1月31日(火) 「産業クラスター形成計画」
 前日と同じく平成16年6月21日、内閣府の地域再生計画に認定されている登別市の「産業クラスター形成計画」についての調査を行いました。
 登別市は人口53,923人(平成17年4月1日現在)で、第三次産業の就業率が72.2%の観光が中心の市です。海、山、温泉などの天然資源に恵まれていることから年間350万人が観光に訪れています。既に多くの方から指摘されているように、観光客の嗜好は変化してきています。団体旅行から個人旅行、周遊型から体験型旅行へ、短期滞在から長期滞在型への移行、余暇時間の増加と高齢者が観光に向かっている背景もあります。これらに対応することが新しい観光産業のモデルとなります。
 それに対して登別市を訪れる観光客は夕方入って朝帰る通過型観光であることから、お客さんは旅館やホテル内で留まり、市全体に経済効果が波及していないのです。温泉地を訪れる観光客は多いのですが市街地や市内の商店街を訪れる人が極端に少なく、地域全体の経済活動になっていないことが地域再生のための課題です。

(北海道の原風景)
 そのため体験型、長期滞在型などの観光モデルを模索すること、福祉や医療との連携を図った医療型観光の可能性を調査すること、生活産業との連携を図ることで市全体を観光経済圏として機能させることを目指すのが産業クラスター形成計画です。
 計画は、プリペイドカード型電子マネーの発行、地場サービスの充実、新しい宿泊形態の確立の三つから成り立っています。
 電子マネーは、登別市を訪れる観光客が市内の加盟店で利用出来るようにするもので、観光客と市内の店舗を結びつけ、地域内の経済活動を活性化させようとするものです。
観光客は電子マネーを購入し活用することで、体験型観光、医療型観光を体験出来る他、交通サービスや商業的なサービスを受けられるものです。
 地域サービスの充実は、観光客が市内観光地を効率的に移動出来るように、市内交通関連事業者の観光客向け交通サービス参入を促し、デマンド対応型コミュニティパスや乗り合いタクシーの導入を目指しています。

 新しい宿泊形態の確立は、電子マネーを加盟店で活用出来る体制を取ることで商業的サービスを受けられる他、体験型観光ツアーへの参加、長期滞在型観光体験など行えるようにしようとするものです。課題となっている宿食分離と地場産品提供システムを確立し、1週間程度の長期滞在型観光を目指したメニューを作成し、平成18年3月に最初のモニターツアーも挙行する予定です。
 具体的には、既存宿泊施設による長期滞在者宿泊商品の提供。高齢者や障害者を対象にした福祉、医療連携型宿泊施設の設置。勤務しながら温泉保養を楽しめる福祉厚生型宿泊施設の建設などがありますこのように、観光、福祉、健康サービス産業によるクラスター形成を図ろうとしています。主体となる民間の協議会には現在、49団体と1個人が入会しています。会長は商工会の有力者、副会長は二人で、地元銀行支店長と地元バス会社社長が入り、商工事業者、金融、観光事業者が連携した取り組みとなっています。
 実現までの課題はあるものの、構想が実現すれば観光客増加と新産業創出、雇用拡大による地域活性化が図られることになります。
1月30日(月) 「小樽グランプリ構想」
 小樽市が取り組んでいる内閣府地域再生計画に認定されている事業「小樽グランプリ構想」についての調査に伺いました。地域再生計画とは、地域で考えた地域活性化の構想を国に提案し、採用された構想は国から規制緩和や権限委譲などを含めた支援が受けられる支援策です。
 小樽市は人口143,900人(平成17年3月31日現在)の観光都市で、昭和61年に完成した小樽運河やガラス細工、石原裕次郎記念館などが人気を集めています。特徴は小樽運河や今も残る大正時代の石造倉庫群などが観光の中心となる商工港湾観光都市だということです。
 小樽市の課題は、少子高齢化に伴う人口減少と観光客の減少にあります。観光客は平成11年には約970万人だったのに対して平成16年には約750万人に減少しています。人口は最盛期には207,000人だったものが143,900人になり、しかも減少する材料が揃っています。出生者数は815人、死亡者数は1,600人、転入人口は4,400人に対して流失人口は5,400人と毎年1,000人以上が減少している現状があります。また高齢者数も高く、70歳以上が19%、65歳以上が27%、60歳以上が34%、50歳以上になると52%と人口の過半数を超えています。
 観光客を呼び戻し定住者を増加させるための地域再生計画が「小樽グランプリ構想」です。平成16年1月から誘致活動を開始し、同年6月21日に内閣府から地域再生計画に認定されました。

(調査メンバーと一緒に。)

 構想内容は、小樽市内の公道を利用して日本で初めてのカーレースを開催することです。実現すれば北海道の観光資源となり国内はもとより東南アジアからの観光客誘致も見込まれます。実現に向けて「特定地域プロジェクトチーム」を設置し、内閣府には映画のロケ、イベント、カーレースに伴う道路使用許可の円滑化を求め、支援が決定しています。
 誘致中のレースはチャンプカー・ワールドシリーズです。チャンプカーとはアメリカで1909年から開催されている速さを競うスポーツカー競技です。2005年ではアメリカ、メキシコ、カナダ、オーストラリア、韓国が開催地となり、5カ国で14戦を転戦しています。
 F-1との違いはエンジンの大きさです。F-1は3000CCのエンジンですがチャンプカーは2650CCとなっています。

 また公道を利用したレースが開催されていることも特徴で、ロングビーチなどのリゾート地の公道で行われるレースはコンクリートの壁とスチールフェンスで閉鎖したコースとなっています。両脇をコンクリートで囲まれた一周3.4kmのコースを時速300kmで走行します。観客はコンクリートの壁を隔てた2mの距離で観戦することが出来るのです。
 このチャンプカー・ワールドシリーズを小樽市に誘致しようと2005年に総会で誘致決議を行い目標は2008年開催です。開催できると観客は約20万人を見込み、毎年開催されますから観光資源としても地域活性化の手段としても有効です。毎年開催による宿泊客増加と公道周辺にマンション建設などの動きがあり定住者も増加します。事実、ロングビーチではレース場となる公道周辺にはマンションが建設され、全米からこのレースを目当てにした定住者がいるようです。
 費用はレース場となる公道のフラット化やコンクリートの壁作りの改修費用として約5億円、20万人の観戦収入とグッズ販売で約10億円を見込んでいます。ロングビーチの観戦者は25万人ですから、小樽市が誘致に成功すれば世界から観戦者がやってきます。チャンプカーワールドドシリーズ開催による経済効果は、約20億円から30億円と試算されています。
 既に公道カーレースのデザイナーが小樽市に視察に訪れていて、日本での開催を希望し、小樽市に関しては公道レースの立地条件では上位に入るとされています。小樽市のレース場候補地はロケーションの良い小樽運河周辺と広いコースが取り易いウイングベイ小樽周辺となっています。
 地域再生に向けた取り組みは民間が主導し行政機関が支援する体制を取っています。民間では、よさこいソーランの仕掛け人と言われる長谷川さんも参画し、「夏のよさこいと冬のカーレース」を目指しています。
1月29日(日) 「叙勲を祝う会」
【那須さんの叙勲】
 和歌山県の卓球界で多大な貢献を果たしているのが那須純一さんです。平成17年秋、叙勲を受けたことをお祝いする式典にお招きを受け和歌山東急インに赴きました。

(那須純一さん。おめでとう。)
 那須さんは卓球に関わってから50年以上経過しています。選手として、コーチ、監督して、そして卓球人口の増加のために今尚尽力されています。半世紀以上ひとつのことに打ち込む姿勢、そして和歌山県のレベルを全国に通用するレベルにまで引き上げたこと、競技だけではなく楽しみとしての卓球人口を増加させていることなど、和歌山県での功績は記載することは出来ない程です。
 和歌山県のレベルを上げるためには一流の選手と触れることが大切だとの考えを持ち、レベルが低い時代から中央で活躍している一流選手を和歌山県に招待し、若い選手と接する機会を作り続けてきました。若い時代に一流の人物、一流の選手に接することはか
けがえのない体験になり勉強にもなります。今も変わらずそれを継続しているのです。

 那須さんの言葉の中で印象的だったのは、かつて卓球はマイナーな競技でしたが今では人気競技になっているというものです。「叙勲を受け感じることは、今までの過程は苦労だと思っていたけれど決して苦労ではなかったことが分かりました。卓球に関わることは苦労ではなく楽しみだったことが今になって分かりました。好きなことに関われることは苦労ではなく楽しみだったのです」
 仕事でも何でも現役の最中は壁が立ち塞がり悩むこともありますが、向かっているからこそ障壁があるのです。それを乗り越えて達成していく過程は苦労ですが、実は楽しみでもあります。苦労がなく簡単に達成出来ることばかりに挑戦していても、それは楽しみにはなりません。
 苦労しても挑戦するのはそれが好きだからであり、好きなことが出来るのは楽しみなのです。50年超える年月、それに人生を賭けて取り組んで来た道程は、好きなことを楽しみながら達成して来たことを表しています。
 福原愛選手の活躍に代表されるように、日本から世界レベルの選手が登場するとその競技への注目は集まります。でもそれを支えるのが競技人口の増加であり卓球の楽しみを分かってもらうことです。それが指導者としての役割ですが地道で息の長い仕事になります。
 今では那須さんの教え子が現役を引退し卓球の指導者として活躍、裾野を拡げてくれています。那須さんは叙勲で活動が止まるのではなく、これをきっかけに更に和歌山県の卓球人口の増加とスポーツ文化と競技レベルの向上に向けた取り組みを行っています。
 那須さんは生涯現役で卓球に関わっていく様子です。その横で奥さんが楽しそうに微笑んでいました。

【移動】
 明日から地域再生計画に認定された施策の調査のため北海道まで移動しました。今年の冬の北海道の雪は例年よりも多く1.5倍程度積もっていると聞きます。既に小樽市や登別市の積雪対策予算は1月末で底をつこうとしている様です。和歌山市では雪対策の予算がないので雪国と比較すると恵まれていますから、より建設的な施策の取り組みに期待したいところです。
 また北海道を訪れている外国人観光客の多さが際立っていました。確認すると最近、中国、香港、台湾、韓国などからの観光客が増加しているようです。特に台湾からのお客さんが多いのですが、台湾では北海道ブームだそうで団体ツアー客の誘致に成功しています。その理由は雪が珍しいこと、温泉があることからです。台湾では雪を見ることはないため、北海道では雪害にもなる雪が逆に観光資源になっています。
 特段の誘致活動をしていないのに海外からのお客さんを呼び込めている、それは雪と温泉という天然資源があるからでこれは羨ましいことです。
1月28日(土) 「対話活動」
 朝から夕方まで日頃からお世話になっている皆さんへの訪問活動を行いました。寒い中にも関わらず快くお話をしていただきました。
Mさんは米作の他に家庭菜園を行っています。野菜作りを趣味にすると健康に良いばかりか家庭の食卓にも活かすことが出来るので家族からも喜ばれているようです。更にお墓参りのためにお花も育てているため健康と先祖供養にも役立っているとのことです。
 また日常生活の中の空いた時間を活用して絵画を趣味にしています。油絵と水彩画両方描いていますが、絵の具に砂を混ぜるなどの工夫をして絵画の中に立体感を表現しています。Mさんが描いた絵画は会報の表紙を飾ったり作品展で展示されたりしています。毎日生き甲斐を持ちながら活動している様子が伺えました。


(Mさんの作品と一緒に。)
郷土の歴史を研究しているKさんは、最近目を悪くしているためパソコンを操作するのが難しくなり、研究が進んでいないと寂しそうでした。右目が殆ど見えないと聞いたのですが、今まで当たり前のように出来ていたことが従来以上に時間がかかるのでじれったく感じているようです。
 思ったことが思ったように出来る時間を大切にすべきだと教えられました。

毎週土曜日に絵画教室に通っているTさん。今日も12時30分から教室に出掛けています。たくさんの趣味を持っている方ですが、腰の痛みがあるためゴルフは止めているようです。現役で仕事をしている間は、たとえ体調不良でも仕事に向かい合うと体調のことは忘れてしまうため知らない間に元気な姿に戻っていたのですが、毎日家でいる時間が多くなると気分転換が難しいようです。
 少し頭が痛くなった場合でも仕事をしていないため頭痛が気になり、気分がすぐれないことから更に体調が悪くなる循環に陥ります。病は気からと言うように没頭出来る何かがあると体は元気になります。神社で神様にお祈りする時、左右の手を合わせる場合に左手の方を少し上に出すのが正式です。この理由として、左手は心を現し右手は体を現していることから人間は心が大切であることを示しているものです。
 気の持ちようで体調を向上させることが出来ます。Tさんは絵画教室において1時間30分で一つの作品を仕上げています。絵画作品を制作中は体のことは忘れているため調子が良いのです。
 健康の秘訣は趣味を持つこと、人と出会える場に出掛けることです。

和歌山市加太には淡島神社があります。人形と針供養で有名な神社ですから、ひな祭りが近づいてくると全国からたくさんの人形が供養のために祭られています。本日も参拝する方が多かったように、人が可愛がった人形はその人の心を宿しています。元気を与えてもらったり一緒に遊んでくれた人形なのに、不用になった途端に捨てるのは人として心無い行為だと言えます。淡島神社ではその人の代わりに人形の供養をしてくれています。


(加太の淡島神社)
喫茶店を経営しているKさんは人柄が良いためお客さんが絶えません。今日のように寒い日に出してくれるコーヒーは心が暖まります。ここでは少しの会話とコーヒーで、気分転換が出来ることを分からせてくれる空間になっています。
 時間をつぶすのではなく気分転換を行うことが出来る空間を提供してくれるのが喫茶店の役割です。

夜は懇親会に出席、県政に関する意見交換を行えるなど前向きな懇親会となりました。また現代に生きる私達は、先祖がいるから生きていられることに感謝すべきことを教えられました。先祖を大切にすると先祖が守ってくれる、誰も見ていないようで天からの視点があることを意識すると行動は変わってきます。常に自分と周囲で支えてくれる人が正しいと思う方向で行動することで先が開けてきます。
 忠告を素直に受け入れることが人間としての幅を拡げてくれます。
1月27日(金) 「日付と氏名」
【道路問題】
 和歌山市の対応について相談がありました。道路に関するもので、自治会として要望を提出したところ、市の担当箇所からは極めて抽象的な返答が来たと言うものです。書類には日付が入っていないし担当者名も記載されていない、そして実施する項目についても予定日が記載されていないのです。これでは誰が何を、何時までに実施してくれるか分からないのです。この問題は平成9年から継続しているもので、余りにも返答に長期間要している事例です。通常レターには発信期日と発信者の氏名を掲載します。これは責任の所在を明確にするためです。

 かつて、英文でビジネスに関するレターを日本人がアメリカ人に差し出した際日付が欠落していたためビジネスの基本がなっていないと指摘され、ミスター・デイトとニックネームがつけられたという話を聞いたことがあります。それほど大切なのが発信の日付と発信者の氏名です。公式な会議召集文や周知文では発信番号を記載していますが、問い合わせに関しての返信文ではそのふたつが欠落している場合が見受けられます。従来からの文化だと思いますが、責任を持った仕事をするためには日付と氏名を明確に記載して欲しいものです。

 自治会の役員さんが今まで市と折衝を続けていたのですが、余りにも問題解決に時間を要していることから泣く泣く相談に来てくれたものです。物事には出来る問題と出来ない問題がありますが、それ以前に対応の悪さが問題です。市民の方が来ても曖昧な返事をして問題をかわす姿勢はいただけません。本来、市民の皆さんからの相談には丁寧な応対をして欲しいものですが、聴いてみるとそうなっていない事例もあります。
 まして市民の方は、問題が起きた時に市役所のどの部局に相談すれば良いのか知っている人の方が少ないのですから、相談を受けた箇所が責任を持ってワンストップで解決する心掛けで臨んで欲しいものです。市役所でも税金や年金、保険に関する相談窓口は、ワンストップサービスになっています。それ以外の分野では許認可手続きの担当箇所が分かれている場合があり、その時には複数の課を回されていることがあります。
 技術的な相談に対しても、ワンストップサービス体制を取って欲しいことを要望いたします。

【その他】
 住宅問題に関する相談と音楽活動、そして新規起業に関する打ち合わせも行ないました。民間主体で和歌山市の観光施策に関する中期的な取り組みを行なうためのしくみを築いています。その活動拠点が和歌山市に出来ることになり、更に活発な観光施策が展開出来ると期待しています。

【文化活動】
 音楽を通じて多くの方を元気になってもらおうと願って活動している方はたくさんいますが、今日は洋楽の活動家と和楽の活動家の方に会っていただきました。お互いに音楽を通じて和歌山市を元気にしたい、文化活動を盛り上げたい、高齢者や子どもの教育に役立ちたいと願って音楽療法的な活動もしているため、和洋がセッション出来たら活動の領域が拡がると思った出会いの場を持ったものです。
 結果、お互いに共通項があり、今後提携可能な部分で協調した活動を展開していくことになりました。

【紀州レンジャー】
 紀州レンジャーの新しい取り組みに関する打ち合わせを行ないました。和歌山県の産品を全国に向けて広報する、そして熊野の森林を守る活動に貢献している紀州レンジャーですが、更に活動の領域を増やすための取り組みをしています。新しい取り組みの発表は平成18年3月を予定していますから、それまで準備期間を取り各界との調整を行ないます。
1月26日(木) 「合宿研修会二日目」

(嘉手納飛行場にて。)
 沖縄合宿研修会二日目です。今日は普天間飛行場、嘉手納飛行場、飛行場移転候補地のキャンプ・シュワプ(Camp Schwab)に隣接している辺野古(へのこ)の現地視察と地元の方々との懇談です。普天間飛行場は住宅地のど真ん中に位置していることからまちづくりにおいて各種の問題があります。道路が遮断されていること、下水道を迂回させていることかにの排水問題などです。行政としては長期的展望に立った都市計画が起案出来ない難しさがあります。
 高台から普天間飛行場を眺めるとその凄さが分かります。市の真ん中に位置していることが一目瞭然です。伊波市長が米国を訪れて普天間基地移転を訴えたところ、米国側の認識として、街中にあるとは認知していなかったと言います。米国でも軍用基地は住居から離れたところに設置させるのが基本なのに、沖縄の状態は問題があると話していたようです。しかも、軍用基地が存在していた後に周辺が住宅地となったのであれば仕方ないとしても、普天間飛行場では先に住宅地があり、その場所に軍用基地がつくられたことに問題があるとしています。


(米軍基地移転候補地の
辺野古海岸にて。)
 普天間飛行場には常駐機は71機、ヘリコプターによる騒音で生活や学習にも影響が出ています。
 辺野古(へのこ)の海岸には、米軍基地キャンプ・シュワプが存在しています。キャンプ・シュワプの敷地は20,627u、海兵隊が常駐しています。地元の方によるとキャンプ・シュワプの敷地からの眺めは一等地で、米軍基地がなれければ国民宿舎などでも建設したいような風光明媚なところです。
 キャンプ・シュワプと通常の海岸は鉄線で土地が区切られています。鉄線の向こうは米軍基地管内なので立ち入ることは出来ません。監視モニターが二台設置されていることから、鉄線に近づくと約15分後にミリタリー・ポリスがジープで様子を見に来ます。本日も私達の一行が近づいた後にジープがやってきました。

 同じ日本の国土なのに米軍管内には入れないことは不思議な感じがしました。鉄線から向こうは日本政府も関与できない敷地なのです。しかしこの米軍用地の賃借料、年間2,055百万円を日本政府から地主に支払っています。

 さて辺野古への基地移転に地元が反対している理由は幾つかあります。日本の国土面積の0.6%に過ぎない沖縄県なのに在日米軍施設面積の約75%が存在していることから、これ以上受け入れられないこと。普天間の移転先としてまた沖縄県内が候補地になることは容認し難いこと。そして自然豊かな海岸をコンクリートの滑走路にすることは、沖縄の自然を次の世代に継承出来ないことを意味すること、などからです。
 特にこの海岸は珊瑚の群落がある他、生物多様性の高い海域であること、日本の天然記念物ジュゴンの生息地であることから守るべき海域だとするものです。日本のジュゴンは絶滅危惧種で、辺野古はジュゴンが食するシー・プラントが群生していることから、今の環境を保持しないと生存出来ないのです。ジュゴンはシー・プラントだけを食する哺乳類であるため他の食べ物は受け入れません。辺野古の海はジュゴンが生息出来る北限とされていることからも現在の環境を守る必要がある訳です。
 普天間基地飛行場代替施設としての辺野古崎沿岸案がありますが、これは沖縄県だけの問題ではなく日本全体として考えなくてはならない問題でもあります。安全問題が国会でも論じられていますが、軍事基地が存在していない地域では関心が薄いのが現実です。私も視察するまでは別世界の出来事のように思っていましたが、軍事基地と共に日常生活がある地域では最も関心の高い問題です。
 海岸が鉄線で境界が区切られている光景は私達にとって非日常のものです。しかし沖縄県で暮らす方にとっては日常であり現実のものなのです。日米問題、安全保障について考えさせられる研修会となりました。

(鉄線で区切られたキャンプ・シュワプと通常の海岸)
1月25日(水) 「合宿研修会」
 堺市議会議員長谷川俊英さん主宰、都市政治研究所恒例の合宿研修会に参加しました。参加者は関東、九州からも含む地方議員約40名です。この合宿研修会は中身の濃いもので、過去、当時の宮城県浅野知事、鳥取県片山知事、高知県橋本知事、志木市穂坂市長などを訪問し懇談を行ってきました。今回は沖縄県宜野湾市伊波洋一市長を訪ねました。朝9時伊丹空港を出発し11時に那覇空港に到着、車で宜野湾市に移動しました。


(伊波宜野湾市長)
 午後から夕方にかけて、宜野湾市伊波市長から基地問題について話を伺いました。
 宜野湾市は普天間飛行場の移転問題で揺れているところです。米軍の普天間航空基地隊は、昭和20年に米軍占領と共に接収され、米軍が本土決戦に備えて滑走路を建設したもので、沖縄日本復帰に伴い日本国の提供施設として海兵隊基地として使用されています。基地は沖縄戦に備えて日本軍が建設した6つの飛行場と、本土攻撃に備えて米軍が建設した8つの飛行場があり使用面積は4,805u。国有地と民有地があり地主数は2,739人、年間賃貸料は61億8,300万円(平成14年3月末実績)、基地従業員は212人、
軍人、軍属は約3,700人、滑走路は2,800m×46mとなっています。

 伊波市長が話してくれた問題点は、普天間飛行場は宜野湾市の中央部に位置し、市の面積の約25%を占めていることから来るものです。この周辺は住宅地域となっていることから、航空機の騒音、日常生活において墜落事故の危険性に晒されていること、道路遮断による経済的損失、基地があるため下水設備が迂回させるなど構造的問題があり雨水排水被害もあるようです。
 中でも一番の問題は、普天間飛行場が宜野湾市の中心部に位置していることから人口密集地帯にあるにも関わらず発着陸訓練が頻繁に行われていることから来る騒音と墜落の危険があることです。軍用基地と隣接していることから、国際法上住居地への攻撃が認められないとしても攻撃の対象が軍用基地になると被害を受けるかもしれないとの不安があります。
 現実問題として2004年8月13日には普天間飛行場に隣接している沖縄国際大学の本館ビルに大型ヘリコプターが墜落、炎上する重大事故が発生しています。幸い人身事故にはつながっていないものの市民の不安感はこれを機に増しています。

(ヘリコプターが墜落した
沖縄国際大学では、焼け落ちた
木が今もあります。)

 伊波市長は普天間飛行場を移転させるべきだとの考えを持っています。前市長の容認派だったようですが、この容認の理由は前市長時代には市民の意見が届いていなかったのではないかと考えています。そこで現在は、基地問題に関する全ての苦情や意見は市長まであがるよう公決裁としたこと、意見箱を設置し市民の皆さんからの意見を聞く姿勢を持っていること、ホームページをリニューアルして市長まで意見が届くように変更したなど、広報に加えて公聴を大切に扱っています。伊波市長はこれら市民の意見を踏まえて、普天間飛行場移転が望ましいと考えています。
 普天間飛行場は日米安保の関係で、基地移転させると国防上の問題が発生するのではないかという質問に対しては次のような見解を示してくれています。
 世界で戦争が起きているのは米国に問題があるものが多いようです。世界の流れとしてEU間での戦争はあり得ないというのが世界の常識となっています。世界の国の間では、紛争が起きた場合の問題解決の手段としては交戦の選択はなくなっています。米国だけを見ていては対極を見誤るというものです。そのため普天間飛行場を返還してもらっても日本が戦禍に巻き込まれる恐れは少ないと感じているようです。
 日本は戦争に参画することが出来る普通の自立した国になろうとしているようだが、世界の流れからすると逆行しているように感じるとした上で、予算を軍事費に回すようになると福祉や教育に関する費用が減少し、このような財政シフトは貧富の差が今以上に大きくなる危険性があると指摘しています。


(伊波宜野湾市長と一緒に。)
 また普天間飛行場移転に伴う候補地として沖縄県内の辺野古(へのこ)が予定されていますが、これに関しても沖縄県内への移転は認められないとしています。
 市民の安全を守ることが宜野湾市長としての使命であるとの意識を強く持っていることが印象的でした。
 研修施設では相部屋で、同じ部屋になったのは則竹名古屋市議会議員です。バイタリティある若手市議で名古屋市議会では改革派として知られています。お互いの意見交換を行ないながら夜は深けていきました。
1月24日(火) 「観光施策」
【観光施策】
 和歌山市そして和歌浦活性化に取り組んでいる方と懇談する機会を得ました。和歌浦誘客するための方策を考え実現に向けて取り組んでいます。同じ旅行でも旅行の中身は相当変化しているのに、和歌山市の旅館は対応し切れていない部分があります。
 一例を挙げると、和歌浦は団体旅行を中心としたお客さんを得意としてきました。部屋の構造やサービス提供も団体客を見込んだものになっています。かつては職場の慰安旅行や親睦旅行、旅行会社主催のパックツアーが旅行の代表的な形態でしたから、団体中心の受け入れが可能な旅館やサービスで満足を得られていた訳です。隣の人と同じ料理を提供されているだけで、横並びの安心感と満足感があったのです。
 ところが現在、正確にはもっと相当以前からですが、個人や友人、家族が旅行の単位になっています。団体から個人へ旅行の形態が変わっているにも関わらず、和歌浦の旅館の受け入れ体制は団体から離れていないように感じるというものです。

 頭では分かっているつもりでも実体は伴っていないものがあります。例えば宿泊客に提供する料理です。団体に慣れている旅館としては、全員に同じもので同じ品質のものを提供することを考えます。隣の人の皿に鯛の刺身が乗っかっているのに、私の皿には別のものが盛られていては苦情の原因になるからです。その前提に立っていることから、地元で捕れた魚ではなくて安定して供給してくれる先から仕入れることになります。真偽は分かりませんが、和歌浦の旅館では和歌浦で捕れた魚を提供していないのではという噂もあります。それは地元だけに頼っていると、料理の材料として必要な安定した魚の供給に不安があるからです。

 ところが個人や友人単位の旅行では、同じ種類の料理を頼むとは限りません。むしろ和歌浦に宿泊した限りは新鮮な魚料理を食べたいと思うのが自然です。個人で訪れるお客さんは、私は鯛、私は鯖など違った種類のものを注文することもありますし、仮にメニューに掲載していても当日和歌浦で捕れなかった魚があれば、「本日取れていません。本日お勧めは○○です」と表示しておけば、地産池消であることが分かりますし、本日お勧めする捕れたばかりのメニューを選択してくれる筈です。新鮮で好みにあったものを提供する方が満足感は高くなります。
 団体から個人へ移り変わっていることを受けて、個人向けのサービスを提供する体制をつくることが和歌浦の精神面で必要なことかも知れません。

 もうひとつ観光の課題。出版社が発行している和歌山観光に関する各種観光冊子を見ると、白浜や勝浦、熊野古道は見所や旅館、ホテルは丁寧に掲載されていますが、和歌山市に関する掲載は少ないのです。掲載されているのは和歌山マリーナシティと温泉がある加太の旅館程度です。これには寂しい思いがあります。観光地として、宿泊場所として和歌山市の中心部は欠落しているのです。和歌浦の旅館が取り上げられていることも稀です。
 このことも個人単位の観光客を引き込めない要因のひとつです。旅行会社や出版社からの観光情報発信は有効な施策ですから、ここに掲載されることが誘客の一番です。 
 掲載されないのは魅力がないからなのか、或いは働きかけが弱いので掲載されていないのか分かりませんが、どちらも並行して取り組みを行なう必要があります。今のままの観光情報発信では、和歌山市を素通りして白浜、熊野古道、勝浦に旅行者は行ってしまいます。和歌山県にとってはそれで良いのですが、和歌浦や加太を有する和歌山市が抜けているのでは寂しい限りです。
 観光客に来てもらうためにはこの情報発信の少なさ解消も必要です。そのために和歌浦再生と観光事業者との協働に取り組みます。

【マニフェスト】
 和歌山市長選に関する意見交換を行ないました。指摘されて初めて知ったのですが、首長選挙では法定ビラの配布が認められていないため、所謂どぶ板選挙になり勝ちだと言うものです。公開討論会も義務付けられたものではありませんからも、政策や主張がなくても戦えるしくみになっています。直接選挙の首長選挙なのに、これには驚きました。
 市長レベルになると、マニフェストを市民に提案するのが当たり前の世の中になってきています。公約と考え方を知ることによって市長選挙で貴重な一票を投じることが出来る、そう考える市民の皆さんは増えてきています。
 本日懇談した方のように、次回の和歌山市長選挙はマニフェスト選挙になって欲しいと願っている方々がたくさんいます。「どぶ板の時代ではないと分かっていながらも、和歌山市の場合どぶ板になるんだろうなぁ」と呟きが聞こえてきました。
 候補者については、和歌山市の将来に向けた取り組みについて公約を掲げて欲しいと願っています。現状を打破したいと考えている多くの市民の願いです。

【挨拶】
 明日を持って会社を退職される方が挨拶に来てくれました。年度末だと思っていたのですが、少し時期が早まったようです。第二の人生ではボランティア活動に務めると抱負を話してくれたように、退職してもまだまだ次の社会との関わりがあります。実社会で鍛えた能力を社会貢献活動で活かしてくれることを心から期待しています。お疲れ様でした。

【現場調査】
 和歌山市で是非実施したい事業について、複数人で候補地の視察に訪れました。和歌山市にある広大な敷地は、全国規模の事業化を進めるには絶好のところです。現場を公図で確認し条件を検討しました。和歌山市から夢のある事業を発信するため候補地を基にした計画を立てていく予定です。

【災害対策】
 和歌山市に暮らしている私達の関心ごとは災害への備えです。ところが現実的には、いつ起きるか分からないことへの備えに投資するところは少ないのです。徐々に対応策を検討していけば良いので、次の担当者が検討するだろうと考えて先送りする傾向があります。
 そのようなに考え方と空気に対して危機感を募らせたある企業の管理者は、組織内の重点項目に仕上げて全員体制で取り組む姿勢をとっています。一斉に底上げするよりも重点目標に定めて、先行事例を作ることで追従する部門が出てくるので効果的です。
 大きな組織であってもトップの判断次第で、舵を切ることが可能なことを示してくれています。何かをしているようで実は何も出来ていない、そんな状況を作り出す先送りが最も危険なことです。
1月23日(月) 「観光情報発信」
【打ち合わせ】
 今年の夏には和歌山市長の任期満了となるため、和歌山市の現状と課題について打ち合わせを行いました。和歌山市長選には複数の候補者が名乗りを上げていますが、未だマニフェストが示されていません。候補者は市長として何を取り組むのか当然示される筈ですが、その時に備えて物差しとなるべき課題と対策を備えておくと候補者の資質を図ることが出来ます。従来のように選挙用の簡単なチラシだけで訴えが届く時代ではありませんし、市長選となるとマニフェストを示すことが市民に対する義務だと言えます。今後、経済、福祉、教育などについて検証を加えていきます。

【観光情報発信】
 行政関係者、福祉事業者、観光事業者の皆さんと約1時間懇談しました。一見関係がないようですが、まちを活性化させるため、そしてまちづくりのためには協調する必要がある分野です。
観光事業者も二代目に移り変わりつつあるところは広報戦略の重要性を理解し、広報予算を組んで全国に向けて情報発信しています。
和歌山県では映画ロケを誘致し、平成18年2月6日から田辺市を中心に撮影が開始される予定です。和歌山県と田辺の民間でフィルムコミッションを立ち上げ円滑な運営に努めていますが、本来は和歌山市に本格的に設置して欲しいというものです。まちを舞台に映画が撮影され上映されると活性化にも観光にも効果があります。
 和歌浦が元気な時代、映画「男はつらいよ」の撮影が行われ、今は取り壊されてしまった北村荘が映画の舞台になったそうです。映画が来ることで和歌浦が元気になったと言います。和歌山市を舞台とした映画が出来て欲しいと要望がありました。
和歌山市では全国大会誘致を行っていますが、全体像が分からないため市民にはピンと来ていません。和歌山市にコンベンションビューロを設置してはどうでしょうか。課題はあるにしても実行してみないと効果は分かりません。
ブルーベリー、あわびの養殖などの取り組みは和歌山市らしくて評価出来るものです。環境を活かした取り組みで成果をあげて欲しいものです。
和歌浦の活性化を目指したNPO法人を設立する予定の方がいます。和歌浦活性化に取り組む先行しているNPO法人と連携しながら活動を行いたいとしています。

【法律相談】
 税務と土地の権利に関する法律相談を行いました。法律の範囲内で何をどう解釈するのかによって見解は異なり、行動する範囲を拡大することも可能です。法律と判例を調査し解釈する力があると自由度は増します。
 
【その他の活動】
・福祉に関係する打ち合わせ。 
・新エネルギーに関する打ち合わせ。
・小学校に関する打ち合わせ。
・新規飲食店舗に関する打ち合わせ。
・養老先生の講演会に関する打ち合わせ。
・通夜式への参列と懇談会に参加。
1月22日(日) 「それぞれの一日」
【懇談から】
 少し暖かさが戻った一日。普段からご意見をいただいている約40名の皆さんを訪問させていただきました。本日もたくさんのご意見を頂戴し感謝申し上げます。
 一足早く定年退職し地域活動に取り組んでいるHさんからは、地域活動に入ると生活の中心は地域が主体となっていることを話してくれました。「現役時代は会社中心の生活だったのですが今では全く逆になっています。自治会活動により分かってきたことは、行政機関とのつながりが大切だということです。市役所とのつながりがあると地域の問題を上手く解決することが出来ます。そんな時、市役所退職者の方が自治会役員にいてくれる心強いものがあります。会社が地域に密着した活動をしているといっても、市民生活に最大の影響を与えているのは市役所ですから、市民サービスの向上に取り組んで欲しいと思います」

 兄弟で生活しているTさんは「会社や組織から離れると、普段の生活以外の社会との接点は市役所だけです。上手く行っている時は関わらなくて良いので出来るだけ健康で市役所と疎遠になることを願っています」

 書道の達人Oさんは「昨年8月に脳梗塞になって以来、体が不自由で今までのように字を書くことが出来ません。「最近ようやく体が動くようになってきたのですが。健康が最も大切です」と話してくれました。随分昔にOさんからいただいた色紙は、今も私の部屋に飾っています。
 
 Tさんは「今月に予定されているカラオケ大会に参加することにしています。楽しみがあると張り合いがあります」

 Sさんからは「毎日近くの喫茶店で仲間と話しをするのが楽しみです。今日は日曜なので家にいました」と話してくれたように家にいることは珍しいのですが、本日はお会いすることが出来ました。

 SSさんは「4月に実施する会総会の準備を進めています。名簿の整理と次年度の活動方針を立案している最中です。挨拶文も早い目に作成する予定です」4月の会合準備を今から整えているように、何事も事前準備が大切です。話をしていて思い出すのは、昨年の総会前にSSさんは交通事故に遭遇し、準備を進めてきたけれども出席出来なかったことです。
 SSさんの代わりに開会挨拶を代理の方にお願いしたのですが、当時、病院のベッドで総会の開会だけは行かないと他の人に迷惑がかかってしまうと話していました。結局、体を大切にすることが一番、総会は来年もありますからと周囲で引き止めました。あれから一年、年月の経過するのは本当に早いものです。

 Aさんからは「日頃の活動は良く分かっています。その調子での活動を期待しています」と暖かい声を掛けてくれました。毎朝散歩を続けていることから健康的な生活を過ごしています。いつまでも励まし続けて欲しいものです。

【通夜式】
 夜は先輩の母親の通夜式に参列、昼間と変わって冷たい風が吹く夜でした。まだ73歳の若さで送らなくてはならないのは残念で仕方ありません。厳しい季節が過ぎると春がやってくるのに、今年の春の訪れを待たないで去るのは無念です。
1月21日(土) 「紀州子ども語り部研修会」
【紀州子ども語り部育成事業】
 第四回紀州子ども語り部育成事業の研修会として、城下町を巡る現地研修を行いました。
 和歌山市の歴史を辿る研修会も終盤に差し掛かってきました。
 本日は和歌山市観光協会前に集合し、和歌山城内から徳川吉宗生誕の地を通り、紀州徳川家にゆかりのある報恩寺に向かいました。報恩寺は1666年に紀州徳川家初代藩主徳川頼宣公の正室の追福のために建てられた紀州徳川家の菩提寺です。
 ここには徳川頼宣公の夫人、二代藩主徳川光貞公夫人、五代藩主で後の八大将軍徳川吉宗公夫人のお墓、またそれぞれの藩主のご生母、お子様のお墓もあります。

(紀州徳川家ゆかりの
報恩時で講義。)

 お墓が全て南側を向いて建てられているのは、歴代藩主のお墓が和歌山市下津にある長保寺にあるため、夫人のお墓は主の方を向かって報恩寺内のお墓が建てられています。
 お墓には蓮の模様が施されています。蓮は花が咲くと同時に種が実る性質を持つ非常に珍しい植物です。他人を思いやる心を持ち、妬みや嫉妬心を無くせば人として幸せになれる教えがあり、それを忘れないように蓮の模様になっている訳です。
 和歌山市に住んでいる本日の参加者も、ここまで入るのは初めての方が殆どでした。境内を支配する静寂、凛とした空間、すがすがしい空気は紀州徳川家の菩提寺としての風格があります。由緒あるお寺としての存在感と歴史を眺めてきた時間の積み重ね、そしてお寺を預かっている責任者の立派で思いやりのある生き方が報恩寺に風格を漂わせているようです。
 境内で子ども達から質問が数多く寄せられ、子ども語り部らしい雰囲気が出てきました。やはり現場の空気を感じることで子ども達は学んでくれています。

 続いて無量光寺に向かいました。このお寺には高さ3mの首だけの御釈迦さんの像があります。首から上の願い事には何でもご利益があると言われていて、勉強や健康のお願いに訪れる方が多くいます。
 参加した子ども達は熱心に説明してくれたことをノートに取り、質問する姿勢がありました。地名には関心があるようでした。今日訪れたお寺があるのは和歌山市吹上。この由来は、その昔この辺りは砂地で、砂が吹き上げてくることから吹上と地名がついたと聞きます。近くには和歌山市砂山という地名があるのがその表れです。更に高い松があったことから和歌山市高松という地名がありますし、和歌山城から南に位置するこの辺りは昔から人が暮らしていた場所で、歴史と文化が育んだ土地として今も和歌山市の代表的な住環境を誇っています。地名からその土地の歴史が伺える、分かることは楽しいものです。
 同じように参加した子ども達も、自分達が暮らすまちの歴史を学ぶことの楽しさを感じてくれているようでした。大人から子どもへ、まちの歴史について知識のバトンが渡されています。

【他の活動】
 先輩の母親が亡くなったことから明日の通夜式についての連絡体制を取りました。
 同僚の父親が亡くなったため通夜式に参列。
 和歌山市の文化活動についての話し合いを行いました。和歌山市で文化を楽しむ場所がないので娯楽を提供してくれる場面や文化活動を呼び込んでくれる人がいて欲しいというものです。この方は若い頃から宝塚歌劇が好きで鑑賞に出掛けていたそうです。和歌山市で宝塚は難しいのですが、その他の文化活動誘致や内部からの盛り上がりが図れるよう出来ることか始めます。
1月20日(金) 「紀州子ども語り部会合」
【紀州子ども語り部育成事業】
 紀州子ども語り部育成事業コンテストに関する打ち合わせを行いました。明日は現地研修会ですが、最終回となる2月の研修会にはコンテストを行い表彰する予定で、授与するカップや表彰状などについて確認を行ったものです。
 会合の中であるロータリークラブの会長は、若い人達への精神的投資の必要性を話してくれました。紀州子ども語り部研修会に参加している子ども達には郷土に誇りを持って欲しいと願ってくれています。
 その理由のひとつは、先に仲間達と熊野古道を歩いた時、熊野古道語り部に付き添ってもらった時の思い出にあります。熊野古道語り部と一緒に歩いた古道は忘れなれないものになったのは当然ですが、後で驚いたことがあったのです。それは熊野古道語り部で付いてくれたのは、熊野古道の地元中辺路出身で現在は京都の大学教授だったのです。現役の教授ですが、休日で時間が取れる時には中辺路に戻ってボランティアで古道語り部を行っています。

 自分が生まれた故郷への愛着は、地元を離れて月日が経過しても忘れるものではありません。そのため故郷への恩返しをするために熊野古道語り部として地元振興に貢献しています。現役世代ですから時間は取りにくいのですが、地元への恩返しのために活躍しているのです。
 紀州子ども語り部研修会に参加してくれている和歌山市の子ども達も、やがて故郷を離れる時期が来ます。地元を離れた生活が訪れるとしても空いた時間には和歌山市に戻り、友人やその時の和歌山市の子ども達に和歌山城について知識を伝達して欲しいものです。郷土への誇り、それは大人から子どもへ譲り渡していくもので、何もしないで誇りを得られるものではありません。何気なくいつも眺めている和歌山城の歴史を知ることで、和歌山城を見ると和歌山市に戻ってきた、帰ってきたと思えるくらいに故郷を思い気持ちを醸成出来たら研修会の目的は達成したものといえます。

 本日お会いしたロータリークラブ会長は、若い頃に苦労して現在、会社を切り盛りするようになっています。実績のない若い時は、営業に廻っても相手にしてくれない経験を数多く持っています。玄関にも入れてくれない、話も聴いてくれない、その時には次に訪問する時には応接間に通してもらおうと目標を定めて頑張ったようです。
 訪問した相手が玄関にも入れてくれない悔しさ、若いから話にならないと言われた悔しさを知っているから、若い人を大切に思ってくれています。会長は若い人達を門前払いにするのではなく、最低限相手の話を聴いてあげることにしています。プレゼンテーションする機会を先行の取引先と同様平等に与え、そこからは実力で仕事を勝ち取ることを期待しているのです。
 意欲ある若い人達は機会を与えてもらった後、チャンスを掴み会社を大きくしている経営者がいます。
 今回の紀州子ども語り部育成事業についても、活動方針に共感してくれたことから支援をいただけることになりました。和歌山市を大切に思ってくれる次世代が育ってくれることを願って継続的な活動が再スタートします。

【他の活動】
障害者福祉に関する課題について市長に提案。来週話を伺うつもりです。
貴志真由子さんのような障害を抱えている若い人達の支援方策についての話し合いを実施。最初のきっかけとして、バザーのようなもので助け合いが出来ないかどうか検討しました。
障害者支援に資する有資格者の働き口について話し合いを行いました。福祉関係の仕事に従事したい若い人は増えていますが、現実は厳しいものがあります。経験のない新卒の方が経験を積める職場、長期的に働けるところの情報を把握出来るしくみが欲しいところです。参考までに大阪府議会議員とも確認し合っているのですが、最新の情報を的確に把握出来るしくみがないのが課題です。
小規模多機能施設設置の時期が遅れています。何が壁になっているのか分からないと民間事業者からは不満の声が上がり始めました。平成18年4月の新年度からスタートさせるべき事業ですが、和歌山市では遅れそうな気配がしています。
医療関係者の方と話し合い。
施設内に多機能トイレを設置した経営者が訪ねてくれ、障害者が社会参画し易い環境を作りたいと意欲を話してくれました。オストメイトを設置している多機能トイレは和歌山市内には少ないのが現状です。

【エコアクション21】
 和歌山県下におけるエコアクョン21の取り組みについて話し合いを行いました。自然に囲まれた和歌山県ですが、地球温暖化防止に関する意識を更に高める必要性があることから、国のエコアクション21事務局に連動して和歌山市にも地域事務局を設置しています。
 エコアクション21地域事務局が開催中の講習会には40社を超える会社が参加しているなど全国トップクラスの関心の高さがあります。この意識の高まりを維持し更に高めるためのしくみを検討しました。
 環境省が策定し普及を進めているエコアクション21認定・登録制度の活用を図って、和歌山市の環境対策を進める一助を担うためのしくみについて平成18年2月に再度協議し、4月試行を目指しています。
 エコアクション21地域事務局が和歌山の環境行動をリードしてくれることを期待しています。
1月19日(木) 「統合医療展二日目」
 統合医療展二日目。昨日に引き続いて大勢の人が訪れてくれました。
 昨年熊野古道を訪れてくれた和歌山が大好きなモデルのヘナさんも、応援に駆けつけてくれました。東京で在住のヘナさんは現在、小学館の女性向けファッション雑誌Oggi(オッジ)のモデルをしているなど活躍中です。
 雑誌の取材で熊野古道を訪れてくれたことから自然に恵まれたこの地域を気に入ってくれたため、二日間和歌山県の広報に協力してくれたものです。二日間の話し方や接し方を見ていると女性にも男性にも好かれるタイプで今後の活躍が益々楽しみです。

 さて統合医療は現在大きな動きを見せていて、関係者によると、

(応援に駆けつけてくれたも
モデルのヘナさん。)
少し前までは代替医療という言葉も使われていましたが、今では統合医療に吸収され過去の用語となっているようです。参加人数の多さや各地域からの参加があることからも統合医療への関心の高さが伺えます。
 熊野に行くだけでストレス解消と免疫力が高まる、これは統合医療でも異質を放って関心を呼ぶことが出来ました。これは地域の神秘性と健康への関心の高まりによるものです。 
 地域の発展には健康が鍵を握っています。2005年実施の全国世帯調査によると、和歌山県の人口減少率は全国でワースト二番目です。暖かくて過ごし易い地域事情からすると信じられない実態です。
 人口減少を食い止め増加に転じる施策が中々見つからないのであれば、交流人口の増加を図り経済的な地域活性化を図ることも考えなくてはなりませんが、交流人口でも和歌山県は全国で最低水準にあると聞きました。これは他地域から観光やビジネスで和歌山県を訪れる方が少なく、また国内と海外からの観光客もそれ程多くないことを示しています。そのため経済環境が良くないため活性化が遅れているといえます。
 地域活性化を図るための一つの視点が交流人口の増加にあると考えますから、熊野健康村構想や海外からの観光客誘致活動はこれに合致するものです。地域内だけで限られたパイを奪い合うゼロサムの考え方ではなくパイを膨らませるためには、まずお互いが協力関係に立つことで交流人口を増加させる方向を目指した方が活力を生みます。ゼロサムの考えた方だと限られた資源を奪い合うことを前提としていますから、どうしても地域の中では協調よりも競争になります。先行している者は追従する者を蹴落とそうとしますし、先行している者同士でも足の引っ張り合いをすることになります、どうしてもその地域内で若い人達が社会で活躍するのが遅れてしまいます。若い力の台頭が地域の活力を生み出す原動力ですから押さえつけてはいけません。

(横浜市中華街の栄楽園)
 統合医療というのは和歌山県にとっても新しい分野ですから、官民の若い力が引っ張っていく姿は好ましいものです。未知の分野に挑戦する姿勢は明日を切り拓いてくれるものです。今後の展開が楽しみです。
 統合医療展閉会後、飛行機最終日までの時間、横浜市の中華街へ行きました。タクシーの運転手から絶対に美味しいと紹介されて訪れた栄楽園というお店、噂通りでした。全てのメニューとも表現が難しい美味しさで、何度でも行きたくなる味です。南門シルクロードと蘇州小路の交差する辺りにある栄楽園は、見過ごしてしまいそうな小さなお店ですが絶対にお勧めです。
 羽田発関西空港行きの最終便で帰着、和歌山市には深夜12時に到着しました。
1月18日(水) 「統合医療展」
 本日から明日の二日間、横浜市みなとみらいにあるパシフィコ横浜で開催される統合医療展2006に和歌山県として熊野健康村に関する出展に伴う案内のためです。和歌山県としては昨年に引き続いての参加となりました。昨年は熊野健康村構想計画についての紹介を行いましたが、今年の出展では1年間の取り組みの成果を報告することが出来ました。
 出展の見所として、世界文意遺産の熊野古道ウォーキングを体験した延べ119名の協力を得て、血液検査、唾液検査を行った結果、ストレスホルモンの減少や免疫力の向上が見られ、心理的に

(統合医療展にて。)
も好影響があることを検証出来たことから、健康産業と観光産業を組み合わせた新産業創造に向けての取り組みをしていることの説明を行ってきました。
 熊野古道については、本日説明させていただいた方の多くが認知してくれていました。
 世界文化遺産登録後に訪れてくれている方も多く「熊野は良いところだね」「一度言ってみたいね」と意見を聞くことが出来ました。


(和歌山県ブース)
 統合医療展には医療関係者の参加と出席が多いため、和歌山県から出席していることに関心を示してくれています。医療関係者の方々は、和歌山県が熊野古道を活用した単なる観光振興ではなく人々の健康維持をするためのお手伝いをするための施策として活用策を図っていることを評価してくれています。本日お話をした医療関係者の皆さんとの話からすると、恐らく観光と健康を組み合わせたサービス提供をするための取り組みをしているトップランナーです。各地域でも地域資源を活用して様々な活動をしているようですが、世界文化遺産を活かせる利点が和歌山県にはありま
すから、いち早くスタートを切っていることから優位に立っています。地方自治体だけではなく民間が率先して拠点を設けることなどから、熊野健康村構想は進展を見せています。活動を減速させることなく観光と健康サービス産業で全国をリードする熊野であって欲しいと願っています。

 他にも、首都圏からでも週末を利用して訪れることが可能な地域であることを判っていただき、癒しの地熊野で健康を保持して帰っていただけることを訴えました。アメリカで活躍している方は、各国には聖地とされる地域が必ずあり、信仰の地として訪れている人が多くあり、熊野は日本における聖地として位置づけられる場所と認識した取り上げ方をすると世界に訴えられるとアドバイスをいただきました。
 熊野は観光地として余りにも強く訴えすぎるよりも、さり気なく人々の話題になることを目指した方が適しています。癒しや健康サービス、トータルビューティなど予防医療にも資することが利点であることを理解してもらえたら自然に訪れる人も増加してきます。

 和歌山県として今まで参画していない分野であった統合医療で、毎年成果報告が出来ていることは和歌山県にとって限りない財産です。予防医療と言えば和歌山県と、全国の医療関係者に認識してもらえるだけでもこの分野に関する先進的な情報が入ってきます。
 二番手では最新の情報は入りませんから、最初に統合医療の分野で活動していることを訴えることは、将来的にも地域に有形無形の利益をもたらしてくれる筈です。
 1998年から1999年にかけて熊野古道を指して、振り返ればトップランナーと事あるごとに話していた幹部を思い出しました。先を見つめた活動、ビジョンの大切さが判ります。
1月17日(火) 「オフ」
 昨夜から突然の胃の痛みに襲われ夜中に数回嘔吐、朝には体に力が入らなかったため一日の予定をキャッセルして医者にかかりました。本当に久しぶりの点滴を受け病院で休んできました。点滴を受けた後は少し回復したのですが、少し寒気もしたため他に迷惑がかからないまで回復するまで休むことにしました。そのため午前中全ての予定が中止となってしまいました。
 かつて阪神淡路大震災が起きたこの日、片男波の公園で防災訓練が行われましたが、ここへの出席を見合させていただきました。
 引き続いての住宅会社と環境問題に関する打ち合わせも中止。
 午前中最後に予定していた企画会社との会合も中止させていただきました。
 午後からも起きられなかったため、予定していた和歌山市の未来を考える会主催のローソン社長講演会も欠席させていただきました。
 ただ、突然訃報が入った夕方の通夜式には何とか出席、引き続いての懇親会にも参加させていただきました。
 懇親会の後、関西空港発の最終便にて羽田空港へ、そこから横浜市のホテルまで移動しました。これは明日からの統合医療展に供えてのものです。体調面から移動は心配していたのですが、何とかたどり着くことが出来ました。
1月16日(月) 「難病と戦う」
【地点の可能性】
 和歌山市の可能性を見つけるためのプロジェクトの候補場所して、数人の方達と市内のある地域を視察に行きました。開発されていない静かな山中ですが、ここで自然環境を守りながら和歌山市として可能性のある取り組みが出来ないかを検討しました。
 まだ検討に入ったばかりですから具体化出来ていませんが、楽しみな企画ですから条件が整えるのが今から楽しみです。

【難病と戦う】
 和歌山市在住の貴志真由子さんは世界で23組の難病である先天性代謝異常GM1ガングリオシドーシスという現代の医療では治せないとされている病気を患っています。これは、GM1ガングリオシドという物質を分解する酵素が不足していることから、大脳の末梢神経を徐々に冒しながら運動機能を低下させていく病気です。治療法は確立していないのですが、進行を遅らせる可能性があるのが骨髄移植です。
 今から14年前の1992年1月、貴志真由子さんが日赤和歌山医療センターで検査入院をしたところから異変に気づき、少しずつ発語と歩行障害に陥っていくのです。

 貴志真由子さんは10歳の時から病気と戦っているため、小学校途中から院内小学校で学んでいました。その後中学校へ進級しようにも、当時、和歌山市において院内中学校は存在していなかったのです。両親は学びたいという貴志真由子さんの希望に応えるため署名を集め依頼したところ院内中学校が可能となったのです。そのことで、学ぶことを中断することなく小学校卒業に引き続いて院内中学校で学べることになったのですから、両親は凄い行動力です。ですから和歌山市の院内中学校で学んだのは貴志真由子さんが第一号で、その後ここで学ぶ生徒もいることから新しい制度がこの時に確立し継続しています。
 貴志真由子さんは院内中学校を卒業した後、和歌山県立陵雲高校に入学しました。ところが病状が悪化したため現在に至るまで卒業できていない状態です。ですが陵雲高校からは、退学は何時でも可能だから勉強出来るようになったら戻っておいで、と声をかけてくれたことから今でも高校に在籍したままです。話の中から、高校の暖かい配慮に両親は感謝していることが良く分かりました。

 ところで、難病の子どもたちの夢をかなえることを目的にしたメイク・ア・ウィッシュ・オブ・ ジャパンは1992年12月に発足しています。貴志真由子さんはシンガーのX-JAPANのhideと会いたいという願いを持ち、後に夢を実現させてくれることになります。このX-JAPANのhideと貴志真由子さんの話は当時マスコミでも数多く取り上げられたため、知っている方も多いと思います。
 この貴志真由子さんとhideとの交流はマスコミで実名報道されていますが、これは本人の意思によるものです。貴志真由子さんの母親の言葉を借りれば、貴志真由子という存在があるのだから仮名によって誰のことか判らせにないようにする必要はない、とのことから実名でマスコミに登場しています。
 また骨髄移植の副作用により髪の毛が抜けている状態でテレビ報道されたことも、病気になったのは何も悪いことをしているのではないから恥ずかしくもないし隠す必要もない、という理由からです。両親は頭にキャップを被ってはどうかと言っても全く気にしないでありのままの自分を表現しています。

(レモネードにある
hideのポスター)

 さて貴志真由子さんにはお姉さんがいます。お姉さんは高校卒業後、薬科大学へ進学しています。その理由は、妹のような難病の子ども達を治してあげたいと思い、薬剤師の資格を得て活動したいと考えたからです。お姉さんは妹のために骨髄移植も行っていますし、妹のために薬学部を卒業して、現在は思い描いたとおり薬剤師として活躍しています。


(貴志真由子さんのイラスト)
 昭和56年3月生まれの貴志真由子さんは平成18年3月、25歳の誕生日を迎えます。お母さんはレモネードカフェを経営、お父さんは真由子さんとの時間を大切にするため勤務先退職してカフェの手伝いと真由子さんとの時間を過ごしています。両親と姉の愛情に囲まれながら過ごしていますが問題が発生してきました。
 それは和歌山市の財政難問題と平成18年4月からの介護保険法の改正です。
 真由子さんは障害1級に認定されているのですが、和歌山市からはヘルパー派遣については月間30時間とされていて、それ以上
の派遣はしてくれないのです。前回改定される前までは月間60時間まで認められていたのに半減されています。これは和歌山市の財政難から来ているもので、月間10時間派遣を認められていた他の障害者の方でゼロになった事例もあるようです。

 貴志真由子さんの場合、お風呂に入るだけでも1時間以上要しますから30時間を限度とされていては生活が出来ません。寒くても暑くてもお風呂に入るのは週に1回から2回となっています。
 また和歌山市では障害1級に認定されている場合、バス利用券と入浴券、タクシー利用券(但し利用料の一部負担です)が支給されます。貴志真由子さんの場合、電動車椅子を利用していますからバス利用は出来ませんし、入浴券を支給されても一人で入浴出来ませんから利用できません。そのためタクシー券を受領する選択をしたいところですが、それは出来になない制度になっています。障害の程度に応じての対応ではなく画一的なものになっています。行政機関は事情に応じた個別対応が難しいのは分かっていますが、検討する余地はないものでしょうか課題があります。

 しかも平成18年4月からは、ヘルパー派遣について利用者は10%の負担となります。現在はヘルパー派遣費用の利用者負担は無償ですから負担額が大きくなります。貴志真由子さんが障害1級で受け取っているのは月間37,000円です。ヘルパーを派遣してもらった場合、1時間約4,500円ですから1時間の利用者負担は450円。一ヶ月30時間だとすると13,500円の負担となり、生活費として残るのはごくわずかです。
 両親の望みはお金ではないので、たとえ負担額が多くなったとしてもヘルパーの利用時間をもっと増やして欲しいというものです。自分一人で出来るものなら誰でも自分のことは自分で行います。貴志真由子さんの場合、それが出来ないから障害1級の認定を受け周囲の協力を得て生活しているのです。障害者自立支援法の主旨は理解するものの画一的な線引きは問題です。
 自立したくても出来ない人がいます。その人達が甘えているなどの理由で一律負担を求めるのは如何なものでしょうか。
 貴志さんの場合、声をあげてくれているため問題提起出来ますが、声なき声はまだまだある筈です。貴志さんの両親は自分だけのことを考えて問題提起しているのではありません。障害に苦しんでいる皆さんを代表して実名で発言してくれているのです。
 仮名や匿名をするようなことはしていない、その自信からの発言です。
1月15日(日) 「希望と勇気」
【希望と勇気】
 和歌山県立美術館において、藤原紀香さんが撮影したアフガニスタンの2点の写真パネルを紹介展示しているため会場を訪問しました。ここでの紹介展示は平成18年3月31日までで、藤原紀香さんへのメッセージをいただけるようメッセージカードを置くなど、皆さんからの意見をいただける場所にもしています。
 今後も藤原紀香さんは、世界の子ども達を支援するための活動を継続していくと聞いています。女優としての活躍だけでも大変なのに、社会的活動に参画される姿勢と気持ちは素晴らしいものです。その気持ちがあるからこそ内面からの輝きを放っているように感じます。勇気を出して行動する、簡単な言葉ですが実践している人はそれ程多くないのではないでしょうか。危険、批判など他者からの攻撃力は厳しいものがありますから、それに向かうための武器は希望と勇気です。今回の訪問では和歌山市に、希望と勇気の大切さを残してくれました。
 忙しい日程の中、アバローム紀の国での常設写真展オープニングのために和歌山市を訪問してくれた藤原紀香さんに心から感謝しています。

【行政的雑用】
 貴重で考えさせられる意見をいただきました。地方議員から良く聞く台詞におかしいものがあると言うものです。それは「この道路の補修は私がやりました」「見通しの悪い道路だったのですが、私がカーブミラーをつけました」「私が地元の下水道を完備させました」などの台詞です。
 曰く、これらの台詞を見逃していますが、これが地方議員による利益誘導であり典型的な口利きであることに気づいていない市民の方が多すぎると言うものです。地方議員が自信を持って話しているこれらの台詞は、自分は利権代表であることを証明しているものであり地域の発展を願っている人にとっては何の意味も持たないばかりか排除すべき性質のものであると話してくれました。
 まして執行権は行政機関が持っているので、地方議員がこれらの道路補修などをやったと言っても嘘であることは懸命な市民は分かっていると言います。道路補修や下水道設置などの仕事は行政機関の仕事であり、必要なものであれば地方議員が口利きをしなくても実現されるものであり、必要のないところに無理やり予算をつけるように仕向ける姿勢は特定の地域への利益誘導であり全体の利益にならないと考えています。

 地域で必要とされる仕事は、組織として情報入手能力に優れている行政機関が得意とするものです。市民の皆さんからの要望は本来、直接行政機関に通して実現されるものであり、それが出来ていないのであればそれ自体が行政機関の悪さです。
 地域の皆さんが地方議員に期待しているものは以前とは変わってきています。
 人口減少の時代に突入、団塊の世代が第一線からリタイアする時期に差し掛かり、また国から地方の自立が求められている現在においては、地方自治体間で生存のための競争が繰り広げられています。
 従来と同じように、特定地域の利害代表者は必要とされていません。全体パイが増えない状況において、ゼロサムのように奪い合いをするだけでは地方自治体としての活力は益々低下していきます。
 人口も予算も現役世代も減少傾向にありますが、ゼロサムではなく例え少なくても利益を呼び込む施策を考え実行する地方自治体であるべきですし、市民代表としては地方自治体のチェック機能を果たすだけではなく、市全体の政策検討に関わることが期待されています。

 地方自治体などの執行機関が地域の要望を聞き実現に向けるのであれば行政施策ですが、本来地方自治体がすべきことを地方議員が単に仲介するだけであれば行政的雑用となります。行政的雑用にしないためには、同じような意見や要望が重なった場合、一件ごとの処理にするのではなく根本的に問題があると考えて、当局と一緒に抜本的対策を講じることです。
 マニフェストの時代です。地方議員に執行権がありませんからマニフェストはそぐわないところがありますが、少なくても活動の経過について報告すべきですし、活動実績を踏まえて次に何をしようと考えているのかを市民の皆さんは求めています。
 活動の経過は文面で表し、何の行動するのかを示すことが求められています。
1月14日(土) 「常設写真展オープン」
【前原代表講演】
 民主党の前原誠司代表が和歌山市で講演を行いました。講演会の主な内容は次の通りです。
 昨年の総選挙で小泉首相が大勝したのは、郵政民営化実現に向けての執念が勝っていたことが要因です。現在、国会においては2/3を占める巨大与党が誕生しているため、野党が法案を提案しても議論されにくい状況になっています。それでも二大政党への足掛かりが出来たと感じています。議席数によると絶対的与党になっているため民主党は駄目なような印象を受けますが、得票数を分析するとそうでもないのです。
 300の小選挙区で民主党候補の得票は2,480万票、自民党の得票が約3,200万票ですから、
 連立がなかったとしたらある程度互角に近い戦いになっています。あれほど小泉首相旋風が吹き荒れた中でも得票を重ねているのです。

 間もなく国会が始まりますが、郵政民営化に賛同した皆さんでも他の施策に対して白紙委任している訳ではありませんから、民主党は対案を出して議論を重ねていく所存です。
 特に問題となっている約760兆円、短期を入れると約1,000兆円の財政赤字ですか、増税や消費税の話しをする以前に行政改革を徹底的に行う必要があり、行革なくして増税なしの立場を取っています。
 国民の皆さんからの意見を聞いた上で、党としての政策提言をさせていただきたいと思っています。100%同じにはならないまでも70%程度は刷り合わせを行い納得の行く形で政策立案をしていく予定です。
 国会議員に必要なものは、無駄遣いをしないでビジョンを持つことだと松下幸之助氏から学びました。国家経営者としての意識を持って国政に当たらせていただいています。基本的に小泉首相の進めている小さな政府と無駄を無くすことに関しては同じ考えです。ただ借金を返すことを目的にしてしまうと、今を生きている国民に負の遺産を背負わせることになります。今まで借金を重ねてきた与党が、今になって今の世代に過去からの借金の負担を背負わせることは納得出来ないものです。

 例えば先進国の中で、教育予算のGDPに占める割合が最も低いのが日本です。そして公共事業のGDPに占める比率が最も高いのが日本です。このような施策をしていては国民の皆さんが納得出来ないのではないでしょうか。更に1954年に人権に関する取り決めがされていますが、その中で高等教育の無償化についての項目に日本は批准していません。世界150カ国の内、この条項を批准していない国は日本を含めて3カ国だけとなっています。教育の格差や給食費も払えない家庭が増加している現状を見ると勝ち組と負け組みを作り出している今の社会はおかしいように感じます。
 教育の充実や60歳を超える人達へ支援を行い、人が生き甲斐を持って生きられる社会を実現するために行政が枠組みを提示する必要があります。地域では社会経験豊かな人達に提示出来る地域特有の施策がある筈です。知識と技術を持った社会の経験者が大量に地域社会に出てくる時代において、地域で受け皿を作っておく意味は大きいものがあります。
 
【常設写真展】
 アバローム紀の国に藤原紀香さん撮影のアフガニスタン常設写真展を開設しました。オープニングとなったこの日、東京から藤原紀香さんが駆けつけてくれました。会場には300人を超える方に集まっていただき、和歌山市から世界平和を発信することの期待を抱く式典となりました。
 藤原紀香さんからは、常設展を和歌山において始めて開催出来ることを嬉しく思っています。今後も時間を作ってカンボジアなど各国の子どもにあって、感じたことを伝えていきたい。悲しいニュースが追い中ですが、私の写真を見て生きることや命の大切さについて感じることがあれば、見て感じたことを学校において、そして家族や恋人、友達で話し合ってもらえたら嬉しく思います。見たことを伝えてくれることで輪が拡がって欲しいと願っています、主旨の挨拶がありました。

(藤原紀香さん撮影常設写真展
オープニング式典)

 他人に夢を与えることは自分も夢をもらうことにつながります。和歌山市の皆さんがアフガニスタンの子ども達へ間接的にでも夢を与えることは、夢をいただくことにもなります。藤原紀香さんのアフガニスタンの写真を常設するのは全国で初めての試みとなっています。
 和歌山市にあるアバローム紀の国では、アフガニスタンの子ども達を撮影した写真パネル6点の常設とアフガニスタン・カンボジア写真展で紹介した約20点のデジタル写真を紹介しています。ここを拠点に平和へのメッセージを発信し続ける和歌山市でありたいと願っています。2006年新春、和歌山市から新しい取り組みが開始されました。
1月13日(金) 「地域連絡協議会新年会」
【常設写真展準備】
 明日に控えた藤原紀香さんの常設写真展の準備を行いました。和歌山からアフガニスタンの子ども達へ藤原紀香さんと一緒に継続的に支援活動を行うため、昨夏、写真展の会場として活用させていただいた市内のホテルアバローム紀の国、そして和歌山県立美術館に藤原紀香さん撮影のカンボジアとアフガニスタンの写真パネルを展示することになりました。
 常設写真展では藤原紀香アフガニスタンとカンボジア基金を設置し、継続してアフガニスタンの子ども達のために教育支援活動を行うことにしています。常設した写真展と基金の設置は和歌山市が全国で初めてのものになります。

 全国で初めて設置することに意味があります。何事においても二番手、三番手の位置にいた和歌山市だったので、後追いの施策や追従する考え方が大勢を支配しているように感じます。どの分野でも良いので最初の位置を占めトップランナーになることで、話題にもなり自信にもつながります。藤原紀香さんの常設写真展は和歌山市にとって自信にもなりますし、継続した教育支援プログラムにつなげられることからも実施すべきことだと自信を持って話せます。

 本日はNPO法人和歌山観光医療産業創造ネットワークのメンバーと、写真パネル作成に協力をいただいた和歌山市内の写真店の方々と一緒に会場設営を行いました。
 メイン会場のアバローム紀の国には、アフガニスタンの写真パネル6点と藤原紀香さんのアフガニスタン支援のためのメッセージパネルを常設し、昨夏の写真展の様子やアフガニスタンへの支援を呼びかける映像設備を設置します。常設展に伴う映像制作は、NPO法人和歌山観光医療産業創造ネットワークです。
 写真パネルは1階から2階に至るエスカレータの壁面に、映像設備はホテルフロントの手前に設置することになりました。特に2階に設置した厳しいアフガニスタン情勢と希望を失わない子ども達の写真パネルの訴えは圧巻ですから必見です。
 和歌山県立美術館にはカンボジア写真展を平成18年3月31日まで紹介展示します。写真パネルは2点ですが、美術館長と学術員の協力を得られたことから県立美術館への写真パネル掲示が可能となったことに感謝しています。
 常設会場の準備が整い、地元ラジオ局和歌山放送との打ち合わせも完了し、明日のオープニング式典に備えています。
 明日は和歌山市から全国へ、そして世界へ向けてメッセージを発信する拠点が設けられる大切な一日となります。

【地域連絡協議会新年会】
 夕方からは地域連絡協議会の新年会にお招きを受けました。和歌山市内の有力組織で構成している協議会の新年会には、推薦を受けている県議会と市議会議員全員、大橋和歌山市長の出席がありました。
 和歌山市にも明るい見通しが立ちつつある状況になりつつあります。コスト意識の大切は変わりませんが、必要な施策には費用をかけ実現させることが地域の活性化につながることは歴然ですから、このことについて話し合いもすることが出来ました。
 今年の和歌山市長選挙と、平成19年春に迫った統一地方選挙ら向けた取り組みの年であることを確認いたしました。
1月12日(木) 「電力総連新年会」
【ライオンズクラブ会合】
 ライオンズクラブの新春懇談会があり、和歌山市内の志磨神社に参拝。新入会員2 人を迎えての会合となりました。話題となったのはスポーツの振興策、高齢化社会を迎えている和歌山市における福祉施策などについてでした。社会奉仕を目的としたライオンズクラブで出来ることから取り組み始める予定です。

【電力総連新年会】
 和歌山県電力総連新年会にお招きいただき挨拶の機会を得ました。和歌山県下の皆さんが集まった会合だったため、昨年一年間の活動についてレポートとしてまとめ、それについての報告と挨拶とさせていただきました。
 活動報告内容は次の通りです。

1月 和歌山県として初めての総合医療展への出展。熊野古道を中心とした熊野地域が、自然に囲まれ健康にも効果があるスローステイの場所として適していることを全国に発信するため全国大会で広報したものです。
 世界文化遺産として存在している熊野ではなく、能動的に私達の健康維持向上に役立つ熊野であることを発信し、このことから熊野健康村構想が新たな戦略となりました。一年前の統合医療展に端を発したこの構想の拠点となる施設が平成18年に完成します。思いは実現することを実感する出来事です。

観光医療産業を考える第三回シンポジウムを開催しました。計3回の有識者によるシンポジウムの結果を受けて、和歌浦における観光医療産業の取り組みについて報告書としてまとめ上げました。この報告書は4月、国土交通省に報告し、報告内容を具体化するための取り組みを開始しています。

2月 富士山での研修会として地方議員の政策立案などを学ぶ機会としての政治専科を修了。会は高志会として継続、ここに学んだ地方議員の情報交換活動の母体となっています。

3月 熊野において熊野健康フォーラムが開催されました。熊野古道の魅力を訴えるため地元だけではなく出版社や観光に関わっている方々にも来ていただき、熊野の可能性を発信、熊野健康村が認識されたイベントとなりました。

和歌山付属小学校においてキッズワンパーティを開催しました。捨て犬だったナイスを授業で育ててきた子ども達と保護者に集まっていただき、動物と接することで子ども達の感情を高めることになり、また動物愛護の意識を持てた機会となりました。

4月 紀州レンジャーの打ち合わせを初めて行いました。和歌山県のキャラクターとして、この後活躍することになる紀州レンジャーの元が検討され、県庁内にも紀州レンジャープロジェクトが設置されるなど進展していきました。

5月 和歌山市の伝統的祭りである和歌祭に時代衣装を纏って時代行列に参加。

和歌山県内に私立慶風高等学校が誕生、開校式式典に出席させていただきました。

和歌浦アートキューブでシンガー佐野安佳里さんの和歌山市での活動を締めくくるラストライブが開催され、その後佐野さんは東京での音楽活動を開始しています。

6月 さをり織りとの活動やライオンズクラブの新旧役員引継ぎ式。

7月 恒例の和歌山巴里祭は、歌手の佐藤むねゆきさんをお迎えして感動的にステージになりました。

8月 藤原紀香さんのアフガニスタン・カンボジア写真展を開催。来場者の皆さんが平和を考える動機付けにもなったイベントとなりました。

9月 和歌公園の指定管理者制度は公的な仕事を民間に開放する画期的な制度で、最初に応募することが出来た経験はノウハウの蓄積にもなるかけがえのないものでした。

10月 青色発光ダイオードの発明者である中村修二教授に和歌山市に来ていただき、和歌山大学と共同で特別講演会を開催しました。和歌山市に学ぶ学生達に世界レベルの研究者との交流の機会を作りたいと考えての企画で、実施しようとする思いで実現させることが出来ました。

紀州子ども語り部育成事業の第一回研修会を開催し、和歌山城や城下町についてその後も学習を継続しています。

11月 セーブ・ザ・チルドレンで藤原紀香アフガニスタン・カンボジア写真展の収益金などの寄贈式を行いました。この資金を基にアフガニスタンの教育改善に資する活動が1年間をかけて展開される予定です。和歌山市からアフガニスタンの平和に貢献する活動がスタートします。

12月 早稲田大学の日本橋キャンバスにおいて、中国の精華大学継続教育学院と早稲田大学知的財産戦略研究所の全課程を修了したことから修了証の授与を受けました。今年。1年間早稲田大学大学院に通学し無事修了することが出来ました。

横浜市内の病院で難病の子ども達へのクリスマス訪問も行いました。

 以上が1年間の経過報告です。

 平成18年1月の主な活動予定は、昨年に引き続いて横浜市で開催される全国統合医療展で熊野健康村構想について県と一緒にPR活動を行う予定です。また藤原紀香さんの写真展を市内のホテルアバローム紀の国常設し、アフガニスタンの子ども達への教育支援活動を継続実施していくため、1月14日、藤原紀香さんに和歌山市に来ていただきオープニングセレモニーを開催することにしています。
 熊野健康村構想の活動拠点として、本宮大社の前に位置する場所で観光とリラクゼーション施設としてからす屋をオープンさせます。オープン予定は平成18年4月で、世界文化遺産の熊野に訪れた方の心が満たされるようなサービス提供を行う予定です。
 以上が今月の主な活動予定です。行動から継続そして新たな定着へと、引き続きましてご指導いただきますようお願いいたします。
1月11日(水) 「教育民生委員会」
【教育民生委員会】
 教育民生委員会が開催されました。議題は、この一年間学校現場で起きた通知表や指導要録などの紛失に関する報告事項についてです。直近の一年で和歌山市内の学校で通知表などを紛失した事件は次の三件です。
 平成17年1月18日、楠見東小学校での通知表紛失。
 平成17年6月13日、山口幼稚園での園児名簿と園児に関する記録ノート紛失。
 平成17年11月28日、紀伊中学校での指導要録、出席簿、成績原票紛失。
 報告を受けての主な質疑は次の通りです。

Q. 楠見東小学校での通知表紛失を受けて、大切な書類を保管する校長室の耐火金庫に出入簿を設けて管理をしっかりとする体制を採っているにも関わらず、紀伊中学校で指導要録がなくなった原因はどこにあるのか。
A. 校長先生が教師時代から含めて紀伊中学校の勤務が長く、気の緩みがあったのではないかと思っています。

Q. 教育委員会と学校現場の温度差はあるとしても、校長先生が教育委員会で決められ校長会で周知されていることを実施していないことが問題です。紀伊中学校校長の前職は何だったのですか。
A. 市教育委員会教職員課長です。

Q. 教育委員会の、しかも学校を指導する立場にあったのに、一旦学校に復帰すると意識がなくなっているのはどうしたことでしょうか。
A. 慣れた職場で長年いたためかも知れません。

Q. 保管用の耐火金庫は誰が開けられるのですか。
A. 鍵は二重になっているため校長先生だけが開けられます。

Q. それ以外の先生は開けられますか。
A. 校長を通さないと無理です。

Q. では指導要録がなくなったのは校長に責任があると言えますね。
A. 指導要録は教頭先生の袖にある金庫ロッカーに保管されていたため校長室にはありませんでした。

Q. 教頭先生のところの金庫ロッカーは誰でも開けられるのですか。
A. 先生なら開けることは可能です。

Q. 外部から侵入して簡単に開けられるのですか。そして持ち出すことは可能ですか。
A. それは無理だと思います。

Q. そうすると内部に原因があることになり、無くなった理由の特定は容易ではないですか。
A. ところが学年主任の先生が年度末にまとめて校長に提出したところまでは判っているのですが、校長が耐火金庫に保管したかどうかは覚えていないので判らないのです。しかも指導要録は教頭先生の袖の金庫ロッカーに保管していたため、校長だけの責任とはいえないかも知れません。

Q. 指導要録は在校生のものは調べることはあっても卒業生のものを見ることはないのではないですか。
A. 卒業生の指導要録を見る必要性はありません。

Q. それならなくなる理由はないですよね。持ち出すことが容易ではなく、見る必要もないものが無くなるのは判りません。
A. 保管した最終確認者がいないため無くなった時期、理由は判りません。

Q. 指導要録は校長室の耐火金庫に保管すべきものですから、それが守られていないのは校長の責任ですよね。処分についてはどう考えていますか。
A. 処分については現在のところ未定です。

Q. 他県の事例では、2000年に大分県で指導要録が紛失したことを受け、校長と教頭が懲戒訓告、2004年の青森県の指導要録を紛失した事例では校長に懲戒訓告処分がなされています。同様の処分が予想出来ますが。
A. 他府県の事例を参考にしながらの処分にする予定です。

Q. 処分の時期はいつ頃ですか。
A. 時期は未定です。

Q. 指導要録は生徒や保護者の氏名、住所、成績などが記載された個人情報ですね。これを紛失したことに対して保護者は納得しているのですか。
A. 説明を行い納得してもらっています。

Q. 個人情報を紛失したことによる最大の被害者は生徒ですよ。仮に指導要録に記載された個人情報がインターネットで漏れた場合、生徒が被害を受ける訳です。その場合、他県では懲戒処分にしている例もあると聞いています。
A. 個人情報がインターネットに流失した場合の処分も考える必要があると思っています。

Q. 生徒は指導要録が見つかるまでこの先も、個人情報流失の危機に晒され続ける訳です。被害者は生徒であることを認識しておいて下さい。
A. 十分重大性は判っています。

Q. 指導要録の学籍簿の保管年限は20年、指導記録の保管年限は5年となっていますが、何の法律により定められているのですか。
A. 学校教育法施行規則により決まっています。

Q. このように法律で決まっている訳です。紛失したことは法律違反になります。現代社会の法令順守、コンプライアンスの考えからすると紛失したことは大変な問題です。特に公務員は法律に基づいて仕事を執行している訳です。その姿勢を私達は信頼して行政を任せている訳です。
法律も守れていないとなると、保護者や市民の皆さんから学校、教育委員会、市役所への信頼は失われますよ。1年間に3回も指導要録や通知票を紛失している事実から安心して任せられないとなりますよ。信頼するために今後二度と起きないと言えますか。
A. あってはならないことだと認識しています。二度とないように努めます。

【編集委員会】
 昼間、市議会だより編集委員会が開催されました。平成17年12月号は2月1日発行で自治会を通じて配布される予定です。また次号は5月1日、新聞折り込みによって家庭に配布される予定となっています。
 
【懇親会】
 夜は懇親会に参加し情報交換を行いました。新しく開店するイタリアレストランの動向などについて話が及びました。

【アスレティックトレーナー】
 和歌山市内で活動している日本体育協会公認アスレティックトレーナーの南由佳さんがいます。アスレティックトレーナーとは、競技選手のスポーツ外傷の処置や個々人の健康管理、けがを予防するためのトレーニング指導などを行うことを仕事にしています。
 けがをすると復帰するためにリハビリを行いますが、理学療法士によるリハビリは病気やけがを克服し退院するまでの間をケアするのに対して、アスレティックトレーナーは、選手がけがを治して競技に復帰するまでのコンディション作りを行うまでを役割にしています。競技スポーツ人口の少ない和歌山市では数少ない存在です。

(アスレティックトレーナーの
南由佳さん。)
 南由佳さんは和歌山市生まれ、小学校5年生から専門学校卒業までの間バスケットボールの選手でした。高校卒業後、トレーナーの資格を習得するため大阪社会体育専門学校に進みトレーナーへの道を歩き出しました。

 南さんがバスケットに関わったのは、体を動かすことが好きで小学校の時、朝練があったのがバスケット部だったことからこの競技に取り組みました。バスケット部では小・中・高校を通じてキャプテンをするなど、当時から指導者としての資質があったようです。
 偶然から始めたバスケットですが、チームプレイを通じてメンバーががんばることで自分も引っ張られて技術が向上していくことに魅了されていきます。自分だけで出来ないことでも5人のメンバーが力を合わせることで10以上の力になり得ます。仮に自分が5人いたとしても自分ひとりの能力を五乗しても5の力になるだけですが、違う能力を有する5人が結束すると10以上の力を発揮することが可能ですから、チームプレイの重要性を感じます。
 練習では監督がいますが、試合におけるコート内ではキャプテンが司令塔になりますから、戦術の面白み、コーチングを味わえたそうです。
 競技体育の楽しさは、競技を通じて向上出来る点にあります。高校の体育の授業では、進学に向けての勉強の合間に体育をやっている感じだったため、体育を楽しむ生徒が少なく、体育に対しては後ろ向きの姿勢を持っていることから、学校体育と競技体育は異質なものであることが判ったそうです。
 当初学校の先生を目指していたのですが、後ろ向きの生徒への指導をするよりも、競技を通じて向上させようとする意識を持った人と仕事をやりたいと考えて、トレーナーを志すようになりました。
 専門学校ではアスレティックトレーナーコースを選択し、スポーツ栄養学、生理学などを学ぶと同時に、テニス、サッカー、体操、水泳、エアロビクスなどの実習も経験してきました。

 専門学校卒業後、堺市にあるスポーツクリニックに就職し、競技選手のアスレティックリハビリテーションに関わってきました。一緒になって競技復帰を行った分野は、サッカー、ラグビー、アメフト、陸上など多岐に亘ります。数多くの競技選手の復活のお手伝いをしてきたのですが、アスレティックトレーナーとして最も嬉しいのは、けがを克服した選手が競技復帰した瞬間だと言います。けがをした競技選手は半年から1年をかけて復活への道のりを歩みます。復活出来るかどうか分からない中で、選手は全てを後ろ向きに考え
るのですが、メンタル面での指導を含めて選手が復活への希望を見出すように指導を行います。やがて選手が希望を見つめるようにメンタル面がしっかりすればトレーニングも積極的になります。競技に復帰するという希望と目標を持つことから復活していくのです。
 同時に専門学校でアスレティックトレーナーの有資格者として講師として、コンディショニング実技とテーピングなどの授業を行い後進の指導に当たりました。和歌山市に戻ったのは平成17年8月です。アスレティックトレーナーとしての活動拠点を見つけたのは平成18年1月からですから、和歌山市での活動は今スタートを切ったばかりです。

 残念ながら和歌山県は、決して競技としてのスポーツが優れている訳ではありません。スポーツのあり方から提言していきたいと抱負を話してくれました。競技スポーツのあり方は基礎力が大切です。基礎体力があり、次に専門体力、技術、戦術を学んでいくことが基本です。
 ハンドボールのトップチームに同行した経験から、基礎が出来ていない選手が多いことに気づいたそうです。基礎体力をつくってから技術を身につけないと、トップレベルの選手になると困ることになります。基礎体力を身につけておかないと、トップチームで要求されるプレイを練習する段階でけがをすることになります。小さい頃から基礎体力と専門体力を確立しておくことが技術向上の秘訣です。
 当面の目標はアスレティックトレーナーとしての活動を認識してもらうために、スポーツ大会のサポートを行いたいと話してくれました。大会に同行し、ウォーミングアップやクールダウンのお手伝い、けがの手当てをする中で不足している部分をアドバイスすることで競技選手が基礎体力と専門体力を鍛える重要性に気づいてくれたら運動能力は向上していきます。

 将来は各競技のジュニアの段階からトレーニング指導を行うことで、自立した子ども達を育てたいという目標を持っています。運動神経を高めるためには小さい頃は複数の競技に親しむことを勧めています。サッカーと体操などを組み合わせることで、違う筋力を使えバランスの良い体を作ることが出来るからです。
 和歌山市から日本全国や世界で活躍する競技選手は全員、南さんのトレーニングを受けたことがある子ども達でいて欲しいと、南さんを知る人が話してくれました。
 アドバイスをするけれど押し付けはしないことで自立した競技選手を育成していく目標を持つ南さん。その目標が達成される時には、和歌山県の競技スポーツのレベルが向上しているに違いありません。
1月10日(火) 「新春懇談会」
 今日は和歌山市内の公立小学校は三学期の始業式です。冬休みが終わると、いよいよ地域社会は普段の姿を取り戻して行きます。

【市政懇談会】
 本日昼間に市政に関する懇談を行いました。
 提言された意見は二つです。

公立高校には空調設備が設置されて来ていますが、夏には冷房を点けてくれているのに冬は暖房を点けてくれないので、子どもが震えながら授業を受けているそうです。空調がない時代は仕方なかったのですが、折角空調設備を設置してくれているのですから活用して欲しいとのご意見です。
 かつては学校には空調設備はなかったため、暑くても寒くても授業を受けてきました。私も夏は暑くて冬は寒い中、授業を受けた記憶があります。その頃と今を比較しても意味はありませんが、社会全体が快適で利便性が良くなっていることから、教育委員会が必要と捉えて公立学校に空調設備を完備しているのであれば活用すべきだろう感じます。過保護すぎるのは良くありませんが、最近の夏の暑さや冬の寒さは以前よりも増しているように感じますから、勉強出来る環境を整えてあげるべきでしょう。
 北陸から和歌山市に移り住んでいるある方から、和歌山市は寒いと聞いたことがあります。その理由は、北陸の家庭では寒さ対策として暖房機器が完備されていて、家の中では暖房を点けているためコタツなどなくても平気だそうです。比較して和歌山市は温暖な気候なため、余程寒くならないと暖房を点けないところもあるのではないでしょうか。そのため和歌山市の生活の方が寒くて動きにくいのにも和歌山市の人は我慢強いねと話してくれます。
 参考までに、私の家では冷暖房を点けませんから昔ながらの夏は暑くて冬は寒い生活をしています。

和歌の浦アート・キューブという和歌山市の文化施設があります。ここの利用者は和歌山市の施設としては割合多く文化活動の拠点としての位置づけがされつつあります。
 しかし問題が発生していて、この施設を利用した人の評判は良くないのです。設備利用についての不満はないのですが利用者への対応が悪いそうです。全くお客さんの観点に立っていないと意見が出されました。
 一度利用したけれど二度と使いたくないと話してくれました。利用者を見下している態度で昔の役所のような管理をしているようです。市役所本庁の対応は凄く良くなっているのに、出先機関まで職員研修が出来ていないのかも知れません。
 同じ役所なのにお客さんへの応対に格差があり、何とかして欲しいというものです。
 昨日もアートキューブに関する意見をいただいたばかりですから、市民の皆さんに不愉快な思いを感じさせているようです。昨日の意見は次のようなものです。
 ある会社がアートキューブで定期的にイベントを開催してきました。和歌浦のロケーションと文化的な施設でイベントを開催することでお客さんの評判が良く、企業イメージも高められることから継続して開催してくれていました。
 ところが次回から会場を変更することに決定しました。それはアートキューブの対応の悪さです。利用者はお客さんなのに、お客さんに対して上からものを言うような態度に驚くと同時に、その応対の悪さに気分が悪くなるからです。この会社の職員さんから同じような意見が出されていますから、決して個人的な印象ではないようです。
 利用される方にこのような印象を抱かせては、行政機関の信用を失墜させる結果になっています。施設の印象を職員の印象で左右されている、その結果市役所への信頼も失わせているのです。
 この問題に関しては、同様の意見が大変多いため早急に対応いたします。

JR和歌山駅から和歌山市駅の間を走っている鉄道を高架にする工事が始まっています。和歌山市の真ん中を貫いている線路のため民家に隣接している箇所が多く、工事をする騒音が響いているようです。特に夜間工事になると振動と騒音で眠れない夜もあると聞きます。
 工事での騒音だけならまだ我慢出来るとしても、高架が開通すると隣接する民家は鉄道騒音に悩まされることが気になっています。市役所からの説明はあるものの、地元の意見に対して回答が示されていないので、この地元での不安感が増しています。
 状況について調査いたします。

【打ち合わせ】
 熊野健康村構想の一環として本宮大社近くに観光施設兼リラクゼーションのための足湯施設に取り掛かることが決定し、入札の結果建設会社も決まりました。
 竣工は平成18年3月末の予定で、サービス開始は今年4月からとなる予定です。
 また昨年和歌山市内で開催した藤原紀香さんのアフガニスタン・カンボジア写真展を契機として、写真展の会場となったアバローム紀の国で写真展を常設展示することに決定しました。
 アバローム紀の国ではアフガニスタンの写真パネルが6枚、和歌山県立美術館にはカンボジアの写真パネルを3枚展示する計画です。
 オープニングには藤原紀香さんが和歌山市に来ていただくことが決定し、式典を開催します。式典の概要は次の通りです。皆さんものご参加をお待ちしています。

藤原紀香さんアフガニスタン・カンボジア写真展常設について
 平成17年8月6日〜11日に亘ってアバローム紀の国で「Smile Please!〜アフガニスタンで感じたこと、カンボジアで考えたこと〜撮影:藤原紀香」写真展を開催いたしました。
 この写真展を通じて、藤原紀香さんが活動の中から見つけた世界観、平和への感動を和歌山県から全国に発信出来る機会を持てました。この写真展が契機となり、藤原紀香さんの平和への祈りの拠点としてアバローム紀の国においてアフガニスタン写真展を、和歌山県立美術館ではカンボジア写真展を常設することで合意いたしました。
 藤原紀香さんがアフガニスタンやカンボジアで感じたことを、いつでも共有できる場所として、世界平和のメッセージを発信する拠点として、和歌山県がその役割を担うため写真展を常設することになりました。
 つきましては、常設展設置に当たって藤原紀香さんがアバローム紀の国にお越しいただき、オープニングセレモニーを開催いたします。

【開催日時】平成18年1月14日(土)14時〜14時30分
【開催場所】アバローム紀の国1階ロビー  和歌山市湊通丁北2-1-2
【セレモニー内容】
 1.主催者挨拶 NPO法人和歌山観光医療産業創造ネットワーク理事長 田村友二
        アバローム紀の国 妻鹿支配人
 2.藤原紀香さん挨拶
 3.デジタル写真展除幕式

【その他】
 昨年の写真展からの支援金は、紛争により困難な状況に追いやられたアフガニスタンの子ども達の健康と栄養改善支援活動に活用することで合意、決定しています。
 栄養サポート支援により、子ども達が学校教育を受けられる状態に戻すため、子ども達への予防医療と健康、栄養教育の実施、親と教師への健康や栄養に関する指導とトレーニング、年に2回保健と医療に関する学校一般参観の実施などを予定しています。いずれも学齢期にある子ども達の健康と栄養状態を把握し改善し、健康な状態で子ども達が初等教育を受けられることを目的と考えています。
 支援プログラムは平成18年1月1日からスタートさせており、一年間を通じて支援活動を行う計画です。

【新春懇談会】
 大阪市内で開催された関西地方議員が集まる新春懇談会に参加しました。東京から大阪から出ている国会議員は、東京は雪で飛行機が大幅に遅れ途中からの参加となりました。
 今年の寒さと雪の量は北国では大きな問題となっていて、国でも地当該地方自治体でも雪対策に奔走しているようです。関西の太平洋側は気象条件に恵まれていることに感謝したくなります。
 話していると、本日参加した皆さんの各地域では景気が上向きで元気を取り戻しつつあることが感じられます。人が元気になるから経済も良くなるのか、経済が良くなるから人が元気になるのか不明ですが、関西経済に薄日が差していることを感じる懇談会となりました。
1月 9日(月) 「中学校で生徒記録を紛失」
 平成17年11月に、和歌山市立紀伊中学校で平成17年3月に卒業した145人の生徒の成績が書かれた成績原票と、このうち1クラス36人の保護者名や指導記録が書かれた指導要録がなくなっていてことが判明しました。指導要領については個人情報が記載され法律で保管が義務付けられている資料であることから、教育委員会は警察に届出を行い、警察では窃盗の疑いで調査しているところです。
 個人情報が記載された指導要録は入学時期や保護者名などが書かれた学籍記録と、成績が書かれた指導記録からなり、学校教育法で学籍記録は20年、指導記録は5年の保管が義務付けられています。和歌山市教育委員会の調査によると、指導要録は職員室の保管棚に保管し教頭が管理していたこと、成績原票は校長室のロッカーに保管していたことが判っています。  
 被害届けを受けた警察では窃盗の疑いで調べていますが、和歌山市教育委員会では資料の出入りのチェックや鍵の管理を徹底するよう指導しています。

 問題なのは約1年前にも同じような不祥事があったのに、わずか1年後に再び発生したことです。
 この事件は、平成17年1月18日にも和歌山市立楠見東小学校で5年生38人の通知表が紛失していたことが発覚したことです。更に同年2月21日には、5年生の担任教師が校外に持ち出すことを禁止されている指導要録を自宅に持って帰って紛失しています。指導要録には入学以来の成績、生年月日、保護者の住所と氏名などが記載されています。通常は校長室の金庫に鍵をかけて保管されていて校外への持ち出しは禁止されているものです。
 和歌山市教育委員会からは教師に文書訓告、校長先生に対しては厳重注意処分をしています。
 この時市教育委員会では、保護者に謝罪して理解を得られたとして警察に被害届は出していませんでしたし、指導要録の件については混乱が起きるとして生徒や保護者に説明をしていませんでした。
 この事実が重大なことであることから、1月11日、会期外ですが教育民生委員会を開催し、事件の報告を受けて事実に迫る予定です。 
 前回は文書訓告だけでしたから、1年後に事件が繰り返されたことから十分な再発防止になっていたのか疑問なところです。個人情報の典型的な資料が紛失している事実から、同様の事件を予防する観点から処分も必要とも思えてきます。
 元小学校の先生に確認したところ、指導要録を自宅で見る必要性は低く紛失することは考えられないし、校長室の金庫は簡単に開けられるものではなく外部の仕業とは思えない事件だと回答してくれました。
 生徒の個人情報に対する認識の甘さと管理体制に甘さがあります。外部に流出していなければ良いのですが。ただ個人情報として意図的に外部に流失させるのなら、教師や生徒の名簿の方が危険度は小さく扱い易いので、営利目的で指導要録を外部に持ち出すことは考え難いともいえます。委員会で真相か判明すれば良いのですが、未だ手元に資料もないので事件に関しては何とも判らないところです。
1月 8日(日) 「成人式」
【出初式】
 和歌山城砂の丸広場において毎年恒例の消防出場初式が開催されました。例年、組まれた櫓の上は風が吹きぬけ寒いのですが、今日は風がない出初式となりました。新春のこの行事は心身とも引き締まる思いがします。
 防災への備え、危機管理、安心安全を支えてくれているのが消防団を初めとする今日参加してくれている皆さん方です。安全を支えているのは人ですから、人を大切にするまちづくりが防災においても基本となっていることが分かります。
 防災への備えとして何が必要なのか、そして何をすべきなのかを地域が自主的に考え取り組むことが基本で、それが出来た上で行政機関が後押しする形が理想です。和歌山市でもその形を目指した枠組みを構築する考えがありますから、地域として先行出来る防災対策があれば話し合って欲しいものです。

【成人式】
 和歌山市のイベントホールであるビッグホエールで成人式が挙行され、来賓としてお招きを受けました。今年の成人式の対象は、昭和60年4月2日から昭和61年4月1日までの間に生まれた人で、和歌山市の場合対象者は4,295人あります。本日参加したのは約半分の2,000人、それでも会場は満員で圧倒的な雰囲気がありした。
 和歌山市において近年の出生数は約3,000人ですから、数字からも少子化が進んでいることが分かります。出生人数が減少している上、和歌山県の場合、県外への進学率が高く一度県外に出た人は和歌山県内に帰ってこないことが人口減少に拍車をかけています。和歌山県に戻りたい学生もいるのですが、企業が少ないため就職口が見つからないのです。 
 来年卒業する予定の京都の大学に進学しているある学生は、和歌山市では就職が見つからないので県外に就職が決定しました。出来れば生まれ育った和歌山市に帰って貢献したいとの思いはあるのですが、定期採用で新卒者を受け入れてくれるところが少なく、思い描く理想を実現する環境に乏しいようです。
 企業誘致は昔ながらの施策ですが、今更ながら企業が地域にあることがどれだけ地域貢献になっているのかが伺い知れます。卒業して直ぐ起業家になる学生もいますが、全てではありませなん。一度社会を知るために企業に勤め、会社組織や人との交流について学んでから起業する人も数多くいますから、個人の選択肢を拡げる意味でも、地域の活力を生み出す意味からも地域に企業がある方が良いのです。
 本日成人式を迎えた新成人が誕生したのは昭和も終わりに近い時ですから、時代の流れの速さを感じます。もう間もなく平成生まれの人が成人式を迎える時期に差し掛かるのです。彼、彼女達が大人の社会に突入する時までには、和歌山市の環境を整えたいと思う次第です。
 温暖で四季を通じて過ごし易い和歌山市が経済的に遅れているのは不思議な感じがしますが、現実はどの指標も全国で40番台となっています。ここから挽回するためにも新成人達の台頭が不可欠ですから、企業人であり社会で活躍する人になることを期待したいところです。
 幸い和歌山市にはNPO法人の活動が活発ですから、受け入れてくれるだけの土壌は整っています。
1月 7日(土) 「新春シンポジウム」
【懇談会】
 昼間は新年の意見交換会。集まっていだいた女性の視点から市政に関する課題をお聴きしました。
○教育問題
・小学生の保護者達は、自分の子どもは小学校で話せるための英語授業を受けていると思っていました。ところが生徒数の多い公立小学校では年間数回だけ授業があると知り驚き、参観日終了後の保護者懇談会で質問をしました。「何故英語の学習時間は年2時間から3時間だけなのですか」、担任の先生の回答は「予算が無いからです」と言うものでした。
 保護者への回答としての実施出来ない理由としては情けないものです。教育者が本当に必要と感じているのであれば、教育現場から予算化要求を行う、予算がつかないなら自分達で英語を教えるための工夫を行うことも出来る筈です。今日集まった方からも、夏休みの間だけでも短期留学を行うと、英語を教えることに関して随分違うとの意見が寄せられました。
 お金がないから英語の授業を行わないのは仕方ないとは言えません。今の小学生が小学生でいられる期間は今だけだからです。仮に数年先に導入するとしても、現在の小学校高学年の生徒は卒業した後のことになります。今の子ども達には、世界を相手に勉強したりビジネスをする舞台が用意されています。スタートラインに立たせてあげることが大人の責任であり、和歌山市で育っている子ども達への贈り物になります。
 午後から二階経済産業大臣の講演を伺いましたが、その中でも良く似た主旨の発言がありました。中国のように人口が13億人もいると、仮に周辺部に天才的な素質を持つ子どもがいたとしても、教育体制が行き届いていないため才能を発揮する場に立つことは出来ません。しかし日本では全国で教育体系が整えられているため、どこの地域で教育を受けても差はありません、というものです。
 全国どこで教育を受けても同じ水準であるべきなのに、小学校時代の話せる英語教育についてはそうなっていません。和歌山市内でもモデル校では年間60時間も英語の学習を行っているのですから、実施していない小学校と差がついています。
 小学校時代からの英語教育の賛否は様々ですが、グローバル化のスタートラインに立たせてあげることが必要です。

・小学校の先生でも熱心な方は、学校を超えて評判になっています。ある小学校の先生が熱心であると一人の方が発言したところ、何人かその先生を知っている人がいました。学校を越えて名前が行き渡る先生の特徴は、熱心な授業内容が飛び抜けているようです。明るい雰囲気の授業風景。家庭との情報連携を熱心にしていること。総合学習で生徒を惹きつけていること、など保護者から取り組みについて評判が立っています。
 通常、飛び抜けた人がいると周囲の人も負けないように自分なりの特徴を活かして取り組みを始めるものですが、逆に妬みやひがみが生じて反発している事例があります。
 総合学習に熱心な先生に対しては「総合学習なんかに地力を入れても基礎学力に関係ない」。基礎学力を向上させるのに熱心な先生に対しては「毎回授業で算数のプリントばかりさせても詰め込みになるだけで本当の力は見についていない」などです。
 理由をつけて自分のスタイルを変えないでいるよりは、良い事例は吸収した方が良いと思うのですが、特定の職場内の出来事を変えるのは難しいものです。

安全問題
・ある地域に会社の元社宅と元寮があるのですが、従業員数が減少したため閉鎖され活用されていない場所があります。元社宅と元寮は長い壁に囲まれているため、道路の見通しが悪く、元社宅と元寮の間の道路には街灯がなく夕方以降歩くのも怖い状態になっています。住んでいる人でも夜にこの区間を歩くのは避けています。
 管理している人がいないため、夏場は雑草が生い茂っている状態、空き地にゴミが投げ捨てられるので近所の方が清掃しても直ぐにゴミが捨てられています。それでもゴミを片付けないとゴミがある場所には更にゴミが捨てられますから時間を割いて片付けています。
 鳩が住み着きその数が増えている、大きなものになると自動車までが捨てられていたことがあるようです。更に閉鎖して4年が経過しているので壁が崩れ落ちそうになっている箇所も出始めています。
 子ども達にとってまちの中の危険地帯だと言えます。白昼でも壁の中は死角に入るため事件が起きて直ぐには判りません。空き家は放置しておくとタバコやシンナーを吸うための溜まり場になる恐れもあり、非行を助長させる場所に成りかねません。事実、この近くの公園で中学生が性行為をしていた事例があるなど治安が乱れつつあります。
 子どもが犯罪に巻き込まれるのを未然に防ぐことが地域と地方自治体としての課題ですが、企業が所有していること元社宅と元寮が関わっている治安問題は、自治会や地方自治体だけでは解決が図れない問題となっています。
 しかもこの場所は通学路になっているだけに余計に問題です。急いでいる時は少しでも近道をしたいため、この元社宅と元寮の間の道路を通学のため通っている生徒もいるようです。今のところ事件までは至っていませんが、犯罪予防の観点からも対応が必要な地域だと認識しています。通学路の危険地域の洗い出しを行っているため、来週には市教育委員会に提言いたします。

【情報懇談会新春シンポジウム】
 和歌山放送情報懇談会新春シンポジウムとして二階経済産業大臣による「和歌山新時代への提言〜今求められているもの」に参加しました。講演会の内容の一部を紹介します。
・全国的に経済は回復基調にありますが、中小企業の問題、地域間格差の問題がありました。しかし中小企業も回復局面に入っていることが報告されていますし、地方でも経済回復基調に入っています。関西でも和歌山県以外は回復しているようです。和歌山県が出遅れていますが、追いつくためには新産業創出と地域産業創出が鍵です。

(新春シンポジウム)

・経済産業省は観光に力を入れます。そのためジャパンブランドを作り出るとしたところ、各県から推薦がたくさん出ているのですが、和歌山県からは何も推薦されていません。和歌山には良い産品がたくさんあるので、この機会に提案して下さい。和歌山ブランドを創出して欲しいと思います。

・和歌山大学観光学部は見通しがつくようになってきました。設置出来る方向になっています。日本で初めてに価値がありますから、国立大学に初めて観光学部を設置するのが和歌山大学になることを期待しています。和歌山県が観光で抜き出るためには、観光学部設置だけではなく将来的に大学院も設ける必要があります。
 立命館大学が大分県でアジア太平洋大学を開学しているように、同じ地方の和歌山県で出来ない筈はありません。観光といえば和歌山県と言われるようになりたいものです。

・平成18年1月9日、日中間で東シナ海の油田開発について交渉が再会されます。エネルギー問題は我が国にとって重要な問題であり、石油、天然ガス、原子力の問題に力を注ぎます。中国との交渉では、日本が優位にある環境保全技術と省エネルギー技術のノウハウを提供することを視野に入れています。

 その他シンポジウムでの主なコメント。
・現在はハプニングに対応する力が求められていること。筋道通りの出来事には対応出来ても当然で、むしろ咄嗟の時の対応が重要となっています。
・常識が通用しない時代になっていることから常識の非常識化を図る必要があること、非常識が重要視される時代になっています。
・企業間競争で生き残るには創造力が大切です。他人のために尽くすために仕事を大切にすることです。仕事を大切にすると手抜きは出来ません。しかしお金を愛すると手を抜いてお金を儲けようとします。そうすると偽装設計など相手のことを考えない仕事になってしまいます。
1月 6日(金) 「賀詞交歓会」
【紀州子ども語り部育成事業】

(紀州子ども語り部育成事業の舞台和歌山城)
 紀州子ども語り部育成事業についての取材に対応しました。和歌山市の地方紙では毎回、和歌山市民の底力提案事業で採用され事業を実施中のものを掲載しています。第三回目の掲載記事として紀州子ども語り部育成事業を取り上げてくれることになりました。
 久しぶりにお会いする記者の方もいて1時間以上に及ぶ取材となりました。この事業の主旨は、和歌山市の小中学校に通学している生徒達が和歌山市を誇りに持ってもらえるように和歌山市の歴史を知ってもらうことがあります。市の施策などでも和歌山市に誇りを持とうと言われますが、自分が暮らしている市の歴史や発展の背景を知らないで誇りに思う訳がありません。
和歌山市が和歌山城を中心とした城下町として栄えてきた歴史を知ることによって、和歌山市が今の姿であることを認識出来ます。

 西暦1600年以前から和歌山城を中心にまちづくりが行われてきたことが、良くも悪くも現在の和歌山市につながっています。城下町は城を中心に街並みが整備されているため、比較的新しいまちづくりを実施できる市とは開発の容易さが違います。商業地などは昔のままの姿なので大規模な再開発は難しいのです。そのため中心地よりも、土地価格が安くて広い郊外へと開発は向かいます。
 だからと言って、城下町の姿を取り壊して開発するのでは今までのまちづくりを否定することなり、歴史と文化の継続性が失われます。長い時間を経て発展してきた街並みを、深い根拠もない開発の名の下に壊すことは出来るものではありません。まちづくりは短期的なものではありませんから、将来に向けた展望を持つことが必要です。壊すのは簡単ですが一度壊すと景観は元に戻りません。そのため一つの世代だけで検討するのではなく、少なくとも前後の世代の意見を交えて検討することが必要です。
 これら和歌山市のまちづくりの基礎を子ども達に知ってもらうことで、将来も健全な発展が望めます。
 和歌山市の発展の経緯を学んだ子ども達が、高校、大学へ進学する際、県外へ出て行ったとしても、いつか大人になった時、和歌山市に戻る選択をしてくれる人がいて欲しいものです。和歌山市から外に出て見聞を広げた後、故郷に戻り和歌山市を支えてくれる人材を一人でも輩出することが出来たら紀州子ども語り部育成事業は成功だと言えます。
 決して大人になった時、紀州語り部になってもらうことが目的ではなく、世界に通用する人材が和歌山市から誕生してもらいたいのですが、その場合に生まれ育った和歌山市のことを恥じることなく世界に誇って欲しいのです。そのため和歌山市の歴史と文化についての知識を習得してもらいたいのです。
 自分の育った市のことを知らないで誇りを持つことはあり得ません。日本人が日本の歴史を余り知らないため、諸外国に対しても日本国としての主張が出来ていない現状を見るにつれ歴史教育の重要性を感じます。和歌山市の歴史を知っている子ども達を育成することで和歌山市への誇りを持った子どもが育ってくれる筈です。

 もうひとつはお城観光への取り組みとして、子どもが語り部をしているお城を聞いたことがないため、全国で初めて事業化を図りたいと思ってのものです。研修会を実施しコンテストをして修了ではなく、語り部として活動が可能な子ども達を組織化して、和歌山城を訪れてくれる観光客を案内する紀州語り部の皆さんの補助として活動してくれたら嬉しいものです。
 以上のようなふたつの意味から、事業を実施する意義はあると思って取り組みを行っています。

【その他活動】
 不動産会社では事務所にいる方全員が大きな挨拶で出迎えてくれました。企業は人が支えていますから、元気なこの会社は今年も飛躍する予感があります。飲食品を扱っている会社では、もう営業員が走り回っているため事務所には人が少ない状況です。設備工事会社、不動産会社、サービス産業の会社ではもう通常の仕事に入っています。カウンセリング事務所は人が相手の仕事ですから休みはなく新春から全力疾走しています。全力で取り組んでいる姿勢が共感を呼び、このカウンセリング事務所支援の輪が拡がっています。

【新春賀詞交歓会】
 夜は和歌山県労福協主催の新春賀詞交歓会に出席させていただきました。県知事と和歌山市長を初めとして、各界からも参加者を向かえての会合となりました。全国的に景気回復の兆しがあるとこから参加者の表情には明るいものが見られます。
 ただ木村県知事の挨拶にあったように、昨年の国勢調査では和歌山県の人口はマイナス約34,000人で、人口減少率は秋田県に次いで全国ワースト2位でした。人口が減少することは活力を奪い去りますから、高齢化率が高い和歌山では全国に先駆けて少子化対策が必要となっています。
 
【懇談会】
 夜、引き続き懇談会に出席。お互いに自由な意見交換が行えるなど楽しいひと時でした。人が三人集まれば派閥が出来ると言われるように、仕事を上手く運営するのは難しいものです。注意しすぎても駄目、従業員に関心を持たなくても駄目なので、職場や人間関係の空気を読める人がリーダーになる必要があります。上司によって仕事内容が変わる、職場の人間関係によっても仕事が変わることは多々あります。
 仕事の成果は関わる人によって変わりますから、人付き合いや誰と仕事をするかが大切です。
1月 5日(木) 「ラインに届くまで」
【ラインに届くまで】
 再び寒さを増した一日は、昼間でも冷たい風が体を突き抜けて行きます。
 今日から仕事始めのところから挨拶に訪れてくれました。お一人は長年和歌山県政を見て来た重鎮の方。昨年の衆議院選挙和歌山一区の結果を顧みて選挙の難しさを解説してくれました。当該選挙とは現職候補が10万票超過、新人候補が約8万票の得票で、現職候補が勝利した選挙を示します。新人候補からすると、衆議院解散から投票日の一ヶ月少しの期間で約8万票を獲得出来たことから、あと少しで届くのではないかと見る向きもありますが現実はそうは行きません。それは新人候補の経歴を持ってすれば、期待票と現体制への反対票を合わせると基礎票として約8万票はあって当たり前というものです。難しいのは基礎票に上積みする票を獲得することです。票を積み上げ差を縮めるのは並大抵のことではありません。

 基礎票を上回る得票を得るためには、投票率を上げる位魅力的な訴えをするか相手候補の票を裏返す必要がありますから、ここからの1票、つまり当選に向けての票獲得は簡単なものではありません。
 同様に県議会でも市議会でも、まともな候補者ならそれなりの得票を得ることは可能ですが、それなりのレベルから当選するところまで持ち込むのが大変なのです。票が届くところの位置にいても決して届いている訳ではありません。足らないものは何か、それは候補者の資質や環境によって異なりますから一概には論じることは出来ませんが、勝てる水準まで引き上げるのは本人次第であることは間違いありません。
 そうすると、勝負とは向かい合っている相手と戦うのではなく自分との戦いであることに気づきます。自分との戦いとは、選んでくれる人にとって期待に沿った活動を行っているかどうかにあります。他人は自分を映す鏡であることを意識しておきたいものです。

【企業価値】
 県の幹部との懇談。各新聞による今年の企業動向を読むと、業績が上昇すると予想されている企業と下がると予想されている企業に分かれています。特定の業種が上下するのではなく、同じ業種でも期待されているところと、そうではないところに分類されているのです。この違いは何か、鳥瞰すれば経営者、リーダー、トップの資質によるものが大きいといえます。
 短期的な利益構造を作るのではなく、長期的に利益を上げられるしくみを構築している、又は構築しつつある企業の評価が高くなっています。企業は生き物で短期的に利益を上げて逃げ切る存在ではありません。地域と共に成長する存在であることが肝心で、そのためには金銭的な利益に加えて顧客や地域社会からの信用という利益、地域でいてくれて有り難いと思ってくれる信頼という利益を含めて企業価値になります。
 これらを含めた総合的な企業価値を持つ企業だけが成長していくのです。企業は地域と共に生きる存在であることを忘れてはいけません。

【モラル】
 市役所で自転車、単車で通勤している方のモラルについて懇談。近隣の事務所の塀に沿って自転車や単車が置かれている状況がありますが、土曜日曜や祝日は置かれていないことから、市役所の方が通勤に利用している方の自転車、単車が置かれているのではないかと疑問が持たれています。
 ただ市役所人事担当箇所から各部局に通知が出されて以降、自転車と単車が近隣に置かれている台数が減少しているのですが、空いたスペースには今度は自動車が置かれるようになりました。モラルという言葉では言い表せないような状況に苦笑いです。

【小規模多機能施設】
 小規模多機能施設について打ち合わせを実施。国の具体的方針が示されていないため平成18年4月からの試行が難しい状況です。民間福祉施設では対応していく必要かあるのに、未だ行政機関から方針が示されていないことに焦りが伺えます。行政機関は遅れても実害はありませんが、遅れるほど実施担当箇所にしわ寄せが行くからです。早期に見解を出して欲しいものです。

【通夜式】
 同級生の奥さんが闘病生活の末亡くなったため同級生達と一緒の通夜式に参列。若くして亡くなった場所に立ち会うのは大変辛いものがあります。卒業して数十年、様々な場面に立ち会う機会が増えています。
1月 4日(水) 「仕事始め」
 年末ぎりぎりまで仕事を行っていたところは明日から営業開始のところもありますが、
 今日から仕事始めのところが多いのではないでしょうか。
 
・新年の挨拶の時、何人かの方から「いつもホームページを楽しみに見ているのに年始になって更新されていないので早く更新して下さい」と暖かい励ましをいただきました。併せて「日々の活動内容や和歌山市の情勢が良く分かり勉強になる」「能動的な活動をしているから書き込めるのであって、いわゆる行政的雑用をしているだけでは面白みがなく書き込めないですよね」などの言葉をいただきました。ご支援本当にありがとうございます。
 
・市役所ロビーにて。午後1時過ぎ、白い杖を持った目の不自由な方が市役所で用事を済ませた後、市の職員さんに介添えを受け1階ロビーまで一緒に出てきました。ロビーで待機していた警備員さんが当然のことのように近づき市職員さんから後を引き継ぎ、「バス停までですね」と優しく声を掛けて市役所の外まで同行して行きました。見逃してしまいそうな何気ない光景でしたが、新春から清々しい感じを受けました。
 この後、警備員さんに偶然お会いしたので「素晴らしい光景でしたね」と声を掛けたところ、「いつもの通りですよ」と照れながら答えてくれました。
 高齢者の方が立っている電車内で自分が座っていた場合に席を譲る行為。道中、自動車から車椅子を降ろしている方を見つけた時にとっさに手伝う行為。今日のような目の不自由な方に対して躊躇なく案内する行為。分かっていても中々出来るものではありません。一瞬どうしようか迷っているうちに他の人がお手伝いをしてくれたり、機会を逸してしまいます。思っていても行為に移すのは、日頃からやり慣れている必要があります。
 今日の警備員さんは、恐らく普段から体が不自由な方を見かけると声を掛けて用事のある場所に案内しているに違いありません。思うだけではなく自然に体が反応することが、とっさの行為に結びつきます。
 市役所の方の行為は、このまちに春を予感させてくれるものでした。

・市長訪問のお客さんに同行して挨拶のため市長室を訪問、市長室に二人の助役と収入役も同席していました。例年お伺いさせていただいているのですが、市長から助役、収入役と順番に挨拶を行っていたのですが、今日は一度に挨拶を行うことができたことはお客さんを中心にした考え方のように感じました。このように少しの配慮で相手に好印象を与えるものです。
 順番に挨拶に廻ろうとしていたお客さんは、短時間で挨拶を終えることが出来たので拍子抜けしたような、でも配慮に感謝しているようないつもと違った感覚を覚えたようです。市役所に変化を感じる出来事です。

・年末も休みなく仕事をしていた職場の皆さんを訪問。寒い冬になると忙しくなる仕事もある訳です。普段と変わらない年末年始を迎えられるのも、休みなく社会を支えてくれている方達がいるお陰です。
 会話の中で、1月1日の地方紙の一面を見て「紀州レンジャー頑張っているね」と意見をいただきました。最近良く見かけるので県のキャラクターとして認知度は上がっているように感じてくれています。今までにない取り組みに期待してくれています。

・同じく年末年始交代で勤務している職場の皆さんを訪問。所長から職員の皆さんに声をかけていただきました。田辺市から単身赴任で和歌山市に来ている所長と懇談したところ、田辺市合併により行政サービスを行うべき地域が広がったうえ、山間部と市内部ではインフラに違いが相当あるので管理するのが大変そうだと意見がありました。
 確かに文化が異なる地域が広域合併すると、融合するまで行政サービスに苦労が伴うように感じます。和歌山市の場合、合併の議論がありませんから深くは研究していませんが、今まで異なった地域が同じ方向を目指して取り組めるよう舵取りを行うリーダーの責任は大きいのではないでしょうか。近隣の地域であってもまとめるのは大変なことです。

・起業家支援のための意見交換を実施。和歌山市の観光振興に結びつけることを目的として和歌山市に進出してくれる起業家がいることは有りがたいことです。放置しておくと関西空港に到着した方々は大阪、神戸、京都に向かいます。和歌山に来てもらうには。事前に和歌山の良さを海外に周知しておき、関西空港から和歌山に来てもらう輸送手段と仕掛けが必要です。観光和歌山を目指した取り組みに期待しています。

・小学校同級生の実家から連絡を受けていたので訪問し懇談を実施。同級生の妹のご主人も来ていて一緒に話し合いました。気が付けば小学校時代は30年以上も前のことになっているのは驚きです。光陰矢のごとし、小学校時代から30年も経過しているように時の経つのは本当に早い。今を生きている2006年を大切にしなくてはと気分も新たになりました。
1月 3日(火) 「行政を考える」
 年末に残した課題があっても年が変わると全てリセットされるような感覚があり、「課題達よ、さようなら」と正月の間は忘れがちですが、1月3日になると現実的になり課題の整理に追われそうになります。新年気分はもう終わりを迎えています。

 さて皆さんから市議会に送り出していただいて2年半以上経過しました。この間、和歌山市という行政機関と一緒に仕事をして来た訳ですが、一体行政とは何なのか得体の知れないところです。行政について説明するのは難しいものですし、行政とは何か明確に分かっている方も少ないのではないでしょうか。
 そこで地方自治体での行政に関わる中で感じたことを、分かり易い事例を持ってまとめてみます。
 私達は整備された道路や蛇口をひねると出てくる水道など、安価で使用できる公共物に囲まれて生活を営んでいます。義務教育においては誰でも公平な教育機会を受けられますが、これも自分の意思に関係なく提供されているものです。高齢者になると自分一人、または同じく高齢化した家族だけでは出来る仕事量が少なくなりますから、誰かの助けが必要となります。
 ところが、道路や水道の整備には多額のお金が必要なため、個人や自治会単位では整備するのが難しいのです。自治会内の子どもに教育を施そうとしても、学校施設や教科書が必要となり、子ども達を教えてくれる先生の存在も不可欠です。高齢化した人を助けるにもお金が必要なため誰かがお金を捻出しなくてはなりません。

 基本的には自立した自分が存在することから始まりますが、自分が好きな或いは自分に任された仕事だけをしていても共同の財産は蓄積されません。そこで、自分達が得た所得の中からお金の一部を出し合って自分達の生活で必要な共通のものを作ったり、必要なサービスを設けようとします。
 そのため皆で出し合ったお金で道路を作る人を雇ったり、教育や福祉サービスをしてくれる人を雇用することになります。従来、教育や福祉は基本的にはお金を生み出さないものでしたから(現在は金銭的価値を生み出す産業になっています)、それを職業にしても生計を営むのが難しかったため、皆で出し合ったお金を活用して専任出来る人を雇用して任せたのです。仮に特定の職業を持っている人が、子どもを教える能力があり、高齢者の介護が出来る心やさしい人であっても、あれもこれも掛け持ちすると能率は良くありません。どれか一つだけに絞って働いた方が経済的価値を生み出せるのです。能力を発揮できる一つの仕事に専任し、そこから生み出す所得を増大させ、余裕のある分を皆のために提供して皆んなのために仕事をしてくれる人を雇用した方が効果的なのです。
 さて経済的価値を生み出すであろう仕事があれば、資本主義社会では誰かが専門の仕事にします。でも経済的価値を生み出しにくい仕事は誰も職業にしませんから、皆でお金を出し合って人を雇用し任せる訳です。

 私達は生活するために仕事をして所得を得る必要がありますから、子どもの教育や道路の整備などを行う時間は捻出出来ません。仮に捻出出来るとしても先の理由で能力を発揮出来る仕事に専念した方が成果は大きくなるので、地域の全員に共通する仕事をしてくれる人が存在した方が都合は良いのです。
 そこで地域で共同して生活する上で必要な仕事を一まとめにして、皆が出し合ったお金でそれらを専門にしてくれる人を雇用し仕事として依頼したのです。
 それらの仕事を遂行してくれる機関が行政なのです。
 行政学者の千葉大学新藤宗幸教授によると、「行政とは、共同生活を営んでいる人びとが決めた意思(政治の決定)に従いつつ、共同生活のために必要な事業を担う雇われ人たちの集団作業である」(新藤宗幸「行政ってなんだろう」岩波書店)となります。
 現代社会においては、私達が働いて得た所得の中から一定の割合の税金を国や地方自治体に提供し、そのお金で行政機関の人を雇用し私達の代わりに地域での共同生活が円滑に進むように仕事を任せているのです。

 定義付ければ「集団作業を営む雇われ人たちは、共同社会を構成する人びとのマスターなのではなく、あくまでサーバントだということです」(新藤宗幸、前述書)となります。
 ここで分かるように、行政機関は私達の意思を着実に実行するために存在する機関であるということです。行政とは法律で決められたことを執行する機関ですから、基本的に行政機関には意思決定能力が与えられていないことになります。では一体誰が、私達が提供したお金の使途を決定するのでしょうか。
 私達が共同生活で必要と考えるものは集団が大きくなればなる程、思いは違ってきます。
 家族内だったら、デジタルテレビが欲しいのか海外旅行に行きたいのか、家族で決定すれば良いことなので比較的簡単に意思決定が出来ます。自治会になれば自治会役員を選出し、自治会総会を開催して一年間の予算案を決定し執行していきます。同じ地域内だとまだ利害は対立しません。一緒に秋の運動会を行う、自治会内に暮らしている高齢者のお役に立つ活動を行うなど、比較的思いは同じ方向に向いているからです。

 ところが地域全体のことになると利害が一致しない場合が多いのです。市全体の決定事項になると、私達の代表者を送り出して意見を出し合い、予算配分を決める必要があります。「ひとつの集団の秩序を維持するために、対立する考え方や利益を調整して、集団としての意思を決定し、それを実現すること」(新藤宗幸、前述書)が政治なのです。市議会とは特別の権力や存在ではなく、私達の代表者が市全体の課題について整理し、市民から預かっているお金の使途について地方自治体としての意思決定を行う存在なのです。
 結論として、私達が提供しているお金の使途と配分を決定するのが議会であり、決められたとおりに執行するのが行政となります。お金を使い方の意思決定は私達の代表者で行い、執行は私達が雇用している人の集団である行政だと考えてもらうのが分かり易いのではないでしょうか。
 そうすると主役は私達一人ひとりであり、主役である私達の要望を実現させるために尽力してくれる存在が行政機関だといえます。

 ですから、私達が所得に応じて可能な限りたくさんのお金を提供すれば、多くの専門家を雇用出来ますから大きな行政となり、福祉施策などが行き届いた集団になります。逆に自分のことは自分で行うことを基本にすれば、税金として支払うお金を少なくして行政の役割を小さくすることになります。この場合、私達は必要最低限の行政サービスを受けるに留まります。
 元々ヨーロッパの市民革命直後は小さな政府からスタートしました。封建主義を倒して発足した政府は自由主義を理想として掲げていたため政府の役割は小さなもので良く、権力者に権限を与えすぎることは歴史を戻すことにつながりますから、それを避ける意味からも小さな政府が理想だったのです。
 ところが自由主義は富の配分を偏ったものにします。貧富の差が激しくなり、貧困者の救済や福祉制度の導入、また景気の波による失業者対策として経済問題にも介入する必要に迫られました。様々な役割を持たされた行政機関は専門化を余儀なくされ、巨大な組織に向かいました。それが福祉国家に進展していくのです。
 歴史は繰り返され、今再び行政肥大化を解消するために、民で出来ることは民で行うことを基本とした小さな政府に向かおうとしています。貧富の差が発生している時代に小さな政府に向かうことが良いのかどうか、歴史から学ぶべき課題です。
 
 最後に、行政とは私達がお金を出し合って共同の仕事を任せているものと記しましたが、現代社会では行政の仕事は専門化が進んでいるため、専門職でないと対応出来なくなっています。身近な問題をとっても少子高齢化の問題やニート対策、地域経済再生の問題、教育問題など素人が提言できる筋合いのものではなくなっているのです。そのため行政職員は私達の仕事の代理人ではなく専門職の域に達しています。
 優秀な人が行政に携わってくれることで安心、快適な共同生活が過ごせるのです。行政は私達の代表者によって決定される法律に沿って仕事を遂行する機関ですが、法律は具体化させると社会で応用出来ないものですから一般的抽象的な条文にしています。そのため機関委任事務制度が廃止された現在、地方自治体の職員の裁量や能力、思いやりによって、法律を解釈することで実現することも可能となっています。全国一律の行政サービスではなく優秀な行政職員がいる地方自治体では、私達の要望に対して法を逸しないで予算の範囲内であれば、可能な限り聞き入れてくれることで快適な生活を過ごすことが可能となっています。
 単に執行機関としての行政から、ある程度の意思を持って仕事をすることが求められているのかも知れません。勿論、ある程度の意思とは、主役である私達の意思に反するものや反社会的行為にならないものであることは言うまでもありませんが。
 時代は主役である私たちの生活を支えてくれる専門家集団としての行政を望んでいるのです。
1月 2日(月) 「心身ともゆっくり」
 正月二日目は和歌山市田尻の実家に戻りました。いつも「よく来たね」と迎えてくれるので、滅多に行かないことを反省しています。昭和6年生まれの父は今年で75歳、昭和10年生まれの母は71歳になります。5年前に父が「もう70歳になる」と言っていたのに年月が過ぎるのは早いものです。あちらこちら体が悪いと言いながらも、子どもから見ると健康そうで、今日も散歩を楽しんでいたので安心したところです。健康は宝物、何よりも大切な贈りモノですから、私も両親から贈られた健康な体に感謝しています。
 例年と同じく焼肉とお雑煮を作ってくれましたが、家で焼肉を食べるのは年に一度位という昔ながらの食生活をしている私にとって、心身ともゆったりと暖まるものです。帰る場所のある有り難さを実感する瞬間です。普段、両親はゆったりとした時間を過ごしていますが、正月は弟の家族も泊まっているため賑やかになります。
 母は最近、編み物やビーズ、広告などのチラシを活用してのアクセサリー作りを趣味にしていて家中を飾っています。今日はキーホルダーと干支にちなんだ犬の編み物をいただきました。
 帰りになると、寒い中なのに車が見えなくなるまで送ってくれます。風邪を引かないようにと、今年も一年間健康で過ごせますようお祈りしました。

 新しい手帳に今年のスケジュールを書き込んでいきます。新しいスケジュールといっても2005年の手帳に書き込んでいた予定を書き写すだけですが、それだけで気分が一新出来るのが不思議です。同じ素材を新しい器に入れるだけで違った感触を得ることが出来ます。1月4日以降、社会が通常通りの動きを始めると新年のつどいなとが開催される予定です。昨年と同じ式典であっても、参加者の一部は入れ替わりますしそれぞれの挨拶も昨年と同じものにはなりません。私達の営みは、同じことの繰り返しのようで同じことを再現している訳ではないのです。
 そう思うと同じことを繰り返すことは不可能で、絶えず人は変わっていることが分かります。この時代に生きる人は全て同じ時間帯を過ごしています。日本で暮らす私達にとっての2006年はもう365分の2が過ぎました。

 同級生の奥さんが癌で亡くなったと連絡が入りました。昨年の春から入院し治療していたのですが、ついに帰らぬ人となりました。突然の訃報に言葉がありません。人は誰でも現世に留まれる時間は限られているため、遅いか早いかは別にしてやがてこの世を去るのですが、それにしても訃報に接すると心が痛みます。何よりも長生きすることが身近な人にとって最大の孝行だと分かります。ここ数年多くの訃報に接する中から、生きている間に接する人に何かを分け与えることが、生きている人にとっての役割だと思えるようになりました。形として残すにしても心の中で思い出を残すにしても、思いを継承させていくことが尊いのです。形を残すとは銅像や肖像画を残すことでは決してありません。その人と直接関係のない人にとっては価値を見出しにくいものだからです。それよりも、編み物の技術や家庭の味など長年に亘って身につけた技術は身内に伝えたいもののひとつです。心身で感じた味や香りは残された人の元にいつまでも残るもので、影響を与えてくれるものです。
1月 1日(日) 「元日」
 2006年のスタートは穏やかな正月からとなりました。1年のスタートは気持ちが引き締まります。1月1日には今年の目標を定める人も多いのではないでしょうか。
 平成16年の目標は「行動する」でした。新しい環境になった初めての新年だったので、まず行動することから始めようとの思いから目標を定めました。
 平成17年の目標は「継続する」でした。初年度は行動して活動の拠点を設けられたので、継続して取り組むことを目指して目標としました。二年目も和歌山市活性化のための活動を継続出来たのではないかと感じています。

 そこで三年目、今年は「一段高く」を目標に考えています。これは三年目となると、同じことを繰り返す場面が出てきます。同じ時期の同じ内容のイベントや昨年から継続している事業などがそれに該当します。同じように繰り返しても良いのですが、それよりも周囲との関係や時代の空気の感じ方によって、同じ内容に見えても少し変化を持たせることで時代に即した内容のものに仕上げることを目指しています。変化は自分だけが気づくだけかも知れませんが、今年、企画や実施する意味を込めたものにした結果、今までよりも一段高い位置でいられたら素晴らしいと思っています。

 今年は各分野で和歌山から発信する出来事が多くなるような気がしています。
 福祉分野では若い人達が集まって福祉サービスを提供していくことでしょう。
 和歌山出身のシンガーが全国デビューするかも知れません。
 和歌山大学に観光学部が設置される可能性も秘めています。
 健康で暮らしている高齢者の方たちのための福祉サービス拠点が和歌山市に誕生しそうです。
 卓球でオリンピックを目指す若い人達を育成するため民間で体育館を建てるなど、和歌山からオリンピック選手を輩出するため数年後に実現させようとする夢を託した事業がスタートします。
 東南アジアからの観光客誘致を本格的に進めるための拠点が和歌山市に誕生し、国際観光都市和歌山元年となりそうです。
 和歌山大学が主体となる観光振興の一環として和歌山検定もスタートします。
 環境啓発のためのエコアクション21の活動が本格化し、環境立県和歌山をリードする活動に発展していきそうです。

 新しい和歌山を考える会が発足し、全国レベルの講師を和歌山市に招いての交流の機会が誕生します。
 自治会と行政機関、警察が協調した場占めての防災訓練が、防災や共助の観点から深い意味のある日である1月17日に片男波海水浴場周辺で開催されます。
 まだまだありますが、今からでも十分予測可能な今まで見られなかった活動が和歌山で展開されていきそうです。これらの新しい活動は和歌山の可能性を高めると共に、このまちのレベルを一段高い位置に押し上げてくれる期待があります。
 これらの活動と協調しながら、そして切磋琢磨しながら私の活動も従来よりも一段高くしたいと願っています。「一段高く」新年の抱負です。本年もよろしくお願いいたします。

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