コラム
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2021/7/14
1806    ゴミ拾いの影響

メジャーリーガー大谷翔平選手の野球中継での打席を見るとワクワクします。日本人メジャーリーガーは全ての選手が凄いのですが、一挙一動にワクワクさせてくれる選手はやはり大谷選手です。二刀流やホームランは勿論ですが、その伝えられている行動が日本人として誇りに思えるのです。ファンサービスや他の選手への気配り、相手チームのファンや選手だからという違いを持たずに親切に接している姿勢に対しては誰でも好感を持ちます。
経営者との間の懇談の中で大谷選手の行動が話題になりました。このゴミ拾いのことは知らなかったのですが、実際にあったこの話を聞いて感動しました。

話題になったその記事を引用します。

6月17日の本拠地タイガース戦。四球となり一塁へ向かう途中、大谷がさりげなくした“ゴミ拾い”。実際のシーンを公開した米メディアには、称賛の声が寄せられた。打って投げて、圧巻の活躍の最中にも気配りを忘れない。初回の第1打席、大谷が四球を選んだ場面だ。肘当てなどを受け取りに来たボールボーイの肩を優しく叩き、一塁へ歩き出した。すると、数歩行ったところで視線を落とし、何かに気づくとさっと拾い上げ、そのまま左ポケットに入れた。どうやらグラウンドに落ちていたゴミを回収した様子だ。大谷は平然としたまま、3冠王の一塁手カブレラがいるベースまで歩いて行った。

というものです。

このゴミを拾うことに関して大谷選手は「人が捨てた幸運を拾っている」と答えているようです。

本当に凄い言葉ですね。ゴミを拾うことは簡単なようですが、できることではありません。つい見過ごしてしまうことや、気づいているけど人目を気にして拾わない、拾えないことがあります。

大谷選手は落ちているゴミに気づいた時は拾うことを当然の行為として思っているというコメントを知るとそれ以上のことだと思っているようです。

ゴミを拾うことは人が捨てた幸運を拾っていること。こんな考え方をしている人がいるのだと思うと同時に、メジャーリーグの試合中にでもゴミに気づいた時は拾うことを実践していることは日本人の誇りです。

「ベンチ内の姿を見てもチームメイトから好かれていることが分かります。人に好かれることが最も大事なことです」と話してくれた経営者がいます。仕事が出来る。技術がある。凄いことですが人に好かれることは更に凄いことなのです。日本人がメジャーリーグで活躍してくれることは嬉しいことですが、品格やマナーも身に付けている選手がいることは日本人の誇りです。日本人が世界に誇れるものが品格でありマナーの良さ、思いやりの心です。真に地球環境や平和に資するものはこの日本人の持つ価値だと思います。

敵や味方に関係なく選手やファンから慕われている大谷選手ですが、それは日常の心構えにあると思います。小さなことを続けることが大きなことを成し遂げるたった一つの方法だとイチロー選手が言いましたが、歴史を刻んでいる日本人のメジャーリーガーが同じ道を歩んでいるようです。凡事徹底は真面目で堅実な日本人の心構えだと思いますが、それは決して小さなことではなく大きなことを成しげるために必要な日常の行為だったのです。
大谷選手の言動で日本人が持っている価値をアメリカの人が知ってくれたなら、両国がリーダーとなり世界平和も地球環境保全も進展すると思います。私達は大谷選手の活躍と行動によって、一人の影響を与える行動が人を動かして世論となり社会を動かすことを学んでいます。