コラム
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2021/7/1
1798    一般質問の意義

「議員の本分は民意の反映なので、議会本会議で一般質問することにあるのではないですか。地元の議員の中には本会議で発言していない議員がいることに気づきました」という質問をいただきました。

ご指摘の通り、議員は本会議で一般質問によって首長や当局の考え方を質し、民意に基づいた議員の主張を政策として取り入れることを求めるべきです。民意を政策に反映させて政治を前進させることが民主主義の基本ですから、一般質問は有権者の方々から議員に与えられている最大の権利なのです。その権利を活用して、県政を進展させることが議員にとって最大の仕事だと考えています。

行政機関は法律や条例に基づいて仕事をしています。日本全体が法律のルールに基づいて社会を運営するためです。社会は秩序がなければ乱れますから、私達の行動を律するためにルールを定める必要があります。立法府が法律を制定できますし地方自治体は条例を制定することが出来ます。民意で選ばれた議員が社会のルールを定めるための法律や条例を制定するので民主主義なのです。だから民意を反映するために本会議で質疑を交わすことが最も重要なことです。議会は皆さんの意見を聞いて立法する、条例化することが主な役割だといえます。

日本は政府を運営するしくみとして政党政治を取り入れていますから、発言しない議員は政府の政策に賛成することで意思を反映しているといえますが、そこに皆さんの意思が込められていることを確かめる必要があります。全てが政党の決めた通りという姿勢では、民意を反映しているといえないのです。

ですから地方自治体は国と比較してより民意に近いので、議員はより民意を反映させることを重視すべきであり、そのために一般質問によって政策提言をすることが大事なのです。

ある先輩議員は「一般質問が議員の本質である。登壇の機会を求めてやるべきである」と話してくれたことがあります。

ある職員さんは「議員が一般質問をしてくれると私達は勉強になります。民意に基づいて提言をしてくれるから気づかないことが分かるのです。質疑を交わすことが勉強になるので一般質問をして欲しいと思います」と話してくれました。

今はお亡くなりになっている元職員さんは「議場で片桐さんの質疑を聞かせてもらいました。質疑内容は勉強になったので、その原稿は今も(話してくれた当時)大切に持っています」と話してくれました。

ある元部長は「一般質問の原稿を読むと議員のレベルが分かります。勉強をしている議員はどんどん質問してきますから、それに応えられるように良い答えを出そうと思います。それが政治を前進させているのだと思います」と話してくれました。

元職員さんは「議員さんには一般質問をして欲しいと思っていました。本会議で質問してくれることは時には政策を加速することになり、時にはブレーキを踏むことになります。民意というアクセルとブレーキを本会議で機能させているようなものです。一般質問をしてくれることで職員が立案した政策が民意に沿っていることを確かめられます」と話してくれました。

そしてある職員さんは「一般質問の通告があると緊張します。緊張があるから良い仕事につながると思います。実際のところ、職員は議員が質問してくれないと楽なのですよ。でもこれではいけないと思っています」ということです。

皆さんの発言から一般質問の重要性が分かると思います。そしてここに記した職員さん達の意見が本質問に対する答えになります。