コラム
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2012/1/10
954    天使

ヨーロッパの国では、ラッキーなことがあると机を三回叩いて「天使が来てくれた」と囁くことがあると聞きました。天使はきれいな人が好きで、誰かのために尽くしている人に尽くしてくれるようです。きれいな人とは外観ではなくて、心のきれいな人や優しい人のことを指します。そんなきれいな人の肩には天使が二人いて、守ってくれているようです。

心は流され易いものです。ですから私の肩には天使が二人味方してくれている感覚を持っていると、悪い方に流されなくて済みます。可愛くて優しく微笑んでいる天使がここに存在していると思うだけで、心が軽く、透明へと導かれるようです。

天使がいるかいないかの問題ではなくて、心がきれいなのかそうでないのかの問題のような気がします。天使が宿っている人は心のきれいな人であり、閃きや瞬間的に分かることなどの能力を与えてくれると聞きました。直感が働くと感じたり、瞬時に判断できたら天使が私を守ってくれていると思うと悪いことは起こらないような気がします。

天使には白いイメージがあります。そして私達の心も白いものです。白い心に白い天使が宿っていると思うことが自然です。

人は黒いものは警戒しますが、白いものには入っていくことがあります。悪魔の誘いは白いものから始まります。白いものに心が惹かれると、次に少しだけグレーの入った白を差し出します。白だと思っているのですが、視覚では確認できないグレーが入っているのです。それが白だと認識すると、その次に表れるグレーの入った白も白だと認識してしまうのです。次々とグレーの割合が高くなった白に導かれて、やがて黒でも白だと思うようになります。

基準が100パーセントピュアな白だったら、少しグレーの混ざった白は警戒するのですが、基準がずらされてしまうと、グレーの混ざった白がピュアな白だと判断してしまうのです。心は元来白色ですが、俗世間との関わりの中で知らない間にグレーに染められていくのです。ですが基本はあくまでもピュアな白です。この基準をずらしてはいけないのです。ピュアな白を基準にしているとグレーの混ざった白は白でないことを見抜けます。それが自分を危険から守ってくれるのです。天使は白の心が好きで、その中に存在していますから、グレーに染められるに連れて天使の居場所が狭められていくのです。

心が黒になると天使はいなくなります。守ってくれる天使がいなくなると閃きも直感も失われます。心が変わると流れが変わります。周囲に同じような心の持ち主が次々に現れます。白い心でいる間は、白い心の持ち主が周囲にいますが、黒い心に変化すると周囲に黒い心の持ち主が存在するようになります。基準をピュアな白にしていると、それは危険な状態であることは分かるのですが、心がグレーから黒に変化しているからそれが分からないのです。

閃きも直感も、分かったと思う感覚がなくなれば、天使が離れていることに気づき、もう一度白い自分に戻るようにしましょう。幸い心は過去にも自在に戻れます。天使が存在していた頃の白い心に戻り、常に天使が見える自分でいたいものです。