【環境保全活動】
家庭用太陽光パネル設置について相談がありました。太陽光パネル設置に伴う国と和歌山市の補助金は平成17年度受け付け分で終了していますが、家庭用のものは今では300万円を切っているように設置コストが低下していることもあり、地球環境を守るために家庭で出来ることから取り掛かろうと思っている人は多いようです。和歌山市でも環境保全活動に熱心な方とお話し協力体制をとっていただきました。
【和歌山市の課題】
和歌山市の現状と課題について話し合い、福祉や教育、活性化などの分野で現状を考えてみました。具体化させるのは難しい作業ですが、実現させたい施策を考えることで何をすべきか自分でも分かるものがあります。 |
(太陽光パネルを設置した家屋。
雨水の循環システムも取り入れていて隣接地に風力発電も設置する予定です。) |
【会合】
熊野本宮大社付近で観光案内といやし処としての拠点からす屋の建設が始まっていて、平成18年5月の連休明けから下旬に開設する見通しが立ちました。この施設は、観光案内と熊野の観光客への食事提供、足湯施設などを設置するもので、世界文化遺産熊野を訪れた皆さんにサービスを提供するものです。
本日の会合には取材が入るなど、民間活力を活かした地域振興策に期待が高まっています。
【まちづくり打ち合わせ】
(和歌山市中心地商店街
ぶらくり丁にある「ぶらっと」。
TMOが入居しています。) |
和歌山市の中心市街地であるぶらくり丁で、TMO社長と懇談を行いました。テーマはまちづくり三法と、和歌山市の中心市街地のグランドデザインについてです。
まちづくり三法は現在見直しされていて、新法は平成19年度から試行される予定です。まちづくり三法とは、大店立地法、中心市街地活性化法、都市計画法の改正によるゾーニングの三つの法律を指します。
大店立地法は平成12年度から施行されているもので、大型店の立地に際して周辺の生活環境の保持の観点から配慮を求める内容になっています。 |
中心市街地活性化法は平成10年度から施行されていて、中心市街地活性化のために8府省庁で市街地の整備改善と商業等の活性化を一本的に推進する目的を持っています。法律名は中心市街地の活性化に関する法律に変更されます。
都市計画法の改正によるゾーニング、土地利用規制は平成10年度から施行されていますが、これは地域毎に大型店の適正な立地を実現しようとするもので、大型店の郊外立地を制限する必要があると地方自治体が判断した場合に、土地利用規制措置を図ろうとするものです。
平成18年度は既に70億6千万円の予算支援措置が講じられていて、国では戦略的に中心市街地を活性化させようと取り組んでいる地方都市を支援しています。今までのように郊外に大型店舗を立地させまちを拡大させる方向に向かわせるのではなく、一言で表現すると、まちはコンパクトシティの実現を目指す方向に転換させているものです。
国から認定を受けた中心市街地活性化基本計画地域への国による支援は次のようなものがあります。
・都市機能の集積促進
都市への立地を推進し機能の集積を図るため、病院や文化施設を中心地に立地すること。空きビルの再 生を図るため改修やコンバージョンを行うことなどがあり、平成18年度は90億円が予算化されます。
・まち再生出資業務
再生出資業務の拡充として、中心市街地での優良な民間都市開発事業を支援する方策があります。
平成18年度予算は60億円です。
・まちづくり交付金
中心市街地活性化に取り組む意欲のある市町村の提案事業枠を拡大しています。歴史資源の活用や
まちなみの整備を図る事業などが対象となります。平成18年度予算は2,380億円です。
・街なか居住の推進
中心市街地共同住宅供給事業として、優良な共同住宅の供給を支援すること。優良な賃貸住宅建設事
業をする者に対しての特例措置の創設や、優良な住宅の建設事業に土地を譲渡する者に対しての特例
措置が創設されます。平成18年度は52億円の予算となっています。
・街なか居住ファンド
民間の住宅供給事業に対して出資支援を行います。平成18年度は25億円の予算です。
・土地の整形、集約化
教育文化施設や医療施設などの立地促進のための補助金を拡充しています。平成18年度は34億円の
予算です。
概ね以上のような施策と予算化が図られています。
さて市町村がこれらの施策の適用を受けるためには条件があります。現在市町村で策定されている中心市街地活性化基本計画を白紙に戻し、5年以内で実現可能な施策を盛り込んだ新しい中心市街地活性化基本計画を策定し直しする必要があります。この計画を策定することが国からの支援を受けるための絶対条件です。
計画ではまちの中心地としての範囲を定め、その範囲内に設置するべき機能を盛り込んで行きます。医療機関や文化施設、福祉施設、アミューズメント施設、居住空間、そして公共交通対策などを立地または配置し、コンパクトシティとなる計画を立案します。従来の計画と大きく異なるのは、報告書に夢や希望を記載するのではなく、5年以内な実現が可能な計画を記載する必要があることです。しかも誰でも思いつくような安易な計画ではなく、実現可能性がありまちと中心地の特徴を活かした期待感ある計画に仕上げる必要があります。
国の審査を通過し支援を受けられたとして、毎年進捗状況のチェックが入り遅れているものや実現が困難な計画への支援は5年を待たずして打ち切られることになる厳しいものです。
このような法改正に伴う新しい基準に適合した中心市街地活性化基本計画を、市町村で策定することが支援を受ける対象となります。現在、中心市街地活性化基本計画を策定している市町村は約600箇所。これらを白紙に戻して新しくコンパクトシティを志向した計画を策定する市町村は約100箇所と見込まれています。これは、県庁所在地の市と各都道府県で第二の都市には計画を策定して欲しいと考えていることが根拠です。ですから県庁所在地である和歌山市は必ず計画を立案する使命があると言えます。
ところで計画の策定は、中心市街地活性化協議会を設立してここで行う必要があります。協議会は民間が主体となりますが、ここに商工会議所とTMOが参画することが必要です。
さてこのような改正が行われるのには理由があります。今まではまちの中心部にある商店街を活性化させるとまちが活性化すると考えていたのですが、それが誤りだったと気づいたからです。新法では、まちを活性化させたら商業地も追従して活性化が図れると考え方を転換しています。中心市街地活性化と商店街活性化のふたつを完全に分離させていますから、今後は商店街だけに直接支援をしないし、お金も出さないのです。
国はまちづくりに対して支援する方針ですから、商店街が仲良く一緒に頑張りましょうとの取り組みへの支援は有り得ません。計画を具体的に実行出来るのではあれば地元資本が参画しなくても、大規模資本と大規模開発事業者が中心市街地活性化のために市町村と組んでも良いのです。
まちづくり計画は大きく転換していることを認識しておかないとまちの活性化は有り得ません。それは国からの支援を受けるためには、計画をしっかりと策定し出来るところと市町村が組んで計画を実行していくことが求められているからです。
現実を見るとぶらくり丁界隈の人通りは少なく、寂しい限りの状況でした。ただ空き店舗活用セミナーを開催したり、空き店舗を活用のために視察に来る事業者が増加している状況もあります。中心市街地の角地であればどこでも購入したいと公言している事業者もいるように、中心地における土地取引の動きが出始めています。昨日、土地価格の公示があり首都圏、中部圏、大阪圏の土地価格は上昇しているのに対して、依然として地方都市は下落傾向にありました。しかし数字だけで土地価格が下落している状況だと思い込んではいけないのです。現場に入ると土地取引が活発になっていることが分かりますから、反転するのは間もなくであると予測出来ます。
まちの活性化のためには土地取引が活発になることが不可欠ですから、中心市街地での土地の流動化の動きは好ましいことです。ただそれが直接まちの活性化につながると考えるのは安直で、中心地を再生させるには2回から3回程度の土地取引が行われ、適切な事業者が事業運営する状態になることが必要です。
但し課題もあります。事例によっては固定資産税の減免をしているケースがあると聞きますが、その場合、土地の流動化を図るのは難しくなります。減免や特別の減税は現状維持の方向に力が働きます。何故なら動かさなくても、何の利用もしなくても所有者に優位に働くからです。土地を動かすことで利用形態が変わると、減免や特別の減税の対象から外れることになりますから、少しの利益を求めることで損をすることになるからです。
さてそれらの課題を打ち破って、商店街というよりも街中が家族や学生たちが楽しめるショッピングモールになるようなイメージを目指すべきです。そのためには大手資本に参画したいと思わせるような計画と受け入れ体制を整えたいものです。
【懇親会】
夜は市役所を平成18年3月で定年退職する幹部職員さんを初めとする皆さんと懇親会を行いました。約40年近くも勤務されてきたこと本当にご苦労様でした。退職予定の職員さんの一人の方は、私が市議会に送り込んでもらってからの3年間を回想してくれ、最初の常任委員会での提案した倫理条例が継続審査になったことを思い出話として話してくれました。本当に時間が経過するのは早いものです。倫理条例制定に関して議論を交わしたのが3年も前のことになっているのです。毎日を大切に過ごすこと。後から後悔しないためにはこれが一番です。