2月28日(日) 「教育民生委員会」
 市議会では教育民生委員会が開催されています。議題は平成17年度補正予算案の審議と付託議案についてです。本日は、福祉保健部、市民部、そして教育委員会から議案の説明を受け質疑を交わしました。
 教育委員会では、昨年3回に亘って発生した紀伊中学校などにおける重要書類の紛失を受けて「重要物品管理マニュアル」を制定することにしています。幼稚園と小中学校が扱っている文書には生徒や保護者に関する重要な個人情報が記載されているため、情報保持と厳正管理が求められています。今までも校長室の耐火金庫に厳重に保管されていますが、教師が必要に応じて重要書類を持ち出した場合の管理体制が不十分であったため、紛失事件が起きたのです。それに対応するためのマニュアルですから内容に関して質疑を行ないました。

Q. 「重要物品管理マニュアル」を見ると学校現場の管理者の負担が増加するように思われます。マニュアル制定の主旨は、現在、既に管理体制が整っているのに責任者が明確でないため責任の所在をはっきりさせるために制定するものなのか、それとも管理体制そのものが整っていないため重要書類の紛失を予防するために制定するものなのかどちらですか。
A. 管理体制が整っていないために今回マニュアルを制定し管理を確実にするものです。

Q. 重要物品の管理に関しては、既に制定されている「和歌山市情報セキュリティポリシー実施手順書(平成17年8月12日制定)」があるにも関わらず、新たなマニュアルを制定するのはどのような意味があるのですか。
A. 今回の不祥事を受けて更に管理を強化するために制定するものです。

Q. 今回のマニュアルは「和歌山市情報セキュリティポリシー実施手順書」よりも上位に位置づけられることになりますね。
A. その通りです。

Q. 教頭先生は、マニュアルに基づき毎月、重要書類と重要物品管理推進表をチェックする必要に迫られますが、管理業務の負担はありませんか。
A. 大丈夫です。

Q. チェックは教頭が毎月、校長が三学期制の学校は年3回、二学期制の学校は年2回となっていますが、業務が輻輳する年末はチェックの必要がないと考えているものですね。
A. その通りです。期末でのチェックで良いと考えています。

Q. 教育委員会の指導主事のチェックは何時実施するのですか。
A. 年に1〜2回、不定期に学校に入ります。

Q. 重要書類であっても保存期限が20年、10年、5年と保存年限が異なっています。廃棄する場合の管理体制、リテンション体制はどのように考えていますか。
A. 教頭先生の立会いの下、廃棄対象重要文書は学校内にあるシュレッダーで確実に処分を見届けることにしています。

Q. マニュアルの管理体制を見ると、全ての責任は重要物品管理統括者である教育委員会教育長が負うことになっていますが、今後その覚悟があると判断してマニュアルを制定する意気込みがあるのですか。
A. その覚悟です。

私からの質疑は以上の通りです。今後、生徒や保護者に関する重要な個人情報の紛失を防止する意味でのマニュアルを制定することは、ある程度未然防止につながるものと考えます。今後は罰則規定の折り込みを検討する、学校での責任体制を明確にするなどの改良を加えていくことになりました。
 また委員会に提案された補正予算案などは全て可決されました。
2月27日(月) 「市議会二日目」
【市議会二日目】
 和歌山市議会定例会二日目。平成17年度補正予算に関する質疑があり、この中で障害者自立支援法に関する条例の制定案について確認が行なわれました。
 条例案では、介護給付費等に関する審査会の委員定員を25名としていること、10万円以下の罰則規定が設けられていますがその根拠は次の通りです。
 定員を定めているのは、障害者自立支援法第16条で委員会に定員を定められるとあること、罰則規定は同法第115条で、罰則規定を設けることが出来ると定められていることからです。罰則規定は利用者や事業者が検査拒否などを行った場合、検査を受ける方々との公正、公平性を図るために設けるものです。

【メンタルヘルス】
 地方自治体の仕事の中でも福祉や税徴収の仕事の重要性は増してきています。このことは予算編成方針を見ても分かります。福祉では、介護、障害者福祉、生活保護などの分野は受給者の増加や法改正に伴い来庁者との受け答え、法の主旨の解釈など、日常業務の忙しさと勉強するための時間が必要なため職場に繁忙感があります。市民の皆さんへの行政サービスのため試行錯誤していますが、取り扱い指針があるにしても一人ひとりへの対応は千差万別のため精神的に大変です。
 職員さんのメンタルヘルスを確保することは重要な課題になっているので、この点に関して協議を行いました。ジョブローテーションや窓口体制の強化、カウンセリングのしくみの周知などを図り職員さんへの対応を図ってくれる予定です。
 活き活きとした職場を作ることが行政サービスの第一歩です。

【打ち合わせ】
 4月1日に予定している県営紀三井寺球場での欽ちゃん球団と和歌山箕島球友会の試合に関して説明を行ったところ、青少年の健全育成と地域活性化につながるという主旨に賛同をいただきました。実施主体の考え方でイベントに込める意味が違って来るものです。単なるイベントにするのではなく、地場産品や和歌山電鉄のPRの実施、紀州レンジャーの登場など、和歌山全体としての盛り上げ方策を加算して行くことで家族が楽しめる内容になっています。和歌山での球春、今から楽しみです。
 
【防災意識啓発活動】
 来月中旬、環境とエネルギーに関する春のイベントで防災意識を高めてもらおうと、イベント会場に起震車に来てもらえることになり防災担当箇所と打ち合わせを行いました。環境や防災に関するイベントかあれば官民が協働することで、広報や集客などの費用は安価になる上に効果も期待出来ます。
 お互いの不足部分を補完しながらイベント構成を仕上げていきます。

【地域振興策】
 和歌山市活性化のための新規施策に取り組んでいるところですが、本日は二つの会社に協力依頼に赴きました。和歌山県キャラクターの紀州レンジャーを活用した施策ですが、従来にはない画期的な取り組みに仕上がっています。紀州レンジャーをプラットホームとして企業が集うことで実績に応じて熊野の森林を守れ、参画する企業広報にもつながる取り組みです。
 今まで訪問した企業からの賛同を得られサービス開発をしてくれていますから、平成18年4月に登場させる新しい紀州レンジャープロジェクトに期待して下さい。
2月26日(日) 「トリノ閉幕」
 新聞を開くとテレビ欄にトリノオリンピックの閉会式とありました。2月11日に開会したばかりなのに時間の経過は本当に早いものです。今回のトリノオリンピックはリアルタイムで映像を観ることはありませんでしたが、ニュースなどで報道された内容には感激させられるものが多くありました。
 言えることは、どの選手も出場するまでの過程は並大抵な努力ではなかったことです。
 多くの選手は栄光と挫折を繰り返して、その中には競技にも参加できない怪我で絶望的な時期もあったのに底から這い上がってきた選手もいます。簡単にオリンピックの舞台に立っている選手はいないのではないでしょうか。いずれの選手も困難を乗り越えて夢を実現させています。

 かつては出場することに意味があると言われていましたが、最近はメダルを獲らなくては出場するだけでは意味がないと聞くことがあります。優勝劣敗の空気がある時代背景から来るものでしょうが、選手の競技姿を見ているとそんなことは言える訳がありません。夢を実現させた選手の演技は、観るものを感動させる力を持っています。自らの夢を叶えその結果を観ることで私達に夢を分け与えてもらっています。
 ウインタースポーツの採点方法は余り知らないので詳しく分かりませんが、予選と本選の二回競技を行う種目、本選二回の合計を競う種目などがあります。時間にしてわずか数分で終了してしまいます。オリンピックを目指して4年間の時を賭けてきて、夢の結果が出るのに要する時間は数分間。メダルを獲得した選手も届かなかった選手も、競技にかける人生の中でトリノでの競技時間はそれだけに過ぎません。時間の中身は間違いなく普段の生活と違い濃厚でしょうから選手が感じる時間と聴衆が感じる時間は全く違いますが、それにしても燃える時間は余りにも少なく感じます。そのオリンピック出場でのわずか数分ために、生活の大半を練習に費やして来た過程が演技に表れ私達を感動させるのです。

 スポーツにおいて多くの人に影響を与えられる舞台がオリンピックですから結果が伴えば最高ですが、そうでなくても出場するだけで十分意味があるものです。
 トリノでは女子フィギュアスケートが注目を集めました。金メダルを獲得した荒川静香選手の姿は言葉にならない勇気を与えてくれるものでした。長野オリンピックから8年間、努力を重ね続けた結果掴んだ栄光だからこそ眩しく光り輝くように感じます。
 対して15位に終わった安藤美姫選手。小さい頃からの歩みと境遇を報道で知ると、次のオリンピックを目指して復活して欲しいと応援したくなります。父親を亡くした8歳の時から夢見たオリンピック日本代表。本人は「わずか10年で達成した」と言いますが、10年も気持ちを切らさないで練習を続けてきたこと自体凄い才能です。
 いまの境遇も決して順調ではありません。4年後には女子フィギュアスケート日本のエースになるべきなのですが、4年後に向けてのライバルには浅田真央選手がいます。最強の上の世代に追いつき追い越すことと同時に、最強を継ごうとしている次の世代に打ち勝つことが次を目指すための大きな壁です。18歳にして厳しい状況に取り囲まれています。
 天才達に挟まれているのは、安藤選手が困難を越えられる素質があるから天が与えた試練のような気がします。「Believe myself.信じることから全てが始まる(絢香I believeの一節)」4年後の2010年、再び夢の舞台に立って欲しいものです。
2月25日(土) 「紀州子ども語り部コンテスト」
 和歌山市内のホテル東急インにおいて午前10時から紀州子ども語り部コンテストを実施しました。平成17年10月から開催してきた紀州子ども語り部育成事業の仕上げとして、今まで研修会に参加した子ども達に自分達が発表することで成果を確認してもらうためにコンテストを行ったものです。
 本日の参加者は約40名、コンテストでの発表者は12名、開始前の9時30分から発表の子ども達が集まって来てくれました。何人かと話をして発表内容を確認したところ、研修会で学んだ内容だけではなく、書籍や図鑑、インターネットでの調査も含めて深く研究していることが分かりました。

(熱気溢れる会場)

 小学校4年生から中学校3年生までの子ども達は本当に熱心に、そして真剣に発表をしてくれました。実はコンテストの実施内容を論議する段階では、一人3分の発表時間を持たすことが出来るのか不安感がありました。紀州語り部の方との協議においては、3分発表しようと思ったら必要な知識と事前の準備が大変、複数で発表してもらわないと個人では難しいのではないかとの意見もありました。しかし研修会に参加した子ども達の態度を思い返すと、とても熱心で質問も活発でしたから、一人でそして3分程度の発表なら大丈夫だと判断したものです。ですから二週間前には、コンテストでの発表概要と研修会で使用したテキストを再度送付して、発表の事前学習をしてもらうよう依頼しておきました。
 発表テーマは、和歌山城の歴史、城壁の積み石について、研修会で感じたことを中心としたお城の感想などが多く、それぞれ特長のある発表となったので感心しました。
 子ども達一緒に保護者の方々も参加してくれたのは喜ばしい出来事でした。学校の参観日のような雰囲気で、緊張感と親近感が入り混じった会場の雰囲気になりました。

 結果、最優秀賞は中学校3年生の岡本千沙さん。
 優秀賞は、小学校5年生の永西健人君と山野凱君。中学校2年生の西川翔悟君。
 準優秀賞は、小学校5年生の大西佑希さんと生賀正恵さん。小学校6年生の西岡葉月さんです。入賞しなかった子ども達も素晴らしい発表だったので順位付けは迷いました。

(最優秀賞の岡本さん)
 さて最優秀賞が岡本さんになったのは全員が納得出来るものでした。岡本さんは和歌山城の城壁についてをテーマにしての発表で、そこには使用されている時代に応じて石の種類が違うことに着目した上、自分の見解を加えて堂々と発表してくれました。
 原稿だけを見るのではなく正面を向いて、そして用意していた石や花の写真、石の見本を示しながら聴く人を説得してくれました。
 入選から漏れた発表してくれたある生徒は「あんな風に発表したら優秀賞に入るのですね。聞いていて素晴らしかったです。次回は岡本さんの発表に近づけるよう頑張ります」と話してくれた程です。
 
 そして岡本さんには秘話があります。実は中学三年生の岡本さんにとって今年は高校受験の年なのです。和歌山市内の公立高校を受験する予定ですが受験を予定している高校は筆記試験の他に、面接で自分が思うことや活動について面接官の前でプレゼンテーションすることが課題となっています。
 岡本さんは、紀州子ども語り部研修会に参加して和歌山市と和歌山城のことを学んでいることを高校受験のプレゼンテーションのテーマとして取り上げることを決意し発表内容をまとめてくれたのです。和歌山市の歴史を学んでいることに誇りと自負心を持ってくれての行動です。彼女の本日の発表内容は、公立高校入試でも発表することになっています。高校入試に向けて紀州子ども語り部の取り組みを取り上げてくれているのですから、調査も発表レベルも高い内容となっていたことが審査員の心を掴んだようです。
 高校入試の直前に開催した紀州子ども語り部コンテストに、目的意識を持って参加してくれる生徒がいた
ことに深く感謝し、この育成事業を実施して良かったと改めて実感しています。

 コンテスト終了後の反省会では主催のNPO法人のスタッフは全員満足感に浸ることが出来ました。子ども達が不安感と緊張感の中において真剣に発表する姿勢に触れたことは、大人になって久しい私達も、人生で抱えている不安感の中においては熱意とやり遂げようとする意思が大切なことを教えてくれました。
 コンテストに参加してくれた皆さん、スタッフの皆さん、長い期間お疲れ様でした。

(発表者での記念撮影)
2月24日(金) 「市議会開会」
【補正予算案】
 今日から平成18年2月議会が開会となりました。本日から3日間は、平成17年度の補正予算案の提案と審議に入り、その後平成18年度当初予算案の提案と審議の予定です。
 平成17年度補正予算案では2億6,474万円減額の1,213億290万6千円となっています。
 条例では、和歌山市障害者自立支援法に関する制定が提案されています。これは、障害者自立支援法施行に伴い、市で審査会を設置する必要が生じたため必要事項を定めた条例を制定するものです。
 報告では自動車事故に関する損害賠償支払いについてと、市営住宅使用料の支払請求に関する和解についての二件があります。これらはいずれも市長専決権限事項になっています。

【編集委員会】
 続いて和歌山「市議会だより」編集委員会が開かれました。平成18年2月議会号の編集方針を決定しました。発行は5月1日、自治会を通じての配布となります。
 参考までに和歌山市議会だよりの概要は次の通りです。
 創刊は平成8年5月1日、定例会毎に年4回発刊しています。2月号と12月号は151千部、6月号と9月号は164千部の発行となっているのは、前者が自治会を通じての配布で、後者が新聞折り込みとしているためです。
 編集費用は1回当たり208千円で、それが年4回になっています。印刷製本費は一部当たり3円、新聞折り込み費用は一部当たり3.69円です。規格はB4タブロイド版、4ページの紙面構成です。

【全ては借り物】
 団塊の世代の少し下の現在50歳代の方達は、団塊の世代のパワーに負けないように社会発展のために尽くしてきた皆さんです。経済成長の時代からバブルの時代、そしてデフレ時代を生き抜いて、今新しい時代を築く中において、現在の境遇が恵まれていない方もいらっしゃいます。そんな日々を過ごす中で、考えていることがあるので話を伺いました。
 人は生まれた時は手に何も持たないで生まれてきます。そしてこの世を去る時も手には何も持たないで去っていきます。人は本来、何も持たないものなのですが、生きていく途中で様々なものを抱えていきます。実はそれらは全てこの世から借りているものに過ぎないのです。自分が所有しているものではなく、全て借りているものだから大切に使わせてもらって次の世代に引き継いでいくべきものです。
 消費社会においては大量のものが溢れていますし、自分が買った物をどう使おうと、どの様に粗末に扱おうとも自己責任の範囲ですから自由です。しかし地球からの借り物だと思う気持ちを持つことで、人が定めた民法に従うのではなく大切に取り扱う気持ちが生じてきます。
 資源の使いすぎや地球温暖化問題についても、人間社会のルールに基づいて個人が自由に生産消費活動をしていることから問題となっているのです。人間が決めたルールと地球のルールを考え合わせて生活することで、次の世代に物も精神もつなげることが可能となります。
 全てのものは借り物だと思い大切にする気持ちが発生するのは経験を積んだ50歳代にならないと理解出来ないかも知れませんが、早くそのことに気づいた行動をして欲しいと話していただきました。

【トロフィー】
 明日開催予定の紀州子ども語り部コンテストのトロフィーとカップが完成しました。最優秀賞を初めとした各賞を用意しているので、参加者の皆さんに達成感を味わって欲しいと願っています。

【懇談会】
 夜の懇談会で印象に残る話がありました。会社勤めをしている方なら分かることですが、普段職場環境を気にすることはないのですが、改めて見渡して見ると床や机がきれいに保たれていることが分かります。職場や生活の場は誰かが清掃しておかないとたちまち環境は汚れていきます。
 職場がきれいに保たれているのは、職員が出勤する前に毎日清掃してくれている人の存在があるのです。朝7時頃から毎日机を拭いてくれている、机の下を清掃してくれている、机の横にあるゴミ箱を片付けてくれている、そんな人がいるのです。通常の出勤時間だと職場に入ってから会うことはありませんから、その人の存在を気付かないし意識していないのですが、出勤前に清掃をしてくれている人がいるのです。陰で支えてくれる人がいるから仕事は上手く廻っていることに感謝したいと思います。
 明るい日差しの下だけでも仕事は出来ないのです。
2月23日(木) 「防災公園」
【告別式】
 一昨日、お二人の方が亡くなりました。現役社長と小学校時代の友人のお母さんです。お二人とも私がお会いした時は元気にしていただけに、突然のご不幸に言葉もありませんでした。現役社長のご不幸については、一昨日夜の人権研修会の途中に連絡を受けたのですが、余りにも突然で信じられませんでした。お正月に訪問した時には不在でお会いできなかったことが今更ながら残念に思っています。
 また友人のお母さんについては昨日連絡を受けました。膝が少し悪いようでしたがとても元気で周囲を圧倒していたのに信じられない思いです。本当に残念としか言いようがありません。お二人に合掌。

【防災公園】
 防災公園のあり方について意見交換を交わしました。公立公園を防災機能を持たせるように公園の入り口を物資運搬用のトラックが入れるように拡張工事をしています。トラックが入れるだけでも防災公園の第一歩を踏み出したことになりますが、それだけでは防災公園とは言えません。貯水タンクも設置している公園ですから有事への備えをして、和歌山市のモデル的防災公園に改造出来ないかが論点となりました。
 スーパーハウスを設置して公共性の高い防災関連用品を常備しておくことで、公園に非難した場合に有効となります。共用の炊飯用品やジャッキ、ロープ、コンロなどがあれば、個人は個人用の防災関連用品を常備しておくだけで良くなります。
 本日議論をした対象となっている公園では飲み水の確保が出来ているだけに、アイデアを出し合ったら防災機能を高められる公園に作り変えることが可能です。
 平成18年度の新規事業として自主防災組織防災資機材等整備費補助事業があり、500万円が予算案に計上されています。各自治会組織などの防災力充実を支援するため、自主防災組織が行う地域の防災活動に必要な資機材の整備に要する費用の二分の一を補助してくれる制度です。この制度を活用すれば、スーパーハウスと共用の防災関連用品を設置することが容易となります。自治会と市役所が協調することで防災公園としての機能充実が図れます。
 地域には企業を退職した方がたくさん暮らしています。経験や知識を地域社会が活用することで地域の安全性などが高まり地域間の交流も深まりますから、経験を地域に還元出来るようなしくみを構築することで地域防災も強化出来ます。仕事を通じて身につけたものは社会でも有効に活用出来ます。

【汗を流す】
 続いてお会いした現役の社長さんは仕事が順調で休みなく働いています。地域を支えている製造業ですから、正に汗をかいて製品を作り出し社会貢献しています。若い頃から製造業を続けてきた社長からすると、昨今のお金儲けを狙いにした仕事には疑問を感じています。 
 インターネットは情報を得たり物の交換が容易になるなど中間ルートを割愛して迅速なサービスと言う価値を生み出していますから、事業者の業績が上がるのは当然のことです。 
 何かの価値を生み出すことでお金が入ってくるしくみは良いけれど、株券を動かしたりインターネット上で数字のやり取りをするだけでお金が入ってくるのは疑問が残ります。働いて得るものがあるから遊びが楽しくなり余暇が充実するのです。それを忘れると社会に歪が発生します。

【懇談】
 家の改造で不具合が発生している方の様子を伺いに行きました。本日メーカーが訪問してくれる約束の時間は午後2時30分、昼から家で待機をしていたのですが、電話が入り訪問は午後5時になると言われたそうです。折角時間を空けて待っているのに大幅に時間が遅れたため、待っている時間が無駄になったとメーカーの対応に疑問を投げ掛けていました。訪問時間など的確な情報を提供することが時間を有効に活用出来ることから、それが最大のサービスとなることに気づきました。時間をどう活かすか。サービスを提供する側の課題です。

【和歌山電気鉄道】
 平成18年4月1日から営業を開始する貴志川線の後継事業者の和歌山電気鉄道。営業開始まで後一ヶ月余りとなり事務所は慌しくなっています。和歌山市を救ってくれた会社ですから和歌山市に住む私達として何か連携出来ることがないか、話し合いを行いました。横の連携、岡山市との交流、名前を売り出す方法などについて意見交換と事業提案を行い具体化させていくことにしました。
 鉄道事業者として安全輸送を第一に考えた経営方針としていますから、ソフトの部分で側面支援をしていきたいと考えています。お互いにメリットのある懇談となりました。
 和歌山電気鉄道は4月1日の貴志駅始発で式典を行いますが、大々的には6月後半にグランドオープンを予定しています。ここに向かって全力を尽くしている様子が伺えました。
 和歌山電気鉄道の経営方針が壁に貼られていました。社会正義、お客さま第一、社員の幸せの三点です。目標を見るだけで信頼出来る会社であることが分かります。

【通夜式】
 お二人の方の通夜式に参列させていただきました。受付をしていた大阪からお手伝いに来ていた先輩と会うのは10年ぶりでしょうか。懐かしかったのですが、第一声は「いつも活動を見ているよ。頑張っているね。」と言うものでした。どうしてですかと聞くとホームページを見ているから活動の様子は分かるとの答えでした。ホームページのアドレスも開設していることも伝えていなかったのですが、ちゃんと見ていてくれているのです。気にかけていただき有り難いことです。再び活動に向かいます。
2月22日(水) 「学校現場」
【学校現場】
 小学校訪問を行いました。本日訪問させていただいた小学校では金庫からの重要書類の持ち出しに関して教育委員会の指導に基づく管理が徹底されていました。金庫の鍵は校長先生が持っていて、原則校長先生の立会いの下で成績原票を持ち出しています。万が一、校長先生が出張などで不在の場合は、教頭先生が鍵を持っているため教頭先生立会いの下、持ち出しを許可しています。
 持ち出し簿も徹底されているためこの小学校では不祥事はあり得ないものです。教育現場を訪れて分かったことは、教育委員会の指導が徹底されていて、各学校では指導が徹底されています。今後問題となるようなことは想像しにくい状況です。

 更に特筆すべきは、この小学校では校長先生自ら教壇に立ち、小学校教育で欠けている英会話の授業を行っていることです。校長先生が先導して子ども達に、What’s this?と問いかける授業をしています。生徒はこの問いかけに対して楽しみながら答えています。ある小学五年生の保護者は授業参観をした際、自分の子どもが参観日で始めて手を上げて答えている姿を目撃したそうです。形通りの授業ではなくて、生徒の自主性を最優先した授業を行うことで、生徒が主役の授業が成立していることに気づきます。先生が教えるというよりも生徒間でディベート出来る環境を作ってあげることで、生徒が考える授業に発展させることが可能となります。

 さて私達は日本人ですから国語教育を重要視するのは当然ですが、これから社会に旅立つ子ども達はバランス感覚を大切にしなくてはなりません。国語教育と同等に英語教育を施すべきですが、校長先生が率先して英語教育のために教団に立っている姿勢を見た本日、少なからずも感動いたしました。これほど教育に熱心な校長先生がいる学校にいる生徒は幸せです。学校は施設が充実していることなどは二の次で、先生方が熱心な学校こそ素晴らしいのです。ハードよりもソフトが大切なことが現場を訪れることで更理解出来ます。
 もっと素晴らしいのは校長先生が今までの教育経験を通じて培ったノウハウを、次の時代を担う先生に引き継いでいることです。本来ノウハウは自分だけのものにしておきたいところですが、若い先生が成長するために教師経験から得られた知識を惜しげもなく伝達しているのです。
 例えば生徒が手を上げて発表する場合でも段階があるのですが、野球に例えて手を挙げて自分の意見を言うのはヒット。他の生徒が発表した後に自分の意見を述べるのが二塁打。他の生徒が発表した内容を解説したり、根拠をつけて同調したり反論するのが三塁打。最も評価される本塁打は、他の生徒が発表した内容を発展させて自分なりの見解を伏すことが出来ることです。
 これらのノウハウは先生の秘密にしておきたいところですが、後継者達に伝達している姿勢は素晴らしいものです。
 公立教育に自信と誇りを持っている校長先生がいることを知っただけでも有意義な一日となりました。

【欽ちゃん球団打ち合わせ】
 昨日に引き続いて欽ちゃん球団を迎えての和歌山ベースボールフェスティバルについて打ち合わせを行いました。本日、和歌山県の後援をいただくことが出来ました。後援名義を頂戴しただけではなく青少年の健全育成に賛同を得たため、今年からプロ野球OB達による少年野球教室やイベントの開催に関して県と協働していくことにつながりました。もっと先を行く夢もあります。それは和歌山県で硬式野球のクラブチームを結成して、他府県のクラブチームと試合をしたり交流する機会を持つことです。
 野球王国和歌山県を言うためには少年野球から底上げして行き、社会人の受け皿を持つ地域にする必要があります。県営紀三井寺球場にナイター設備が整ったことから野球に関心を持つ人が増加して欲しいと願っています。和歌山県も、民間主導で野球を通じて地域活性化につながり、青少年の健全育成につながる取り組みに関して最大限の協力体制を取っていただけることになりました。
 
【懇談会】
 夜は懇談会です。私の活動に理解をいただいている方との懇談を行いました。議員の活動は分からないように見えていても実は各人で評価していると言うものです。メッキは剥がれて本物の活動家だけが生き残っていく時代になっていることを感じさせていただきました。
2月21日(火) 「欽ちゃん球団」
【欽ちゃん球団】
 和歌山市に欽ちゃん球団がやって来ます。欽ちゃん球団イコール茨城ゴールデンゴールズは実力と人気を持つクラブチームです。平成18年4月1日、和歌山ベースボールフェスティバルとして茨城ゴールデンゴールズと和歌山箕島球友会が対戦します。このイベントの主旨は、和歌山市にある県営紀三井寺球場に平成18年4月、ナイター設備が完成することを記念して、人気のクラブチームと地元のクラブチームとの対戦によりスポーツ振興と青少年の健全育成を図ろうとするものです。
 野球王国と言われながらもナイター設備を持たない数少ない県のひとつだったのですが、これが解消することになりました。ナイター設備の完成記念としては、公立の伝統校の桐蔭高校と向陽高校の対戦が組まれていますが、これに次ぐNPO法人和歌山野球振興協会夢クラブ主催のイベントが和歌山ベースボールフェスティバルです。ですから野球を通じて子どもと大人に夢を提供し、和歌山をもっと元気にするために開催します。

 私達のNPO法人和歌山観光医療産業創造ネットワークも開催の主旨に賛同し、イベントへの協力をすることに決定しました。和歌山をもっと元気にしたいと考えるNPO法人が主催するイベントですから、主催者と協力者が集まって何としても成功させようと早朝から打ち合わせを行いました。
 席上、経過報告と事業概要の説明、収支計算、チラシとポスター案、チケット、後援名義依頼、プログラムと役割分担について検討、中でも試合中継方法について意見が交わされました。地元放送局のラジオ放送とインターネット中継を組み合わせたものにする方向も考えています。
 ベースボールフェスティバルですから野球の試合を楽しむことは勿論のこと、試合途中の盛り上げ、少年野球団との交流、地元産品の展示と販売など、野球と参加者の交流、そしてITを活用して今までにない野球を主体としたイベントに仕上げることを目標にしました。協力者の一人からは、和歌山市のNPO活動家が中心になっているのだから、今までにない試みにチャレンジしようとの意見がありました。開催までの時間がない中ですから、本日協議して実施したほうが良いと決めた事項は、直ぐに関係者と電話で連携しながら日程調整や取り扱いについて決定していきました。
 基本的には開会式、少年野球教室、記念試合、閉会式と表彰式の流れにします。その間にダンスや紀州レンジャーのショーなども取り入れる予定です。
 紀三井寺球場にナイターが点灯、欽ちゃん球団和歌山初登場、和歌山市らしさを取り入れたイベントなど、和歌山市で野球の好きな人も、欽ちゃんが好きな人も親子で参加して地域が盛り上がれたら最高です。役割分担を終え、それぞれ活動を開始しました。

【確定申告】
 本年から年間所得に関係なく確定申告をする必要が生じています。和歌山市役所2階では初めての方を対象として相談会場になっています。本日も昼休み時間にも関わらず多くの方が訪れていました。高齢者の方は何をすれば良いのか分からないことから不安に感じていたようです。相談受付の順番に記載してから相談する時間まで待ち時間約1時間、少し待ち疲れた様子も伺えました。
 どのような相談をしているのか相談者とご一緒させていただきました。相談では相談に訪れた方が安心するような応対をしていました。「大変長くお待たせいたしました」「こちらで記載させていただいてもよろしいでしょうか」「また来年もよろしくお願いいたします」など、従来のような「役所らしくない」親切丁寧なお客さま応対で安心感を与えていました。
 本庁のお客さま応対は随分良くなっています。そういえば、朝早くに市役所1階に行くと、お客さんと直接応対する部署では朝礼を実施していて、リーダーの掛け声に合わせて「おはようございます」などの発声をしていました。意識改革が進みつつあります。
 余談ですが、和歌山市役所14階は食堂になっています。確定申告を待っている途中、一緒に昇り和歌山ラーメンとチャーハンセットをいただきました。昼食をとれるのは珍しいことなのでおいしくいただきました。

【シャンソン協会総会】
 和歌山シャンソン協会総会が開催されました。本日は平成18年度の活動方針を決定する総会となりました。予決算の確認や毎月のティータイムシャンソンの日程決定の他、恒例の和歌山巴里祭は平成18年7月2日に和歌山市民会館で開催することで決定しました。
 楽しい会員の皆さんと一緒に話し合って元気をもらいました。今年も和歌山市活性化と文化活動向上を目指して活動していきます。

【人権研修会】
 夜は人権研修会に参加、「共に生きる社会をめざして」がテーマで、講師は和歌山市人権施策推進課の金野芳州さんです。元学校の校長先生のため最後まで飽きない話を聞かせてくれました。特に印象に残った話をまとめてみます。
 知識は年齢と共に増えますから、人はより高度な知識を習得し人格を形成していきます。行動も経験を重ねることにより年齢と共に品格のある行動を取るようになります。このように知も行も年齢と共に高まるのですが問題が生じます。
 人間は年齢を重ねると完成に向かう筈なのにそうはなっていません。むしろ知と行のずれが生じて行きます。それは知識の高まる角度と比較して行動が高まる角度は比較的緩やかで、年齢と共に知識と行動の格差が拡がっていくのです。
 つまり知と行の差が大きくなることから、頭では悪いことをして駄目だと思っていても、他人が見ていないとやってしまうことがあります。知識が増える程、行動も正義や社会秩序の維持の方向に向かうべきなのに決してそうなっていません。知識の高まりに行動力がついていっていないのです。
 これを防止するためには自分で歯止めをかける方法があるだけです。
 それは知と行にずれがあることを自覚しておくこと。素晴らしいことに心が動く感性を磨くこと。人の言うことに惑わされないで自分の考え方を持つように自己確立すること。これらを心得ておくことで自らの行動を高められます。

 人を高める道筋はふたつあります。
 ひとつは形から心へ。もうひとつは心から形へ、です。
 形から心への意味は、人は良い行いをしようとすることで心も清く正しくなっていきます。良い姿、良い行いをすると言う形から入ることで、結果として形に応じて心も清らかになります。
 逆に心を清く正しくすることで行動も正しくなって行きます。どちらも成長していくために大切な道筋です。
 心は言葉で表されますが、その言葉には魂が宿っていると言われています。
 美しい言葉や清らかな言葉は人の気持ちを穏やかにしてくれます。きたない言葉や批判的な言葉は人を怒らせたり傷つけたりします。
 これを証明するように水を使った実験があります。水を入れたコップを二つ用意します。ひとつのコップの水には毎日「お前は綺麗な良い水だ」「今日も元気になろうね」などの言葉をかけます。もうひとつのコップに向かって毎日「何て汚い水」「泥水みたいだ」などの言葉をかけます。
 何日した後、水の結晶を確認すると、綺麗な言葉をかけつづけた水の結晶は規則的でとても美しくなっています。ところが汚い言葉を浴びせ続けた水の結晶は歪んでしまっています。言葉が分からない水であっても、人の言葉、つまり心に反応しているのです。
 では人はどうでしょうか。人は言葉を理解しますから、毎日自分で発している言葉や他人から聞かされ続ける言葉の影響は計り知れないものがあります。
 自分の言葉遣いそして他人から受け取る言葉の数々、毎日接する言葉を大切にしたいものです。言葉が自分を変え他人を変えてしまうのです。
2月20日(月) 「週始め」
【紀州レンジャー新グッズ】
 紀州レンジャー新グッズの打ち合わせを実施。携帯ストラップや携帯クリーナーが登場し紀州レンジャーグッズも盛り上がりを見せていますが、これを契機に次なる展開を目指しています。

【熊野古道】
 熊野古道を盛り上げるためブックカバーを作成中ですが、昼間に観光所管箇所と一緒に熊野古道の写真選出を行いました。最終的に4枚の写真を選び出し、ブックカバーに最も合う写真を決めていくことにしました。熊野古道では大門坂や熊野本宮大社や大斎原などの写真が良く使用されているため、これらの場所を外して今までと印象の異なるもの4点を候補写真にしています。たくさんの見所がある熊野古道の魅力を引き出せ、和歌山県内外に広められたら幸いです。

【福祉施策打ち合わせ】
 午後からは高齢者福祉施設を訪問し打ち合わせを実施。引き続いて障害者施策に関する意見交換を行いました。障害者施策はひとくくりに出来るものではないため、行政施策も難しいところです。担当箇所も十分認識してくれていますから、少なくても和歌山市の障害者施策は心の通ったものに向かっています。
 障害主施策に関わっている職員さんは毎日遅くまで仕事をしていますし、現場も廻ってくれています。そこから得られた個々の事情を分かった上で支援方策を検討してくれているのですが、心で思っていることと現実的に施策として表現出来るものとでは差異が発生します。個々の事情を理解していても、どこかで線引きをしないと施策として仕上がらないためです。この歯がゆさを最も感じているのは担当している職員さんかも知れません。それ位に心を込めて仕事をしてくれていますが、国としての障害者福祉施策はそれらの思いを全て実現出来ない位置にあります。

 本日は重度障害者支援方策として盲ろう者の皆さんへの対応を話し合いました。盲ろう者の皆さんは外出するのも家の中で生活することにも、つまり生きること自体が大変なのです。それでも生きることの意味を見出して懸命に仕事をしたり社会参画を目指したりしているのです。
 市の職員さんの中にも視覚障害者の方がいます。市の職員として勤務している中で視力が低下する病気にかかりました。徐々に見えなくなる恐怖と戦いながら、それでも仕事をやり遂げるためにまだ目が見える間に盲学校に通い、点字を読めるようにしました。前向きで責任感のある姿勢です。どんな状況にあっても今生きることをあきらめない、それを教えてくれているようです。

 そんな人やそれを支える職場の皆さんがいる福祉職場があります。障害者対策に真剣に取り組まない訳がありません。困っている全ての方々に個別に対応できていないかも知れませんが、福祉に関わっている皆さんが心で感じて欲しいものがあります。
 参考までに和歌山市では職員さんが自分達で市のチラシやパンフレットの点字版を作成出来るように、平成18年度予算案で点字を打つ機械の設置を要求しています。私も初めて知ったのですが点字の機械は約100万円します。市で有効に活用してくれるのであれば福祉施策を重要視する市として必要な備品です。
 
【欽ちゃん球団】
 平成18年4月1日午後、和歌山県営紀三井寺球場にクラブチームの欽ちゃん球団の茨城ゴールデンゴールズがやって来ます。イベント名は和歌山ベースボールフェスティバルで、地元の和歌山箕島球友会と対戦、少年野球選手への野球教室などを行います。
 和歌山市に欽ちゃん球団がやってくるのは今後あるかどうか分からないものですし、和歌山市活性化イベントとして多くの方に参加して欲しいものです。
 今日、和歌山ベースボールフェスティバルに関する打ち合わせを行いましたが、支援体制を取り盛り上げ方策を考えているところです。

【懇談会】
 夜は経営者の皆さんと懇談会。福祉問題、教育問題、土地問題、ビジネス環境などのテーマで盛り上がりました。和歌山市で事業をするには信頼が最も大切であることが確認出来ました。それは小さいまちであるがために、ひとつの分野や会社で信頼を裏切るような行為をすると直ぐに業界全体は勿論、経済界にも知れ渡ります。そうなると横の拡がりがなくなりますから新しい分野でも苦戦することになります。
 仕事は信頼を大切にすべきですし、仮に一つの仕事で組めなかったとしても信頼関係を保ち次へのスタートを切りたいものです。
2月19日(日) 「平成18年度和歌山市予算」
 平成18年度和歌山市予算について紹介します。
 一般会計は1,214億2,193万円で、前年比プラス12億1,241万円、伸び率は1%です。特別会計は1,527億7,754万円で、前年比マイナス41億1,479万円、伸び率はマイナス2,6%となっています。財政健全化に加えて、まちづくりではお城と子育て支援、防災対策を重点にしています。
 主な新規施策を列挙します。

 追加インターチェンジ調査事業750万円。和歌山北インターチェンジ設置に関する費用です。
 貴志川線運営支援事業2億1,620万円。和歌山電鉄が鉄道事業を引き継ぐための支援。
 保育所整備事業950万円。西山東幼稚園廃園後の跡地に西山東保育所を移転し、幼保一体型総合施設の実施設計費用として計上。
 こどもの広場設置事業340万円。こども連れで市役所に来た方へのサービスとして、子どもが遊べるスペースと授乳スペースを整備します。

 児童手当の拡充21億3,633万円、この内一般財源は6億1,621万円です。児童手当法改正に伴い児童手当の支給対象年齢を小学校修了まで引き上げます。
 自主防災組織防災資機材等整備費補助事業500万円。各地区の防災力の充実を支援するため自主防災組織が行う地域の防災活動に必要な資機材の整備に要する費用の二分の一を補助してくれます。上限は50万円です。

 城フェスタ06事業1,490万円。和歌山城でのイベント開催費用。
 南別館歴史資料展示コーナー設置事業482万円。和歌山城を訪れる方のために和歌山市役所南別館に歴史資料展示コーナーと休憩室を設置します。
 御橋廊下周辺整備事業6,323万円。御橋廊下の関連事業としてニの丸庭園の西側周辺の整備を行います。

 水産関係調査研究事業530万円。アワビの養殖の調査研究のための事業費です。
 体育施設予約システム事業342万円。インターネットで体育施設の予約と空き状況管理システムを導入することで体育施設を利用し易くします。
 オストメイト対応トイレ整備事業700万円。市民会館の多目的トイレをオストメイト対応トイレに整備します。オストメイトとは人工肛門・人工膀胱保有者に対応するトイレ設備です。
 車駕之古止古墳整備事業1億1,900万円。県指定文化財の古墳を保存、保管するために史跡公園として整備します。
 
 平成18年度の予算案は、財政健全化を目指した予算編成と厳しい予算の中、出来る範囲で新規施策にも取り組んでいる内容となっています。財政部の方と懇談すると、近年の中ではやったと実感出来る仕上がりになっていると自信を見せていました。毎年予算編成は万全を期しているのですが、その中でも充実感と手応えがある年度があるようです。平成18年度は手応えを感じられる予算案になっているのは、縮小傾向から積極的に転換しつつあることから来るものです。
 3月からの市議会で予算案の審議に入ります。予算に関する資料請求やご意見、ご指摘をいただけたら幸いです。
2月18日(土) 「懇親会」
 懐かしい顔が揃った懇親会にお誘いいただきました。あっという間の時間を過ごせることは嬉しい限りです。先輩方と話をかつての話をしていると、本当に時間が経過するのは早いものだと知らされます。若い頃にお会いした先輩達は随分年上に思ったものですが、今思うと先輩方は当時まだ30歳前後だったのです。当時、30歳と言うとベテランで何でも知っていて教えてくれる存在でした。

 意識しないうちに自分の30歳代は過ぎ去りました。思い返すと自分の30歳代に十分な後輩指導が出来たのだろうか、若い自分が思ったような何でも知りえる先輩であったのだろうか、疑問が残ります。当時の人生の先輩達は、後輩を優しく厳しく導いてくれていたように感じます。
 先輩方はいつまで経っても優しく心配してくれています。今は会う機会が少なくなってしまったある方から「頑張っているのは聞いているよ。決して高慢にならないでその調子で活動を続けてくれたらいつまでも応援するから」と声を掛けていただき、3年前の統一地方選挙でのこぼれ話を伺いました。

 それは、その方が尊敬している先輩から自筆の手紙を受け取ったそうです。内容は「私の期待している新人の片桐が和歌山市議選に始めて挑戦するので、是非応援してあげて欲しい」と言うものです。初めて聞く内容に感激しました。他人のために、しかも随分年の離れた後輩のために自筆で支援を依頼してくれていたことを知り、改めて私が先輩に何をしてあげられているのか考えさせられました。結局、好意を受け取るばかりで何もお返しが出来ていないことを反省しています。
 届かないかも知れないけれど、遠く離れた土地にいる先輩に心から感謝しています。支えられてばかりですが、更に経験を積み支援してもらえている気持ちを多くの人に還元させてもらいたいと思う次第です。知らないところで支援してもらっていることを第三者から聞くと感激ものです。年に何度かお会いしているのですが、決して自分からはそのようなことを言ってくれません。今更ながら好意に甘えてばかりいることを反省し、早く後輩の皆さんに勇気を与えられるようになりたいと思うばかりです。

 経験者から見ると頼りないと思っているでしょうが、それでも活動に対して文句を言わないで暖かい気持ちで見守ってくれています。一人で出来ることは限られています。自分で気づいているかいないかの違いがありますが、周囲からの支援があって初めて市政に対して発言できる場を与えてもらっています。そのことを忘れないで今後とも期待に応えられるような活動を行う気持ちを新たにしました。
 人生の先輩、経験者から教えられることは大切な心であり、幸運にもそれを受け取ることが出来た人は後輩達に伝えていく義務があります。経験則を伝えることで人は成長するものですし、自分が経験しものを伝えられている地域や組織は成長を続けます。
 当たり前のことですが、年齢を重ねても人生の先輩の年齢を超えることは出来ません。生まれた順番は生涯変わることはないのです。役職位や社会的地位は仮に与えられているに過ぎないものですから、そんなことは人の生き方の評価になりません。
 次の世代がやり易くするために経験則を伝えること、早く責任を継承することが出来る人は尊敬に値する人です。そんな考えを持つ人の集団は強くて大きくなります。全員で更に先を目指している、バトンを渡していることで同時に個人も成長しているのです。
2月17日(金) 「平成18年度予算案」
【県予算案】
 和歌山県が平成18年度の予算案を発表しました。積極的予算を組んでいることに頼もしさを感じました。和歌山県への企業進出に対して最高100億円の補助金を支出する、滞納している税金を回収するために税金の回収機構を設立する、障害者施設への補助体制の確立など、斬新な取り組みがたくさんあります。
 平成18年度への期待感が高まります。

【市予算案】
 午後からは平成18年度和歌山市の予算案の説明がありました。次年度は法人税と個人所得の税収増加が見込まれることから、平成13年度依頼の予算の伸びを見込んだ積極的予算案となっています。和歌山北インターチェンジの調査、アワビの養殖、貴志川線支援などの取り組みがあります。プラスに転じるだけでも明るさが感じられます。

【中学校】
 予算の説明を受けた後、先輩、同僚議員と公立中学校を訪問しました。訪問した理由は、平成17年に3回発生した各学校現場での不祥事への対応の様子を伺いにいったものです。  
 訪問した中学校では完全な対応をしていました。校長室の耐火金庫に成績原票や通知表が整理されていましたし、持出簿も整えられているなど教育委員会と学校現場での意思統一が図られていました。
 この学校の校長先生は、教育委員会が主催する校長会での報告事項を全て議事録としてまとめていて、先生に伝達されています。校長会では、教育長、教育委員会部長、課長から丁寧で厳しいな報告が成されていましたし、教育民生委員会で議論した内容も伝わっていました。
 何よりも、廊下や玄関ですれ違う生徒の皆さんが「こんにちは」と挨拶をしてくれたことに、学校での生徒指導や教育環境の良さを感じました。今も昔も、学校を訪問した知らない人に対して何人もの中学生が挨拶をする事例は少ないのではないでしょうか。
 校長先生が在校生の名前を呼んで話していた光景があり、直接教壇に立っていない校長先生が生徒の名前を覚えていることに触れられたことで教育に対する熱心さが伝わってきました。簡単なようですが、人の名前を覚えてそれぞれの取り組みを知ったうえで生徒に声を掛け励ますことは難しいものです。
 公立中学校での熱心な取り組みを直接見たことで、公立中学校の良さを見直すことが出来ました。順次公立小学校と中学校を訪れ教育現場の空気を感じたいと思っています。これは教育現場の粗探しをするのではなく、将来を担う子ども達への教育を熱心に取り組んでいることに関して先生方の生の姿勢を知っておきたいことから行うものです。

【打ち合わせ】
 次期市長選挙と統一地方選挙の見通しについて打ち合わせを行いました。不透明な情勢ですが準備を整えておくことで一致しています。いくつかの取り組みを予定していますから、地方政治をまず変えることから始められるのではないかと感じています。

【懇談会】
 夜は現役の頃から複線型人生を歩んでいる市職員さんと、市政とNPO活動についての懇談会を行いました。仕事だけでは分からなかったことがボランティアやNPO活動を通じて感じられている様子が伺えました。退職してからボランティアやNPO活動をしたいと言う人がいますが、現役時代から取り組まないとこれらの活動を通じて自己実現することは難しいものです。
 前向きな表現をすれば、現役時代にボランティアやNPO活動をすることは仕事の領域を拡げてくれることになり、複線型の仕事は仕事の質も高めてくれます。結果として行政サービスを受ける側にもメリットが発生します。
 皆さんのお陰で報酬をいただいている気持ちをもって仕事を遂行したいものです。

【ホームページ】
 本日夜2時間だけサーバーの調整のため私のホームページが見られなくなりました。直ぐに反応をいただきました。ホームページの様子がおかしい、ホームページが見られないので一度調査をした方が良いのではと、素早い意見をいただきました。皆さんに見ていただいていることに感謝しています。
2月16日(木) 「司法とつきあう」
 世田谷区のものづくり学校の視察を終えて、東京から和歌山市に戻りました。今回は高齢者福祉と地域活性化と廃校利用を図って企業家を集積させているものづくり学校の視察を行いましたが、いずれも前例がない中、反対意見があっても地域のためになることであれば失敗を恐れずに実行する姿勢を学ぶことが出来ました。
 今となっては笑い話で話せるけれどと言いながら、実現までの苦しい出来事も披露してくれたように、新しい試みには常に困難が付きまといます。中心になって取り組める人が地域や組織にいることがやり遂げるための条件です。地域は人がつくるもの、改めて思う次第です。

 帰ってから直ぐに和歌山地方裁判所に直行、係争に立ち会いました。平凡に過ぎ去るように感じる日時生活の場においても問題は絶えません。通常なら、裁判のお世話になることがないまま一生を終える人も多いのではないでしょうか。裁判に発展するような問題に出会わないことが一番ですが、周辺では最近トラブルが増加しているように感じます。文化のアメリカ化による訴訟なのか、お金で解決するのが価値を実現出来ると考えているのか、人間関係の希薄化なのか、原因は分かりませんが法律に関する出来事が多いのです。
 出来れば円満解決が望ましいのですが、利害が対立している関係においては問題の長期化が起き、どちらも納得できる解決を図るのは難しいようです。当事者にとって裁判に何年も関わるのは大変な労力を伴いますが、司法の手助けによって救われる人もいることを考えると関与すべきこともあります。問題の早期解決と納得を得られるために必要に応じて司法関係者と問題解決に取り組むこともあるのです。

【打ち合わせ】
 貴志川線沿いを盛り上げるための施策について意見交換を行いました。既に現場調査を終えているので、撮影したビデオを編集して内容を確認しました。課題と取り組むべきことを確認し合って役割分担を行いました。夢のある仕事は遣り甲斐を感じるものです。目標に向かうことで明るい将来が待っていると思えると生き甲斐につながります。
 まちの中で存在している地方鉄道の貴志川線。単に通勤や通学の手段として残すだけではなく地域資源として積極的に活用を図りたいものです。今から和歌山市内に鉄道を新設するのは、財政的には不可能に近いものですし必要性の議論にもならないものです。しかし既に存在している鉄道です、環境問題啓発や沿線の観光事業化に強く関与出来る材料となります。
 地方鉄道、田園風景、未開発の地域、趣のある駅舎など観光に活かせる資源があります。古いから駄目なのではなく、古いことが価値を持つことに気づいて、沿線にソフトを持ち込みたいと考えて議論を交わしました。

【懇談会】
 夜は懇談会に参加。ひとつはまちづくりを考える懇談会。和歌山市の将来像を示す指針がないことの指摘があります。そのため和歌山市の目指すべき方向が分からないので、都市計画が分からなくなると言うものです。これから定期的に会合を持ち、少しでも和歌山市のお役に立てるような活動にしたいと確認し合いました。
 ふたつ目は、大阪市内に転勤する方の送別会に参加。単身赴任となりますが、覚悟を決めて旅立つことになります。35歳、さらに経験を積んでいつか和歌山市に戻ってくることを期待しています。それぞれの一足早い春の訪れです。
2月15日(水) 「ものづくり学校」
 世田谷区には廃中学校を活用した世田谷ものづくり学校があります。世田谷区であっても子どもが少なくなり都心部の学校を廃校にしていますが、その中学校の廃校跡を活用して企業家のための施設にしているのが先進的な取り組みと言えます。通常、行政機関は公平、中立をモットーにしていますから、公的施設の運営を民間に任せるのは難色を示します。世田谷区が先進的な取り組みをしていると評価されているのは、課題があってもその課題をクリアし、民間との協調を図っているからです。

 世田谷区がものづくり学校の運営者から受け取っている家賃は

(廃校を利用していますが、
センス良く仕上がっています。)
約40万円、それに対して入居している企業の家賃は周辺相場としています。つまり運営者は収益をあげられるしくみとなっているのですが、これは行政機関が難色を示す要因のひとつです。あくまで公的財産を民間に開放してはならないと言う意識があったことから議論が交わされましたが、行政サービス向上に資することから実現しました。

 世田谷区ものづくり学校には、多くの芸術家やベンチャー企業が入居しています。クリエイティブな仕事している人が集まるとそこから新たな仕事や取り組みが始まります。陶芸家と映画関係者、ジーンズを作っている人やコマーシャルディレクターが集い組み合わせることで新しい何かを創出しています。
 例えば、経済活動においては原価計算をして商品価格を決定します。ところが原価計算をしなくてもクリエイティブなものの価格は需要者が決定するものです。需要者が欲しいものは金銭の尺度では図れません。気に入ったものがあれば価格に関わらずに購入しますが、それは付加価値を増しています。デザインが良いと

(世田谷区ものづくり学校
校長からの説明)
金銭的に高い価値を呼びますが、原価と比較して付加価値が高くなっているためGDPを引き上げています。原価と販売価格の差がある程、付加価値を生み出していることを示していますから、国の価値を発生させています。

 和歌山市のように水産業や農業が主体となっている地域では、原料を加工の工程がありませんから付加価値をオンする製品が少ないのです。その結果、県民総所得が低位にあるため経済的には厳しい訳です。
 何でも価値をつけることが可能です。世田谷区ものづくり学校に入居している人の仕事を表現するのは難しいのですが、何もないところから価値を生み出しています。例えば古いジーンズを加工したものを商品化しています。家でも不要となった古いジーンズの価値はゼロに近い筈ですが、少し加工して市場に出すと10万円以上の値段をつけ購入者もいるのです。センス的には信じられないのですが、買う人がいる限りにおいては市場価値を発生させているのです。
 何に利用出来るのかわからない技術でも開発すると利用価値が出てきます。これも一例ですが、ワインは開封した途端に酸化が進み本来の味を無くしていきます。ワインの酸化を防ぐ技術を開発している企業はあちらこちらの企業から引き合いがあるのです。一般的にはワインが酸化するのを防止しても商売にならないと思いますが、一本100万円のワインを提供するホテルにとっては必要な技術となります。一人に100万円のワインを販売するのは難しいのですが、数十人に数万円のワインを販売するのは比較的容易です。ホテルでは100万円のワインをグラスで提供することで利益を上げることが可能となります。


(世田谷ものづくり学校前で)
 また新幹線のコーヒーの味が良くないのは皆さんも気づいていることです。味が良くない理由は始発駅でコーヒーを作っておいて車内で販売していることから、轢きたてでないことが要因です。コーヒーも作ってから時間が経つと酸化するため、おいしいコーヒーとならないのです。ワインの酸化を防ぐ技術を持っている企業はJRから仕事の依頼が来ています。コーヒーの酸化を防ぐことが出来たら新幹線の社内で販売するコーヒーのテイストが良くなりお客さんの満足を高められることになり、そのことが売り上げ増加につながります。
 何に活用出来るか分からない技術でも開発すると何からの需要があるものです。無駄なことを開発することが私達の生活を豊かにしてくれます。無駄なものを開発するための場所も必要な訳です。
 行政機関が民間活力を高める施策を講じられるのは羨ましい限りです。それに応えられるレベルの高さ がある民間人がいることも羨ましい限りです。人が元気な地域だからこそまちは元気になるのです。
2月14日(火) 「長野市視察」
 長野市への視察に出かけました。長野県は沖縄県を抜いて全国一の長寿県となっています。それには理由がある筈です。長野市では福祉施策が充実しています。それも介護が必要になってからの取り組みではなく、介護予防、疾病予防の観点からの取り組みを行っています。
長寿の秘密は、高齢者であっても仕事をしていることで生きがいを感じていること、勤労意欲が高いことが挙げられます。長寿県の理由は複合的要素があるため何故長寿が一番なのかは分からないようです。

 高齢者がいつまでも健康でいきいきと過ごせることが出来るように、それて高齢者が社会活動へ参画し、健康づくりと生きがい作りに取り組めるような施策を展開してすます。高齢者が引きこもったり、高齢者だけのサークルでいるのではその地域は良くなりません。高齢者イコール経験者ですから、その経験を行かせるしくみを構築する必要があります。知的な空間を持ち元気な活動が可能な

(長野市で取り組んでいる
高齢者向け切り絵教室)
地域、高齢者が社会参加している地域は元気になります。

 それにしても予防医療の分野では和歌山市が先進的な取り組みをしていると思っていたのですが長野市も進んでいます。高齢化率が20%を超えている長野市では一歩先を見据えた高齢者対策を講じています。
 長野市では高齢者施設の設置をほぼ終えているためハードの整備に予算を割く必要は無く、ソフト面での充実策を考えています。高齢者福祉センター事業やシニアアクティブ施策は充実しています。長野市の中心部にあったダイエーが撤退したことから、市長は公立で民間が運営する施設「シニアアクティブルーム」を開設しています。
 現在の市長は長野商工会議所出身のため中心市街地の活性化を公約にしていたことからダイエー跡地を再生させています。ここは商業施設と市の施設が入居しているように官民の連携が図れています。
 ただ市としての問題は中心市街の活性化があるようです。昨年長野市長は長野市中心部から約30分の距離にある市街化調整区域へのイオン進出に関して、進出はノーとの市長判断をしています。理由としては、イオンが進出を図っていた地域は優良な農業地であったことからこの地を造成することは出来ないこと、郊外にイオンが出来ると中心地の地位は益々低下していくことが挙げられます。中心市街地を活性化させるのは大切なことですが、魅力ある地域であれば行政が管理しなくても民間企業は進出してくれます。まちづくりを行政主導で行うには限界があるようです。

 ところで元気な高齢者対策が充実していますが、本日拝見させてもらった吉田老人福祉センターでは、ちぎり絵教室やダンス教室が開催されていました。ハードの整備は終了していることから運営面で民間の力を導入しています。
 資金面で民間が自前の施設を設置することは限りなく難しいのものですから、行政の施設や建築物を活かした取り組みが必要だと感じました。長野市では雪害対策に約7億円をかけています。市の一般会計で7億円も雪害対策で予算計上している訳です。それでも下水道普及率は約70%あります。雪害対策予算を考えなくても良い和歌山市の下水道普及率が約20%なのは信じられない程です。
 和歌山市と長野市は観光姉妹都市提携をしていると聞きました。お互いの交流が行政だけのものではなく民間を巻き込んだ姉妹都市交流を図りたいものです。
2月13日(月) 「関西議員連盟幹事会」
【打ち合わせ】
 経済産業省に関する打ち合わせを行いました。首都圏主導で景気回復が見られますが、地方ではそうなっていません。関西の中でも和歌山県は遅れていると言われていますが、
遅れているがために注目されています。それは世界文化遺産の熊野古道がある地域ですから、熊野古道をどう料理するのか全国から注目されています。熊野古道は単なる観光地ではありませんから、部下的、歴史的意義を持たせた振興策がある筈です。それを提言すべきなのは国ではなく地域からです。地域が本気にならないと活性化は図れません。今まで余り何とはなかった地域が本気の提言をし始めていることに関して、関西の中でも和歌山県は注目されています。

【関西議員連盟幹事会】
 関西地域の地方議員による幹事会が大阪市内でありました。議題は平成19年に予定されている参議院選挙についてです。早いもので来年は統一地方選がありますし参議院選挙も予定されていて、同じ志を持つ参議院議員の先輩も改選期になります。その支援をどうするか関西の地方議員が集まり議論を行いました。参議院選挙の前に統一地方選挙があるため、如何に連携を図るかが課題です。お互いの考えを支持者に理解してもらう必要がありますが、地方と国政では関心ごとが異なるため、同じ主張では受け入れてくれない部分があるからです。
 得票数で人物は評価出来ないのですが、前回は259千票を獲得していますからそれと同等程度の評価をして欲しいと願っています。先輩議員の活動は目覚しいものがありますが、参議院の活動は余り報道されていないため、何をしているのかが分かりにくいのです。そのため有権者の皆さんに評価してもらうためには材料が少ないのが現実です。活動の様子を理解してもらうことが大切なのですが、実は情報発信が最も難しい問題でもあります。

 参議院であってもマスコミでの取り上げ方が少ないのですから、まして和歌山市議会の話題を取り上げてもらうのは至難の技です。議会内部の議論や話し合いを取り上げてもらえる機会は少ないのですが、報道されないからと言って手を抜くことは出来ないものです。
 知り合いの同僚議員も平成17年の選挙で奈良市と神戸市で落選しています。日ごろから熱心な活動を行っているのですが、それでも地域の皆さんからは何をしているのか分からなかったからです。
 ここでジレンマがあります。皆さんから送り出していただいている市議会ですから、市議会の公式な発言の場で皆さんを代表して提言していくのが本流ですが、議会活動をすればする程、皆さんから活動が見えなくなるのです。簡単に言えば議会活動をしなくても地域へ顔を出す活動をしているだけで、地域の方は熱心だと思ってくれるので選挙は安定するのです。

 皆さん方もご存知かも知れませんが市議会議員には執行権はありません。執行する権限を持っているのは行政当局ですし、もっと言えば市長が執行権者なのです。選挙前になると議員は、この道路改修は私がやりましたとか、福祉施策を行ったのは私ですなどの報告をしています。でも冷静に考えたら分かることですが、議員には執行権はありませんから議員がやっている訳ではないのです。
 それでも選挙前になると私がやりましたの訴え合戦となっています。
 今日話した人は言いました。もし議員が道路改修を行ったのが事実であれば、それは利益誘導型の昔タイプの議員であることを証明しているようなものだと。市民全体の最大利益を考えているのであれば、一部地域だけの便益を図れる訳はないのです。
 市民のレベルに応じた議員が誕生していると言いますが、市民の市政への参画意識が高くなる程、市政レベルは高くなるのかも知れません。議員はそのことを分かった上で市政の監視をする責任があります。
2月12日(日) 「騙されないこと」
【騙されないように】
 世の中には口の上手い人がいるもので、しっかりした人でも騙してしまいます。平成17年、つまり昨年、詐欺事件を起こして新聞記事にもなった人が今年も和歌山市内で活動しています。結果からすると何故騙されたのか分からないのですが、詐欺師と話している当事者にとって、その話の内容や切迫感、懇願する姿勢に対して信頼してしまうようです。出来れば人は信じたいものですが、本質的に信じることの出来ない人がいるのも残念ながら現実です。
 何故それ程深く知らない人にお金を貸してしまうのか、第三者にとっては不思議ですが状況を確認すると断れない場合があります。例えば、信頼している人やお世話になっている先輩から、○○さんの相談に乗って欲しいと頼まれたら断るのは容易ではありません。
 まして紹介者である先輩なども騙されて○○さんを信じている場合、疑う余地は少なくなります。法律家と善後策を話し合うと、感覚的に騙されそうだと感じた場合、対策を講じておくことが後々の解決のために役立つと言います。借用証を取ること、紹介者である先輩などからも借用証に署名をもらっておくことは、紛争になった場合には有効です。更には話しの内容を記録しておくこと、録音しておくことも大切です。
 そして怪しい○○さんに会っている現場に、信頼出来る第三者に来てもらい一部始終を聞いてもらうことも対応策になります。
 今回相談を受けたケースでは以上の対応策に加えて警察にも通報して、事件に発展する場合の措置を依頼しました。
 絶対に詐欺師に対してはお金を渡してはいけませんし、更なる被害の拡大を防止と逃亡しないように予防する必要がありますから、警察への連絡と協力依頼を行っておきたいものです。
 今回の場合、幸い被害は予防出来そうな状況になりましたが、後手を踏むと証拠も残らないし証人もいないことになりかねません。犯罪行為の未然防止のため勇気を持って話したいものです。

【調査】
 和歌山市でビッグプロジェクトを行うための現地調査を行ってくれました。現地の歩行調査と写真とビデオ撮影、そして編集を行ってくれたので、依頼する先への説明ツールとして活用する予定です。
 誘致のための熱意と、休日にも関わらない行動で盛り上げてくれています。思いを持って撮影した写真は熱意を伝えるものですから、説明資料として上手く仕上げたいものです。
 歩いた数だけ成果につながっていきます。

【物足りない?】
 今年の冬は寒くて北海道や北陸などでは例年以上の雪が降り積もり、年度末まで後1ヶ月以上を残しているのに雪対策予算が底をついている状況となっています。それに対して和歌山市の気候は温暖で住み易い地域なのに、何かまちとして物足りないと聞きました。 それが何かが分からない人が多いのですが、物足りなさを感じているのは事実です。住んでいる人も分からないシーズ、または知られていない潜在的ニーズがあるようですから、それを表面化させることが解決に向けての第一歩です。
 高齢化への対応、教育問題、まちの活性化対策、就職先の確保、インフラ整備など考えられる要素はあるのですが、何が物足りないのか分析は出来ていません。今年は和歌山市長選挙ですから、候補者達は課題を浮き彫りにして解決手段を示してくれる筈です。夏休みに宿題があるのと同じように、首長の候補者はマニフェストを示すのが当然とされています。
 和歌山市の皆さんが感じている和歌山市の物足りなさに関しての疑問に回答してくれることを希望しています。

【紀州レンジャー登場】

(紀州レンジャー岩出町に登場)
 岩出町内で開催された住宅関連イベントに紀州レンジャーのウメレンジャー、ミカンレンジャー、タチレンジャーが登場、イベントを盛り上げました。実は紀州レンジャーの五人は、2月10日、テレビ東京のTVチャンピオンの番組収録のため西武ドームに出張して帰ったばかりでした。全国で活躍しているキャラクターが集まっての選手権では、持ち前の体型のため50m走競技で残念ながら敗退しました。3月には紀州レンジャーの活躍が放映されますのでご期待下さい。
2月11日(土) 「訪問活動」
【訪問活動】
 本日は皆さんとの懇談のための訪問活動の日としています。朝9時30分から夕方6時までの間、25人の方と懇談を行いました。
 Aさん。足が弱って来たと言いながら毎朝健康維持のために散歩を日課にしています。和歌山城の周囲や屋形方面を散策コースにしているように、発言とはうらはらに健脚を保っています。長年和歌山県の経済界の一翼を担った活動をしていた方ですから、経済人が支えてきた別の和歌山県の歴史についての話は興味深いものでした。
 今も教訓となるのは、人を大切にする気持ちを持つことです。ビジネスは数字で動きますが、機械が社会を動かしているのではないため、何事も決定するための不安定要素として人間関係が絡んできます。6人、人を介したら世界中の誰にでも会うことが出来ると聞いたことがありますが、和歌山県の経済史の中では人を知っていることで解決が早くなる場合もあったようです。
 お金が万能ではなく人との関係を重視してきた歴史には学ぶべきものがあります。最近は自分や企業行動の全てを数値で評価する傾向にありますが、数値で表現出来ない部分は確かにあります。気をつけておきたいことは、役職位とつきあうのではなく人としてつきあうことです。

 Tさん。写真で二科展に入賞するなど芸術活動に熱心です。写真の現像と焼付けを自分で行っていた若い頃には、将来、まさか二科展に入選出来るとは思ってもいなかったようです。長年に亘り撮影技術を磨いてきたことから現在があります。それでも毎年入選を目指すために安定した作品を残すことは大変なことだそうです。カメラもデジタルが主流ですが、作品の質に拘って今もポジフィルムを使用しています。ただ映像はパソコン処理していることから、デジタル写真にも対応させています。
 和歌山県が誇る世界的写真機企業のノーリツ鋼機がリストラを行うこと、和歌山でチェーン展開しているカメラの西本の店舗を縮小することは、写真愛好家にとって残念なことだと嘆いています。環境問題や社会貢献活動に熱心な企業には、継続的な発展をして地域社会を引っ張って欲しいものです。

 Mさん。年も新春の撮影で京都祇園と平安神宮に行ったそうです。今年も出展する作品を制作中です。気の会う仲間と一緒の写真撮影と健康管理のための温水プール通いが日課で溌剌とした毎日を過ごしています。

 Kさん。何時お伺いしても応接で応対してくれます。月に一度は遠出をして家庭の繁栄をお祈りしているようです。人生の辿ってきた歩みを話してくれましたが、その中から感じ取ったことは、その時々は大変な出来事だと悩んできたことが、過ぎてしまうと何でもなかったことが分かると言うものです。大きな事件や大きな壁にぶち当たっても、乗り越えてしまうとそれらの出来事も小さな山だったことが分かります。乗り越えられない事件には出会わないと思って、課題には挑戦する姿勢を保ちたいものです。

 昨年熊野古道ウォークに挑戦したUさん。至って元気ですが、子どもの事を心配しています。親は子どもが幾つになっても心配なものだと言います。子どもさんは、ダンボール会社で勤めていましたが、工場で作業中機械に手が挟まれ、右手の指を切断する大事故に遭遇しました。障害4級の認定を受け若干の障害者手当てを貰っていますが、それだけでは生活出来ませんし右手が不自由になったためパソコン操作も万全ではなく、仕事を探すのが難しいようです。政府や地方自治体は、簡単に障害者の自立を目指すと言いますが、現実に障害者の皆さんが置かれた環境をお聞きすると、問題は簡単なものではないことが分かります。
 困難に直面している皆さんにお会いすると出来ることが少なくて、厳しく苦しい思いになります。

【懇談】
 来年の卒業を控えた学生さんと懇談しました。教育学部に籍を置いていますが就職を前にして人生の選択を真剣に考えています。教師を目指すのか企業に就職するのか、岐路に立っています。より良い人生を迎えるために、業績だけで企業を判断するのではなく自分の感覚を大切にして進むべき方向を決定して欲しい、選択した道においては仕事を通じて自分を高め、その結果企業も発展するような動きをして欲しい、と思います。
 教育学部ですから教育実習や科目選択を通じて、人を大切にする気持ちが備わっています。人を導き育てることを考え、そのために相手の心理を知ることの出来る技能は、技術や数値だけの研究ではない強みですから、それを活かせる道に進んで欲しいものです。
 若い人が社会に一歩を踏み出す、その不安と期待の入り混じった季節に接すると、心から応援したくなります。自分の時も周囲の方の支えに包まれながら、社会への一歩を踏み出したんだろうなと思ってしまいます。今では若輩ながらも社会の先輩として後輩を迎え入れる立場になっていますから、出来る限りのアドバイスと支援をする覚悟です。
2月10日(金) 「高校入試」
【公園整備】
 和歌山市の公園整備についての打ち合わせを実施。市内のある公園は防災時に対応するためにトラックが乗り入れできるように改修工事を行なっています。この公園は地元の方にとっては犬の散歩コースになっていることから、公園にベンチを寄贈くれることになっています。
 数年かけて設置個数を増やしていく予定で、ベンチの仕様と設置場所などについて協議を行ないました。製作するベンチは二人か三人掛けのものとするため幅1,200cmまたは1,800cm、高さは70cmを基本としました。かなり広い公園のため当面台数には制限を加えないことにしました。
 この地域では地元の公園であるとこから夏場の草引きなどは地元で行ってくれています。必要な機材についても市役所に頼るのではなく、自分たちでベンチを製作して使いやすいものにしたいと思ってくれての行動です。
 使いやすく安全な公園は自分達で築き上げることを目的とした行動に対して、市役所も支援してくれることになりました。

【打ち合わせ】
 私の所属するライオンズクラブでは平成18年度の役員体制の見直しを図っています。ライオンズクラブでは、会員それぞれが責任を持つために毎年役員改選を行っています。本年度は広報・PR委員長を勤めさせていただきましたが、本日はクラブ会長から来年度は別の役への就任依頼を受けました。

【観光施策打ち合わせ】
 和歌山市の観光施策について簡単に打ち合わせを行ないました。南海電鉄和歌山市駅前には和歌山市観光案内所が設置されています。ここを訪れるお客さんは、和歌山城への行き方を尋ねる方が多いのです。資料を渡して道案内を行ないますが、和歌山市駅から和歌山城までの間の道路には観光案内版が設置されていないため、迷われる方も多いようです。駅から城ので、距離的には三箇所に案内板を設置すれば初めて和歌山市を訪れてくれた方でも和歌山城に辿り着けると思うのですが、設置に関しては財政的な問題もあり中々実現しないようです。
 和歌山城を中心とした観光施策を行なうのであれば、県外観光客からの視点を取り入れていきたいものです。
 また紀州子ども語り部研修会に参加しているある中学三年生の女の子は今年高校受験です。市内の公立高校を受験する予定ですが、この高校では筆記テストの他に面接で、自分が思っていることや活動していることに関して面接官の前でプレゼンテーションが課題となっています。
 この生徒は、紀州子ども語り部研修会に参加して和歌山市と和歌山城のことを学んでいることをプレゼンのテーマとして取り上げることを決意し発表内容をまとめてくれています。和歌山市の歴史を学んでいることに誇りと自負心を持ってくれての行動です。彼女は、2月25日の紀州子ども語り部コンテストにおいて、高校入試のためにまとめた内容を発表してくれる予定にしてくれています。高校入試は2月27日だと聞いていますから直前なのですが、コンテストにも参加してくれプレゼン予行演習のつもりでレベルの高い発表をしてくれるようです。
 高校入試の直前に開催する紀州子ども語り部コンテストに、目的意識を持って参加してくれる生徒がいることには感動しています。「もうコンテストで研修会は終わりですか」との問い合わせもありますから、実施してきて良かったと思います。
 継続した取り組みを行ないたいと話し合いました。
2月 9日(木) 「紀州子ども語り部コンテスト」
【紀州子ども語り部コンテスト】
 平成18年2月25日に開催する、紀州子ども語り部コンテストの打ち合わせを行いました。紀州子ども語り部育成事業の総仕上げとしてコンテストを行いますから、準備は念入りに行っています。
 座学と現地実習を合わせた研修の中から、参加者の子ども達にテーマを決めてもらって各自発表してもらうことにしています。コンテストと言っても気軽に参加してもらえる内容にしています。実施概要は次の通りですので、和歌山市の歴史に関心のある方は是非ともご参加いただけると幸いです。

<紀州子ども語り部コンテスト開催のご案内について>
 紀州子ども語り部養成講座にご参加していただいている皆さま方には、いつもお世話になりましてありがとうございます。4回に亘って開講してきました紀州子ども語り部養成講座は如何でしたでしょうか。本講座を通じて、私達が暮らしている和歌山市と和歌山城の文化と歴史の一端を知ることが出来たのではないかと思っています。

 さて、「紀州子ども語り部養成講座」を受講していただいた成果を発表する機会として紀州子ども語り部コンテストを下記のとおり開講させていただきます。
 コンテストと言っても成績を競い合うものではありません。皆さんの学習の成果をより深めていただくために楽しく発表しあう場にしたいと思っています。
 各種表彰と参加賞をご用意していますので、最後の講座となるコンテストに参加していただきますようご案内させていただきます。皆さんのご参加を心からお待ちしています。

○コンテスト案内
1. 日時 平成18年2月25日 土曜日 10時から12時まで。受付は9時30分から。
2. 場所 和歌山東急インホテル2階
9時30分からホテル2階で受付開始。
10時までにコンテスト会場にお集まりいただきますようお願いいたします。
3. 内容 発表は一人3分以内です。発表の方法は自由です。
これまで学習した内容の中から特に印象に残った部分を抜き出しまとめるなどして発表をお願いします。事前に発表内容を原稿でまとめてもらったものを読んでいただいても結構です。講座で配布したテキストを活用してもらっても、それ以外の各種資料を用意してもらっても結構です。決して難しいものではありませんから気軽に参加して下さい。 
 なお、コンテストでは最優秀賞1名、優秀賞3名、準優秀賞3名を表彰、また参加者全員に修了証授与を行います。

【打ち合わせ】
 効率的なごみ収集場所についての話し合い、及び市政に関する提言方法について要望を確認しました。和歌山市政に関して提言する場はいくつかありますが、有効に活用されていないというものです。意見は聞くだけで返答はないばかりか改善もされた気配がないこと。議事録も回覧されないことから議事録の存在すら分からないこと。委員会に出席する委員よりも職員さんの出席者の方が多いことから発言しにくいこと。市役所側委員以外に出席している職員さんの発言の場面はないのですから、座っているだけでは時間が勿体ないことの指摘がありました。
 また男女共生委員会などは昨年1回開催されただけなので、委員会を設置する意味はないとの意見もありました。

【絵画お礼】
 小学生の平和ポスターコンテストに出展してもらった残りの小学校を訪問、お礼を述べてきました。今年も開催するので引き続いてたくさんの応募をお願いいたします。

【盲ろうについて】
 和歌山市には盲ろうを支援している会があります。盲ろう者を支援している任意の会ですが、盲ろう者とは目と耳が不自由な方のことを言いますが、和歌山市において支援活動の認知度は低いものがあります。
 厳しい環境の中で活動していますが、和歌山市に活動支援の要望を行っても返答がないなど支援体制が弱いので、盲ろう者を支援している会では、会をNPO法人化することで活動に弾みをつけ行政との協調を図りたいとしています。和歌山県NPOセンターで話を伺い定款作成などに取り掛かることにしました。

 さて盲ろう者を支援している会では、和歌山市長宛てに平成17年9月8日に要望書を提出しています。それに対して市長からは本日現在、何の返答もないところです。
 要望内容は次の通りです。

1.  盲ろう者向け通訳等の派遣事業を行って欲しいと言うものです。関西の地方自治体として盲ろう者向け通訳等の派遣事業を行っていないのは和歌山県と奈良県だけです。県では平成19年4月から事業を開始する予定だと聞いていますが、取り組みとしては遅れています。中核市である和歌山市でも事業を開始して欲しいところですがその気配はありません。
 事業を行っている府県の財政負担は国が二分の一、県が二分の一の割合です。仮に市が実施する場合は国が二分の一、県と市がそれぞれ四分の一負担となります。通常盲ろう者が外出する場合、24時間通訳と介助者が付き添う必要があります。
 会が行った和歌山市に対する事業化実現に向けた話し合いの結果では、仮に実施するとしても和歌山市内で外出する場合だけ通訳と介助者を認めると言うもので、市の外に行く場合は認めないとしています。著しく盲ろう者の移動の自由を損なう考え方です。 
2. 盲ろう者向け通訳、介助者養成、研修事業を実施して欲しいと言うものです。和歌山県では平成16年度に初めて予算化を行い実施しています。予算は30万円でしたが、平成17年度になると20%カットの24万円の事業となっています。本格的に通訳と介助者を育成するためには予算が不足しています。講師費用と交通費だけで予算はなくなっているのが現状です。
3. 地方自治体が実施していない市の盲ろう者向け通訳等派遣事業においては、支援団体がサービスを受けられるチケットを発行しているので、盲ろう者はチケットの範囲でサービスを受けています。和歌山市の場合、盲ろう者に配布されるチケットは1年で240枚、1枚で1時間のサービスを受けられることから、年間240時間、通訳と介助者に付き添ってもらって外出が可能となっています。参考までに大阪府では年間900時間のサービスが受けられるようになっています。

 和歌山県で適用される年間240時間の数値は、一ヶ月当たりでは20時間、一週間では5時間となります。盲ろう者の場合、外出するだけでも大変ですから1時間の外出だと買い物にも行けない程です。しかも240時間には買い物や散髪、病院に行く場合も含まれていますから、旅行など娯楽目的でチケットを活用する訳にはいかないのです。身体の安全や命に関わるなど万が一の場合に備えてチケットを残しておく必要があり、盲ろう者はチケットの残枚数が少なくなると不安で一杯になるそうです。
 繰り返しますが通訳と介助者に付き添ってもらわないと、盲ろう者一人での外出は難しいのです。チケットがないと付き添ってもらえない現実がありますから、盲ろう者が文化的な生活や社会生活をするには困難が付きまとっています。

 盲ろう者を支援する会では殆どボランティアに近い形で支援していますが、支援者の皆さん仕事も家庭もあることから多くの時間を割くわけにはいきません。通訳や介助に関わった場合、1時間でチケット1枚受領しますが、チケット1枚は支援団体から750円で換金されている程度です。自身が生活をしている中で盲ろう者支援に1時間費やして750円では、支援の輪が拡がらないのです。若い人が参加しようとしても参加できないのは経済的問題があります。
 しかも盲ろう者支援は精神的にも体力的にも大変きついそうです。2時間から3時間付き添いをするだけでぐったりし、頭の中が空っぽになるそうです。付き添い支援はそれ程の重労働です。
 チケット1枚の換金率は、平成16年度と平成17年9月までは1,670円だったのですが、平成17年10月以降、750円に引き下げられたのです。これは支援団体の財政難からくるものです。
 盲ろう者支援のための課題は有り過ぎるほどです。和歌山県の場合、地方自治体で事業化されていないこと。人材難なのに人材育成体制がないこと。そして業として成り立たないことなどです。
 最低限、和歌山市長に要望書を提出している項目ついては責任を持った回答を求めていきます。

【通夜式】
 夜は通夜式に出席しました。お亡くなりになった方は101歳。長きに亘って後輩を導いていただきありがとうございました。
2月 8日(水) 「雅楽」
【打ち合わせ】
 最近の地域動向について打ち合わせを実施。経済状況が改善されていないと言われている和歌山市ですが、民間需要が増している状況も見受けられます。一部では活発な土地取引もあるため、今後に期待出来そうです。
 引き続いて和歌山市の文化活動についての打ち合わせ。和歌山市で活動することに関して特有の難しさについて話し合いました。文化的な活動が拡大しない本質的理由があるようで、幾つかの事例を考えて共通する事項を推定しました。ただ解決はとても難しい性質のものですから、私達ではどうしようもないところでもあります。ただただ困惑。

【雅楽】
 日本の伝統的演奏の形態に雅楽があります。私は1999年に開催されたジャパンエキスポ南紀熊野体験博の田辺新庄会場で演奏を聴いたことがありますから、音色も演奏形態もある程度のイメージが持てるのですが、一般的には馴染みのない音楽かも知れません。
 雅楽の始まりは西暦600年頃の飛鳥時代です。現代の中国から伝わった楽器類を組み合わせて演奏を行い、約300年の時間をかけて日本独自の演奏形態として雅楽が完成しました。日本的なオーケストラとも言える雅楽は、楽器のルーツは中国からだとしても日本人に適した楽器だけを選択し組み合わせた楽団のようなもので、悠に1000年以上の歴史を持つ日本独自の演奏です。

 世界を見渡しても1000年の歴史を持つ演奏はありませんから日本が誇るべき文化です。
 平安時代に完成した雅楽は公家や平安貴族を中心に発展してきました。当時公家としての必須科目でもあったようです。公家として雅楽を通じて文化的素養を持つことが求められたとも聞きます。
 和歌山の雅楽の歴史は、雅楽の歴史と比較すると浅くて、昭和28年頃雅楽愛好会としての集まりが最初です。昭和32年、戦災で焼け落ちた和歌山城を復興した際の起工式、落成式での演奏を行ったのが最初です。以降、ジャパンエキスポ世界リゾート博、ジャパンエキスポ南紀熊野体験博、和歌山県民文化祭、和歌山市民まつりなどの各種イベント、小・中学校での演奏会を活動の場としてきました。最近は文化庁からの委嘱事業として「こども教室」授業も開催しています。

 平成18年は、和歌山で雅楽演奏会を行ってから50周年の節目の年です。第26回和歌山市民まつりの和歌山雅楽会定期演奏会は50周年を記念する演奏会で、平成18年3月12日に、和歌山市民会館で開催されます。当時のメンバーとその子孫が同じ舞台に立つことに歴史の重みを感じます。
 特別ゲストとして元宮内庁主席楽長の日本芸術院会員の東儀俊美さんが出演、演奏してくれることになっています。和歌山市で氏の演奏を聴く機会は最初で最後になるかも知れない程です。
 地域活動から和歌山市の文化向上のために、和歌山雅楽会は尽くすために活動をしています。和歌山で雅楽をすることに意味はあります。京都の公家で始まり伝統を保ってきた雅楽ですが、江戸時代になると紀州徳川家と公家の関係があったことから、和歌山市でそして和歌山城で演奏を行うことは歴史的にも自然です。

 和歌山城内に御橋廊下が完成間近ですが、その竣工式には雅楽が良く似合います。昭和32年の和歌山城の起工式と落成式で演奏を行った歴史がありますから、その子孫による和歌山城内、御橋廊下での演奏会は是非とも実施して欲しい組み合わせです。
 和歌山雅楽会会長との約1時間30分の懇談では雅楽の歴史を学び、和歌山市との関わりを知る貴重な機会となりました。明日の小学校校長会でも、雅楽について話をする予定だと聞いています。小学校6年生の教科書にも日本の伝統的音楽として雅楽が紹介されています。ところが小学生は音を聞いたこともない、楽器を見たこともないのが実態です。実際を知らないで学習しても身に付かないものです。日本の伝統を伝えるためにも和歌山市で活動している伝統的音楽である雅楽にも関心を持って欲しいと願っています。

【平和ポスター】
 小学校の生徒に協力して描いてもらった平和ポスターの入選作品の展示が終わったので、作品の返却とお礼のため協力してくれた市内の小学校を訪問しました。約200点の絵画を描いてくれた生徒の皆さん、本当にありがとうございました。平成18年も継続しますから、今年の応募も待っています。

【打ち合わせ】
 道路の安全確保問題について、その道路がある地元自治会長と道路沿いの土地を所有している企業と一緒に対応策を協議しました。安全な道路にするために提案させてもらった解決策について、基本的には協力体制を敷き取り組むことになりそうです。検討されたのは、土地価格と将来この企業所有地を活用する場合に障害にならないかについてです。一度企業で提案内容を預かってもらって返答をいただくことになりました。

【式典】
 昼間は告別式、夜は通夜式に参列させていただきました。一日にお二方を送り出すのは何とも言えない気持ちです。生について考えさせられると同時に、限られた人生において批判や中傷を気にしている時間はないことに気づきました。それを気にしていては気持ちにブレーキがかかります。ブレーキをかけるのは間接的にはそれらの言葉かも知れませんが、直接的には自分がブレーキをかけているのです。気持ちも持ち方で人の行動は変わりますから、自分で気をつけたいものです。
2月 7日(火) 「養老先生と茂木先生」
 養老孟司先生と茂木健一郎先生のお話を伺う機会を得ました。養老先生のお話は何度聞いても新しい発見があります。

【養老先生】
 人の考えは概念と感覚で構成されています。概念とは同じことを意味し、感覚とは違うものを意味し、現代社会では概念の世界が膨らみつつあります。概念とは同一化を表すもので人間独自の考え方です。
 例えばリンゴというと私達は疑いもなく食べることの出来る赤いリンゴを思い浮かべます。これは概念です。実はリンゴを言葉のリンゴだと一括りにしていますが、自然界にあるリンゴは形も味も重さも全て違うものですから、実は同じものではありません。仮にリンゴに個性を持たせると、これはリンゴA、あれはリンゴBと言葉を使い分ける必要が生じるため人は共通で認識出来なくなります。

 英語でThe appleとなると、個性のある特定のリンゴを表しますが、a appleではリンゴ全般を表します。概念で捉えるとリンゴですが、感覚で捉えると特定のリンゴを指すことになります。このように概念で考えるのと感覚で考えるのでは、ものの見方が大きく異なります。言葉は人が共通認識をするための手段ですから、見たところ同じ種類のものを同一化させます。現代社会では様々なものが同一化する傾向にあり、その結果人も同一化しています。

 人を同一化させているものは情報です。情報とは既に過去のもので結果が出ている確実なものを示しています。言い換えると同じもの、変わらないもの、動かないものを情報と呼びます。
 情報の宝庫はニュースですが、ニュースとは過去のある時点の状態を報道しているものです。未だ到達していない未来の映像をマスコミが流せるものではありませんから、ニュースは済んだことであり、過去の一部分に過ぎないのです。
 一般的に情報通とは時代を先取りしていて未来を読める人のように思われていますが、実は全く違います。情報とは過去のもので確実なものですから、情報を見ている人は後ろ向きに歩いているようなものです。後ろを見て歩くと前を見通すことが出来ません。情報を頼りにして自分で考えないで仕事をしている人は、未来を見ることは出来ないのです。

 情報化社会において私達は後ろを見ながら歩く習性が身についています。
 情報は人の意識で扱えるものですが人にとっては一部です。そして概念とは便利なものですが、それだけでは生き甲斐になりません。本当は感覚が先にあり概念がついていく形になるべきです。
 それに対して人間は変わるものですから情報ではありません。昨日の私を見ることは出来ませんし、10年前と今日の私は全く別物です。記憶の連続性があるから人は変わらないと思い勝ちですが、人は経験を積んで脳は変わっていますから実は記憶も変わっています。
 感覚には二つあり、季節や花や風を感じるような外の感覚、自分の体を感じる内の感覚があります。概念ではなく感覚を大切にした生き方をしたいものです。
 社会では多様性が必要です。同質のものがどれだけ集まっても社会を支えられません。
 多様性のある集まりや考え方はピラミッドですから底辺が広く、頂点にある人や結論を支えることが出来ます。
 対して同一化の考え方では、鉄のパイプで人や結論を支えているようなもので、直ぐに倒されてしまう程度のものです。
 情報のネットワークでつながることは力にもなりますが、人が同一化することで支えられなくなります。
 社会において規則を強化すると、人は従うだけで考えなくなるため世の中は良くなりません。それに対して規則を緩めると自分の論理で行動することになり考える力がつきます。
 どこに重点を置くかによって人の考えや行動も変わるのです。

【茂木先生】
 最初のペンギン(The first penguin)という言葉があります。最初に海に飛び込むのは危険があるため、最初のペンギンが飛び込んで安全であることを確認してから残りのペンギンは海に飛び込みます。このように最初に何か行動を起こすためには動機が必要です。
 人生においては確実なものはありませんから、人は情報だけで最初のペンギンにはなりません。判断する動機になるのは感情です。かつて感情は理性の次に来る低俗なものと考えられていましたが、現在では最も高度なものと考えられています。
 適切な文脈で提示された不確実性はそれ自体が脳にとっての報酬になり得るため、その報酬を自分で得るため行動を起こす契機となります。
 
 そして人は関連性の数だけ異なる自分を引き出すことが出来ます。英語の単語にSerendipity(セレンディピティ)という言葉があります。1754年にイギリス首相の息子のHorace Walpleが考案した造語で、偶然幸運に出会う能力と訳せます。あるものや人に出会い引き出される能力のこと、つまり多様性を持つことが必要な人に出会うことにつながり、それが他人を活かすと同時に自分のためにもなると言うものです。人はどこで誰に出会うか分からないのですが、多様性のある人は幸運に巡り合うことが出来ます。
 気をつけなくてはならないことは、グローバル化という言葉に追従していると多様性を失うことになります。グローバル化とはハリウッド映画を観てマクドナルドを食べる生活に代表されるもので、その生活の中では人は同一化されていきます。グローバルと言って何事も一括りにしては駄目で、グローバル化と言っても所詮はコンテンツの一つにすぎないのです。
 多様化、つまり容量が多いことは無駄が多いのですが、無駄とは余力があり楽しめる余地があるものです。同一化するのではなく多様化を目指して感覚を磨くことが大切です。

【その他】
 小学生の絵画コンテストが終了したので作品と参加賞の返却の準備を行いました。先般現場調査した道路の安全性についてその対策を講じることが可能となったため、今後の進め方について打ち合わせを行いました。夜は通夜式のお手伝いをさせていただきました。
2月 6日(月) 「障害者問題意見交換」
【障害者問題意見交換】
 障害者問題に関する意見交換を行いました。障害者の子どもを抱える保護者との懇談でのご苦労話は心が痛むものでした。障害者の方への支援施策は平成15年度から始まっているように第一歩を記していますが、自立支援を前提とした考え方だけでは捉えきれない問題があります。
 同じ障害一級の認定を受けていても障害は100人100様ですから、支援方策は微妙に異なります。厳しい状況に置かれている方になる程きめ細かく、より繊細に段階を設定して個別具体的な支援が出来るようにして欲しいと心から思いました。

 全身麻痺の場合、自立したくても、どれだけリハビリをしても、自立するまでには至らない場合があります。本人も甘えていないし自立を望んでいるのですが、身体的問題では乗り越えられないこともあります。凄まじい精神力で自立のために頑張っても、頑張っても、そして涙を流してもどうしようもないことが現実問題として存在しています。
 本人を支える保護者のご苦労も大変なものです。全ては記すことは出来ませんが、昼夜休まることのない状態でも愛する子どもが人間らしく生きられるために全力で生きています。

 自立支援法の主旨は障害者が自立するためにリハビリ、就労のための技術習得のために要する費用などを支援することにあります。決して障害者のお世話の一部をヘルパーにお任せすることにより、保護者の就労を軽減することを目的にしたものではないことは理解しています。ただ結果として自立支援のためにヘルパーに付き添ってもらうことが保護者の就労支援になる場合も出てきます。それは当然と言えば当然で、障害者の生活が少しでも助かれば、保護者も助かることになるからです。
 それをもって保護者の就労を軽減するための施策ではないので、支援が手厚すぎるとするのは人間的には冷酷です。それ程、障害者とその保護者は人間として当たり前の幸せを得るために、自分自身と傷障害とそして世間と戦っています。

 過酷なまでの運命と戦う姿に触れると涙せずにはいられません。障害者の問題は予算や障害の程度を評価する点数では論じられないのです。
 勿論、行政施策ですから支援するためには一定のグループ分けが必要で、そのグループに応じた支援方策を講じたり支援費の支出をすることが迅速にかつ公平に支援することにつながることも理解しています。行政機関が個別に応対することは難しいですし、基準を設けないで行政機関の主観だけに任せると、不公平感や恣意的要素が生じる危険性がありますから避けるのが行政としてのあり方です。
 それでも本当に困っている方の事情に接すると、行政施策がこれで良いのか分からなくなってきます。効率的な支援方策と人間的な支援の間には壁がありますが、なるべく壁を薄くする方法がないものでしょうか。
 障害の程度が重くなる程、きめ細かい支援施策が必要ですから、例えば現在決められている障害一級の範囲を細分化することも手段です。障害一級を一級A、一級B、一級C、一級Dなど細分化することにより個別具体的対応が可能となります。
 仮に話せない、自分で食事が出来ない、排便が出来ない障害の場合、24時間付き添う必要があります。寝ている間もです。私達は、障害者が寝ている間は保護者も休息出来ていると思っていますが実態はそうではありません。同じ姿勢で寝たままにしていると、背中がかぶれたり擦れたりしますから体を痛めてしまいます。障害者が話せなかったら、寝ている姿勢が苦しくても痛くても、隣にいる保護者にそれを伝えることが出来ません。そのため保護者は2時間おき位に体勢を変えてあげています。就寝から起床までの間、熟睡することが出来ないのです。保護者も夜も昼も24時間戦っているのです。
 行政機関が障害者を支援するためには一定の枠組みが必要なのは分かりますが、その中にも人間的観点から支援出来る要素を付加して欲しいものです。

 簡単なところからでも改善できる余地があります。例えば、和歌山市固有の障害者支援方策としてバス乗車券、入浴券、タクシー乗車券を交付する事業があります。年度毎に申請者に対して三種類をセットにして交付しています。自分だけで入浴できない人は入浴券を交付してもらっても活用できないのです。車椅子使用の場合バス券を利用出来ない場合もあります。ですから一律の交付ではなく、障害者の希望を聞いてタクシー券だけを交付するなどしなやかな対応が出来る筈です。
 一人当たりの交付予算が決まっているのですから、三種類交付の場合の総額を限度額として一種類の券だけを交付出来るような制度変更も可能ではないでしょうか。
 本日の懇談内容を通して、この件に関して提言いてします。

【会合】
 新しくNPO法人を立ち上げた代表者と会員の方と懇談しました。和歌山に文化の香りを漂わせたいと芸術の分野に関わる活動を予定しています。NPO法人設立前の昨年から、中学・高校生を対象にした演劇ワークショップなどを開催している実績を有しています。仕事を通じて培った技術を若い人達に伝えたいと願って、既に幾つか活動のアイデアを持っていて実現に向けて取り組んでいます。
 今後の活動で連携を図っていきたいと考えています。

【公園問題】
 公的公園の問題について、ベンチ寄贈を申し入れてくれる企業家の方と協議を行いました。いつも使用させてもらっている公園にベンチを製作して設置させてもらうことが、市民として出来ることだとの思いから提言してくれているものです。
 公園を使いっぱなしにするのではなく、整備や清掃など出来るところは地元で行うことが行政と市民の協調だと話してくれました。
 全ての管理を行政任せにするのではなく、例えば公園に設置されている非常用受水槽の使用方法など地元にも教えてくれるだけで、緊急時には行政機関に連絡しなくても地元で初期作動が可能になります。
 公園の整備はハードだけではなく、防災防犯対策を前提としたソフトを市民と共有することが大切です。

【その他】
 ゴミ収集問題、光ファイバーに関して、和歌山北インターチェンジについて、道路の危険箇所改修の問題について、紀州子ども語り部コンテストについて、それぞれ協議を行いました。
2月 5日(日) 「初春お弾き初め」
【初春お弾き初め】
 栄七珠の会初春お弾き初めに出席いたしました。これは毎年開催している長唄と三味線の弾き初めを聴く会合です。
 番組は「松の緑」「八島落官女」「岸の柳」「操三番漕」「ことぶき」「黒髪」「六段」で、総勢10名の華やかな演奏会となりました。予定人数よりも参加者が多くなったため大きな会場に移し、弾き初めに続いての懇親会でも楽しみました。
 和歌山県に和楽文化を楽しむ気風を定着させるために、この会では様々な活動を行っています。

(初春お弾き初め)
 和歌山県に和楽文化を楽しむ気風を定着させるために、この会では様々な活動を行っています。演奏会の他、高齢者施設や障害者施設への慰問活動、小学生への普及活動、そして平成17年からは和歌祭とも協調した演奏活動を行っています。

 名古屋からやってきた先生に聞くと残念なことが一点ありました。それは財界人に和楽が広まっていないことです。名古屋では財界人が参加している和楽の会があり、企業活動に加えて文化的活動にも参画することが財界人としてのステイタスとされているようです。
 企業の使命は直接的には利益をあげることですから、トップは経営感覚を持つことは当然ですがそれだけでは尊敬されません。企業としての営利活動と素養としての文化活動を両立させる企業が地域の人から尊敬を集められるのです。
 和歌山では私が知らないだけかもしれませんが、和楽を楽しむ会合は無いかも知れません。他府県から音楽活動に訪れてくれる方が、和歌山県の文化は素晴らしいと思ってくれるような地域になって欲しいと願っています。
 次回の栄七珠の会の長唄演奏会は平成18年6月18日、場所は和歌浦アートキューブを予定しています。また5月14日の和歌祭でも演奏を行う予定ですから、和楽に関心のある皆さんの参加をお待ちしています。

【ピアノ演奏会】

(子ども作曲のピアノ演奏会)
 子ども達によるピアノとエレクトーンの演奏会がありました。この演奏会の特長は、演奏する子ども達が自分で演奏曲を作曲、また歌詞があるものについては作詞して披露するところにあります。
 音楽を習うだけではなく子どもの頃から主体的に楽しむことを目的にしているもので、自分の曲を演奏している姿は自信に溢れていました。
 小学生の部門では、夏休みに海に潜った経験を基にして作った曲では情景が浮かんできました。
初めて海に潜った時の気持ち、熱帯魚と戯れている瞬間、海中での不安感、そして熱帯魚との別れなど、パート毎にテーマがあり上手く表現されていました。また子犬と遊ぶことの楽しさの後に、遊び疲れた瞬間までを表現した曲もあり楽しませてくれました。
 中学生になるとオリジナルのジャズや好きなポップスをアレンジした演奏曲も登場し、そのレベルの高さには驚きました。
 演奏は21の個人とグループで会場は満員となりました。子ども時代にオリジナルの曲を作り演奏できる体験は貴重なものに違いありません。ここから全国に飛び出す音楽家が誕生するかも知れませんし、例え音楽家にならなくても感性と自信を持つことが出来たことは大きな財産になります。作曲をする体験は誰もが出来るものではありませんし、生涯作曲する経験をしない大人の方が多いような気がします。だから自信を持って、今日のドキドキ体験と気持ちを忘れずに頑張れ、和歌山の子ども達。
2月 4日(土) 「お悔やみ」
 地域活性化と音楽を愛して意欲的に活動している方の母親が亡くなったためお悔やみに伺いました。仏壇に飾られている亡くなった母親の写真の顔が若くて普段とは印象が違ったので「お若いですね」と話しかけました。
 その写真は61歳の時の写真であると話してくれました。この世を去った年齢は73歳ですから今から12年前の写真ですが、それには理由があるのです。この母親が61歳の時、体の調子が悪くて病院に行くと癌だと宣告されたそうです。死ぬ時期が近いことを感じた母親は、その時に備えてきれいな姿の写真を撮影しておいたのです。
 覚悟を決めた時の表情が表現された写真の姿はとてもきれいなものでした。それから12年間、毎日癌と戦ってきたのです。恐怖と不安との戦いの日々のつらさは本人でないと想像出来るものではありませんが、とても強い精神力の持ち主だったのでしょう。癌と戦うには覚悟を決め、生きるという強い精神力が必要です。

 12年間の長期に亘っての戦いにおいて弱音を吐いたことがないと言います。最後の時が決まっていても家事や農作業を普段通りに行う生活だったようです。
 本人もそうですが家族も、思い切り生きた姿と接しているので悔いはないと言い切りますから素晴らしい人生だったことが伺えます。癌を宣告されても普段と変わりなく家族と接する、そして前向きに生きるのは簡単なことではありませんが、それを成し遂げた本人、見守った家族の絆の深さが思われます。
 実はこの方の母親が亡くなったのは夜ですが、その当日の午後1時30分から約1時間、私達はこれから活動について懇談していたのです。母親が危篤で病院に運ばれたので、病院から打ち合わせのために戻ってきてくれたのです。そんな時に打ち合わせをしなくても良いのでまた後日にしましょうと話したのですが「大丈夫ですから」と答えてくれました。

 その理由は、母親とはしっかりと向き合ってきたし出来る全てのことは行って来たので大丈夫。そして当日、意識がなくなった母親と約束してきたと言うのです。それは「約束している打ち合わせに出掛けるけれど、夕方には戻ってくるのでそれ迄は頑張って欲しい」という約束です。
 その時もいつものように打ち合わせを行った後、彼女は家に帰り支度をしてから病院に向かいました。病院に到着して母親と顔を合わせた後、5分後に息を引き取りました。それは意識のない母親が娘との約束を果たすまで待ってくれていたのです。意識のなくなった母親ですが心では分かってくれていたのです。
 実はその日の打ち合わせは、彼女が音楽活動とセラピー活動をするために建設した施設を活かして、今後の活動をどう展開していくかについて話し合ったものでした。彼女の母親は娘の計画の最大の支援者であり、活動のための施設建設を応援してくれていたのです。彼女は平成18年夏前には母親の死期が近いことを悟り、同年8月に活動の舞台となる施設の建設に着手しました。十分な計画ではなかったけれども、母親に完成した建物を見せたいから見切り発車させたのです。平成17年12月に建物は完成、現在もここを拠点に活動を行っていますが、3月からは更に活動の領域を拡大したいとしています。

 彼女の母親は、限りある自分の人生だから後悔のしないように、自分の思う通りに自由に活動することを自らの行き方を通じて教えてくれていたようです。やがて誰にでも訪れる最後の瞬間まで、自分が主体となって生き抜きたいものです。他人のための人生ではなく自分のための人生ですから、自分で考えて行動する責任があります。責任を放棄した人生は不平と不満の残るものになります。
 ビジネスやお金儲けは失敗しても再度挑戦権は与えられますが、生き方を間違えても挑戦権は与えられません。誰もが二度の生命を与えられることはありません。
 確実に期限がありますが、私達に与えられた最大の贈り物は生命です。期限が到来するまで全力で生きることが、生命の贈り主に対する責務でもあります。

【ボランティア】
 デイサービス施設でお花を教えるボランティアに行く方から話しをいただきました。月に二回教えに行くのが今から楽しみだと言います。教える方も教えられる方も生き甲斐を持てる活動が近くで行われることは嬉しい出来事です。
2月 3日(金) 「公園に関する打ち合わせ」
【観光施策】
 和歌山県が誇る世界文化遺産の熊野古道を広報するため、ブックカバーの内側に熊野古道の写真を掲載するための打ち合わせを実施。観光連盟からはワイドに拡がる写真を選択してくれることになりました。

【公園に関する打ち合わせ】
 和歌山県が管理している公園に休息用のベンチを設置したいと申し入れをしてくれている企業家がいます。この方は犬を飼っているため、この県の公園を散歩コースにしています。
 多くの皆さんが公園で犬の散歩を行っているのですが、この公園はかなり広くて休憩場所がないのです。そこでこの企業家は、高齢者の方々が途中で休憩出来るようにベンチを寄贈したいと思ったのです。毎年1つか2つベンチを製作して公園に順次設置すると数年後には快適な公園になると考えてくれています。
 この好意に関して平成17年に行政機関に検討依頼をしていたのですが検討に要する時間が長期に亘っているため、必要なのかそうでないのか行政機関の意向を確かめました。この申し入れに関しては行政機関の負担は基本的にないと思っての提案です。
企業家がベンチを製作してくれる。
製作したベンチを公園まで運搬してくれる。
毎年1つか2つ制作して10年後には公園の各所にベンチが設置されるので快適な公園になる。これは犬の散歩に訪れる方だけが快適になるのではなく、公園を利用する誰もが快く利用できるものです。 
将来的に老朽化したベンチは新しいものに取り替えてくれる。
行政機関の費用負担はありません。

 これに対して私から行政機関に申し入れていたのは次のとおりです。
寄贈の申し入れを受けてくれるのか。
設置場所の設定と図面に落とし込んでくれるよう依頼。
ベンチのサイズや色など仕様があれば示して欲しい。
ベンチの材質について基準があれば示して欲しい。
安全対策など講じるべきものがあれば示して欲しい。
設置時期について協議を行いたい。
総量規制は設けるのか。また最終的なベンチの設置個数について競技をしたい。

 行政機関が公園にベンチの設置を望んでいるのであれば難しくない問題ばかりです。ところが平成18年に年が変わっても返答が無いので、一体どうなっているのか不信感が増してきました。難しい課題ではなく、しかも公園を利用する皆さんにとって有益な提案であるのに長期間に亘り何を検討しているのか分からないからです。
 必要ないのであればその回答でも良いのですから、行政機関の意思について最終的に確認するつもりで協議しました。
 結果、提案は非常にありがたいもので喜んで貰い受けたいとするものでした。行政機関としての意思決定は昨年の内に出来ていた様子でしたが、行政機関の部門間の意思疎通が図れていないことから、こちらに全く伝わっていないことが問題であると判明しました。
 経緯を記すと長くなりますから省略しますが、部門をまたがる問題については責任分担が不明確になり責任を持って検討し回答する人が複数になるため、責任箇所が不明確なります。また組織内部の仕事を優先することで、回答期限が区切られていない外部からの提案は後回しにされる傾向があるようです。
 関係者に集まってもらって全員で話し合いをすることで問題は一気に解決しました。何で検討に長期間要していたのか不思議な思いもありますが、来週月曜日、行政機関の役職者の方と一緒にベンチ制作を申し入れてくれている企業家を訪問することを決定し、協議を行うことにしています。

【話し合い】
 和歌山県が制作することが決定している映画についての懇談を行いました。映画の舞台は和歌山県田辺市で、これを契機に県観光連盟内にフィルムコミッションが設置されることになりました。
 この映画制作の最大の利点はテアトル系列で上映が決定していることです。各地で映画を制作している団体は私達が思っている以上に多いのですが、制作した映画を配給元に持ち込んでも大半は採用されていないのが現状です。配給元はビジネスですから、地域振興の目的で制作したレベルの映画は採用することはないとシビアな見解を示してくれました。
 かつて和歌山県内の自治体が、地域振興の目的で自主的に制作した映画をテアトルに持ち込んだことがあったようですが採用されていません。ビジネスの世界ではプロの仕事だと認めてくれた場合に採用されることになります。

【勉強会】
 財政問題勉強会に参加、財政の方と懇談を行いました。財政部は例年11月から1月まで部の部屋とは別の場所に移動して財政編成作業に取り組んでいます。予算方針、各部との調整、査定など三ヶ月に亘る作業の末、新年度の財政が決定されています。
 次年度の予算案は自信のあるものに仕上がっていると意欲を見せてくれました。
2月 2日(木) 「バイオ講演会」
【打ち合わせ】
 和歌山大学で打ち合わせを行いました。5月に和歌山市内で開催予定の大学の研究発表会に伴う企画と事前準備に関する話し合いです。大学で何を研究しているのか、どんな先生がいるのかを知ってもらうためにも大切な取り組みです。

【会合】
 先日、私のホームページを見てくれた方から連絡をいただき、午後から意見交換を行いました。連絡をいただいたのは団塊の世代で定年まで後数年の方です。団塊の世代の社会における受け入れ先を行政が整えておかないと大変なことになると言うものです。行政の責任として社会の受け入れ体制を整えておく地方自治体とそうでないところでは大変な差が発生します。
 現在の60歳はまだまだ経験と知識を活かせる年代です。定年と同時に社会で存在場所がなくなるのは地域社会の損失でもあります。再度、あるいは継続した活動の場所を提供することが地域の活力を保つことになります。後を託す若い世代を前面に立たせて、団塊の世代である経験者達がその活動と判断を支えることが活力を生み出します。
 ただし定年後に何かをしようではなく、現役時代から社会貢献活動に取り組んでいることが大切です。定年したら海外旅行する、英語を習うと聞いてもそれを実現している例に出会うことは稀です。何か行動している人は定年してからも行動出来ますが、仕事一筋の人が余暇を楽しむことやNPOやボランティア活動に参画するのは勇気が必要となります。出来れば現役時代から社会参画をしておくことが、定年後の生き甲斐維持と社会での受け入れに応じるためには望ましいことです。

【講演会】
 和歌山バイオサイエンス連絡協議会による講演会に出席しました。和歌山のバイオを盛り上げるために実施、充実した講師陣となりました。
 バイオとは食べる、生きる、暮らすことにつながるものです。そのため長期的には人材育成とインフラ整備、バイオ研究者が就職出来る企業誘致が必要です。
 短期的には販売戦略、ニーズ創出型研究開発、研究者の業際ネットワーク構築が求められています。

(バイオ講演会)
 さてバイオを考えることは人と人が暮らす地球を考えることにつながります。今から137億年前、宇宙でビッグバンが起き生命が誕生していくことになります。生命の誕生の起源となったビッグバンについて解明されたのは2003年のことです。
 ビッグバンで星が誕生したのですが、この頃誕生した第一世代の星達は現在では全て無くなっています。私達が住む地球太陽系に属していて、太陽系銀河の星達は全て同じ方向に廻っています。それなのに生命がいるのは地球だけですから不思議です。地球と金星、火星が誕生した頃の三つの星の二酸化炭素の濃度は同じでした。地球だけが海ができ冷やされ、二酸化炭素の炭素だけが海に沈み、分解された酸素だけが空気中に放出されることになります。そのため空気中の二酸化炭素の濃度が低下し、生命を生み出す大気構成に環境を変えました。奇跡の配分とも言えます。
 ところが資源となった炭素を取り出し燃やすなどして炭素を大気中に放出しているのが現代社会です。かつてあった炭素が資源となり人間の活動領域から姿を消しているのですが、それを取り出して大気中に放出することは地球誕生と同じような大昔の環境に戻していることを意味しています。
 そうなると太古の地球と同じ量の二酸化炭素を持つ大気となりますから、火星や金星と同じ条件となり人間が生きられる環境ではなくなります。
 環境問題は人類の存続問題でもあり、バイオはそれを解決する鍵とも言えます。

 閑話休題
 人間は自然に学び、自然に遊ぶことが大切です。日本人のノーベル賞受賞者の生誕地をプロットすると富山から愛知に一本の線を引いた線上に並ぶことが分かります。ノーベル街道とも言える線が現れます。
 田中耕一さんは富山出身、利根川さんは大沢野、小柴さんは神岡、白川さんは高山、野依さんは名古屋出身ですから、見事ノーベル街道が出現します。
 自然と共存することが感性を高めてくれるのかも知れません。

【和菓子職人】
 平成18年2月現在、77歳の東久次さんは和菓子職人です。いま尚現役で工房に立って和菓子を創作していて、その作品とも言える和菓子は小さな店頭に並べられています。

(表彰の数々)
 若い頃から全国的な大会で表彰を受けているなど輝かしい経歴があります。やがて長男を後継者として指名、自然に長男も父親の姿を誇りに思い工房に立ち、父親は技術を伝承してきました。通常であれば、そろそろ父親が現役を引退し後継者が後を継ぐ年齢に達しています。今まで流した汗が染み付いた工房に立つと、親子で和菓子を創作している姿が浮かんでくるようです。
 全ての技術を伝えた後はお孫さんとの楽しい生活が待っている筈でした。ところが6年前、元気だった長男が水疱瘡にかかり死亡しました。夢にも思える突然の出来事です。
「子どもみたいな病気にかかってしまって。それで死ぬなんて」と言葉を搾り出してくれました。お店の後継者が取り上げられて「本音は寂しいよね」と呟きが聞こえました。
 若い頃とは違って毎日、工房に立つことが出来なくなり、店頭にお菓子が並ばないこともあります。元気な顔をしていますが、喉、リンパ、腸閉塞の手術を計5回繰り返し決して体調は万全ではありません。でも名人とも言える東さんが作った和菓子はおいしいと評判です。
 工房を見学させていただきました。年季が入った機材と道具に囲まれていて、ここで何十年もの間、数え切れないほどの和菓子を皆さんに提供してきた様子が浮かんできます。
 美味しさを提供するのは食べる人に幸せを提供することです。他人に満足を与えてきた人生は尊敬に値するものです。

(東久次さん)


(自分で制作した和菓子の型枠)
 昭和24年から使用している道具箱からは、自分で作成した和菓子の表面に模様を刻む型枠を取り出してくれました。寿の字や家紋などの型枠からは和菓子作りの歴史を感じさせられ、積み重ねてきた伝統、技術の凄さを感じるものでした。
 和菓子作りに賭けた人生です。命を込めた、人生の思いの詰まった手作りの和菓子ですから、それに見合った対価をお支払いしないと、申し訳なくて食する訳にはいきません。
 機械による大量生産されたものと、長年和菓子作りに取り組み築き上げた技術と、一つひとつに心を込めたものとでは、食べる人に分け与えてくれるものは違ってくると思いたいのです。
心が宿った作品には向かい合う相手に与えるものがあります。私達は作者が発するメッセージを受け取ることが出来ます。優れた作品は心がそれを感じる瞬間を与えてくれます。

 残念なことは技術の継承者がいないことです。このままでは一代限りの技術となり、途絶えてしまう可能性があるのは残念なことです。
「今から後継者は育てられないからねぇ」自分の経験と知識、そして技術を伝えられる後継者がいることが最大の幸福であることを理解出来るものです。
 後継者を捜し自分の習得したものを継承するのは時間と困難を伴うものです。でもその苦労は幸せにつながる苦労なのです。自分だけで終わらせてしまう、そんなもったいないことはありませんし、残念なことはありません。いつか年を重ねたら、地位や名誉(得たいとも思いませんし、望んでも得られるものではありませんが)に固執しないで後継者に道を譲る判断をしたいものです。それが幸せだと気づいた人なら、自分一代だけの幸せよりも次につながる幸せを選択する筈です。
 自分と社会の幸せの総和を大きくするのはそういうことです。

【居宅生活支援費制度】
 居宅生活支援費制度は平成15年4月1日にスタートしています。障害者を支援するための法律が出来大一歩を踏み出したのです。例え制度上の不備があっても、障害者福祉に向けて第一歩を踏み出したことは評価されるべきものです。
 スタート時期が決定していたため、各地方自治体の障害者福祉担当箇所は短期間で各家庭を訪問し大変な苦労があったと聞いています。
 何しろ該当者全員に面談する必要があり、障害の等級づけを行う必要かあったからです。前例がなかったため不備はあったかも知れませんが、スタートさせたことは意味のあるものです。

 さて1年後の平成16年、検証結果から支援費認定の更新に入りました。平成16年10月、再調査を行い積み上げた経験からガイドラインを策定し、認定の精度は高まっていきました。地方自治体の役割としてガイドラインに沿った一律の評価と、調査員による面談の結果を踏まえた評価を加えて障害の等級を決定していきます。色々な考え方がありますが、原理原則を元に恣意的要素を加えない程度の裁量があった方が人間的な決定が出来るものと思っています。障害者は100人100色ですから、同じ障害一級でも同一で論じることが出来ないからです。ただどこかで線引きも必要ですから、ガイドラインに沿った審査が基本であることは疑う余地はありません。

 支援費制度は障害者の自立を促すもので、そのためのサポートするための制度であることが大原則です。家族の休息や家族の就労支援のために支給されるべき支援費ではありませんから、主旨を捻じ曲げるような判断は出来るものではありません。あくまでも障害者自立のための支援費です。
 さて議論すべきなのは、自立したくても自立出来ない方々に対する支援費についてです。
 支援費の主旨からすると自立するためのリハビリなどの努力に対する助成ですから、全身麻酔などの症状がある場合、リハビリに取り組めと言うのは過酷なものになります。画一的に判断すれば、自立するための活動を行っていないから支援費を減額することになりますが、それで良いとは思えません。働きたくても働けない人がいますし、自立するためのリハビリに取り組みたくても取り組めない人もいるのです。

 実利支援のための支援費制度ですが、決して自立出来ない人に対して保障を供与することも福祉国家として考えるべきことです。国家は障害者の365日24時間を守るべき責務があると叫ぶ人もいますが、それは社会福祉の有資格者である行政機関の調査員が判断すべきことで行き過ぎだと判断されますが、本当に支援を必要としている人に対しては検討の余地を残して欲しいものです。
 声なき人、声を発するのが弱くて決して届かない人がいることを分かった上で行政判断するのと、画一的な判断を下すのとでは全く違います。例え調査結果に基づく支援費支給額が同じであったとしても、心ある判断をしてくれた場合は周囲の支援活動が違って来ます。その場合、励ましの訪問やチャリティイベント開催などの機運醸成が期待出てきます。
 行政機関の福祉分野に携わっている方々の苦労と精神的タフさには尊敬すべきものがあります。それを分かった上で言いたいのは、自分の判断で困難な境遇にいる方に対しては心ある応対をして欲しいというものです。ガイドラインと福祉のプロとしての嗅覚、どちらも大切にして下さい。数値で表すことの出来ない感覚がある筈ですから。
2月 1日(水) 「指導力」
【勉強会】
 午前中は政策勉強会を開催。行政運営、経済政策、教育福祉、安全安心を柱とする和歌山市の課題について洗い出しを行い、今後研究を重ねて提言出来る程度に高めていく予定です。課題を洗い出し、そこから掘り下げ解決策を考えます。仮にそこに予算が伴うとマニフェストになり得ます。
 和歌山市長候補もマニフェストを策定中だと思いますが、比較する上でも示されるのか楽しみです。

【指導力】
 子どもから高齢者まで、精神的に病んでいる方々に対してカウンセリングをしている方がいます。地域づくりは人づくりと考えての献身的活動です。現在でも小学校の巡回指導をしてくれていますが、カウンセラーと話し合った保護者の評判はとても好評です。
 その秘訣は、「厳しく、そして思いやりを持って優しく」にあると感じます。躾とは身体を美しくすることですから、厳しくても躾を大切にしています。
 家庭生活の中からでも子どもの躾は可能ですし、家庭で躾をしないでその部分を学校任せにしてはいけません。
 家庭での夕食時、仕事で忙しい父親だけ帰宅が遅く母親と子どもで夕食をとる場合があります。その時、母親が何も言わないで先に食事を済ませてしまうと、子どもは父親の存在を感じなくなります。家庭から父親の存在が薄くなっていくのは母親の態度にも問題があります。父親がいない夕食になった場合、母親が子どもに「お父さんは私たちのために遅くまで仕事で頑張ってくれています。申し訳ないけれど先にいただきましょう。おとうさんに感謝をしてね」と一言添えると、父親がその場にいなくても父親の存在につながります。

 他にも学校で見受けられる事例があります。現代の小学生は筆箱を持っています。その中にはきれいな鉛筆と消しゴムが納められています。放課後、新しい鉛筆やまだ新しい消しゴムが忘れられていることがあります。翌日忘れ物だと周知しても名乗りを上げない場合が多いそうです。理由は鉛筆も消しゴムも数多く持っていること、そして無くしても保護者が買ってくれることなどが要因です。
 ものを大切にしない子どもが多くなっていますが、ものを大切にしない子どもは人も大切にしません。ものはただでどれだけでも入手出来ると思っている子どもが多いので、保護者や大人に対する感謝の気持ちが失われています。
 もの大切にする気持ちは感謝の気持ちにつながり、子どもにその気持ちがあれば大人に対する尊敬の念が芽生えます。この精神的循環が失われつつあります。
 こんな時、周囲の大人は子どもに注意をしてものの大切さを分からせる必要があります。
「あなたが鉛筆を学校に持って来られるのはお金があるからでしょう。あなたがお金を稼いでいるのですか。お金はお父さんやお母さんが稼いでくれているのですよ。ただ(無料)のものはありませんから、子どもが持っているものは保護者が与えてくれたものばかりです。ものを大切に、そして与えてくれている保護者を大切にして下さい」
 一言をもって指導するだけで子どもの心掛けは変わります。
 
 こんな光景も良く見ます。小学校の給食で嫌いなおかずを一口も食べないで残す子どもがいます。この態度も見逃してもいけません。
大人「何故食べないの」
子どもは「嫌いだから食べないの」
「給食は皆が健康で大きくなれるように栄養のバランスを考えて作ってくれたものだから残しては駄目だよ。食べるのが学校のルールだから守らないといけないね」
「学校だけのルールでしょう。守らなくても平気だよ」
「守らなくては駄目だよ。では家の食事はどこで食べる」
「家の食事テーブルだよ」
「食事テーブルで食べるの。トイレで食べないの」
「トイレでは食べないよ」
「何故トイレで食べないの」
「そんなの決まっているからだよ」
「誰も言わなくても決まっているでしょう。それがルールですよ。どんな場所のルールでも守らないとめちゃめちゃになるよね。じゃあ、信号が赤だと渡りますか」
「赤だと道路を渡らないよ」
「それが信号のルールでしょう。つまりそれは社会のルールですよ。皆好きなように行動して信号を守らないとどうなると思う」
「皆が好きなようにすれば危なくて歩けないよ」
「そうでしょう。一人ひとりが好きなように行動する社会は秩序がなくなり危険だよね。だから社会のルールも守るし、家庭のルールも守る、学校のルールも守らないとね。給食を残さないで食べるのは学校のルールだよ」
「分かった。少しでも食べてみる」

 子どもに気付かせ、自分の言葉で話させることで初めて行動が伴います。押し付けで食べさせてもその場限りの行動に終わってしまいますから、気づいてもらうように話をすべきなのです。気づきが行動を変えてくれます。

 大人は子どもに気付かせて行動を促すべきです。話さないと相手に伝わりませんし、大人の経験は伝えないと相手に伝わりません。
 言わなくても分かっていると思い相手に言葉で伝えないと経験は継承されません。経験を伝えることで人類は発展してきました。現在は人に干渉しない空気があり、後輩に経験を伝え切れていません。言葉で伝えない経験は消え去りますから、古き良き文化が失われているのはここに原因があります。経験は言葉で伝えることで受け継がれていきます。
 経験を伝えるカウンセラーの仕事は大変ですが大切なものです。

【道路問題】
 事務所の前にある街路樹が車庫入れする時の支障になっていることから現地調査を行いました。現場で確認すると車庫の出入りだけではなく、樹木の上を通過している電線を突き抜けているので危険性も感じました。
 市街地緑化は大切ですから人の活動の邪魔になるから撤去とは簡単に行きませんが、同面積の緑化を保持出来るなら考えたいものです。

【打ち合わせ】
 夕方からは和歌山市の政局について情報交換を行いました。和歌山市長選挙から来年の統一地方選挙まで地方自治にとって大切な局面となります。話の中から、選択肢となり得る候補者の出現が期待されていることが分かります。

【通夜式】
 お世話になっている方の母親が亡くなられたため通夜式に参列いたしました。普段と異なる姿を拝見すると痛まれない気持ちになります。いつものことながら別れの瞬間に立ち会うのは精神的に重いものがあります。

【会合】
 和歌山市で実現して欲しいビッグプロジェクトについて会合を持ちました。先に現地調査しているのでその場所を写真に落とし込み面積や構図について確認、思いが伝われば実現性があると思っています。
 和歌山市に夢のあるプランを実現させるための活動を展開していきます。

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