コラム
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2012/3/5
991    売れるから凄い

もはや社会現象から脱却して存在感が定着してきたAKB48。メンバーが楽器を演奏して歌う「GIVE ME FIVE!」も今まで違う新鮮な感じがあり、意表をつく企画力の凄さも感じます。

そんな楽器演奏に関して「演奏は下手だし、この程度の歌が売れる筈はない。AKB48だから売れているだけ」だという匿名意見がありました。もしかしたら当たっているのかも知れませんが違和感を覚えました。

それは物事の順序が逆だからです。演奏が下手なのに売れているのは変だという意見ですが、実は売れているから新しいことに挑戦していると考えるべきなのです。売れているから演奏が下手でも何でも評価されるのです。人気は演奏が下手なことは関係ありません。売れていることが唯一つの事実なのです。

この意見を言っている人は、もっと演奏が上手な人がいるのに下手な演奏のアイドルが売れるのはおかしいという批判ですが、現実は売れている人が人気というものさしで評価されるのです。

演奏が上手い人はたくさんいると思いますが、それだけでは売れないのです。どれだけ演奏が上手くても世の中で評価されなければ、その人の演奏が上手いことは誰も知らないままです。演奏が上手いのに売れないのは聴く人が正しくないからだ、世間は歌を知らないと突っぱねても、全く何事も起こりません。

社会で評価されてこそ人気も挑戦もできるのです。自分の実力が凄いのに社会は評価してくれないから社会が悪いと思うのは勝手ですが、演奏技術だけが評価される基準ではないのです。スター性や人間性、夢を与える力、元気を分け与える力など、見えないところの評価が大きいのだと思います。

そして一方は名前を出して演奏活動をしていることに価値があります。名前を出すことで逃げることができなくなるのです。批判する人は匿名ですから、社会の前面にでることはありません。批判をしても自分は批判されることはないのです。名前を隠して言うことは精神的に楽なことですし、最初から逃げている存在です。発言したければ名前を出すべきです。

世の中には演奏が上手くても売れない人はたくさんいます。世の中を変えるような発明でも、世の中に出てこないで消え去ることはたくさんあります。売れる要素があっても売れないものはたくさんあります。

全ては買う人が、投資する人が、そして有権者が評価をするのです。結果として売れた人は人気があると評価されるのです。優れた発明でなくても商品化されて市場に出たものが評価されるのです。そして選挙で当選した人が政治家として活動できるのです。

私達はまず現実を認めることから始めなければいけないのです。現実は多くの人が評価することで成り立っています。どれだけ実力があっても、社会から評価されなければ活躍することはできません。売れているから、多くの人に支持されているから凄いのです。