4月30日(土) 「論文」
 今春ある大学の学部を卒業した方からお礼の連絡をいただきました。無事卒論を仕上げて卒業したのですが、以前、卒論を作成するに当って書き方が良く分からないので指導して欲しいと相談がありました。この方は技術系の大学を卒業後、改めて文系の学部に進学し直しています。そこで論文に突き当たって相談があったものです。当事、実際の論文を基にして書き方の基本とテーマ選定、そして論文の考え方をアドバイスしたのです。
 私はそのことを忘れていたのですが、今日の連絡で当時のことを思い出しました。昨年の卒論に当っては殆ど指導教官の指導を仰がないで書き上げることが出来たそうです。最終段階でも微調整に留まり、骨子や組み立て方の指導不必要な位でした。卒業に当って担当教官から「卒論なのに修士論文でも通用する内容だった。出来れば大学院に来ないか」と誘われたそうです。この言葉は自分のことのように嬉しいものです。

 通常難関となるのが卒論ですが、悠々と通過出来たのは早い段階から準備があってのことです。そして少しでもアドバイスが活き、レベルの高い論文に仕上がったことは嬉しい限りです。
 論文は通常、起承転結をまず描きます。自分なりの結論を定めておいて、その結論を導くための構成を行ないます。同種のテーマで書かれた過去の文献は当然のことながら読んでおきます。
 また論文に必要な資料とデータは、自分が導こうとする結論に合わせて収集を行ないます。ただデータは何でも良いものではありません。例えば論文で「経済は物価の下落傾向は止まらず依然としてデフレ経済にありますが・・・」との記述をするとします。それに対して消費者物価指数の下落傾向の数値を並べても、学者なら誰でも知っている数値なので作成者の個性は出ません。

 それよりも研究対象としている個別のモノに焦点を絞り、証拠を示すことで少しの驚きがあり他の論文との違いを出せます。「デフレ経済下であっても美容に関する意識は高まり、皮膚科での医学的根拠のある美容に関して支出する医療費は増加傾向にあります。また自己啓発に関する支出も増加していることから、仮に所得が減少しても自己への投資意欲は増しています。そこにビジネスチャンスが発生すると・・・」と論じて、美容と自己啓発に関する消費データを記載することで論点が絞れ、新しい論証となり得ます。
 但し、一度は自分の結論と異なる事例を引き合いに出して「なるほど・・・しかし」で否定するだけの論証を行ないたいものです。そして、他人の資料だけでは客観的で面白いものになりませんから、自分の経験や実証のための実験データなどを織り込むことで他と違う論文に仕上げることが出来ます。

 さてこの方は今回、諸事情から大学院への進学は見送ったのですが、どうしたら良いかの相談がありました。それに対して、教官から誘いがあるのは見込みがある証拠で、学部と修士課程では全く学問の濃さが違うので、人生において必ず役立つから、事情が許すなら来春にでも進学すべきだとアドバイスをしました。
 何事も出来る時にやっておかないと一度見送ればチャンスは再び巡って来ません。チャンスをつかむと何度でも訪れてくれます。チャンスは公平に訪れてくれるものではなく、挑戦し続ける分だけ訪れてくれます。
 宝くじを購入すれば、最低限当選するチャンスは得られます。購入しないと永遠にチャンスは訪れません。これと同じで、挑戦する姿勢を持つことがチャンスを引き寄せます。また新しい挑戦を始めると再びチャンスは巡ってきます。行動していると常にチャンスを捉えられる状態にあります。
 活動の場を拡げることでチャンスと遭遇する機会が増えるのは当然のことです。極論すればチャンスのきっかけは人との出会いです。必要な時期に必要な人と出会うことがチャンスです。ですからチャンスを得ると言う幸運を使い切ることはなく、使えば使うほど幸運は巡ってきます。
4月29日(金) 「地域の防災対策」
【書作展】

(上田大愚さんの書展)
 上田大愚さんの書作展が本日から開催されています。上田さんの書は、過去和歌山県知事賞や全国展でも賞を受けています。圧倒されてしまう作品が会場に並べられています。 新聞や冊子で見かけた気に入った言葉に、上田さんは書体で生命を吹き込んでいます。作者が込めた言葉の意味を表すために、書体や大きさ、素材を選定しています。通常気に入るまで何度か書き直すと思うのですが、上田さんの場合は一筆入魂で、作品を一回で仕上げてしまいます。
 作品展の中で注目したのは、坂村真民さんの言葉を書いたものです。この作品を仕上げるのに、上田さんにしては珍しく100回書いたそうです。ただし、同じ文字を何度も繰り返すのではなく、書体や字の大きさ、文字のバランスを変えながらイメージに近いものに仕上げていく過程があります。
 書道の世界はゆったりとして時間が流れています。

【地域の防災対策】
 和歌山県や和歌山市では、東南海・南海地震に備えるための対策が検討されています。行政だけに頼らないで、地域で出来る防災対策を取り防災意識を高めようとする自治会があります。自治会内にある公園に防災無線を設置とようとする取り組みです。費用負担を他に求めないで、自分達の安全は自分達で守る意識を持って立ち上がっています。
 ポール建柱位置の現場確認と必要な装置の機能と取り付け方法について打ち合わせを行ないました。実際に行動すると分からないことが出てきます。
 ポールを建てるのはどこに依頼をしたら良いのか、誰が取り付けてくれるのか、どこに届け出たら良いのかなど不明な点が出てきます。今日は一気に解決を図ってきました。行動あるところに安心と安全が発生します。

【お役所仕事】
 いまは余り使いませんが「お役所仕事」なる用語がありました。今では行政機関は自治体経営の必要性に迫られ民間企業を見習う姿勢を持っています。死語に近い用語を思い出させるような出来事を聞きました。
 ある地方自治体では、高齢者向けの行政サービスとして、一人暮らしの高齢者が希望すれば弁当を配達しています。財政的余裕があり、気持ちがこもっていれば素晴らしい行政サービスです。では福祉を担当する部門の職員意識はどうなのでしょうか。
 弁当の配達は民間に委託していますから、食飯会社が当該の高齢者に配達しています。一見すると問題はないようですが、実は問題が潜んでいます。福祉担当課は同一の食飯会社に委託を続けていて入札を行なっていませんでした。仕事内容を知っている食飯会社に任せるほうが説明の手間を省けますし、担当者が変わっても食飯会社がノウハウを持っているので変更出来なくなっているのです。
 しかも福祉担当課は伺い書を作成し、執行権限者まで決裁伺いを立てているだけですから机上だけの仕事となっています。全く現場を知らないで仕事を行なっているのです。
 高齢者に弁当の味を確認するためにお宅を訪問すれば、この施策に関する意見や要望も聞けますし、担当者にやる気があれば行政施策全般についての意見を聞き改善に役立てることも可能です。

 表面的には仕事は上手く流れていますが、気持ちが込められた仕事になっていません。
 形式的に伺い書を立案し決裁者の印鑑を受けていますから、議会や監査からの指摘を受けることはありません。その机上の仕事と全く次元の違うところで現場の仕事が行なわれている上、市民であるこの行政サービスを希望する高齢者の、この施策に対する意見が行政内部に届く事はありません。
 行政内部の決裁業務と職飯会社と高齢者の間で動いている仕事は、別のループを描いています。意見交換の機会がなく、改善されることも必要性が検討されることもない状態に放置されています。
行政サービスのあり方、コスト意識、改善意欲が見られない、正にお役所仕事の典型のような事例です。行政改革の時代にこのような仕事振りに遭遇するとは思ってもいませんでした。
 ただ救いはあります。この仕事のやり方に対して、今春新しく赴任した所属長は仕事の改善を指示したのです。具体的には、一社だけの随契ではなく入札にすること、弁当配達の行政サービスを受けている高齢者宅を訪問して食事の味やサービス内容を聞いてくることを指示しています。意識の持ち方をほんの少し変えるだけで仕事内容は変わります。

 もうひとつの事例です。市町村合併に伴い、両方の行政サービスの水準を統一する必要があります。同一行政区になりますから、旧行政区の格差を無くすための作業が進行しています。平成の大合併により合併するある市と町は、福祉施策を受ける場合の市民負担額を100円高い方に合わせる事にしました。理由は、市民負担額は100円高くなっても受けられる行政サービスレベルが高いため、今後高齢化が予想される市民への福祉行政の必要性を考えると、負担額が増えても内容を高い水準に合わせるのが主旨です。
 この案件に対して担当者は、負担額を100円引き上げる理由を次のように記載したのです。「市町合併により負担額の格差が生じたので、負担が低い市の負担額を100円引き上げるものとする」。なるほど筋道はその通りかも知れませんが、気持ちの通った仕事になっていません。
 厳しい経済情勢下、私達は100円でも節約をしようと市民生活を営んでいます。身分が安定した公務員意識に基づくこの仕事振りと意識は、私達の意識と行動を逆撫でするものです。100円負担が多くなるのは、近い将来高齢化する市の福祉サービスを向上させるためですとすれば理解は得られ易くなります。
 現場感覚とかけ離れたお役所仕事から、自治体経営を前提として現場の意見を大切にするのがお役所仕事と呼ばれるようにしたいものです。
4月28日(木) 「貴志川線経営主体決定」
【ハンギングバスケット協会発足】

 ハンギングバスケット協会和歌山支部が発足しました。ハンギングバスケットとは、家の壁などに飾られている花がいっぱい植えられたバスケットのことです。イギリスが協会発足の地で、ハンギングマスターの資格を習得した15名が中心なり、和歌山市支部を立ち上げました。
 会員の想いは和歌山市を花で飾り、美しいまちにしたいと言うものです。イギリスに留学経験のある方はイギリスの町並みは花で飾られているので美しく、和歌山市に本場の流れを受け継ぐ協会支部が存在することは、まちを活性化するものであることを話してくれました。
 発足会合に招いていただき挨拶をさせていただきました。
 数年前、大阪市から友人が和歌山市に来た時に「和歌山市は花で飾られていて美しいまちですね、大阪では見られない光景ですよ」と話してくれたことがあります。和歌山市に暮らす私達にとって当然に思っている光景でも、他の視点では違った光景に映ります。ところが同じ人が最近和歌山市に来てくれたのですか「以前と違ってまちから花が消えましたね」と感想を漏らしてくれました。
 花や木を植え育ててくれている方々、団体はあるのですが少し残念に思います。花を植える活動、雑草を取り除く美化活動は地道な活動ですが、この取り組みがなくなると、やがてこのまちに暮らしている私達でさえ気づく位に花のある光景は失われてしまいます。

(ハンギングバスケット協会
設立式典にて)
花があるまちを作ることを目的としてハンギングバスケット協会が発足し、活動を開始することはやがて評価されるものになります。
 既に新聞でも昨日のテレビでも発足のことが取り上げられていました。これからの活動を期待しています。

【ヨット大会】
 和歌山マリーナシティに全国から子ども達が集まりヨット大会が開催されます。折角他府県から来ていただくのですから、楽しんで思い出を持って帰ってもらうための対応を行ないました。このヨット大会の話を聞いた何人かで手伝えることを探して、主催者に協力を申し出ました。

【自治会総会】
 私の暮らしている自治会の総会がありました。昨年度の決算報告と平成17年度の活動計画を策定し、班長以上出席者の承認を得ることができ、計画案は全て了承されました。自治会活動では助け合い運動と会員相互の親睦を高める活動が中心となります。
 加えて、子ども達を犯罪から守り防犯地域にするため街灯の取り付けを強化しています。

【貴志川線】

(貴志川線の経営主体は
岡山電気軌道鉄道に決定しました。)
 貴志川線の経営主体が決定しました。新しい運営事業者は岡山電気軌道鉄道株式会社で、本社は岡山市岡南町、設立は明治43年5月、資本金2億円、従業員262人となっています。岡山市では路面電車を安全に運行している実績が評価されてのものです。岡山電気軌道鉄道は両備グループの一員で、グループは全43社、従業員は約6,000名です。
 貴志川線運営に当たっては新会社を設立し運営に当たります。
 早速、皆様からの反応がありました。新しい事業者が決定したことを好意的に捉えてくれています。鉄道会社ですから安全面の評価も高く、長く地域にあり続ける鉄道であって欲しいと意見を頂戴しています。
新会社には沿線の自治会や貴志川線の未来をつくる会などの意見を取り入れ、一緒に新しい貴志川線を築きたいとの要望があります。既にある駅舎の周辺には自治会によって花が植えられ、きれいに保たれている所もあります。鉄道会社だけにお客さん確保の責任を持たせるのではなく、沿線として協力出来る部分で関わり続けたいものです。存続運動が実ってのものですから、地域が育てる貴志川線に仕上げていく責任も生じました。それは新しい地方鉄道のあり方を全国に発信する絶好の機会でもあります。
 既に全国の鉄道関係者から、お客さんを増やす知恵と、岡山電気軌道鉄道と市民そして行政との協力体制が注目を集めています。早速新しい鉄道会社に対する期待の意見も受信しています。

【地域再生への取り組み】
 夜、和歌山市再生計画調査結果についての打ち合わせと、今後の実践方法についての会合を持ちました。1年間取り組んだ調査報告は国土交通省に提出し、本日結果が国から発表されました。和歌山市においては5月12日、午後1時30分から市政記者クラブにおいて記者発表する予定です。
 調査と言っても机上だけでまとめたものではなく、実践活動と公開討論により方向性を導きアイデアを付加したものです。調査結果を出したので後は実践するためのブランです。  
既に実践ブランは策定出来ていますが、今まで地域に無かった取り組みを表面化させるための障害があります。若い人達が世に出るためには様々な障害が立ちはだかりますが、私達のNPO法人もそれと同様の位置にあります。
 ただ会合は希望に満ちたものであり、未来への展望しっかりと開けています。将来に向けての斬新な再生プランは会合参加メンバー間では全て共有出来ているもので、私達が担うべき形は見えています。
 日付が変わる12時過ぎに会合を終えたのですが、希望に満ちた有意義な時間となりました。熱意のあるメンバーと将来を見据えた事業計画、そしてやり遂げるための行動が備わると、アイデアは計画に変わり実践に向かいます。この具体化のステップは精神的に最も充実した時間となります。
4月27日(水) 「和歌山巴里祭」
【和歌山巴里祭】
 平成17年7月17日の午後2時から和歌山巴里祭が和歌山市民会館で開催されます。
 今年はゲストにさとう宗幸さんを迎えます。和歌山市にシャンソン文化を定着させたいと願っての活動は11回目を迎えます。今では定着してきた感がありますが、発足させるに当たっての関係者の努力は大変だったようです。
 関係者の方々とお会いしましたが、今でも発足当時と変わらない情熱を持ち、事務局で役割分担を行い全員体制で広報活動を行っています。地道な取り組みが大きなものになることを示してくれる事例です。7月のイベントを是非とも成功させたいものです。

【市役所での打ち合わせ】
 市役所内で、防災対策について、ベンチャー企業育成、文化活動、和歌山の自然を活かした振興施策、貴志川線問題などについて打ち合わせを行いました。
 貴志川線経営主体については、明日16時から和歌山市長と貴志川町長が記者発表を行なう予定です。公募のあった9社の内、経営を任せる1社を決定します。
 
【民間団体との打ち合わせ】
 ある団体と6月に実施する行事のあり方について会合と打ち合わせを行ないました。魅力のある組織作りのために良い企画には参加する姿勢を示しています。前向きな話し合いの場では話は弾みます。

【会合】
 ある企業の経営者達と懇談、伸びている会社ですが課題があります。人材が不足していることです。若くて人間関係の調和を図れる人なら何人でも採用したいのですが、人材が見当たらないようです。技術は研修期間を設けるため、採用後に技能を身につけると良いのですが、前提となる性格と素直さを持っている人材が見つからないのです。素直さがあり先輩からの指導を受け入れる姿勢を持つことで技能は向上しますから、企業では何よりも性質の良さを求めています。
 ところが先輩の指導どころか経営者の方針にも従わない従業員が増えているようです。多くの若い人は優秀ですが、一部には職場での人間関係に溶け込めない人もいるようです。
 採用されたばかりで仕事内容も理解していないのに経営者の言うことを聞き入れずに反発する態度を取る人や、他人との交わりを嫌う人がいると職場環境が悪くなります。素直さがないとどれだけ指導しても技能は身に付きません。
 この企業にとって最大の課題は良い人材を見つけることです。効率化や成果主義が、今企業で採用されていますが、良い人材を継続して育成するには先輩の存在と、モノが言える良い職場環境が大切です。

【打ち合わせ】
 昨日報告した電柱への避難場所表示看板取り付けについて、市の責任箇所から回答を得ました。市を挙げて取り組むとのことで連休明けから設置条件、デザイン、設置場所について詳細を詰めることにしました。設置に関係する部門が多いため、一部門が責任箇所となり仕上げて行くことにしました。問題提起を行ってから半年余り放置されていましたが、今回は迅速な対応でやる気が見られます。
 地方自治体が単独で実施するには費用も時間もかかりますが、民間と協働することで両方が短縮出来ます。今やらない理由は全くありません。仕事は誰がやっても同じではなく、主体となる人のやる気によった成果は大きく左右されます。本日の打ち合わせによって放置されていた原因は分かりました。

【懇談会】
 夕方から二人の女性経営者と懇談会を開催しました。多忙なお二人ですが時間がとれたので機会を逸しないように開催したものです。その内では決して実現しないことも、直ぐに日時を決めて手帳に書き込むことで実現することが可能です。物事は忙しい人に頼めば良いと言いますが本当にその通りです。時間の隙間を上手く使って仕事を仕上げてくれます。この方の事務所前を通ると、何時であっても電気が灯っていることに驚きます。来てくれる人のために準備は怠る事は出来ないし、費用に見合ったサービスを提供したいと考えているから準備を万全にするように努めています。
 単体の仕事での損得を勘定するのではなく、引き受ける仕事全体で黒字になるように採算計算をしているため、安い金額であってもお客さんにとって満足のいくサービスとなっています。
 10回の仕事の合計で10万円の赤字があっても、ひとつの仕事で20万円の黒字を出せばトータルで採算が合います。満足を与える仕事を提供し続けていると信頼を得られますから、いずれ大きな仕事が巡って来ます。損をして得を取ることを考えていると、細かいことに気を取られる事はなくなります。
4月26日(火) 「防災対策」
【建築家の選択肢】
 家を建てる時でも建築家との接点はあまり多くありません。和歌山市では建築家と施主さんを結ぶネットワークが出来ています。家を建てる選択肢は、ハウスメーカーに依頼する、工務店に依頼する、建築家に依頼するケースがありますが、今回新たに建築家を紹介してくれるしくみが選択肢に追加されました。。この制度を利用すると、会に登録してされている建築家の経歴や建物に関する考え方、今までの作品を見せてくれ、施主さんの希望に沿った建築家を紹介してくれます。気に入れば話を進めたら良く、万一希望に沿うプランがなければ改めて紹介してくれる制度です。
(建築家との交流センター)
 通常は、一度建築家に依頼すると途中で変更しにくいのですが、この制度を利用するとより希望に沿った家作りが可能です。和歌山市に新しい制度が登場しています。

【避難場所表示】
 生活している方々の安全のため、災害時に備えて避難場所を表示するための取り組みを各地方自治体では行っています。和歌山県内においても海岸に面している地方自治は熱心な姿勢です。和歌山市も東南海・南海地震に備えての対応をしていますが、電柱への避難場所表示についての動きは鈍いのです。
 ある民間企業が避難場所看板の広告主を募って取り付けるため、和歌山市の持ち出しはありません。財政難の状況下で大規模災害への対策を講じる必要がある和歌山市なので、民間企業が看板設置に名乗りを上げてくれている事は願ってもない筈です。ところがどうしたことか和歌山市の動きは鈍いのです。
 民間企業が実施してくれる意向がある間に取り組まないと機会を逸してしまいます。既に各府県や和歌山県下の地方自治体から多くの問い合わせがあり、先行している所もあります。直ぐに取り組むのか後回しにするのか、危機への備えは担当箇所の意識の問題です。

(避難場所表示の例)
 ただ企業は暇ではありませんから、実施する意思が無い地方自治体にいつまでも関わってくれません。和歌山市が避難場所設置看板取り付けを行わないのであれば、希望する他の地方自治体に行くだけです。この場合和歌山市の損失は、避難場所誘導の看板設置が出来ないこと、設置すれば和歌山市に入る占有使用料金4,400円の収入がなくなること、今なら民間企業が広告主となってくれますが、必要に迫られて和歌山市が将来設置する場合、民間企業は手を引いていますから和歌山市が予算措置をする必要があること、などです。

 和歌山市に暮らす私達が失う見えない利益は大きいものです。このまま放置するのであれば、何もしないことに対する不作為責任を問いたい位です。
 防災対策を市民のためにするのか、国や県の動きを気にして何もしないのか、結果によっては和歌山市がどちらを向いているのか分かります。

【懇談】
 昼と三時に懇談の機会を持ちました。最初の方は地域の課題についての相談、後の方は現在の活動について報告をしたものです。訪問していただきありがとうございます。
 
【打ち合わせ】
 法律に関する打ち合わせをしました。民間同士の案件で法律の適用をするのは難しいものです。警察は原則民事不介入ですから当事者同士の話し合いが基本となりますが、間に入る人がいないと話し合いで解決しないことが多いのです。お互いの主張した後に歩み寄る姿勢を持つことが解決の方法です。お互いの利益主張が対立する場合、どちらか一方だけが利益を得るような解決はありません。民間の係争でも行政と市民間の問題でも同じです。一方的に相手を批判するのでは何事も進みませんし、社会では受け入れないのです。
 なお更、当時者同士が時間をかけて導き出した結果に対して、何も関わって来なかった第三者が結果を見て、意見、特に批判をするのはあり得ないことです。

【懇談会】
 海南市議会の方と懇談する機会を得ました。海南市と下津町が合併して新しい海南市が誕生しました。一緒になったことで問題が出ているようですが、文化が違うもの同士が一緒になると摩擦が起こるようです。人間同士の問題はなかなか上手く進まないものです。
4月25日(月) 「研修会」
 昨日に引き続いて関西議員研修会二日目で、意見交換を中心に行ないました。
 何人かの先輩の今後に触れたことで感慨深いものがありました。一人は尼崎市議会議員の方です。平成17年6月に市議会議員選挙が予定されていますが、先輩議員は本年で60歳を迎えることから引退します。既に昨年11月に後継者を指名して引き継ぐ活動を行っています。60歳で辞める決意をしたのは、市の発展のためには若い候補者に後を託せるように育てることが大切だからとの思いからです。一般企業では60歳で第一線を退く場合がありますが、この方はそれに準じての決断です。

(熊野本宮大社にて)

 後継者は経験を積んだ43歳ですから17歳若返ることになります。

 二人目は58歳の先輩議員で、普段から指導していただいています。後輩が活動し易いように先頭に立ってくれています。奇しくもこの先輩も、60歳を目途に後継者作りを第一と考えています。先頭に立って行動していくのは60歳まで、それを超えると若い世代に託したいと話してくれました。今期は後の人が活動出来るように、環境を整える活動に取り組んでいます。
 
 二人に共通しているのは、市政は永遠に続くものだから駅伝に似ているとの考えを持っていることです。駅伝はチームを構成しタスキをつないで行く競技です。自分の担当する区間は全力を尽くして走り切ります。議員も同じでタスキを預かっているだけなので、自分の役割を終えたらタスキを次の走者につなぐことです。次々とタスキをつなぐことが市政の発展につながるという考えです。

(熊野本宮大社)
 何があっても一人で走りきるマラソンではありません。市政は一人で役割を担えるものではありません。世代を超えて継続していくものですから、議員も後継者を育成しタスキを渡すという考え方は分かります。時代背景や社会の要請は変化しますから、まちづくりはいつまで経っても未完成なものです。その時に関わっている人がその時代についての考察を行い、少しでも良い方向に向ける努力を行っています。
 そこに暮らす全ての人が満足する市政運営はあり得ませんから、少なくても関係者の意見を聴き、まち全体をどう運営していくかと照らし合わせて方向を定めていかざるを得ません。
同じ人が判断者であれば、どの時代でも基本的に同じ方向に向かう可能性が大きくなりますから、より多くの考え方を取り入れるためにタスキをつなぐ意味はあります。
 判断するのは本人ですから他人が口を挟む余地はありませんが、先輩議員達の考え方を聞かせてもらうことが勉強になります。限られた時間の中で個人が出来る事は限られていますが、世代を超えて意思を伝えていく考えを持つと小さいことに囚われなくてすみます。
 
 木村良樹和歌山県知事の話も出ました。近畿各地にいる議員ですから、和歌山県知事を知っているのは当然なのかも知れませんが、良い評判を聞くと嬉しいものです。和歌山県は環境問題への取り組みが進んでいること、県の特長を活かした雇用事業や熊野古道を核とした観光施策などの評判が立っています。
 他都市追従型ではなく自立したまち地域を作る取り組みをしていると、他地域にも伝わるようです。県知事や市長、和歌山県や和歌山市の良い評価を聞くと、自分のことのように嬉しいものです。

 研修会終了後、和歌山市に引き返して二つの会合を持ちました。和歌山市に元気の出る取り組みについての話し合いです。前向きな話し合いをするとそれだけで元気が出ます。
4月24日(日) 「生け花展」
【メーデー】
 和歌山城砂の丸広場で開催されたメーデーに出席。今では労働問題はパート、アルバイトまで及ぶ問題となり、NPO法人との連携の可能性も模索されています。木村和歌山県知事と大橋和歌山市長の出席もあり、開催意義を訴えていました。

【日本舞踊】
 和歌山市民会館で舞踊の会があり参加しました。日本舞踊を鑑賞する機会は余り多くありませんが、会館が満員になり舞台に合わせて掛け声を発している状況に触れた時に、伝統文化を担っている方とそれを支えている方がいて、文化は継承されていることを感じます。伝統文化を継承するために努力を重ねている方は勿論称えられるべきですし、伝統文化を理解して見に来てくれる方がいて初めて舞台は成り立ちます。
 舞台に立つ人と見守る人、どちらも大切な人です。

【生け花展】
 生け花展覧会が開催されたので参加しました。いけばなの先生と生徒達が金曜日から会場に入り、汗を流しながら開催準備していたものです。展示作品はどれも表現力が豊かで圧倒されます。ボタンや菖蒲の存在感は格別で、美しい自然の持つ力と作者の表現力を感じさせます。
 作品は生きものですから、室内に展示しているだけで変化が起こります。気温の変化や時間の経過により花の表情は変わります。竹の葉は気温が変わったため、この日の朝に組み替えられていますし、ボタンの花は蕾みだったのに花が開いています。鑑賞中にバリッと大きな音がしたのですが、これは乾燥した竹が縦に割れたからです。生き物は刻々と変化しますが、変化さえ美しく見せるための作品に仕上げられています。完成させた時が最も美しい状態ではなくて、時間の経過と共に完成される作品にするのが、作者の感性と技術だと感じます。
(生け花展)

 人間も完成されたものではありません。自分での気づきや他人からの指摘により変化していきます。完璧な人はいませんから行動を起こす度に批判にさらされます。自分に非がある批判は受け止めて糧にするように心がけていますが、それでも気を打つことがあります。人間は精神的な生きものであることを認識させられます。批判されると食欲も低下しますから、それに伴い体重が減少するなど変化が現れます。
 そこからどう立ち直るかです。批判のための批判は厳しいものが多く、気づかせようとする批判は、文面や言葉の中にも気持ちを感じることがあります。
 変化を志向する人は大変な精神力を必要とします。良くも悪くも批判によって精神力が鍛えられるのは事実ですが、批判合戦からは何も生まれません。厳しい案件があったとしても、生け花の変化を感じられるような感性を持ち続けたいものです。
 このような時間を持たせていただいた主催者の方々に感謝しています。

【議員研修】
 午後、議員研修会のため本宮町まで車で移動。関西一円の府県から世界遺産の地、本宮町に集まりました。各府県持ち回りで開催しているものですが、今年は世界遺産の熊野古道で行ないたいと希望があっての開催です。
 研修内容は個人情報保護法について、地球温暖化防止のための植林活動について、本年度のお互いの活動方針についてなどを確認しました。本宮町では研修会場の提供など暖かいお迎えをいただきました。日々色々な事に出会いますが、お互いに気持ちの良い会話を交わすことが結果として全体を良くします。
4月23日(土) 「同窓会」
【同窓会】
 夜は高校時代の同窓会を開催し、遅くまで盛り上がりました。漫画を描いている同級生もいます。原稿の締め切りが迫っていて、明後日、東京必着で、あと7ページ未完成で残っている状況なのに最後まで付き合ってくれました。5月の連休には東京のイベントに出展する準備もあり時間を無駄に出来ないのです。
 交わされた会話の中から幾つかピックアップします。

・和歌山市の人口が減少している原因は何なのか。40万人もいたのに37万人台に減っているのはおかしい。
→依然として続いている厳しい経済的状況から、全国規模の企業の和歌山事務所や和歌山支店を閉鎖しているのが原因のひとつです。事業所が減少すると人口も経済活動も停滞します。

・減少したと言っても37万人も人口があるのに、現状は寂れているようです。これまでのまちづくりは失敗しているのではないですか。インフラも整っていないようですし。
→中核市なのに、全国的に評判になるようなものは少ないのは寂しい限りです。紀ノ川平野に都市機能がまとめられた都市なのに賑わい感がないのは、目指すべきまちのデザインが描けていないからです。今でも人口減少しているのに、それに応じた計画は立てられていませんし、対策も取られているのか良く分かりません。課題への対処の遅さが活性化を阻害しています。

・旧丸正ビルは閉鎖したままです。商業施設の誘致は駄目なので大学を設置すれば良いのです。大学生はお金を使いますし、まちに出るので賑わいます。何時まで放置しておくのでしょうか。
→和歌山大学観光学部を設置する計画があります。旧丸正ビルの活用も構想の中に入っています。署名活動も展開されていて市民からは歓迎の意向が示されています。今回の観光学部計画が大学と和歌山市が共存出来る最後の機会ですから、平成19年度の開部に向けた取り組みを行なっていきます。
・市議会議員の人数は多いのではないですか。人口が減少しているのですから減らすべきです。
→定数減については和歌山市でも関心事で、議会は何をしているのかと聞かれます。議員はそれぞれ考え方の違いがありますから、一概に進まないのが現状です。ただ議会に浄化作用があるのかないのか注目されていますから、問いに対する解答は必要と考えています。
 他にも意見は出されましたが、直言してくれる機会は貴重です。

【大切な時期】
 夜の同窓会に向かうため家を出ようとすると、下の子どもが泣いて離してくれませんでした。最近はなかなか家にいないので、今日は寝るまで家に居てくれると思っていたのに、夕食前に出て行こうとしたので泣き叫びました。「パパ行ったら駄目。駄目。駄目」「行かないで」「私も一緒に行くから」と繰り返されると、子どもに申し訳なくてとても辛い気持ちになります。10分程抱きつき泣き続けました。「早く帰ってくるから」と言っても離してくれません。普段、寂しい思いをさせていることを反省するばかりです。
 子どもと過ごせる時間は思っているよりも少ないのです。今を一緒に過ごさないと、その内はありません。親が気付かない間に大きくなってしまいます。いつの日か、出掛けようとしても見向きもしてくれない日が来ると思います。今が一番良い時期なのかも知れません。良い時は気付かない内に通り過ぎるものですが、今日の出来事は今が大切な時期であることを知らせてくれたようです。
 先の4月18日も一旦家に戻った後、夜に出掛けようとすると、今日と同じように泣いて抱きつかれたことがありました。「行かないで」と言っても居てくれないと分かったので、「一緒に行く」と言われました。一緒に行ける会合ではないので、胸に痛みを感じながらタクシーに乗ったのです。一部始終を見ていた運転手さんは「可愛らしい子どもさんですね。父親に抱きつくほど好きな子どもを見たのは本当に久しぶりですよ。良い光景ですね」と話してくれました。反省の日々です。でも明日からの予定は毎日のように・・・です。
4月22日(金) 「雇用問題」
【熊野古道】
 ある大手企業社長、常務と懇談。環境問題に取り組んでいるこの会社の商品は環境に優しいものを使用していますし、お客さんにも環境啓蒙のための冊子を提供するなど、環境問題は経営の柱になっています。従業員の環境問題への意識を更に高めるため熊野古道へ行ってボランティア活動を行いたいとの申し入れがありました。
 熊野古道の清掃や苗木の植樹などを中心とした地域貢献活動と、地球環境問題に資する活動を両立させるためにアドバイスをして欲しいと要望を受けました。
 従業員による植樹を主として、語り部と熊野古道歩く体験、日本で初めて温泉成分のDNA解析を行なった湯の峰温泉での温泉体験を組み合わせたものを提案する予定です。ボランティアと共に従業員の皆さんに活力を与えられる活動に仕上げていきます。
 大手企業が和歌山県にお世話になっていることから地域貢献活動を行いたいとする申し入れは頼もしいものです。企業は利益追求一辺倒の傾向になりつつありますが、それとは逆に地域貢献を打ち出す企業の印象は良くなります。結果としてどちらの考え方が勝っていくのか、勝負は未だついていません。
 この企業ではお客さんに対して、1992年ブラジルリオデジャネイロで開催された環境サミットにおける6分間のスピーチのビデオを観てもらっています。伝説のスピーチと言われている12歳の日系の女の子のあのスピーチです。この企業姿勢だけでも好感が持てます。
 応接室の本棚にはこのスピーチが掲載されている「あなたが未来を変える日」が設置されていました。

【雇用問題】
 伸びている企業では人材を募っていますがなかなか集まりません。一方仕事を探している若い人も多いのですが見つからない状況で何故かマッチしません。理由は簡単です。お互いの考え方が異なるからです。
 経営者は、やる気や情熱など人間性を重視しています。最初はどの様な仕事にでも取り組む姿勢を求めていますが、最近の若い人は採用条件にある仕事内容だけをすれば良いと考えています。例えば事務職で採用した場合、事務以外の仕事をしてくれないようです。お客さんが来ても知らない顔をする、電話を取らないなど信じられない仕事振りです。
 注意をすると「事務職で採用されたのですから接客はしません。お客さん応対もしません」と言われるそうですから大変な時代になったものです。
 今日は採用を予定している経営者と学生を送り出す側の両方と同時に懇談しました。学生を送り出す側も、事務職はお客さん応対を含めた全てを事務職であることを教えているのですが、どうしても意識が変わらない学生もいると嘆いていました。
 更にこの会社では採用条件を二つに分けています。ひとつはやる気に応じて給与も処遇も昇格していく採用方法です。時間は関係なしに仕事に取り組んでくれますから士気は高まります。もうひとつの採用方法は定刻に終われる就業形態です。ある程度の給与が得られたら満足するので与えられた仕事は確実に行なってくれます。採用条件を細分化することで必要な人材を得ようとしています。今回は5種類の異なる採用条件を提示して人材募集を行なっています。
 それでもなかなか希望する人材は見つからないのです。仕事を求めている人と採用したい人がいるのに需給バランスが合わないのは不思議です。一言で表すと企業が望む人材が不足しているのです。
 企業が望む人材は、やる気と熱意を持ち、職場とお客さんとの人間関係を保つことが出来ることなどです。それ以外の見えない部分では人柄が重視されます。明るく人と接することが出来ることも才能のひとつです。学校で教えていない部分が企業にとって重要なの
も不思議なことです。
 結局、社会で生きていくには、その人の性格と自分が社会で身につけた経験が重要なのです。

【デスク】
 久しぶりにある新聞社の報道のデスクと会いました。今日、和歌山市に出張があり用件が済んで和歌山支局の方と打ち合わせをしていたところに私が通っているのを発見し、携帯電話に連絡をくれました。その場に向かって懇談の機会を得ました。お会いするのは5年ぶりでしょうか、懐かしく感じます。当事、現場を走り回っていのですが、今では責任者となり事務所から外に出る機会は減っているようです。
 デスクとは新聞記事に関する全ての責任を負っています。意見や苦情があれば全て対応しているようです。そのため責任のある記事は全てチェックしていますが、それでも事件に関する読者の思いや考え方は異なりますから意見が絶えません。
 新聞は世論を形成しているのか、世論に問いかけているのか、世論を分けているのか、その役割は分かりませんが、批判を浴びるとしても新聞として意思表示することが大切です。

【アースデイ】
 今日は地球環境を守る日ですから、アースデイと題した活動を行いました。地球環境問題への取り組みと私達が出来ることを発信するために、県民文化会館から和歌山城を廻り県庁に戻る約1時間の行進に参加しました。やや暑です。

【打ち合わせ】
 経営者の方と懇談。借金をしてビジネスに乗り出し、28年をかけて全ての借金を返済した経験をお持ちで、普段から実務に即したお話を伺っています。全てのビジネスは初期投資が必要ですからスタートは借金を背負ってのものとなります。行政や政治家がビジネスを分からないのはこの差があるからです。借金をしてビジネスをしている人に対して、その経験が無い人が意見を言っても何の役にも立ちません。
 事業は順調に推移し、今では税金を2,000万円も納めてくれています。税金を納められるのは地域が育ててくれたからだと感謝の気持ちを忘れていません。でもこの会社があることで、地域が育ててもらっているような気がします。
4月21日(木) 「ラストライブ日程」
【ラストライブ】
 佐野安佳里さんの和歌山市を拠点として活動の最後を飾るラストライブの日程が決まりました。今日午前に来てくれて、ライブへの想いと今後の活動について話をしたものです。5月27日の午後7時から、和歌の浦アートキューブにおいて「セレノグラフSelenograph〜月のことわり〜」をタイトルとしたライブです。佐野さんが月にこだわりを持っていることからタイトルに月を入れています。ライブの時間は約2時間、オリジナルの約17曲を主とした20曲程度の演奏が予定されています。
 出演者と会場が同じ空間で音を感じるライブに仕上がりそうで今から楽しみです。

【諸活動】
 ある経営コンサルタントを訪問。安岡正篤氏の生前に講義を受けたことがある方で、今でも安岡哲学の教義についての研修会を続けています。和歌山市において直接安岡正篤氏に師事した経験を持ち、その精神を受け継いでいいる方がその教えを伝えています。安岡氏の色紙など未整理の物が沢山保存されています。安岡哲学の話で盛り上がりました。

 会社経営者を訪問、経営者から見た議員のあり方について話を伺いました。民間経営者は変化を余儀なくされていてそれに対応しています。地方議員は地域を引っ張っていく役割を担っているため、民間経営者以上の意識改革が必要です。同じ地位で長く留まっているのでは役割を果せません。つまり長く市議会議員を務めていると市役所内での権限は強くなるためその地位に安住してしまいます。常に上を目指さないと進歩は無く口利きや地域の御用聞き議員になってしまいます。それでは市の発展を目指した活動は出来なくなります。市制の発展を目指すのであれば多選は慎むべきです。市民は長い期間、市議会議員を務めることを期待していません。高い志を持った活動を期待しています。

【指定管理者制度】
 和歌山県では複数の公的機関に指定管理者制度を適用するための準備を進めていて、いよいよ平成17年6月議会に提案する予定です。公的施設を民間団体が運営する機会を創出するため、地域で新しい需要が生み出されます。単に施設管理をするだけではなく、付加価値をつけてビジネスチャンスに結びつけることが可能となります。
 和歌山市で育っているNPO法人が管理する機会を得ると、公的機関では発想し得なかったサービスを付加してきそうです。勿論、今まで管理を行ってきた行政の外郭団体は運営ノウハウを所有していますし行政とのパイプという強みがありますから、民間と競争する意識を持てばレベルが上がります。引き続き管理運営することになったとしても、より良いサービスと運営費のコスト低減が図られます。
 いよいよ本格的な行政改革のスタートです。市民は公的施設の民間開放を強く期待しています。指定管理者制度を歓迎する立場と、競争に巻き込まれる立場の両方の方と対話を行い、新たな課題や期待が発見出来ました。

【熊野健康村構想】
 平成16年度に調査事業を行なって成果報告を行なった熊野健康村構想。平成17年度は事業家に向けての取り組みが始まっています。関係者12人で懇談の機会を持ちました。
 医学関係者2人からの発言は大変印象に残りました。

 熊野地域に来ることが、人間の健康に資することにつながることが立証出来ました。熊野を歩くだけでストレスが解消出来る、気持ちが高まるのですから、日本に誇れる成果です。和歌山県は日本のへその位置にありますが、熊野古道で健康回復が図れることで、日本のへそから世界のへそへと発展します。世界に誇れる成果が出たので、後は世界の人々を健康にするために、熊野古道を活用する施策を立案していきたいものです。
 研究成果を出して、リタイア後は本宮に住居を移すことにしています。

 今までも医学研究や論文発表を行ってきました。その中でチームとして取り組んだ熊野健康村構想はナンバー1のものに仕上がりました。今までの人生で一番成果の出た発表になっています。これほど成果が得られる研究にそれ程多く巡り会えません。病気に転落する前に予防することが人間生活を実りのあるものにしてくれます。熊野から健康産業を、予防医療を発信する研究に注目です。
4月20日(水) 「定数」
【定数】
 昨日の読売新聞に和歌山市議会議員定数についての疑問の記事が掲載されました。話題になっています。和歌山市議会の定数は42人ですが、人口減少により議員定数見直しの論議を行なう必要があると言う提言です。定数が同規模の中核市と比較すると、岐阜市は人口41万人、姫路市は48万人、倉敷市は44万人と和歌山市より人口は多くなっています。福島県郡山市は33万人、宮崎市は31万人と、和歌山市よりも人口が少なくなっています。
 人口が同等の中核市の議員定数は36人から40人であると調査報告されています。議員定数が多いのではないか、或いは人口が減少し続けているのに定数が減らさないのは変だと言う意見がありますし、市長対話でも議員定数提案されていると聞きます。特に最近は議員定数を削減すべきだとの意見が多いのは事実です。
 世論の高まりがあればその点について議論を行なうのが議会の役割です。改めて新聞が
気付かせてくれています。
 市議会内でも議員定数や報酬についての論議は交わされていますが、今のところ結論は出されていません。各人の考えが異なるため一本化出来ていないのが現状です。
 議員定数について全く個人的ですが、財政難から市長以下三役、職員さんでも特別管理職の報酬がカットされている状況下、また和歌山市の人口が減少している中、次回の統一地方選挙までに議員定数を見直しする必要があると考えています。適性規模についての方程式はなく理論的な裏づけもつけられないのですが、感覚的には1万人に対して議員1人とすると、人口は37万人台ですから議員定数は37人となります。先に記したように根拠はないのですが、この辺りが適性ラインの目安だと私は考えています。

【文化と介護】
 文化活動を行っている方と会合を持ちました。高齢者の方々を対象とした音楽療法や健康体操を行うことによって文化を予防介護に役立てたいという企画です。専門的な部分を退けて親しみやすいものにアレンジする必要があることと、効果を出すには継続すべきですから福祉施設のスタッフも簡単な演奏方法を習っていただく必要があるなど課題はありますが、まず実践し始めないと進みません。連休明けから企画案を練る予定です。
 
【評価】
 道路である団体の役員の方とお会いし、ほんの一瞬だけ言葉を交わしました。そのことについて第三者を通じて連絡をいただきました。一瞬の会話でしたが、私を「賢くて素晴らしい雰囲気を持っている」と評してくれたらしいのです。自分で書くのは気が引けますが、事実でもあり記しておきます。
 私に連絡をしてくれた第三者の方が「少し話しただけなのに何故そう感じたのですか」と聞いたところ、「私は長年、人の採用や評価を行うのが仕事だったのですよ。それ位見抜けないでどうするのですか」と回答があったようです。
 それがリップサービスではない証拠に、別の議員を指して?マークを出していたようです。人は会えば分かりますが、一瞬会っただけなのに評価してくれたことに感謝していますし今後の励みになります。

【お誘い】
 まもなくゴールデンウイークに突入しますから、空いている日程に対していくつか懇談会のお誘いがありました。市町村合併についての話を主体として会合が一件、具体化するにつれて問題が起きるようです。来春の大学合格を目指して今年の入試の反省会が一件。
 和歌山市におる建築設計に関しての打ち合わせが一件。市制モニターの役割に関しての懇談が一件、真剣に和歌山市の将来を考えている方にとって、市制モニターに選出された機会を活かそうと課題を抽出してくれています。市制に提言する役割は同じですから、出来る限り歩調を合わせていきます。また、連休明けの会合についての調整2件を行ないました。
4月19日(火) 「介護保険法」
【介護保険法】
 介護保険法の改正に向けて国と地方自治体で詳細の詰めが行われています。平成18年4月からの施行ですが、校区などによる地域毎に必要な施設を設置と、必要な資格取得者などの人員を養成する必要がありますから、今尚、計画が策定されていない状態では出遅れている感があります。
 和歌山市は中核市ですから、居住者2万人毎に地域を割っても18地区となり計画策定が大変です。当該地域で不足する施設を洗い出し充実させていくことが求められていますから、地方自治体と民間事業者が協働した取り組みが必要です。
 和歌山県においては、介護保険料の支出額が全国でワーストワースト10に入っているそうですから、予防介護も含めて早期に計画案を策定する必要に迫られているのです。介護1級認定手前の人でも必要に応じて、必要な機材などの購入に関して給付が受けられる場合がありますから地域としてケアすることが大切です。介護保険の支出は無尽蔵ではないことを認識する必要があります。
 厚生労働省の計画策定が遅れていることから地方自治体の計画策定が遅れているのは仕方ありませんが、民間事業者に対して現状における情報提供と要望を受け付ける体制は敷いておきたいものです。
 地域事情に応じて、小規模多機能施設の設置や民間の事務所や家屋を改造した設備にするなどの計画が必要で、地域事情に詳しい方々の参画があればもう少しスムーズな取り組みが出来るのですが。
 本件に関して担当課と関係者とで話し合いを行いました。

【市からの情報】
 5月12日から9月29日まで、和歌山市役所の一部業務の取り扱いが、毎週木曜日だけは午後7時まで延長されます。通常は午後5時15分までですから、会社員の方などは行政サービスを受けられない時間となっているのが現状で、これを少しでも解消するための窓口業務の時間延長の取り扱いです。
 対象となる課は、市民課、国民年金課、国民健康保険管理課、国民健康保険業務課、主税課、市民税課、資産税課、納税課、障害福祉課、医療福祉課、介護保険課、介護認定課、高齢者福祉課、保育所管理課、こども家庭課となっています。

 和歌山市では、障害者雇用の拡大を図るため身体障害者の方を対象とした採用試験が実施されます。採用区分は事務職、人数は1人、試験受付期間は平成17年8月19日、試験日は平成17年9月18日、受験資格は、和歌山市在住で、昭和54年4月2日から昭和63年4月1日の間に生まれた方、そして身体障害者手帳の交付を受け、障害の程度が1級から4級までの人となっています。
この採用試験は、和歌山市では初めての取り組みです。

【サツキとメイの家】
 現在開催中の愛・地球博覧会に出展している「となりのトトロ」に出てくる家を復元した「サツキとメイの家」が人気を博しています。

(愛・地球博覧会会場にある
「サツキとメイの家」)
 気の早い話でいすが、閉幕後にこの施設がどうなるのかが注目されています。和歌山市在住の方々から、貴志川線を存続させ、しかも観光客に乗車してもらうために「サツキとメイの家」を貴志川線沿線に設置できないものかと相談があります。
 調べてみると、既に複数の自治体が移築保存誘致希望を表しています。現時点では、東京都三鷹市、東村山市、埼玉県所沢市、岐阜県上石津町在の4自治体が誘致活動を行っています。この施設の所有権は博覧会協会にあるようですが、博覧会終了後の取り扱いについてはスタジオジブリと話し合ってのことになりそうです。
 和歌山市が地域活性化または貴志川線再生のためにこの施設に関心があるのかないのか確認行っています。
【会合】
 夕方から会合に参加。株式会社ビジネスプラン安野啓義社長から話を伺いました。安野社長は税理士で、中小企業の経営指導に対応するためコンサルタント会社を設立しています。他にNPO法人インド孤児の家を立ち上げ、孤児30人の里親としての活動も行なっています。
 事業家は何のために事業をしているのか目標を持つことが大切、夢に期限を入れるとビジョンとなります。経営には人、モノ、金に加えて環境への適応が重要で、環境に対応することで事業は伸びます。
 インドで孤児の家を立ち上げたのは、かつてインドの少女に「あなたの夢は何」と聞いたところ「大きくなることが夢です」と答えがありショックを受けたことがきっかけです。今ではインドに何度も出掛けて孤児の家での活動を行っています。好きな言葉はマザーテレサの「どれだけ多くのことをしたかではなく、どれだけ心を込めたかです」。生きることは、心を込めた仕事をしたか否かで意味が違ってきます。
4月18日(月) 「週初めの活動」
【企業の森】
 ある企業から、企業として熊野古道でボランティア活動の拠点を設けたいとの申し出がありました。世界遺産になって注目が集まっている熊野古道です。今回は南紀熊野体験博の経験があり、今なお熊野地域の活動に関わっていると、その方が情報を得て私に連絡をいだけたものです。熊野古道沿いで、企業としての植樹などボランティア活動と共に10年程前から支援している企業が冠を科した少年野球大会を、今回は熊野地域で開催したいとの申し出もありました。
 和歌山にとっては大変有難い申し入れで、何とか支援したいと思っています。今週会って詳細を詰め実現に向けてお互いの役割分担を行なうこととしました。企業の森に労働組合が管理している熊野の森、NPO法人が管理する森など、和歌山県の動きが注目されています。

【打ち合わせ】
 和歌山県ではNPO法人と積極的に連携を図る動きがあります。昼休みを利用して、県との連携方策と、和歌山市が募集している企画への提案活動についての打ち合わせを行ないました。折角行政が民間やNPO法人との連携を模索しているのですから、今ここで行動を起こさないと今後に続きません。アイデアを出し合って県と和歌山市に対して事業提案を行うことを決定しました。今月末目途に構想を具体化する計画としています。

【打ち合わせその2】
 福祉関係の打ち合わせを実施しました。地域にとって介護施策をどう導いていけるかが力量を試されています。民間が試行錯誤しながら模範を築き、行政に対して提言していくことでレベル向上を図ることが出来ます。優れた意見は現場から発信することが大切ですから、民間の叡智を集めた活動を行う予定です。福祉分野に人材が集まりつつありますから、新しい取り組みの情報発信を行なうことで、和歌山市発の福祉施策を構築したいものです。
 
【風】
 全国的に、関西においても政治に関する新しい風が吹いています。全国的に活動をしていて関西支部を大阪市に設けている方が和歌山市に来てくれました。理由は和歌山が全国的なうねりに乗っていないことから、何とかテコ入れする必要があると感じてのものです。
 日本再生のための活動が活発になっていますが、和歌山市にいるとそれが感じにくいのが率直な思いです。既に、口利きや利権がらみによる地方政治の時代は過ぎ去っています。市民に対する公約を掲げられない政党や団体、個人が活動する時は過ぎ、地方においてもローカルマニフェストを掲げ、市民の皆さんと公約について約束を結ぶ時代に突入しています。二年前のマニフェスト選挙の効果は計れませんが、マニフェストを掲げられない政治家を退場させたことについては効果があります。
 次の過渡期は2007年の統一地方選挙と参議院選挙です。今憲法論議が盛んですが、これは国民主権の力を呼び覚ますものです。国民が主権者であることを認識すれば、今の停滞した体制を変える人が可能です。国民主権が成熟することにより、より生活に密着している地方自治が変わり、地方自治が変わると国政も変わって行きます。
 東京圏を中心に意識は変わり関西に飛び火していますから、和歌山市にも波及するように仕掛けていく必要があります。
 今年から来年にかけての地方政治の動きに追従するような動きを和歌山市でも起こしたいものです。その仕掛け人が時間を割いて打ち合わせに来てくれたことに感謝しています。
 全国で評判が立っている若い知事や市長、地方議員は、ローカルマニフェストを軸とした住民自治を推進する動きを見せています。

【タクシー】
 移動する必要があったことからタクシーに乗りました。すると運転手さんが声を掛けてくれました。乗車してくれているお客さんから「片桐さんは頑張っているよ」「元気にやっているようだよ」との話しを聞いているとのことでした。嬉しい話を聞かせていただきました、ありがとうございます。知らないところで褒めていただいていることは本当に嬉しいことです。
 良い話をしてくれていることは、活動を評価してくれてのものと思います。運転手さん、乗車時間は短かったのですが、嬉しい話を聞かせていただきありがとうございました。

【懇談会】
 夜は懇談会を実施しました。伸びている企業の経営者との懇談は元気をいただきます。和歌山市の市場は大きくなっていませんから、伸びるためには他よりも秀でる必要があります。企業の力を維持するには、トップの力量により左右されるのは間違いありません。
4月17日(日) 「イチゴ狩り」
【イチゴ狩り】
 乗って残そう貴志川線を合言葉に存続活動を展開している貴志川線に乗って朝から貴志川町へ出掛けました。貴志川線存続活動の一翼を担えたらとの思いを結集させた「みんなで行こう、イチゴ狩り」行事を企画したものです。参加者は約180人、晴天の中、貴志川線の旅と貴志川町観光イチゴ狩り園でのイチゴ狩り、そしてバーベキューを楽しみました。
 貴志川線に関しては、既に報告の通り9社が公募に応じています。沿線の方々の熱心な存続活動が実を結んだものです。公募の結果は、5月の連休明けから月末までの間に決定する見込みです。

(イチゴ狩り行事)

 貴志川線経営に関する公募に応じている9社をおさらいの意味で再度記載します。掲載は順不同です。
 岡山電気軌道株式会社(岡山市、運輸業、資本金2億円)  
 ことぶき食販株式会社(和歌山県伊都郡高野口町、食品業、資本金1,000万円)
 日本レイト株式会社(大阪市、不動産業、資本金1億8,500万円)。
 マグパワージャパン株式会社(東京都、エネルギー関連業、風力発電事業、資本金8,000 万円)
 トラベル・プランニング・オフィス(東京都、旅行業)。


(貴志川線の貴志駅にて。)
 後の4社は匿名です。東京都の不動産業、新会社またはNPO法人設立予定の大阪府の個人が3名です。
 いずれの方々とも熱意とアイデアを持っているので、新しい貴志川線経営に関しては期待を持てそうです。
 今回の行事で貴志川線の魅力を再発見出来ましたし、交友を深めることが出来ました。

【展示会】
 原色ドライフラワー展に出席しました。これは講師が大阪市から毎月来てくれて、和歌山市内在住の生徒に指導をしていますが、その作品展となるものです。生徒さん達の作品展と言っても出来栄えは素晴らしく販売している程です。花は容器に封じ込められ空気が入らないようになっています。そのため半永久的に枯れることなく、自然の色が劣化することもなく生き生きと私達を楽しませてくれます。
技術を要するもので、少しでも空気が容器に入ると湿気を持ち、花は劣化してしまいます。完全に空気をシャットアウトすることが技術です。
 開店記念やお見舞いとして活用できるもので、色取り取りの作品が私を見てよと言わんばかりに誇らしげに展示されていました。
 講師の方は83歳ですがとても若いのです。いつも感じることですが、社会活動や自分が好きなことに取り組んでいる方は、年齢に関係なく外見も精神的にもとても若いのが特徴です。老け込まないためにも社会と接点を持ち、好きなことに取り組むことが如何に大切か良く分かります。

(原色ドライフラワー展)

【連絡一件】
 来週24日に大阪市内で、木村和歌山県知事を初めとする参加者による勉強会かあります。お誘いを受けているのですが、4月24日は和歌山市内のメーデーとメーデー終了後、議員研修のため本宮町に宿泊する必要があり、残念ながら不参加としています。そのため事務局の方が明日和歌山市に来るので会いたいと連絡をいただきました。大変ありがたいことで明日話を伺うことにしています。
4月16日(土) 「著者の話」
【野上町まで】
 和歌山市山東から野上町まで懇談を行いに行きました。野上町の山頂から見下ろす世界は格別の光景です。貴志川町と和歌山市それらを取り囲む山々と海が見えます。少しだけ山に向かえば普段と違う景色に出会えて気分転換になります。

【著者の話】 

(中央大学大学院の
佐々木信夫教授)
 先日の二日間、本の作者の話を聞く機会を得ました。
 中央大学大学院の佐々木信夫教授は「地方は変われるか」の著者です。昨年6月10日に読了しています。
 政策研究大学院大学の松谷明彦教授は「人口減少経済の新しい公式」の著者です。ある経営者から少子化に備えて地方自治体の対応を考えるヒントになると紹介を受けて、平成17年2月14日に読了しています。

 横浜市長の中田宏氏は「なせば成る偏差値38からの挑戦」を記しています。平成15年11月30日に読了しています。言うまでも無く中田市長は全国で一番人気がある市長のひとりで、その改革のスピードには圧倒されます。

 この三人が関西に来て講義を、しかも一箇所の研修施設に集まってくれた上、続けて講義を行なってくれる機会など絶対にあるものではありません。
 募集開始直ぐに申し込みを行い拝聴してきました。
 著書を読めば、文章を持って著者の考え方を知ることが出来ますが、それでも直接話を聞くのは絶対的に有益です。本人に会うことで、声を聞く

(政策研究大学院大学の
松谷明彦教授)
ことで、同じ空気を共有することで得られるものは限りなくあります。意欲や熱意、風格のようなものも感じることが出来ます。その場にいないと分からないし伝えきれない独得の空気が存在しています。 著書の内容を知るだけなら、著書に記載している内容の方がデータも豊富で体系だっていますから読書によって著者と向かい合うだけで良いのです。優れた著者と向かい合うだけで、十分に自分を高めることが可能です。

 それでも直接話を聞く機会は大切です。不思議なことに大体は予想通りの声をしていますし、考え方も思っていた通りの方が多いのです。自分が著書を通じて予想していた人物像となっています。文章はその書き手をストレートに表現出来る手段であることが分かります。考え方や声の質、背の高さまで予測出来るのです。何冊か読むことで確信が持てる程になりますから読書は大切です。
 直接話を聞くと最新の状況が分かりますし、話しての思いがストレートに伝わってきます。何よりも著作にある内容の行間が読み取れることがあります。活字で表現している以上の意味が込められていることが伝わってきます。音楽でもライブとCDとの違いはあります。人の場合も直接会って話を聞く方が考えていることが分かります。
 現場主義と著書に記していれば、現場体験を活かして政策立案を行なうことが前提にあることは理解出来ます。人前で話をする立場の人は大抵苦労していますし、現場経験から現在につながる何かを掴み、その課題を解決するために努力を重ねていることに気が付きます。同じ単語であっても、人物によって込められている背景は異なっていることから単語の意味するところは違っています。

 著者の人物像と周囲の環境を本人から聞くことで、著書に書いている内容の理解は深まります。読書では、著者の考え方と対峙することで自分の考え方を深めることが出来ますし、直接話を聞くことでその考え方の補完が出来ます。
 一番の違いを挙げるならば、本を読んだだけではそこに書かれている理論を自分のモノとして消化し他人に伝えても内容が薄いものになりますが、本人と会うことで話の内容や雰囲気が自分のモノとなり、他人に自分の言葉で伝えることが出来ることです。その人の言葉の中で共感できる部分を自分なりに消化し、自分の考えと融合させて他人に正確に伝えることが可能となるのです。この違いは大きいものです。
 もっと簡単に表現すれば、エジプトの写真を見てもピラミッドの凄さを他人に伝える事は出来ませんが、現地に行って見た経験があれば、その素晴らしさを自分の言葉で他人に伝えることが出来るのと同じことです。
 何でも直接会う、直接見聞することに勝る体験はありません。どれだけの現場を体験しどれだけの人に会ったかが、今の自分の思考を作っています。
4月15日(金) 「地方議員研修会二日目」
 琵琶湖は400万年の歴史を持つ世界第三位の古代湖です。世界一がバイカル湖で3,000万年、第二位がタンガニーカ湖で2,000万年となっています。そして10万年同じ環境を持ち続けると他の地域には無い固有種が誕生します。琵琶湖には約50種類の固有種が存在しています。

【豊かな地域まちづくり】
 滋賀県には、私立びわこ成蹊スポーツ大学が設立されています。大学名にスポーツがあるのは全国でひとつだけです。スポーツ専門の教授からの話は人間形成の意味からの関心のあるものでした。
 日本の中・高校生の体力は1980年がピークでした。体力の低下は学力の低下につながっています。高校生でも逆上がりが出来ない生徒がいるようで、体力の低下は深刻な問題です。女子スポーツ部は人気が無く、昔から人気のある女子バレーですが6人の部員が集まらずに成立しない高校も出現し始めています。おしゃれとファッション性が高い女生徒ですが汗は苦手なようです。

(びわこ成蹊スポーツ大学の教授)

 動物園のサルは危機管理が出来ていません。ある動物園の事例ですが、サルの檻が老朽化したので隣に新設し移し変えようと飼育員が捕まえにかかると、パニック症候群になり気絶したりひどいサルになると死亡したそうです。自然界から隔離された安住の地にいると、知らず知らずのうちに危機への備えが出来なくなります。
 野生のサルは一日60kmも移動しています。それは植物の獲得など生きるために必要だからです。動物園のサルと比較すると危機感と運動量は比較になりません。人間は動物ですから、子ども達に動物園の様な環境を与えてしまった大人の責任があります。
 
 シェークスピアは「観ることが最高の教育であり、観られることが最高の学習である」と言葉を残しています。正にその通りで、まず現場に行くことで現実が分かり自分に不足していることが分かります。マラソンランナーの高橋尚子さんは、大学まで全く無名のランナーでした。ある時、世界選手権レベルの選手の合宿に参加しました。世界トップレベルの選手と練習をして、世界レベルのトレーニング方法や食事方法はどの様なものか分かったのです。情報化社会ですから効率的なトレーニング方法は知っていて頭で理解しているのですが、実際に現場の空気に触れることで気づきがあったのです。トップレベルの選手といるだけでレベルが体感出来ますから目標が身近で明確なものになります。このトレーニングを行なうとこうなる、食事を正しく取ることでこんな体を作れることが分かります。観ることによる気付きは最高の教材です。
 
 人間の能力はY=aXで表すことが出来ます。これは養老孟司先生の著書に書かれている公式です。
 Yは出力で人間の能力を表します。
 Xは入力する要素で、遺伝子(DNA)などです。私達に組み込まれている遺伝子は、長い時間との競争に打ち勝ってきて勝ち組の遺伝子で、人間の遺伝子は99.99%同じものです。
つまり誰でも持って生まれた能力に差はありません。
 問題は係数のaですaは、心、感性、良心、氣、環境、習慣を表しています。心の持ち方や良い習慣、周囲の環境の良し悪しが、人間の能力形成過程に影響を与えます。係数は変化させることが出来ますから、やる気になれば、何時でも自分の意思で係数を大きく出来ます。
 係数を高める方法には、メンタルトレーニング。夢中になる、好きになる、気付き、出会いなどがあります。信じれば適うことを信じて自分を高めることです。ギリシア神話に登場する彫刻家のピグマリオンは理想の女性を彫刻で彫りました。毎日のように彫刻に向かって理想の女性の出現を願っていたところ、ゼウスの思し召しにより彫刻が人間に姿を変えたのです。本気になって願えば適うことを示す神話です。作り話と取るか教訓として捉えるかも心の持ち方ひとつです。この話を信じるか信じないかもaを左右します。こんな簡単な神話を信じることが出来ないで、困難なことに挑む事は出来ません。
 困難に立ち向かうと必ず障害は出現します。そこで信じることが出来るか出来ないか、大きな成果を達成するのは小さな行為の積み重ねです。物事を前向きに捉えられることが行動を左右します。潜在能力を活性化させるには感動体験をすることが一番ですが、前向き行動は感動体験につながります。

 物事を達成するには方法があります。守破離と言われる法則です。
 守とは、真似をすることです。真似びとは学びの語源にもなっています。師匠を真似ることから学びます。
 破は、殻を破って脱皮することです。真似から型を確立し、自分流にアレンジしていくことで成長します。立派と言う言葉は、元来立破と書いていたそうです。立派になるのは壁を破って一人前になることを表しています。
 離は、自立した才能を発揮することです。どの分野でも型を学び、殻を破り自立すると、人を感動させることが出来ます。私達はたまに神業と呼ばれる場面を目撃することがあります。最近の例で言うと、ゴルフのマスターズの最終日16番ホールでタイガー・ウッズが放ったバーディショットが挙げられます。正に神業で見る人全てを感動させました。離まで到達して神業レベルになりますが年齢は関係ありません。世界のサッカー界では16歳までに世界レベルに到達しないと世界でプレーは難しくなります。
 年齢や経験が必要という今までの常識に囚われることなく、能力を向上させるための係数を高め成長することで世界レベルに到達出来ます。全てはそれを信じることから始まります。

【中田横浜市長】
 市長に就任時の所信表明で都市経営を述べたら「商売をやっているんじゃないんだよ。行政は儲ける所じゃないんだ」と野次を浴びました。
 経営とは、目標を定めて計画を策定し実践していくことですから、行政も民間も関係はありません。都市経営の概念は今では当たり前になっていますが、3年前までは行政に経営感覚はありませんでした。
 改革を進めるには情報公開が不可欠です。情報公開と言って広報誌を発行しても捨てられる冊子が増えますから降下は少ないように思います。ところが効果があるのです。情報公開が根底にある仕事に変えると行政職員に緊張感が生まれます。ふたつ目は市民の意見が聞こえてくるので、議員の主観に基づいた感情だけの不毛の議論とならないことです。

 このように、市民の意見を反映させることが出来ます。
 職員には「あなたの市」と発言してもらえるようにしたいものです。通常は、横浜市ではとか本市においてはなど言いますが、市の主役は市民であることに間違いはなく、職員からするとあなたの市と言うべきなのです。
 市役所は市民から預かって仕事をしているだけの場所です。
 横浜市の改革の一部を紹介します。
 外郭団体を連結決算に加えた上、バランスシートを公開しました。
 向こう5年間の歳入と歳出の見込みを財政計画として開示しました。これによって1,200億円から1,500億円の不足が判明しています。
 財政計画を基に向こう5年間の政策と行政運営を見積もりました。つまり財政と政策、行政運営を連動させています。
 非成長、非拡大の時代に即して交通政策と水道事業も見直しています。市営交通は人口減少があることから民間企業並の経営感覚を持つように変革しています。
 水道事業として横浜市の水を製造し販売し始めました。横浜市内のホテルには横浜市の水を設置してもらっています。
 横浜市立大学の先生は任期制で契約方式に変更しました。これにより若くて才能の或る先生の応募が来ています。
 少子化時代ですから、市営住宅の新規建設はありません。
 都市公園をNPO法人が管理する取り組みを開始しています。
 面白い番組を作ったらスポンサーが付く筈だと考えた番組を作りました。横浜市の番組にスポンサーが付いて制作費は50%に減少しました。
 区役所で配布している転入者向けの案内誌をサンケイリビングに委託しました。市が発行している案内誌と、同社が発行しているお店紹介の冊子が活用出来るものに仕上がると考えて組み合わせたものです。市は予算が半分以上減少する利点があり、発行企業にとっては、区役所に冊子を置いてくれる利点があります。お互いの媒体としての利点がある事例となりました。


(琵琶湖でのセミナーに参加)
 中田市長の知名度が高いので営業部長の役割を担っていて、市長の名前を商品につけることも認めています。中田市長の名前が入ったカレーも登場しています。これが売れていて味も良いそうです。名前が入ってカレーが売れるのは、政策がしっかりしていて実行している証拠です。
 いずれも公共サービスと行政サービスはイコールではないことを示すものです。公共サービスは市民と役所が一緒になって作るもので、民間の力が存分に発揮出来る環境が大切です。市民、NPO法人、自治会、企業と組んで公共性を高める挑戦をしています。
 中田横浜市長は、全人格をかけて諸課題に対応しています。
4月14日(木) 「地方議員研修会」
 滋賀県大津市で地方議員研修会があり参加、一泊二日の日程です。今回の研修会は充実した講師陣で内容の濃いものでした。感じたことを記します。

【地方議会・議員の存在意義】
 現代、わが国における行政サービスに関する費用は、国家規模で45兆円、都道府県でも45兆円、市町村でも45兆円で、ほぼ同程度の予算となっています。国家予算は約80兆円ですが、その内補助金として18兆円、交付金として17兆円を地方自治体に移管しているため三者の行政サービスにかける必要は同程度なのです。
 国家予算が巨大で地方自治体は小規模という感覚を持っていますが、予算は地方自治体にも下りて来ています。参考までに予算を支えている歳入は135兆円、税金が90兆円で国債など借金が45兆円となっています。
 では予算の使い道を決定しているのは誰でしょうか。それは国においては国民、地方自治体、和歌山県をモデルとすれば和歌山県民、和歌山市民となります。実は市民が予算の使い道を決定しているのです。その決定方法は代議員を通じて、つまり市会議員が意思決定者なのです。
 その議員の役割の変遷を確認します。
 第一期は明治憲法時代から新憲法交付前までの期間でした。議員は首長の諮問機関に過ぎませんでした。地方自治は憲法の要請ではなかったのです。
 第二期は戦後新憲法制定時から平成12年3月31日までの期間でした。地方自治体の仕事は機関委任事務制度の下で運営されていました。簡単に言うと国の仕事を代理していたもので、大臣の通達に基づいて業務を執行していただけでした。大まかですか県レベルでは80%程度、市レベルでは50%が機関委任事務で、市レベルでは県からの再委任を加算すると80%に膨らみます。
 国は中央に権限を集中させ、全国一律の公平性と同一性を完成させる方向性に向かうこと、つまりナショナルミニマムを目的としていたため、その目的からすると必要な制度だったのです。その制度の下では地方議会や地方議員の役割は殆どありませんでした。
 何故なら地方自治体が行なっている80%の予算と仕事に対する審議権がなく、条例も定める権限がなかったからです。実権を持たない地方議会で、追認し国へ陳情するだけの存在で、本来の政治の姿ではありませんでした。

 ところが現在は第三期に入っています。第三期は、地方分権一括法が施行された平成12年4月1日以降からです。これは中央集権国家体制から地方分権体制に移行していることを示しています。地方自治体の仕事の70%が自治事務となり、法定委任事務は30%に比率を下げています。初めて自治体経営が出来るしくみになったのです。
 地方分権とは予算と権限が地方に下りてきますから、政策立案能力と議会の意思決定能力が激しく求められています。能力が無ければ議員の仕事が出来なくなっています。規制と秩序を守るのが公務員であるとすれば、定まった規制と秩序を変えるのが議員です。そのため現在の議員には、正しく意思決定するだけの知識と見識が求められています。
 もうひとつ、議員の役割の大きな柱は将来のビジョンを作ることです。それは自治体経営の観点から、公共の領域に他の勢力を入れることによって市場化を図ることです。結果の出さない人は市場(市民)から撤退を求められますから一期目であっても能力の無い人は意思決定過程から退場です。

 過去、地方には行政があって政治なしの形式民主主義の時代でしたが、現在では政治が行政をリードしていく実質民主主義の時代となっています。ようやく地方自治に政治の出番が来たのですから、議員にも資質が求められています。
 議員の活動はアマチュアをベースにした専門家であるべきです。
 政策決定過程において重要なのは課題を設定することです。議員はその課題を見つけるための日常活動をすべきで、アマチュアの視点で市の課題を探せば良いのです。
 課題を設定すれば政策立案に入ります。これは行政のプロである行政職員の仕事です。単なる事業実施職員ではなく政策立案職員に変化する必要があります。指示通りに仕事を行なっていれば良いグライダー能力ではなく、自分で考え設計できる飛行機能力が求められています。
 次の段階である政策決定は議員が行い、政策の実施は行政の役割、政策評価は議員の役割です。このように行政のアマチュアとプロが役割分担を行なうことによって地方自治体の経営が可能となります。地方分権の時代に入って、地方自治体と地方議員の役割は今まで以上に大きくなっています。事業官庁から政策官庁に変化していることに気づくことから変化は始まります。

【人口減少のまちづくり】
 将来とも日本経済は労働力が減少することによって右肩下がりに向かいます。少子化対策や外国人労働者を導入しても方向を変える事は出来ません。少子化は顕在化しているため、今から対策を行なっても20年後の労働人口は減少することは確実です。
 そこで、国民所得と労働力が減少することを年頭にした経済対策を講じる必要があります。まず現在レベルの公共投資は不可能です。公共投資は貯蓄を活用して行っているものですから、貯蓄率が低下していることから新規の公共事業は縮小し、2020年代には既存の公共設備の維持と更新さえ困難化します。2000年初頭の日本国民の貯蓄率は15%ですが、2030年には3.4%に低下すると見込まれています。現在のアメリカの貯蓄率は5%程度ですから、将来の日本の貯蓄率の低下は深刻です。増税は消費を減少させ貯蓄を取り壊す行為に向かわせるため経済は更に縮小に向かいます。

 将来の政策を計るための指標のひとつに中位年齢が活用出来そうです。中位年齢とは、当該地域の高齢者と若年層の人口が同じになるところを除いた人口の幅です。
 高齢者が少なく若年層が多かった1970年の中位年齢は38.3歳、2000年には49.6歳となり2030年には58歳と予測されています。
 この年齢構成によって政策の方向性は違ってきます。1970年だと中位年齢は38.3歳ですから、企業では管理職になる年代です。そのため国民の望みは、経済規模が大きくなることでした。実際、1970年代には日本は経済大国への道を歩み始めています。
 2000年の中位年齢は49.6歳で、この年代になると企業内の出世競争は決まっていますから、企業の延命策が関心の中心となります。産業再生機構の活用や公的資金の投入による企業再生など、現在の枠組みを維持することが政策の中に組み込まれています。
 2030年になると中位年齢は58歳ですから、政策の中心は福祉と公共サービスになることは容易に予想出来ます。しかも退職年齢となっていますから、組織やしがらみに縛られないため政策に対する嗜好が多様化してきます。

 中位年齢層は政策決定に影響を与える年代であることが分かります。どうしても人口層の厚い世代を中心にして社会は廻って行きますから、若い層は積極的に政治に関与していかないと、自分達の意思が政策に反映されなくなります。
 政治に関心が無いから投票に行かないというもの意思表示です。その意思表示で選ばれた議員が地方自治の予算と方向性を決定していきます。子どもが誕生し子どもを育てていき、社会の中心を担って行く若い層が関心を持つべき教育問題や就業問題に関心の無い議員が増えると、まちの方向性はそのように定まります。消極的肯定であっても、まちの将来を決定するのはそこに暮らす人の意思に他ならないのです。
 誰が議員をやっても同じ地域になるような時代ではなくなっています。

 財政的にも、県民所得は減少していきます。そのため複数の県が集まり地方広域経済圏を確立することが、地方自治体のひとつの方向性です。ひとつの県が全てを兼ね備えるのではなく、分業化を図って得意な分野に特化することで地域を再生に向かわせるかも知れません。今年初頭に誕生したある県の新しい知事は、地方広域経済圏を意識して産業の分業化を進める方針の発言を行なっています。
 リーダーと議員が将来を読めることが地方自治体の運命を決定すると言っても過言ではありません。
4月13日(水) 「新しい息吹」
【打ち合わせ】
 午前中をかけて介護に関しての打ち合わせを実施。介護保険法が改正となり、平成18年度からの動きが注目されていますが、介護関係者からすると対応が遅れていてストレスが溜まっているようです。介護に関する問題意識は民間事業者が進んでいます。法改正に対して行政からの説明がある前に、民間で出来ることを取りまとめて施策に反映させられるような活動を行っていることは望ましいものです。民間からの盛り上がりを大切にして活動を支援していきます。

【ライオンズ会合】
 中間はライオンズクラブの会合がありました。丁度役員の改選期で本日の会合において新しい会長他、新年殿役員体制が決定しました。私は理事となり広報・PR委員長に就任いたしました。会社で長きに亘って広報の仕事をしていたことから、理事職に推薦していただきました。社会奉仕活動は全ての分野において基本となるものです。
 役職位になると責任とすべきことが増えますが、推薦していただけるだけでも喜ばしいものです。しかし1年が過ぎるのは早いもので、今の体制を決定したのはつい先日のように思えます。
 桜の季節は変わらずに毎年訪れますが、桜の下で集う人は毎年入れ替わります。去る人もいればこの世から旅立った人もいます。人は入れ替わっても再び集団が出来て一見何も変わりません。人が去るのは寂しいものですが、人が変わっても組織は持続します。永続する組織は、人が入れ替わっても責任体制を変わらずにとっておく必要があります。
 人間社会は何も変わっていないように見えても、その実構成人員は変わっています。現在は変革期で、既存の組織においても時代に対応して活動方針は変わっています。活動方針が変わると構成員も変わります。新しい会長が誕生し、次の年度の活動も期待出来るものとなりそうです。

【打ち合わせ】
 今秋、和歌山県下で全国卓球大会が開催されます。誘致活動が功を成したもので今から準備に取り掛かっています。全国大会ですから、皇太子ご夫妻が和歌山県を訪れる予定です。これを契機に、和歌山県から卓球のオリンピック選手を育成するための動きが出ています。そのための拠点作りにお役に立てるような取り組みを行なっています。

【地域再生】
 和歌山市の人口は37万人台になっています。最盛期には40万人を超えていたのに、それ以降は減少するばかりです。減少している理由を分析する必要がありますが、和歌山市の長期計画では人口を45万人と想定しています。人口想定に基づいて税収を想定していますから、人口が減少すると施策は当然に変わってきます。
 何故、和歌山市の人口が減少しているのか原因をはっきりさせる必要があります。人口想定はまちづくりの根本となりますから、正確に見通しておきたいものです。

【懇談】
 夜は会社社長お二人と懇談の機会を設けました。懇談場所は清水町にある愚庵です。ここは藁葺き屋根の作りで素晴らしい環境です。全て予約制で飛び込みのお客さんはお断りです。メニューはなく、季節に応じた地元の素材を活かしたコースだけです。
 しかも一日一組だけの予約制ですから、なかなか愚庵での食事機会を持つ事は出来ません。今日ここ食事機会を持てたのは、一ヶ月前から予約を入れていたためです。囲炉裏を囲んでの懇談となりましたが、全国レベルの環境であることは間違いありません。
 しかし残念ながら、平成17年年6月から平成18年4月まで改装のため約1年間休業します。オーナーは決して利益だけを追求するのではなく、お客さんに素晴らしい環境を提供することを第一と考えています。一日一組だけが味わえる空間と時間があります。
 また新しい試みとして、中華料理を導入することを検討しています。
4月12日(火) 「環境問題」
【環境問題】
 京都議定書が発効していますが、何故か地球環境保全についての会話が交わされる事は少ないようです。地球環境問題について忘れてはならない話があります。 
 1992年ブラジルリオデジャネイロで開催された環境サミットにおける6分間のスピーチです。スピーチの主は12歳の日系の女の子、セヴァン・カリス・スズキさんです。

「オゾン層にあいた穴をどうやってふさぐのか、あなたは知らないでしょう。死んだ川にどうやってサケを呼び戻すのか、あなたは知らないでしょう。絶滅した動物をどうやって生きかえらせるのか、あなたは知らないでしょう。そして今や砂漠となってしまった場所にどうやって森をよみがえらせるのか、あなたは知らないでしょう。どうやって直すのかわからないものを壊し続けるのはもうやめてください」(「あなたが世界を変える日」・セヴァン・カリス・スズキ著・学陽書房)

 もう13年も前のものですが、今でもそして将来的にも私達の生活様式を変更しない限り解決策は見つからない問題ばかりを指摘しています。このリオのスピーチは、今では伝説のスピーチとなっています。
 現代社会において、時間と命は一度失くせば二度と戻らないのは自明です。地球上に生存している生命や長い時間をかけて命を育んでくれている地球環境を壊せば、元に戻す手段は今のところありません。復元する手段が無いものは、全員が一致して大切に扱うことで守ることが可能です。私達が暮らしている唯一の大地が地球ですから一致して守るのが当然なのですが、何故か地球の命を削り取りながら私達は生命を維持しているように感じます。

 人間が生きていられるのは、他の動物の生命をいただき地球資源を使いながらです。世の中はあくまでも公平ですから、他から何かを頂戴している限りはその分を返さなければバランスは崩れます。地球上で人間だけが成長し続ける事はあり得ません。他の生命体と共に発展する方法を取ることが、人を成長させてくれることにつながります。
 持続可能な発展と言いますが、人間が全ての生命体の中で突出する方法を探っている限りは、長い時間が授けてくれた資源を無駄遣いし続ける限り永遠の発展はありません。人間も自然界で生きているのですから、環境を保全しながら経済活動を持続的に発展させるには、自然が主で人間活動が従になる必要があります。経済活動を止めることは出来ませんから、持続可能な発展は口で言うほど簡単なものではありません。
 私達の生活は厳しい自然界から隔離されたものになっていますから、環境問題と言っても身近にないのでその理由は分からなくなっています。
 そして人間の欲望が人間社会を発展させてきました。その欲望を消さない限り地球環境保全と経済活動は両立出来ないから厄介です。

 伝説のスピーチ風に言うとこうなります。
「寒い朝、暖かいお湯が直ぐに蛇口から出る生活を止められないでしょう。ガソリンが高いと言っても一旦自家用車を持つと手放せないでしょう。暑い夏、一度クーラーを入れるとスイッチを切ることは出来ないでしょう。24時間生活に必要なものを購入できる環境から離れられないでしょう。自分が経済活動を止めても他の誰かに取って代わる不安感は消し去れないでしょう。心の豊かさと言っても、やはり景気対策を求めることを止めないでしょう。自分で出来ないことを他人に求めても、何も改善されないことを知るべきです」
 如何でしょうか。今の生活を見直しして、環境を重視する生活様式を確立する難しさが分かります。
4月11日(月) 「食について」
【食べること】
 朝から会合が4つ、午後から食に関する打ち合わせがありました。
生き物は食べないと生きられません。食事をいただく時に「いただきます」と言うのはある意味が込められていると、ある先輩から聞きました。それは人間が生きるために動物が犠牲になっていることから、その生命を人間のために捧げてくれたことに感謝するものです。「いただきます」とは生命をいただくことを意味しています。
 これを裏づけるような記事を読みました。ジャーナリストの木本教子さんの時評の中にあったものです。

「ごはんを食べる時、手を合わせて「いただきます」といわねばなりません。母は私にそう教えました。それはどうしてでしょう。母は「生きものは食べなければ死ぬ。これは法則だ。法則に例外はない」といって教えてくれました。
 人間はごはんとかパンとか、魚、牛肉、野菜とか、そういうものを食べます。よーく考えてみて下さい。ごはんはお米の命です。パンは麦のいのちです。牛肉は牛のいのち、お魚も野菜もみんな生きていたのです。
 そういう生きものの命を食べて人間は生きているのです。だから生きているっていうことは、殺しているっていうことです。だから手を合わせるのです。必要以上、食べてはいけないのです。必要以上たべれば必要以上殺すことになります。
「人間はお米や麦や牛や魚、野菜の命で生かしてもらっている」こんなふうに教えてくれました。私は「ほんとだ」と思いました。気持ち悪いって言う人もいたけど、私にはよーく分かりました。
 ごはんを食べる時、手を合わせて「いただきます」っていうのは、あなたの命をいただいて、生かしてもらっていますということなんです」(2005.4.4・電気新聞時評)

 如何でしょうか。食べる事とは他の生命を奪っていることなのです。大切な命をいただいているのですから、食することに感謝すべきなのです。食事を食べ残しする量では、日本が世界でも有数の国になっています。大量の残飯や賞味期限切れの食料廃棄などは、もったいないですし、折角いただいた大切な生命を意味のないものにしています。人間が生きるための手段として生命を奪ったのに、それに役立てないのでは何のために死を迫ったのか理由がありません。
 人間は栄養素を外部から取り入れることで細胞を維持しています。生きるための食事ですから、食に感謝する気持ちを一時でも忘れてはいけません。犠牲になった無数の命の上に立って私達は生かされていることを忘れてはなりません。
「いただきます」や「もったいない」と言う言葉を聞くことが少なくなりました。スーパーマーケットなどでは、料理し易いように加工された食材が販売されています。
 そのため加工物の原型は分かりません。どのような姿の魚だったのか、肉になっている動物の元の姿を知らない子どももいます。子どもはスーパーなどに並べられた陳列を見ています。肉はきれいなパックに入っているもの、魚には骨がないもの、野菜は土で育っていないもの(水耕栽培もありますが)と思ってしまいます。
 そこには生命を感じさせてくれるものはありません。死は私達の周囲から遠ざけられています。日常生活の場においては、汚いものや死を感じさせるものは除外されています。
 デジタル映像、ゲーム機の中の生命は復活しますから、死ですら終わりを感じさせないものになっています。

 生命を維持するには他の生命を犠牲にしています。だから生命は大切にすべきことを知る必要がありますし、死はこの世での存在がなくなること(様々な思想はありますが生命体としての肉体は消滅します)から生命は有限であり、地球上で生かされていることに感謝する必要があります。
 感謝を込めて「いただきます」から食事を始めたいものです。

【入学式】
 本日は公立小学校の入学式で新しい小学生が誕生しました。そして明日は公立幼稚園の入園式があり、今年が最後の園児を迎える公立幼稚園もあります。春の眩しい季節中に色々な思いが交錯しています。
4月10日(日) 「訪問活動」
 暑い位の一日、朝から20人の方とお会いし意見交換を行ないました。年齢を重ねた方でも趣味を持っている方はとても元気です。県展に入賞した50号の絵画を披露してくれたり、市長賞を受賞した写真作品を見てくれた方もいます。絵画が趣味の方は毎年作品を作成して出展しています。写真が趣味の方は、毎月のように友人達と撮影旅行に出掛けて作品を創作しています。今月も滋賀県のまつりなどを訪れる計画を持っています。年一回のサークルの発表展示会の他にも県展や写真教室での出展など発表の機会があるため、作品創作に務めています。
 過去の作品は自宅の玄関や廊下にも展示している他、多くなりすぎて一部屋に保管しています。折角の作品を保管しておくだけではもったいないので、事務所に展示スペースを設けて皆に見ていただく取り組みを開始しています。
 発表の機会があることが身近な目標となり、趣味を楽しみながらも真剣な取り組みになります。人に見られることが技術を向上させる最も優れた方法です。

 ある方は私のある会合での話の内容についてお褒めをいただきました。私も先般出席した会合においては、来賓の挨拶は長くて中身がないことの別の事例を紹介してくれた上で、私の挨拶については、短い時間の中に具体的事例が織り込まれていたので、何に取り組んでいるのか良く理解できたとのことです。その会合の後、出席した方々は場所を変えて話し合ったそうですが、一番良かったと話題になっていたと教えてくれました。
 悪い事例は、時間が長いだけで何を言いたいのか全く分からないこと、抽象的でぼんやりとした内容となり発表者が何をしているのかが見えないこと、単なる社交辞令だけに終始し話の内容がないこと、話題があちらこちらに飛んでしまって、結局話の重点が分からないこと、などだと示していただきました。

 挨拶は長すぎても誰も聞かないものですし、短すぎても思いが伝わりません。程々が良いのですが、言いたいことがあり過ぎると長くなりがちです。
 また社会一般的な問題だけをテーマとして取り上げると、個性がない内容となってしまいます。当事者なら事の真相や裏話を交えることで内容は深まるのですが、新聞ネタだけなら誰が話しても内容の深さは変わりません。時事問題は、かなり確信を持った独創的な見解を含めた内容にしないとつまらなくなります。従って時事問題はその分野の専門家でない限り、話題になっているだけで取り上げ一般的な解説をするのは避けた方が無難です。

 これらを踏まえると、少ない時間で重点を絞ること、そして自分の活動内容について紹介することが良い挨拶となりそうです。そのためには、実際に自分が何かの活動していること、活動の趣旨を理解してポイントを頭の中で整理出来ていること、適切な言葉を選んで話をすることが大切です。
 もうひとつ悪い事例を教えてくれました。どの会合でも同じ内容の話をしている人がいるようです。全く場を考えていないし、同じ話しか出来ないのは何も活動をしていないことの証明になります。
 私の場合、挨拶内容は事前に全く考えていません。壇上に上がる直前に内容を思い浮かべます。挨拶の内容は、出席者の雰囲気や先に挨拶した人に対する反応、先の人の挨拶に要する時間の長短、重要な問題であっても、先に挨拶の中で触れられたら重複させないために話しの中に含めません。このようなポイントで挨拶内容を調整しています。
 ですから順番が来る直前になって何の話しをするのか決めています。直前まで白紙ですから、前日の夜に悩み考えることはありませんし、読み原稿を作成する手間もありませんからストレスは溜まりません。
 同様に市政報告会などでも、レジュメは作成し大まかな流れは頭で描いていますが手持ち資料はなく他の準備はしていません。報告しながら反応を見つつ話の流れを修正していきます。
 ホームページでは、会合で挨拶した内容や市政報告会の内容などを掲載していますが、それらは会合が終わった夜、自宅で思い返しながら電子データに落とし込んでいます。自分が活動して自分の言葉で話した事は忘れていないものです。

 その他の反応として、次の議会での一般質問を楽しみにしているから日時を知らせて欲しい。市政活動報告を楽しみにしているので毎回届けて欲しいなどがありました。本当にありがとうございます。
4月 9日(土) 「葵会総会」
【葵会総会】
 和歌山市内で葵会年次総会にお招きいただき出席しました。約300人の参加があり旧交と懇親を深めました。もう20年位前に指導していただいた大先輩は、新人の頃から他の人とは違っていて現在の活躍は予想していたと話してくれています。ありがたいことです。自分の子どもでもないのに、まるで実の子どものように自慢をしてくれていることに対して、感謝する以外にはありません。今でも子どものように可愛がってくれていますが、期待に応えられるように活動することで恩返しにする覚悟です。

 また何十年ぶりにお会いした先輩とお会いしました。長い間会ってなかったのですが、お顔を見た瞬間に誰だか分かります。当時はすごい大先輩と思っていましたが、今では自分がその年齢になっています。今の若い人からすると、僕でも年配者に見えていることは不思議な感じがします。
 自分のことでも精一杯なのに、後輩の面倒を見るまでに至っていないことは恥じるべきことです。いかに当事の先輩の精神年齢が高かったのか分かります。生涯においてどれだれ頑張ったとしても、思いの全てを実現することは困難です。思いを引き継いでくれる後輩を育てることが今の自分に課せられています。
 昔の人の精神年齢の高さに敬服する次第です。
 本会合の場において挨拶の機会を得ました。挨拶について何人もの方に和歌山県と和歌山市の課題具体的な話をしてくれて分かり易かったと意見をいただきました。いるだけの議員ではなく、自身で具体的な取り組みをすることが議員の本分であると話してくれた方もいました。誰が議員をしても同じではないと話してくれた言葉が印象的でした。

 今日の挨拶の中で一番良かったと感想を話してくれた方もいました。挨拶は上手い下手ではなく、自分が取り組んでいることをストレートに話すだけで良いのです。自分が取り組んでいることを自分の言葉で話すほど現実的なことはありません。
 行政が取り組んでいることを言うだけなら誰にでも言えるので、これからも自分で活動したことを話して欲しいと要望を受けました。少し前とは違って今では、行政が取り組んでいることはホームページによって皆が分かっています。情報公開が進んだ今では既にホームページなどで周知されていることを話しても余り皆さんの役に立ちません。
 少しずつですが意識の変革は進んでいます。この変化が世の中を進歩させています。

【会合】
 和歌山市のまちづくりに関しての平成17年度の活動についての打ち合わせを実施。和歌山市は予算がないばかりですが、やる気があれば方法はあります。元気のある取り組みのために方策を見出していきます。

【花見】
 夜は夜桜を眺めながらの花見に招待していただきました。忙しい社長ですが、今日は桜が満開で暖かいため急遽従業員さんの慰労を兼ねての花見となりました。朝から電話をいただいたことに感謝しています。
 夜遅くまでの懇親会となりましたが、最後まで楽しい場となりました。皆さん方は職場での緊張感のある雰囲気と異なり、思い思いの意見を述べています。明日も仕事がありますが、今日の話し合いは明日への糧となります。オンとオフの切り替えが出来ることが仕事でも生活においても大切です。

(和歌山城の桜)
4月 8日(金) 「夢のお金の関係」
 今日は人間味のある金融関係の方と懇談する機会に恵まれました。この方は、大手証券会社に9年間勤務、監査法人に10年間勤務した後に独立、現在は個人の向けの金融コンサルティングを業としています。低金利、資産の運用方法が分からない、将来への備えに向けてどれだけの備えをすべきかなど、金融関係者以外の人が不安感を持っている部分を補ってくれるものです。

 大まかな分類ですが、法律相談なら弁護士、税金相談なら税理士など、困ったことが発生すれば町に出て探すとそれらの事務所が見つかります。ところがお金に関する相談を受けてくれるプロの事務所は見つかりにくいものです。ファイナンシャルプランナーの事務所を見つけることは至難の業難です。そこで銀行に相談に行くことになります。銀行に行ったら、資金計画や投資相談などには親切に相談に乗ってくれますが、生活設計まで及びません。相談を受けた人が相談者の生活設計をするためには、個人のプライバシーまで踏み込む必要があります。そのためには強い信頼関係が必要で、個人と法人の関係よりも個人と個人において懇談する方が望ましく感じます。法人では個人の細かい所まで行き着かないこのような隙間を埋めるための仕事を行なっているのです。

 この方の夢は、独立してから55歳になるまでの10年間を全力で仕事を行い、振り返って最後の10年間は良い仕事をしたねと自分に言うことです。大手金融組織にいては実現出来なかった事を、個人で実現させたいと行動を開始しています。
 お金は夢を実現させるために存在しています。市場経済が行き過ぎることへの不安感はありますが、市場主義の利点の一つは、どの立場にいたとしても夢を実現させるための道が過去のどの時代よりも開かれていると言うことです。人は夢を持ち、夢を実現させるために生きています。

 夢を持たない人生は人生ではあり得ません。また、夢を持っても実現させるための行動を取らないと、何のために生きているのか分かりません。
 何もかも実現する訳ではありませんが、夢とリスクを天秤に掛けてリスクよりも夢を実現させたい思いが強いのであれば、そのための行動を起こすべきです。
 私達が夢を実現させるためにはお金は必要です。きれい事を言って、お金を持たないで夢を実現させることは難しいのです。
 人が夢を実現するためには多くの人の支えが必要です。お金はそのための一部分かも知れませんが、親身になって増やすための相談に乗ってくれるプロの存在は頼もしいものです。志を持った人に、施策のプロ、営業のプロ、戦略のプロなどが近くにいてくれることで夢は実現に向かいますが、そのスタッフにお金のプロがいてくれると、夢を具体化させる時間を短縮出来ます。

 例えば、低金利時代の現在でも年利10%の金融商品があります。大まかな計算ですが5年で元金が1.5倍になります。ところが定期預金で年利10%の利息を受け取ろうとすれば、これまた大まかですが約1,000年かかります。夢を持って実現のためにお金を増やそうとしても1,000年もかっていては生きている間に夢を実現させる事は絶対に出来ません。ただ一つの例外は、人が1,000年生きることだけです。
 このようにお金は、夢を実現させるために必要な時間を短縮させてくれます。お金を増やす方法を知っているのと知らないのでは、夢を実現をも左右します。
 それなら元金を守ることに専念すればリスクがないから、お金の心配から開放されるように思いがちです。この考え方は間違いです。市場経済においては長期的視点でインフレのリスクがあります。元金を低金利のまま放置しておくと、時間の経過と共にお金の価値は下がりますから元金は守られません。まして、夢のための投資にはならないのです。
 夢を実現させたり、お金を増やしたりするためには、少しばかりのリスクを取る必要があります。世間一般でいると安全な人生を過ごせるように思いますが、世間に生かされていては何が自分の人生なのでしょうか。安全だったけれど何も実現しなかった人生は人生とは言いません。ある程度のリスクを取る覚悟を持つことだけが夢を実現させます。
 お金は夢を実現させるまでの時間を短縮させてくれるツール、新しい定義にしたいものです。

【本日の他の活動】
 貴志川線に関しての打ち合わせ。公募に応じた9社のアイデアとやる気について心配している方々が沢山います。和歌山市のために尽くしてくれる企業が経営主体になって欲しいと要望があります。また市民のアイデアを取り入れてくれる体制を敷いてくれるよう行政に依頼したいとの意見もいただきました。
 続いて、芸術文化活動についての打ち合わせ、福祉関係の打ち合わせ、介護に関する打ち合わせをそれぞれ実施しました。
4月 7日(木) 「ゴミ問題」
【貴志川線問題】
 貴志川線についての打ち合わせを実施。現在6つの法人と3人の個人、計9社(経営する場合は法人化を予定)が経営に名乗りをあげています。プレゼンテーションを終えて行政で9社の提案内容について検討中です。和歌山市と貴志川町が話し合いの中心となり経営主体を決定していくと思われますが、選定条件は安全性と長期的に安定した経営が挙げられます。
 どこが選定されるかは分かりませんが、いずれも熱意と貴志川線再生に向けてのアイデアがあるのは事実です。沿線の地域開発を含めた鉄道経営が期待出来そうです。
 ただどこに決定するにしても鉄道一種免許を所有していないため、公募条件にあった平成17年10月1日(南海電鉄が撤退する翌日からの経営)からの経営は不可能です。更に運転員の養成にも9ヶ月程度を要しますから、南海電鉄が半年程度運行してくれることが必要です。

【NPO総会】
 午後1時から2時間、あるNPO法人年次総会がありました。次年度に向けての体制が決定され、気分一新を図るため新会長が誕生しました。和歌山市を美しいまちにするための活動方針が確認されました。

【ゴミ問題】
 和歌山市中心部を流れているのが大門川ですが、川の汚れが問題になっています。川には冷蔵庫や机などの大型ゴミが捨てられていて町の景観をも汚しています。所管している自治会では、川からゴミを引き上げる作業を行い河川環境の改善に努めています。川沿いには桜の木が植えられ美観維持に努めています。捨てる人がいればきれいに保つための活動をしている人もいます。
 高野山から護摩山を走る風光明媚な道路、高野龍神スカイラインは現在通行料が無料化されています。有料から無料に変更した後、観光客を初めとして車の通行量は増加していますから観光振興の面からすると喜ばしいものです。
 ところがスカイラインの下の森林に、大型ゴミが捨てられている光景が見受けられます。道路を無料化してから目立ち始めました。冷蔵庫やタンスなどは、意図的に廃棄する目的で運び込まれたものです。

 河川や道路下にある森林に大型ゴミが捨てられると、引き上げて処分するのに多くの費用と手間がかかります。でも大型ゴミを放置しておくと、それ以上にゴミが捨てられます。
汚いところにはゴミが更に捨てられます。きれいに維持するためには、投棄される前に見回りを強化するなどの対策が必要ですが、見回りのための費用がかかってきます。費用負担は地元か所管する行政となりますから、一部の心のない人のために、結果として全体で費用負担をしなくてはなりません。
 それでも捨てられたものを引き上げるよりも、見回りする方が費用負担は少ないためその対策を講じられますが、本来、住む人にモラルがあれは不必要な経費なのです。
 どこの地方自治体でも財政赤字が言われていますが、住む人のモラル低下により行政負担が増加している点も見逃せません。行政が行なう行為は無料のように感じますが、職員さんが動いたり何かの行為があれば、そこに必ず財政出動が伴っています。現在社会において、民間企業や行政からサービスを受けるのに無料のものはありません。
 ゴミを自分の視界から見えないところに処分すれば、自分の周囲は美しくなります。しかし何処かが汚されている訳ですし、誰かが処分するのですから費用も発生します。

 ある人が知り合いの高級車に乗せてもらった時のことです。車内の灰皿はピカピカなのでタバコは吸ってはいけないと思っていたのです。ところが知り合いの運転手は運転しながらタバコを吸い始め、車の窓を開けて灰を外に撒いて末に、最後は吸殻を道路に捨てたのです。
 続いて知り合いは缶コーヒーを配ってくれました。飲み終えた後、赤信号で車が停止した時に、窓から中央分離帯の植え込みに向かって空き缶を投げ捨てたのです。
 一緒に乗ったことから、車がきれいに保たれている理由が分かりました。確かに車はきれいかも知れませんが、人の心はきれいとは言えないようです。
 きれいなまちを作るのは住む人の心次第です。地方自治体の財政を少しでも改善して良い行政サービスを受けられるようにするのも住む人の心次第です。全てはそこに暮らしている人の心掛け次第です。
 見えない所は汚くても良い、財政赤字は関係ないと思う心が、ボディブローの様に徐々にまちの活力を低下させていきます。
 反対にゴミは資源と考えて決められた通りに処分する、自分に出来る事は自分ですることでまちの活力は生み出されます。私達がどちらを選択するのかで、まちの方向性は定まります。結局ここで暮らしている人がまちのレベルを決定しているのです。

【夜桜】
 和歌山城の桜が満開です。一昨日まではまだ咲き誇っていませんでしたが、一気に暖かくなり桜は満開です。夜には同僚達と花見に出かけました。ポカポカで花冷えがない花見は初めてのものでした。
4月 6日(水) 「都をどり」
「都をどりは」「よーいやさー」で始まる京都祇園の都をどりに、和歌山市から友人、知人達と「都をどりツアー」バスを発車させ行ってきました。春の祇園花見小路の風物詩の都をどりの開催期間、祇園は一層華やかな雰囲気が漂います。


(辰橋から見る春の風景)
 友人の娘さんが平成16年12月、祇園で芸子「小愛」になってから、初めての舞台なので一緒に応援することも目的のひとつです。約40人を乗せたバスは、晴れで気温20度の中、枝垂桜の咲く京都祇園へ向かいました。親しい方達との懇親を深めるツアーは春の陽気のように晴れやかです。到着後、辰橋と辰巳大明人へ、ここはドラマのロケ地として使用されている場所で、最も祇園を感じさせる場所のひとつです。
 都をどりが開催されているのは花見小路にある祇園甲部歌舞練場で、歴史を感じさせ風格のある建物です。
 芸子になるには大変な期間と修行が必要です。小愛さんの場合、17歳から修行に入り舞妓になり、4年の期間を経て芸子に昇格しました。この間学校に通うのですが、習得すべき科目は多岐に及んでいます。三味線、長唄、笛、太鼓、舞踊、茶道、華道、絵画、習字など一人前になるまでに身につける技能は盛り沢山です。ひとつでも習得するのは大変なのに驚きます。
 舞台に立っている芸子はこれらの技能を身につけている訳ですから、奥行きの深さを感じることが出来ます。日本の伝統を若い女性達が確かに継承しているのは感動モノです。

(甲部歌舞練場の庭にて)

 ここに伝統文化がある地域の底力すら感じます。モノならお金で何でも入手出来る世の中ですから、ややもすると効率主義者となり、極力苦労を避ける傾向にあります。15歳から17歳位の女性が夢と志を持ち、修行の道に入るのは並大抵のことではありません。
 通常人は、底が見えるようなもののために修行をしようとは思いません。芸子の道に日本が持つ伝統が生き続けているから、楽をしようと思えば楽が出来る現代社会なのに、厳しい道に進む方達がいるのではないでしょうか。今舞台に立っている芸子達は、厳しい訓練に耐え残ってきた方達の集団でもあります。
 その様にして残ってきた、技能と日本の伝統を備えた芸子の踊りと演奏の舞台は、日本人であって良かったと思わせる程です。


(都をどりのフィナーレ)
 都をどりは、春夏秋冬と次のシーズンの春を演奏と踊りで表現しています。希望に満ちた春から始まり、人は楽しいことや苦しいことのある人生を過ごします。希望も悲しみも体験した後、再び春がやってきます。やはり何があっても人生は楽しいものであることが分かります。春は希望の季節、希望を持つことが人生を華やかなものにしてくれます。

 伝統文化に触れることで教えられるものがあります。こんな近くで伝統文化に触れられる地域はそう多くはありません。ある調査によると、祇園通りは日本人が一番好きな道だそうです。
それは電柱が地中化されたり、景観を保つために最近の建物でも周囲との調和を図っている道の景観の魅力だけではなく、伝統文化の魅力があるからだと分かります。その伝統文化の一部分を最前線で伝えているのが芸子と舞妓たちです。
 長年に及ぶ厳しい訓練に耐え、そして残ってきた芸子が魅せる舞台は、見る人の心に深く潜り込みます。日本人が持つDNAに働きかけ、目覚めさせる起動装置のようです。
 参加した方達が帰りに見せた表情と満足感がそれを表しています。
 文化やブランドは真似できるものではなく、間違いなくブランドである祇園のような伝統文化の拠点が地域にあることは羨ましいものです。伝統や文化を備えた地域は、活性化よりも凄い風格を持っています。
4月 5日(火) 「福祉行政」
【新職場】
 和歌山県の異動で配置が変わっています。朝の時間に少しだけですが関係箇所を訪問しました。地方自治体は短期間で異動する場合があるため、数年で人が全て入れ替わる部門もあり、仕事を覚えるのが大変だと思ってしまいます。行政の間口は広いうえに専門知識を要しますから、広く深く知る必要があり今の時代公務員も大変です。

【Uターン】
 東京から帰った人と懇談。数年東京で仕事をしていたのですが、地元和歌山市への愛着があり帰ってきました。和歌山市の経済情勢は厳しいのですが、首都圏で身につけた知識と技能を地元で活かして欲しいと願っています。

【あと1年】
 知り合いの方のご子弟が、残念ながら国立大学の後期試験に失敗しました。1年浪人を覚悟して来年に向けて始動しています。同期生に1年の後れを取るのは辛いものですが、長い人生において若い時代の1年は誤差の範疇で何の問題もありません。私の年齢になると良く分かります。あせって1年を取り戻そうとする必要はありません。じっくりと自分の目指すべきものを見つめて、実力を養って欲しいものです。1年や2年の遅れは、自分の将来を左右するものではありませんから、あと1年がんばれると思う位が良いのです。
 苦労は早く経験した方が絶対に得です。来年祝えることを楽しみにしています。

【福祉行政】
 4月に転勤なった方と懇談の時間をいただきました。同じ会社内でも支店によって職場環境は異なりますから、慣れるまで気苦労があります。何年かに一度環境を変えて苦労をする経験は人生の節目となります。節目が多い人ほど打たれ強くなりそうな気がします。
 福祉関係の打ち合わせを実施。昨年市役所では、民間福祉施設に電話聞き取り調査を実施しています。聞き取り内容は施設の定員と空き状況などです。調査の目的は分かりませんが、福祉施設入居者の増加に備えて、どの民間施設にどれだけの空き部屋があるのかを把握しようとしたものだと推測します。高齢者福祉の前向きな行政サービスを行なうためなら大歓迎です。

 空き部屋の状況はリアルタイムが望ましいのですが、最低でも行政サービスと言うためには週1回程度の聞き取り調査により、空き部屋の現状を的確に入居希望者に情報提供する必要があります。ところが電話での聞き取り調査はそれ一度だけとなっています。
 一体聞き取り調査の目的は何だったのでしょうか、疑問です。
 ある施設の福祉関係者が、市役所の介護保険課に次のような問い合わせをしました。「空き部屋が出たので市役所に対して入居を希望している方がいれば紹介して欲しい」と言う問い合わせです。この方の意図するところは、困って市役所に入居先を問い合わせている方がいれば受け入れしたいと思ってのものです。
 それに対して市役所の担当課は「市役所の介護保険課はサービス業ではありません。ですから教える事は出来ません」と言うものでした。全く信じがたい対応です。市役所は行政サービスを提供することを目的としたサービス機関です。入居希望する人から市役所に問い合わせがあれば、立地地域や入居条件、空き部屋状況を勘案して最適な施設を紹介するのが仕事ではないでしょうか。市役所に問い合わせがあった場合に紹介もしないのであれば、市役所の介護福祉担当箇所は一体何の仕事をしているのか疑問です。
 行政はサービス業ではないと言い切る担当者がいる現実を、どう捉えたら良いのか考えてしまいます。民間福祉施設と市役所の情報連携を密にして、地域として福祉サービスを必要としている人に提供するのが、高齢者福祉に関する行政サービスだと思うのですが、どうやら市役所では違うようです。
 和歌山市のどの施設に空き部屋があるのか常に最新情報を把握し、情報発信まで行かなくても、その情報をホームページに掲示する程度の行政サービスがあって当然だと思うのですが如何でしょうか。高齢者福祉を司っている市役所の仕事とは何なのか、謎は深まります。
4月 4日(月) 「恐ろしい人」
【個人情報保護法】
 個人情報保護法が今月から施行されています。朝、それに関する勉強会を実施しました。企業所属員の個人情報は保護対象外でしたが、施行後は従業員のデータも保護対象となります。個人情報とは、そのデータがあることにより個人名が特定出来るものを指します。

【編集委員会】
 市議会だより編集委員会が開催され出席、市役所の人事異動により担当が変わったので雰囲気も変わりました。人が変わると雰囲気も変わりますから、寂しさ半分新鮮さ半分といった感覚です。

【権限への歯止め】
 昼間から夕方に掛けて、明日を良くする活動方針についての打ち合わせを実施。考え方と具体的方策まで踏み込めましたがその一部を紹介します。
 人は、その人にとって恐ろしい人が近くに存在する必要があります。恐ろしい人とは、主体となる人の行動を近くで見てくれていて、誤った判断を下した時には叱ってくれ、間違いそうな時には忠告してくれる人のことです。時には耳障りな言葉も発してくれる良き友人でもあります。

 最初は、行動や考え方の誤りを諭してくれる友人と忠告を有難く思うものです。主体と支えてくれる人の関係は、忠告を進言することとそれを聞き入れることによって深まっていきます。伸び行く人は、忠告してくれる人に感謝する気持ちを持っています。
 ところが社会的地位が高くなるにつれて、周囲に人が集まるにつれて、友人の忠告を聞き入れなくなる事例を多く見かけます。自分にとって心地良い意見を述べてくれる人を近くに配置し、苦言を呈してくれる人を遠ざけるようになります。そうなると裸の王様と一緒です。やがて最初から支えてくれた友人は彼の元を去り、地位を築いてから近寄ってきた人だけが周辺を固めることになります。苦言を呈してくれる人を遠ざけると、それに比例して転落は始まります。

 客観的に観ると分かり易い図式ですが、当事者になると分からなくなるのです。自分のあらゆる行動に対して周囲からの意見提言がなくなると要注意です。古くからの友人の意見を受け入れる気持ちを持ち続けることが自分を見失わない方法です。
 株式会社を成立させる要件に監査役の存在があります。商法が改正されて以降、監査役の役割はより重要になっていますが、個人にとっても監査役の役割を果してくれる人は必要です。必要以上の権限を行使することに歯止めをかけ、適正化を図る役割を担ってくれる人が、株式会社では監査役で個人にとっては本当の友人となります。
 権限が一箇所に集まることは極めて危険な状態です。通常は権限を分散させるか権限を監視する機関を設置することで、制度として歯止めをかけることになります。
 組織内においても社会的においても、地位が高くなるにつれて権限は一箇所に集まってきます。複数人いる課長よりも一人の部長に権限があるのは、ピラミッド組織では当然です。複数人存在する部長よりも一人だけ存在する社長の方に権限があるのも当然です。会社なら権限を有する取締役に対して、監視する機能を持つ監査役が存在していますし、会社の基本的事項を決定する株主総会が方向性を逸脱しないように歯止めを掛けています。

 NPO法人など私達に身近な通常の組織の場合、方針を示す代表者がいて金銭を管理する事務局長がいることで権限を分散させて適正化を図れます。このように、人間は権力を保持すると権限を乱用することを前提として、現代社会では歯止めをかけるしくみを作っています。
 個人の場合、行動に対して忠告してくれる人が必要な理由はこの点にあります。
 人間には欲得がありますから、個人でそれを制御するのは難しいのです。そこで自分の行動に歯止めを掛けるために、行動を正してくれるような苦言を呈してくれる人の存在が不可欠なのです。
 権力は必ず腐敗します。組織的に歯止めを掛けても歴史が繰り返されるのは、人の内心に問題があるからです。心に歯止めは掛けられませんが、そこに歯止めをかけられる唯一の手段は、忠告してくれる友人がずっと近くにいてお互いの信頼関係を保ち続けることです。そして目的を達したら、いつまでも権限のある場所にいないで立ち去る勇気を持つことで晩年を汚さないで済みます。

【交通事故】
 夜、県立医科大学病院に大先輩をお見舞い。金曜日に交通事故に遭遇され頭を強打したため入院しています。施術後が痛々しいのですが顔を見ると少し安心しました。横断歩道を歩行中、後ろから走ってきた車にはねられたもので一方的に車の前方不注意です。意識はしっかりしていてホッとしましたが、まだまだ活躍すべき大切な体です。二週間の入院予定ですが一刻も早い回復を心からお祈りしています。
4月 3日(日) 「名取」
【名取】
 杵屋栄寿珠さんの名取披露式が執り行われました。三味線の家元から承認をいただいてのもので、約50人の関係者が集まりお披露目を行ないました。
 通常、三味線は子どもの頃から親しみ、文化の継承者、指導者として名前を頂戴します。何でもそうですが、技術を身につけるには人生の中で沢山の時間を要するからです。三味線も例外ではなく、一人前になるまでは長い道のりが待っています。
 ところが杵屋栄寿珠さんの経歴はユニークです。杵屋栄寿珠さんは元高校教師で、定年の60歳まで勤め上げました。ここでキャリアは終わりを告げ、余生をゆったりと楽しむという方が多いのですが、60歳にして初めて三味線を習い始めました。60歳の手習いと言えますが、新しい事に取り組むのは至難の技です。

(名取披露の会)
 意欲、音感など若い弟子と比較すると厳しいスタートでしたが、72歳の今日、見事杵屋の名取となりました。途中、介護のため3年間のブランクがあったのですが、約10年をかけての偉業達成です。昨夜は緊張感からなかなか寝付けなかったそうで、儀式の最初は客席から見ても緊張感が漂っていました。一曲演奏が終了すると緊張感が解けて普段の表情に戻っていました。
 ここで学ぶべきことがあります。物事を開始するのに、年齢もそれまでの経験も全く関係がないということです。学ぶ意欲があれば周囲の環境に気後れしないで、恥ずかしがらずに取り組むことです。同世代が取り組んでいることは比較的入って行き易いのです
が、世代が違う環境に身を投じるのは勇気が必要です。年下の師匠について年下の他の弟子と一緒に習うのは大変な度胸がいります。
 それでも三味線を習得したいとの思いが不安を上回っての挑戦でした。不安を克服し熱意を持ち続けたことが、60歳から始めて70歳までの10年間で三味線の技術習得が可能となった理由です。勿論、技術は無限でこれで終わりではなく始まりなのですが、ひとつの区切りとなりました。
 私達に勇気を与えてくれるものですが、簡単に真似の出来るものではありません。でも身近に素晴らしいお手本が存在してくれ、挑戦するのに年齢や経験は関係のないことを教えてくれます。新しいことに挑戦することをためらう理由は、やったことがない、遅すぎる、今更恥ずかしい、他人の視線など、実体のない恐怖心が主なものです。これの恐怖心は気持ちの持ち方で克服出来るものです。ただ分かっていても考え方を切り替えるのは難しいのですが、模範となる人が近くにいると自分も出来るような気がしてきます。
 始めることをためらう必要はなく、遅すぎることもないことを教えてくれた杵屋栄寿珠さんが近くにいることに感謝します。

 さて、名取になると弟子から教える立場に変わって行きます。杵屋栄寿珠さんの場合は、弟子を集めて伝統を継承するための活動ではなく、これからも自分を高めるための活動を中心とする予定です。このような目的を持つ名取誕生は珍しい事例ですが、弟子を取って三味線の伝統を継承するのだけではなく、底辺の拡がりが伝統芸能を支える新しい形の名取誕生のモデルとなりました。
 伝統あるものはその精神を継承する必要がありますが、形は時代に即して少しずつ変化させても良いのです。決まった形の継承方法を取るのではなく、受け継ぐ精神と技術が確かなものであるなら、思い切って委ねることで理解層は拡大していきます。

【シャンソン教室発表会】
 第11回シャンソン教室発表会が和歌山市民会館で開催されました。シャンソンを習っている方達が1年間の練習の成果を発表する大きな舞台です。会場はほぼ満員でシャンソンを好んでいる方が着実に増えていることを感じます。
4月 2日(土) 「外国人の人権」
 外国人の人権問題についての事例です。永住権を取っている外国の方がある市の市営住宅への入居希望で応募し当選しました。入居するに当たって申込書が必要で、本人の署名と保証人の署名が求められました。そこで同郷の外国の友人に保証人を依頼しました。その方は永住権を取得した上、日本で会社を経営していて、市民税も法人税も滞納なく納めています。
 市役所に必要書類を提出したところ、保証人は外国人では駄目で日本人であることが必要だと受け付けてくれませんでした。外国人は人間ではないのか、怒りの相談がありました。
 市役所では、外国人だと何時帰国するか分からないので保証人には相応しくないとの見解を示しています。でも永住権を取得していますし市税も納めています。日本人では市税を滞納している人もいますが、不思議なことに保証人にはなれます。市民としての義務を果たしていないのに、です。
 受け取りを拒否されたこの方は、日本人なら逃げないので良いと言うけれども、明日死亡するかも知れません。何時どうなるのかは誰にも分からないのだから、日本人なら安心で外国人は信頼出来ないとの見解は疑問が残ると反論しています。

 さてここで外国人に人権は認められるのかが論点になります。人権とは自然権ですから、通常は認める・認めないのレベルではなく、生まれながらにして当然に付与されている権利です。ところが問題となるのは人権にも種類がある点です。外国人に関する人権を大きく分けると、選挙権などの国民主権となる問題。もうひとつは生存権のような社会権の問題があります。
 今回は国民主権の問題ではないので、社会権の側面から考えて見ます。
 社会権は国家が存在するからこそ国家から認められる性質の権利です。後国家的権利ですから、前国家的権利である人権と同様に保障されないとする考え方が一般的です。参考までに、前国家的権利とは国家の存在とは関係なく、表現の自由など人が生まれながらにして有している権利を指します。
 しかし憲法では第三章において、国民の権利及び義務と記されているため外国人には日本国憲法が保障する人権を認めないとする解釈があります。
 後国家的権利である社会権においては、認めるか認めないかは国家が決定すべきものと言えます。今回は地方自治体レベルでの問題で、外国人は保証人になれない理由は条例で定められている可能性があります。地域社会の問題は、即ち地方自治体の問題ですから条例で定められていればそれに従わないといけません。
 これで結論付けて良いのでしょうか。ボーダレスの国際化時代に突入しているのに、後国家的権利だからとの理由で、人権についても過去から見直しされないままでも良いのかが問題となります。
 そこで憲法第98条2項です。ここでは国際協調主義が謳われています。これは自国民だけではなく、外国人の人権も出来るだけ保障をするように考えようとするものです。
 今や、社会権が後国家的権利であっても基本的人権であることには疑う余地はなく、外国人にも認めていくべきだと考えるのが自然です。憲法上社会権は外国人に認められないとしていても、立法施策で認めていく方向性を見出すことも、必要に応じて求められると考えるべきです。日本国内における外国人の生活形態は様々です。永住資格を認められた定住外国人と就労ビザでの入国者、或いは観光客では保護されるべき権利は異なってきます。その日本における生活形態に応じて人権保障を考えることが今日的です。
 その中で、日本に生活の本拠を置く外国人には社会権を認めても良いと考えるのが自然です。外国人に社会権を認めない理由は、日本国が存在し得ないような何か大変な起こった時、日本人は命運を国家と共にする必要に迫られますが、外国人だったら自国に帰ることも可能です。自分の生まれた国に暮らす人とそうでない人では、責任の重さが違うと言うものです。
 しかし永住権を取得している外国人、特に日本で会社を経営して生活を築いている外国人であれば、自国での生活基盤よりも日本での生活基盤が強固なものになっているため責任を伴っているため、日本で何か起きても直ぐに帰るという行動には出ないと思われます。
 加えて、市民税や法人税を納めているのであれば、国家に対する権利の主体になり得ます。義務を果たしているのだから社会権においても、日本人と同様の権利が付与されるべきだと考えます。
 以上から当該市において、外国人は市営住宅の保証人になれないとする条例は違法性が問われるべきです。
 
 本問題の結果、当該市では外国人が保証人になれないと定めた条例はなく、永住権を取得している外国人なら証明書を添付することで保証人になれると結論をいただくことが出来ました。
4月 1日(金) 「新年度の動き」
 新年度のスタートです。地元神社では春の大祭があり、新しい1年の幸福をお祈りしました。毎月清掃当番を決めてきれいに保たれている神社の桜はまだつぼみで、例年よりも開花が遅れているようです。桜の下での神事とはいかなかったのですが新年度の幸運をもらえました。

 児童達による新春ピアノわくわくコンサートがあり参加、未来を感じさせる子ども達の演奏と踊りに接して、可能性を見つめる意味を感じました。可能性を信じるのではなく、やりたいことをすることが可能性を拡げるのです。
 終了後、ピアノの先生や保護者のホッとしたような充実感のある笑顔が印象的でした。子ども達は勿論笑顔一杯です。
 デザイン会社で懇談。和歌山市でもデザイン関係の仕事はありますが、絶対量が不足しているため良いデザイナーを雇用しきれない部分があります。

(ピアノ発表会)
センスの良いデザイナーなら直ぐにでも採用したいのですが、市場規模が小さいため若い才能が市外に流出しています。

 新春舞踊の会について案内がありました。パンフレットが仕上がり開催を待つばかりです。関係者は多数出席しますが、文化の拡大を目指して呼び掛けをしています。和歌山市に文化の香りは似合います。今春の舞台を成功させ、今秋には大きなステージを予定しています。

 若い洋菓子職人が不足しています。技術の伝承をしたくても人材が不足しているので確保が大変です。女性はセンスが良く感性も優れているのですが、結婚などで退職するケースがあり折角の技術が継承されにくいのです。男性でも女性でも30歳までの若い職人候補生を探しています。
 どの分野でも人材を求めているのは変わりないのです。若い風が全ての分野で吹き抜けてくれるのを期待しています。

 本日記者発表を行なった私立慶風高等学校の副校長と硬式野球部長、監督にお会いしました。春の風のように爽やかで、ユニホームに着替えて早速ランニングを行なっていました。新しい息吹を感じさせます。夏の高校野球予選がスタートですが、大きな目標を定めて始動しています。グラウンドでは打倒○○と具体的目標を掲げて、春休みの最中でも熱の入った練習を続けています。
 
 今年6月から東京を拠点に音楽活動を開始する佐野安佳里さんの和歌山市でのラストライブが決定しました。5月27日の18時30分からの予定です。場所は和歌の浦アートキューブです。和歌山市にとっては寂しいのですが、全国の舞台で大きく羽ばたいて欲しいと応援しています。

 夜は友人の後援会総会に参加、大勢の方が集まり盛大なものになりました。地方にとって厳しい時代ですが夢を持つことの大切さを訴えてくれました。夢と元気を持つことが他の何よりも活気を生むために大切なものです。

 夜その後、日曜日の日程について先輩と打ち合わせ、文化活動を応援しているので春の休日は予定が一杯です。先輩は、新宮市、那智勝浦町、串本町、白浜町など春の紀伊半島を巡ってきたようです。

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