡婦福祉資金貸付事業の5つの特別会計を合計した普通会計の金額となります。和歌山市の場合これらの数字を加算するとプラス2億9,000万円になりますから、一般会計の約10億円の黒字で安心している場合ではないのです。
和歌山市では平成21年度までは収支の均衡を図り赤字幅を増加させない対策を講じるとしていますが、単に赤字を普通会計以外の特別会計に蹴り出し、市の赤字を将来に先送りしないように気をつける必要があります。ただ目前に団塊の世代の退職金約55億円が待ち構えていますから、相当の覚悟を持った行財政改革の断行が求められます。
先輩議員の要請に応じて市長が決算特別委員会に出席しましたが、「単年度の自助努力で和歌山市の財政は改善不可能だと思っている。一般会計から特別会計に繰り出しを続けていると赤字改善の努力をしなくなるので、必要以上の繰り出しを止める」と答弁しましたが具体的ではありませんでした。先輩議員からの指摘は「継続的に支出している今では意味を成さなくなっている補助金や交付金などを見直しすることが先決。決算委員会や常任委員会へ出席もしないで何が問題なのか分からないのではないか。実態を知らないで予算編成をしても現実と乖離するだけで真の問題点は把握できない。決算特別委員会委員からの指摘に注意を傾けるべきだ。当該部局は委員の指摘に苦しい答弁を続けているが、それは市長のリーダーシップがないので言い訳しなければならないような事業を継続していることが要因である」と厳しいものでした。
この指摘に対して市長からは「決算の審査なので、既に議員から予算を求めてもらっているのでそれを執行しただけである。次年度については、部長とヒアリングを行うことで予算を精査する」と答えましたが、「結果について議会に責任転嫁している発言で、決算に問題があるのは議員に責任があるとする態度はおかしい。認定したのは議会かもしれないが予算案を提案したのは市長だ。市長が責任を逃れようとするのはいただけない。人を分かっていない」と答弁を厳しく否定しました。
さらに先輩議員は、真の問題点として「現場で切りたい予算があっても過去からの経緯やしがらみから断ち切れないものがある。だから決算特別委員会で質問されると答えられないばかりか苦しい言い訳をしているのである。職員は本当のところ、必要なものと過去からの経緯でやむを得ず予算化しているものは分かっているはず。市長が体を張って市として不必要な施策は取りやめるべきである。権限を与えてもらっている市長は同時に責任も背中で背負うべきである。あるいつまでも責任逃れをしているようでは駄目」と指摘しました。
本日の財政審査は和歌山市財政の問題点を浮き彫りにしてくれました。
参考までに財政に関する指標も記します。
経常収支比率は、平成17年度96.3%。平成16年度98.9%。平成15年度96.7%と改善の兆しがあります。
公債費比率も、平成17年度16.0%。平成16年度16.7%。平成15年度16.9%と改善の兆しがあります。
また市税収入は571億3,942万円(対前年比+0.87%)。個人の市民税は143億7,746万円(対前年比+4.32%)、法人は70億8,713万円(対前年比+3.93%)、固定資産税は267億2,457万円(対前年比△1.36%)と改善の兆しがあります。
【紀州会】
夕方から夜にかけて、新たに発足させた樹秀会の役員の皆さんと会合を持ちました。信頼出来る素晴らしい方々が役員で、11月には懇親会を開催し、平成19年3月には一泊の懇親会を、同年4月に懇親会を実施することになりました。来春に向けて活動を展開していくことになりました。
また毎年2回から3回程度、交流の機会を持ち、会員相互の親睦を深めることにしました。本日役員の会合に当たっては、幹事長の並々ならぬ尽力をいただきましたこと心から感謝しています。期待に応えられるよう頑張ります。