コラム
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2011/11/21
927    善玉菌

微生物のおもしろい話を聞きました。EM菌に関しての話でしたが、地球上にはEM菌のような善玉菌がいるのと同時に悪玉菌も存在しています。それぞれの全体の5パーセントから10パーセントの比率になっているようです。では残りの90パーセントから80パーセントの微生物は、日和見菌という存在です。人間には影響を与えない菌なので無色透明感があります。ところが環境が酸化していくと悪玉菌が増加することになり、恐ろしいことに日和見菌も悪玉菌に近寄っていくのです。それまでは人間と共存していた微生物が悪玉菌となり、衛生面や環境面で悪影響を与えることになるのです。

ところが環境が抗酸化していくと今度は善玉菌が増え始めます。そうするとおもしろいことに、日和見菌は善玉菌に近寄っていくのです。つまり人間が暮らす環境にとって良い循環となるのです。

微生物も人間も同じ行動を取るようです。微生物の場合、例えばEM菌がきっかけとなって自然環境を良くする方向に向かいます。EM菌が環境を改善する動きをすることで、そこに存在していた日和見菌も善玉菌と一緒の性質となり、環境改善に役立ってくれるのです。人間も同じで、社会を変えるために行動する人が現れると、多くの人はその行動に賛同して行動を起こすことになります。

自分から心に火をつける人は20パーセント、どんな状況でも心に火をつけない人が20パーセント、そして60パーセントの人は、他人の行動によって心に火をつける人であり、他人が不作為の場合は同じように何も行動をしない人なのです。

社会は自ら行動する人の存在によって、周囲の60パーセントの人が自らの心に火を灯し行動に移させます。それが社会を変える大きな力となるのです。社会は自らが行動を起こす人の存在を待っているのです。

善玉菌の性質を持つ人が社会を良くするために行動を起こすと、その社会は住み易い地域になる方向に向かいます。しかし悪玉菌が善玉菌を押さえ蔓延っている社会においては、周囲の多くの人は声をあげることも行動を起こすこともなく、ただ変化のない沈静化した地域になります。

住み良い地域は善の心を持っている人が行動を起こし、その行動を周囲の人が支持しているのです。反対に停滞している地域は変化を好まない人達が周囲を抑える役割を果たし、その結果、60パーセントの人が声をあげられなくなるのです。つまり先頭に立つ人が善の心を持っているのかそうでないかの違いだけで地域に格差が生じるのです。

日和見菌という言葉を人に当てはめることに抵抗はありますが、多くの人は誰かの勇気ある行動を待望しているのです。社会を変えるために行動を起こす人が現れる地域は、周囲の人も勇気を出すことができます。一人の善玉菌が周囲に影響を与えることで、周囲の人は次々に善玉菌に変化していきます。20と60の人が善玉になった時、80パーセントもの人が正義の行動を取るようになるのです。明るく照らされた地域は悪玉が動ける環境ではなくなります。少しの善玉菌の存在が世の中を変える力になるのです。