コラム
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2012/3/2
990    集中力

スポーツ関係者からイチロー選手の集中力について聞かせてもらいました。その集中力とは一点を見つめ続ける力だというものです。一点とは投手の手を離れたボールを手元まで引き付けるまで見続ける力であり、一つのことを継続する力のことです。毎打席気持ちを切らさないでボールを最後までしっかりと見る力は集中力ですし、練習を毎日続ける力も集中力です。直ぐに飽きる、三日も続かないようでは、一流になれないことを示しています。

仕事、勉強に成果を出すためには、そして目標を達成するためには、最後まで諦めない集中力が必要です。誰でも最初の一日や二日は目標を達成した時のことを想像してワクワクします。仕事で成果をあげて評価されること、今日から勉強を続けた結果期末試験でクラス一番になることを想像するとワクワクするのです。ワクワク力が集中力になるのですが、それが長くは続かないものです。どれだけ自分が求めていることでも三日目になるとワクワク感が負担感に変化する兆しが見えてきます。

クラスで一番になりたいと思って勉強を決意しても、三日目には元に戻ってしまった経験を持つ大人は多いと思います。社内のライバルに負けないぞと思って仕事に取り組んでも、三日目には諦めてしまうことも良くあることです。

そしてダイエットを決意して教室に習いに行った時の気持ちと比較して、三回目になるとしんどくて続ける気持ちが薄れてきます。

こんな時、大抵は自分に対して言い訳をします。

まだ高校一年だから今から一番にならなくても三年生になって勉強をしたら間に合うから、今はやめておこう。

会社生活は長いのだから、今は差をつけられていても、いつか私を評価してくれる上司に巡り合うと思うので、それまで実力を隠しておこう。

ダイエットはいつでも出来るものだから、今は無理にしなくても問題はないよね。冬は寒いし温かくなって動き易くなってから始めるとするか。

以上のような言い訳を自分で自分に言い聞かせて説得してしまうのです。ワクワク感を持ち集中していたのは最初だけで、直ぐに言い訳が集中力を上回ってしまうのです。

三日目、三ヶ月目に止めてしまうのは集中力が途切れるからです。そこ乗り切る秘訣は、最初から高いところを目指さないことです。初心者のマラソンランナーは「スタートの時点で同じようなレベルのランナーを見つけて、その人を目標にして走ります。その人をペースメーカーと思って背中や肩の部分の一点を見つめて集中して走ります。そうすると完走できますしタイムは良くなっています」と話してくれました。

少し高いところに目標を持ち、自分の目指す部分に集中することで思う以上の力が発揮できるのです。最初からクラスで一番、最初からスーパーボディを目指すのではなくて、今よりも前進するところを目指すことです。前にある目標という背中を目指して集中することが自分を今よりも高い位置に運んでくれます。