コラム
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2024/9/24
1927    向陽高校東京地区同窓会その2

卒業してから実に45年振りに阪本君と出会ったのが、今回の向陽高校東京地区同窓会でした。顔を見た時、年を重ねてはいましたが直ぐに分かりました。とても懐かしく近況報告や同級生のことなど、45年の時が流れていることを忘れてあの頃のように話し合いました。

会社勤めの時、サンフランシスコとワシントン州に3年間いたこともあり、今年サンフランシスコに行き、ジャイアンツとドジャースの試合を見て来た話をしてくれました。

ドジャースの先発は山本由伸投手で、もちろん大谷選手も出場していた試合でした。本来、ホームチームの応援が凄いのでジャイアンツの声援が球場を囲みましたが、大谷選手が登場すると地元ファンからも大谷選手への声援が起きたそうです。

彼は「日本人ですがメジャーが認めたスーパースターなので敵味方関係なく応援していました。僕はジャイアンツの三塁側にいたのですが、三塁側からも大谷選手への声援がありましたから『凄いなぁ』と思って、誇らしく感じていました」と話してくれました。

昭和の時代には考えられなかったことが、今、起きています。時代は進歩していますし、世界で日本人が活躍できる時代になっています。昭和の時代の古い価値観は捨て去るべきだと思います。

彼は「ところで1年生の同窓会はやっているのですか」と尋ねるので、「最近はやっていないですね。ここで会ったので今年はやりたいね」と答えました。思いついたらやっておかないと「いつ会えなくなるか分からない年齢になっているからね」と話しました。

少し前なら「仕事や出張で参加できないから仕方ないね。来年、また会えるから」と話していたのですが、今は「今年参加できなければ、次はいつ会えるか分からないよね」ということになります。だから「存在が判明している同級生だけでも声を掛けて集まれるようにしよう」という話になりました。

そんな話を交わしながら「彼は何をしているのかな」と話していると、同級生たちは意外と手堅い仕事をしていることに氣づきました。それぞれ、和歌山県庁、和歌山市役所、JR、NTT、銀行など、堅実な人生を歩んできたように思います。高校の時から考えると意外な感じがしますが、昭和の時代は就職することが当たり前のコースで、今のように起業するだとかIT系の仕事だとか、フリーランスだとかの時代ではなかったことも起因しているように思います。

現代の小学校の理科の実験の机は楕円形で黒いテーブルに変わっていると聴きました。これは危険な液体が零れた時は直ぐに分かるようにです。昭和の時代の生物の授業の解剖実験はフナやカエルでしたが、今はイカだそうです。顕微鏡は覗き込んでいましたが、今は生徒全員が見えるようにモニターに映し出しているそうです。

だから僕たちの時代の価値観の大半は現代に通用しないと思いますから、今は後に続く後輩の応援をすることが役割だと思っています。そこにわずかばかりの経験を伝えることも必要だと思いますが、古い価値観を押し付けることはあり得ないことです。

あれから長い時間が流れていることに氣づきました。お互いに良い年齢を重ねていることを確認できたことが嬉しいことです。

同窓会の終了時間になりました。彼は「今年の同窓会に参加して良かったよ。片桐君にも会えたしね」と。僕は「今回、同級生と会えたことで楽しくなりました。阪本君と会えるとは思ってもいなかったので嬉しいです。今年も夏、1年生の同級生に声を掛けるので会いましょう」と答えました。

昭和55年の卒業から45年が経過していることさえ忘れるほど、その間の時間が短縮されました。あの頃に戻れる時間が存在していることを知りました。懐かしくて嬉しくて、そして過ぎ去って戻れない人生を感じた時間となりました。