コラム
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2018/4/12
1705    宝塚歌劇

宝塚歌劇団出身の人が和歌山市内で子ども達に宝塚を目指すための教室を主宰しています。和歌山市にいると宝塚歌劇は遠い世界で、届くような場所ではないと思っていますが、「そんなことはありません、機会は平等に与えられています」と話してくれました。機会は平等ですが、参加しなければ平等であることの挑戦権を得ることは出来ません。

和歌山市から宝塚に行く人が少ないのは、宝塚は身近な存在ではなく遠い存在だからです。遠い存在に感じる理由は、宝塚出身の人と会う機会がないからです。誰でもそうですが、その世界の人と会うことがその世界を身近に感じられる最大の力になります。プロ野球選手に会う機会があれば、プロ野球の世界を身近に感じることが出来ますし、政治家に会うことで政治が身近に感じられるのと同じです。宝塚出身の人と会うことで宝塚が身近なものだと感じ、「私も宝塚を目指したい」、「宝塚を目指せるんだ」と思うのです。

ですから宝塚出身の人が和歌山市内で教室を主宰しているだけで、宝塚がずっと近くに引き寄せられています。遠い世界ではなくて目指すことができる存在になるのです。

この方は小学2年生の時に宝塚歌劇を観劇して、「私もこの舞台に立ちたい」と思って、宝塚を目指すようになったと聞きました。その夢を持ち続け、中学生になった時、両親に土下座をして「宝塚に行きたいので一年間頑張らせて下さい」と頼んだそうです。そこから宝塚を目指すレッスンが始まり、4度目の挑戦で見事宝塚に合格したのです。

「まずは夢に対して本気になること、本気で頼むことで道は開かれます」と話してくれましたが、本気になることが夢の実現にとって必要なことで、本気にならないで夢を引き寄せることはできません。

ホンモノを見た経験と小学生時代ずっと夢を持ち続けたこと。両親に頼むと言う行動を起こしたこと。両親が与えてくれたレッスンの機会に感謝し大切にしたこと。合格するまでの4年間諦めなかったこと。それが宝塚合格を果たすためのステップで、他の分野でも通用することです。

多くの人は挑戦する前に諦めてしまうのです。諦める理由はホンモノに会っていないから実現のイメージを具体化することが出来ないこと。もし友人や大人に相談しても、誰も宝塚歌劇に合格した経験がないため、そのアドバイスは「宝塚なんか目指しても無理だから、それよりも勉強しなさい」、「宝塚なんてどうすれば試験を受けられるか分からないでしょう。特別な人が行くところです」などの言葉であり、挑戦することを諦めさせてしまうからです。

自分が目指すことを実現していない人にその方法を頼んでも、教えてもらっても、具体的ではないのでそこに届くことはありません。自分が目指していることを既に実現させた人が身近なところに存在していることが、目標達成のために必要な条件です。

宝塚出身の肩書は教室で通用しますから、宝塚を目指す生徒は習いに来てくれます。「私が教室を開催できているのは宝塚出身だからです。個人の力はたいしたことはありませんが、宝塚のブランド力が凄いのです」と話してくれたように、宝塚の先輩が築いてきた信用が社会での信頼となっているのです。

今では、和歌山市から未来の宝塚歌劇の舞台に立つ人が現れても不思議ではありません。宝塚ブランドが和歌山市に存在していることが力になっていると思います。