11月30日(水) 「植樹」
【植樹】

(植樹活動)
 市内の高齢者福祉施設でツツジの植樹活動を行いました。午後、施設を訪れ、少し肌寒い中、施設に入居されている高齢者の皆さんと一緒に30本のツツジを植えました。高齢者の皆さんからは「自分達で土に植えるのは楽しいです」「春に花が咲くのが今から楽しみです」「枯れないように水をあげます」など日常生活に花を取り入れてくれるような感想を述べてくれました。
 この福祉施設の事務長は、高齢者との関わりについて話してくれました。高齢者施設に入居すると、身の回りのことを何でもスタッフがやってくれると思っている人が多いのですがそれは誤りです。自分のことは自分で行うので元気でいられるのです。座っているだけで何でも出来ている状態は健全ではありません。自分で自分の仕事をして、出来ないところをスタッフがお手伝いをする関係が高齢者施設の役割です。

 その意味で、高齢者の皆さんに週に一度は海の見える場所に行ってもらっています。そこではお洒落な服装に着替えて、ホテルの食事を取ってもらいます。不思議なことに皆さんが海の見える場所に行きお洒落をしていると、スタッフの制服が野暮ったく見えるのです。そこで週に一度のこの時間は、スタッフも私服で高齢者の皆さんのお世話をしています。
 場所と服装を変えるだけで気持ちが変わりますから、リフレッシュして再び明日に備えることにつながります。変化のない日常の中では息が詰まりますから、変化を取り入れているのです。
 自分のことは自分でする、そして環境を変えるなど心に少しの負担をかけること、少しの良い意味でのストレスをかけることで気持ちが充実してきます。何もしなくても良い状態、心配事がない状態が最も人間にとって気持ちを萎えさせるのです。
 生活を少し変化させるだけで気持ちが新鮮になる、皆さんと一緒の植樹活動もそのひとつとなりました。

【英語教育】
 12月の市議会一般質問で小学校での英語教育の質問をすることを周知しています。早速留学経験のある方から連絡をいただきました。小学校時代から英語教育を取り入れるのはとても良いことで、外国人教師に教えてもらうことは効果があるというものです。最初にすべきことはリスニングです。聞くことで英語に慣れてきますが、そうなると言葉の意味が分かってきます。聞き取れない言葉の意味は理解できませんから、小学校での英語は聞くことと話すことに限ります。最初は分からなくても聞くことになれると徐々に意味が理解出来るようになってきます。
 英語教育を取り入れて成功させるための課題は、聞くことに重点を置いた授業、そして教える側である先生の意識です。何故小学校で英語教育を実践するのか、ねらいを説明して理解してもらわないと成功に導くことは難しいのです。小学校の先生は英語を教えなくても良いと思っていますから、意識を変えてもらうことが第一です。
 貴重なご意見ありがとうございます。

【トレーナー】
 和歌山県には6人のアスレティックトレーナーがいます。世界の中で日本はスポーツ競技力が低く、日本の中でも和歌山県は更に意識が低いのが現状です。平成16年の国体での成績は全国最下位、平成17年は43位となっている成績がそれを表しています。約10年後には和歌山県が主催地域になる可能性があるだけに心配な成績です。
 さて競技をしている人は、個人に合ったトレーニングプログラムを専門家に組んでもらうことで競技力は向上させることが可能です。そのお手伝いをしているのがアスレティックトレーナーなのです。
 多くの府県において競技をしている小・中学生は、技術向上だけではなく個人プログラムに基づいた競技力向上を図っています。技術力だけではなく瞬発力や柔軟性など基礎力向上を目指しているのです。和歌山県には専門知識を有したトレーナーが少なく、競技者は勿論、小・中学生にプログラムを提供したり指導する十分な機会を確保出来ていなかったのです。
 アスレティックトレーナーの方と懇談することが出来、改めて和歌山市のスポーツ選手育成に関する取り組みの弱さが浮き彫りになりました。現在、市内小学校のサッカー部を指導していますが、選手経験のあるコーチが指導上における理論が分からなかったことが、トレーナーに入ってもらうと一瞬で疑問が解けたことがあるようです。
 和歌山市内においてスポーツトレーナーとして活動の場が出来つつあるので今後の活躍が楽しみです。

【教育カウンセリング】
 学校や企業などで教育カウンセリングを行っている方と会いました。カウンセリングや学校での講演などで時間が足りない毎日を過ごしています。カウンセリングは基本的にはロールプレイで話すことにより本人に気づいてもらいます。自分を表現することで社会が自分のことを分かってくれますから、篭っていないで会話をすることが大切なことです。

【市の課題】
 ある方々から和歌山市の対応から意欲が感じられないと意見をいただきました。そのため夕方懇談する時間をとりました。その事例は、他の地方自治体で市民サービスのため取り入れている施策について和歌山市で実現出来ないだろうかと当該部を訪れ話したところ、一言「お金がないからねぇ」と検討することもなく拒絶反応があったことです。上位職や関係部署に図ることもしないで、貴重な意見を聞いた担当者だけの判断で握り潰してしまう対応に立腹していました。
 お金がないことを理由に先に進まない態度は考えることを否定しています。改善する意欲と考える力を失っていることが最大の問題点だと指摘されています。
 お金がないことが市役所内に浸透しているのはコストを考えてのことですから、良いといえる反面、市役所組織が考えることを止めてしまった体質になっていると市民の皆さんから見えています。皆さんからの提案を否定から入るのではなく、良いものを取り入れる考え方も大切なのですが・・。

【懇談会】
 夜はメーカーの皆さんとの懇談会に出席しました。メーカーの皆さんは転勤で和歌山市に来ている方が多く、住んでみた上で他都市と比較した和歌山市の良さと悪さを伺うことが出来ました。
11月29日(火) 「臨時議会二日目」
【臨時議会】
 臨時議会二日目は提案された議案の採決です。和歌山市職員、非常勤職員、特別職の給与に関する条例を一部改正する条例の制定についての議案は賛成多数により可決されました。
 また、12月1日から定例会が開会されます。提案されている主な議案は次の通りです。
 指定管理者の指定があり、大半は現行管理を受けている外郭団体がそのまま指定されますが、駐輪場についてはプレゼンの結果、民間企業などが請け負うことになっています。議案第39号、指定管理者の指定について。
 和歌山市営市駅前自転車駐車場は南海ビルサービス株式会社。
 和歌山市営市駅前原動機付自転車駐車場は社団法人日本駐車場工学研究会。
 和歌山市営六十谷駅前自転車等駐車場は社団法人日本駐車場工学研究会。
 和歌山市営和歌山駅東口自転車等駐車場は有限会社和歌山管理サービス。

 議案第16号、土地賃貸契約締結等調停申立事件の和解について。 
 株式会社養水園から和歌山簡易地方裁判所に民事調停申立された土地賃貸契約締結等調停申立事件の和解についての議案です。
 和解内容は次の通りです。契約期間は平成18年1月1日から30年間。賃貸料は月額462,500円。和歌山市は申立人に対して、平成16年4月1日から平成17年12月末日までの賃料相当損害金として9,712,500円の支払い義務があることを認めて支払うことになっています。
 なお、本件和解に伴う弁護士費用は214万円となっています。

【調査】
 一般質問の順番が8番に決定しました。一般質問の初日が12月5日ですから、7日の午後1時10分からの予定です。
 本日は一般質問に関する調査を行いました。ひとつは和歌山市内の公立小学校での英語教育についてです。和歌山県では和歌山市を含む4つの市町村を英語の話す力を育てるためのモデル校として指定し、小中一貫の英語教育を行うことの学習効果の検証を続けています。
 平成15年度から平成17年度まで三年間継続実施しているため、研究校における子どもの英語能力は向上しているようです。通常は同じ校区の小学校と中学校を指定して一貫した英語教育を行っていますが、一部英語教育のモデル校ではない小学校からモデル校の中学校へ進学する例があります。
 その場合、英語能力の格差が心配されるところですが、心配なく授業が行われているそうです。理由は、当該中学校では三年間の話す力をつけるための英語教育のカリキュラムとテキストが確立出来ていることと、教師の能力向上が図られているためです。
 話すための英語教育を実践してきた経験から、小学校で学んでいない生徒も直ぐに受け入れられています。それよりもモデル校以外の中学校との格差の方が問題となっています。
 学校の規模によって予算は異なりますが、外国人教師を雇用する費用は一校あたり200万円から300万円です。和歌山市で導入する場合、中学校は18校ですから約5,400万円、小学校は52校で1億5,600万円の新規予算が必要となります。和歌山市の財政状態からすると全校一斉の導入は難しいものがあります。
 しかし県の事業は先進事例を導入するためのモデル事業ですから、いずれ市町村の単独事業となっていく性格のものです。三年間モデル校での研究を行っている間に、和歌山市でもカリキュラムとテキストの水平展開、教師の養成などを図っておく必要があるのです。そうしないと県からある程度研究成果が見られるため市町村で継続して実施して欲しいと依頼があった場合、対応出来なくなります。
 幸い県では平成18年度も同規模のイングリッシュパワーアッププログラム事業を継続する方針を示していますが、それ以降については未定です。今から継続するための条件整備が必要です。
 モデル校での研究結果から、公立小学校で話せる英語教育を導入するための課題は大きくふたつです。
 ひとつ、外国人教師を雇用出来るだけの予算が必要です。
 ふたつ、小学校教師が英語教育の必要性を理解し、自ら実践する覚悟を持つことです。
 和歌山市のような規模で導入するには厳しい条件ですが、財政が厳しいから出来ないのではなく導入するための工夫が必要です。
 和歌山市の財政面から英語教育を行わないと判断するのは構いませんが、導入している他都市の小学生と比較すると、大人ではなく子ども達が不利益を被ることになります。
 既に英語教育で高い評価を受けているのは、英語特区の石川県金沢市。元来英語教育に熱心であった京都市、岐阜県大垣市の評価も高くなっています。
 金沢市では、英語補助教員(ALT)の外国人雇用は3年間だけと条件がありますが、任期満了後も優秀な外国人と延長契約を結び市独自で継続雇用を図っています。このように先進市では話せる英語教育のための条件を洗い出し継続するための体系が整えられています。
 未だ県のモデル事業の域から脱していない和歌山市は、英語教育においても先を進んでいる他都市に大きく水を開けられている状況です。
 何とかモデル校の成果を全小学校に水平展開を行うとともに、話せる英語教育のために予算を割いて欲しいものです。
11月28日(月) 「臨時議会」
【臨時議会】
 和歌山市議会臨時議会が開かれました。主な議案は和歌山市職員、非常勤職員、特別職の給与に関する条例を人事委員会からの勧告に従い、給与を0.39%引き下げ、期末手当を0.05%引き上げる一部改正する条例を制定しようとするものです。本日は当局からの提案があり、明日採決となります。
 また旅田卓宗議員に対する議員辞職勧告決議が可決されました。これは、旅田議員が和歌山市長時代に収賄容疑で逮捕、起訴されたことに対する判決が、平成17年11月18日、和歌山地方裁判所から実刑4年、追徴金300万円と下されたことから議員の職に留まるのが適切ではないとの市議会独自の判断からです。ただ本決議に法的拘束力はありません。

【懇談】
 奥さんが脳内出血で倒れてリハビリを受けているご主人さんが訪ねてくれました。まさか自分の身内が介護を受けるとは思っていなかったと感想を漏らしてくれました。誰でも災難が自分の元に降りかかってくるとは思わないで生活を営んでいます。しかし現実のものになった時、精神的衝撃はとてつもなく大きいのです。幸いこの方の奥さんは同じ病室でリハビリに励んでいる方々の懸命にがんばっている姿に触れ、生きる勇気が溢れ出ています。体を元に戻すために毎日懸命のリハビリに取り組んでいます。
 生きる勇気を毎日感じられているので必ず良くなると信じています。

【挨拶】
 友人が挨拶に訪れてくれました。一年中休みも取らないで働いているのですが、一身上の都合により平成18年1月31日をもって退職する意向を固めたので挨拶に来てくれたものです。突然のことで驚きましたが、30歳代半ばに差し掛かり自分のやりたいことを追求するため決断したようです。会社組織でも将来を嘱望されている方ですが、今の年齢での決断を逃すとやりたいことに挑戦する機会すら逸してしまう恐れがあるため、1年間程度の浪人生活を覚悟したものです。
 若くして高い地位に就いているのですが、それを投げ捨てて自分の道を踏み出すことになりそうです。自分の歩く道を変える決断は大変なことですから、家族で悩んだ様子が伺えました。
 会社にも話をして同意を得たことから、突然、今の生活は後二ヶ月となりました。限りがあると、人は今まで以上に仕事に全力を尽くすことになります。今よりも夢を選択したことに眩しさを感じます。

【打ち合わせ】
 紀州レンジャーネクタイについてデザイナーの馬場さん達と打ち合わせを実施。冬のウォームビズ用アイテムとしてオンでもオフでも活用出来るネクタイのデザインを考え、制作に取り掛かっています。製品単価を抑えながら品質とデザインの良いものを供給するため価格と品質の折り合いがポイントです。大量に生産するものではなく、少数で良い物を送り出すことにしているため製造コストが課題でした。
 幸い紀州レンジャーネクタイのために、メーカーから最大限の協力をいただけることになり実現に向かい始めました。
11月27日(日) 「障害者スポーツ大会」
【障害者スポーツ大会】
 和歌山県内の障害者施設の皆さんが一同に集まるスポーツ大会が和歌山ビッグホエールで開催されたためボランティアスタッフとして参加してきました。昨年に引き続いて和歌山ビッグホエールでの開催で、参加規模は大きくなっています。新宮市や東牟婁郡からの参加もあり会場は参加者とスタッフで満員となりました。
 朝9時に集合して手伝う競技の説明を受けました。最初の競技はバスケットボール入れ、個人戦、一人10投でネットに入ったポイントを競います。5人で1組として上位三人までが表彰されますが、40組を超える参加があり午前中は全てこの競技となりました。

(ビッグホエールでのスポーツ大会)
他にも40m競争などが繰り広げられ、午後からは大玉転がし、最後の競技は施設対抗綱引き大会に進みました。ボランティアスタッフは参加施設のプラカードを持ち4人で綱引きの応援を行うのですが、自分が関わったチームの応援にはどうしても力が入ります。

 結果として決勝戦まで勝ち進みましたが、決勝戦で敗れたため準優勝となりました。参加した皆さんは全力で戦い抜いたので清清しい大会となりました。競技を支えるボランティアスタッフは300名を超えるなど、大勢の人の支えがあることは障害者福祉への関心の高さが伺えます。
 人を支えることは支えられることでもあります。参加させていただくと障害を持っていたとしても前向きに競技に参加し、自分がいる環境の下で全力を尽くすことの大切さを学ぶことが出来ます。恵まれた環境にいる人が全力を尽くさないと懸命に生きている人に対して顔向け出来ません。支え支えられる社会を、高齢化率の高い和歌山から実現させたいものです。

【知って得する子育て講座】

(古川先生の講座)
 古川カウンセリングルームによる子育て講座に参加しました。主宰する古川先生から声を掛けていただいたので受講したのですが、内容が素晴らしくて聞き入りました。古川先生の活動は丁度1年を超え、今までに不登校や虐待を受けた子ども達に関する相談を受けたのは1,000件を超えています。先生は心理カウンセラーですが、子育てに関する知識は専門書などで学んだのではなく実践を通じて培われたものです。
 ニートは75万人を超えていることが問題となっていますが、その前段で不登校の問題があったのに、それを社会として放置してお
いたことがニートの増加につながっています。ニートを減少させるには子どもに対する親の関わり方が問題です。
 不登校の子どもを持つ親からの相談の実例を挙げてもらいました。小学校6年生の男の子は、母親と会社員の父親、そして優秀な高校生の兄と暮らしています。ある日突然、不登校になり対処の仕方が分からないため相談に来たのです。
 子どもの性格は、大人しい、親の言うことを聞く、世間で言うところの良い子です。良い子というのが曲者で、世間では両親や教師の言うことを素直に聞く子どもが良い子どもと評価しています。それに対して両親に反論する子どもは、言うことを聞かない生意気な子どもと評価されます。
 実は両親などから意見を言われたとしても、自分の意見を主張できる子どもは自己主張の出来る良い子なのです。その行動を否定することは子どもの自主性を奪うことになります。

 両親は子どもに対して指示や命令を下しそれを毎日繰り返しています。子どもにとったら堪られない毎日なのです。もし自分が誰かから毎日のように指示、命令を受けているとすれば毎日が楽しくない筈です。例えば組織の上司に対して自分の主張を言ったところ「あなた、それは間違っている」と毎日言われ続けると、やがて反論することを止めてしまいます。何度言っても話を聞いてくれないことが分かるからです。小学生にとって両親は決して議論で勝つことが出来ない強い立場の人なのです。
 子ども達にとって両親と暮らす毎日の中に褒め言葉が欠けています。褒める言葉がないのが大きな問題なのです。子どもが帰ってきたら「可愛い顔が帰って来たので嬉しいね」「今日も学校に行って偉かったね」などの見え透いた褒め言葉でもかけてあげるべきです。褒められると、見え透いていたとしても嬉しいものですから明日の頑張ろうと思うのです。

 褒めることは花に水を与えるのと同じで、生きていくうえで不可欠なものです。指示、命令は華に除草剤を与えているのと同じです。花を咲かそうとしているのに枯らしてしまう作用があります。生きるためのエネルギーが吸い取られてしまい、指示、命令者、つまり両親の顔色を伺うだけの子どもになってしまいます。
 これは自己決定する気持ちを阻むものです。今の時代、自己決定出来ることが生きていくうえで絶対必要なものです。何故なら、自分の言葉で自分の気持ちを話すことが出来るのが自己表現であり、自己表現出来ることが自己決定につながるからです。自分の気持ちを外に表すことが自己決定することにつながります。言葉で思っていることを話さないと実現することは絶対にあり得ません。
 自分が思ったことを自分の言葉で話したことだけが実現する可能性を秘めているのです。指示と命令を繰り返すことはその可能性を奪い去るので、絶対に止めたい行動です。
 育てたように子は育つと言います。両親が子どもの自主性を信頼し、自分の言葉で話せるように聞いてあげる、それを褒めてあげることがスケール大きい子どもを育てます。
11月26日(土) 「ママズサンデープロジェクト」
 難病の子どもを支援しているNPO法人を訪問し、懇談した内容を報告します。
 今夏、福崎空中広場での活動が日本経済新聞に掲載されたことがテレビ局に知れ来春取材を受けることに決定しました。今年夏開催された福崎わくわく広場活動が新聞紙面に掲載され、難病や障害を持つ子ども達を支援する活動を継続していること、支援する拠点を設置したことなどに関心を持っていただき30分番組になるものです。番組において会員達で福崎空中広場を皆んなで改造する作業と総会の様子、活動紹介などを中心に組み立てられます。

 夏以降は「ママズサンデープロジェクト」を実施しています。母親としての女性は、子育てや仕事の悩みからストレスが溜まり、モーモーママやブーブーママになることがあります。牛や豚のような発声をしているようでは人間らしい生活から離れていきますから、健康で明るい生活を取り戻すために、母親に日曜日をプレゼントする取り組みが「ママズサンデープロジェクト」です。タイトルの通り子どもと母親、そして父親に、プロの先生から食育について指導体験をしてもらい、母親の日曜日の負荷を軽減させようとするものです。
 最初は食育シリーズとして食べ物の問題を取り上げ、食の安全について問題提起をシリーズ化して毎月1回開催しています。9月は餃子の調理実習、10月のスモークハウス作り、11月は合気道体験レッスンを行っています。
 12月以降の活動計画は次の通りです。12月は東京でのクリスマスイベントとサンタさんによる小児病棟訪問、平成18年1月は福崎空中広場において総会を開催し、年度計画の提案を図ります。総会に引き続いての記念講演会では素晴らしいゲストを予定しています。同1月にはママズサンデープロジェクト食育シリーズで「豚まんを作ろう」、2月は活字と親しむために「読み聞かせ会」が予定されています。

 関西支部の私達は、例年通りサンタさんの小児病棟訪問に協力した活動を行うことにしています。来年の夏には、首都圏の障害を持つ子ども達や引きこもりの子ども達に和歌山市に来てもらって、和歌浦の海かプールに招待することを確認しました。首都圏で障害者施設などに入っている子ども達が海を知らないと聞いたので早速計画したものです。両親のつきそいがあれば海を案内しますが、単独になると安全性を図る観点からシティホテル内プールの使用について交渉する予定です。
 かねてより首都圏の子ども達を和歌山市に招待して交流を行っていますが、
 関西空港や新大阪から近い距離にある和歌山市で、自然を体験してもらうことで障害を持つ子ども達が少しでも元気に、そして両親が和歌山市で心身ともに休日体験をしてもらえたいと願っています。
 和歌山市には首都圏から来る皆さんに癒しを感じてもらえる環境があります。今後とも首都圏との人と文化の交流を図っていくことでお互いが刺激になる関係を構築したいものです。
11月25日(金) 「セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン」
 社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンを訪問しました。訪問目的は夏に開催した藤原紀香写真展in和歌山の収益金を寄贈するためです。写真展終了後、収益金をどのような形で活用するのが最も皆さんの好意に答えられるのかを何度か協議を行ってきたのですが、ようやく活用方法がまとまったので最終確認とその事業に対する協賛金贈呈式を行ったものです。
 贈呈式会場はセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの会議室、贈呈相手は多司馬事務局長と藤原紀香さんです。忙しい時間を割いて藤原紀香さんも駆けつけてくれました。
 さて和歌山からの支援金は、紛争により困難な状況に追いやられたアフガニスタンの子ども達への基礎教育支援のために活用していきます。支援プロジャクトの内容は、児童の健康と栄養改善支援、初等教育提供のための地域環境作り支援、教育の質向上支援、安全で安心できる教育環境支援の4点です。

(セーブ・ザ・チルドレンでの授与式)

 アフガニスタンは内戦の影響を受けて未だに教育を受けられない子ども達がたくさんいます。文盲率、特に女生徒の率が高くなっていることから、藤原紀香さんは既に女性のために200人規模の小学校を設立しています。
 アフガニスタンは日本からの渡航が困難な危険な地域ですが、その中でも経済格差が開いている状況があり、教育を受ける以前の状態に置かれている箇所があります。バーミヤンの隣の地域である内陸部のファリヤーブ(Faryab)やサレブル(Sar-i-pul)は約2,000mの高原地帯で経済的に厳しい地域となっていて、子ども達が学校教育を受ける以前の状態にあります。
 セーブ・ザ・チルドレン・ジャパンとの協議の中で、教育を受けられる地域への対応は施しているものの、これらの地域への対応は遅れていることから、支援プログラムの内、児童の健康と栄養改善支援活動に協賛金を活用することで合意、決定しました。
 栄養サポート支援することで学校教育を受けられる状態に戻すことに重点を置きます。具体的活動内容は、子ども達への予防医療と健康、栄養教育の実施、親と教師への健康や栄養に関する指導とトレーニング、年に2回保健と医療に関する学校一般参観の実施、寄生虫虫下しキャンペーンのような学校保健、栄養政策のサポートです。いずれも学齢期にある子ども達の健康と栄養状態を把握し改善し、健康な状態で子ども達が初等教育を受けられることを最大の目的と考えています。
 支援プログラムのスタートは平成18年1月1日からで一年間を通じて支援活動を行う計画です。アフガニスタン現地での活動状況は年2回報告を受けることになりました。

 ところで授与式の後、アフガニスタンで3年間活動を行い現在日本で支援活動を行っているセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンの金谷直子さんはアフガニスタンの状況を詳しく話してくれました。
 アフガニスタン国内の移動は陸路で移動するのは危険で空路に限ること。現地に精通している援助団でも1年間で40人も殺されている現実があること、などから治安は益々悪化しています。約25年も空白があった平和を取り戻すのは長い年月が必要です。
 アフガニスタンの状況を目の当たりにすると生き方が変わると言います。日本で暮らしていることがどれだけ平和なのか、本当の幸せが分かるそうです。明日生きているのかさえ分からない状態で生きていることの怖さと背中合わせです。生への不安感感じながらの生活、それは死と向き合う毎日であることを意味しています。限られた生命の中でどう生きるか、私達も向き合わなくてはならないテーマです。
 このように、和歌山に住む皆さんの思いがアフガニスタン支援に向けられています。藤原紀香写真展に参加してくれた皆さんが何かの形で関われる道筋がつきました。今後ともアフガニスタン情勢に注目しておいて下さい。 
11月24日(木) 「小学校訪問」
【献血活動】
 所属するライオンズクラブの献血活動に出席しました。場所はイズミヤ和歌山店前で毎年2回実施しているもので、本日も沢山の皆さんに協力をいただきました。毎回献血を行ってくれる方もいるように、ようやく定着しています。継続することは難しいものですが、イズミヤの協力と社会奉仕活動としての献血活動と共に、環境保全の取り組みも取り入れたPRを行うことで良好な関係を築いています。今後とも継続した活動を行う予定です。

【小学校訪問】
 広島県で小学校1年生児童に関する事件があり、学校と地域のあり方を再び考えるべき事態となっています。和歌山市の小学校では、保護者と学校とで日頃から安全に関する協議が行われ、登下校の際に大人が道路で安全を見守るなどの活動が行われている地域もあります。子どもの安全を守るのは地域と学校が一緒になった取り組みが不可欠で、地域が監視していることだけでも抑止効果があります。
 本日、訪問した3箇所の小学校では緊張感が感じられました。
 安全対策に関する懇談以外に、夏休みの子どもの絵画募集に対する入選作品の結果発表と展覧会の日時についてお知らせを行いました。冬休みの間、和歌山近鉄百貨店で絵画展を開催します。

 また小学校での英語教育について意見交換を行いました。今では英語教育の必要性は言うまでもありません。しかし和歌山市の財政が厳しいことから、英語教育にかける時間が不足しているのが現実です。教育のパワーアップが重点施策として採用されて以降も英語教育にかける予算は増加していません。
 和歌山県がイングリッシュ・パワーアップ・プログラム事業を取り入れていることから、研究指定校では年間60時間の英語教育が行われているので熱心な取り組みになっているのです。この研究指定校は中学校1校と小学校3校が指定、平成15年度から採用されているもので本年度は3年目を迎えています。この3年間、小学校3年生から6年生まで学年毎に年間60時間の英語教育を実施、つまり毎週2時間の英語教育が実施されていることを示しています。

 英語教育は、担任の先生と外国人の英語の先生が教育カリキュラムを相談して組んでいます。聞き取れることと話せることを主体とした授業としていますから、従来の受験英語と呼ばれる科目としての英語とは一線を画したものになっています。
 英語研究指定校の研究成果は研究報告として発表されている実績があり、英語に親しめることから有意義である旨の報告書となっています。課題は、小学校1年生と2年生に英語が取り入れられていないことです。
 予算があれば増額を依頼したいところですが、和歌山市には英語教育にかけるお金がありません。英語教育のため外国人講師に依頼すると1人当たり年間約500万円の人件費が必要となります。和歌山市の公立小学校は18校ですから、1校に一人の外国人講師を派遣するだけで9,000万円の新規予算が必要となりますから、現実問題として実現性は低いと言えます。

 英語教育に関して1億円の予算があれば、他府県に誇れる充実した英語教育を公立小学校で実施出来るのです。子ども達の教育にお金をかけることは、最も大切な人材育成につながります。和歌山市に教育予算がないから英語教育が出来ないのは仕方がないとは言えません。英語特区の地域は当然のこと、文部科学省の指導により他府県の小学生達は英語を学び始めています。和歌山市の子ども達が英語を学べないのは大きな不利益を被っていることになります。
 仮に日本全国で英語教育に取り組んでいないのであれば、和歌山市で取り組まなくても仕方ないと言えますが、国際人として活躍すべき現在の小学生のためにはそうは言えません。やはり読み書き計算は大切な能力で、しかも日本語の読み書きに加えて、英語の読み書きが出来ることが将来のある子ども達のために必要なことです。
 教育のパワーアップの掛け声はありますが、教育現場ではパワーアップになっている実感は少ないようです。是非予算化を図る、県や国に上申する姿勢を取って欲しいものです。和歌山市で教育を受けた子どもは英語が出来る、それだけでも夢のある話です。

【市役所にて】
 道路問題と水道問題についてそれぞれ協議を実施、どちらも生活に密着している問題です。また12月定例会の議会日程は、開会が12月1日、閉会は12月21日と決定しました。一般質問は12月5日から12日まで、常任委員会は13日から15日まで、環境保全特別委員会は16日となっています。
 今回の私の一般質問は、和歌山市の土地問題と中心地活性化および英語教育問題を取り上げる予定です。本日5名の一般質問実施の通告がありましたが、私は質問内容を今後まとめていくため登壇は3日目以降になる予定です。
11月23日(水) 「和歌祭を考える」

(和歌祭を考える)
 和歌山市内のホテルで開催された和歌祭を考える会合に出席しました。
 和歌祭は1622年に始まった歴史ある祭で、江戸時代には日本の三大祭に数えられた程です。和歌山で長く栄えてきた祭が現代になって中断していたものを、和歌祭保存会が中心となって復活させています。文化が一度途絶えると再生させるのは本当に難しいことが分かります。踊り、歌、リズムなどが伝わっていないため、文献や古い記録ビデオなどを参考にしながら和歌祭保存会の会員が創造力を持って形を作っていきます。
 地域に根付いた文化は記録されるものではなく人々の心に留まっているものですから再現する難しさがあります。そのため和歌祭保存会としては、和歌祭が後20年間は持つように形と体制を築き上げたうえで、次の時代に継承していきたいと考えています。

 次の時代を背負うのは今の子ども達ですから、子どもが和歌祭に参加してくれるしくみを作り、地域も祭も支えてくれる存在になってくれる取り組みを行っています。
 和歌祭を見学した人なら分かるのですが、現在の祭はリズミカルなものが多く歴史的背景のある和歌祭は一見地味に映ります。理由は1,000人規模の行列となること、約60種目の演舞があるため行進に時間がかかることなどが挙げられます。ただ歴史的な祭は平和の象徴的な要素と動きがある中で、和歌祭は戦国時代の様相を動きの中に取り入れている動きがあり歴史的な祭としては派手なものなのです。現代の祭と比較すると地味に見えても、種目に注目すると静かな中にも動きがあることが分かります。

 今後の課題として観光客に来てもらう対策が必要なことが挙げられます。現在の和歌祭のコースは、東照宮から片男波までの行進コースとなっていますが、この会場では安全対策上、観客の収容は2万人が限界となります。
 祭は和歌浦のものではなく和歌山市全体のものですから市全域、そして全国から観光客に来て欲しいのです。観光客に来てもらえる和歌祭に仕上げることが地域活性化であり、江戸時代には三大祭として数えられた伝統的な祭を本当の意味で復活させることになります。祭りの格を保持するには観客を呼び込めることが条件で、観光客を呼び込めるとなれば予算面でも効果が期待出来ます。
 和歌祭を継承していくための課題は予算と人材育成ですから、全国レベルの祭に復活させることでその課題は少しでも解消に向かいます。その意気を現すために、NPO法人紀州和歌祭伝承会を立ち上げて新たな活動を展開しています。

 また全国から観光客に来ていただくために、和歌山市内のホテル関係者と協議を行い、来年度から和歌祭観覧宿泊プランの商品を提供する方向で調整をしています。観光施策は観光事業者と連携を取る必要が不可欠です。イベント実施主体だけでイベントを行い、仮に賑わいがあったとして宿泊や飲食の増加にはつながらないです。和歌山市観光協会のイベントが宿泊や飲食店の売上増加に直結していないのは、情報提供と連携が図れていないのが最大の要因ですから、民間同士の協議ではその課題をクリアするフットワークが軽い動きを見せています。

 伝統的な祭の凄さを実感出来る事例があります。それはロンドン大学大学院の学生から、メールで和歌祭について研究しているので教えて欲しいと連絡があったことです。この学生は和歌祭のホームページを見て連絡をくれたので、イギリスの学生が日本の祭、それも和歌祭に注目してくれているのは喜ばしいことです。
 その後、この学生は和歌山市に来て和歌祭保存会と話し合いを行い、和歌祭にも参加して帰国しました。翌年、和歌祭をテーマにした修士論文を完成させ大学院を修了しています。1622年からの伝統を持つ祭だけが成しえる事実です。如何に伝統を守ることが地域にとって大切なものなのかが実感出来ます。
 このような事例に出会うと、地域に根付いた伝統を簡単に消し去る訳にはいきません。最低限次の世代に継承していくことが、伝統を受けついた者達の責任だと言えます。
11月22日(火) 「Fプロジェクト始動間近」
【打ち合わせ】
 老人福祉施設の床数と現状、そして数年先の計画について確認を行いました。床数は多い方が良いと思い勝ちですが、市町村で床数を増やすとそこに暮らす人の保険料負担が増加するため、加速度的に増加させる訳にはいきません。バランスが必要で、県の計画はバランスを取りながら平成18年度に見直しされる予定です。
 ある公立公園へのベンチ設置についての打ち合わせを行いました。散歩コースにベンチがなく困っている人が多いことから、公園内に設置する方向で話を進めています。

【地産地消】
 和歌山県は食材の宝庫です。海と山から取れる食材となる素材は優れています。県庁の食堂には地産地消を目指した新メニューとして、地鶏や鯨を使用したランチが登場しています。本日、県職員の方と鯨の竜田揚げを食しました。1日10食限定ですが美味なので、県庁に行った時は和歌山の味を楽しんでみて下さい。

【紀州語り部研修会】
 先般、第二回紀州子ども語り部研修会を終えたので、実施結果を踏まえて反省会を開きました。研修会は順調に進んでいますが、

(地産地消のひとつ鯨料理)
次回は和歌山城での実地研修に入るため、準備物と参加者への案内、研修報告書の仕様について打ち合わせを実施しました。
 研修会参加者からは期待の意見が寄せられています。和歌山市の将来を背負う子ども達に和歌山市の歴史を学んでもらうことは意義深いものだと確信しています。

【風の音】

(風の音建物)
 和歌山市にあるNPO法人Fプロジェクトの活動拠点として「アマレット〜風の音〜」の完成が間近です。Fプロジェクトの活動は5年前からで、平成17年9月にNPO法人の認証を得ています。
 心理療法を行っている人を中心にケアマネージャー3人も参画しているNPO法人です。基本的には、Fプロジェクトの岡本代表から心理療法を学んだ生徒達の活動の舞台を作ること、社会の中で病んでいる人達を心理療法によりいやすための活動を中心にしています。岡本代表から心理療法を学んだ生徒が増えてきたので、一緒に活動して和歌山市を元気にさせたいとの思いから自費で拠点を建築しています。
 カウンセリングは気づきを自分で発見するための動機づけ、対人関係の中で生じるストレスを解消することを目的にしていますが、課題を持って生きている人に解答を示して理解してと思わせるのではなく、自分で治癒出来る能力を身につけてもらうことを目指しています。自分で人生の解答を導かないと、人から導かれても人生に同じ出来事が発生することは稀ですから本当に解決したことにはつながりません。同じ課題でも違う形で人生の中に現れると再びストレスとなり社会との接点を持たなくなります。それではカウンセリングになりませんから、自分で自分を治すことが出来るまで指導していきます。

 相手を変えようとしても変わりませんから、自分が変わることで相手が変わることに気づくべきです。でも自分の性格は変わりませんから、モノの見方を変えることが出来たらそれで自分は変わるのです。例え暗い性格であっても対極となる性格を有している筈です。悪い性格ばかりの人はいませんから、自分で良い一面を見つけてそれを表現したら良いのです。
 人は社会で役立つ経験をすることで、自信と遣り甲斐を感じることが出来ます。社会において何も出来なくても良いのです。音楽をしている人達と組んで高齢者施設などを訪問してお手伝いするだけでも社会に役立っているのです。実社会で人の役に立つことによって、感情を表すことが大切なことです。喜怒哀楽の感情を出さない人が多くなっていますが、感じないことは社会においては危険です。嬉しい、悲しい、優しいなどの感情語を持つことで感情のある人になりますが、それらの言葉を知らないとその感情を持つことは出来ないのです。社会生活において、合理的なことばかりでは対人関係がまずくなることがありますから感情的な側面が大切です。
 FプロジェクトのFは、Feel、Forever、Familyなどの人にとって大切な言葉群を表しています。「あなたのFは何ですか」との問いかけを自分自身に対して行い、答えを出すことで今までと違う自分を作り出すことが出来ます。

 開所式は平成17年12月17日を予定していますが、今日は外観も出来上がっているので再び訪れました。300m山上に建てられていること、和歌山市のまちの空気と市周辺部の空気が交差する場所なので、風はさわやかに吹き抜けて行きます。道路から300n上っただけなのに、空がとても近く感じられる場所です。
 いやしの拠点となる施設の名称はアマレットで、これはイタリア語で「友達以上、恋人未満」を意味しています。副名称は、地域の特性から「風の音」にしています。現代人は雨風、四季を感じることが少なくなっていて、そのことが感情を乏しくしています。

(山上から見る風景)
風の音では風の音も、雲の流れも、雨も感じることが出来る環境にあります。社会に溶け込めないのは感じられないことが要因で、五感で感じることで心が豊かになります。
 セラピープログラムは平成18年2月から開始、毎週水曜と金曜の2回実施する予定です。まちでショッピングやグルメを楽しんでいる方々が、少しの時間と費用を割くことで、自分を見つめ直して欲しいと願っています。

【翔の宴】

(松井彬さん、松井俊介さん)
 松井彬さんと松井俊介さんの能を楽しむ会、翔の宴が開催されたので参加させていただきました。今年のゲストはソプラノの立原ちえ子さんとピアノの碇りささんの二人です。有名な立原ちえ子さん歌を聞いたのは初めてでしたが、マイクを通さない迫力ある舞台は引き込まれるものがありました。
 松井彬さんの交友関係は広くて、ゲストの皆さんも毎回素晴らしくて楽しみのひとつです。松井俊介さんも年々成長しているので、親子で和歌山市から世界の舞台で活躍して欲しいものです。
 
11月21日(月) 「元気な姿」
【元気な姿】
 おめでとうございます。退院後、久しぶりに姿を見せてくれましたが、以前よりも張り切って仕事をしているので安心しました。休まないで一代で会社を大きくしたので天が休暇を与えてくれたようです。退院後、直ぐに連絡を受けたので会社を訪問したところ元気な顔に出会いました。
 少し話をした後、当該業界を取り巻く厳しいサービス競争になっているので、早速経営者の厳しい顔になって現場の責任者に指示を出していました。ライバル出現に対して、燃えて対抗する姿勢を持ち続けていることが会社を発展させてきたのです。競争心に火が点くことで気力が充実しているのです。
 年齢や病気を言い訳にしないで、先発企業として正面から対抗企業に勝つための戦略を講じています。「後50年は大丈夫ですよ」と、現場責任者が声を掛けたように、和歌山市活性化のためにまだまだ元気で活躍してくれることを心から望んでいます。

【クラブ総会】
 平成17年11月28日と29日の二日間、和歌山市で臨時議会が開催されることに決定しました。職員給与などに関する当局から議案の提案があります。
二日間の臨時議会終了後、12月1日から定例会が開会される予定です。

【打ち合わせ】
 福祉に携わっている若い経営者達と、今後の福祉施策に関する会合を持ちました。高齢化が進んでいる和歌山市で、福祉の充実を図るために若くして会社を興し福祉サービス事業を行っています。どの分野でも若い人達が風穴を開ける活躍をしていますが、福祉分野でも元気な風が吹いています。
 福祉サービスのための会社を設立し実績を積んできたのに加えて、法改正にも対応できる体制作りと人材育成に努めています。各地で福祉の拠点が誕生していくのが今から楽しみです。

【打ち合わせ】
 金曜日に一緒にホテル・レストランショーに行った経営者の方を訪問、問題提起に対する回答を行いました。飲食店ではお客さんの満足を第一に考えて室内空間を創造し、料理に工夫を凝らしています。
 それに対して最近の大型量販店の対応のまずさを紹介してくれました。量販店では大量に製品を販売しているため、お客さんに製品を届けて部屋で設置作業をする時間が限られているのが現状です。設置した後、直ぐに次のお客さんを訪問し設置作業を行う必要に迫られているため、作業がずさんになっている場合があります。最近、液晶テレビを購入した際に宅配してくれ設置してくれたのですが、テレビの部屋を確認すると配線が束ねられず、剥き出しになっていたのです。「きれいに仕上げて欲しい」と要望すると、「次のお客さんが待っているので時間がない」との返答でした。そこで「では次回直しに何時来てくれるのか」と聞いたところ、「もう来ません」との回答でした。
 対応が悪かったので量販店に電話をして「もう必要ないからテレビを持って帰ってくれ」と話したところ、直ぐに責任者がやって来たのです。量販店の責任者がテレビの配線を見た途端、「この作業は汚いですね」と理解してくれたのです。仕事が忙しいのは分かりますが、次に待っている方もお客さんなら、今対応している方もお客さんです。対応している最中のお客さんに満足してもらえる仕事をしないで、次のことを考えているのは問題です。その理由として、テレビの設置作業は歩合制のため数を裁かないと収入が増加しないことが挙げられます。お金を第一に考えてしまい、お客さんの満足をその次に考えているのです。
 お客さんの満足の後にお金がついてくることを理解しておく必要があります。満足を得られることがリピーター確保にもつながることを教えてくれました。

【懇談】
 ある自治会長とその友人達と地域の課題に関する懇談を行いました。地域が高齢化していること、和歌山市に就職口がないことから来春大学を卒業する予定の子どもが帰ってくることが難しい現状を話してくれました。働く場所があると子ども達が戻ってくるのでまちに活気が戻りますが、現状は厳しいものがあります。
 特に文化、芸術系の技術を持っている人の活躍する場がありません。自治会長の子どもは幼い頃からバレエを習い続けていて来春卒業なのですが、和歌山市には働く職場もバレエを発表する場も少ないのです。この方はバレエでは全国大会で上位入賞している実力の持ち主ですが、バレエの世界ではコンテストで優勝しないと活躍する機会は少ないようです。
 他都市で活躍する場所を見つけて出て行ってしまう前に、和歌山市でも活躍する舞台を整え、大阪市や京都市で身につけてきた文化技術と感性を最大限に生かせるまちづくりをして欲しいものです。

【懇談会】
 夜はある企業の方達と懇談を実施。企業はそれぞれ特有の問題を抱えています。会社の利益を優先させる余り従業員の処遇を考えない企業は問題が次々と発生しています。現状を打破するための手段について意見交換して幾つかの方針を出しましたが、従業員の立場は弱いため経営者に対して物申すことは難しく我慢を強いられることも多いようです。弱い立場にいる者は信頼と団結、結束が大切なことです。不条理を通らさないように、お互いを守りあえる組織と風土の大切さが実感出来ます。
11月20日(日) 「城之崎にて」
 朝から城之崎を出発し和歌山市に戻る行程です。朝の市場でも観光客の賑わいがあり、また足湯が若い人達にも人気でした。足湯と共に手を浸けるスペースも設けられていて、少し肌寒い朝の足湯と一緒に手を温めることは、他とは少しの違いですがとても気持ちが良いのです。
 漁港では水揚げされた蟹が並べられ、ここでも観光客は一杯でした。観光で生きているまちであることを知っている観光事業者が、まちに一体感を持たせた取り組みをしているようです。和歌山市の観光に関わっている方から相談を受けたのですが、どうしても和歌山市の観光施策には官民の一体感がなく、和歌山市がリーダーシップをとれていないので盛り上がりがないと嘆いています。
 由布院やニセコなどの全国的に観光客を集めている観光地では、観光のリーダーを公募して人材を集めています。その人材がリーダーシップを発揮しているので、他の観光地とは違った取り組みが行われていることで観光地として人気を得ています。
 和歌山市の観光施策は長期的な観点で改革しないと、即効薬はないような気がします。それは和歌山市内でのイベントは地元ならではの演出を行い、観光関係者の努力もあって人を集めていますが、県外からお客さんを集める程には至っていないことに起因しています。県外からのお客さんを集めないと宿泊施設や飲食店にとって利点はありませんから、名目では観光客は来ていると評価しても実態が伴わないものになります。
 和歌山市と岩出町、新しい誕生した紀の川市で紀北地域の物産と観光施策を連絡協議会で講じることも必要です。ある種類の農産品の産出量では和歌山県をリードしている程、農産業は盛んなのです。観光地と体験を組み合わせることで県外からお客さんが来てもらえますし宿泊も増加します。残念ながら紀北地域の宿泊施設は多くはないので、農業体験は紀の川市を初めとする紀北地域が企画し、世界文化遺産の高野山観光を含めた宿泊と送迎は、和歌山市が企画するなどの取り組みも考えられます。
 近々、意見をいただいた観光事業者との観光施策についての意見交換を行います。

 さて城之崎では城之崎温泉駅を降りた瞬間から観光地に来たことを感じさせられます。まち挙げての歓迎ムードがありますし、駅前商店街は地元産品の取り扱いと地元産品を主とした飲食店が並んでいます。さらに歩くと足湯施設や温泉施設があるのです。古い施設を大切にしながら清潔で若い女性が好みそうな飲食店や物産店舗が並んでいます。まち全体として男女を問わないで全ての世代を受け入れる体制をとっていて、各店舗ではターゲットを絞った店作りを行っています。お客さんに楽しんでもらって、店舗は共に利益を上げられる共存関係を築いています。調査していませんが、まち全体をコーディネートする方がいるような気がします。
 仲間達との懇親会はこうして終わりました。明日への活力を生み出してくれました。
11月19日(土) 「ふれあい人権フェスタ」
【ふれあい人権フェスタ】
 和歌山市のビッグホエールでふれあい人権フェスタが開催、福祉関係の団体が参加して日頃の活動を紹介しています。和歌山盲ろう者友の会では、盲ろう者の方達が工夫して作ったコップやお皿、クッキーなどを並べて活動の紹介をしています。
 目が見えないチャレンジドの活動を聞くと、勇気づけるどころか逆にこちらが励まされました。触覚で会話すると、本当に楽しそうに笑顔で話を聞いてくれたことに対する反応を見せてくれます。子どものような仕草に接すると、純粋に生きていることの大切さを痛切に感じます。果たして日々真剣に生きているのだろうか?自分に問いかけています。私が感じる不平や不満などは本当に些細で、どうでも良いことだと気づきます。
 目が不自由で話をするのもつらいのに、日々全力で生きることにチャレンジしている「優さん」の純粋な笑顔は心に刻み込まれました。陶器の制作は簡単なものではありませんが、自宅を作業場として電気釜で制作活動をしています。作品も素晴らしいのですが、制作過程にはもっと工夫があり素晴らしいと聞きました。
 近く工房にお邪魔して制作現場を拝見させていただきます。
喜びや驚き、悲しみなどを自然に表現することが生きていることの原点なのです。周囲を気にする余り自分を表現しないのでは生きる意味を薄めてしまいます。

(がんばって下さい。優さん。)
 チャレンジすること自体が素晴らしいことだと教えられたような気がします。

【コラボ・アート21】
 障害者のアート入選作品展示展「コラボ・アート21」の開催日程が決定しました。和歌山市での開催は平成18年3月4日から12日までの間、開催場所は和歌山東急インホテル1階ギャラリーのキャッスルです。
 障害者の方々が自らの心を作品で表現しようとチャレンジしたアート展です、是非ともご覧いただきますようお願いいたします。

【懇親会】
 9人の仲間と一泊に城之崎へ向かい懇親の機会を持ちました。お互いの1年間の活動を顧みて、今後の団結を深めることを目的とした懇親会です。出発時には吉本興業の「まるむし商店」の二人にお会いし、イベント会場にお送りするなどハプニングに満ちた行程になりました。城之崎に到着したのは夜6時頃でしたが、城之崎は古くからの温泉地で近畿各地からの宿泊客で賑わいを見せていました。
 JRの特急電車が停車する城之崎温泉駅がありますが、交通の便はそれ程良くないように感じます。しかし宿泊施設と温泉施設が一体となってまちづくりを進めていることが活気を醸成しています。地元の食材を使った食事と清潔な温泉施設とおもてなしの気持ちがそれを表しています。
 地方で観光に力を注いでいる点では同じなので、和歌山市も参考にしたいものです。
11月18日(金) 「サービス産業創出」
【ホテルイベント】

(飲食関係者の皆さんと)
 大阪市内で開催されているホテル・レストランショーに飲食関係者の皆さんと出席してきました。このイベントは2年に1回開催されているもので、ホテルやレストランを初め、飲食店舗と飲食メーカーなどの関係者を対象としています。和歌山で飲食業を営んでいる事例研究に熱心な皆さんと一緒の研修会となりました。
 飲食業界では店舗形態、厨房機器、メニューの開発など激しいサービス競争が繰り広げられています。
地域の特産品を活用して毎年のように各店舗では新製品を発表しています。
地産池消の観点から、和歌山の産品を活かした飲食店が増加しています。熊野牛や鯨を食材に使ったメニューも登場させるなどの試みもなされています。
 研究熱心な皆さんと飲食部門に関する研鑽を深めることが出来ました。

【サービス産業創出】
 近畿経済産業局主催のサービス産業創出に関する説明会に出席してきました。健康サービス、集客交流サービス、育児関連サービスなど成長が期待できる部門の産業を成長させないと、地方都市の根幹に関わる問題に進展していきます。今回は先進事例に学び、和歌山でも水平展開可能かどうか検討していくことにしています。
 事例発表があったのは「おおさか健・美わくわくプロジェクト」「大東ダイナミックプロジェクト」のふたつの事例です。
「おおさか健・美わくわくプロジェクト」は大阪府における健康と美容を
 一体とさせたケア事業の取り組みを開始させていることについて進捗説明を
 受けました。
 対象を女性に絞込み、女性の健康と美を支援するサービス事業を行おうとするものです。健康サービス事業の開発と人材育成、そして健康サービス提供スポットとの連携を柱としています。
 健康サービス事業は、健康スキンケア(アンチエイジング、ダイエット)、安心シェイプアップ・ダイエット(水中運動、体力増強)、メタボリックシンドロームケア(生活習慣病予防サービス、メンタルヘルス、代替医療)の三点です。これらのサービスを開発し提供することを目的としていますが、カリキュラム開発、テキスト開発、講師陣の整備などにより人材育成を図っています。健康に関する相談者として、ヘルスコンディショナーの有資格者を養成し、女性の健康と美に関するカウンセリング体制を確立する試みです。
 大阪市では、既存の健康サービスに美の付加価値をつけ提供するプロジェクトが始動しています。体制を組み挑戦する姿は和歌山市にとって羨ましいものです。
 「大東ダイナミックプロジェクト」は既に進んで事業を展開している事例です。事業の柱は三点です。毎週大東市内12会場で開催している出前運動プログラムがあります。参加者は大東市在住で60歳以上の方、毎回の運動教室でのデータをとると共に、三ヶ月に1回メディカルチェックを行い測定データの蓄積をしています。参加者数は3,500名を超え、継続率は80%と楽しみを加えた運動による効果も出ています。
 二つ目は企画プログラムです。大東市内在住の方を対象に一ヶ月に一回ホールや体育館で運動プログラムと笑いを組み合わせたイベント形式の健康啓蒙活動を行っています。実施事例として、ウォーキング大会、カレーフォーラム、お料理教室などがあります。参加者は3,400名を超え、健康への関心が高まっています。
 三点目はみんなの健康システム開発です。二つの実施プログラム参加者から得られた健康測定データを健康管理データベースとして管理し、各人に対してデータに基づいた各種プログラムを提供しています。効果として医療費の抑制が図られています。通院日数はで8%、医療費では23%も減少しています。身体的効果として体力の向上、血圧の低下、柔軟性の向上などが見られています。
 事業開始後2年経った現在では、50万円だった資本金を1,700万円に増強し株式会社として活動しています。三本柱の介護予防サービス事業を核として、介護予防トレーナー養成講座も開催して事業の拡大を図っています。
 新規事業で求められるのは、リーダーシップ、迅速な行動力と決断力、そして行動力ある人材がいることが最大のポイントです。文句を述べるだけだったり、机上論だけで行動しない人の組織ではなく、実行出来る人が揃っている組織が成功するための条件です。
11月17日(木) 「知的財産講義」
 バイオ分野における知的財産戦略と管理についての講義を早稲田大学大学院で受講しました。講師は武田薬品秋元常務に行っていただきました。

・知的財産に関する法律や指針の整備が図られていますが、2007年問題として日本の技術を支えてきた技術者が定年を迎え海外企業に移転することで、その技術と知識も移転してしまうことが問題になっています。特許や権利は日本企業が保護出来るとしても人材の流出に伴うノウハウまでは歯止めをかけることは出来ませ

(早稲田大学大学院講義)
ん。ノウハウを蓄積する、或いは人脈を蓄積するといっても人材と共に流出するものですから、企業はノウハウを特許などの形で残す必要があります。
 
・企業や国は、知的財産立国を目指してバランスを取ることが大切です。特許を保護すると科学の発展、産業の発展、国民生活の向上につながりますが、
 逆に権利の乱用、新規産業創出の阻害、社会的コストの増大などの問題も発生します。特許法と独禁法のバランスを取らないと、不具合のある社会になります。産業界、行政府、司法の判断にもよりますが、社会はバランスが大切です。

・医薬品の生命は知的財産にあります。医薬品の知的財産は原則として一つですが、自動車や家電では製品あたり数百から数千の特許が存在しています。そのため自動車や家電では、新製品が発表された後、数ヶ月経つと同じような製品が他社からも発表されることがあります。それは一つの製品を開発する場合の特許の多さに原因があります。
 複数の自社の特許を核として、他社が所有している数十倍の特許を組み合わせて製品を仕上げますから、他社の特許の存在が新製品開発を妨げる可能性は低くなっています。表現を変えると、一つの特許の影響は小さいといえます。
 ところが医薬品の場合は物質特許のためと活用する特許は原則として一つです。そのため先行して発売した医薬品と良く似た医薬品が市場に登場する割合は少ないのです。特許が医薬品の生命線であることが分かります。

・医薬品産業の研究の特徴は、シード発見とリード創製の困難さと成功確立の低さがあります。ほかにも長期に亘っての研究開発過程がいること。莫大な研究開発資源の先行投資、製品として発売出来る成功確立の低さなどが挙げられます。
 一般的には医薬品の開発期間は15年、研究開発費は200億円から500億円に上ります。内訳を見ると創薬段階で2年から3年、前臨床で3年から5年、臨床段階で3,年から7年、製造承認申請で1年から2年要しています。
 新しい医薬品を作るのに、創薬段階では30,000件あったものが、前臨床段階では6,000件になり、製造承認段階では5件に減少します。最終的に製品化されるのは1件程度となります。つまり15年の年月と500億円のお金をかけて製品になるのは30,000件の候補の内、1件だけとなりますから確率は低いのです。
 特許申請による保護機関は20年ですから、15年も開発期間がかかると医薬品を市場に投入してから5年で特許が切れることになるので、莫大な研究開発費と比較して割に合わないのです。
 先行企業は莫大な研究開発費用と少ない生産費用を必要としますが、後発企業は少ない生産費用だけで医薬品を出すことが可能です。そのため特許による保護を受けないと先端技術を開発するインセンティブはゼロに等しくなります。

・企業においては知的財産戦略をとる必要があります。従来の戦略は研究開発と営業の二本立てでしたが、そこに知的財産戦略を加えた三本柱にして経営戦略を講じることが必要になっています。その中で知的財産部門では、戦略推進、戦術遂行、情報収集の三つの機能が必要です。バーチャルな機能が知的財産を支えているのです。
 医薬品に関するデーベースはありますが、入れる項目が同じなら同じ答えが返ってきますからどこの企業でも同じ結果になります。データベースに頼っていると創造的な製品を作り出すことは出来ません。必要なものは個人の能力、個人の人脈などのネットワークです。個人の特性を最大限に活かすことが創造的な製品開発につながります。これらのものは使わないと損をする、使っても損をしないのです。

・通常、新製品を送り出すのは3年から5年先ですから、知的財産部門では3年から5年先の市場を知ることが出来ます。医薬品部門なら15年先の市場を知ることが出来ることになります。
11月16日(水) 「講義」
【打ち合わせ】
 大手企業にお邪魔して地域防災に関する協議を行いました。大災害発生時に地域社会とどう協働するのかをテーマにして話し合いました。企業でも大災害に備えて防災対策が十分に講じられていないのが大半です。今から3年ほどかけて、徐々に建物修繕や非常時の体制の整備などの対応を行っていく予定です。地域との連携を図るのは当然のことですが、まず自所の体制を確立しておかないと地域との連携は図れないのです。総務責任者の方は、阪神淡路大震災の被災経験もあることから防災対策の重要性は十分すぎるほど認識していますから、和歌山市にもそのノウハウを活かしてくれることに期待しています。

【講義】
 和歌山大学では島久美子さんが講師になって、一般教養科目としてNPO講義が開講されています。本日は授業にお邪魔して講義を聞きましたが、個人的なまとめは次の通りです。
 社会の情報は新聞やテレビ、インターネットから入手しているものが多いのですが、報道されている情報は事実の一部ですが真実ではないものがあります。客観的に見ようとすれば、海外メディアの記事を読むのが一番です。インターネットでニューヨークタイムズなど、日本について書かれた記事を読むと日本が海外からどの様に見られているのかが分かります。そのためには語学力が絶対的に必要で、英語は絶対に習得すべきです。

 日本がどう評価されているか知ることで勉強意欲が沸きます。今まで取り組んでいないことを始めるのは、どんなことでも大きな前進です。読むこともしなかったニューヨークタイムズを読もうとする行為は、今までと全く違う自分に変身することを意味します。英語の記事を読もうとするだけでも自分が変わるのです。
 障害を持つ人のことを英語でチャレンジド(Challenged)といいます。その意味は、障害を持つ人は神様がわざと不自由にして世の中に送り出してくれたので、チャレンジ出来る選ばれた人だというものです。チャレンジ出来る環境を与えられているのは素晴らしいことで、後で思うことは苦労する中に生き甲斐があることです。何か出来なかったことに取り組むことで、それが出来るようになるのは全く違う自分になることです。

 チャレンジドの概念を最初に提唱したのはJFケネディ元大統領です。障害を持っている人でも社会に貢献して、国に税金を納められるようになって欲しいと自立を支援したのです。今ではアメリカではハンディキャップとい言葉は使われていません。この意味するところは手で帽子を持つこと、翻って物乞いをすることを意味していますから、現在では使用されていません。
 チャレンジする環境を与えられたら挑戦することが大切で、挑戦の中から違う自分になることが出来ます。
 挑戦といっても全く世の中にないものを創造するものではありません。ビジネスはちょっとした思いつきから始まります。無から何かを創造出来る人は天才的な人だけで、ビジネスで成功している人も、他人と少し違う観点を持っているだけです。品質と価格、スピードが鍵で、世のため人のためになるものは社会で受け入れられ残っていきます。
 今までの時代は今の50歳代以上の人が築いてきましたが、これからの時代は過去の知識だけで通用するものではありません。若い人の考え方次第で社会を変えることが出来ます。過去の人が築いたものだけを受け入れ、それに順応するだけでは活きている意味はありません。時代が求めているものはありますから、今の世間が納得する主張を行い行動すれば必ず世に出ることが出来ます。何かに挑戦することで、自分も相手も世間も納得するものを生み出すことで社会は変わります。
 
【心斎橋】
 心斎橋が復活して元気です。人通りが絶えず、何の商売をしても成功すると言われているほどです。心斎橋で事業を行っている方達と、中心地の役割とまちづくりに関して懇談する機会を持ちました。
 心斎橋は5年前までは低迷期にありました。オフィス街でもあり、銀行や企業が撤退し行き交う人口が減少したことから商店街も活気がなくなっていたのです。3年ほど前から企業が撤退したビルにスーパーブランドが進出して来ました。それから若い人達が集まり出し、現在では大丸に加えてそごうが復活したため世代に関係なく人気を得ています。
 活性化最大の要因は核となる店舗があることです。ブランド店、百貨店があることで周囲の商店街にも人が繰り出し活性化します。事実、そごう前の店舗はそごうの中にある店舗と競合していますが、相乗効果で売り上げが増加しています。ライバルを排除しているようなら人は集わないことを表すものです。商店街が中心になっていますが、大阪市は随分支援したと聞きました。
11月15日(火) 「ポスターコンテスト」
【写真展】
 出合明先生写真教室による写真展が開催されているため、午前中鑑賞に出掛けました。暖かく出迎えを受け写真の解説をしていただきました。
 今回の写真展は故五十嵐先生の教室の生徒が開催しているもので、展示場には遺作品の展示も行われていました。生徒達は五十嵐先生の後を出合先生が引き継ぎ、教室で写真技術向上に向けて研鑽しています。
 二人の先生に学んでいる方々の作品を堪能出来ました。

【ポスターコンテスト優秀作品選定】

(こども達からいただいた絵)
 和歌山市内の公立小学校高学年の生徒達に「平和は国境を越えて」を主題としてポスターに出来る絵を募集していたところ、1,828枚も作品が集まり優秀賞などの選定を行いました。入選作品として2点、優秀作品を90点選定しました。子ども達が熱心に平和をイメージして描いてくれた作品ですから優秀作品を選定するのは大変な作業でした。
 地球、鳩、人と人との輪、国旗などが主要な作品で、色使いが鮮やかなものが選出されました。
 優秀作品の90点は、平成17年12月27日から平成18年1月7日までの冬休みの間、和歌山近鉄百貨店4階会場で展示することに決定しました。準備が整い次第各小学校に連絡を行いますが、子ども達が描いた平和のイメージをご覧いただけたら幸いです。

【打ち合わせ】
 先週、県議が和歌山市長選への出馬を表明して以来、和歌山市長選が和歌山市では話題になっています。今後誰が名乗りを上げるのかが噂されているところです。しかし4年間経過するのは早いもので、前回の夏の暑い時期の激しい選挙戦を思い出します。
 多くの人の意見は、市民に選択肢が与えられるのは好ましいことだと、候補者が出てくることを好意的に受け取っているように感じます。中には大阪市長選挙の70歳対決よりも和歌山市の方がマシだと言う人もいます。最近の都市型市長選挙は、候補者の調整をしないで出たい人が出馬しているので市民に選択肢が提供されています。
 今や密室で候補者を調整するような時代ではなくなっています。限られた周囲だけの意見ですが、候補者に関しては多くの選択肢がある方が好ましいと思っているようです。
 気がつけば任期満了まで1年を切っている和歌山市長ですから、今後の展開に注目が集まっています。

【相談】
 平穏な日常生活を送っていても、突然トラブルに巻き込まれることがあります。平穏な暮らしが脅かされると平常心で生活することは難しくなります。それは何時職場に電話が入るのか分からない不安感、会う必要が生じた場合の恐怖感などから、相手が生活圏内に存在する限り付きまといます。
 私達は日常生活では出会うことのない特定の問題に関する法律知識を有していない場合が大半です。そこに付け込まれると誰でも混乱してしまい、解決に至る話し合いは相手のペースで進められるのです。表面化しない問題は表面化させたいところですが、社会的問題、体裁などから出来ればそうしないで解決する方法を考えがちです。それが問題を繰り返させる要因ですから悪い連鎖はどこかで断ち切る必要があります。
 幸い悪事を見逃すような社会ではなくなっているので、恐れないで弱い立場であっても連携を取ることで対抗出来る問題もあります。思い切って話してみるだけでも一歩前進です。

【喜び】
 若い頃から独立してコンビニを経営している夫婦に待望の第一子が誕生しました。ようやく安定した経営が出来るようになったこの時期に、子どもに恵まれたことは喜ばしい限りです。周囲にも次々にコンビニが乱立していますが、競争に打ち勝っています。
 経営者は、独立する前は会社員で毎晩日付が変わるまで仕事をしていましたが、その成果を反映させてくれないことから仕事で同じ苦労をするのであれば自分で経営した方が遣り甲斐があると決断し、コンビニを始めたのです。
 若い夫婦にとって独立は自分達の内心に巻き起こる不安感との戦いでしたが、3年間は苦労してみようと話し合って店舗経営を軌道に乗せました。
 これからの発展を心から願っています。

【開店】
 大型の温泉施設の開店を週末に控えて、招待客に限定した内覧会が開催されたので、この場所で懇談会を行いました。戦争体験のある人からは貴重な話を伺えました。戦争は狂気なので誰も意見が言えなくなる空気になるので、二度と起こしてはならないと言うものでした。同期の友人は殆どが戦争で命を落としたので、生を受けていることに感謝する気持ちがあると言います。
 社会を危険な方向に向けてはならない、これが戦争体験者からのアドバイスです。

【通夜式】
 懇談会後、遅れて通夜式に参列、同級生と出会い驚きました。思い返すと同じ姓なので同級生の身内の出来事であることに納得。本当に忙しい現代人ですが、誰でも無に帰す時が来ます。その時までどのように生きるのか、考えておくべき課題です。
11月14日(月) 「土地施策」
【土地施策】
 全国で講義を行っている不動産コンサルタントの先生と土地と都市問題について懇談を行いました。和歌山市中心地の土地価格が下落していることも活性化が図られない要因だと推定出来るのか確認しました。土地は経済と社会そして福祉の発展にも影響を与えます。経済活動の基になっているのが土地であり、人が交流するのも賑やかな土地です。福祉においても、交通の便が良いところで拠点を構えるのか、空気のきれいな場所に拠点を構えるのかによって福祉施策も変わってきます。

 和歌山市の場合、まちの中心地がJR和歌山駅に向かって東に移動しています。JR和歌山駅付近のマンション需要が活発で商売の拠点として開発者が土地を探しています。そのため土地価格は上昇基調にあります。つまり人が交流する地点が中心地となり土地価格は上昇するのです。まちは生き物ですから人の往来が変化することで中心地も変わります。これは自然の流れですから、人や行政機関が無理に流れを変えようとしても無理なものです。
 ただ中心地だった地点をそのまま放置して良いのか、見解が分かれるところです。ポイントとして、和歌山市は和歌山城を中心に広がってきた城下町ですからこの地域にはまちが栄えてきた歴史があることです。本町を中心にして放射状にまちが形成されてきた市であり、町の骨格が出来上がっているため中心地が変化したとしても、それに合わせて大規模な再開発は難しいのです。

 現状において経済と商業の中心地は、JR和歌山駅から本町界隈、市役所、県庁に至る地域ですから、この間にサービス業、官公庁、商店街が集まっています。従ってこの地域に今ある機能を活かすことが、効率的に社会の発展につながるとも考えられます。今ある建物を、民間事業者が有効活用することを行政機関が後押ししてあげることで活性化につながるのであれば支援すべきです。
 例えば、和歌山大学が観光学部を新設する方針を打ち出し国にも働きかけていますし、民間でも新学部設置に向けて署名を集めて国に提出しています。
 和歌山大学では観光学部の学生には生きた学問を学んで欲しい気持ちと和歌山市活性化の観点から、まちの中心地に学部を設置したい意向を示しています。具体的には旧丸正ビルを観光学部の校舎として活用を図りたい意向があります。いまや大学は大学の中で学問を行う場ではなり、その存在そのものがまちの環境や知見に影響を与えるものになっています。和歌山市が衰退しているのに地元大学だけが発展することはありません。

 また大学が所有する知見を和歌山市は活かすことで地域の発展がありますから、中心地に大学が進出してくれることは歓迎すべきことです。
 旧丸正が和歌山大学観光学部になり、旧ビブレに進出したい意向を示している娯楽施設が入居することになれば、ぶらくり丁のポイントに人が集まる施設が誕生することになり、ぶらくり丁に人の流れが出来ることが期待出来ます。
 シャッター通りに行政機関がお金を投じても活性化が図れないことは今までの実績から難しいのは明白です。民間や大学が進出してくれる機会は何度も訪れませんから、それを活かす決断が求められます。
 もし決断出来ないのであれば、それに代わる中心地活性化の代替手段を示すべきです。人が集まらないから土地が下落し続け、商業地として魅力のない地域になろうとしている状況を放置しておくことは和歌山市の将来に暗い影を落とします。
 中心地活性化の施策を打ち出すことが、土地価格下落に歯止めをかけることにつながります。交流人口の増加により経済効果が期待でき、市の税収の根幹を成す固定資産税の増収が見込まれます。

【懇談】
 今月和歌山市内で開催されるシャンソンコンサートに関してシンガーと面談しました。コンサート期日が迫ってきたことから気合が入っています。今後会場準備とリハーサルに入り当日を迎えます。

【打ち合わせ】
 熊野に関しての新規事業に関する打ち合わせを実施。世界遺産を活かした地域活性化策を検討しています。地方へ行くとどこの地域でも同じですが、異分子を受け入れるのには抵抗があり受け入れてくれるまでに時間を要します。生活が困窮していない限り波風が立たない方が過ごし易いからです。
 ただ大手資本が突然参入し、地域資源を散らしてしまう状況であれば考える余地はありますが、同じ県内で地域興しのために活動しようとする動きに対して必要以上に敏感になるようなら地域活性化は適いません。
 真珠がきれいなのは異分子を受け入れ内包するからです。熊野を大切にしながら世界遺産効果を維持していくためには、異分子を受け入れるだけの度量が必要ですし、熊野にはそれがある筈です。

【会社での問題】
 真面目に経営している会社に突然問題が起こった場合、経験がないのでどう対処すべきか混乱します。問題が起きると、つくづく会社は社会的存在であることが分かります。問題は一企業内だけに留まらないで社会的影響を及ぼします。従業員や取引先、経営者団体、組合、官公庁などにも影響を与えることから早期に解決することが会社と会社を取り巻く社会環境を安定させるために必要なことです。
 ところが社会的問題とは、それらの要素が絡み合っている問題が大半であることから早期解決は難しいものです。以外と経営や労働問題に関する専門家は少ないのです。

【福祉打ち合わせ】
 福祉に関する打ち合わせを実施。福祉分野にも次々とやる気のある人材が誕生しています。地域の拠点となるために人材の確保と設備の充実を図っている姿に接すると、活動できる舞台を整えたいと思わずにはいられません。
高齢者福祉を充実させるために時間も資金も人材も提供してくれています。
地域の福祉問題からそれを支える行政機関のあり方、地方議員のあり方、首長のあり方についても議論は展開していきました。財政が厳しいので何も出来ないのではなくて、財政が厳しい時程、何を重点施策にするのかが問われています。
11月13日(日) 「郷土料理店」
【郷土料理店】
 本年度も郷土料理展に出席しました。和歌山県内の料理店が本年度のお勧め料理を発表する機会になっている郷土料理展は、本年度で第11回目を迎え、紀州の食材を活用した創作料理が並びました。
 料理店は同じ料理を提供する訳にはいきませんから、創意工夫を重ねて新作料理を研究し続けています。本日の出展料理は各料理店のリーダー的存在ですが、新作を開発すると単品の組み合わせが豊富になるため価値は高くなります。老舗であっても新進の飲食店であっても研究を怠らないことが基本です。

(郷土料理展)

【卵】
 何気なく食している素材に卵があります。(ここで取り上げる卵は鶏卵を差します)。ケーキやシュークリームは卵を使用しているため、卵の品質が美味しい製品を作るための鍵を握っています。
 敷地内で自由に育てられている鶏が産む卵と、囲いの中で育成され運動量が少ない鶏の卵を比較すると栄養価が異なります。自然の中で育てられている鶏は1日1個の卵を産みますが、管理されている鶏は1日約3個の卵を産んでいます。管理とは卵を商品と見做しているため、需要に答えるため大量生産を図っているのです。卵を管理するためには鶏を管理する必要があります。飼育現場の一日を見たことはありませんが、お話した関係者の話では、照明を調整し一日の内に三回程度、朝と夜の環境を作り出しているそうです。そのため鶏の産卵は1日3回となるのです。

 卵を安価に購入出来るのは卵を商品として開発している人達がいるからです。
 それに対して自然環境の中で育てられている鶏は1日1個の卵を産むだけですから、商品としての価値は高くなります。金銭的に単純化すると、1日1個だけ供給される卵は、1日3個供給される卵の三倍の価値を持つことになります。
 両者の卵を比較すると栄養価も当然違っています。親鳥から供給される一日栄養素は決まっているため、1日1個産卵される卵には3倍の栄養が詰まっているとも考えられます。(ただし餌の品質により異なります)
 三倍の栄養価値がある卵は三倍の価格になっても不思議ではありません。私達が食べる卵はどちらでも良いと思いますが、ケーキ製造工場ではそうなりません。ケーキの味は技術力よりも素材が一番影響を与えるためです。

 本当に良い商品を作るためには素材を選ぶ必要があります。ところが素材に拘りすぎるとケーキ価格が高くなりますから、一般的な商品としての販売方法は難しくなります。
 一方、価格を下げるために素材を落とすと味も落ちるのでお客さんの満足度は低くなります。一般的には三回期待を裏切られるとその商品は買ってもらえなくなるようです。どの辺りでバランスを取って販売するのかを決定するのが経営者の役割です。販売見込みと売れ筋の価格を勘案して素材を決定し調和させていきます。
 職人と経営者の両者の視点を持って店舗運営させていかないと勝ち残っていけませんから、商品開発と素材集めが重点となります。折角良い商品開発を行っても素材の供給が単発では継続して良い品質の商品をお客さんに提供出来ないため、生産者との交渉力も求められます。
 ひとつのものを完成させ継続して供給していくための能力は多角的なものが求められます。何気なく食べているケーキやシュークリームには、製造者の夢と研究の成果が詰め込まれています。
11月12日(土) 「紀州子ども語り部研修会」
【紀州子ども語り部研修会】

 第二回、紀州子ども語り部研修会を開講しました。本日の講義内容は「城下町の今とむかし」です。研修会参加者は30名で、楽しく和歌山市の歴史を学びました。
 平成17年度当初の和歌山市の人口は約38万人です。時代を遡って明治時代初頭は61,000人、安政2年(1855年)には85,000人、1700年頃の徳川吉宗藩主の時代では57,000人、徳川頼宣初代藩主の時代は30,000人、浅野幸長藩主の1619年は20,000人だと推定されています。和歌山城を中心にして周囲にまちが広がり人口が増加していることが分かります。

 もう少し細かく見ると、徳川頼宣初代藩主は駿河から紀州へ来た時に11,000人を引き連れて来たために人口が増加しています。その後順調に人口は増加していますが、明治時代初頭に人口が減少しています。その理由は、明治政府発足に伴い江戸へ武士が移動したためです。
 人口形態やまちづくりを知ると和歌山市は和歌山城を中心に発展してきた城下町であることが分かります。まちは和歌山城を基準として、南から北に向かって本町一丁目から九丁目まで区画されています。その直線を基本として東西に碁盤目に道路が交差しています。本町の南側になるお城への入り口が京橋と名づけられています。このように和歌山城を中心とした地域が武家屋敷で、その周囲を町人地が広がっています。
 武家屋敷地域であった場所はまとまった用地ですから、後の世では比較的開発が容易なため、現在では公共施設が立ち並んでいます。対して町人町は建物が入り組んでいるため大規模開発は難しく、当時の面影を残すように間口の狭い商店が立ち並んでいます。
 城下町には武家屋敷など武士が暮らしていた地域の面積が約45%、町人の生活の場が約30%なのに対して、人口は武士が30%で町人は70%の比率でした。このことからも武家屋敷の開発が出来たのに対して、町人町は狭くて人口が密集していたため今も入り組んでいることが伺えます。
 そして和歌山市には江戸時代の町名が今も残っています。
 主なものを挙げると、職人の町であったのが畳屋町、桶屋町、匠町、北大工町、南大工町、船大工町、鍛冶町になどです。商人の町であったところが、米屋町、雑賀町、福町、中之店、西之店などです。

(紀州子ども語り部研修会)

 城下町では、この地域は大工さん、この地域は加治屋さんというように特定の地域に同じ職業の人を住まわせています。このように城下町の基本は集住ですから、和歌山市は正に城下町であったことを今も地名に残しています。
 各地には本町や京橋など同じ地名がありますが、これは城下町に共通している地名です。歴史的背景のある町名は文化であることが分かります。
 本日も楽しく学べる研修会となりました。講義は今回で終了し、次回は和歌山城で実地研修に入ります。「楽しかったから、今日も来た」と話してくれた中学生の言葉が嬉しい一日でした。

【葵会総会】
 和歌山市内で葵会和歌山支部総会に招待していただいたので出席、約100名の方々と懇親を深めることが出来ました。多く皆さんに励まされ、期待してくれていることを実感した会合でした。挨拶の内容は次の通りです。
 先ほどまで紀州語り部研修会を行って来ました。和歌山市では和歌山城を中心とした観光施策を行っているところで、それに呼応して和歌山城を中心に発展してきた和歌山市について学習するため、毎月一回紀州子ども語り部研修会を開講しています。
 今日のテーマは城下町の今とむかしで、歴史を知ると歴史に学ぶことの大切さが分かります。町の作りも人口増加も和歌山城を中心に発展してきたのが和歌山市ですから、これからもまちの発展は延長線上に進むと思われます。
 先輩達が築いてきた歴史と文化を守り、次の時代に引き継いでいくことが私達の使命です。
 しかし伝統を守ることの難しさもあります。一例として電力業界を見ると、今までにない競争が始まっています。中国電力管内にあるスーパーのイオンが地域外の九州電力から電力を購入することが決定しています。今までは地域独占が認められていた電力業界ですが、ついに電力の垣根を越えた競争に発展しました。今後、競争は加速度を増していくと思われますが、地域の文化と伝統を守り継承していくためには、外部との競争に打ち勝つことが必要だと認識しています。

 また関西でも大阪ガスが100万kW超級の発電所を建設することが決定しています。そのため100万kWの供給を確保するためにお客さんの拡大を図っています。電力間、そしてエネルギー間の競争が既に行われているように、今までにない環境に適応していくことが求められています。
 私達は先人が築いてくれたものを大切に守りながら、守るということは攻めることを意味しますが、地域発展のために時代を切り拓く覚悟で臨んでいきます。今後ともご指導をお願いいたします。
11月11日(金) 「関西議員懇談会」
 終日、関西議員懇談会に出席し意見交換を行いました。関西各地の地方議員との懇談は意義のあるものでした。今回は、改革が浸透している企業組織についての懇談となりました。以下は要約です。
 過去日本の企業組織はピラミッド型の階層になっていました。お客さんの意見を受け付ける営業所では、最初に担当者に意見が届きます。その後、班長、係長、課長、所長と意見が上がり、要望に対する営業所としての方針が決定されます。現場所長の権限内であればお客さんへの返答が可能ですが、上位機関が権限を保有している場合は、支店・支社へ方針を伺う必要が生じます。
 支店でも同様のステップを踏みます。支店担当者、係長、課長、支店長へと伺いが立てられていきます。この場合でも、支店権限を越えた場合は本店にあがります。
 このようにお客さんから意見が寄せられても、段階を踏むために返答するまでに時間を要します。このため返答が遅くなったり、貴重な意見を改善に反映させられない場合が生じています。ピラミッド型組織の場合、何段階も方針が通過するためチェック機能が働き、より良い方針を決定する利点がありますがスピードに欠けるのが難点です。
 また担当者から権限者の間に機能していない職位があると、単にスピードを減速するに留まり、お客さんにとっても企業にとっても良い結果を導かなくなります。
 お客さんの意見を取り入れ改革を進めている企業では現在、従来の組織は残しつつもスピード化を図っています。それは職位ではなく、出来る人や実行権限のある人にダイレクトに方針をあげることでスピードアップを図るものです。お客さんの意見を聞いた担当者は方針を立案し、権限者に直接相談し伺いを行うものです。機能していない中間層への書類通過をカットすることで速く実行出来ることになります。

 つまり実行出来る人とダイレクトに話し会社方針を決定することで、お客さんは満足を得られ将来も顧客に留まってくれるのです。一気に組織構成員の意識を変えるのは難しいため、当初は出来る人と案件に応じて個々で対応することになり、組織的に変革を行えるのは数年後になります。
 下位職から順番に上位職に方針伺いをすることに固執しているようでは組織の変革は出来ません。仕事は当該案件を解決出来る人同士でやる、企画を進められる能力のある人同士で行うことで、迅速で良い企画に仕上げることが出来ます。
 メールやイントラネットは出来る人同士を結びつける手段です。ITツールを活用することで、決定のスピードを加速させる小さな組織に向かいます。

 お客さんの要望に応えるには、そして企画力を強くするためには小さな組織にすべきです。ここで言う小さな組織とは人を減らすことを意味しません。階層を減らすことでスピード化を図り、不要な役職位は無くして能力に応じた必要な箇所に異動させることで人材の活用を図ることです。
 従来の形に囚われることなく、お客さんとITなど外部環境に適応させることが活きた組織です。
11月10日(木) 「学校開放」
【学校開放】
 今週は一部を除いて公立学校の学校開放週間になっています。子ども達の学校生活と授業の公開、学校外の方を招いての講演会などが各学校で開催されています。
 本日は盲導犬講演会のために宮小学校を訪問しました。私達のグループが、午後から体育館で小学校4年生を対象として盲導犬と犬の育て方について講演し学んでもらいました。犬を育てて行く過程で命の大切さを学ぶ必要があること、盲導犬は人間社会に欠かせない存在であることなどを知ってもらいました。最近ではセラピー犬も登場し、高齢者施設や幼稚園などで人とふれあい、いやしてくれる存在になっていることを学んでもらいました。
 人と犬達が共存しているのが現代の日本の社会ですから、人も動物も命を大切にする社会を子ども達には築いて欲しいと願っています。
 子ども達は犬が大好きで、セラピー犬の周囲に集まって一緒に遊んでくれます。講演会が役立っている実感がありました。
 さて和歌山市内の公立小学校では、イングリッシュ・パワーアッププログラム事業が導入されているところがあります。城北小学校では年間60時間の英語学習が取り入れられています。これは外国人が講師となって指導しているものです。

 この城北小学校は和歌山県のイングリッシュ・パワーアップ・プログラム事業の研究指定校になっています。理由はカナダの小学校との交流があること、近くの伏虎中学校と含めて9年間の英語一貫教育が可能な環境にあることなどからです。伏虎小学校では1年生から6年生までの全生徒が、聞くこと話すことを重点にした英語授業を受けていますが、これは平成15年に研究指定を受けて本年度で3年目となっています。事業は和歌山県の予算です。

 英語教育の重要性については平成8年度の文部科学省から方針が出されていることから、各地で英語教育が取り入れられています。和歌山市内の小学校でも教育として取り入れられているのは保護者からも評判になっています。
 さて同じ公立の宮小学校では6年生を対象として年間6時間の授業となっています。これは月間の時間数ではなく年間6時間の英語教育です。予算は和歌山市のもので、外国人講師は和歌山市から派遣されています。和歌山市の予算が厳しいことは理解していますが、研究指定校とそれ以外の小学校の英語教育で大きな差が生じる懸念があります。年間60時間と6時間の差は有意な差になり得るからです。

 研究指定校は県の予算面から限られているので、和歌山市で補完して欲しいものですが、市の英語教育にかけられる予算は少ないのが現状です。年間6時間の英語の授業を取り入れているのは、6時間あれば少しでも成果があがるという考え方ではなく、総予算を講師雇い入れの費用で割ると年間6時間になるからです。
 教育のパワーアップが和歌山市の重点項目になっている割に寂しいのが公立教育の現実です。各学校現場では6年生以外の生徒が英語に慣れるために、独自で学校に配分された少ない予算を捻出し外国人講師に来てもらっている実態があります。総合学習の中に英語を取り入れることは可能ですから、英語教育の時間を創出するために総合学習の時間を削っているところもあります。それにしても対象は小学校3年生から5年生までで、各クラスとも英語の授業は年間わずか3時間となっています。これは研究指定校と比較して大きな時間の差と言えます。今日見学した英語学習では、子ども達が聞くことと話すことを主体として楽しい雰囲気で学んでいました。何よりも外国人の講師とのコミュニケーションがあることから、子ども達は西洋人に対するコンプレックスがなくなっています。これは将来に向けての成果です。
 残念ながら、公立小学校では予算面からこれ以上英語学習時間を増加させるのは難しいため、後の学習は英語に関心を持った生徒と保護者に委ねられることになります。
 参考までに総合学習は、福祉、人権、環境について学習することを主題としていて、授業時間は年間約100時間です。

【緊急医療】
 医療関係者と和歌山市の関係者などが集まり災害時の緊急応急手当の方針について自由懇談を行いました。大災害時にけが人を手当てするためには、心肺蘇生法を学んでおくことが必要です。医療関係者の中でも自治会や小学校に出向いて講習を行っている方々がいます。医療を通じて社会に貢献しようとする意思を持ってのことです。
 大災害になると和歌山市内の医師で心肺蘇生を行っても追いつかないことが想定されます。そのため市民の方々にも普段から心肺蘇生法を学んでいただき初期対応をしてもらうことで多くの命が守られることにつながります。
 これに対して和歌山市の初期応急手当の取り組みは、昭和42年以降各地で講習会を開催していて、育成人員は43,000人に上っています。現在でも年間2,000人を養成中です。このように行政でも緊急時に備えて体制を整えていますが、医療関係者と行政、お互いの連携が不十分であったため、今後は講習会や非常時の対応などについて協議出来る体制を確立し実践していまことを確認しました。今日を第一歩として新しい取り組みが開始されます。

【イベント調整】
 11月13日のイベントに関する打ち合わせを現場で行いました。会場視察と電源確認、必要機材を揃えるなど準備と打ち合わせを完了、当日を待つことになりました。

【懇談会】
 夜は情報交換会。候補者の動きがあり慌しくなってきた和歌山市長選挙の話題や国政についての意見交換の結果、幾つかの条件がありますが和歌山市はこれからに期待出来る環境があることが確認出来ました。
11月 9日(水) 「帰ってから」
 教育民生委員会の日程を終えたので和歌山市に戻りました。英語と日本語の特区のしくみ、二学期制度、学校から保護者への緊急メールのしくみについて研修出来たことは有意義でした。
 市内で自動車販売会社を訪問、意見交換を行いました。この大手自動車会社がライバルに差をつけている要因の一つにアフターケア体制の充実があります。
 自動車を販売した後もメンテナンス情報を提供するのはどこでも行っていますが、ここでは自動車保険会社もグループ企業にあり、自社の自動車を購入したお客さんには有利な保険加入条件を提示出来るしくみを持っています。
 自動車が安全であることは絶対条件で、それ以上の安心をお客さんに提供することが差異化です。
 安全に安心して自動車に乗ってもらえるようなサポート体制を敷いていることが勝ち続けることにつながっています。
 
 自閉症や難病の子どもに対する支援活動を行っているNPO法人が、保護者も子どもの家庭教育に関心を高めてもらえるように、保護者を対象としたイベントを企画して実践しています。料理や気功法教室などを開催し、保護者と子どもに一緒に参加してもらうことで会話の機会を増やし、コミュニケーションの機会を提供しています。毎月違ったイベントにすることで参加の輪が拡がっています。
 さらに動物講座を開講したいと意欲的に取り組んでいます。

 和歌山市でも経済活動が上向きになっていることを実感させてくれる要因のひとつとして、土地活用の活発な動きがあります。条件の良い場所におけるマンション建設用地は不足していますし、人通りの多い道路沿いの空き地も捜している事業者が多くなっています。駅から近いなどの利便性によって住宅用地の取り引きも増加しています。
 今日も国道沿いに未利用地があることから、そこを商業用地として活用したい旨の相談がありました。主要な道路沿いや地主が単独でまとまった広さの未利用地には引き合いが多く経済活動に明るさが見え始めています。
 ただし特定の土地に限定されています。良い条件の土地は直ぐにでも活用の話がありますが、人通りが少なかったり交通の便が良くない土地は依然として土地価格は上昇していません。
 今まで以上に、収益を生み出す土地とそうではない土地の二極化が進んでいます。

 夜は年末商戦を控えての「がんばろう会」に参加しました。この業種は年末の売行きが伸びるため、毎年年末に向けて気勢をあげる目的で開催されているもので、昨年に引き続いて招待を受け参加しました。
 若い人達がまとまって仕事に取り組む姿は嬉しいものです。ニートやフリーターの問題が言われていますが、若い方を雇用して技術を身につけるよう指導しているこの経営者は、やる気のある若者なら何人でも雇用したいと抱負を語ってくれます。
 技術は若者に伝承していくことで良い連鎖が起こります。
 早いもので年末が近づいてきました。盛り上がった年末になるように応援しています。
11月 8日(火) 「教育民生委員会二日目」
 二日目は世田谷区教育委員会との懇談です。世田谷区では、平成16年12月に日本で初めて日本語教育特区の認定を受けています。これによって教科に「日本語」科目を取り入れ授業を行っています。
 経緯としては特区申請の前年となる平成15年度から「美しい日本語を世田谷の学校から」の取り組みを行っています。この時期は学力低下が叫ばれていた時期です。二学期制などへの取り組みはこの時期に検討され、導入され始めています。世田谷区では学力低下の原因は、若者言葉や不適切な敬語活用など言葉遣いが乱れていると考えました。そして、円滑な人間関係を阻害し貴重な日本文化が消え去ることを防止するために日本語を大切にすることが大切で、日本語の表現力の向上と日本文化への理解を深めようと考えました。ある日本語が消え去ることはある日本文化が消え去ることを意味しています。大切に育まれてきた日本文化なのに、私達の世代が日本語を学ばないことで消し去ることは絶対避けなくてはなりません。

 考え方の基本は三つあります。
「思い、考え、感じる基盤」。人は言葉で考えていますから、言葉が乱れると行動も乱れることになります。
「自分を語り、表現し、話し合う基盤」。思いや考えを伝える手段として言葉があります。人とのコミュニケーションを図るためには言葉は欠かせないものですから、立場や相手に応じて適切な言葉遣いをすることが大切です。言葉は文化で社会情勢に応じて変化しているため若者言葉が悪いとは言えませんが、日本の伝統、文化を大切したうえで言葉を改めていくことが大切なことです。敬語や謙譲語を知らないで若者言葉だけを多用するのでは言葉を通じての人間形成の点で課題が残ります。
「日本文化の基調日本語」。日本語の微妙な表現は日本文化の美しさの基本です。きれいな言葉を知ることで行動が変わります。

 これらの考え方を達成するためには教科「日本語」の授業が必要で、既存の国語科目とは別のものになります。「日本語」科目は世田谷区内の公立小・中学校の9年間を通じて実施するもので、目的は語彙の習得、古典や漢文、近代の名文、詩の学習、日本文化の理解、国際人としてのマナーの理解となっています。日本語を学ぶことで学力向上だけではなく、コミュニケーション能力の向上が図れることが期待されます。
 日本語教育は全学年とも小学校では週1時間、中学校では週2時間の取り組みとしています。
 言葉を大切にすることが学力向上につながり行動を変えていきます。日本人は基本的に日本語で物事を考え表現しています。もっと言うなら知っている言葉以上の表現や考えは出来なのです。日本語を知ることは物事を深く考えることにつながります。
 日本語力を向上させることは結果として英語力も向上させることにつながります。日本文化に根ざした日本語を学ぶことでそれを英語に置き換えることが可能となります。日本語で考える日本人が、日本語を活用出来ることで英語でのコミュニケーションが図れることが期待出来ます。
 先進的な取り組みをしている世田谷区の日本語特区に注目しておきたいものです。

 同じ世田谷区では、小・中学校の保護者を対象とした緊急メールを導入しています。これは学校からの連絡網で伝達する情報や不審者が出没した時の緊急連絡として活用されています。情報の早期連絡と安全対策のために活用されているしくみで、小学校保護者の71%が緊急メールに登録しています。
11月 7日(月) 「教育民生委員会」
 教育民生委員会視察初日は栃木県宇都宮市教育委員会です。
・二学期制について
 和歌山市の公立中学校では平成18年4月から一斉に二学期制を導入します。二学期制の利点は始業式と終業式の回数を減少させるのが可能なことなどから授業時間を確保出来ることになります。ついては、先生と生徒が向き合え時間を持てることから、人間味のあるゆとりある教育が達成できることから導入するものです。
 ただニ学期制に関しては平成17年9月議会の教育民生委員会の席で突然報告を受けたもので利点と不具合についての議論が交わされていません。報告事項なので議会で議論しても決定を変えることは出来ないのですが、先進市の事例を調査し、その結果を反映出来れば望ましいと考えて宇都宮市に赴いたものです。
 宇都宮市では既にニ学期制を導入しています。二学期制を導入することにより、先生の負担が軽減されるので生徒指導の時間を確保できることが利点として挙げられています。つまり三学期だと通知表の評価が三回あったのが二回で済むこと、一学期と二学期の間の終業式と始業式を割愛出来るため時間を捻出出来るのです。その捻出した時間を生徒と過ごす時間として確保出来ています。
 三学期制の時よりも年間13単元事業時間が多くなっています。ただその時間を全て学力向上のために活用してはいないようです。問題となっている私学と公立の学力格差を縮小させるために、基礎学力向上を目的とした授業編成にはなっていないようです。検討する際にも私学の学力を意識したものにしていないことから、あくまでも伸び伸びとゆとりある教育を種にしたものになっています。

・英語特区について
 もうひとつの特徴は宇都宮市の小中学校に対して英語特区の認定を受けていることです。小学校からの英語教育の重要性が議論されていて全国の地方自治体では英語特区を設けているところがあります。
 宇都宮市では二つの小学校を選択して授業に英語を取り入れています。英語の学習時間は年間18時間、総合学習の時間を削って時間を捻出しています。全体の学習時間は増加させることが出来ないため、英語の授業を取り入れるためには何かの教科を削る必要があります。基礎学力を身につけるための科目を削減出来ないため総合学習の時間を充当しているのです。
 英語と同時にコミュニケーションの手段として話し方などの科目も取り入れている点が特徴です。英語だけではなく日本語でもコミュニケーションを図れることが大切だと考えてのことです。子ども同士のコミュニケーション能力と英語力向上を目指した特区になっています。

 英語特区により英語教育を取り入れている小学校は過疎のため生徒が減少しています。そのため特長ある授業を導入して生徒を集める手段としている点も宇都宮市独特のものです。
 さて宇都宮市は人口45万人の中核市ですが、老舗の上野百貨店が倒産し、地方銀行の足利銀行は国有化されているなど地方都市としての問題を抱えています。人口は増えているものの中心地の商店街はシャッター通りの様相となっていることなどから、まちの活性化は重要な課題となっています。
 まちをPRするために餃子とジャズとカクテルのまちであることを売り出しています。

(宇都宮市視察)
11月 6日(日) 「熊野」
【熊野】
 新しくNPO法人を立ち上げた代表の方と懇談しました。平成元年から「共生の郷こすもす」として活動を継続してきましたが、この度NPO法人としての活動を開始しています。
 基本的理念を共生、循環、創造として、命あるもののつながりを大切にすることで、共生出来る社会の創造が平和につながることを信じた活動を行っています。 
 今後は活動を熊野にも拡げたいとしています。何故熊野なのか、それは古代には熊とは神を表し、野は棚を示していました。従って熊野とは神棚の意味を持ち、地形的には海から見ると熊野地域は神棚に見立てられたこと、精神的には神様が降下してくる場所として敬われた土地だったことから、精神的活動の中心は熊野が相応しいと考えています。
 研修会では日本人で元NASA(アメリカ航空宇宙局)にいた細胞学の医学博士が講師です。その方はアメリカでは宇宙と人体と量子物理研究に携わっています。大脳生理学を研究した結果、病気になる根本原因は、体の機能を司る脳の中枢の弱り、体内と脳内のバランスの崩れ、細胞を取り巻く粒子運動の乱れ、生命エネルギーの不足の4点であるとし、この要因の強化と調整のための研究をしています。さらに宇宙的変化に対応するために血液と遺伝子の働きを活性化する必要性から地球最古の生物ブルーグリーンに着目した研究を行っています。
 今までよりも広く活動するための準備を進めているところに新しい出会いと発見があることに驚いているようです。

【お見舞い】
 友人の母親が体調を崩したためお見舞いに。病院を退院され元気になっていたので安心しました。心臓を病んでいたため気にした余り脳内出血を誘発していたため不安感がありました。病は気からの格言通りになったことから、退院後の日常生活では心臓のことを気にしないように心掛けています。
 気分転換に小旅行に体に出掛けるのも良いことから熊野にも出掛けています。人は森の写真と都会の写真を見た場合を比較すると、森の写真を見た場合には気分が良くなるという報道がある位です。実際の森、特に熊野古道に行くともっと効果があるのは当然のような気がします。
 既に熊野健康村の活動の一環として、まちに暮らす人が熊野古道に行っただけでもストレスが減少するとの医学的データも示されています。神の棚でもある熊野を抱えた和歌山県の価値は高まりそうです。
 早く体調が良くなることを願っていますし、精神的に安心して暮らせる環境を築きたいものです。
 この家庭のご主人さんは、現役時代は小学校の校長先生でした。今でも赴任した公立小学校の校門を入ったところの記念碑に校長先生時代に書いた文字が残されています。記念石碑に書かれた「愛」の文字は、校長先生を退職した後も生徒を見守り続けています。人生の先輩として私達をまだまだ見守り続けてくれることを願っています。
11月 5日(土) 「土地評価」
 和歌山市の商業地の地価が下落している都市としての問題があります。その土地を評価する基準にはいくつかあります。
 毎年1月1日と7月1日の価格を公開している公示価格。これは国土交通省が発表しています。路線価格は財務省、固定資産評価額は市町村の基準です。それに加えて時価の4指標が基本的に土地の価格を知るための物差しとなっています。現在時価は路線価格に近くなっていると聞いています。
 現在一般的には、公示価格を100とすれば路線価格は80、固定資産評価額は70の関係にあります。

 さて和歌山市中心部の価格が下落していることについて論議しました。
 和歌山市における中心部とはぶらくり丁を指します。商業の中心地としての地位を占めていた場所ですが、郊外型の大型商業施設が進出するにつれて年々賑わいがなくなっています。
 その理由を挙げてみました。地価が下落するのは、その土地が収益を生み出す構造になっていないことから魅力がなく、土地の取引が活発ではないことを表しています。人通りが多かったり人が集まる地域、つまり人が交流する地域の土地の価値は上昇します。そこに店舗を構えているだけで収益が期待出来るからです。1時間に1,000人の通行がある道路沿いと、1時間に100人が通行するだけの道路沿いのでは取引価格が違うのは当然のことです。

 ぶらくり丁の通行人は減少の一途を辿っています。株式会社ぶらくりの資料によると、昭和48年には24,292人、昭和56年には15,522人の通行がありましたが、平成14年には4,165人と大幅に減少しています。(1区当たり、日曜日のデータ)
 この20年間で通行客は3分の1となり、30年前と比較すると4分の1の規模になっています。これでは商業地としての地価が下落すのは無理もありません。
 もうひとつのデータとして中心地である本町地区の人口を挙げます。昭和50年には定住者は7,470人だったのですが、平成12年には4,120人になっています。(株式会社ぶらくりの資料)25年前と比較すると55%の定住人口となっています。
 居住地として、和歌山市内における中心地の地位は低下しています。
 居住地としても魅力がなく通行客が減少していることから商業地としての魅力にも欠ける状況では土地価格は上昇しません。
 中心地として活性化を図るために必要なものは、この二つの要因を取り除くことです。

 まず居住地としての活用を図ることがひとつです。中心地の土地は限られていることから住宅地として居住者を増加させることは困難で、マンション建設により定住者を増加させることが考えられます。高齢化率が高い和歌山市においては中心地を居住地域として活用する利点はあります。
 市役所、病院、商店、飲食店、銀行などが比較的集約されている地域ですから、交通手段がなくても日常生活の不自由はありません。しかも和歌山城公園が徒歩で行ける範囲ですから、この地域にはゆとり空間も存在しています。高齢者が暮らす地域としての価値はありそうです。首都圏では駅前などの利便性の高い地域でのマンション建設が活発化されています。これは高齢者ほど中心地に暮らすことが適していることを示しています。
 居住者が増加すると商業は活発化されます。背景人口が増加すると日常品を初めとする需要が増加するからです。
 現にぶらくり丁から数ブロック西側では、居住地としての土地取引が活発になっています。
 
 二つ目は商業地としての魅力を取り戻すことです。中心地の核となる部分は旧丸正から旧ビブレに至る通りだと思われます。ビブレは2001年に撤退、丸正は2002年に倒産して以降、このふたつのビルは空いたまま活用されていません。このふたつのビルに挟まれているぶらくり丁の通行客が減少しているのは、核となっていた百貨店が消え去ったことに原因があります。
 ですからふたつのビルの活用が図れたら商業地としての再生もあり得ます。と言うよりも、そうしないと再生は絶対にあり得ないのです。
 ぶらくり丁には地方自治体が投資してきたものの再生に至っていないのです。これは行政機関が商業地を再生する牽引役にはらないことを顕著に表しています。ですから行政機関はまちづくり計画と投資をするよりも、この地域に参画しようとする民間の動きを後押しする役割を果たすべきです。和歌山市では2004年3月に、和歌山元気まちおこし特区を申請して認可されています。これはこの地域の商業施設の出店手続きの簡素化を図ったもので、旧大丸ビルにこの度出店したドンキホーテは、この特区の利点を活用しています。

 ふたつのビルを活用することが中心地を再生することにつながり、商業地として人通りが増え取引が活発になれば土地価格を上昇させてくれます。
 幸い旧丸正ビルには和歌山大学観光学部が、旧ビブレビルには娯楽・レジャー施設がそれぞれ進出したい意向を示しています。
 学生がまちで遊び購買力を高めてくれ、娯楽・レジャー施設が設けられると市内外から集客が見込まれます。人が集まる地域が活性化するのは当然で、交流のある地域の土地価格は高まります。
 従来のように商業地としてだけ活用を図るのではなく、居住地を設けることでここを生活圏とする人口は増加するので、必然的に商取引は活性化されます。居住者がいないと中心地に至る交通手段はバスだけなので交流者の増加は見込まれません。
 デベロッパーは中心地を活用したいと考えています。居住地としてふたつのビルが埋まることを前提に、空き店舗を活用する意向を持ってくれているように、まだまだ魅力的な地域になっています。
 和歌山市がすべきことは将来像としてのまちづくり計画を企画することです。景観、公序良俗などを含めて市の方針に反していないのであれば、行政主導のまちづくりだけではなくある程度民間に任せることです。その動きを邪魔することなく支援することで中心地の再生は可能です。

 和歌山市は温暖で日照時間が長く降雨量が少ないことから、居住地として優れています。しかも大阪市までは鉄道を使用すれば1時間、関西空港までは40分ですから利便性も備えています。ここが再生出来ないと首都圏、中部圏、大阪圏を除く地方都市の再生は難しいのではないかとさえ思われます。
 民間の投資意欲が出てきている中でまちづくりに関する行政機関としての役割を意識して欲しいものです。
11月 4日(金) 「紀州語り部」
【紀州語り部】
 紀州語り部研修会第二回目の開講を来週に控えての打ち合わせ。第一回研修会では和歌山城の歴史を学んだので、第二回目では城を中心として発達した和歌山市についての学習を行います。研修会への参加希望者への案内文送付と第二回目から参加したい申し出のある生徒への対応を行いました。
 また第三回目は和歌山城内での研修のため、和歌山城へ集合することに変更することになりました。市長方針の人づくりとまちづくりは城より始めるために少しでも貢献するために研修会の充実を図っていきます。

【NPO打ち合わせ】
 県の施設に指定管理者制度を導入していることは周知の事実ですが、青少年施設などで民間団体が指定を受けている事例が出ています。行政サービス内容と予算削減の面からも効果が期待されているように、制度を導入することで関係者の意識改革が始まっています。
 どこが指定されるのかによって地方自治体の行政改革に対する本気度が分かりますから注目です。

【世帯分離】
 同世帯でも住居人が別家計になっている場合は住民票を分割することが出来ます。二世帯住宅や同居人がいる場合には、分離する方が実態に即した扱いになる利点があります。どんな利点があるのか分かりにくいのですが、ただ実態に即した扱いにしておくことで不利益を被ることは避けられます。行政サービスの扱いや税金面で防衛するためにも実情に合わせておきたいものです。

【特別講演会】
 中村修二教授特別講演会で協力をしてもらった企業を訪問しました。特別講演会に出席した学生からは、活を入れていただいたと評判を得ています。世界的に青色発光ダイオードが注目を集めています。特にアメリカでは日本よりも進んだ取り組みを行っていると聞きますし、中国でも研究施設を設ける計画があるなど利用方法は限りがありません。
 世界レベルの研究について、和歌山市で講演会が開催出来たことは誇りになります。自信を持って都市に話したいものです。

【法律相談】
 調停についての打ち合わせを行いました。民事の揉め事は双方の言い分と利益が相反するためにお互いが納得出来る場合は少ないようです。お互いに主張する箇所と引っ込める箇所を持たないと解決に向かいません。民事の争いで法律家が介入する問題になると、解決までに相当の時間がかかります。

【その他】
 和歌山市における土地問題について打ち合わせの日時を調整。
 ある会社に脅しをかけている団体があることから警察で調書取ってもらえるように図りました。事件に発展していない案件ですが、放置しておくと危険を感じていることから事前に話しておこうとするものです。市民の安全と安心のために動いてくれるのは心強いことです。
 今週、熊野古道を歩いてきた方から連絡をいただきました。7kmの山道を歩いたことと血液サラサラ検査を行い気分転換出来たようです。
 秋の写真展開催の連絡をいただき会場を訪れる日程を調整しました。
11月 3日(木) 「秋の日」
 秋晴れの一日。午前中は市内にある施設の秋の感謝祭に参加。毎年盛大になり今年のバザー出展者は多く来場者で賑わっていました。出展者の中には40年も続けて軽食販売を行っている会社や、20年も餅つきを行っている会社もあります。地域の会社にも支えられて施設は今も成長を続けています。


(大人気の紀州レンジャー)
 子ども達のジャズダンスで開会、紀州レンジャーも登場して参加者の人気を呼びました。どの紀州レンジャーが来てくれるのかを楽しみにして問い合わせをしてくれた親子も参加してくれていました。「子どもが紀州レンジャーの大ファンで、どのレンジャーが来てくれるのか楽しみでと問い合わせました」と話してくれた方もいました。 和歌山が生んだもので、過去、子ども達に夢を与えているキャラクターがあったのかどうか分かりませんが、紀州レンジャーがその役割を果たしていることは動かしようがない現実です。子ども達の前でダンスを踊っている姿や、子ども達と握手をして触れ合ってい
る姿、そして笑顔で一緒に写真を撮っている紀州レンジャーを見ると和歌山発のキャラクターが健全に育って欲しいと願わずにいられません。

 紀州レンジャーの着ぐるみは本格的なものであるため、NPO法人が製作したものとしてはかなりの高額で、全てNPO法人が出資しているものです。県補助金に頼っているものではありません。和歌山が元気になるような企画を練って提案し、活動を行っている理想的な協働の姿です。資金が無いから何も出来ないと待っているだけの組織ではなく、自立した企画、提案、実践を行っているのが特長です。補助金頼りではないため、活動に制約はありませんから自由で迅速な取り組みが行えています。
 その活動スピードが目立ち始めているため、評判もそうでない噂も聞こえてきます。しかし噂を発信している人達は、今日のような施設への慰問活動
を見てくれているのでしょうか。噂を発している人とは紀州レンジャーが登場している場面で、今まで一度も会ったことがありません。それ以外のNPO法人の活動においてもその方達と一度も会ったことがないのですが、何故か活動に対する噂を流しているようです。
 他人の活動のことを言うのであれば、実際の活動を見て欲しいものです。
今日の子ども達の笑顔を見ていると、地域に根ざした本当に良い活動であることを確信出来るものです。

 午後からは自動車販売店長と懇談、新しく開店する施設の内覧会についての調整を行いました。自動車会社ではお客さんの要望に応じるために新車と中古車を扱っていますが、今では当たり前になっているように、在庫を持たないで希望車種、価格、年式、色などの要求に応じて素早く探し出すしくみを確立しています。IT化によりお客さんの要望に対応出来るようになったのですが、それ以外にも自動車倉庫や修理工場を設置するのが厳しくなっている影響もあります。住宅地と商業地が混合しつつある中で、自動車会社が来るとなると油漏れやガソリンの臭いなどの問題が地元から指摘され立地がはかどらないのです。地元同意の印鑑を付して届け出る場合もあることから店舗を拡大しないでIT化を図っている側面もあります。
 IT、権利、義務、決断などの要素により、これからも商業の形は変化をし続けます。
11月 2日(水) 「決算委員会最終日」
【決算委員会最終日】
 決算委員会最終日は討論と採決でした。全ての審査が終了し議案は採決さけました。平成16年度の決算に関する主な数値は次の通りです。
 歳入と歳出の差し引き額は、一般会計でマイナス6億9,898万円、特別会計でマイナス213億4,285万円、合計でマイナス220億4,183万円。
 特別会計では、国民健康保険事業特別会計が68億円(前年64億円)、土地造成事業特別会計は47億円(前年48億円)、下水道事業特別会計94億9千万円(前年83億円)の赤字で、この三事業が大幅赤字の主な要因です。
 主な指標として経常収支比率98.9%(平成15年度96.7%、平成14年度96.4%)と更に悪化し、財政が硬直化していることを示しています。
経常収支比率が高いほど余剰財源が少ないことを表しています。一般的には75%が標準で、80%を超過すると財政構造が硬直化していると判断されます。
和歌山市はそれらの水準を大きく上回っています。
 公債費比率は16.7%(平成15年度16.9%、平成14年度16.6%)。中核市平均は10.5%で和歌山市はワースト5に入っています。公債費比率は市債発行の後年度の財政運営に及ぼす影響を知るために用いられる指標で、比率が高いほど財政硬直化になっていることを示しています。
 財政状況は悪いのですが改善策が見つからないのです。歳入が減少していることから歳出を抑えていますが、抑えても借金返済額が大きすぎるので減らすまでに至りません。しかも経常収支比率が異常に高くなっているため、人件費などの義務的経費として使われていることから、投資的経費に回すお金が少なくなっています。歳入規模に合わせて独自施策を講じるのに十分な投資的経費がないと市の活性化が図れないため、益々歳入が減少していく悪循環となります。答えがなく解決が難しい問題です。

【和歌山市】
 20年前に和歌山市で起業し、現在は大阪市内に本社を構えている社長が、決算委員会前の朝9時に訪ねてくれました。現在は大手企業との提携も図れて事業は順調です。
 和歌山市から出た理由は、隣接の大阪市の市場規模が大きいこともありますが、和歌山市において仕事で目立ち始めると他社から批判や中傷が高まったことも原因です。既存の固まった領域に新規参入し成果が出せるようになると、既存の会社から批判を流布されるなど、見えない妨害が起こることがあります。それに悩まされ仕事にならないことで、全く知らない地である大阪市に会社を移転させたのです。
 和歌山市では、仕事や活動で目立ち始めると批判と中傷が始まります。それも地位のあるところから声が上がります。先行している人は、小さい企業や個人を相手に批判をしなくても構えていてくれたら良いのですが、地位のある人が持つ言葉の威力を発揮し、追いかけてくる人を徹底して潰しにかります。市場を伸ばそうと考えないで今ある市場を守ろうとする先行者がいると、やがて和歌山市の外からの資本に蹴散らされてしまいます。地域内だけで保護され続ける市場はいまや存在しないのです。
 本日訪れてくれた社長は、和歌山市に元気が復活しつつある予感を抱いています。マーケティングと人に会う仕事を20年も続けてきた勘が働いての発言です。「今の内に和歌山支社を設けておこうか」という言葉は嬉しいものでした。

【労使問題】
 労働問題に関する相談に立ち会いました。人が絡む問題は一気に解決するのは難しいものがあります。約2時間、解決に向けての流れを感じ取ることが出来ました。最終的には話し合いになりますが、実績と経験が鍵となります。

【会合】
 地域防災のあり方について会合を持ちました。和歌山市にある企業は地震や津波対策の必要性を感じていますが、現実的に対応しているところは少ないようです。中期的に準備を整えていますが、今すぐ対応可能にはなっていません。企業周辺住民との連携も必要であるとの認識は持っていますが、話し合いまでには至っていません。防災は共助の精神を持つことが大切ですから、地域と企業の共助の関係についても中期的視点に立って進めていくことを確認しました。
11月 1日(火) 「決算委員会四日目」
【朝からの活動】
 早朝からJR和歌山駅にて福祉に関する啓蒙活動を行いました。街頭には和歌山県、和歌山市、和歌山放送、民間団体からも参加して通勤通学者に福祉に関する呼びかけ活動を行いました。
 続いて熊野古道ウォークに出発する団体への挨拶に伺いました。和歌山県の協力もある熊野古道ウォークで、熊野古道を歩くだけで癒し効果が見られることを医学的に測定しようとする取り組みもあわせて行います。熊野古道ウォークと景観を楽しみながら健康増進、ストレス解消にも資することを体験者にデータを持って確認してもらうことで世界遺産熊野古道の価値を感じ取ってもらいます。
 その後、先週約束をしていた福祉施策に関する打ち合わせを行ないました。収入が減少している中で介護保険料などの負担感が高まっていることから、生活が厳しくなっていることを実感出来ます。国も地方も財政難であることから後世へのツケを抑えるために、現役世代の負担増はやむを得ない部分があります。しかし公的負担金が一気に増加するばかりでは、即生活苦につながり政府や地方自治体などに対する不信感も高まります。
 会合を要する高齢者を扶養している家庭の大変さが伺えます。

【決算委員会】
 決算委員会四日目は財政部と建設部の審議です。
・財政部について
 決算資料を見ると和歌山市の財政状況の厳しさを数字ばかりです。市税収入は平成9年度から連続して落ち込んでいるように、和歌山市の経済環境は改善の兆しはありません。市が直接的に税収を増加させる取り組みは難しいのです。間接的には財政出動により和歌山市内の需要を喚起出来ますから税収が上がることも考えられます。
 税収が減少するからそれに見合った予算を組むだけではなく、活性化を図れる施策に重点を置いた予算編成も必要なところです。
 さて税収に関する数値を列挙いたします。
 市税収入は約140億円で、対前年度比マイナス3.91%。
 法人税収入は約68億円で、対前年度比プラス3.83%。
 固定資産税収入は約27億円で、対前年度比マイナス1.41%。
 事業所税収入は約20億円で、対前年度比マイナス0.77%となっています。
 全体では平成15年度税収は約573億円に対して、平成16年度は約566億円と減少、マイナス1.29%となっています。
 財政部の見解として、国全体の税収はマクロで”とんとん”ですが、和歌山では依然として回復の兆しはなくマイナス基調にあるようです。
 平成17年度予算編成作業が行なわれていますが、ここでは全事業についてマイナス10%を基本にして積み上げるように指示が出ています。

・建設部について
 市営自転車および原動機付自転車駐車場の管理委託運営に関して質疑を行ないました。平成16年度の和歌山市駅前の駐輪場委託費用は約8,916万円
 となっています。委託先は財団法人都市整備公社です。
 和歌山駅東口自転車駐車場の委託費用は約3,291万円で、委託先は有限会社和歌山管理サービスと民間になっています。
 規模の差はそれほどないのですが、委託費用に大きな隔たりがあります。
 理由を質したところ、市駅前駐車場の委託先は都市整備公社なので人件費などの問題で民間に委託するよりも高くなっていると認めました。
 市役所の仕事を外郭団体に委託すると民間に委託するよりも高くなることが明らかになりました。
 現在、指定管理者制度を導入し競争原理を働かせているところで、和歌山市営の駐輪場三箇所(もう一箇所は市営六十谷駅前駐輪場)がその対象になっています。
 市営駐輪場三箇所の委託費用の合計は約1億4,000万円決算実績となっています。この度、平成17年度からこの三施設に対して指定管理者制度を導入するに当たって事業者が決定しています。その実績として三箇所の駐輪場の委託費用の合計額は約8,000万円で、競争原理を働かせただけで一年間約6,000万円も予算を落とすことが出来ています。繰り返しますが、同じ施設を管理運営する予算が1億6,000万円から8,000万円になっているのです。
 指定管理者制度導入の成果が伺える結果です。参考までに、コンペの結果都市整備公社は三施設とも委託管理から外れています。
 指摘事項として、過去の支出分は遡ることは出来ませんが漫然と外郭団体に委託してきたことで、市民税が毎年6,000万円も無駄になってきたとも考えられます。行財政改革を行っている最中ですから、委託業務を含めて無駄な支出がないか徹底的に洗い出す必要があることを指摘したところです。

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