コラム
コラム
2011/10/28
912    日常の中の幸せ

ある社会福祉法人の懇親会にお招きしていただきました。その時に感動的な場面に出会いました。この社会福祉法人は作業所を経営しています。この作業所で働いているのは障害者の方々です。理事長を初めとする経営に関係する皆さんが、従業員の皆さんに感謝の気持ちを込めてホテルでの夕食会を開催したのです。

理事長は大切なこの日のために、素敵なメニューを用意してくれました。日頃の感謝の気持ちを込めて、ミシュラン三ツ星シェフを大阪から招いて料理を依頼してくれていたのです。ミシュラン三ツ星シェフの味は、今日の楽しくて一期一会の環境の中、一層引き立つものになりました。

また理事長が「残念なことに、障害者の方がホテルで食事をする機会はそれほどありません。みんなと一緒の楽しい食事、おいしい食事をいただく機会を与えたいのです」と目を和らげて話してくれたように、皆さんの笑顔から、今日の懇親会を心待ちにしていたことが分かります。一度限りかも知れない食事会です。そんな大切な懇親会でご一緒できたことに幸せを感じています。心に残る幸せな食事となりました。

そして懇親会の最後の場面で感動がありました。従業員の中の一人が働いている皆さんの気持ちを代表して挨拶をした場面です。

メッセージを要約すると、「理事長、施設長、本当にありがとうございました。ホテルでの素敵な環境の中、おいしい食事をいただいたことに感謝しています。今日の食事は見てもおしいかったし、食べてもおいしかったです。こんなおいしくて楽しい食事をいただけたことに感謝していますし、幸せな気持ちでいっぱいです。毎日、楽しく働けていることにも幸せを感じています。毎日、施設長や皆さんと一緒に仕事ができていることにも幸せでいっぱいです。素晴らしい働ける環境を作ってくれていることに感謝していますし、そんな毎日を生きていることにも幸せを感じています。幸せを与えてくれている皆さんに感謝しています。施設長は10日前に誕生日を迎えました。遅れましたが、おめでとうと伝えたいです。これはみんなからの気持ちです。施設長の笑顔に接することができて幸せです。施設長の太陽のような笑顔は、私達を元気にしてくれますし、私達を包み込んでくれます。幸せな環境の中で仕事ができていること。笑顔に囲まれていることに感謝しています。ありがとうございました」というものです。

感動的なメッセージです。何が感動かというと、感謝の気持ちが溢れていること。毎日笑顔でいられること、そして働ける環境にあることに喜びを感じ、幸せを感じていること、それが感動です。仕事に不満を感じ、周囲に不満を感じている人は多いと思います。しかし健康で働けていること、一緒に仕事ができる仲間がいること、理解してくれる上司や経営者がいることが幸せなことですが、それを分かっていない人が大多数です。

当たり前の日常が幸せなのです。健康でいられること。働く場所があること。仲間と一緒にいられること。そして笑顔でいられること。おいしいものが食べられること。これが幸せの正体です。幸せを感じる気持ちを持っていることが幸せであり、小さな出来事に感謝できる気持ちをずっと持ち続けたいものです。そうすれば幸せは常にここにいてくれます。

理事長は従業員の皆さんに最大の贈り物をしたのです。素晴らしい社会福祉法人であり、経営に携わる皆さん素敵な気持ちです。こんな気持ちと実行力のある社会福祉法人は永続的に繁栄すると確信しています。そして小さな日常の中にこそ幸せがあることを感じたいものです。