コラム
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2012/2/3
971    ハンサムスーツ

ハンサムスーツという日本映画があります。面白いというので偶々深夜にテレビで上映していたのを見ました。小さな幸せこそが、実は大きな幸せであることを教えてくれる映画でした。

この中で印象深い場面があります。主人公がお店の女性店員と行う「小さなしあわせ探しゲーム」をする場面です。これは自分のいる場所から誰かの小さな幸せを見つけるゲームです。自分から見て、それがその人にとって小さな幸せだと思う場面を見つけたら、携帯電話で写真を撮り、10歩その場所から前進するゲームです。

小さな幸せですからどんなささやかなことでも良いのです。最初主人公は、幸せだと思う行為が分かりませんでした。しかし先に携帯電話で写真を撮った女性店員が感じる幸せな場面が簡単な行為であることに気づきます。

美容室から嬉しそうに出てくる女性。道路に横付けしようとしている運転者が、上手に横付けできた場面。10円玉を拾って喜んでいる男性など、その気になってまちを眺めると、実に小さな幸せが潜んでいるのです。

もしかしたら、その本人が小さすぎて幸せだと感じていないことでも、このゲームを楽しんでいる主人公達には幸せに見えるのです。心で小さな幸せを感じられると、その瞬間、その日は幸せになります。それは自分が行った幸せな行為でも、自分に訪れた幸運でも良いのですが、それ以外にも、他人の幸せな行為を見つけることも自分の幸せに転化するものです。

つまり自分に訪れたものでなくても、自分が見つけた小さな幸せは全て自分の幸せ体験になるのです。これは素敵な発見です。他人が気づいていない幸せでも、私が気づけばそれが私の幸せになるのです。

気をつけていると毎日が小さな幸せの瞬間に変化するのです。

家庭内においては、子どもがテレビを見て笑っている瞬間は小さな幸せです。職場では、同僚が上司に認められ褒められている場面は小さな幸せな瞬間です。横断歩道を渡ろうとしている歩行者に先に横断してもらおうと止まっている自動車を見かけたときも小さな幸せを感じられます。居酒屋で、笑顔で乾杯している人を見かける時も小さな幸せの瞬間です。たくさんの小さな幸せに遭遇していますし囲まれているのです。

そしてそんな小さな幸せは、自分のところにも毎日、数え切れないほど訪れています。朝起きて家族に囲まれている時。通勤途中で誰かに道を譲った時。職場で「おはようございます」と挨拶をした時。朝礼で仕事に役立つ話を聞いた時。そして居酒屋で仲間と乾杯している自分。とても大切な小さな幸せの場面なのです。今まではそれに気づいていなかっただけなのです。

誰かの小さな幸せに気づくと、それだけで幸せになれます。誰かの幸せに気づくようになると、自分の周囲にも多くの小さな幸せが満ちていることに気づくようになります。そして生きていることは、毎日が小さな幸せに囲まれていることに気づきます。