コラム
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2021/8/10
1821    コミュニケーション力

人間関係は日頃からのコミュニケーションがとても大事だと感じています。仮に会っていなくても親しみを感じる人がいます。それは一度でも仕事で関わった時の印象が「感じが良い」「人柄が良かった」「相手の立場を考えてくれていた」「お互いが主張して理解できた」などの理由からきているものです。久しぶりであっても「その時」のことが記憶にあるので、「あの人となら会っても大丈夫」と安心感、信頼感があるのです。だから会った時には「あの時はお世話になりました」などの挨拶から入ることができます。

スムーズに話し合いに入るためには、日頃からのコミュニケーションが大事なのです。小説でも講演でも導入部分がとても大事なように、会話も導入部分、つまり挨拶から本題に入るまでの会話が重要になります。ここで信頼関係を確かめ合えたなら、スムーズに本題に入っていくことができます。

また依頼事は会った時から、または会う前から決まっている場合があるのです。誰からの依頼事なのかによって結果が違ってくるのです。コミュニケーションが図れている人からの依頼であれば「可能な限り引き受けよう」と思って会いますが、コミュニケーションが図れていない人からの依頼であれば「話によっては断ろう」と半分思って会うことになります。誰からの依頼なのかによって結論が違ってくる内心が分かると思います。

引き受けた限りは、それを実現させるために引き受けた人も動かなければなりません。人が動くのは、信頼関係にある人から依頼があった時です。そんな大事な信頼関係は日頃のつきあい、一緒に仕事をした時の印象、人柄や評判によります。
私達が紹介してもらって人と会うのは、その人の信頼関係を使わせていただいているのです。そうでなければ、紹介してもらわなくても直接アポを取って会ってお願いをすれば良いだけのことです。それでは物事が進まないことが分かっているので、人を介して紹介してもらうのです。
「人を知っている、知らない」「信頼関係にある、ない」「日頃からの付き合いがある、ない」が全てです。多くの場合は上記のことに関して「ある」人に依頼することになります。

よく聞く台詞に「あの人に頼まれたら引き受けないと仕方ないからね」「あの人からの頼み事は断れないよね」があります。二人の間には実に良い関係が築かれているのかが分かります。
「本来であれば無理なことを実現してくれる」「時間を短縮してくれる」「困難なことを簡単に引き受けてくれる」ことがあれば、信頼関係で結ばれているからです。勘違いしたらいけないのは、「信頼関係にある人からの依頼を受けて、それをやってくれるのは決して簡単なことではない」ということです。
信頼関係にある人から依頼を受けた人は、それに関して簡単に結果を出してしまうので「頼まなくてもできたのでは」と思う人がいます。それは大きな勘違いです。できないことを簡単にやってしまうことが信頼関係の成し得る力なのです。

何度繰り返しても大事なことですから繰り返します。依頼したことを余りにも簡単にやってしまうので「頼まなくてもできたからお礼は必要ない」だとか、結果が出てから「頼まなくてもできたことだ」と思う人がいますが大きな間違いです。信頼関係にある人が関わってくれると「仕事の時間を短縮してくれます」「難しいことを簡単にやってくれます」「後工程がスムーズに進んで行きます」。このような効果が発生します。

どれだけ大変なことをやってくれたか理解している人は、その人に感謝の言葉を伝えます。それを分からない人は「頼んだことをしてくれるのは当たり前」と思います。ここに大きな差が生じています。この気持ちのあり方が、この後に信頼関係を築ける関係に発展するか、そうでないかの分岐点です。コミュニケーションを図れた信頼関係は、物事を達成するために最も大事な要素です。