コラム
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2010/10/4
840 公共事業
悪者にされている感がある公共事業ですが、全てが悪いものではなく、特に地方経済にとっては必要な政策が公共事業なのです。地方自治体は金融施策を講じることはできませんから、経済対策として公共事業巣の推進は不可欠なのです。
疲弊した地方経済を蘇えらせるためには、公共事業をおいて他の対策はありません。民間投資が進まない状況下での経済対策が他にあれば示して欲しい位です。
森田実さんの著書「新公共事業必要論」を読みました。その中で関西空港に関する記述がありました。関西空港は20世紀が誇るべき事業だとアメリカで評価されていることを知りました。是非とも紹介したいので、以下、引用させていただきます。

「関空は20世紀の最もすぐれた作品として世界的な評価を受けている。たとえば、米国土木学会(ASCE)による「モニュメント・オブ・ザ・ミレニアム」(Monument of the Millennium)は、「20世紀の偉業」の 一つとして評価している。
米国土木学会が「20世紀の偉業」として選定したのは、(1)水路部門=パナマ運河、(2)空港部門=関西国際空港、(3)鉄道部門=ユーロトンネル鉄道、(4)ダム部門=フーバーダム(アリゾナ州・ネバダ州境)、(5)道路部門=アメリカ州間高速道路、(6)長大橋部門=ゴールデンゲートブリッジ、(7)高層ビル部門=エンパイアステートビル、(8)下水道部門=シカゴ下水システム、(9)上水道部門=カリフォルニア上水システムだった(廃棄物処理システム部門は未選定)。
関西国際空港は、パナマ運河、ゴールデンゲートブリッジ、ユーロトンネル鉄道、エンパイアステートビルと並ぶ「20世紀の偉業」の一つとして位置づけられているのである。

〜中略〜

関西国際空港は、パナマ運河、ゴールデンゲートブリッジ、ユーロトンネル鉄道、エンパイアステートビルと並ぶ「20世紀の偉業」なのである。」

これが日本国内で知られていない世界の評価なのです。関西空港はお荷物のように言われていますが、わが国が誇るべき国家事業であり、第一級の技術力の表れなのです。この関西空港を評価しないことや活用しないで、伊丹空港とフライトを分散させている愚策は国家としてすべきことではありません。
アメリカで実際に見たことがあるのは、ネバダ州のフーバーダム、サンフランシスコのゴールデンゲートブリッジ、ニューヨークのエンパイアステートビルですが、それぞれの地域で説明を受けると、それぞれの地域の誇りであることを感じました。その土地の人が「あんなものは必要ない」とは誰も言いませんでした。巨大建造物は地域の誇りであり、地域を代表する観光名所になっています。
それと比較して、関西空港の評価は不当な低さであり活用が図られていません。公共事業によって世界に誇れるものを誕生させています。公共事業こそが経済再生のために必要なものであり、地域にとって誇りとなるものを生み出せます。和歌山県の経済を再生するために公共事業は必要です。それ以外に何があるのか、答えはありません。