コラム
コラム
2021/5/26
1777    将来のための希望

ドラマ「JIN−仁−」の大事な場面で登場する「神様は乗り越えられない試練は与えない。乗り越えた先に未来がある」の台詞。私達の日々の中に神様が潜んでいて、時々、意地悪な試練を招いてくれます。ところが困難に直面したその時は素直に「試練だから」とは思えないものです。

そんな時、心の中のたくさんの思いの中から言葉を選択します。

「もう駄目だから諦めよう」

「明日まで引き伸ばそう」

「明日、このことを相談しよう」

「やる以外に方法はない」

「やってやろう」

心の中のどの言葉を選択するのかによって氣力と行動が違ってきます。

心の中の不安が勝つと「不安があるからやめる」となりますし、不安を克服すれば「今やらないと後悔する」となります。自分が決めることですが、心の中に浮かぶ言葉は自分のモノではないように思うのです。それは不安という悪魔のささやきであり、明日という天使のささやきでもあるのです。悪魔と天使が発する言葉を選ぶのが自分だと思います。

ところが悪魔の言葉の方が、今が楽になることや、この場から逃避できるので魅力的なので、こちらに傾きやすいのです。天使の言葉は、何故か選択することに躊躇するのです。それは逃げることができない「今やる」ことの約束だからです。天使は知っているのです。「今、やらなければ次はない」ことを。

そんな心の中の天使は自分の分身ですが、もう一人の自分の分身の言葉に誘惑されることがあるのです。不思議なことに心の中にある不安は大きくて希望は小さく映っているのです。

不安を消し去って希望を引き出す方法が音楽だと思います。不安を消し去る音楽としてお薦めなのが「JIN−仁−Main Title」です。ドラマを観ていないと、この音楽の感動が伝わらないと思いますが「より良い未来を創る」気持ちになることは必至です。不安を打ち消して希望を引き出してくれるのが、心を奮い立たせてくれる音楽だと思うのです。

ドラマの話になりますが医師の南方仁先生は、涙もろくて、悩み、そして苦しみます。普通の人が自分の人生の物語の主人公として、この時代の人のため、未来の人達のため、そして未来は過去の結果だと信じて、今この時、自分が出来ることをやり抜こうと覚悟するのです。今は知ることのできない時代を生きた多くの人達の悩みや苦しみが生きた結果となって未来を創ってきたのです。そして現代も確実に未来につながっていて、私達の思いや行動の結果が未来の入り口になっているのです。

将来の入り口が希望の扉であり、入ってみたい扉にするためには、今が希望に満ちた時代にする必要があります。そんな希望は人が創ってくれるものではなく、自分で創り上げるものなのです。誰かが創った希望は、自分の描く希望と違うことも考えられるからです。だから将来の希望の中に自分の希望を取り入れることが私達の「やるべきこと」です。

それは大それたことでなくても良くて、小さくても、輝いていなくても良いのです。小さな希望や消えるような希望であっても、自分が創り上げた未来の礎が素晴らしいのです。