コラム
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2011/12/6
936    姿勢は低く

自分が高いところにいて相手と話をしている場合、自分の考え方と意見が違う場合、腹が立ち抱え込むとストレスにつながります。ストレスの多い人は自分に自信のある人のような気がします。相手の言うことに腹を立てる、相手の言うことに意見をすることがありますが、そんな反応をしているとストレスにまみれてしまいます。

ストレスを溜め込むのは話をしている相手の言うことに対して反対意見を持っているから。つまり相手よりも自分の言い分が正しいと思っている姿勢に問題があるのです。大抵の場合、自分は自分が思っているほど凄くはありませんから、人と対峙する時は常に謙虚でありたいものです。

遥かに凄い人と話をする機会があった場合、自分なりの意見を言えなくなりますが、それはストレスを溜めるものではなく、謙虚に聞く姿勢を持つことが出来る機会となります。

例えばメジャーリーガー、シアトルマリナーズのイチロー選手と会って打撃の話をするとします。イチロー選手の打撃の理論に対して、「それは違うと思います。私だったらこう打ちます」と反論する人が果たしているのでしょうか。イチロー選手に対して打撃理論を対等に話し合い突破できる人はいないのです。

でもイチロー理論に腹を立てて、自分の方が正しいと思う人はいないのです。それどころか対談できたことに感謝する筈です。

映画監督のジョージ・ルーカスと映画撮影や映画制作の話をした場合も同じです。映画制作について監督から話を聞いて、「それは間違っているよ。そんな考え方でこの映画が世界中でヒットする訳がない」と反論できる人はいないいのです。恐らく監督の話に納得して、映画の世界について学べたことに感謝をすることになります。

このように相手が凄い人だった場合、相手を見下すことはありませんし、相手の話に納得できるのです。つまり自分の立ち位置は低いところにあり謙虚な状態なのです。謙虚な状態でいると相手の言うことにイチイチ腹を立てることはないのです。

常に相手よりも低い位置にいると思って話をしていると、相手の話から学べる機会となるのです。どんな相手からでも学べる話はあります。自分の方が上だから聞く必要がないという態度でいると、話の中から何も吸収できません。例えその分野においては自分の方が勝っているとしても、聞く姿勢を持つことです。そうすると良く知っている分野のことでも今までと違う視点で見ると、考え方によって結果が違うものになることに気づくかも知れません。それだけ知らない領域が知りえる領域へと変化して、考え方の幅が広がるのです。

ですから相手の話を聴く時は相手が高いところにいる人だと思って、話の中から何かを吸収する姿勢を保っていたいものです。自分より知識量が下だと思っていると、その相手からは何も吸収できません。聴く時間を持っているのに何も吸収できないとすればもったいないことです。聞く時は相手よりも低い姿勢でいると、自然に知識や情報、気づきが高いところからこちらに向かって流れ込んできます。姿勢は低く、なのです。