コラム
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2018/6/18
1717    感謝の挨拶

「感謝しています。素晴らしい皆さんに会うことができて」という挨拶の切り出し方をしたのがYさんです。和歌山市内の会合に来て挨拶をしてくれたのですが、話の内容も素晴らしかったのですが、挨拶の冒頭の「感謝しています」の言葉が印象に残りました。

挨拶の最初の言葉は「おはようございます」、「こんにちは」が多く、場面には「ご安全に」から入る場合もあります。でも「感謝しています」から始まる挨拶は初めてでした。

会合を終えてからYさんの隣に座って話を交わしました。「片桐です。今日は良いお話を聞かせていただきました」と切り出すと、Yさんは「感謝しています。片桐さん」と、やはり感謝の言葉から答えてくれました。

Yさんにとって「感謝しています」は「おはようございます」と同じように当たり前のことを相手に伝える挨拶の言葉なのです。常に感謝の気持ちを持っているので、自然と感謝の言葉が出てくるのです。

挨拶の冒頭に「感謝しています」から話し始めたことに関して、「自分一人で話をすることはできません。そこに一人いて、二人いて、三人がいてくれるから話ができるのです」という理由でした。集まってくれる人がいるから話ができる。聞いてくれる人がいるから話ができる。そんな当たり前のように思えることを、当たり前と思っていないので感謝の言葉が出てくるのです。

「人が集まってくれるのは特別なこと」。そう思うと、まずは感謝の言葉があることになります。目的もなしに人が集まってくれることはありません。何かがあるから、その場所に来てくれるのです。

「良い話を聞かせてもらえる」、「この人に会える」、「私が求めているテーマだから」などの他、「あの人に頼まれたから」という理由もあると思います。それでも理由があって集まっているのですから、参加した限りは何かを持って帰りたいと思っています。大切な時間をその場面に費やしているのですから。

挨拶に立たせてもらう人は、大切な時間を費やしてその場に来てくれたことを思い、その時間に見合う価値の話をするように心掛けたいと思います。

例えとして「もし世界が明日終わるとしても、今日、私はリンゴの木を植えます」という教えがあります。

私達は幸いなことに明日は何が起きるか分からないのです。だから世界の終りが訪れるような絶望の気持ちを持たないで、感謝の気持ちで今日すべきことができるのです。だから当たり前と思える今日が素晴らしい一日であり、今日に感謝しながらやるべきことをやるべきです。

感謝の気持ち持たない日は不満を抱えて過ごすことになります。一日を感謝の気持ちを持つのと不満に思って過ごすのとでは、心の持ち方が違いますし行動も違ってきます。人に与える印象も違いますし、結果も違ったものになります。不満を持って一日を過ごした時、感謝の気持ちを持って一日を過ごすことがどれだけ大事か分かります。

「このように感謝しています」の言葉から始まると不満の持ちようがありません。言葉は気持ちを表すものですし、もし気持ちがそうでなかったとしても言葉は気持ちをリードするものですから言葉の通りに気持ちが動きます。

感謝の言葉の痕には感謝の動きがありますから、気持ちの乗らない日があれば特に使ってみたい挨拶です。