コラム
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2011/9/1
880    明日は今日より素晴らしい

経営者Oさんが、「素晴らしい座右の銘ですね。あの言葉に感動しました」と話してくれました。あの言葉とは、「明日は今日より素晴らしい」というものです。平成23年7月末の会合で、皆さんに話をさせてもらった言葉です。

座右の銘というと堅いのですが、それよりももっと柔らかい私の大好きな言葉で、毎日、心に命じている言葉です。この言葉との出会いは16歳。高校一年生の時でした。

1976年に大ヒットし翌年にアカデミー賞を受賞した映画「ロッキー」の主役を演じたシルベスター・スタローンのインタビューの中の言葉でした。言うまでもなく、シルベスター・スタローンは売れない無名の俳優でした。そんな彼がボクシングヘビー級タイトルマッチで当時の世界王者モハメド・アリと、挑戦者チャック・ウェップナーの試合を見て、三日間で書き上げたストーリーが原作になったものです。どの映画会社に持ち込んでも採用されなかったため、格安の制作費で自らが監督、主演を演じ、公開されると世界中で大ヒットを飛ばしました。苦労人のスタローンが明日を信じて、今日を頑張った中で発した言葉が、「明日は今日より素晴らしい」という言葉なのです。

無名の高校生だった私達は(当然誰でも無名ですし、今も無名なのは変わらないのですが・・・)、今日の高校生が明日になれば、英雄になれるかも知れないと胸を躍らせたのがロッキーでした。

本当にシンプルな言葉です。何の拘りもないシンプルな人生哲学がここに詰まっています。しかし明日が今日よりも素晴らしいことを信じられる人だけが、素晴らしい明日を迎えられることに気づかせてくれる言葉です。

今日が最高だと思う人生は素敵ですが、この先に楽しみがありません。今日も最高に生きた、でも明日はもっと素晴らしい生き方をするので、今日よりも素晴らしい明日になると思えたら、今日の日ももっと素敵な日になります。今日の終わりに明日を思い、また訪れる今日という日。今日の終わりには、再び明日を思い描き、また明日という名の今日が訪れます。

つまり永遠に明日は明日で、今を生きている今日よりも絶対に素晴らしい日なのです。素晴らしい明日を迎えるために最高の今日を生きる。それがこの言葉が持つ人生哲学なのです。

明日がなければ希望は生まれません。明日が訪れると分かっていることが素晴らしいことなのです。明日が訪れる希望のある今日を全力で生きること、それが人生なんだと16歳の当時の私が感じたのです。全力を尽くしているから素晴らしい明日が訪れると信じた16歳が、今もこの言葉を大切に心の中に持っています。

あれから33年が経過した今も、明日は今日より素晴らしいと信じられる日を生きていることに感謝しています。インタビューを受けた本人も忘れているかも知れない小さな言葉ですが、国境を越えてその言葉を自分で解釈して受け継いでいる人がいるのです。

やっぱり、明日は今日より素晴らしいのです。