コラム
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2011/8/29
878    開店前日

セブンイレブンの新しい店舗が開店する前日、開店前日の式典に参加させてもらいました。一言で表現します。緊張感と感動が詰まった素晴らしい式典でした。開店前日の緊張感と不安感が漂う独特の空間にオーナー、店長、そしてスタッフが揃いました。全員の皆さんが不安と期待が入り混じった表情をしています。その表情はとても素敵なのです。

そしてセブンイレブンで二号店を持つことの重要性を感じることもできました。一号店を運営している実績、人柄などの全てを評価し、二号店を任せられるかどうかを審査されます。オーナーのTさんは本部から「二号店をやってみないか」という誘いを一ヶ月前に受けました。自信がなかったTさんは最初断りましたが、本部からは「実績だけを見て二号店の出店を提言しているのではなくて、二号店を運営できる能力と将来性を買っているので提案をしているのです」と回答がありました。つまりもう二号店の成功が見えていたのです。

過去の実績ではなくて将来性を評価してくれることに男気を感じて、二号店経営に乗り出しました。コンビニの店舗を構えるためには多額の資金が必要です。「また借金を抱えてしまいました」と話しながらも、オーナーにとっての二号店内では笑顔と涙がありました。

24時間、365日開店が基本のセブンイレブンの店舗ですが、今日はスタッフと本部の皆さん、そして友人達だけが店内にいる空間でした。

缶コーヒーでの乾杯。友人代表のOさんは「二号店のご多忙をお祈りしています」と実にユーモアのある挨拶での乾杯でした。不安感のある開店前日。その緊張感の高まりの中で式典に参加できたことは貴重な経験でした。

コンビニはスタッフとお客さんがいないと成り立たない商売です。お客さんに提供するものは商品だけではありません。挨拶、笑顔、元気。この三点が絶対に必要です。コンビニに入った瞬間の空気をお客さんは感じるのです。これからもこの店に来るのか、来ないのか、お客さんの判断は一瞬です。気持ちよい空気を流れさせるのはスタッフの元気さと挨拶です。

コンビニで扱っているものは商品とサービスです。定価販売が基本のコンビニがスーパーに勝つためにはサービスが重要です。お客さんとの接点の時間が比較的短いコンビニのサービスとは、笑顔と元気さ、そして言葉遣いに尽きます。コンビニはどこでも良い時代ではなくなっています。何を買うのかではなくて、誰から買うのかがコンビニを選択する要素になっています。この二号店でも一号店と同じように、お客さんが笑顔になるようなサービスを提供してくれる空気がありました。明るくて清潔なのは当たり前。そこに笑顔と元気が加わり、そして滞在することが苦にならない漂える空間になります。

開店前日の緊迫した空気を感じ、毎日このような緊張感を持った活動ができるなら、どこまでも遠くへ行ける気がします。そして笑顔と元気、そして言葉が大切なのはコンビだけで通用する価値観ではなくて普遍的な価値観なのです。

緊張感のある新しい旅立ちは周囲の人にも好影響を与えてくれます。