【大会挨拶】
藤原紀香さん写真展の初日を迎えました、待ちに待った瞬間です。最初は記者会見、そしてテープカットの式典、写真展会場での内覧と続きました。
ただその間、朝9時から海南市において大会挨拶を行ってきたので式典には立ち会えませんでした。挨拶の主旨は次の通りです。
どこの地方自治体でも財政難が言われて久しいのですが、和歌山市や和歌山県も例外ではありません。行政機関が財政難だから公共的な仕事が出来ないというのはおかしなものです。財政難なところに少ない原資を取りに行くばかりでは、地域が縮小に向かうだけです。少ない予算を上手く活用するためには、行政機関の予算は民間団体が公的な仕事の部分を補完するための施策にマッチングさせることが肝要です。
民間にお金がないから冒険的な取り組みは実施したくないので、行政機関に予算配分を依頼する姿勢は好ましくありません。公的な要素を持つ事業を民間で取り組むので協働しましょうと言うのがこれからの地域社会のあり方です。
幸いNPO法人の活動やボランティア活動を行政機関は支持してくれていますし、最近では指定管理者制度を活用して公的施設を民間で管理運営する動きも出てきています。このように民間団体が活躍する場はその気になればありまかすから、地域活性化のために自分の能力を活用することも大切になっています。
仕事で培った能力を活かせる機会が増大していることを現していますから、日頃からの取り組みの大切さが分かります。
さて民間団体の活力を活かした事例として、今日から開会しているアフガニスタン・カンボジア写真展があります。NPO法人が和歌山県や和歌山市と協働しながら平和のメッセージを全国に発信しようとする活動です。写真は藤原紀香さんが現地で撮影したものをパネルにしたもので、見る人すべてに平和の尊さを訴えてくれます。
昨日、藤原紀香さんが本日開催する予定の紀香スクールのリハーサルがありました。ここで聞いた話は心に響くものでした。学校へ行きたくても行けない環境にいるアフガニスタンの子ども達、病気になってもお医者さんにいけない環境、食べる物も履く物もない環境、それでも夢を持っているのです。勉強をして学校の先生になる、エンジニアになって飛行機を直すなどの夢を持っています。カンボジアでは地雷が埋められた道を歩いて学校へ通う子ども達がいます。いつ地雷を踏み、体の一部が吹っ飛んでしまうかも知れない環境です。
(写真展開会) |
そんな環境が世界の国の中であります。日本のように勉強が出来るのは当たり前という環境はありません。勉強する環境などは与えてくれるものではなく自分達が勝ち取るものです。内戦で混乱している国では武力で勝ち取る必要があるかも知れませんが、日本においては議論、論議によって課題を解決しています。私達は意見を述べ行動することで環境を変えることが可能となります。
与えられるものだから自分のことだけをしていれば良いと考えるべきではありません。藤原紀香さんの写真を見て感じ取ることが出来ました。写真展の期間は今日から8月11日までですから是非ともご覧いただけたら幸いです。 |
【藤原紀香スクール】
午後から写真展に参画出来ました。催しは紀香スクールです。和歌山市内に住む小・中学生を対象にして藤原紀香さんが先生役を担います。和歌山市に住む生徒には夢のような企画です。藤原紀香さんの講義は大人が聞いても涙が出るような話です。現地にいってアフガニスタンの子ども達と話をしてきたので話には迫力があります。
アフガニスタンに到着して最初に見た光景はカブールの飛行場でした。そこでの光景は破壊されて飛行機が横たわっている信じられないものでした。カブール国際空港は関西で言うところの関西空港のような存在です。そこにある飛行機が破壊されて滑走路に横たわっている光景、日本にいては想像も出来ないものです。アフガニスタンの子どもは、将来エンジニアになって飛行機を作るんだと夢を語ってくれたように、子どもにとっても普通ではない傷つく光景なのです。
またある子どもが画用紙に絵を描いた光景は、ムチを持ったタリバンにお母さんが打たれている絵でした。何故こんな悲しい絵を描くのかと尋ねると、実際に見た光景が脳裏に焼きついているからだと言うのです。日本の子どもはこんな悲しい絵を描くことはない筈です。おかれた環境によって描く内容が変わってくるように、精神が傷つけられると癒すのに長い時間がかかります。
様々な話を聞かせていただきましたが、講義内容も話し方も心に残るものでした。和歌山市の教育長と話をしたところ、現場での体験を分かり易く話せる最高の講師だと褒めていました。社会を変え |
(紀香スクール) |
るには子どもに興味を持ってもらうことが一番です。世界平和に関心を持ってくれた子ども達が大きくなる20年後、地域社会も日本の社会も変わります。平和な社会を築いた日本が変わればそこから世界も変わります。
世界を変えるのは一人ひとりの力です。変革には時間がかかりますが時間経過だけでは社会は変わりません。誰かがきっかけを作らないと時間だけが経過します。参加した子ども達にとって忘れられない夏休み期間中のスペシャル授業になったと確信しています。一緒に参加していただいた保護者の方々も変わる契機になっている筈です。
【知事との対談】
藤原紀香さんと木村和歌山県知事との対談を収録しました。懇談の中で和歌山市において写真展を開催することになった要因について触れてくれました。
藤原紀香さんからは、一年前位に和歌山市の方からオファーを受けたのですが、その提案内容が地域に根ざしたものたったこと、そして何よりも熱いメンバーが集まっていたことから写真展の開催を行うことにしたものだと話してくれました。熱いメンバーの熱い気持ちが藤原紀香さんの気持ちを動かしたことで開催が決定したのです。
木村知事もこれを受けて、主体となっている和歌山市のNPOの方は熱心で熱い心を持った方ばかりですからと話してくれました。本当にお二人から嬉しい言葉をいただき感謝のする次第です。
藤原紀香さんが応えてくれたのは、気持ちが込められていないと何も動かないことを示すものです。私達の気持ちに応えてくれた藤原紀香さんに感謝する気持ちで一杯です。事実、過去には写真展開催を心に描いていた人は何人かいた様子です。ところが和歌山市での開催は実現していませんでした。その原因は分かりませんが、時期、実行委員メンバー、企画力、行動力が重なったことが、過去の条件とは異なり今回写真展が実現した要因ではないかと感じています。
藤原紀香さん達によると、和歌山市の写真展は10回目の開催となりますからどんなメンバーが関わっているのか、単にイベントとして実施するだけではなく地域の特性を織り込んだものになっているのか、メンバーの熱意などを選択する力があると言います。芸能界の藤原紀香さんではなく、子ども達の未来のために活動している藤原紀香さんの内心を理解しておかないと実現出来るものではありません。
私達のNPO法人が取り組んできた、地域再生に向けた取り組み、ホースセラピーやドッグセラピーイベント、熊野健康村シンポジウム、ワンワンフェスティバルなどはいずれも地域の未来を作ることを目的としたものばかりです。未来を作るのは社会の健全化と子どもへの投資が不可欠です。これらの継続した具体的実績からイミテーションではない自信が今回の開催の原動力となったと感じています。
和歌山城を背景にした対談は実り多いものになりました。
この間、藤原貞子さんとお話しをする機会がありました。対談の様子を隣に椅子を並べて眺めていたからです。藤原紀香さんのお母さんは和歌山県出身です。紀ノ川のほとりに咲くれんげ畑でデートしたことから紀ノ川の香りで紀香が名前の由来です。和歌山市民にとつて大変嬉しい話です。
小さい頃から和歌山県内のあちらこちらをご家族で周った様です。那智の滝、串本の海中水族館、ホエールウォッチングなど思いで話を伺いました。道成寺や南高梅もお気に入りです。
現在は捨て犬の里親探しや募金活動を行っているなど素敵な方です。兵庫県と和歌山県ですが、一緒に活動の輪を広げて行きたいと話と夢が膨らみました。藤原さんのご家族は夢を語れる方ですから、話がどんどん良い方向に膨らみます。これから実現を目指すべきことでも、話の中では既に実現してしまいます。その夢を持ち続けると今の話が現実のものとなるのです。どれだけ貴重な時間となったことでしょうか。残念なことがひとつ。話をしている途中に私達の隣に座っていた方から「静かにしてください」と注意を受けたことです。藤原紀香さんの対談内容に即してお母さんが説明してくれたことで話の内容がより具体化され、和歌山県との関わりなど背景が良く分かったのに惜しいことです。関係のない第三者に貴重な話を止められたこと、その損失した価値は取り返せない程大きく計り知れないと思っています。一体謎のその人物は誰だったのでしょうか。
【感謝を述べるつどい】
夜は今回の写真展開催に多大なご尽力をいただきました方々と、感謝を述べるつどいを開催しました。大きな背景もないのに、しかも過去開催してきた都市と比較しても比較的小さい和歌山市で開催できたことは奇跡のようなものです。それが実現したのは、心ある方々のご支援のお陰です。藤原紀香さんも大手だけに頼らない和歌山方式を理解していただいていて、関係してくれた皆さんと一緒に懇談する機会を持ちたいと依頼があり開催したものです。
感謝を述べるつどいの冒頭主催者を代表して挨拶をさせていただきました。
アフガニスタン・カンボジア写真展実行委員会副代表をしています片桐です。本日はようこそ藤原紀香さんとの感謝を述べるつどいにお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。皆さんのご協力をいただいたお陰で和歌山市において写真展を開催することが出来ました。
この写真展作品をご覧いただき、また藤原紀香さんのお話を通じまして世界平和の意味を改めて感じ取っていただきましたら幸いです。
昨日夜、本日開催いたしました子ども達を対象とした授業の紀香スクールのリハーサルがありました。私も生徒役で参加したのですが、その講義は素晴らしいものでした。学校へ行くのが当たり前、勉強出来て自己実現する機会があるのは当たり前、などの価値観を変えられる程のものでした。アフガニスタンやカンボジアで学校へ通ったり勉強したりするのは本当に難しいことです。
藤原紀香さんの話を伺うと、日本でいると当たり前のように思っている社会環境を守るための行動を起こさないといけないと思いました。早速今朝からの会合で、アフガニスタンやカンボジアの状況を伝え、自分達で可能な行動を起こそうと思う気持ちの大切さを話してきました。現状を変えるためには、写真を見るだけではなく、話を聞くだけではなく自分の言葉で伝えることが大事だからです。是非、本日お集まりの皆さんも今日の感謝を述べるつどいで藤原紀香さんと懇談をいただき、世界が平和であることの尊さを、他の誰かに伝えていただきたいと思います。それが現状を変えていくと信じています。
世界を変える第一歩が和歌山市から始まるなら、これに勝る喜びはありません。難しくないと思います、私達が思いを伝えるだけで達成可能なものです。
本日は感謝を述べるつどいにご参加いただきまして誠にありがとうございます。最後までお楽しみ下さい。
【終了後】
感謝を述べるつどいと写真展が終了した午後10時頃、スタッフで後片付けをしていました。そこに突然Tシャツとジーンズに着替えた藤原紀香さんとマネージャーさんがやって来ました。写真展会場で予期せぬ懇談の輪が生まれました。和歌山の話、写真展の話、今までの経緯そして明日の話、一日の疲れが吹っ飛んでしまいました。藤原紀香さんは状況に応じて様々なポーズを取ってくれて雰囲気を高めてくれました。本当に元気な藤原紀香さんです。