平成16年 5月18日(火)情報紙ニュースオンライン21

「片桐市議の市政レポート、
情報化社会のITビジネスは小さな会社の方が適している」

 和歌山市議1期目の片桐章浩さん(42)は、市政期待のルーキーだ。
議員さんといえば選挙の時はペコペコ頭を下げている印象が強いが普段の「素顔」は分かりにくい。
 だが片桐市議の郷土活性化にかける情熱は凄い。そのことは彼が発信しているホームページを見てもよくわかる。片桐市議はいま最も「情報」に強いトレンドな政治家といえる。
 片桐議員は、自分のホームページで市政報告レポートを発信、市議会本会議で行った一般質問と大橋市長ら当局の答弁、随想などを掲載、データの更新も絶えず行っている。
 4月の姿勢報告レポートでは「意思決定」という随想で「インターネットビジネスでは、大会社より小さい会社の方が経営上の意思決定を素早くできるという点で有利だ」などと情報化社会の可能性について触れている。
 その随想(全文)をご紹介。

 インターネットビジネスの世界では、社名や企業の大きさは全く関係ありません。むしろ、動きの俊敏な小さい会社の方が適しています。
 新しい知識や情報技術を導入するために、何段階も意思決定が必要な組織形態を持つ会社は、情報社会に関しては適していません。新しい技術は毎日のように出現しています。それを活用するかどうかを細かく検討している内に、もう時代遅れになっています。
 現場最前線にいる人が一番最先端のことを知っているのですが、伺い書やりん議制度を採用している会社では、それを上部に伝えるために、何度も同じ説明を社内で繰り返さなくてはなりません。その説明に要する労力は大変なものです。
 
 小さい企業では、実施するかどうかの判断をトップがすぐに下します。これが出来る理由は、トップがより現場に近いポジションにいること、外からの情報か直接入ってくるようなしくみを持っていることなどが挙げられます。
 ビジネスの世界で優位性を保つには、意思決定のスピードが大きくものをいいます。必要な情報を把握することの難しさや大切さがわからない人が、意思決定の段階に存在していたり、リスクだけを考えて判断を下せない人がいると、もう会社に発展の可能性はありません。

 すべての計画が成功するわけではありませんが、タネをまいておかないと、収穫出来ないのと同じです。規模の小さい企業は、可能性があれば足回りの良さを活かしてリスクに挑戦します。大きな組織は100%近い成功の可能性がない限り取り組みません。
 当該年度内に結果を出した分だけが評価されるところもあります。成果を出すために、結果が出やすい「プチ成功」を追求すねことに終始し、将来、大きな収穫を見込めるけれど成果があがるか分からない不安定なものには取り組まなくなります。
 
 成果と言っても数値で表せない部分が重要です。経常利益などの数値は大切ですが、その課程で積み上げる数値にはたいして意味がないと思っている人が多くいます。必要なのは、膨大な情報の中から必要なもの選ぶ能力と、それを活かすためのアイデアと人とのジョイント、それに行動力です。
 流れの中に自分のいるポジションがあること、それが重要視されるべきで個々の数値の達成度より、その人がいるかいないかが評価されるべきでしょう。プロジェクトの役割を担える人こそが人材です。
 単に役職名があるだけではプロジェクトメンバーに名を連ねることは出来ません。これが現代の仕事人としての人間の能力であり、それこそ社会は評価します。小さな組織が情報化社会に適している理由はここにあります。

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