コラム
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2021/6/29
1796    議員の仕事

とても勉強熱心な議員さんと懇談する機会を得ました。議員活動について学ぶことがたくさんありました。
議員は議会や委員会など公式な場で発言することが仕事だと思います。発言しない議員は民意を行政に反映するという役割を放棄しているようなものです。一般質問をするためには準備期間を要しますから、議会閉会後、直ぐに取り掛かる必要があります。熱心であればあるほど休む間がないことになります。
知らない人からは「地方議会が開会されているのは4ヵ月だから、年間100日働くだけで給料をもらえる良い仕事」だと言われることがあります。どうすればそんな考えになるのでしょうか。お相撲さんは年間6場所で日数にすれば90日だけ本場所で相撲を取りますが、年間90日だけが仕事だと思っているのでしょうか。本場所のない時は稽古、稽古で一年中稽古に明け暮れています。

プロボクサーは世界戦だと12ラウンド、デビューしたボクサーは4ラウンドを戦うことになります。3分を12ラウンド戦ったとして36分です。4回戦ボーイだと12分だけリングにあがります。だから「プロボクサーは良い仕事だなぁ。一試合で10分から30分だけリングに上がればいいだけだから」だとか「世界王者であれば一年間で2試合か3試合だけ戦うだけでしょう。楽な仕事ですね」と言う人がいるでしょうか。とんでもないことで、一日も欠かさずに練習をおこなっているはずです。その一試合のために懸命な毎日を過ごしているのです。

議員も同じように本会議を迎えるために毎日、準備をしているのです。調査、資料のまとめ、ヒアリングや勉強の機会を持たずして議場に立つことはできないのです。ペンと手帳、パソコンは必需品で、外出時はペンと手帳を携帯しないことはありません。人と会って話をする時はメモを取る。食事中でも大事な話だと気づいた時はメモを取る。運転中でもひらめいたら車を止めてメモを取る。電話をしている時でもヒントがあればメモを取る。そんな時間を過ごしているのです。

ペンとメモを持たないで、そして記録することなしに深い質問をすることはできません。聞いたことや調査したことは、日を空けると思い出せなくなっています。できるなら「その日のうちに」記憶を記録しておくことが求められます。記録しておかないと曖昧になりますし、新鮮に伝えるための表現ができなくなります。

夜が遅くても手帳を見てその日を振り返りますし、大事なことは記録しています。「後でまとめて」の考えは通用しません。大事なことを記録するのは「その日のうちに」が原則です。一般質問は活動の時間と勉強と記録の時間のトータルですから、活動と勉強そして記録のために時間を費やさなければ、良いものにならないのです。
一般質問を年間4回やろうと思うと3ヵ月毎になりますから、準備する期間は2カ月となります。2か月毎に試されることになりますから、休んでいる時間はないのです。 毎日稽古を続けることや緊張感を持った日々を続けることになるのです。

何事も結果を出すためには準備期間が必要です。怠けていて成果を出せることはありません。議員の仕事は毎日ですから、議会という表面に表れている時だけが仕事ではないのです。