平成16年 3月10日(水)和歌山新報より抜粋

「貴志川線問題「何がなんでも守る」強い姿勢。経営側の努力不足指摘も」

 貴志川線の廃線問題で、片桐章浩議員の質問に答え、大橋市長は、「年間200万人が利用し交通弱者にとってなくてはならない路線。何が何でも守っていく姿勢で、この問題に取り組んでいく」と、改めて同線の必要性と存続に取り組む意気込みを見せた。
 さらに市長は「貴志川線は和歌山市は言うに及ばず、貴志川町との広域のまちづくりを進めるためにもなくてはならない基幹路線。存続のために、あらゆる手だてを考えていかなければならない」と認識を示した。
 また南海電鉄の同線の対応には「経営努力、集客増の取り組みをあまりせず、赤字だからの一点張りで廃線しか頭にないような姿勢に、大変がっかりしている」「見捨てられているような非常に寂しい思いをした」などと感想を漏らした。
 同市の的場俊夫企画部長も答弁に立ち、「200万人弱の利用者があり、輸送密度が3,127人(全国のローカル線ワースト20位で793人)もありながら、毎年5億円以上の赤字を出し、廃線を視野に入れているというような利用者の利便性を考慮しない、公共性、公益性を放棄したような態度は誠に理解しがたい」と経営姿勢を厳しく批判した。
 市は今後、南海電鉄に経営実態の資料提供や説明を求め、精査し、存続に向けた経営努力を求めていく方針。また自転車の持込ができるサイクルトレインやシルバー定期券なども利用促進策も提案し、導入の働きかけを行っていく。

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